JP3518674B2 - 印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物 - Google Patents

印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物

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JP3518674B2 JP2000048771A JP2000048771A JP3518674B2 JP 3518674 B2 JP3518674 B2 JP 3518674B2 JP 2000048771 A JP2000048771 A JP 2000048771A JP 2000048771 A JP2000048771 A JP 2000048771A JP 3518674 B2 JP3518674 B2 JP 3518674B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トルエンなどの芳香族
炭化水素溶剤を含まない出版グラビア印刷インキ用バイ
ンダーおよび当該印刷インキ用バインダーを含有してな
る出版グラビア印刷インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】雑誌、週刊誌、その他の素材に適用され
るグラビア印刷インキにおいては、そのバインダーとし
て、従来、ロジン系化合物と金属化合物との反応生成物
(樹脂酸金属塩)のトルエンワニスが汎用されてきた。
該バインダーを含有してなる出版グラビア印刷インキ
は、樹脂組成面からもさまざま改良が加えられ、高速化
への対応、印刷時の紙への転移性、印刷後の乾燥性、印
刷物の光沢の点で満足できるレベルに達している。しか
し、環境問題や労働安全衛生上の見地からトルエンの使
用が問題視されている。
【0003】このような問題点を解消する方法として
は、単純には、溶融法により得られる樹脂酸金属塩を非
芳香族有機溶剤に溶解させて印刷インキ用バインダーを
調製することができるが、溶融法による場合には均一で
金属含有量が高い高融点の樹脂酸金属塩を得ることが困
難である。該製造法で得られる樹脂酸金属塩は、顔料の
分散性、溶剤離脱性、耐熱性等が十分でないため、当該
樹脂酸金属塩を用いて調製される印刷インキ用バインダ
ーを使用した場合には、印刷物の光沢、乾燥性が劣る結
果となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、環境問題や
労働安全衛生上の問題に鑑みてトルエン等の芳香族炭化
水素を含まず、しかも紙への転移性、印刷後の乾燥性、
印刷物の光沢、印刷物中の溶剤残留率(溶剤離脱性)、
高速印刷適性などの諸性能に優れた、新規な出版グラビ
印刷インキ用バインダー、および当該バインダーを用
いた出版グラビア印刷インキ組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を行った結果、非芳香族有機溶媒の
うち特に脂環族有機溶剤の存在下にロジン系化合物と金
属化合物を特定条件下に反応させることにより、トルエ
ン溶剤系で反応して得られる従来の樹脂金属塩と同様の
均一で金属含有量が高い高融点の樹脂酸金属塩が得られ
ることを見出した。また、かかる特定方法で得られる樹
脂酸金属塩から調製される印刷インキ用バインダーや印
刷インキ組成物は、紙への転移性、乾燥性、印刷物の光
沢、印刷物中の溶剤残留率、高速印刷適性などの諸性能
に優れる事を見出した。本発明は、斯かる事実に基づき
完成されたものである。
【0006】本発明は、ロジンとα,β−エチレン性不
飽和カルボン酸からなる反応生成物(1)(但し、当該
原料としてエポキシ樹脂を含まない)と、亜鉛ならびに
カルシウムおよび/またはマグネシウムである2種以上
の金属からなる金属化合物とを、水、触媒、ならびにシ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘ
キサン、ジメチルシクロヘキサンおよびメチルエチルシ
クロヘキサンのうちのいずれか少なくとも1種である
環族有機溶剤の存在下で反応させて得られる融点150
〜260℃の樹脂酸金属塩(2)を、主成分として含有
することを特徴とする出版グラビア印刷インキ用バイン
ダーに関する。更に本発明は、当該印刷インキ用バイン
ダーを含有してなる出版グラビア印刷インキ組成物に関
する。
