JP2998304B2 - 印刷インキ用バインダーおよびその製造法 - Google Patents

印刷インキ用バインダーおよびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷インキ用バインダー
およびその製造法に関する。更に詳しくは、出版グラビ
アインキに好適な印刷インキ用バインダーおよびその製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】雑誌、週刊誌、その他の素材に適用され
るグラビア印刷インキにおいては、そのバインダーとし
て、従来より、ロジン系化合物と金属化合物との反応生
成物(樹脂酸金属塩)が汎用されてきた。しかし、該バ
インダーを含有してなるグラビア印刷インキは、概して
印刷時の紙への転移性、印刷後の乾燥性、印刷物の光沢
の点で不十分である。さらに、近時は印刷の高速化が要
請され、従来のバインダーでは到底対応しきれなくなっ
てきた。
【0003】印刷の高速化の要請を考慮すれば、195
℃程度以上の高融点樹脂組成物が必要となる。従来の樹
脂酸金属塩として、例えば、特公昭45−4691号公
報には、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸が部分的
に付加したロジンを溶融状態で金属化合物と反応せしめ
て得られる樹脂組成物が開示されている。しかし、該公
報記載の方法により高速印刷適性を考慮して、195℃
程度以上の高融点の樹脂組成物を製造せんとする場合に
は、反応系の溶融粘度が異常に高くなり撹拌が困難にな
るなど製造作業性に難点があった。すなわち、樹脂組成
物中に導入される金属化合物の使用量が制限され、結果
として高融点樹脂組成物を容易には収得し難く、また金
属化合物を均一に反応させることも困難であるため、該
樹脂組成物を含有してなる印刷インキは乾燥性や光沢に
劣っていた。
【0004】そこで本発明者らは、こうした問題を解決
した印刷インキ用バインダー(ロジン、α,β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸および多価アルコールからなる樹
脂酸反応物と、2種以上の金属化合物とを、特定の反応
条件下に反応させて得られる樹脂酸金属塩)を開発し
て、既に特許出願を行った。しかし、該樹脂酸金属塩で
あっても輪転オフセット印刷物に比べると、耐摩擦性に
劣るという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の樹脂
酸金属塩の欠点である紙への転移性、乾燥性、印刷物の
光沢、耐摩擦性、高速印刷適性などの諸性能に優れた、
新規な樹脂酸金属塩を主成分とする印刷インキ用バイン
ダー、および該バインダーの製造法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく、鋭意検討を行った結果、従来公知の樹脂酸
金属塩に使用される原料の他に、α,β−エチレン性不
飽和カルボン酸を付加反応させてなる変性石油樹脂を併
用し、しかもこれらを特定の反応条件下に反応させて得
られる生成物を印刷インキ用バインダーとして用いる場
合には、前記課題をことごとく解決しうるという事実を
得た。本発明は、斯かる事実に基づき完成されたもので
ある。
【0007】本発明は、ロジン、α,β−エチレン性不
飽和カルボン酸および必要に応じて多価アルコールから
なる樹脂酸反応物(以下、反応生成物(1)という)、
およびα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を付加反応
させてなる変性石油樹脂(以下、反応生成物(2)とい
う)、ならびに2種以上の金属化合物を、有機溶剤中で
反応させて得られる樹脂酸金属塩(以下、反応生成物
(3)という)を主成分として含有することを特徴とす
る印刷インキ用バインダーに関する。更には、印刷イン
キ用バインダーとして使用される樹脂酸金属塩を製造す
るに際し、ロジン、α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸および必要に応じて多価アルコールからなる反応生成
物、およびα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を付加
反応させた変性石油樹脂、ならびに2種以上の金属化合
物を有機溶剤中で反応させることを特徴とする印刷イン
キ用バインダーの製造法に関する。
