JP3736646B2 - ピストン式定量充填機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は充填機に係り、特に、シリンダ内に一定量の充填液を吸引した後、その液をピストンによって押出して容器内に充填するピストン式定量充填機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ピストン式定量充填機の一例として特開平4−142286号に示すものが既に知られている。このピストン式定量充填機は、回転体(4) の外周側に等間隔で複数の充填バルブ(6) が設けられている。各充填バルブ(6) は、ピストン(8) の下降によって図示しないタンクから一定量の充填液を吸引して計量するシリンダ(10)と、ピストン(8) の上昇によってシリンダ(10)から送り出された充填液を容器内に充填するノズル(12)と、これらシリンダ(10)とタンクとの間およびシリンダ(10)とノズル(12)との間の通路をそれぞれ連通遮断する第1および第2のバルブ(じゃばら式ポペットバルブ)(14),(16)とを備えている。
【0003】
上記両ポペットバルブ(14),(16)はそれぞれ、通路部材(19)または固定部材(50)の内面に形成された弁座(19b) ,(50a) と、筒体(36),(52)内に摺動自在に嵌合されたロッド(38),(54)の下端に設けられた弁体(40),(56)とを備えており、上方に配置されたスプリング(44),(57)によってロッド(38),(54)が常時上方へ付勢されて弁体(40),(56)を上方の弁座(19b) ,(50a) に着座させるようになっており、両ロッド(38),(54)の上方に水平に配置された回転軸(64)に、2枚の偏心した回転板(カム)(68),(70)を位相をずらして固定し、回転軸(64)を回転させることによりこれら2枚の回転板(68),(70)によって交互に両ロッド(38),(54)を押し下げて、2つのポペットバルブ(14),(16)を交互に開閉するようになっている。
【0004】
以上の構成に係る従来のピストン式定量充填機では、タンクとシリンダ(10)との間の第1のポペットバルブ(14)を開放し、第2のポペットバルブ(16)は閉じた状態で、ピストン(8) を下降させることにより、シリンダ(10)内に所定量の充填液を吸引した後、上記第1のポペットバルブ(14)を閉じるとともにシリンダ(10)とノズル(12)との間の第2のポペットバルブ(16)を開放して、ピストン(8) を上昇させることにより、シリンダ(10)内の充填液を押出し、ノズル(12)を介して容器内に充填するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなカム(偏心した回転板(68),(70))を用いてバルブ(14),(16)を開閉するタイプのピストン式定量充填機において、充填運転中に緊急停止等の事態が発生した場合には、液圧によりバルブを開閉するタイプのピストン式定量充填機(例えば実開昭62−130099)のように液圧が作用しなくなると自動的にスプリング力によってバルブが閉じるものと異なって、シリンダ(10)とノズル(12)との間の第2のバルブ(16)が充填中の開放したままの状態になってしまう。このようにノズル(12)側の第2バルブ(16)が開放したままの状態になると、ノズル(12)内の液が容器内へ流下してしまうため、充填量のばらつきが生じたり、容器内からあふれてしまう等の問題があった。
【0006】
本発明は上記欠点を除くためになされたもので、充填中に本機が停止した場合に、シリンダとノズルとの間の第2バルブを閉じることにより、ノズル内の液が落下することを防止するピストン式定量充填機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るピストン式定量充填機は、充填液を貯留するタンクと、ピストンの進退動により上記充填液を所定量吸引した後排出するシリンダと、このシリンダから排出された液を容器内に充填する充填ノズルと、上記タンクとシリンダとの間を連通遮断する第1バルブと、シリンダと充填ノズルとの間を連通遮断する第2バルブとを備え、上記第1バルブと第2バルブとを連動させて交互に開閉を行うとともに、上記第2バルブを、筒体内で昇降するロッドに設けられた弁体と、この弁体が着座する弁座とから構成し、上記ロッドを昇降手段によって昇降させて、弁体が弁座に着座する位置と離座する位置とに停止させることにより第2バルブの開閉を行なうものであって、さらに、上記ロッドの弁体と逆の端部側にエア室を形成し、通常運転時には、上記昇降手段により第2バルブの開閉を行なうとともに、前記エア室にエアを導入しておき、充填中に運転が停止した際に、このエア室のエアを排出することにより上記ロッドを上昇させ、弁座から離座した位置にある弁体を弁座に着座させて第2バルブを閉じるようにしたものである。
