JP4883848B2 - 印刷インキおよび印刷物 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷インキに関し、さらに詳しくは、新聞、書籍などの出版物、ポスター、カレンダーなどの商業印刷物の印刷に使用される印刷インキに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、グラビア印刷インキの溶剤としては、トルエンを初めとする芳香族炭化水素系の溶剤が広く使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記グラビアインキにおけるトルエンなどの芳香族系溶剤（以下トルエンで代表する）は、インキ溶剤として優れた溶剤であるが、印刷時および印刷後の乾燥において蒸発し、該蒸発した溶剤が環境や生態系に対して悪影響を及ぼす畏れが指摘されている。このような溶剤蒸発に関しては、印刷工場において、溶剤蒸気が大気中に拡散しないような大規模な設備が設けられているものの、大気中への蒸気拡散を完全に防止することはできない。また、印刷工場内における作業者の衛生に対しても対策が施されているものの、同様に作業員の衛生問題が十分には解決されているとはいえない。
【０００４】
上記課題に対して、これまでにもトルエンに代わる非芳香族系溶剤が幾つか提案されているものの、トルエンを用いた印刷インキによる印刷物と比較すると、紙に対する印刷インキの濡れ性および滲透性がよいため、印刷物に印刷ムラや印刷スジが発生し、トルエンインキによる印刷物に比較して印刷品質が劣るという問題がある。また、従来提案された非芳香族系溶剤は、トルエンに比べて溶剤の蒸発速度が速いことから、印刷に際して印刷版の版乾きによる版詰まりが発生し、多数枚の連続印刷を行なっている間に、印刷インキの版に対する着肉不良が発生し、同様にトルエンインキに比べて、印刷品質に加えて作業性においても劣るという問題がある。
【０００５】
従って本発明の目的は、環境や生態系に悪影響を与えることがなく、また、溶剤としてトルエンを使用しなくても、印刷物に印刷ムラや印刷スジが発生せず、高品質な印刷が可能であり、また、多数枚連続印刷を継続しても版詰まりが発生せず、印刷品質に加えて作業性にも優れた印刷インキを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、着色剤と、被膜形成樹脂と、溶剤とを含むインキにおいて、前記溶剤が、エチルシクロヘキサン（Ａ）とメチルシクロヘキサン（Ｂ）との混合物であり、両者の混合比が重量比でＡ：Ｂ＝１０：９０〜６０：４０である混合溶剤、ｎ−プロピルシクロヘキサン、又はイソプロピルシクロヘキサンであることを特徴とする印刷インキを提供する。
【０００７】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明を主として特徴づけるインキ溶剤は、メチル基、エチル基、ｎ−プロピル基およびイソプロピル基から選ばれる少なくとも１個のアルキル基を有するシクロヘキサンである。具体的には、１個のアルキル基を有するシクロヘキサンとしては、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ｎ−プロピルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサンなどが挙げられ、２個のアルキル基を有するシクロヘキサンとしては、ジメチルシクロヘキサン（水素添加キシレン）、メチルエチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサンなどが挙げられる。これらの溶剤はそれぞれ対応する芳香族化合物を水素添加することで得られる。
【０００８】
本発明では、上記溶剤は、単独でも混合物でも使用することができる。好ましくは沸点範囲が１１０〜１７０℃の範囲、より好ましくは１２０〜１７０℃の範囲である上記溶剤の混合物である。特に好ましい溶剤の組み合わせ、およびそれらの混合比率は、エチルシクロヘキサン（Ａ）とメチルシクロヘキサン（Ｂ）との混合物であり、両者の混合比が重量比でＡ：Ｂ＝１０：９０〜６０：４０である混合溶剤である。メチルシクロヘキサンが多すぎると、メチルシクロヘキサンはトルエンに比べて蒸発速度が速いため、印刷中に版乾きが発生する畏れがある。また、メチルシクロヘキサンの量が少なすぎると、エチルシクロヘキサンの蒸発速度がトルエンよりも遅いため、印刷されたインキの乾燥速度が十分とはいえない。また、混合溶剤のＳＰ値が７．０〜８．５の範囲、好ましくは７．５〜８．０の範囲であることが、後述する被膜形成材の溶解性の点で好ましい。上記溶剤は、最終的に得られる印刷インキの３０〜９０重量％の範囲で使用される。
【０００９】
