JP2015003949A - 水有りオフセットインキ - Google Patents

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Abstract

【課題】版面上に水を連続供給するオフセット印刷における乳化インキの安定性による優れた印刷適性を有する活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を提供する。【解決手段】顔料、及びバインダーを含有する非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物に、更に適量の水を添加しこれを予め分散することを特徴とする非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物。すなわち、顔料、及びバインダーを含有する非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物と水とを含有する水有りオフセットインキであって、前記水の含有量が全インキ中の1〜13重量%であり、且つ、前記水有りオフセットインキが乳化されていることを特徴とする水有りオフセットインキ7。【選択図】図1

Description

本発明は、活性エネルギー線条件下で良好に硬化する紙器、パッケージ、ポスター、カタログ、チラシ、CDジャケット等のための水有りオフセットインキの発明、並びに版面上に水を連続供給するオフセット印刷機を用いて印刷された印刷物に関する。
活性エネルギー線硬化型オフセットインキは、瞬間硬化の特性の利便性から、紙器等の印刷分野で広く使用されている。
本発明で述べる活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線をいう。活性エネルギー線として紫外線を照射して硬化塗膜とする場合には、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物中に光重合開始剤を添加し、硬化性を向上することが好ましい。また、必要であればさらに光増感剤を添加して、硬化性を向上することもできる。一方、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を用いなくても速やかに硬化するので、特に光重合開始剤や光増感剤を添加する必要はない。印刷分野においては紫外線および電子線が多く用いられており、特に紫外線が広範に利用される。紫外線を放射する紫外線ランプ光源は印刷機内部に設置されており、印刷用紙上に印刷されたインキはランプ直下を通過し、紫外線エネルギーを照射されることによって瞬間的に硬化される。本発明は光重合開始剤や光増感剤の有無に関わらず利用することができる。
しかしながら、活性エネルギー線硬化型オフセットインキは、油性オフセットインキに代表される酸化重合型インキと比較して乳化適性、レオロジー特性等が大きく異なることから、安定した濃度での連続印刷が困難であり、印刷開始時や印刷途中での損紙の発生による生産性の低下といった問題を抱えるなど、オフセット印刷適性が一般的に劣るとされている。
エネルギー線硬化型オフセットインキでは、バインダー成分としてアクリレート基等の重合性基を有するオリゴマー類であるエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等、もしくは非重合性樹脂であるジアリルフタレート樹脂やポリエステル樹脂等を用いるが、これら材料の分子量は数百から数万程度に留まり、油性オフセットインキで広範に用いられるロジンフェノール樹脂(分子量数十万)と比較して小さく、また既存のオフセット印刷インキ用途の顔料は油性オフセットインキとの相性を重視した表面処理が成されている場合が多いといった理由等により、一般にインキ粘弾性や流動性といったレオロジー特性が大きく異なり劣っている。また活性エネルギー線硬化型オフセットインキはアクリレート基等の親水性の高い重合性基を多く含有している影響からインキの耐水性が低く、版面上に水を連続供給するオフセット印刷において水負けや過剰乳化と呼ばれるトラブルが発生しやすく、上述の生産性低下の問題を抱えていた。
例えば、上述の油性オフセットインキを対象とした、非水溶性界面活性剤等の安定剤を用いる提案がされている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかし該技術は、版面上に水を連続供給するオフセット印刷向けの水有りオフセットインキとして、活性エネルギー線硬化型オフセットインキの印刷適性改善を網羅するものではなく、本願発明の予め水の添加及びこれの事前の分散により印刷安定性を発現するに十分であるとは言えない。
特表2010−506969 特表2010−509052
本発明の課題は、版面上に水を連続供給するオフセット印刷における乳化インキの安定性による優れた印刷適性を有する活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を提供することにある。
本発明者らは、顔料、及びバインダーを含有する非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物に、更に適量の水を添加しこれを予め分散することで、上記課題を達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、顔料、及びバインダーを含有する非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物と水とを含有する水有りオフセットインキであって、前記水の含有量が全インキ中の1〜13重量%であり、且つ、前記水有りオフセットインキが乳化されていることを特徴とする水有りオフセットインキを提供する。
