JP7318520B2 - 活性エネルギー線硬化型平版印刷インキおよびその印刷物 - Google Patents
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Description
特許文献1、2では、ロジン変性樹脂として、共役系ロジン酸にα,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物、有機一塩基酸、ポリオール、を付加することで印刷適性と硬化性を改善させているが、ロジン変性樹脂単体では親水性が高くなることから湿し水との親和性が高く、印刷時の汚れや、粘弾性が低下することによるミスチングの原因になってしまう為、地汚れ耐性とミスチング適性の改善が課題であった。
前記樹脂が、ロジン変性樹脂(A)、および、ジアリルフタレート樹脂を含み、
前記ロジン変性樹脂(A)の含有量が、樹脂全量中の50~80質量%であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
前記構造単位(a12)と前記構造単位(a3)との重量比が、100:10~100:350の範囲である、上記の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
<ロジン変性樹脂(A)>
本明細書において、「ロジン変性樹脂(A)」は、ロジン酸類と少なくともポリオール(A5)を含む成分との重合体である。
活性エネルギー線硬化型平版印刷インキのバインダー樹脂として上記ロジン変性樹脂(A)を使用する場合、ロジン酸類に含まれる共役二重結合が硬化阻害の原因となる。そのため、ロジン変性樹脂(A)は、樹脂中の共役二重結合を低減又は消失させるために、ロジン酸類にα,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(A2)が付加した化合物を、さらにエステル化して得られる樹脂であってよい。
上記重量比(a12):(a3)は、100:10~100:350であることが好ましく、100:10~100:300であることがより好ましく、100:10~100:250であることがさらに好ましい。ロジン変性樹脂(A)において、上記重量比(a12):(a3)比が上記範囲内である場合、印刷被膜に光沢性を発現させることが容易となる。また、公的な分子量分布を有する樹脂を得ることが容易であり、そのことによって活性エネルギー線硬化型化合物(B)に対する溶解性、及びインキの耐ミスチング性が向上しやすい。
部分構造を有してよい。中でも、下記式(IV)~(VI)で表される部分構造は、樹脂
の末端構造の具体例である。但し、ロジン変性樹脂(A)の部分構造はこれらに限定されない。
、及び(IV)に含まれる構造単位(a4)の代わりに、α,β―不飽和カルボン酸又は
その酸無水物(A2)に由来する構造単位(a2)が含まれてもよい。また、成分(A1)に成分(A2)を付加させて反応(後述するディールスアルダー付加反応)の後、成分(A1)が残留する場合、構造単位(a3)の一部が、成分(A1)に由来する構造単位(a1)となってもよい。
<(A1)共役系ロジン酸>
ロジン変性樹脂(A)を構成する構造単位(a12)を有する化合物は、共役系ロジン酸(A1)と、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(A2)とのディールスアルダー反応によって形成される。
上記共役系ロジン酸(A1)は、共役二重結合を有するロジン酸類である。本明細書において「ロジン酸類」とは、環式ジテルペン骨格を有する有機一塩基酸及びその誘導体を意味する。ロジン酸類は、例えば、ロジン酸、不均化ロジン酸、水添ロジン酸、及びこれら化合物のアルカリ金属塩であってよい。また、「共役二重結合」とは、複数の二重結合が単結合を挟んで交互に連なっている結合を意味する。但し、芳香族化合物に含まれるπ電子共役系の共役二重結合は含まない。すなわち、本明細書で記載する「共役系ロジン酸(A1)」は、共役二重結合を持たない水添ロジン酸等を除いた、上記ロジン酸類を意味する。
ロジン変性樹脂(A)を構成する構造単位(a12)を有する化合物を得るために使用可能なα、β-不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物(A2)の具体例として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、桂皮酸、2,4-ヘキサジエノン酸等、及びこれらの酸無水物が挙げられる。共役系ロジン酸(A1)との反応性の観点から、マレイン酸またはその酸無水物が好ましい。なお、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(A2)は、ロジン変性樹脂(A)の製造時の配合量に応じて、化合物に由来する構造単位(a2)を構成してもよい。
ロジン変性樹脂(A)を構成する構造単位(a3)を得るために使用可能な有機一塩基酸(A3)は、共役二重結合を持たない有機一塩基酸であればよく、公知の材料を任意に用いることができる。具体例として、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、及びベヘン酸等の飽和脂肪酸、
クロトン酸、リンデル酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、ガドレイン酸、ゴンドレン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リノエライジン酸、リノレン酸、及びアラキドン酸等の不飽和脂肪酸、
安息香酸、メチル安息香酸、ターシャリーブチル安息香酸、ナフトエ酸、オルトベンゾイル安息香酸等の芳香族一塩基酸、
共役リノール酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸、カレンジン酸等の共役二重結合を有するが環式ジテルペン骨格を有さない化合物
が例示される。
また、ピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸、及びデヒドロアビエチン酸等の共役二重結合を持たないロジン酸類も、有機一塩基酸(A3)として用いることができる。本発明に使用する有機一塩基酸(A3)としては、これらの共役二重結合を持たないロジン酸類のみでも構わない。
上記ロジン変性樹脂(A)は、必要に応じて、多塩基酸又はその無水物(A4)から誘導される構造単位(a4)を含むことが好ましい。多塩基酸又はその無水物(A4)としては、芳香族系多塩基酸又はその無水物、脂肪族系多塩基酸又はその無水物を使用でき、脂肪族系多塩基酸又はその無水物としては、直鎖構造、又は分岐構造のいずれであってもよい。また、環状構造を有する、すなわち脂環式多塩基酸又はその無水物であってもよい。