【0007】本発明では、ロジン、α,β−エチレン性
不飽和カルボン酸、および必要により多価アルコールか
らなる反応生成物(1)(但し、当該原料としてエポキ
シ樹脂を含まない)と、亜鉛ならびにカルシウムおよび
/またはマグネシウムである2種以上の金属からなる金
属化合物とを、水、触媒、ならびにシクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチル
シクロヘキサンおよびメチルエチルシクロヘキサンのう
ちのいずれか少なくとも1種である脂環族有機溶剤の存
在下で反応させることにより、金属化合物を多量にしか
も均一に反応生成物(1)の分子中に導入させることが
でき、トルエンなどの芳香族有機溶剤を含まず、紙への
転移性、印刷後の乾燥性、印刷物の光沢、印刷物中の溶
剤残留率、高速印刷適性などの諸性能に優れた印刷イン
キ用バインダーを提供できる。
【0008】反応生成物(1)の構成成分は、上記のよ
うにロジン、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸であ
り、必要により多価アルコールを構成成分とすることが
できる。該ロジンとしては、ガムロジン、トール油ロジ
ン、ウッドロジン、重合ロジンなどが使用でき、また
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸としては、代表的
にはマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸などの各種を例示できる。更には、多価アルコ
ールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,
2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ソ
ルビトール、3級のアルカノールアミンなどが挙げられ
る。尚、本発明の目的を逸脱しない範囲で、その他の飽
和酸や脂肪酸類、極性基を有する長鎖アルキル化合物、
界面活性剤を樹脂中に組み込んだり混合することが可能
である。
【0009】反応生成物(1)から樹脂酸金属塩(2)
に誘導するために使用する金属化合物としては、カルシ
ウム、マグネシウム、亜鉛からなる金属の酸化物、水酸
化物、有機酸塩類などが挙げられる。これらのうち、好
ましいものとしては水酸化カルシウム、酢酸カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酢酸
亜鉛などを例示できる。該金属化合物の使用量は、反応
生成物(1)のカルボキシル基および酸無水物基に対し
て通常70当量%以上、好ましくは80当量%以上が反
応するに相当する量とされる。該範囲に満たない場合
は、乾燥性、光沢、溶剤残留率およびインキの経時安定
性が低下する傾向がある。
【0010】本発明では、得られるバインダーの顔料分
散性やインキ組成物の光沢を向上させたり、更にはバイ
ンダー中の金属分の導入量を高めて乾燥性を改良し溶剤
残留率を低下させる観点から、亜鉛ならびにカルシウム
および/またはマグネシウムである2種以上の金属から
なる金属化合物を使用することが必須とされる。通常、
出版グラビヤ印刷では、黄、紅、藍、墨の4色のインキ
が使用されるが、金属化合物の種類により顔料分散性や
光沢が大きく影響されるからであり、特にカルシウム−
亜鉛、マグネシウム−亜鉛、カルシウム−マグネシウム
−亜鉛などの組合せが好ましい。また、2種以上の当該
金属化合物を使用する意義は、1種類の金属化合物を反
応させた場合には、通常カルボキシル基に対する金属導
入量が70当量%をこえると反応物が結晶化しゲル化し
てしまう不利を解消するためであり、各種金属化合物の
うちから格別選定された2種以上の当該金属化合物を使
用し金属導入量を高め、得られるバインダーの乾燥性を
向上させ、印刷物中の溶剤残留率を低下させることにあ
る。ここに、カルシウムおよび/またはマグネシウムは
導入金属の合計量に対して30〜70当量%程度、亜鉛
は30〜70当量%程度の範囲で使用される。
【0011】前記の通り、溶融法による場合は、反応
成物(1)当該金属化合物の反応が十分進行せず、得
られる樹脂酸金属塩の中に未反応金属化合物が残ってし
まうため、外観の濁りを生じてしまう。また濾過により
この未反応金属化合物を除くことは極めて困難であり、
また経済的でない。溶融法による場合ほどではないが、
脂環族炭化水素溶剤中で反応させた場合にも、トルエン
