JP4899236B2 - 印刷インキ用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオフセット印刷を含む平版印刷に使用される印刷インキ用樹脂組成物に関するものであって、ジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂を含有する平版インキ用樹脂組成物に関するものである。さらに詳細には、本発明は、印刷時の水幅適性に優れる平版インキ用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジシクロペンタジエンは、従来平版インキ用の石油樹脂の原料として使用されている。
石油樹脂の製造方法は、既に提案されている。特に平版インキ用樹脂の技術である特開平8−060064号公報では、ジシクロペンタジエンおよびα−オレフィンを高圧下で重合し、その後、フェノール変性して製造されている。これらの樹脂の製造方法は製造工程にて高圧釜等の特殊な装置を使用しなければならず、限定された製造設備でのみ製造が可能である。
また、一般的に成型用途もしくはエネルギー線硬化型樹脂に使用されているジシクロペンタジエンで変性されたポリエステル樹脂もしくは脂肪酸変性ポリエステル樹脂は、平版インキ用石油系溶剤もしくは植物油との相溶性に劣り平版印刷に適さない。
一方、平版インキに使用されているアルキド樹脂は平版インキの流動性を向上させることは可能であるが、印刷機上にてミストが発生しやすく、水と過乳化しやすく、水幅を低下させる傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、アルキド樹脂の印刷機上でのミスト発生を低減させ、乳化適性を向上させることにある。さらに、ジシクロペンタジエンで変性されたポリエステル樹脂もしくは脂肪酸変性ポリエステル樹脂の平版インキ用石油系用剤もしくは植物油との相溶性を向上させることにより、従来の平版インキ用樹脂組成物と比べ耐ミスチング性に優れ、しかも、印刷機上の印刷適性、特に水幅適性を代表する特性に優れた平版インキ用樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上述したような発明が解決しようとする課題に標準を合わせ、鋭意、検討を重ねた結果、ジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂を含む平版インキ用樹脂組成物が、前記の課題を解決しうることを見いだすにおよんで、ここに、本発明を完成させるに至った。
【0005】
すなわち[I]本発明は、ジシクロペンタジエン、無水マレイン酸、及び水からなる原料を140℃以下の温度範囲で加熱し反応させてマレイン酸ハーフエステルを得た後、多塩基酸又はその酸無水物(a)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシルグリコール、オクチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート(THEIC)、トリメチロールエタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ペンタエリスリトール、これらハイドロオキサイドのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメチロールからなる群から選ばれる一種類以上の化合物(b)と、天然油脂類の誘導体である脂肪酸(c)とを必須成分とする原料を加え、120℃〜220℃の温度範囲で加熱し反応させて得られるジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂を含有することを特徴とする印刷インキ用樹脂組成物を提供するものであり、[II]本発明は、ジシクロペンタジエン、無水マレイン酸、及び水からなる原料を140℃以下の温度範囲で加熱し反応させてマレイン酸ハーフエステルを得た後、多塩基酸又はその酸無水物(a)と、前記化合物(b)と、前記化合部物(b)と天然油脂類(c)とを反応させて得られるモノグリセライドとを必須成分とする原料を加え、120℃〜220℃の温度範囲で加熱し反応させて得られるジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂を含有することを特徴とする印刷インキ用樹脂組成物を提供するものであり、また[III]本発明は、ジシクロペンタジエン、無水マレイン酸、及び前記化合物(b)と天然油脂類(c)とを反応させて得られるモノグリセライドからなる原料を140℃以下の温度範囲で加熱し反応させてマレイン酸ハーフエステルを得た後、多塩基酸又はその酸無水物(a)と、前記化合物(b)とを必須成分とする原料を加え、120℃〜220℃の温度範囲で加熱し反応させて得られるジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂を含有することを特徴とする印刷インキ用樹脂組成物を提供するものであり、また[IV]本発明は、前記モノグリセライドが、前記化合物(b)と、天然油脂類(c)と、単官能酸(d)とを反応させて得られるモノグリセライドである上記[II]記載の印刷インキ用樹脂組成物を提供するものであり、また[V]本発明は、前記アルキド樹脂の油長が30〜60%であることを特徴とする、上記[I]から[IV]のいずれか記載の印刷インキ用樹脂組成物を提供するものであり、また[VI]本発明は、石油系溶剤および/または植物油に溶解させたアルキド樹脂溶液のヘプタントレランスが1〜70である上記[I]から[V]のいずれか記載の印刷インキ用樹脂組成物を提供するものであり、さらに、[VII]本発明は、前記アルキド樹脂が、5重量%から30重量%の範囲のジシクロペンタジエンで変性された、上記[I]から[VI]のいずれか記載の印刷インキ用樹脂組成物を提供するものである。