本発明の水有りオフセットインキにより、従来の印刷安定性に優れず生産性に劣るインキ組成に対し、安定した印刷適性による高い生産性を保持する水有りオフセットインキを得ることができる。
本発明の水有りオフセットインキの乳化前後におけるインキ粘度(トルク)測定評価に用いるダクテット試験機(川村理研製)の構造を示す図である。
本発明の水有りオフセットインキは、顔料、及びバインダーを含有する非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物に、更に適量の水を添加しこれを予め分散することで、目的とする本発明の効果を奏するものである。
本発明で述べる非水溶性の活性エネルギー線硬化型組成物とは、水に溶解もしくは相溶する成分を本質的に含んでいない組成物を示している。実質的には組成物に用いる原料中には水溶性の不純物や副生成物等が微量混在してしまう場合があるが、組成物の総量に対して、25℃の蒸留水に溶解する成分の総量がおよそ1重量%未満であれば、本発明の効果に影響を及ぼすものでは無い。本発明ではこの非水溶性の活性エネルギー線硬化型組成物に、適量の水を予め添加し分散することで、組成物中に均一に分散された水分がウォーター・イン・オイルの乳化状態(エマルジョン)を形成することが特徴であり、このような乳化状態に調整したインキを、版面上に水を連続給水するオフセット印刷に利用する水有りオフセットインキの発明である。
本発明の水有りオフセットインキで使用する非水溶性のバインダーとしては、1分子中に少なくとも1つ以上の重合性基を有するエポキシアクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物、ポリエステルアクリレート化合物等に加え、重合性基を有さない例えばジアリルフタレート樹脂等を、単独で使用しても、いずれか1種以上を組合せて使用してもよい。これらのバインダー成分は、油性インキで広範に使用されるロジンフェノール樹脂と比較して耐水性が低い傾向があり、本願発明の活性エネルギー線硬化型組成物に、更に適量の水を添加しこれを予め分散することにより、版面上に水を連続供給するオフセット印刷時の印刷安定性を向上させることが可能である。特に上述のバインダーのうち、重合性基を有するアクリレート化合物類は、高極性のアクリレート基の影響で特に耐水性が低いことから、特に好ましく本発明の恩恵を受けることができる。
上述のバインダー成分のうち、エポキシアクリレートとは、ポリエポキシドとアクリル酸またはその無水物を反応させて得られるアクリレートである。ポリエポキシドとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等や、ビスフェノール型エポキシ樹脂の芳香環を水素添加したものが挙げられる。エポキシアクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシアクリレートが好ましい。
前記ポリエポキシドとしては、1分子中に好ましくは平均2〜5個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましい。前記エポキシ樹脂のなかでもビスフェノール型エポキシ樹脂が硬度と伸度のバランスの優れた硬化塗膜を形成できるため好ましい。また、ポリエポキシドは単独で使用できる他、2種以上を併用することもできる。ポリエポキシドと、アクリル酸との反応は、通常、50℃〜150℃の範囲の温度で、1〜8時間程度、行なわれる。反応の際、好ましくは、触媒が用いられる。触媒としては、具体例としては、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩、又は第四級ホスホニウム塩、そのほか、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類や、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等を挙げることができる。
上述のバインダー成分のうち、ウレタンアクリレートとは、分子内にウレタン結合を持つアクリレートである。例えば、水酸基含有アクリレート、ポリイソシアネート、およびポリオールを反応させて得ることができる。尚、目的に応じて、ポリオールを原料に用いず、水酸基含有アクリレートとポリイソシアネートとからなるウレタンアクリレートを使用することも可能である。
水酸基含有アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシアルキルアクリレート、およびそのエーテル伸長物、ラクトン伸長物等が使用でき、さらには、各種のポリオールについて、その水酸基の一部がアクリレートとなった構造のもの、その他にグリシジルアクリレートの各種カルボン酸エステル等も使用できる。具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルアクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノアクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノアクリレート、ポリ( エチレングリコール・プロピレングリコール) モノアクリレート、ポリ( プロピレングリコール・テトラメチレングリコール) モノアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロラクトン伸長物の他に、グリセロールモノアクリレート、グリセロールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)ジアクリレート等や、グリシジルアクリレートの酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸、脂肪酸等の酸付加物等も使用できる。