ロジン変性樹脂(A)を構成する構造単位(a4)を得るために使用可能な多塩基酸又は無水物(A4)の具体例を以下に記載する。
脂環式多塩基酸又はその無水物としては、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、ハイミック酸、3-メチルハイミック酸、4-メチルハイミック酸等、及びそれらの無水物が挙げられる。
芳香族系多塩基酸又はその無水物としては、o-フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロリット酸等、及びそれらの無水物が挙げられる。
また、天然油脂の脂肪酸、例えば、桐油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、(脱水)ヒマシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、綿実脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、菜種油脂肪酸などが挙げられる。さらに、これら脂肪酸のダイマー酸、例えば、桐油ダイマー脂肪酸、アマニ油ダイマー脂肪酸などを使用することもできる。
これらは単独または複数種類組み合わせて用いることができる。
例えば、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(A2)として無水マレイン酸等の二塩基酸無水物を使用した場合、過剰量の二塩基酸無水物は、多塩基酸又はその無水物(A4)の一部として反応に関与する。すなわち、このような場合は、上記ロジン変性樹脂(A)における構造単位(a4)の割合は、過剰量の上記成分(A2)に由来する構造単位(a2)を含む量となる。
ロジン変性樹脂(A)を構成する構造単位(a5)を得るために使用可能なポリオール(A5)は、分子内に2以上の水酸基を有する化合物であればよく、特に限定されない。ポリオール(A5)は、共役系ロジン酸(A1)、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(A2)とのディールスアルダー反応によって得られる化合物、有機一塩基酸(A3)、及び多塩基酸又はその無水物(A4)におけるカルボン酸との反応によってエステル結合を形成する。
(直鎖状アルキレン2価アルコール)
1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-デカンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール等。
2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオ-ル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等。
1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS、水添カテコール、水添レゾルシン、水添ハイドロキノン等。
グリセリン、トリメチロ-ルプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6-ヘキサントリオール、3-メチルペンタン-1,3,5-トリオール、ヒドロキシメチルヘキサンジオール、トリメチロールオクタン、ジグリセリン、ジトリメチロ-ルプロパン、ジペンタエリスリト-ル、ソルビトール、イノシトール、トリペンタエリスリトール等の直鎖状、分岐状、及び環状の多価アルコールが挙げられる。
(1)共役系ロジン酸(A1)と、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(A2)との反応、並びに
(2)上記(1)の反応で得た化合物、有機一塩基酸(A3)、及び多塩基酸又はその無水物(A4)を含むカルボン酸含有化合物と、ポリオール(A5)との反応
を経て製造することができる。
上記(1)の反応は、共役系ロジン酸(A1)における共役二重結合(ジエン)と、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(A2)における二重結合(ジエノフィル)とのディールスアルダー付加反応である。また、上記(2)の反応は、(1)の反応で得たディールスアルダー付加反応物、有機一塩基酸(A3)、及び多塩基酸又はその無水物(A4)の各化合物におけるカルボキシル基と、ポリオール(A5)における水酸基との間のエステル化反応である。
ディールスアルダー付加反応は、重合禁止剤の存在下で行なってもよい。使用可能な重合禁止剤の具体例として、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、メチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、t-ブチルカテコール、4-メトキシ-1-ナフトール、及びフェノチアジン等が挙げられる。
例えば、共役系ロジン酸(A1)と、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(A2)と、有機一塩基酸(A3)と、ポリオール(A5)と、さらに必要に応じて使用される多塩基酸又はその無水物(A4)との混合物を用いて、2段階で反応を実施することができる。この場合、最初に、共役系ロジン酸(A1)と、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(A2)とのディールスアルダー付加反応が起こるように反応温度を調整すればよい。より具体的には、最初に、反応温度をディールスアルダー付加反応が進行する温度に制御し、一定時間にわたって維持した後に、エステル化反応が進行する温度まで加熱し反応を実施すればよい。
ジアリルフタレート樹脂は、ジアリルフタレートモノマーを重合してなる樹脂である。ジアリルフタレート樹脂としては、公知のものを用いることができ、具体的には大阪ソーダ社製ダイソーダップシリーズ(ダイソーダップA、ダイソーダップK)等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキは、ロジン変性樹脂(A)と、ジアリルフタレート樹脂とを含有する。
アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物(B)は、(メタ)アクリロイル基を3個以上有することが好ましい。