【0009】
【作用】
ピストン式定量充填機は、充填中は、タンクとシリンダとの間の第1バルブを閉じ、シリンダとノズルとの間の第2バルブを開放して、ピストンを上昇させることによりシリンダ内の充填液を押出し、ノズルを介して容器内に充填するようになっており、この充填中に非常停止した場合には、従来の構成ではシリンダとノズルとの間の第2バルブが開放したままになり、充填液が容器内に流入しつずけてしまうが、本発明に係るピストン式定量充填機では、ロッドの端部側に形成したエア室内にエアを導入または排出することにより、弁体を移動させて弁座に着座させ、上記第2バルブを閉じてしまうので、それ以後の容器内への充填液の流入が停止する。
【0010】
【実施例】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係るピストン式定量充填機の充填機構(全体を符号1で示す)の1つを示す縦断面図である。この充填機構1は、回転板2の外周側に円周方向等間隔で設けられており、ピストン3の下降によって図示しないタンクから充填液を吸引して計量するシリンダ4と、ピストン3の上昇によってこのシリンダ4から送り出された充填液を容器内に充填するノズル6と、タンクとシリンダ4との間の通路を連通遮断する第1のポペットバルブ8と、シリンダ4とノズル6との間の通路を連通遮断する第2のポペットバルブ10とを備えている。
【0011】
上記シリンダ4内に摺動自在に嵌合されたピストン3は、下端がコネクティングロッド5に連結され、図示しないエアシリンダ等の駆動手段によって昇降されるようになっており、通常の充填運転時には、上記第1ポペットバルブ8を開放するとともに第2ポペットバルブ10を閉じ、ピストン3を下死点3aまで下降させてシリンダ4の液室4a内にタンクから所定量の充填液を吸入し、その後、第1ポペットバルブ8を閉じるとともに第2ポペットバルブ10を開放し、ピストン3を上死点3bまで上昇させて所定量の充填液を押出し、ノズル6を介して容器内に充填する。なお、シリンダ4の上部内面には、ピストン3の外径よりも内径の大きい部分4bが形成されるとともに、下端部に排液管4cが接続されており、一方、ピストン3には、シリンダ4の内面を摺動する部分3cと、中間の小径部3dと、下端の大径シール部3eとが形成されており、洗浄時には、ピストン3の摺動部3cを上記上死点3bよりも上方の上記大径の部分4b内まで上昇させ、シール部3eによってシリンダ4の下端部をシールするようになっている。
【0012】
回転板2の下面側に上下2個のブロック12,14が固定され、これら両ブロック12,14の接合部内にバルブ孔16が形成されている。このバルブ孔16は、上部の側面が、上側ブロック12の内部に形成された通路12a等を介して図示しないタンクに連通し、下部が、下側ブロック14の縦方向の通路穴14aを介して、下側ブロック14の下面に固定されているシリンダ4の液室4a内に連通している。また、この縦方向の通路穴14aは、下側ブロック14の横方向通路14bを介して第2ポペットバルブ10に接続されている。
【0013】
回転板2の、上記バルブ孔16の上方には円孔2aが形成され、この円孔2a内に筒体18が嵌合固定されている。筒体18の内部には、スライドロッド20が昇降自在に嵌合している。スライドロッド20の下端には弁体22が取付けられており、スライドロッド20が下降したときに、この弁体22が上記バルブ孔16の底面に形成された弁座16aに着座するようになっている。これら弁体22および弁座16aによって上記第1のポペットバルブ8が構成されている。スライドロッド20の上部には、カバー24が固定されており、このカバー24の下面と上記筒体18の上部との間にスプリング26が介装されてスライドロッド20を常時上方へ付勢している。スライドロッド20の上部に固定されたカバー24の上方には、上端面が開口した円筒部28が設けられ、この円筒部28の外周にキャップ30が嵌合されている。円筒部28の底面とキャップ30の下面との間にスプリング32が配置され、スライドロッド20とキャップ30とを上下に付勢している。このキャップ30の上方に、後に説明するバルブ駆動カム70が配設されており、このバルブ駆動カム70の回転によって、上記弁体22が取付けられたスライドロッド20をスプリング26に抗して下降させ、弁体22をバルブ孔16内の弁座16aに着座させてこの第1ポペットバルブ8を閉塞し、上側ブロック12内に形成されたタンクへの通路12aと、下方に配置されたシリンダ4への通路(縦方向の通路穴14a)とを遮断する。