ウレタンアクリレートに使用するポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、環状脂肪族ポリイソシアネート、イソシアヌレート構造をもつポリイソシアネート等が使用できる。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジオールジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の他に、イソシアヌレート骨格を形成する1,6−ヘキサンジオールジイソシアネートの3量体、イソホロンジイソシアネートの3量体等が挙げられる。
ウレタンアクリレートに使用するポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール等が使用でき、場合によってはポリシロキサンやフルオロオレフィン共重合物等により変性したもの等も使用できる。
上述のバインダー成分のうち、ポリエステルアクリレートとは、1分子中に少なくとも2個のアクリロイル基を有する飽和または不飽和ポリエステルアクリレートである。例えば、多塩基酸またはその無水物、ポリオール、アクリル酸またはその無水物をエステル化して得られる。尚、目的に応じて、多塩基酸またはその無水物を用いず、ポリオールとアクリル酸またはその無水物とからなるポリエステルアクリレートを使用することも可能である。この他に、常法により合成されたポリエステルのカルボキシル基と、エポキシ基を有するアクリレートを反応させて得られるポリエステルアクリレートも使用可能である。
多塩基酸としては、例えば、芳香族多塩基酸、鎖状脂肪族多塩基酸、環状脂肪族多塩基酸等が使用できる。ポリオールとしては、例えば、アルキレンポリオール等が使用できる。
上記ポリエステルの原料となるグリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ジメチロールシクロヘキサン、水素化ビスフェノールA、2,4,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等に代表されるアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等に代表されるポリアルキレングリコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロムビスフェノールA等に代表される2価フェノールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドに代表されるアルキレンオキサイドとの付加反応生成物などがある。トリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオールなどがある。テトラオール単位としてはペンタエリスリトール、ジグリセロール、1,2,3,4−ブタンテトラオールなどがある。また、グリコール類と酸成分の一部として水酸基又はカルボキシル基を有するポリエチレンテレフタレート等の重縮合物も使用できる。
二塩基酸(無水物)としては、o−フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラクロルフタル酸、テトラブロモフタル酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,1,2−ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハイミッタ酸、ヘット酸などがあり、3塩基酸単位としては、トリメリット酸、アコニット酸、ブタントリカルボン酸、6−カルボキシ−3−メチル−1,2,3,6−ヘキサヒドロフタル酸などがあり、4塩基酸単位としてはピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などがある。α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸及びこれらのエステル等が挙げられる。芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、脂肪族或いは脂環族飽和二塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、それぞれ単独或いは併用して使用される。
モノエポキシ化合物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、スチレンオキサイド、フェニルダリシジルエーテルなどが挙げられる。また、ポリエポキシ化合物としては、いわゆるジエポキシ化合物を好適に使用することができ、例えば日刊工業新聞社発行プラスチック材料講座1「エポキシ樹脂」(昭和11年5月10日発行、縞本邦之編著)第19頁〜第48頁に記載されたエポキシ樹脂を挙げることができる。
上述のバインダー成分のうち、ジアリルフタレート樹脂とは、ジアリルフタレートモノマーやジアリルイソフタレートモノマーから合成されるプレポリマーを指し、オルトフタルおよびイソフタルのモノマー種別や分子量によって幾つかの市販製品があり本発明に利用できる。具体例としてダイソー社より販売されているダイソーダップA、ダイソーダップS、ダイソーダップK、ダイソーイソダップを挙げることが出来る。このうちインキ硬化後の皮膜強度、後述するアクリレートモノマーとの相溶性等を勘案すると、上述の市販製品の中ではダイソーダップAが最も好ましい。
上述のバインダー成分のインキ組成物中の含有率は、インキ全量に対し10〜65重量%の範囲にあることが好ましい。10重量%未満であると十分な皮膜硬化性やオフセット印刷適性が得られず、また65重量%を超える添加量では、一般にこれら重合性基を有するバインダーは高粘度である為に本発明の実施例で述べる組成においてオフセットインキとして好適な粘度を得ることが困難となる。