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(n=2~20)、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート(n=2~20)、アルキレン(炭素数4~12)グリコールジアクリレート、アルキレン(炭素数4~12)グリコールエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジアクリレート、アルキレン(炭素数4~12)グリコールプロピレンオキサイド付加物(2~20モル)ジアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジアクリレート、水素添加ビスフェノールAジアクリレート、水素添加ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジアクリレート等の2官能活性エネルギー線硬化型化合物、
グリセリントリアクリレート、グリセリンエチレンオキサイド付加物(3~30モル)トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物(3~30モル)トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(3~30モル)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(3~30モル)トリアクリレート等の3官能活性エネルギー線硬化型化合物、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラアクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラアクリレート等の4官能活性エネルギー線硬化型化合物、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(5~50モル)ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(5~50モル)ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(6~60モル)ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(6~60モル)ヘキサアクリレート等の多官能活性エネルギー線硬化型化合物、
およびそれらの混合物が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキは体質顔料を含有する。体質顔料としては、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、ベントナイト等が挙げられるが、シリカ、炭酸マグネシウム、およびタルクからなる群から選ばれる少なくとも2種を含有することが好ましい。さらには、シリカ、炭酸マグネシウム、およびタルクの3種を含有することが好ましい。
また、体質顔料としては、それぞれを1~5重量%含有することが好ましい。体質顔料の種類と配合量を上記範囲内に調整した場合、高い乳化粘弾性維持率を有し、また優れたミスチング適性を有する活性エネルギー線硬化型平版印刷インキを得ることが容易である。
無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、群青、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられ、有機顔料としては、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系、β-オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系モノアゾ、アセト酢酸アリリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系等)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系等の多環式顔料および複素環式顔料等の公知公用の各種顔料が挙げられる。
これらの光重合開始剤を一種、または必要に応じて二種以上を併用して良い。
光重合禁止剤を添加する場合、硬化性を阻害しない観点から、その配合量は、インキの全質量を基準として、3質量%以下にすることが好ましく、0.01~1質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
樹脂 10~30質量%
(メタ)アクリレート化合物 30~75質量%
顔料(有機顔料・無機顔料) 0~40質量%
体質顔料 1~15質量%
光重合開始剤 0~15質量%
その他の成分 1~15質量%
が挙げられる。
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに、ガムロジン25部、無水マレイン酸7部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間加熱した。
その後、t-ブチル安息香酸40部、無水コハク酸2部、ネオペンチルグリコール26部と、触媒として、p-トルエンスルホン酸一水和物0.1部を添加し、230℃で14時間脱水縮合し、重量平均分子量(Mw)25,000の樹脂A1を得た。
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに得られた樹脂A1を30部、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート69.8部、t-ブチルヒドロキノン0.2部を混合し、100℃で加熱溶融し樹脂ワニス1を得た。
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに、ガムロジン17.5部、無水マレイン酸5部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間加熱した。
その後、t-ブチル安息香酸41部、無水フタル酸16.5部、ペンタエリスリトール20部と、触媒として、p-トルエンスルホン酸一水和物0.1部を添加し、230℃で14時間脱水縮合し、重量平均分子量(Mw)21,000の樹脂A2を得た。
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに得られた樹脂A2を30部、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート69.8部、t-ブチルヒドロキノン0.2部を混合し、100℃で加熱溶融し樹脂ワニス2を得た。
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに得られた樹脂A2を30部、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート69.8部、t-ブチルヒドロキノン0.2部を混合し、100℃で加熱溶融し樹脂ワニス3を得た。