溶剤系で得られる場合に比べ、反応生成物(1)と金属
化合物の進行が不完全であり、得られるバインダーの外
観に多少ながら濁りある。そのため、当該バインダー
から調製されるインキ組成物は、トルエン溶剤系で得ら
れる従来の樹脂酸金属塩を用いたインキ組成物に比べ
て、光沢、安定性にやや劣る傾向がある。
【0012】そのため、本発明では、脂環族炭化水素溶
剤中での反応生成物(1)と当該金属化合物の反応を一
層促進させるために、反応系に水と触媒を共存させる
とを必須とする。当該反応系における水の使用量は、反
応生成物(1)に対し0.25〜10重量%以上、好ま
しくは0.5〜5重量%である。水の使用量が0.25
重量%未満では、反応促進効果が不十分であり、また1
0%以上では反応上の問題はないものの、反応終結後の
脱水還流工程に時間を要すことから経済的でない。触媒
使用量は反応生成物(1)に対し0.025〜3重量%
以上、好ましくは0.05〜1重量%である。触媒使用
量が0.25重量%未満では、反応促進効果が不十分
であり、また3重量%を超える場合は反応上の問題はな
いものの、反応終結後に濾過除去すべき触媒量が増える
ため好ましくない。当該触媒としては、特に限定されな
いが、特に、炭素数1〜7の有機酸又はその金属塩が有
効である。例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等、又はそ
れらの酸とLi、Na、K、Ca、Mg、Zn、Al等
との塩があげられる。
【0013】本発明における反応金属塩(2)は、以下
のようにして製造される。まず、ロジン、α,β−エチ
レン性不飽和カルボン酸、および必要により多価アルコ
ールを用いてエステル化することにより、反応生成物
(1)を得る。該反応段階では、反応温度は通常150
〜300℃程度であり、また溶融下で実施されるのが一
般的である。該反応に際しての各原料の使用量は、得ら
れるインキ用バインダーの諸性能を考慮して適宜決定さ
れるが、通常は次の範囲内とするのがよい。α,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸の使用量はロジンに対して通
常は1.5〜10重量%程度である。1.5重量%未満
では導入できる金属量が十分ではなく、また10重量%
を越える場合には得られるバインダーの粘度が高くなり
すぎ、インキ組成物とした場合には粘度調整面からバイ
ンダーの含有量が低下し、結果的にインキの光沢が低下
するという不利が生じる。また多価アルコールによるエ
ステル化は、転移性や光沢の向上につながるため、多価
アルコールの使用量は、通常は反応生成物(1)のカル
ボキシル基に対して3〜30当量%程度とされる。3当
量%未満では転移性の向上効果が少なく、また30当量
%を越える場合は、乾燥性が低下する傾向がある。
【0014】なお、反応生成物(1)として、各種の市
販品をそのまま使用してもよい。該市販品としては、マ
レイン酸樹脂(荒川化学工業(株)製、マルキードN
o.2、マルキードNo.6等)やフマル酸樹脂(荒川
化学工業(株)製、マルキードNo.31、マルキード
No.32、マルキードNo.34)が例示できる。
【0015】ついで、反応生成物(1)を、水、触媒、
ならびにシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ
ルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンおよびメチ
ルエチルシクロヘキサンのうちのいずれか少なくとも1
種である脂環族有機溶剤の存在下で反応させることによ
目的物である樹脂酸金属塩(2)を得ることができ
。これら有機溶剤中での反応温度は特に制限はされな
いが、通常は40〜150℃程度、好ましくは50〜9
0℃の範囲で当該金属化合物と反応させ、その後徐々に
昇温し、反応生成水と脂環族有機溶剤の共沸脱水により
反応を完結させる。
【0016】上記のようにして得られる樹脂酸金属塩
(2)は金属分の含有量が比較的高いため、融点も高
い。当該融点は通常150〜260℃程度であり、好ま
しくは200〜260℃とされる。当該融点が150℃
未満の場合は、これを用いてなる印刷インキ組成物が印
刷時に汚れを生じたり、印刷直後の印刷物のブロッキン
グなどが発生するおそれがある。なお、前記のようにし
て得られる樹脂酸金属塩(2)の諸特性のうち、印刷物
中の溶剤残留率とは、当該印刷物の製造初期の残存溶剤