【0014】
下側ブロック14内に形成された横方向通路14bの他端側には、この下側ブロック14を上下に貫通する円孔14cが形成され、この円孔14cの上下にそれぞれ筒体34およびスリーブ36が固定されている。上方に固定された筒体34内には、スライドロッド38が摺動自在に嵌合している。このスライドロッド38の下端部の上面側には弁体40が設けられており、スライドロッド38が上昇したときに、この弁体40が、上記スリーブ36内に下方側を向けて形成された弁座36aに着座するようになっている。これら弁体40および弁座36aによって上記第2のポペットバルブ10が構成されている。スライドロッド38の筒体34上に突出した部分にはカバー42が固定されており、このカバー42の下面と上記筒体34の上部との間にスプリング44が介装されてスライドロッド38を常時上方へ付勢している。
【0015】
下側ブロック14の下面に固定されたスリーブ36内には、下方に延びるノズル6が取付られており、上記弁体40と弁座36aとから成る第2ポペットバルブ10が開放したときには、このノズル6が上記下側ブロック14内の横方向通路14bおよび縦方向の通路穴14aを介して上記シリンダ4の液室4a内に接続され、第2ポペットバルブ10が閉じたときには、このノズル6とシリンダ4の液室4a内とが遮断されるようになっている。
【0016】
上記弁体36aが取付けられたスライドロッド38の下端部には、パイプ46が固定され、スライドロッド38と一体的に昇降するようになっており、このパイプ46の外面と上記ノズル6の内面との間の間隙が容器内に充填される液の通路を構成している。パイプ46の下端部には、ゴム製のシール部材48が設けられており、スライドロッド38が上昇し弁体40が弁座36aに着座して第2ポペットバルブ10が閉じたときに、このシール部材48もノズル6の下端開口部に密着してノズル6内を閉塞する。なお、上記パイプ46内およびスライドロッド38内には、エア通路46a,38aが形成されており、粘度の高い液体等の充填を行なう場合に、充填終了時にこのエア通路46a,38aからエアを吹き出して液垂れを防止するようになっている。
【0017】
第2ポペットバルブ10のスライドロッド38の上端には、キャップ50が摺動可能に嵌合しており、スライドロッド38の上面とキャップ50の内面との間に空間52が形成され、スライドロッド38の外周に嵌着したOリング54によってこの空間52内の気密が保持されている。この空間(エア室)52内は、スライドロッド38に形成されたエア給排孔38bを介して図示しないエア圧力源に接続されており、このエア回路中に設けられた電磁弁(図示せず)の切換操作によって圧力エアを導入し、または大気に開放することができる。通常の充填運転時には、エア室52内に常時圧力エアが導入されており、スライドロッド38を下方へ付勢している。キャップ50の下側には、内向きのフランジを有するストッパ部材51が螺合固定されており、スライドロッド38の段部がこのストッパ部材51に当って下降限を規制される。キャップ50の上方には、上記第1ポペットバルブ8と同様に、バルブ駆動カム72が配設されており、このバルブ駆動カム72の回転によって第2ポペットバルブ10の開閉を行なうようになっている。
【0018】
第1ポペットバルブ8と第2ポペットバルブ10の中間位置の回転板2の上方には、円筒形支持部材56が回転板2の放射方向を向いて固定され、この円筒形支持部材56内に、水平な回転軸58がベアリング60,62を介して回転自在に支持されて、切換レバー64の操作によって回転されるようになっている。この水平な回転軸58には、上述した2つのバルブ駆動カム70,72が取付けられている。これらバルブ駆動カム70,72は、それぞれ大径部と小径部とを有しており、両者70,72の大径部および小径部が同時に同一の方向を向くように上記回転軸58に取付けられている。切換レバー64の操作によって、両バルブ駆動カム70,72の大径部がともに下側に移動したときには、第1ポペットバルブ8のスライドロッド20および第2ポペットバルブ10のスライドロッド38を、スプリング26,44に抗して押下げ、第1ポペットバルブ8の弁体22を弁座16aに着座させて第1ポペットバルブ8を閉じ、第2ポペットバルブ10の弁体40を弁座36aから離座させて第2ポペットバルブ10を開放する。また、両バルブ駆動カム70,72の小径側を下側に移動させたときには、両ポペットバルブ8,10のスライドロッド20,38がスプリング26,44によって押し上げられ、第1ポペットバルブ8の弁体22が弁座16aから離座して第1ポペットバルブ8が開放し、第2ポペットバルブ10の弁体40が弁座36aに着座して第2ポペットバルブ10が閉じる。