本発明の印刷インキは、上記溶剤に着色剤および被膜形成材料を分散および溶解して得られる。使用する着色剤としては、従来公知の何れの着色剤も使用できる。具体的には、例えば、カーミン６Ｂ、レーキッドＣ、パーマネントレッド２Ｂ、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、クロモフタルイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンマゼンタ、インダストロンブルー、アニリンブラック、ピリミジンイエローなどの有機顔料や、例えば、亜鉛華、群青、紺青、カーボンブラック、クロームバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、ベンガラ、黄色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミニウム粉などの無機顔料が挙げられる。これらの着色剤の使用量は、最終的に得られる印刷インキの５〜１０重量％の範囲が普通である。
【００１０】
本発明で使用する被膜形成材料は、従来公知のグラビア印刷インキに使用されていると同様な被膜形成材料が何れも使用可能である。具体的には、例えば、ガムロジンやトール油ロジンをベースに軟化点を上げ、酸価の低下や溶剤離脱性を改善するためにマグネシウム、カルシウムおよび亜鉛などの金属塩を付加したロジンの樹脂酸塩であるライムドロジン、それらにマレイン酸を付加したマレイン化ロジンなどのロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン、ロジン重合体、ロジンエステル、水添ロジンなどのロジン誘導体および脂肪族系石油樹脂などの石油樹脂など、またこれらの混合物が挙げられる。
【００１１】
上記ロジンの樹脂酸塩である変性ロジン樹脂は、一般に溶液法などの方法で重合されたものが使用される。一般に、溶液法では、トルエンを溶媒としてインキワニス用にロジンの樹脂酸塩である変性ロジン樹脂を製造しているが、本発明では、トルエンの代わりに前記特定の溶剤を使用して製造したロジンの樹脂酸塩である変性ロジンのインキワニス（固形分５０重量％溶液）が好ましい。また、これらの溶液法にて製造された変性ロジン樹脂ワニスの溶剤を除去した固形樹脂も前記特定の溶剤に溶解して使用できる。これらの被膜形成材料の使用量は、最終的に得られる印刷インキの２５〜３５重量％の範囲が普通である。
【００１２】
また、本発明の目的を妨げない範囲で各種添加剤を印刷インキ中に添加してもよく、これらの添加剤としては、シリコン類などの消泡剤、アニオン系などの界面活性剤、パラフィンワックスなどのワックス類などの有機物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、シリカ、アルミナなどの無機物が挙げられる。本発明の印刷インキは、上記成分を混練して均質化することによって得られる。
【００１３】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「％」とあるのは重量基準である。
実施例１
下記の成分をよく撹拌し、本発明の印刷インキを調製した。
ライムドロジン ４２．８部
メチルシクロヘキサン（ＭＣＨ） ２２．０部
エチルシクロヘキサン（ＥＣＨ） ２２．０部
ジスアゾイエロー ７．０部
炭酸カルシウム ６．０部
ポリエチレンワックス ０．２部
なお、上記で使用した溶剤の沸点範囲は１１０．６〜１３１．５℃であり、ＳＰ値は７．８９である。
【００１４】
実施例２〜６及び参考例１〜５
実施例１における溶剤組成を下記表１に記載のように変更した以外は実施例１と同様にして印刷インキを得た。
ＥＣＨ：エチルシクロヘキサン
ＭＣＨ：メチルシクロヘキサン
ＤＭＣＨ：ジメチルシクロヘキサン
ＰＣＨ：イソプロピルシクロヘキサン
【００１５】
比較例１
実施例１における溶剤の全てをトルエンに代えた以外は実施例１と同様にして比較例の印刷インキを得た。
【００１６】
評価
上記で得られた各々の印刷インキを使用し、コート紙にグラビア印刷機にて６００〜８００ｒｐｍで高速印刷した。各印刷物の網点形状、印刷時の版詰まり発生状況、インキ転移性、光沢性および乾燥性について評価した結果を表２に示す。
【００１７】
【００１８】
上記表２に記載の実施例及び参考例の評価は、比較例１を基準（○）としての相対評価であり、実施例及び参考例の○は比較例１と同等、◎はより優れる、△はやや劣る、×は劣ることを示す。上記表２から明らかなように、本発明の印刷インキは、比較例１のトルエンインキより幾分劣るものから幾分優れるものであり、実用上トルエンインキに代替し得ることが明らかである。特にＥＣＨとＭＣＨとを特定の範囲で混合使用した実施例１〜４のインキは、トルエンインキに匹敵あるいはそれ以上に優れている。