【0008】本発明では、ロジン、α,β−エチレン性
不飽和カルボン酸および必要に応じて多価アルコールか
らなる反応生成物(1)、およびα,β−エチレン性不
飽和カルボン酸を石油樹脂に付加反応させてなる反応生
成物(2)を、2種以上の金属化合物と、有機溶剤中で
反応させるという方法を採用することにより、従来技術
に比べて金属化合物を多量に、しかも均一に、反応生成
物(1)および反応生成物(2)の分子中に導入させる
ことができる。これにより、紙への転移性、乾燥性、印
刷物の光沢の点でも満足しうる優れた高融点の印刷イン
キ用バインダーが得られるのである。また、反応生成物
(1)に比べて高分子量の反応生成物(2)を併用する
ことにより、得られる反応生成物(3)の分子量が、反
応生成物(1)を単独で使用した場合に比べ高くなり、
従って、印刷物の耐摩擦性も大きく改良される。さらに
は、反応生成物(1)と反応生成物(2)を併用したこ
とにより、紙への転移性等も反応生成物(1)を単独で
使用する場合に比べて、改良されるに至った。
【0009】反応生成物(1)の構成原料は、上記のよ
うにロジン、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸およ
び必要に応じて用いる多価アルコールである。該ロジン
としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジ
ン、重合ロジンなどが使用でき、またα,β−エチレン
性不飽和カルボン酸としては、代表的にはマレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン
酸、シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などの各
種を例示できる。更には、多価アルコールとしては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,
6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げら
れる。
【0010】反応生成物(2)の構成原料は、上記のよ
うに石油樹脂およびα,β−エチレン性不飽和カルボン
酸である。該石油樹脂は、石油の分解や改質に際して生
成する各種の留分を重合して得られる樹脂であり、代表
的なものとしては、C9 系石油樹脂や、C5 系石油樹
脂、C5 −C9 共重合系石油樹脂等があげられる。α,
β−エチレン性不飽和カルボン酸としては上記のものが
使用できる。また、該反応生成物(2)としては、上記
の多価アルコールにより一部エステル化されたものを使
用してもよい。
【0011】反応生成物(1)および反応生成物(2)
を、反応生成物(3)に誘導するために使用する金属化
合物としては、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などの
各種金属の酸化物、水酸化物、有機酸塩類などが挙げら
れる。これらのうち、好ましいものとしては水酸化カル
シウム、酢酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化
亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛などを例示できる。該金属化
合物の使用量は、反応生成物(1)および反応生成物
(2)のカルボキシル基に対して通常70当量%以上、
好ましくは80当量%以上が反応するに相当する量とさ
れる。該範囲に満たない場合は、乾燥性、光沢およびイ
ンキの経時安定性が低下する。
【0012】本発明では、得られるバインダーの顔料分
散性やインキ組成物の光沢を向上させたり、更にはバイ
ンダー中の金属分の導入量を高め乾燥性を改良する観点
から、金属化合物を2種類使用することが必須とされ
る。通常、出版グラビヤ印刷では、黄、紅、藍、墨の4
色のインキが使用されるが、金属化合物の種類により顔
料分散性や光沢が大きく影響されるからであり、特にカ
ルシウム−亜鉛、マグネシウム−亜鉛、カルシウム−マ
グネシウム−亜鉛などの組合せが好ましい。また、2種
以上の金属化合物を使用する意義は、1種類の金属化合
物を反応させた場合には、通常カルボキシル基に対する
金属導入量が70%をこえると反応物が結晶化しゲル化
してしまう不利を解消するためであり、2種以上の金属
化合物を使用し金属導入量を高め、得られるバインダー