【0019】
上記回転板2の外周部上には、洗浄用シリンダ66が設けられている。この洗浄用シリンダ66の作動ロッド66aには、支点67を中心に揺動可能なレバー68の端部が連結されている。この揺動レバー68の他端は、スライドロッド38側に係合しており、洗浄時には、洗浄用シリンダ66を作動させることにより、駆動レバー68を揺動させてスライドロッド38を下降させることにより、第2ポペットバルブ10を開放できるようになっている。また、図示は省略してあるが、ノズル6の周囲には容器の口部を案内するガイドコーンが昇降可能に配設されており、このガイドコーンが、洗浄時に洗浄カップを挿入する際の邪魔にならないように、ガイドコーン昇降用シリンダ74によって昇降できるようになっている。
【0020】
以上の構成に係るピストン式定量充填機の作動について説明する。通常の充填運転を行なう場合には、第2のポペットバルブ10のスライドロッド38の上端に形成されているエア室52内に、エア給排孔38bを介して圧力エアを導入しておく。従って、スライドロッド38は、図1に示すように、バルブ駆動カム72に係合し追従して昇降するキャップ50に対し相対的に下降した位置にあり、この位置関係を維持したまま、キャップ50とスライドロッド38はバルブ駆動カム72の回転に応じて一体的に昇降する。この状態で、切換レバー64により水平な回転軸58を回転させ、2つのバルブ駆動カム70,72の小径側を下方のキャップ30,50側に向ける。すると、第1ポペットバルブ8のスライドロッド20がスプリング26によって押し上げられ、スライドロッド20の下端に設けられた弁体22が下方の弁座16aから離れて第1ポペットバルブ8が開放する。一方、第2ポペットバルブ10のスライドロッド38もスプリング44に押し上げられて上昇し、スライドロッド38の下端に設けられた弁体40が上方の弁座36aに着座して第2ポペットバルブ10が閉じるとともに、スライドロッド38の下方に連結されたパイプ46の下端に取付けられているシール部材48もノズル6の下端開口部に密着してこのノズル6内を閉塞する。
【0021】
そして、コネクティングロッド5によってシリンダ4内のピストン3を下死点3aまで下降させる。上述のように第2ポペットバルブ10が閉じ第1ポペットバルブ8が開放しているので、図示しないタンク内の充填液が、上側ブロック12内の通路12a、第1ポペットバルブ8および下側ブロック14の縦方向の通路穴14bを介してシリンダ4の液室4a内に吸引される。
【0022】
次に、切換レバー64を操作して水平の回転軸を180度回転させ、両バルブ駆動カム70,72の大径部を下方のキャップ30,50側に向ける。すると、第1ポペットバルブ8のスライドロッド20がスプリング26に抗して押し下げられ、弁体22が下方の弁座16に着座して第1ポペットバルブ8が閉じるとともに、第2ポペットバルブ10のスライドロッド38もスプリング44に抗して押し下げられ、弁体40が上方の弁座36aから離座して第2ポペットバルブ10が開放する。また、スライドロッド38の下端に連結されたパイプ46も一体的に下降して、そのシール部材48がノズル6の下端開口部を開放する(図1に示す状態)。
【0023】
この状態で、コネクティングロッド5を介してピストン3を上死点3bまで上昇させる。シリンダ4の液室4a内の充填液は、下側ブロック14の縦方向の通路穴14a、横方向通路14b、開放している第2ポペットバルブ10およびノズル6の内面とパイプ46の外周面との間の間隙等を介して、ノズル6の下方に配置されたびん台(図示せず)上に供給されている容器内に充填される。所定量の液が容器内に充填されると、再び切換レバー64を切換えて、第1ポペットバルブ8を開くとともに、第2ポペットバルブ10およびこれと一体のシール部材48を閉じて充填を終了する。上記動作を繰り返すことにより連続的に充填を行なう。
【0024】