かかる構成により、本発明は、印刷機上にて水幅適性に優れ、印刷機の操作性を向上せせることが可能である極めて実用性の高い平版インキ用樹脂組成物を提供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係る平版インキ用樹脂を構成する必須のジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂について説明する。
【0007】
本発明のジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂は、ジシクロペンタジエンと多塩基酸(a)とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシルグリコール、オクチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート(THEIC)、トリメチロールエタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ペンタエリスリトール、これらハイドロオキサイドのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメチロールからなる群から選ばれる一種類以上の化合物(b)と天然油脂類や天然油脂類の誘導体である脂肪酸(c)との反応によって得られる。
【0008】
ジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂の製造方法は、具体的には、例えば、(1)ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸と水を、ジシクロペンタジエンがシクロペンタジエンに分解しない温度領域、例えば100℃から140℃で加熱し、水で無水マレイン酸の開環反応によりマレイン酸が生成し、ジシクロペンタジエンを反応せしめる方法、(2)ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸と前記化合物(b)とを100℃から140℃で加熱し、前記化合物(B)と無水マレイン酸によりマレイン酸ハーフエステルを生成させ、ジシクロペンタジエンを反応せしめ、その後に天然油脂類の誘導体である脂肪酸(c)、および又は前記化合物(b)と天然油脂類や天然油脂類の誘導体である脂肪酸(c)を加熱することから得られるモノ若しくはジグリセライドを所定量で反応容器に仕込み、150℃から240℃で縮合反応により生じる水を除きながら所定の酸価、水酸基価、分子量になるまで反応せしめる方法、(3)ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸と天然油脂類の誘導体である脂肪酸(c)、および又は、前記化合物(b)と天然油脂類や天然油脂類の誘導体である脂肪酸(c)を加熱することからなるモノ若しくはジグリセライドを反応させ、ついで、更に多塩基酸および又はその酸無水物(a)および又は前記化合物(b)とを所定量で反応容器に仕込み、150℃から240℃で縮合反応により生じる水を除きながら所定の酸価、水酸基価、分子量になるまで反応せしめる方法等が挙げられる。
【0009】
これらの方法中、ジシクロペンタジエンの反応を行う際、140℃を超える反応の温度では、シクロペンタジエンの分解したシクロペンタジエンを生じ、目的とするマレイン酸ハーフエステルの収率が低下する可能性があるので、140℃を越えない温度で反応させる必要がある。また、所定の酸価、水酸基価、分子量に調整するため原料の一つとして、さらに単官能酸(d)を使用してもよい。
【0010】
本発明の多塩基酸又はその酸無水物(a)としては、不飽和多塩基酸またはその無水物(a−1)、飽和多塩基酸またはその無水物(a−2)が挙げられる。
不飽和多塩基酸またはその無水物(a−1)の代表的なものとしては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、もしくは、塩素化マレイン酸の如き、α,β−不飽和多塩基酸またはその無水物などが挙げられる。これらは単独、または2種以上での併用で用いることができる。
飽和多塩基酸またはその無水物(a−2)の代表的なものとしては、フタル酸、無水フタル酸、テロラハイドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、シス−3−メチル−4−シクロヘキセン−シス,シス−1、2−ジカルボン酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、モノクロルフタル酸、ジクロロフタル酸、トリクロロフタル酸、ヘット酸、テトラブロムフタル酸、コハク酸、セバスチン酸、アジピン酸、トリメリット酸、グルタン酸、ピメリン酸、ピロメリット酸、またはハイミック酸などの公知慣用のものが挙げられる。これらは単独、または2種以上での併用で用いることができる。
【0011】
