JP3518054B2 - ディスクブレーキ用制振装置 - Google Patents

ディスクブレーキ用制振装置

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    • F16D2129/00—Type of operation source for auxiliary mechanisms
    • F16D2129/06—Electric or magnetic
    • F16D2129/12—Electrostrictive or magnetostrictive elements, e.g. piezoelectric

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスクブレーキのい
わゆる鳴きを止める為に、鳴きの原因であるディスクロ
ータ（以下単にロータと云う）の振動を能動的な方法で
抑える制振装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】ディスクブレーキの鳴きを能動的手段で
抑制する装置としては、例えば、特開平４−５４３２４
号公報、特開平４−５４３２５公報に示されている様
に、ブレーキパッド（以下単にパッドと云う）の振動を
圧電素子で検出し、この検出信号を基にして、前記パッ
ドの振動を防止して鳴きを抑制するものがある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ディスクブレーキの鳴
きは、主にロータの振動が原因であるが、上記公報に示
される様に、従来の能動的手法による制振装置はパッド
の振動を防止してロータを振動し難くする方式であり、
鳴きの原因となるロータ振動を直接防止するものではな
かったため、鳴きの抑制効率が乏しいという問題があっ
た。
【０００４】本発明は、この問題を解決することを課題
としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明においては、振動検出手段を用いてロータの
振動を検出し、この検出信号を基にロータ振動を打ち消
す信号を制御装置により発生させ、その信号で加振手段
を制御してその加振手段でロータを振動が止まる方向に
加振するようにしたのである。
【０００６】
【作用】鳴きの原因となるロータ振動を、加振手段によ
る加振により打ち消して直接防止するので、鳴きの抑制
効率が間接防止の従来装置に比べて高まる。
【０００７】
【実施例】図１に、本発明の第１実施例を示す。本実施
例は、インナパッド２ａとアウタパッド２ｂを、キャリ
パ６に組付けたピストン５ａと５ｂにより別々に押圧し
てロータ１に摺接させるいわゆるピストン対向型のディ
スクブレーキに本発明を適用した例である。図中３は、
ピストンのリトラクト機能を有するピストンシール、４
はシリンダの入口部を封止するピストンブーツを示す。
【０００８】本実施例では、振動検出手段として圧電素
子７−１を用いており、その素子７−１をピストン５ａ
内に収納した押え具８ａでインナパッド２ａの背面に押
し当て、インナパッド２ａ経由でロータ１の振動を検出
するようにしている。
【０００９】この圧電素子７−１からの振動検出信号は
制御回路９に入力される。制御回路９は、その入力信号
に基づいて制御用の信号を作り、これを加振手段として
用いた圧電素子７−２に印加する。そしてこの圧電素子
７−２がアウタパッド２ｂを介してロータ１を加振し、
この力でロータ１の振動を止める構成となっている。
【００１０】制御回路９では、加振用圧電素子７−２か
らロータ１に加える振動が制動によるロータ振動を打ち
消すものとなるようにゲインと位相を調整する。つま
り、振動検出用圧電素子７−１からの出力信号をゼロに
する信号を作ってこれを圧電素子７−２に印加する。
【００１１】なお、図から判るように、ここでは、加振
用圧電素子７−２も、振動検出用圧電素子７−１と同
様、押え具８ｂを用いてアウタパッド２ｂの背面に押し
付けるようにしたが、図２に示すように、圧電素子７−
３をピストン５ａ（又は５ｂ）のパッド加圧面に接着し
て取付け、これで振動検出や加振を行うようにすれば、
押え具８ａ、８ｂは不要になる。
【００１２】また、振動検出手段には、圧電素子とは検
出原理の異なる他の手段、例えば加速度検出器等を用い
てもよい。
【００１３】加振手段も、図の圧電素子に代えて、磁気
や静電気等を利用する加振原理の異なる他の手段を用い
ることができる。
【００１４】さらに、本実施例は、インナ側で振動を検
出し、アウタ側で加振する構造にしたが、これとは逆に
アウタ側で振動を検出し、インナ側で加振を行ってロー
タ１の振動を防止するようにしてもよい。
【００１５】このほか、例示の制振装置は、キャリパ浮
動型のディスクブレーキにも採用できる。このキャリパ
浮動型のディスクブレーキでは、振動検出手段と加振手
段のどちらか一方を実施例で述べたようにしてピストン
でインナパッドに押し当て、ピストンの無いアウタ側で