の乾燥性を向上することにある。たとえば、カルシウム
および/またはマグネシウムは導入金属の合計量に対し
て30〜70%程度、亜鉛は30〜70%程度の範囲で
使用される。
【0013】本発明の樹脂組成物たる反応生成物(3)
は、以下のようにして製造される。ロジンとα,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸とを反応させ、さらに必要に
応じて多価アルコールによりエステル化を行なうことに
より、あるいはこれらを一括仕込みして反応させること
により反応生成物(1)を得る。該反応段階では、反応
温度は通常150〜300℃程度であり、また溶融下で
実施されるのが一般的である。該反応に際しての各原料
の使用量は、得られるインキ用バインダーの諸性能を考
慮して適宜決定されるが、通常は次の範囲内とするのが
よい。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の使用量は
ロジンに対して通常は3〜10重量%程度である。3重
量%未満では導入できる金属量が十分ではなく、また1
0重量%を越える場合には得られるバインダーの粘度が
高くなりすぎ、インキ組成物とした場合には粘度調整面
からバインダーの含有量が低下し、結果的にインキの光
沢が低下するという不利が生じる。また、必要に応じて
多価アルコールによるエステル化を行う場合、多価アル
コールの使用量は通常は反応生成物(1)のカルボキシ
ル基に対して3〜30当量%程度とされる。多価アルコ
ールによるエステル化は、転移性の向上に効果がある
が、3当量%未満では向上効果が少なく、また30当量
%を越える場合は、乾燥性が低下する傾向がある。
【0014】反応生成物(2)は、石油樹脂とα,β−
エチレン性不飽和カルボン酸とを100〜300℃にて
常圧下もしくは加圧下、反応させることにより得られ
る。この際、ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリ
ーブチルパーオキサイドなどの過酸化物を使用すること
により、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の石油樹
脂への付加を容易ならしめることも可能である。各原料
の使用量は、得られるインキ用バインダーの諸性能を考
慮して適宜決定されるが、通常α,β−エチレン性不飽
和カルボン酸の使用量は石油樹脂に対して3〜10重量
%程度である。3重量%未満では導入できる金属量が十
分ではなく、10重量%を越える場合には得られるバイ
ンダーの粘度が高くなりすぎ、インキ組成物とした場合
には粘度調整面からバインダーの含有量が低下し、結果
的にインキの光沢が低下するという不利が生じる。ま
た、必要に応じて多価アルコールによるエステル化を行
う場合には、反応生成物(2)のカルボキシル基に対し
て30当量%以下とするのがよい。
【0015】ついで、反応生成物(1)および反応生成
物(2)を有機溶剤に溶解させ、溶液状態にて金属化合
物と反応させることが重要であり、これにより目的物で
ある反応生成物(3)を得ることができる。該反応段階
で使用する有機溶剤としては、トルエンやキシレンに代
表される芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチ
ルのようなエステル系溶剤、メチルエチルケトンやメチ
ルイソブチルケトンのごときケトン系溶剤が好ましい。
また、これら有機溶剤中での反応温度は特に制限はされ
ないが、通常は40〜150℃程度、好ましくは50〜
90℃の範囲である。反応生成物(1)と反応生成物
(2)の使用比率は、反応生成物(1)100部に対
し、反応生成物(2)が1〜50重量部程度、好ましく
は5〜40重量部の範囲であることがよい。反応生成物
(2)が1重量部より少ない場合は、耐摩擦性に劣り、
50重量部より多い場合には、乾燥性が低下する。
【0016】上記のようにして、転移性、乾燥性、光
沢、耐摩擦性、高速印刷適性などの点で優れた高融点の
バインダー樹脂が得られる。該樹脂の融点は通常195
〜260℃程度である。また、不揮発分および粘度はそ
れぞれ45〜65重量%、100〜1000cps/2
5℃の範囲が一般的である。インキ調製にあたっては、
該バインダー樹脂をトルエン、キシレンなどの炭化水素
系溶剤で適宜に希釈し、粘度調整したのち各種公知の顔
料を混練することにより容易に収得できる。なお、本発
明の目的を逸脱しない範囲で、公知の樹脂酸金属塩を併