【００１９】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、環境や生態系に悪影響を与えることがなく、また、溶剤としてトルエンを使用しなくても、印刷物に印刷ムラや印刷スジが発生せず、高品質な印刷が可能であり、また、多数枚連続印刷を継続しても版詰まりが発生せず、印刷品質に加えて作業性にも優れた印刷インキを提供することができる。
さらに本発明の印刷インキを使用すれば、従来、印刷工場に設けられている溶剤捕集装置がそのまま使用でき、特別な設備投資は不要であるという利点もある。
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷インキに関し、さらに詳しくは、新聞、書籍などの出版物、ポスター、カレンダーなどの商業印刷物の印刷に使用される印刷インキに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、グラビア印刷インキの溶剤としては、トルエンを初めとする芳香族炭化水素系の溶剤が広く使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記グラビアインキにおけるトルエンなどの芳香族系溶剤（以下トルエンで代表する）は、インキ溶剤として優れた溶剤であるが、印刷時および印刷後の乾燥において蒸発し、該蒸発した溶剤が環境や生態系に対して悪影響を及ぼす畏れが指摘されている。このような溶剤蒸発に関しては、印刷工場において、溶剤蒸気が大気中に拡散しないような大規模な設備が設けられているものの、大気中への蒸気拡散を完全に防止することはできない。また、印刷工場内における作業者の衛生に対しても対策が施されているものの、同様に作業員の衛生問題が十分には解決されているとはいえない。
【０００４】
上記課題に対して、これまでにもトルエンに代わる非芳香族系溶剤が幾つか提案されているものの、トルエンを用いた印刷インキによる印刷物と比較すると、紙に対する印刷インキの濡れ性および滲透性がよいため、印刷物に印刷ムラや印刷スジが発生し、トルエンインキによる印刷物に比較して印刷品質が劣るという問題がある。また、従来提案された非芳香族系溶剤は、トルエンに比べて溶剤の蒸発速度が速いことから、印刷に際して印刷版の版乾きによる版詰まりが発生し、多数枚の連続印刷を行なっている間に、印刷インキの版に対する着肉不良が発生し、同様にトルエンインキに比べて、印刷品質に加えて作業性においても劣るという問題がある。
【０００５】
従って本発明の目的は、環境や生態系に悪影響を与えることがなく、また、溶剤としてトルエンを使用しなくても、印刷物に印刷ムラや印刷スジが発生せず、高品質な印刷が可能であり、また、多数枚連続印刷を継続しても版詰まりが発生せず、印刷品質に加えて作業性にも優れた印刷インキを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、着色剤と、被膜形成樹脂と、溶剤とを含むインキにおいて、前記溶剤が、エチルシクロヘキサン（Ａ）とメチルシクロヘキサン（Ｂ）との混合物であり、両者の混合比が重量比でＡ：Ｂ＝１０：９０〜６０：４０である混合溶剤、ｎ−プロピルシクロヘキサン、又はイソプロピルシクロヘキサンであることを特徴とする印刷インキを提供する。
【０００７】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明を主として特徴づけるインキ溶剤は、メチル基、エチル基、ｎ−プロピル基およびイソプロピル基から選ばれる少なくとも１個のアルキル基を有するシクロヘキサンである。具体的には、１個のアルキル基を有するシクロヘキサンとしては、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ｎ−プロピルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサンなどが挙げられ、２個のアルキル基を有するシクロヘキサンとしては、ジメチルシクロヘキサン（水素添加キシレン）、メチルエチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサンなどが挙げられる。これらの溶剤はそれぞれ対応する芳香族化合物を水素添加することで得られる。
【０００８】