量に対する所定時間放置後の残存溶剤量の比率をいう。
水、触媒および脂環族有機溶剤の存在下に反応させて得
られる本発明の樹脂酸金属塩(2)を用いた場合は、従
来の芳香族溶媒下に製造される樹脂酸金属塩に比べて、
意外にも溶剤離脱性がよく、印刷物中の溶剤残留率が小
さくなるという特徴がある。樹脂酸金属塩(2)は、そ
のまま印刷インキ用バインダーとして使用することが可
能であるが、場合によっては顔料分散剤、界面活性剤、
帯電防止剤などの添加剤を加えて所望の印刷インキ用バ
インダーを調製することもできる。印刷インキ用バイン
ダーや印刷インキ組成物を調製やそれらの性能の観点か
ら判断して、当該バインダーの不揮発分および粘度が適
宜に決定されるが、それぞれ30〜65重量%、0.0
35〜1Pa・s/25℃の範囲が一般的である。当該
バインダーの不揮発分が30%未満である場合は、イン
キ組成物中の樹脂酸金属塩(2)の量が少なくなり、イ
ンキ光沢が低下する傾向がある。また、65%を超える
場合は、インキからの溶剤離脱性が低下し、十分な乾燥
性が得られにくくなる。当該粘度が0.035Pa・s
未満の場合は、実用的な粘度のインキ組成物を調製する
ことができず、また1Pa・sを超える場合には製品で
あるバインダーのハンドリング上の支障をきたしやすく
なる。本発明の印刷インキ用バインダーを用いて印刷イ
ンキ組成物を調製するにあたっては、該バインダーを必
要に応じて脂環族有機溶剤に溶解して粘度調整したの
ち、各種公知の顔料、ワックス、添加剤等を混練すれば
よい。なお、本発明の目的を逸脱しない範囲で、公知の
樹脂酸金属塩を併用してもよい。
【0017】
【発明の効果】本発明により、トルエンなどの芳香族炭
化水素を含まず、紙への転移性、乾燥性、印刷物の光
沢、印刷物中の溶剤残留率、高速印刷適性などの諸性能
に優れた出版グラビア印刷インキ用バインダー、および
出版グラビア印刷インキ組成物を提供することができ
る。
【0018】
【実施例】以下に、製造例、実施例および比較例をあげ
て本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。尚、部および%は重量基準で
ある。
【0019】製造例1 撹拌機、温度計、冷却管、分水器および窒素ガス導入管
を備えたフラスコに、ガムロジン1000部を仕込み加
熱溶融した後、フマル酸55部を添加し、200℃で1
時間反応した。メチルシクロヘキサン1200部を加え
て該樹脂を溶解した後、酸化亜鉛44.2部と酢酸カル
シウム2部及び水15部を添加し75℃にて1時間保温
した後、水酸化マグネシウム88.5部を加え徐々に昇
温後100℃にて2時間保温し、メチルシクロヘキサン
還流下に脱水反応を行い、不揮発分45%、融点250
℃、粘度0.21Pa・sの樹脂組成物Aを得た。
【0020】製造例2 製造例1と同様のフラスコに、ガムロジン1000部、
大豆油脂肪酸30部を仕込み加熱溶融した後、フマル酸
30部を添加し、200℃で1時間反応した。メチルシ
クロヘキサン1200部を加えて該樹脂を溶解した後、
酸化亜鉛38.5部と酢酸2部及び水15部を添加し7
5℃にて1時間保温した後、水酸化マグネシウム77.
0部を加え徐々に昇温後110℃にて2時間保温し、メ
チルシクロヘキサン還流下に脱水反応を行い、不揮発分
52%、融点230℃、粘度0.20Pa・sの樹脂組
成物Bを得た。
【0021】製造例3 製造例1と同様のフラスコに、トール油ロジン1000
部を仕込み加熱溶融した後、無水マレイン酸60部を添
加し、200℃で1時間反応した。ついで、グリセリン
30部を加え250℃にて5時間エステル化を行い、酸
価177の樹脂を得た。更に、エチルシクロヘキサン1
200部を加えて該樹脂を溶解した後、酸化亜鉛40.
6部と酢酸カルシウム2部及び水15部を添加し75℃
にて1時間保温した後、水酸化マグネシウム81.3部
を加え徐々に昇温後131℃にて2時間保温し、エチル
シクロヘキサン還流下に脱水反応を行い、不揮発分48
%、融点225℃、粘度0.20Pa・sの樹脂組成物
Cを得た。
【0022】製造例4 製造例1と同様のフラスコに、トール油ロジン1000
部を仕込み加熱溶融した後、無水マレイン酸40部を添
加し、200℃で1時間反応した。ついで、グリセリン
20部を加え250℃にて5時間エステル化を行い、酸
価175の樹脂を得た。更に、エチルシクロヘキサン1
200部を加えて該樹脂を溶解した後、酸化亜鉛39.