用しても良い。
【0017】
【発明の効果】本発明により、紙への転移性、乾燥性、
印刷物の光沢、耐摩擦性のいずれの点でも満足しうる印
刷インキ用バインダー、および印刷インキ組成物を提供
することができる。これらは高融点であるため高速印刷
適性があり、特にグラビア印刷用として好適である。
【0018】
【実施例】以下に、製造例、実施例および比較例をあげ
て本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。尚、部および%は重量基準で
ある。
【0019】製造例1 撹拌機、温度計、冷却管、分水器および窒素ガス導入管
を備えたフラスコに、ガムロジン1000部を仕込み加
熱溶融した後、フマル酸50部を添加し、200℃で1
時間反応した。ついで、ペンタエリスリトール20部を
加え250℃にて5時間エステル化を行い、酸価178
の反応生成物(1)−Aを得た。
【0020】製造例2 製造例1と同様のフラスコに、トール油ロジン1000
部を仕込み加熱溶融した後、無水マレイン酸60部を添
加し、200℃で1時間反応した。ついで、グリセリン
30部を加え250℃にて5時間エステル化を行い、酸
価177の反応生成物(1)−Bを得た。
【0021】製造例3 製造例1と同様のフラスコに、ガムロジン1000部を
仕込み加熱溶融した後、フマル酸60部を添加し、20
0℃で3時間反応し、酸価215の反応生成物(1)−
Cを得た。
【0022】製造例4 製造例1と同様のフラスコに、軟化点60℃、臭素価5
0、分子量900の石油樹脂1000部を仕込み加熱溶
融した後、無水マレイン酸40部およびジターシャリー
ブチルパーオキサイド1部を添加し、150℃にて2時
間保温した。その後、200℃に昇温し、減圧により揮
発分を除去することにより、酸価44の反応生成物
(2)−Aを得た。
【0023】製造例5 製造例1と同様のフラスコに、軟化点90℃、臭素価4
0、分子量900の石油樹脂1000部を仕込み加熱溶
融した後、無水マレイン酸30部およびジターシャリー
ブチルパーオキサイド1部を添加し、150℃にて2時
間保温した。その後、200℃に昇温し、減圧により揮
発分を除去することにより、酸価33の反応生成物
(2)−Bを得た。
【0024】製造例6 製造例1と同様のフラスコに、製造例1で得た反応生成
物(1)−Aを1000部と製造例4で得た反応生成物
(2)−Aを300部仕込み、さらにトルエン1500
部を加え溶解させた。次に、酸化亜鉛68.5部と酢酸
カルシウム2部を添加し75℃にて1時間保温した後、
水酸化カルシウム60.5部を加え徐々に昇温後、11
0℃にて2時間保温し、トルエン還流下に脱水反応を行
い、不揮発分51%、融点255℃、粘度330cps
の樹脂組成物Aを得た。
【0025】製造例7 製造例1と同様のフラスコに、製造例2で得た反応生成
物(1)−Bを1000部と製造例5で得た反応生成物
(2)−Bを200部仕込み、さらにトルエン1400
部を加え溶解させた。次に、酸化亜鉛49.8部と酢酸
カルシウム2部を添加し75℃にて1時間保温した後、
水酸化マグネシウム55.1部を加え徐々に昇温後、1
10℃にて2時間保温し、トルエン還流下に脱水反応を
行い、不揮発分52%、融点230℃、粘度280cp
sの樹脂組成物Bを得た。
【0026】製造例8 製造例1と同様のフラスコに、製造例3で得た反応生成
物(1)−Cを1000部と製造例4で得た反応生成物
(2)−Aを400部仕込み、さらにトルエン1600
部を加え溶解させた。次に、酸化亜鉛50.5部と酢酸
カルシウム2部を添加し75℃にて1時間保温した後、
水酸化マグネシウム68.7部を加え徐々に昇温後、1
10℃にて2時間保温し、トルエン還流下に脱水反応を
行い、不揮発分50%、融点250℃、粘度320cp
sの樹脂組成物Cを得た。
【0027】製造例9 製造例1と同様のフラスコに、製造例1で得た反応生成
物(1)−Aを1000部仕込み、さらにトルエン12
00部を加え溶解させた。次に、酸化亜鉛61.3部と
酢酸カルシウム2部を添加し75℃にて1時間保温した
後、水酸化カルシウム55.8部を加え徐々に昇温後、
110℃にて2時間保温し、トルエン還流下に脱水反応
を行い、不揮発分51%、融点250℃、粘度250c
psの樹脂組成物Dを得た。
【0028】製造例10 製造例1と同様のフラスコに、ガムロジン1000部を
仕込み加熱溶融した後、無水マレイン酸50部を添加
し、220℃で30分間反応した。ついで、水酸化カル