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコにジアリルフタレート樹脂(大阪ソーダ社製、ダイソーダップA)を35部、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート64.8部、t-ブチルヒドロキノン0.2部を混合し、100℃で加熱溶融し樹脂ワニス4を得た。
得られた樹脂ワニス1を25部、樹脂ワニス4を10部、C.I.Pigment Red 57:1(紅顔料)16部、ビスフェノールAジアクリレート11部、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート14部、シリカ3部、炭酸マグネシウム3部、タルク3部、光開始剤11部、補助剤4部を、40℃の三本ロールミルにて練肉し、インキのタックが6~7になるようにプロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレートで調整し、平版印刷インキ実施例1を得た。
インキのタックは東洋精機社製インコメーターにてロール温度30℃、400rpm、1分後の値を測定した。
実施例1と同様の操作にて、表1に示す配合組成で実施例2~24を得た。
得られた樹脂ワニスA1を17部、樹脂ワニスA4を18部、C.I.Pigment Red 57:1(紅顔料)16部、ビスフェノールAジアクリレート11部、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート14部、シリカ3部、炭酸マグネシウム3部、タルク3部、光開始剤11部、補助剤4部を、40℃の三本ロールミルにて練肉し、インキのタックが6~7になるようにプロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレートで調整し、平版印刷インキ比較例1を得た。
比較例1と同様の操作にて、表2に示す配合組成で比較例2~8を得た。
シリカ:エロジールR972V(日本アエロジル社製)
炭酸マグネシウム:炭酸マグネシウムTT(ナイカイ塩業社製)
タルク:ハイフィラー5000PJ(松村産業社製)
光開始剤:SB-PI769(IGM resins B.V社製)5部、SB-PI718(IGM resins B.V社製)6部
補助剤:KTL-4N(Shamrock Technologies社製)
実施例1~24、比較例1~8の各平版印刷インキについて、リソトロニック乳化試験機(NOVOCONTROL社製)を使用し、インキ25gに対して40℃において回転数1200rpmで、1ml/分の速度で水を添加していき、平版印刷インキに対して25質量%の水を強制的に乳化させた時の撹拌に要するトルクを測定し、乳化前後でのトルク維持率を乳化粘弾性維持率とした。
◎:乳化粘弾性維持率90%以上
〇:乳化粘弾性維持率85%以上、90%未満
△:乳化粘弾性維持率80%以上、85%未満
×:乳化粘弾性維持率80%未満
使用可能なレベルは◎、〇、△である。
実施例1~24、比較例1~8の各平版印刷インキについて、リスロン226(コモリコーポレーション社製枚葉印刷機)を用いて、三菱特菱アート紙斤量90Kg/連(三菱製紙社製)に10,000枚/時で各インキ2万枚の印刷試験を行い、印刷物のベタ着肉状態および地汚れを目視にて確認した。刷り出し時、印刷物の地汚れが発生しなくなるまでの損紙枚数から、地汚れ耐性を評価した。評価基準を以下に示す。
◎:損紙枚数500枚未満
〇:損紙枚数500枚以上、1000枚未満
△:損紙枚数1000枚以上、1500枚未満
×:損紙枚数1500枚以上
使用可能なレベルは◎、〇である。
なお、湿し水はアストロマーク44UV(日研化学研究所社製)1.5%の水道水を用いて行い、水巾の下限付近での印刷状態の比較を行うために、水巾の下限値よりも2%高い水ダイヤル値で印刷を行った。なお「水巾の下限」とは、正常な印刷が可能である、湿し水の最低供給量を意味し、「水ダイヤル」とは、上記湿し水の供給量を調整するために、上記印刷機に備えられたダイヤルを意味する。
上記印刷試験で印刷時に印刷機の安全カバーの内側に白紙を張り付け、10000通し後に白紙を取り出し、インキの飛散の程度を、以下の基準に従い、4段階で評価した。使用可能なレベルは◎、〇である。
◎:白紙の一部分に微量のインキミストが飛散している。
〇:白紙全面に薄くインキミストが飛散している。
△:白紙全面にやや厚くインキミストが飛散している。
×:白紙全面にベッタリとインキミストが飛散している。
Claims (5)
- 樹脂、(メタ)アクリレート化合物、および、体質顔料を含有する活性エネルギー線硬化型平版印刷インキであって、
前記樹脂が、ロジン変性樹脂(A)、および、ジアリルフタレート樹脂を含み、
前記ロジン変性樹脂(A)の含有量が、樹脂全量中の50~80質量%であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。 - 前記(メタ)アクリレート化合物が、(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、且つ、オクタノール/水分配係数(LogP)が2.5以上のアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物(B)を、インキ全量中10質量%以上含むことを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
- 前記体質顔料が、シリカ、炭酸マグネシウム、および、タルクからなる群から選ばれる少なくとも2種を含むことを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
- 前記ロジン変性樹脂(A)が、共役系ロジン酸(A1)にα,β―不飽和カルボン酸又はその酸無水物(A2)が付加した化合物に由来する構造単位(a12)と、前記共役系ロジン酸(A1)を除く有機一塩基酸(A3)に由来する構造単位(a3)と、ポリオール(A5)に由来する構造単位(a5)とを有し、
前記構造単位(a12)と前記構造単位(a3)との重量比が、100:10~100:350の範囲である、請求項1~3いずれか記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。 - 基材上に、請求項1~4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキを用いて形成した印刷層を有する印刷物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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