1部と酢酸カルシウム2部及び水15部を添加し75℃
にて1時間保温した後、水酸化マグネシウム78.1部
を加え徐々に昇温後131℃にて2時間保温し、エチル
シクロヘキサン還流下に脱水反応を行い、不揮発分51
%、融点220℃、粘度0.22Pa・sの樹脂組成物
Dを得た。
【0023】製造例5 製造例1と同様のフラスコに、トール油ロジン700
部、マレイン酸樹脂(商品名マルキードNo.2、荒川
化学工業(株)製、酸価35)200部およびフマル酸
樹脂(商品名マルキードNo.34、荒川化学工業
(株)製、酸価270)100部を仕込み、ジメチルシ
クロヘキサン1100部を加えて溶解した。ついで、酸
化亜鉛40.0部と酢酸カルシウム2部及び水15部を
添加し75℃にて1時間保温し、更に水酸化カルシウム
48.8部を加え徐々に昇温後110℃にて2時間保温
し、ジメチルシクロヘキサン還流下に脱水反応を行い、
不揮発分51%、融点235℃、粘度0.20Pa・s
の樹脂組成物Eを得た。
【0024】製造例6(トルエン溶剤系反応) 製造例1と同様のフラスコに、ガムロジン1000部を
仕込み加熱溶融した後、フマル酸55部を添加し、20
0℃で1時間反応した。トルエン1200部を加えて該
樹脂を溶解した後、酸化亜鉛44.2部と酢酸カルシウ
ム2部を添加し75℃にて1時間保温した後、水酸化マ
グネシウム88.5部を加え徐々に昇温後110℃にて
2時間保温し、トルエン還流下に脱水反応を行い、不揮
発分53%、融点250℃、粘度0.20Pa・sの樹
脂組成物Fを得た。
【0025】製造例7(有機酸のみを触媒として使用し
た場合) 製造例1と同様のフラスコに、ガムロジン1000部、
大豆油脂肪酸30部を仕込み加熱溶融した後、フマル酸
30部を添加し、200℃で1時間反応した。メチルシ
クロヘキサン1200部を加えて該樹脂を溶解した後、
酸化亜鉛38.5部と酢酸2部を添加し75℃にて1時
間保温した後、水酸化マグネシウム77.0部を加え徐
々に昇温後110℃にて2時間保温し、メチルシクロヘ
キサン還流下に脱水反応を行い、不揮発分53%、融点
225℃、粘度0.20Pa・sの樹脂組成物Gを得
た。樹脂組成物Gには顕著な濁りが認められた。
【0026】製造例8(触媒として水のみを使用した場
合) 製造例1と同様のフラスコに、ガムロジン1000部、
大豆油脂肪酸30部を仕込み加熱溶融した後、フマル酸
30部を添加し、200℃で1時間反応した。メチルシ
クロヘキサン1200部を加えて該樹脂を溶解した後、
酸化亜鉛38.5部と水15部を添加し75℃にて1時
間保温した後、水酸化マグネシウム77.0部を加え徐
々に昇温後110℃にて2時間保温し、メチルシクロヘ
キサン還流下に脱水反応を行い、不揮発分52%、融点
228℃、粘度0.20Pa・sの樹脂組成物Hを得
た。樹脂組成物Hには若干の濁りが認められた。
【0027】製造例9(トルエン溶剤系反応) 製造例1と同様のフラスコに、トール油ロジン1000
部を仕込み加熱溶融した後、無水マレイン酸60部を添
加し、200℃で1時間反応した。ついで、グリセリン
30部を加え250℃にて5時間エステル化を行い、酸
価177の樹脂を得た。更に、トルエン1200部を加
えて該樹脂を溶解した後、酸化亜鉛40.6部と酢酸カ
ルシウム2部を添加し75℃にて1時間保温した後、水
酸化マグネシウム81.3部を加え徐々に昇温後110
℃にて2時間保温し、トルエン還流下に脱水反応を行
い、不揮発分51%、融点225℃、粘度0.20Pa
・sの樹脂組成物Iを得た。
【0028】製造例10(溶融法反応) 製造例1と同様のフラスコに、ガムロジン1000部を
仕込み加熱溶融した後、無水マレイン酸60部を添加
し、220℃で1時間反応した。ついで、水酸化カルシ
ウム87.5部、及び酢酸亜鉛5部を添加し同温度で3
0分間反応させた。更にジエチレングリコール30部を
添加し同温度で30分間反応させた後250℃に昇温し
同温度で4時間反応させ酸価50.5、融点180℃の
樹脂を得た。この樹脂をメチルシクロヘキサンに溶解し
不揮発分53%、粘度0.20Pa・sの樹脂組成物J
を得た。
【0029】実施例1〜5および比較例1〜5 製造例1〜5、製造例6〜10で得られた樹脂組成物
(A〜E、F〜J)を夫々の反応溶剤で溶液の粘度を
0.035Pa・s/20℃に調整後、それぞれの樹脂
溶液88部に紅顔料(カーミン6B)を12部混合し、
サンドミルを用いて1時間混練りし、更に夫々の反応溶
剤を追加し粘度0.085Pa・s/25℃の紅グラビ
アインキを得た。上記において、カーミン6Bに代え