本発明の化合物(b)は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシルグリコール、オクチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート(THEIC)、トリメチロールエタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸ペンタエリスリトールこれらハイドロオキサイドのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメチロールからなる郡から選ばれる一種類以上の化合物である
【0012】
本発明の天然油脂類や天然油脂類の誘導体である脂肪酸(c)としては、例えばアマニ油、サフラワー油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、大豆油、ヤシ油、米糠油等に代表される天然油脂類や、これら天然油脂類の誘導体である脂肪酸類などの、公知慣用のものが挙げられ、これらは単独、または2種以上の併用で用いることができる。
【0013】
本発明の単官能酸(d)としては、例えば安息香酸、tert-ブチル安息香酸に代表される芳香環を含有する単官能酸、もしくは、ステアリン酸、ラウリン酸、オクチル酸に代表されるアルキル鎖を有する単官能酸、もしくは、天然樹脂酸であるロジンなどの、公知慣用のものが挙げられ、これらは単独、または2種以上の併用で用いることができる。
【0014】
また、本発明の平版インキ用樹脂組成物は、必要に応じて石油樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等に代表される平版インキ用に使用されている樹脂を混合し、もしくは、反応させてもよい。
【0015】
本発明のジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂の油長は、特に制限されないが、30〜60%であることが印刷時の乳化適性・ミスチング、印刷物の光沢・ヒートセット性の点から好ましい。30%未満であると樹脂と石油系溶剤及び/又は植物油との相溶性が低下し、乳化適性・光沢が低下し、また60%を越えると樹脂と石油系溶剤及び/又は植物油との相溶性が高過ぎ、ヒートセット性が低下し、また、水と過乳化しやすく、ミスとが発生しやすくなり、好ましくない。
【0016】
また石油系溶剤および/または植物油に溶解させたアルキド樹脂溶液のヘプタントレランスが1〜70であることが好ましい。
ここで述べるヘプタントレランスとは、樹脂と石油系溶剤及び/又は植物油との相溶性の指標となる数値であり、数値が高いほど相溶性が高いことを示す。試験方法は、石油系溶剤および/または植物油に溶解させた樹脂溶液1部に対しトルエン2部の比でもって希釈した溶液5部をマイヤーフラスコに入れ、n−ヘプタンを滴下し、フラスコ底面において下に敷いた新聞紙の文字が見えなくなる濁点まで滴下したn−ヘプタンの量(ml)を希釈溶液の部数で割った値で表す。このn−ヘプタントレランスは1〜70が好ましく、5〜50がより好ましい。ヘプタントレランスが1未満であると、石油系溶剤及び/又は植物油との相溶性が低下してしまい、インキとして使用することが困難となり、70以上となると、石油系溶剤及び/又は植物油との相溶性が高過ぎ、インキの粘度調整が極めて困難となる。
【0017】
ジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂を調整する際に用いるジシクロペンタジエンの使用量としては、ジシクロペンタジエン変性アルキド樹脂の樹脂固形分100重量部に対して5〜30重量部なる範囲内、好ましくは、5〜25重量部なる範囲である。5重量部未満であるとジシクロペンタジエンによる変性効果が十分に得られないし、30重量部を越えると平版インキ溶石油系溶剤および植物油に対する溶解性が低下し、石油系溶剤および/または植物油に溶解させたアルキド樹脂溶液2部に対しトルエン1部をもって希釈した溶液のn−ヘプタンに対する溶解性が低下するため、いずれも好ましくない。
【0018】
ジシクロペンタジエンで変性された平版インキ用アルキド樹脂の粘度としては、芳香族系若しくは非芳香族系のインキ用石油系溶剤およびまたは植物油へ溶解させた粘度が10〜1000Pa・Sとなる範囲内、好ましくは、40〜500Pa・Sなる範囲内である。10Pa・S以下であると粘度が低すぎ、インキ調整が困難となり、1000Pa・Sを越えると粘度が高すぎ、インキがかたくなり、インキ調整が困難となる。
【0019】
前記した、ジシクロペンタジエン変性アルキド樹脂とインキ用石油系溶剤および/または植物油との配合比率としては、40/60〜90/10となる範囲内、好ましくは、50/50〜80/20なる範囲内である。40/60より溶剤が多い場合には、インキ化した際の印刷適性に劣り、90/10より溶剤が少ない場合にも、セット性等、インキの印刷適性に劣る。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。以下において、部および%は特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0021】
実施例1
攪拌機、ガス導入管、デカンター、コンデンサーおよび温度計を備えた2リットルのフラスコにジシクロペンタジエン132.2部、無水マレイン酸98.1部、蒸留水18部を入れ、120℃に昇温、同温度で2時間反応させた。このときの酸価(KOHmg/g)は、222であった。次に、無水フタル酸177部、グリセリン203部、米糠脂肪酸496部を加え、120℃に昇温、120℃から220℃まで2時間で昇温、同温度で酸価が25以下になるまで加熱した。220℃に昇温後10時間で酸価9、日本石油製石油系溶剤AF−7号ソルベントで不揮発分65%に調整した樹脂溶液の25℃での粘度は200Pa・S、ヘプタントレランスは17であった。