本発明の水有りオフセットインキには、前記したバインダー成分に加え、その他の非水溶性の重合性アクリレートモノマーを添加してもよい。
例えば2官能モノマーとしてネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等が例示される。
3官能モノマーとしてグリセリントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が例示される。
4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールエタンテトラアクリレート、ジトリメチロールブタンテトラアクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラアクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が例示される。これらは単独でも、複数組合せて用いてもよい。
これら重合性アクリレートモノマーのインキ組成物中の含有率は、インキ全量に対し20〜60重量%の範囲にあることが好ましい。20重量%未満であると十分な皮膜硬化
性が得られず、また60重量%を超える添加量では相対的に前記バインダー成分量を減らす必要が生じ、良好なオフセット印刷適性を得ることが困難となる。
本発明の水有りオフセットインキを硬化させる活性エネルギー線が紫外線である場合には光重合開始剤や光増感剤を用いることが好ましく、一般的な光重合開始剤および光増感剤を広く利用することができる。
前記光重合開始剤としては、分子内開裂型光重合開始剤及び水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられる。分子内開裂型光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
一方、水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ−ケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、前記光増感剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン類、o−トリルチオ尿素等の尿素類、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが挙げられる。これらの光増感剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
これらの光重合開始剤及び光増感剤の使用量は、インキ全量に対し、各々0.05〜20重量%が好ましく、3〜15重量%がより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキを硬化させる活性エネルギー線としては、上記の通り、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線であるが、具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、又は走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。
更に、本発明の水有りオフセットインキでは、必要に応じて重合禁止剤を添加する事ができる。例えば、インキの保存安定性を付与する添加剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウム−N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等の重合禁止剤が例示される。その他、要求性能に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の水有りオフセットインキで使用する顔料としては、公知公用の着色用有機顔料を挙げることができ、例えば「有機顔料ハンドブック(著者:橋本勲、発行所:カラーオフィス、2006年初版)」に掲載される印刷インキ用有機顔料等が挙げられ、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン顔料、金属錯体顔料、ジケトピロロピロール顔料、カーボンブラック顔料、その他多環式顔料等が使用可能である。
本発明の水有りオフセットインキには、体質顔料として無機微粒子を用いてもよい。無機微粒子としては、酸化チタン、クラファイト、亜鉛華等の無機着色顔料;炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(ChinaClay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等の無機体質顔料; 等の無機顔料や、シリコーン、ガラスビーズなどがあげられる。これら無機微粒子は、インキ中に0.1〜20重量%の範囲で使用することにより、インキの流動性調整、ミスチング防止、紙等の印刷基材への浸透防止といった効果を得ることが可能である。
また、本発明の水有りオフセットインキには、可塑剤および耐摩擦剤としてのパラフィンワックス、カルナバワックス、みつろう、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、アマイドワックスなどのワックスコンパウンド、ヤシ油脂肪酸や大豆油脂肪酸などのC8〜C18程度の範囲にある脂肪酸等を本発明の目的を妨げない範囲において配合して使用することができる。