シウム87.5部および酢酸カルシウム5部を添加し同
温度で30分間反応させた。さらにジエチレングリコー
ル30部を添加し同温度で30分間反応させた後、25
0℃に昇温し同温度で4時間反応させ、融点180℃、
酸価50.2、樹脂濃度55%トルエン溶液粘度100
cpsの樹脂組成物Eを得た。
【0029】製造例11 製造例1と同様のフラスコに、軟化点65℃、臭素価4
3.9、分子量600なる石油樹脂1000部を仕込み
加熱溶融した後、無水マレイン酸150部、ジターシャ
リーブチルパーオキシド10部を添加し、145℃にて
1時間保温した。次に、200℃に昇温し30分間保温
後、水酸化カルシウム80部および酢酸カルシウム5部
を添加し、260℃に昇温し3時間反応させた。その
後、減圧により微量の揮発分を除去することにより、酸
価59.2、軟化点114℃、樹脂濃度55%トルエン
溶液粘度80cpsの樹脂組成物Fを得た。
【0030】実施例1〜3および比較例1〜3 製造例6〜11で得られた樹脂組成物(A〜F)のトル
エン溶液の粘度を35cps/20℃に調整後、それぞ
れの樹脂溶液88部に紅顔料(カーミン6B)を12部
混合し、サンドミルを用いて1時間混練りし、更にトル
エンを追加し、粘度85cpsの紅グラビアインキを得
た。上記において、カーミン6Bに代えて、黄顔料(ベ
ンジジンイエロー)を使用した他は同様にして、黄グラ
ビアインキを得た。得られた紅インキ6点および黄イン
キ6点につき、それぞれ簡易グラビア印刷機を用いてコ
ート紙に印刷し、転移性および光沢を目視により下記基
準で3段階評価した。耐摩擦性は印刷物の印刷面同士を
重ね合わせ、指ではさんでこすったときの印刷面の状態
を、下記基準で3段階評価した。乾燥性はインキをバー
コター#10を用いてコート紙に展色後、指触により下
記基準で3段階評価した。評価結果は表1に示す。○:
良好、△:劣る、×:非常に劣る。
【0031】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 C09F 1/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロジン、α,β−エチレン性不飽和カル
    ボン酸および必要に応じて多価アルコールからなる樹脂
    酸反応物、およびα,β−エチレン性不飽和カルボン酸
    を付加反応させてなる変性石油樹脂、ならびに2種以上
    の金属化合物を、有機溶剤中で反応させて得られる樹脂
    酸金属塩を主成分として含有することを特徴とする印刷
    インキ用バインダー。
  2. 【請求項2】 有機溶剤が芳香族系炭化水素溶剤、エス
    テル系溶剤、ケトン系溶剤のいずれか少なくとも一種で
    ある請求項1記載の印刷インキ用バインダー。
  3. 【請求項3】 2種以上の金属化合物における金属の種
    類が、亜鉛ならびにカルシウムおよび/またはマグネシ
    ウムである請求項1記載の印刷インキ用バインダー。
  4. 【請求項4】 有機溶剤中での反応温度が40〜150
    ℃である請求項1記載の印刷インキ用バインダー。
  5. 【請求項5】 ロジン、α,β−エチレン性不飽和カル
    ボン酸および必要に応じて多価アルコールからなる樹脂
    酸反応物と、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を付
    加反応させた変性石油樹脂の使用割合が、ロジン、α,
    β−エチレン性不飽和カルボン酸および必要に応じて多
    価アルコールからなる樹脂酸反応物100重量部に対
    し、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を付加反応さ
    せた変性石油樹脂が1〜50重量部である請求項1記載
    の印刷インキ用バインダー。
  6. 【請求項6】 印刷インキ用バインダーとして使用され
    る樹脂酸金属塩を製造するに際し、ロジン、α,β−エ
    チレン性不飽和カルボン酸および必要に応じて多価アル
    コールからなる樹脂酸反応物、およびα,β−エチレン
    性不飽和カルボン酸を付加反応させた変性石油樹脂、な
    らびに2種以上の金属化合物を、有機溶剤中で反応させ
    ることを特徴とする印刷インキ用バインダーの製造法。
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