【0022】
実施例2
攪拌機、ガス導入管、デカンター、コンデンサーおよび温度計を備えた2リットルのフラスコにジシクロペンタジエン132.2部、無水マレイン酸98.1部、蒸留水18.0部を入れ、120℃に昇温、同温度で2時間反応させた。このときの酸価(KOHmg/g)は、222であった。一方、もう一つの攪拌機、ガス導入管、デカンター、コンデンサーおよび温度計を備えた2リットルのフラスコに大豆油461.0部、グリセリン96.7部を入れ、240℃に昇温、同温度で2時間反応させ、モノグリセライドを得た。次に、前記ジシクロペンタジエン−マレイン酸付加物中間体に上記モノグリセライドおよび無水フタル酸148.1部、グリセリン112.6部を加え、120℃に昇温、120℃から220℃まで2時間で昇温、同温度で酸価が20以下になるまで加熱した。220℃に昇温後10時間で酸価3、日本石油製石油系溶剤AF−7号ソルベントで不揮発分65%に調整した樹脂溶液の25℃での粘度は155Pa・S、ヘプタントレランスは6であった。
【0023】
実施例3
攪拌機、ガス導入管、デカンター、コンデンサーおよび温度計を備えた2リットルのフラスコに大豆油556.7部、グリセリン122.8部を入れ、240℃に昇温、同温度で2時間反応させ、モノグリセライドを得た。その反応液を140℃以下まで降温し、そこにジシクロペンタジエン132.2部、無水マレイン酸98.1部(1モル)を入れ、120℃に昇温、同温度で2時間反応させた。定時間後に、無水フタル酸172.4部、グリセリン20.7部を加え、120℃に昇温、120℃から220℃まで2時間で昇温、同温度で酸価が20以下になるまで加熱した。220℃に昇温後10時間で酸価16、日本石油製石油系溶剤AF−7号ソルベントで不揮発分65%に調整した樹脂溶液の25℃での粘度は185Pa・S、ヘプタントレランスは36であった。
【0024】
実施例4
攪拌機、ガス導入管、デカンター、コンデンサーおよび温度計を備えた2リットルのフラスコにジシクロペンタジエン132.2部、無水マレイン酸98.1部、蒸留水18.0部を入れ、120℃に昇温、同温度で2時間反応させた。このときの酸価(KOHmg/g)は、222であった。一方、もう一つの攪拌機、ガス導入管、デカンター、コンデンサーおよび温度計を備えた2リットルのフラスコに大豆油228.0部、ラウリン酸174.0部、安息香酸37.9部、グリセリン205.4部を入れ、240℃に昇温、同温度で2時間反応させ、モノグリセライドを得た。その反応液を140℃以下まで降温、次に、前記ジシクロペンタジエン−マレイン酸付加物中間体に上記モノグリセライドおよび無水フタル酸160.0部を加え、120℃に昇温、120℃から220℃まで2時間で昇温、同温度で酸価が20以下になるまで加熱した。220℃に昇温後7時間で酸価14、日本石油製石油系溶剤AF−7号ソルベントで不揮発分70%に調整した樹脂溶液の25℃での粘度は243Pa・S、ヘプタントレランスは13であった。
【0025】
比較例1
従来のロジン変性フェノール樹脂[大日本インキ化学工業(株)社製、商品名「ベッカサイトF−6303」]50部、亜麻仁油15部、平版インキ用石油系用剤AF−7号ソルベント35部を混合溶解して、ワニスを得た。樹脂溶液の25℃での粘度は210Pa・S、ヘプタントレランスは20であった。
【0026】
比較例2
攪拌機、ガス導入管、デカンター、コンデンサーおよび温度計を備えた2リットルのフラスコに大豆油556.7部、グリセリン122.8部を入れ、240℃に昇温、同温度で2時間反応させ、モノグリセライドを得た。その反応液を140℃以下まで降温し、そこに安息香酸122.1部、無水フタル酸172.4部、グリセリン20.7部を加え、120℃に昇温、120℃から220℃まで2時間で昇温、同温度で酸価が20以下になるまで加熱した。220℃に昇温後12時間で酸価12、日本石油製石油系溶剤AF−7号ソルベントで不揮発分65%に調整した樹脂溶液の25℃での粘度は0.2Pa・S、ヘプタントレランスは80以上であった。
これは平版インキ用樹脂組成物の必要とする性状値、粘度が10〜1000Pa・S、ヘプタントレランスが1から70を満たさないため、本比較例1の平版インキ用樹脂組成物としての評価はできない。
【0027】
インキ調整:上記実施例1から4で得られた本発明平版インキ用樹脂組成物および比較例1でえられた平版インキ用樹脂組成物を用いて、下記の方法を用いて下記に示す配合にてインキ調整を行い、それらのインキ性能を評価した。評価結果を表1に示す。尚、インキ調整は各配合を行った後、3本ロールにて錬肉してインキとした。
フラッシュベース 67部
各実施例および比較例1 23部
AF−7号ソルベント 10部
(日本石油社製、石油系溶剤)
尚、フラッシュベースは、従来のロジン変性フェノール樹脂[大日本インキ化学工業(株)社製、商品名「ベッカサイトF−6303」]50部、亜麻仁油15部、平版インキ用石油系用剤AF−7号ソルベント35部を混合溶解して得たワニス(樹脂溶液の25℃での粘度は210Pa・S、ヘプタントレランスは20)とカーミン6B(紅顔料)とをあらかじめ混錬したものである。上記配合に基づき、各インキのタック値が8.0±0.5、ダイヤメーター値が41±0.5となるように適宜調整した。