本発明では、上記溶剤は、単独でも混合物でも使用することができる。好ましくは沸点範囲が１１０〜１７０℃の範囲、より好ましくは１２０〜１７０℃の範囲である上記溶剤の混合物である。特に好ましい溶剤の組み合わせ、およびそれらの混合比率は、エチルシクロヘキサン（Ａ）とメチルシクロヘキサン（Ｂ）との混合物であり、両者の混合比が重量比でＡ：Ｂ＝１０：９０〜６０：４０である混合溶剤である。メチルシクロヘキサンが多すぎると、メチルシクロヘキサンはトルエンに比べて蒸発速度が速いため、印刷中に版乾きが発生する畏れがある。また、メチルシクロヘキサンの量が少なすぎると、エチルシクロヘキサンの蒸発速度がトルエンよりも遅いため、印刷されたインキの乾燥速度が十分とはいえない。また、混合溶剤のＳＰ値が７．０〜８．５の範囲、好ましくは７．５〜８．０の範囲であることが、後述する被膜形成材の溶解性の点で好ましい。上記溶剤は、最終的に得られる印刷インキの３０〜９０重量％の範囲で使用される。
【０００９】
本発明の印刷インキは、上記溶剤に着色剤および被膜形成材料を分散および溶解して得られる。使用する着色剤としては、従来公知の何れの着色剤も使用できる。具体的には、例えば、カーミン６Ｂ、レーキッドＣ、パーマネントレッド２Ｂ、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、クロモフタルイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンマゼンタ、インダストロンブルー、アニリンブラック、ピリミジンイエローなどの有機顔料や、例えば、亜鉛華、群青、紺青、カーボンブラック、クロームバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、ベンガラ、黄色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミニウム粉などの無機顔料が挙げられる。これらの着色剤の使用量は、最終的に得られる印刷インキの５〜１０重量％の範囲が普通である。
【００１０】
本発明で使用する被膜形成材料は、従来公知のグラビア印刷インキに使用されていると同様な被膜形成材料が何れも使用可能である。具体的には、例えば、ガムロジンやトール油ロジンをベースに軟化点を上げ、酸価の低下や溶剤離脱性を改善するためにマグネシウム、カルシウムおよび亜鉛などの金属塩を付加したロジンの樹脂酸塩であるライムドロジン、それらにマレイン酸を付加したマレイン化ロジンなどのロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン、ロジン重合体、ロジンエステル、水添ロジンなどのロジン誘導体および脂肪族系石油樹脂などの石油樹脂など、またこれらの混合物が挙げられる。
【００１１】
上記ロジンの樹脂酸塩である変性ロジン樹脂は、一般に溶液法などの方法で重合されたものが使用される。一般に、溶液法では、トルエンを溶媒としてインキワニス用にロジンの樹脂酸塩である変性ロジン樹脂を製造しているが、本発明では、トルエンの代わりに前記特定の溶剤を使用して製造したロジンの樹脂酸塩である変性ロジンのインキワニス（固形分５０重量％溶液）が好ましい。また、これらの溶液法にて製造された変性ロジン樹脂ワニスの溶剤を除去した固形樹脂も前記特定の溶剤に溶解して使用できる。これらの被膜形成材料の使用量は、最終的に得られる印刷インキの２５〜３５重量％の範囲が普通である。
【００１２】
また、本発明の目的を妨げない範囲で各種添加剤を印刷インキ中に添加してもよく、これらの添加剤としては、シリコン類などの消泡剤、アニオン系などの界面活性剤、パラフィンワックスなどのワックス類などの有機物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、シリカ、アルミナなどの無機物が挙げられる。本発明の印刷インキは、上記成分を混練して均質化することによって得られる。
【００１３】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「％」とあるのは重量基準である。
実施例１
下記の成分をよく撹拌し、本発明の印刷インキを調製した。
ライムドロジン ４２．８部
メチルシクロヘキサン（ＭＣＨ） ２２．０部
エチルシクロヘキサン（ＥＣＨ） ２２．０部
ジスアゾイエロー ７．０部
炭酸カルシウム ６．０部
ポリエチレンワックス ０．２部
なお、上記で使用した溶剤の沸点範囲は１１０．６〜１３１．５℃であり、ＳＰ値は７．８９である。
【００１４】
実施例２〜６及び参考例１〜５
実施例１における溶剤組成を下記表１に記載のように変更した以外は実施例１と同様にして印刷インキを得た。
ＭＣＨ：メチルシクロヘキサン
ＤＭＣＨ：ジメチルシクロヘキサン
ＰＣＨ：イソプロピルシクロヘキサン
【００１５】
比較例１
実施例１における溶剤の全てをトルエンに代えた以外は実施例１と同様にして比較例の印刷インキを得た。
【００１６】
評価
上記で得られた各々の印刷インキを使用し、コート紙にグラビア印刷機にて６００〜８００ｒｐｍで高速印刷した。各印刷物の網点形状、印刷時の版詰まり発生状況、インキ転移性、光沢性および乾燥性について評価した結果を表２に示す。