本発明の水有りオフセットインキは、版面上に水を連続供給するオフセット印刷機を用いて好適に使用することが出来る。水を連続供給するオフセット印刷機は多数の印刷機メーカーによって製造販売されており、一例としてハイデルベルグ社、小森コーポレーション社、三菱重工印刷紙工機械社、マンローランド社、リョービ社、KBA社等を挙げることができ、またシート形態の印刷用紙を用いる枚葉オフセット印刷機、リール形態の印刷用紙を用いるオフセット輪転印刷機、いずれの用紙供給方式においても本発明を好適に利用することが可能である。更に具体的には、ハイデルベルグ社製スピードマスターシリーズ、小森コーポレーション社製リスロンシリーズ、三菱重工印刷紙工機械社製ダイヤモンドシリーズ等のオフセット印刷機を挙げることができ、本発明を好適に利用することができる。
また、本発明の顔料、及びバインダーを含有してなる活性エネルギー線硬化型組成物に、更に水を全インキ中の1〜13重量%添加し分散した水有りオフセットインキを得る。添加する水量が1重量%未満であると印刷安定性を確保するに十分でなく、また添加する水量が13重量%超であると、水がインキ成分から分離し不安定となる。
本発明の水有りオフセットインキで使用する水は、水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等を用いることができ、また本発明の効果を損なわない範囲で、増粘剤、分散剤、潤滑剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などを適宜含有することができる。
既存の水を含まない一般的な活性エネルギー線硬化型オフセットインキの場合、乳化試験において、水を添加した瞬間に粘度が大きく低下する。これは全く水が存在しない非水溶系のインキに水を加えた場合、水の取り込みに時間がかかり、スリップ状態が発生していると推察される。実機印刷においても、版面上に供給されるインキと水の親和に時間がかかり、濃度立ち上がりや安定性が劣ると推察される。水を予めインキ中に均一分散させエマルジョンの状態を形成しておくことで、インキ中の水分が「呼び水」となり、スムーズな水の取り込みを可能にし、乳化時のスリップ発生が抑制されると考えられる。実機印刷においてもインキと水の親和が速やかに行われ、結果として濃度立ち上がりや安定性が改善されると推察する。
また、本発明の顔料、及びバインダーを含有する非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物と水とを含有する水有りオフセットインキは、n−ヘプタンと分散もしくは相溶しない組成であることを特徴とする。n−ヘプタンに分散もしくは相溶しないオフセットインキが本発明において好適なオフセット印刷適性を得られる点において好ましい。n−ヘプタンに分散もしくは相溶する程度に疎水性が高いオフセットインキの場合、水添加時にインキ粘度が増大してしまう傾向があり、オフセット印刷適性は水未添加の状態と比較して逆に悪化してしまう。
より具体的には、非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物を金属板上に厚さ60マイクロメートルで塗布し、塗面が25℃において蒸留水3マイクロリットルを滴下させ、滴下10秒後の塗膜上の蒸留水液滴の接触角が40〜75°の範囲にあることが好ましい。接触角が40°を大きく下回る組成物は、親水性が強過ぎ、すなわち耐水性が低過ぎる為に良好なオフセット印刷適性を得ることが出来ない。一方75°を大きく超える組成物は上述のn−ヘプタンに分散もしくは相溶する傾向があり、水添加時にインキ粘度が増大しオフセット印刷適性の低下をもたらすことから好ましくない。
本発明の印刷物で使用する印刷基材としては、特に限定は無く、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウムフォイル、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。
本発明で述べる水ありオフセット印刷インキの製造は、まず従来の活性エネルギー線硬化型インキと同様に、前記顔料、光重合開始剤(活性エネルギー線が紫外線の場合)、バインダー、重合性アクリレートモノマー、増感剤、重合禁止剤、ワックスその他添加剤等を配合した後に、三本ロールミル、ビーズミル等の分散機で非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物を製造する。その後に、更に適量の水を加えミキサー等で分散撹拌する。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。以下において、「部」および「%」は、特に断りの無い限り、すべて重量基準であるものとする。
〔非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物 製造例1〜3の製造方法〕
表1〜3に製造例1〜3の非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物の配合を示す。製造例1〜3は全ての原料が配合された状態でミキサー(単軸ディゾルバー)を用いて撹拌され、その後3本ロールミルを用いて練肉されることで製造された。
〔水接触角の測定方法〕
製造例1〜3の非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物を金属アプリケーターを用いて、金属板上に60マイクロメートルの厚さで均一に塗布した。次に協和界面科学社製全自動接触角測定装置CA−Wを用いて接触角測定を実施した。室温25℃雰囲気下において、製造例1〜3の塗膜上に、蒸留水3マイクロリットルを自動滴下させ、滴下10秒後の塗膜上の蒸留水液滴の接触角を自動測定した。測定は5回繰返して実施し、平均値を記載した。
〔水有りオフセットインキの製造方法〕