【0028】
<性能試験>
光沢:インキ0.15mlをRIテスター[(株)明製作所]二分割ロールにてコート紙に展色した後、150度の乾燥機にて7秒乾燥させ、60°−60°の反射率を光沢計により測定した。
ヒートセット性:インキ0.15mlをRIテスター二分割ロールにてアルミ蒸着紙に展色した後、150度の乾燥機にて、通過時間を変化させ、乾燥の度合いを相対比較した。
水幅適性:マン・ローランド印刷機R−704を用い、水幅の条件を検討した。
【0029】
【表1】
Figure 0004899236
【0030】
【発明の効果】
上記表から明らかなように、本発明によるジシクロペンタジエンで変性された平版インキ用樹脂組成物は、従来のアルキド樹脂より優れているロジン変性フェノール樹脂と比較しても、光沢・ヒートセット性を十分満足し、しかも印刷時の水幅適性に優れる。

Claims (7)

  1. ジシクロペンタジエン、無水マレイン酸、及び水からなる原料を140℃以下の温度範囲で加熱し反応させてマレイン酸ハーフエステルを得た後、
    多塩基酸又はその酸無水物(a)と、
    エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシルグリコール、オクチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート(THEIC)、トリメチロールエタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ペンタエリスリトール、これらハイドロオキサイドのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメチロールからなる群から選ばれる一種類以上の化合物(b)と、
    天然油脂類の誘導体である脂肪酸(c)とを
    必須成分とする原料を加え、120℃〜220℃の温度範囲で加熱し反応させて得られるジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂を含有することを特徴とする印刷インキ用樹脂組成物。
  2. ジシクロペンタジエン、無水マレイン酸、及び水からなる原料を140℃以下の温度範囲で加熱し反応させてマレイン酸ハーフエステルを得た後、
    多塩基酸又はその酸無水物(a)と、
    エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシルグリコール、オクチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート(THEIC)、トリメチロールエタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ペンタエリスリトール、これらハイドロオキサイドのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメチロールからなる群から選ばれる一種類以上の化合物(b)と、
    前記化合物(b)と天然油脂類(c)とを反応させて得られるモノグリセライドとを
    必須成分とする原料を加え、120℃〜220℃の温度範囲で加熱し反応させて得られるジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂を含有することを特徴とする印刷インキ用樹脂組成物。
  3. ジシクロペンタジエン、
    無水マレイン酸、
    及びエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシルグリコール、オクチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート(THEIC)、トリメチロールエタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ペンタエリスリトール、これらハイドロオキサイドのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメチロールからなる群から選ばれる一種類以上の化合物(b)と天然油脂類(c)とを反応させて得られるモノグリセライド
    からなる原料を140℃以下の温度範囲で加熱し反応させてマレイン酸ハーフエステルを得た後、
    多塩基酸又はその酸無水物(a)と、
    前記化合物(b)とを
    必須成分とする原料を加え、120℃〜220℃の温度範囲で加熱し反応させて得られるジシクロペンタジエンで変性されたアルキド樹脂を含有することを特徴とする印刷インキ用樹脂組成物。
  4. 前記モノグリセライドが、前記化合物(b)と天然油脂類(c)と、単官能酸(d)とを反応させて得られるモノグリセライドである請求項2記載の印刷インキ用樹脂組成物。
  5. 前記アルキド樹脂の油長が30〜60%である請求項1から4のいずれか1項記載の印刷インキ用樹脂組成物。
  6. 石油系溶剤および/または植物油に溶解させたアルキド樹脂溶液のヘプタントレランスが1〜70である請求項1から5のいずれか1項記載の印刷インキ用樹脂組成物。
  7. 前記アルキド樹脂が、5重量%から30重量%の範囲のジシクロペンタジエンで変性された、請求項1から6のいずれか1項記載の印刷インキ用樹脂組成物。
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