は、他方の手段をキャリパのアウタ爪で支持するなどし
てアウタパッドに押し当てればよい。
【００１６】このように、ロータの振動検出と加振をパ
ッドを介して行う場合には、ロータの片面側で振動検出
を、他面側で加振を行う。その理由を以下に述べる。
【００１７】本発明の振動検出及び加振対象は、パッド
ではなくロータである。先に挙げた特開平４−５４３２
５号公報のように、振動検出対象と加振対象が同じパッ
ドである場合、検出した振動成分の中にはロータ振動だ
けでなく、加振手段が加振したために発生したパッドの
振動も余分に含まれることになる。従って、この検出信
号をロータ振動として捕らえると余分に加わった振動が
誤差成分となって検出精度が悪くなり、その信号に基づ
く加振がなされるため、ロータ振動の抑制効果が下が
る。
【００１８】これに対し、本発明では、振動検出と加振
が異なるパッドを介して行われるので、前述の余分な振
動成分が除外され、適正な加振が行われる。なお、厳密
に言えば、本発明の構成でも加振していないパッドであ
るとはいえ、パッドを介してロータの振動を検出してい
るので、振動検出手段が検出した信号は“ロータ振動＋
パッド振動”であると言える。しかし、加振していない
パッドであるので、“パッド振動≒０”と考える事がで
き、パッド振動による誤差成分は無視できるほど小さ
い。
【００１９】なお、ここで云うパッド振動とは、ロータ
と一体になって発生する振動ではなく、パッドで独立し
て発生する振動を指している。
【００２０】図３は、本発明の第２実施例である。この
第２実施例は、ロータ１の振動検出と加振を、キャリパ
６の設置点とは別箇所に設けた光センサ１０と電磁石１
１を用いて非接触で行うものを示している。光センサ１
０は、ロータ１の端面に向けて光を投射し、端面からの
反射光を受光部で受けて受光強度の変化でロータ振動を
検出する。この光センサ以外にも、磁気方式、渦電流方
式、静電容量方式などの非接触式距離検出器があり、こ
れ等を用いても非接触での振動検出が行える。
【００２１】電磁石１１は、ロータ１が磁性体であるの
で、磁力による非接触加振が可能である。電磁石は、磁
気吸引力しか発生させ得ないが、ロータの両側に電磁石
を配置するか又は電磁石と対向する側のロータ面を着磁
して磁気吸引力と反発力の双方を生じさせ得る構成にし
ておけば、電磁石の励磁電流の大きさとその電流の流れ
方向を制御回路９で制御してロータ１に制動による振動
を打ち消すための振動を加えることができる。光センサ
１０と電磁石１１は、図には示していないが、マウンテ
ィングブラケット等、周囲に存在する非回転部材を利用
して保持できる。
【００２２】なお、非接触式加振は、静電気等を利用す
る他の原理による加振手段を用いて行ってもよい。
【００２３】また、第１実施例と第２実施例を組合わせ
た構成、例えば振動検出は図３のように非接触で直接行
い、加振は図１のようにパッドを介して行うと云った構
成にしても本発明の効果が発揮される。
【００２４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではパッド
ではなく、鳴きの原因であるロータの振動を抑える装置
構成にしたので、従来の制振装置に勝る鳴き防止効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例をピストン対向型ディスク
ブレーキに組込んだ状態にして示す断面図
【図２】圧電素子設置の他の例を示す斜視図
【図３】（ａ）：他の実施例の使用状態を示す正面図 （ｂ）：同上の側面図
【符号の説明】
１ ディスクロータ ２ａ インナパッド ２ｂ アウタパッド ３ ピストンシール ４ ピストンブーツ ５ａ、５ｂ ピストン ６ キャリパ ７−１、７−２、７−３ 圧電素子 ８ａ、８ｂ 押え具 ９ 制御回路 １０ 光センサ １１ 電磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F16D 49/00 - 71/04 F16F 15/00 - 15/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ディスクロータの一面側で振動を検出す
    る振動検出手段と、ディスクロータの他面を加振する加
    振手段と、前記振動検出手段の出力に基づいて前記加振
    手段を、その手段によるディスクロータ加振がディスク
    ロータの振動を打ち消す方向になるように制御する加振
    制御手段とから成るディスクブレーキ用制振装置。
  2. 【請求項２】 前記振動検出手段によるディスクロータ
    の振動検出を一方のブレーキパッドを介して行い、前記
    加振手段によるディスクロータの加振を、前記振動検出
    手段による振動検出を行ったパッドと反対面のブレーキ
    パッドを介して行う事を特徴とする請求項１記載のディ
    スクブレーキ用制振装置。
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