前記製造例1〜3で製造した非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物各々について、表4に示す割合で蒸留水を添加し、ミキサー(単軸ディゾルバー)で均一になるまで分散することで実施例1〜5および比較例1〜5の水有りオフセットインキを製造した。
〔水有りオフセットインキの評価方法1:乳化インキの安定性〕
製造された実施例1〜5および比較例1〜5のインキを、40℃オーブン中にて10日間保管し、乳化インキ中の水分の凝集や分離が発生するかを目視で確認した。
○:水の分離が無く安定している。
×:水が分離し不安定である。
〔水有りオフセットインキの評価方法2:n−ヘプタンへの分散性〕
製造された製造例1〜3および実施例1〜5および比較例1〜5のインキについて、インキ30グラムをガラス瓶底面に秤量し、更にnーヘプタン(日東化成社製)30グラムを加え、蓋をして密閉した状態で、水槽を備え水道水を満たした超音波洗浄装置に沈め、30秒間超音波洗浄を実施した。全てのインキには色材成分として藍色顔料であるフタロシアニンブルーが配合されていることから、n−ヘプタン層の着色の度合いを目視確認することで、n−ヘプタンへのインキの分散性を判定した。
○:n−ヘプタンが着色せず、インキ成分が分散しない。
×:n−ヘプタンが着色し、インキ成分が分散する。
乳化前後におけるインキ粘度(トルク)測定については、ダクテット試験機(川村理研製)を用いて評価した。本試験装置は特開2003−312161、特開平11−5376において用いられた試験機と同一の測定装置である。
ダクテット試験機の断面図を図1に示す。外筒3は内部がくりぬかれた、底面を有する円筒状の金属であり、内部に評価インキ7を投入できる構造となっている。評価インキ7(5グラム)投入後に円柱棒状の金属である内筒2を図1に示す通り、外筒3の底面から1ミリメートルの距離、側面から0.6ミリメートルの距離に近接する位置まで差し込み固定した。その後内筒を2000rpmで時計回りに、外筒も60rpmで時計回りに回転させ、速度差をつけることで評価インキ7にシェアーがかかり撹拌される。ダクテット試験機は、外筒3は外筒用駆動モーター5によって回転し、内筒2は内筒用駆動モーター1によって回転する構造を有し、また外筒3内部の評価インキ7の温度が一定となるよう、恒温水槽4を備え水道水6の温度は常に30℃に保たれている。
またダクテット試験機では撹拌時にインキ7より内筒2に加わる負荷(トルク)を測定することができ、トルクの数値はすなわちインキ7の動的な粘度の指標として用いることができる。このトルク値(粘度)が安定した撹拌後3分後の数値を、乳化前トルクT0[mN・m]として記録した。この後続けて、撹拌を続けたまま蒸留水0.15グラムをピペットを用いて外筒3内部のインキに直上より添加した。添加蒸留水0.15グラムはインキ5グラムの3重量%に相当する。蒸留水添加後、トルク(粘度)の数値が安定した1分後の数値を3%乳化トルクT1[mN・m]として記録した。
この添加蒸留水に対するインキの動的粘度挙動は、実際のオフセット印刷機を用いた印刷適性の評価結果と相関しており、蒸留水添加前後におけるトルクの変動値T1−T0[mN・m]の数値増減が少なくゼロに近いインキほど、版面に水を連続供給するオフセット印刷機における粘度挙動が安定しており、優れたオフセット印刷適性を示している。
〔インキのオフセット印刷方法〕
製造された実施例1〜5および比較例1〜5の藍インキについて、オフセット印刷適性を評価した。紫外線照射装置としてアイグラフィックス社製水冷メタルハライドランプ(出力160W/cm、3灯使用)を搭載したマンローランド社製オフセット印刷機(ローランドR700印刷機、幅40インチ機)を用いて、毎時9000枚の印刷速度にてオフセット印刷を実施した。印刷用紙には王子製紙社製OKトップコートプラス(57.5kg、A判)を使用した。版面に供給される湿し水は、水道水98重量%とエッチ液(FST−700、DIC社製)2重量%を混合した水溶液を用いた。
〔水有りオフセットインキの評価方法:印刷適性〕
オフセットインキ印刷適性の評価方法としては、まず藍インキを標準プロセス藍濃度1.5〜1.7(X−Rite社製SpectroEye濃度計で計測)の範囲におさまるようインキ供給キーを操作し、濃度が安定した時点でインキ供給キーを固定した。その後一旦印刷機を停止し、15分間放置した。その後印刷を再開し、インキ供給キーを固定したままの条件で、印刷物のプロセス藍濃度が再び1.5〜1.7の範囲に戻るのに要した印刷枚数をカウントした。再印刷時は一旦印刷濃度が大幅に低下するが、徐々に濃度が回復し停止前の状態に戻っていく。従って濃度復帰に要した印刷枚数が少ないほどオフセット印刷適性に優れるインキと評価した。インキ評価に公平を期す為に、印刷濃度に影響を及ぼす版面への湿し水供給量を同一とするため、全インキの印刷適性評価において水供給キーを同一とした。
4:印刷適性は良好であり、再印刷後100枚以内に濃度が回復する
3:印刷適性は普通であり、再印刷後100枚超〜300枚以内に濃度が回復する
2:印刷適性は不十分であり、再印刷後300枚超〜1000枚以内に濃度が回復する
1:印刷適性が悪く、再印刷後1000枚超でも濃度が回復しない。
Figure 2015003949



















Figure 2015003949


















Figure 2015003949




















表1〜3中の数値は重量%である。
表1〜3に示す諸原料及び略を以下に示す。また、分子量は、数平均分子量にて示す。
・Q1301:N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、和光純薬社製
・UE−8200T:ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、DIC社製