上記図1の状態で充填を行なっている途中でこの充填機が非常停止した場合には、これを電気的に検出し、エア室52に接続されているエア回路内の電磁弁を切換えてエア室52内のエアを排出する。第2ポペットバルブ10のスライドロッド38はスプリング44によって常時上方へ付勢されているので、エア室52内のエアが排出されるとスライドロッド38が上昇し、弁体40が弁座36aに着座するとともにパイプ46の下端のシール部材48がノズル6の下端開口部をシールする(図2参照)。このように充填中に非常停止した際には、シリンダ4とノズル6との間の第2ポペットバルブ10およびノズル6の開口部を直ちに閉塞するので、停止後もノズル6内の液が落下し続けて容器内の液があふれてしまったり、充填された液量にばらつきが生じてしまうことがない。また、再起動する場合には、電磁弁を切換えてエア室52内に圧力エアを導入し、スライドロッド38を下降させて、第2ポペットバルブ10およびノズル6の先端を開放することにより充填を再開することができる。
【0025】
図3は第2の実施例を示すもので、上記第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成の部分のみを説明する。この実施例では、第2のポペットバルブ110の弁座136aは、下側ブロック14の下面に固定されているスリーブ136内に、上方を向いて形成されており、下側ブロック14上の筒体34内に摺動自在に嵌合されたスライドロッド138の下端に取付けられている弁体140の下面側が着座するようになっている。従って、第1のポペットバルブ8と第2のポペットバルブ110はともに、スライドロッド20,138が下降したときに弁体22,140が弁座16a,136aに着座して閉じるようになっているので、両ポペットバルブ8,110を交互に開閉させるために、これらスライドロッド20,138を昇降させる2つのバルブ駆動カム70,172は、大径側と小径側が逆になるようにして回転軸58に取付けられている。
【0026】
また、第2ポペットバルブ110のスライドロッド138の下端には上記実施例のようなパイプおよびノズルの下端開口部をシールするシール部材は設けられていない。
【0027】
この実施例では、第2ポペットバルブ110のスライドロッド138の上端面と、その外周に気密を保持して嵌合されたキャップ50との間に形成されているエア室152(図4参照)は、上記実施例とは逆に、通常の充填運転時には大気に開放されてエアが排出されており、スライドロッド138はスプリング44に押し上げられてその上端面がキャップ50の内面に当接した状態で一体的に昇降するようになっている。そして、本充填機が充填中に非常停止した場合に、電磁弁を切換えて圧力エアがエア室152内に導入されるようになっている。
【0028】
次に、この実施例装置の作動について説明する。先ず、切換レバー64によって水平の回転軸58を回転させて、第1ポペットバルブ8側のバルブ駆動カム70の小径部を下方に向け、スライドロッド20をスプリング26によって上昇させて第1ポペットバルブ8を開放し、第2ポペットバルブ110側のバルブ駆動カム172は大径部が下方を向くようにして、スライドロッド138を下降させ弁体140を下方の弁座136aに着座させて第2ポペットバルブ110を閉じる。この状態で、コネクティングロッド5を介してピストン3を下死点3aまで下降させ、タンクからシリンダ4の液室4a内に充填液を吸引する。
【0029】
その後、切換レバー64の操作によって両バルブ駆動カム70,172を反転させ、第1ポペットバルブ8を閉じるとともに第2ポペットバルブ110を開放し、シリンダ4内のピストン3を上死点3bまで上昇させる。すると、シリンダ4の液室4a内の充填液が押出され、第2ポペットバルブ110を通り、ノズル6から容器内に充填される。通常の充填運転時には、このように両ポペットバルブ8,110を交互に開閉し、シリンダ4内のピストン3を昇降させることにより、容器内への充填作業を行なう。この充填中に本充填機が非常停止した場合には、図示しない電磁弁を切換えて、エア室152内に圧力エアを導入する。すると、図3に示すようにスプリング44によって押し上げられてキャップ50に密着していたスライドロッド138が、図4に示すようにエアによって押し下げられ、弁体140が下方の弁座136aに着座して第2ポペットバルブ110を閉塞する。このように、充填途中で充填機が非常停止した場合に、直ちに電磁弁を切換えてエア室152内にエアを導入し、弁体140を有するスライドロッド138を降下させてシリンダ4とノズル6との間の第2ポペットバルブを閉じるので、それ以後の容器内への充填液の流入が停止するため、容器内の液があふれたり、充填液量にばらつきがでることを防止することができる。