【００１７】
上記表２に記載の実施例及び参考例の評価は、比較例１を基準（○）としての相対評価であり、実施例及び参考例の○は比較例１と同等、◎はより優れる、△はやや劣る、×は劣ることを示す。上記表２から明らかなように、本発明の印刷インキは、比較例１のトルエンインキより幾分劣るものから幾分優れるものであり、実用上トルエンインキに代替し得ることが明らかである。特にＥＣＨとＭＣＨとを特定の範囲で混合使用した実施例１〜４のインキは、トルエンインキに匹敵あるいはそれ以上に優れている。
【００１９】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、環境や生態系に悪影響を与えることがなく、また、溶剤としてトルエンを使用しなくても、印刷物に印刷ムラや印刷スジが発生せず、高品質な印刷が可能であり、また、多数枚連続印刷を継続しても版詰まりが発生せず、印刷品質に加えて作業性にも優れた印刷インキを提供することができる。
さらに本発明の印刷インキを使用すれば、従来、印刷工場に設けられている溶剤捕集装置がそのまま使用でき、特別な設備投資は不要であるという利点もある。
Claims (5)
- 着色剤と、被膜形成樹脂と、溶剤とを含むインキにおいて、前記溶剤が、
エチルシクロヘキサン（Ａ）とメチルシクロヘキサン（Ｂ）との混合物であり、両者の混合比が重量比でＡ：Ｂ＝１０：９０〜６０：４０である混合溶剤、
ｎ−プロピルシクロヘキサン、又は
イソプロピルシクロヘキサンであることを特徴とする印刷インキ。 - 前記溶剤の沸点範囲が、１１０〜１７０℃の範囲である請求項１に記載の印刷インキ。
- 前記溶剤のＳＰ値が、７．０〜８．５である請求項１又は２に記載の印刷インキ。
- 出版グラビアインキである請求項１〜３の何れか１項に記載の印刷インキ。
- 請求項１〜４の何れか１項に記載の印刷インキで印刷されたことを特徴とする印刷物。
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|---|---|---|---|
| JP2001184387A JP4883848B2 (ja) | 2001-06-19 | 2001-06-19 | 印刷インキおよび印刷物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001184387A JP4883848B2 (ja) | 2001-06-19 | 2001-06-19 | 印刷インキおよび印刷物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003003104A JP2003003104A (ja) | 2003-01-08 |
| JP4883848B2 true JP4883848B2 (ja) | 2012-02-22 |
Family
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001184387A Expired - Fee Related JP4883848B2 (ja) | 2001-06-19 | 2001-06-19 | 印刷インキおよび印刷物 |
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| JP3518674B2 (ja) * | 2000-02-25 | 2004-04-12 | 荒川化学工業株式会社 | 印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物 |
| JP2001240787A (ja) * | 2000-02-29 | 2001-09-04 | The Inctec Inc | インキ組成物 |
| JP4577539B2 (ja) * | 2000-03-09 | 2010-11-10 | 荒川化学工業株式会社 | 印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物 |
| JP2002212482A (ja) * | 2000-11-20 | 2002-07-31 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 印刷インキ組成物及び印刷物 |
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2001
- 2001-06-19 JP JP2001184387A patent/JP4883848B2/ja not_active Expired - Fee Related
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