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、サートマー社製
・SR355NS:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、サートマー社製
・MIRAMER M−300:トリメチロールプロパントリアクリレート、MIWON社製
・HELIOGEN BLUE D7079:フタロシアニンブルー(C.I.ピグメントブルー15:3)、BASF社製
・ハイフィラー #5000PJ:含水ケイ酸マグネシウム、松村産業社製
・炭酸マグネシウムTT:塩基性炭酸マグネシウム、ナイカイ塩業社製
・S−381−N1:ポリオレフィンワックス、シャムロック社製
・EAB―SS:4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、大同化成工業社製
・Irgacure907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノプロパン−1−オン、BASF社製
・ジアリルフタレート樹脂ワニス:ジアリルフタレート樹脂(ダイソーダップA、ダイソー社製)35重量%とDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、サートマー社製)65重量%の混合物、DIC社製
・MIRAMER M−240:エチレンオキサイド平均4モル変性ビスフェノールAジアクリレート、MIWON社製
・SPEEDCURE DETX:2,4−ジエチルチオキサントン、ランブソン社製
・脂肪酸変性ポリエステル樹脂:ペンタエリスリトールおよびイソフタル酸およびヤシ油脂肪酸および水添ロジン酸から合成される変性ポリエステル樹脂36重量%と芳香族系石油樹脂(ネオポリマー140、JX日鉱日石社製)24重量%とネオマーTA−505(プロピレンオキサイド平均3モル変性トリメチロールプロパントリアクリレート、三洋化成社製)40重量%の混合物、DIC社製
・ネオマーTA−505:プロピレンオキサイド平均3モル変性トリメチロールプロパントリアクリレート、三洋化成社製
・KTL−4N:ポリテトラフルオロエチレンワックス、喜多村社製
・Irgacure184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製
Figure 2015003949
比較例1、2、3は水を含まない組成であることから、乳化インキの安定性は評価できなかった。
比較例5は乳化インキの安定性が悪く、水が凝集分離する傾向があり印刷インキとして使用不可能な状態であったことから、n−ヘプタンへの分散性、乳化前トルクT0、乳化後トルク、T1−T0、オフセット印刷適性の項目を評価することが出来きなかった。
(数平均分子量の測定)
尚、本発明におけるGPCによる数平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
実施例に述べる非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物に、更に適量の水を添加しこれを分散することで、本願発明の必要特性である安定したインキの乳化特性が維持でき、版面上に水を連続供給するオフセット印刷時の印刷安定性が良好な結果となった。
比較例の結果においては、非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物であっても、水を添加しない場合、又は過剰に水を加えた場合、インキの乳化特性が維持できず、印刷適性も安定しない結果となった。また、製造例3は蒸留水の接触角が高く疎水性が高過ぎることからn−ヘプタンへ分散し、この製造例3に水を添加し製造した水有りオフセットインキである比較例4は3%乳化トルクT1の数値が増大し、オフセット印刷適性が低下してしまうことを確認した。
本発明の水有りオフセットインキおよびそれを用いて、版面上に水を連続供給するオフセット印刷機で印刷された印刷物は、食品・飲料・サニタリー・コスメ・おもちゃ・機器・医薬品等の紙器パッケージ用途や、書籍・チラシ・ポスター・カタログ・カード・ダイレクトメール・パンフレット・CDジャケット・シールラベル等の商業印刷用途に幅広く展開され得る。
1 内筒用駆動モーター
2 内筒
3 外筒
4 恒温水槽
5 外筒用駆動モーター
6 水道水
7 評価インキ

Claims (5)

  1. 顔料、及びバインダーを含有する非水溶性活性エネルギー線硬化型組成物と水とを含有する水有りオフセットインキであって、前記水の含有量が全インキ中の1〜13重量%であり、且つ、前記水有りオフセットインキが乳化されていることを特徴とする水有りオフセットインキ。
  2. 前記水有りオフセットインキがn−ヘプタンと分散もしくは相溶しない組成である請求項1に記載の水有りオフセットインキ。
  3. 前記組成物を金属板上に厚さ60マイクロメートルに塗布し、塗面が25℃において蒸留水3マイクロリットルを滴下させ、滴下10秒後の塗膜上の蒸留水液滴の接触角が40〜75°の範囲である請求項1又は2に記載の水有りオフセットインキ。
  4. 更に前記バインダーが、重合性基を有するエポキシアクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物、ポリエステルアクリレート化合物、ジアリルフタレート樹脂からなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜3の何れか1つに記載の水有りオフセットインキ。
  5. 請求項1〜4の何れか1つに記載の水有りオフセットインキを用いて、版面上に水を連続供給するオフセット印刷機を用いて印刷された印刷物。
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