【0030】
この実施例では、洗浄時に両ポペットバルブ8,110を同時に開放するために、第1ポペットバルブ8が開放した状態で第2ポペットバルブ110を強制的に開放する必要があり、例えば、バルブ駆動カム70,172を上昇させる手段を設けて通常の充填時よりも上昇させることにより、スライドロッド138をスプリング44によって上昇させ、あるいは、両カム70,172の形状を、上記のように交互に開閉する位置のほかに同時に開放させる第3の位置を設定してもよい。なお、上記実施例では、洗浄時にバルブ駆動カム172を上昇させる等の手段によって第2ポペットバルブ110を開放するようにしたが、例えば、第2バルブの開閉方向を逆にすれば、洗浄時にエア室内にエアを導入することにより第2ポペットバルブ110の開閉を行なうことも可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、シリンダとノズルとの間の通路を開閉するバルブを、筒体内で昇降するロッドに形成された弁体と、この弁体が着座する弁座とから構成し、昇降手段によって上記ロッドを昇降させ、弁体が弁座に着座する位置と離座する位置とに停止させることによりこのバルブの開閉を行なうようにし、さらに、上記ロッドの弁体と逆の端部側にエア室を形成し、通常運転時には、上記昇降手段により第2バルブの開閉を行なうとともに、前記エア室にエアを導入しておき、充填中に運転が停止した際に、このエア室のエアを排出することにより上記ロッドを上昇させ、弁座から離座した位置にある弁体を弁座に着座させることにより、直ちに上記バルブを閉じるようにしたので、容器内への充填量にばらつきを生じたり、充填された液が容器内からあふれてしまうことを防止することができる。また、再起動する場合には、エア室内にエアを導入することにより、第2バルブを開放して充填を再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るピストン式定量充填機の要部(充填機構)の縦断面図である。
【図2】充填機が充填中に停止した場合の上記充填機構の作動状態を示す縦断面図である。
【図3】第2の実施例に係るピストン式定量充填機の充填機構の縦断面図である。
【図4】第2の実施例に係る充填機が充填中に停止した場合の上記充填機構の作動状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
3 ピストン
4 シリンダ
6 ノズル
8 第1バルブ
10 第2バルブ
18 筒体
20 ロッド(スライドロッド)
22 弁体
16a 弁座
52 エア室
72 昇降手段(バルブ駆動カム)
Claims (1)
- 充填液を貯留するタンクと、ピストンの進退動により上記充填液を所定量吸引した後排出するシリンダと、このシリンダから排出された液を容器内に充填する充填ノズルと、上記タンクとシリンダとの間を連通遮断する第1バルブと、シリンダと充填ノズルとの間を連通遮断する第2バルブとを備え、上記第1バルブと第2バルブとを連動させて交互に開閉を行うとともに、上記第2バルブを、筒体内で昇降するロッドに設けられた弁体と、この弁体が着座する弁座とから構成し、上記ロッドを昇降手段によって昇降させて、弁体が弁座に着座する位置と離座する位置とに停止させることにより第2バルブの開閉を行なうピストン式定量充填機において、
上記ロッドの弁体と逆の端部側にエア室を形成し、通常運転時には、上記昇降手段により第2バルブの開閉を行なうとともに、前記エア室にエアを導入しておき、充填中に運転が停止した際に、このエア室のエアを排出することにより上記ロッドを上昇させ、弁座から離座した位置にある弁体を弁座に着座させることを特徴とするピストン式定量充填機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18696793A JP3736646B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | ピストン式定量充填機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18696793A JP3736646B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | ピストン式定量充填機 |
Publications (2)
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