て、黄顔料(ベンジジンイエロー)を使用した他は同様
にして、黄グラビアインキを得た。得られた紅インキお
よび黄インキ10点につき、それぞれ簡易グラビア印刷
機を用いてコート紙に印刷し、転移性および光沢を目視
により下記基準で5段階評価した。また、乾燥性はイン
キをバーコター#10を用いてコート紙に展色後、指触
により下記基準で5段階評価した。 ◎:非常に良好 ○:良好 △:普通 ×:劣る ×
×:非常に劣る 評価結果は表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかなように、本発明の印刷イ
ンキ用バインダーおよび印刷インキ組成物(実施例1〜
5)は、芳香族有機溶剤を含有せずしかも各種のインキ
特性に優れる。すなわち、本発明の印刷インキ用バイン
ダーおよび印刷インキ組成物従来のトルエン溶剤系で得
られる樹脂酸金属塩から調製される印刷インキ用バイン
ダーおよび印刷インキ組成物(比較例1、4)と遜色が
無いインキ特性を有することが分かる。また本発明の印
刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物は、溶融
法反応で得られた樹脂酸金属塩から調製されるバインダ
ー等(比較例5)に比し、各種インキ特性が格段に優れ
ることが分かる。更には、本発明の印刷インキ用バイン
ダーおよび印刷インキ組成物は、反応触媒として水と有
機酸又は有機酸金属化合物のどちらか一方のみを使用
し、非芳香族有機溶剤反応系で得られた樹脂酸金属塩か
ら調製されるバインダー等(比較例2、3)に比して
も、各種インキ特性に優れることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−41486(JP,A) 特開 平11−228671(JP,A) W.ザンダーマン,天然樹脂 テレビ ン油・トール油,日本,北尾書籍貿易株 式会社,1986年12月20日,235−239 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 C09F 1/04 C08L 93/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロジンとα,β−エチレン性不飽和カル
    ボン酸からなる反応生成物(1)(但し、当該原料とし
    てエポキシ樹脂を含まない)と、亜鉛ならびにカルシウ
    ムおよび/またはマグネシウムである2種以上の金属か
    らなる金属化合物とを、水、触媒、ならびにシクロヘキ
    サン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、
    ジメチルシクロヘキサンおよびメチルエチルシクロヘキ
    サンのうちのいずれか少なくとも1種である脂環族有機
    溶剤の存在下で反応させて得られる融点150〜260
    ℃の樹脂酸金属塩(2)を、主成分として含有すること
    を特徴とする出版グラビア印刷インキ用バインダー。
  2. 【請求項2】 前記反応生成物(1)が、追加構成成分
    として多価アルコールを用いてなるものである請求項1
    記載の出版グラビア印刷インキ用バインダー。
  3. 【請求項3】 前記脂環族有機溶剤中での反応温度が4
    0〜150℃である請求項1または2に記載の出版グラ
    ビア印刷インキ用バインダー。
  4. 【請求項4】 前記触媒が炭素数1〜7の有機酸又はそ
    の金属塩である請求項1〜のいずれかに記載の出版グ
    ラビア印刷インキ用バインダー。
  5. 【請求項5】 水の使用量が前記反応生成物(1)に対
    し0.25〜10重量%であり、かつ前記触媒の使用量
    が前記反応生成物(1)に対し0.025〜3重量%で
    ある請求項1〜のいずれかに記載の出版グラビア印刷
    インキ用バインダー。
  6. 【請求項6】 樹脂酸金属塩(2)が、前記反応生成物
    (1)中のカルボキシル基および酸無水物基の70当量
    %以上が金属化合物と反応してなるものである請求項1
    のいずれかに記載の出版グラビア印刷インキ用バイ
    ンダー。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれかに記載の出版グ
    ラビア印刷インキ用バインダーを含有してなる出版グラ
    ビア印刷インキ組成物。
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