JP3514351B2 - ツララ防止型高架シェルター - Google Patents

ツララ防止型高架シェルター

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JP3514351B2
JP3514351B2 JP17182996A JP17182996A JP3514351B2 JP 3514351 B2 JP3514351 B2 JP 3514351B2 JP 17182996 A JP17182996 A JP 17182996A JP 17182996 A JP17182996 A JP 17182996A JP 3514351 B2 JP3514351 B2 JP 3514351B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はツララ防止型高架
シェルターに関するもので、更に詳細には、例えば屋根
付き歩道橋等の高架シェルターにツララ防止構造を備え
たツララ防止型高架シェルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車道路や鉄道線路を横断す
るために歩道橋が架設されている。また、歩道橋の通行
人を風雨や日差しから防ぐために歩道橋に屋根部を設け
たシェルター付き歩道橋(高架シェルター)が知られて
いる。この高架シェルターでは、その下方を車道や歩道
が横切るため、屋根からの雨水を下に落とさないように
するために樋が設けられている(実公平4−19053
号公報参照)。このような構造とすることにより、屋根
からの雨水を樋に集めて排水管より排出することがで
き、屋根からの雨水が高架シェルターの下方へ落下する
のを防止することができる。また、屋根に積った雪が融
雪して同様に高架シェルターの下方へ落下するのを防止
することもできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に降
雪地帯や冬季においては、屋根や外壁部に積った雪の融
雪水がシェルターの下方側に流れ、凍結してツララが発
生する場合がある。このツララは次第に大きくなり、何
らかの振動や温度変化等によって下方に落下し、下方を
走行する自動車の走行に支障をきたしたり、通行人に怪
我を与えるなどの問題があった。
【0004】また、この種の高架シェルターは、高架構
造であるため、できるだけ軽量に設計する必要がある反
面、積雪に耐え得るためには堅牢な構造とする必要があ
るという二律背反性の問題もある。
【0005】この発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、積雪の融雪水のシェルター下方への回り込みを防止
すると共に、ツララの発生を防止し、また軽量で堅牢な
屋根構造とするツララ防止型高架シェルターを提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、高架の通路床上を両側壁部
と屋根部とで包囲する密閉型の高架シェルターであっ
て、上記側壁部に設けられる窓の下部に水切り部材を突
設し、上記側壁部の下端部に、すがもれ発生遮断部とツ
ララ防止部を有するツララ防止部材を突設し、上記ツラ
ラ防止部材を、側壁部から下り勾配状に延びる金属製の
すがもれ発生遮断用の突出片と、この突出片の先端に垂
設される可撓性を有するツララ防止用の垂下片とで構成
してなる、ことを特徴とする。
【0007】
【0008】また、上記ツララ防止部材を、側壁部から
下り勾配状に延びるすがもれ発生遮断部と、このすがも
れ発生遮断部の先端から湾曲して下方に延びるツララ防
止部とを具備するものにて形成してもよい。この場合、
ツララ防止部材を例えばアルミニウムやプラスチック製
の硬質の部材にて形成してもよく、あるいは、例えばゴ
ムや軟質のプラスチック製のような可撓性を有する部材
にて形成する方がよい(請求項2)
【0009】また、請求項記載の発明は、請求項1又
は2記載のツララ防止型高架シェルターにおいて、上記
側壁部の目地部に目地カバーを被着し、上記水切り部材
を上記目地カバーを横切ってシェルターの長手方向に連
続して設け、水切り部材が、目地カバーと水切り部材と
の交差近傍に付着する雪や融雪水を受け止めるように形
成してなる、ことを特徴とする。
【0010】上記請求項1又は3記載の発明において、
上記水切り部材をアルミニウム製部材にて形成すると共
に、その内側面に線状発熱手段を配設する方が好まし
い。
【0011】また、請求項記載の発明は、請求項1な
いし3のいずれかに記載のツララ防止型高架シェルター
において、上記屋根部を、アルミニウム製サンドイッチ
パネルにて形成され一枚ものとされた屋根パネルを敷設
した円形屋根とし、上記屋根パネルの頂部を溶接で一体
化し、隣接する屋根パネル同士の間を目地処理してな
る、ことを特徴とする。
【0012】また、請求項記載の発明は、請求項1な
いし3のいずれかに記載のツララ防止型高架シェルター
において、上記屋根部を、アルミニウム製サンドイッチ
パネルにて形成され一枚ものとされた屋根パネルを敷設
した円形屋根とし、上記屋根パネルの先端に、樋を設け
ると共に、この樋の高さよりも高く樋側に傾斜した笠木
部を有する側面パネルを設けた、ことを特徴とする。
【0013】請求項1,2記載の発明によれば、側壁部
に設けられる窓の下部に水切り部材を突設し、側壁部の
下端部に、すがもれ発生遮断部とツララ防止部を有する
ツララ防止部材を突設することにより、屋根部及び窓部
から下方に流れる雨水や融雪水を水切り部材で断ち切っ
て下方への回れ込みを防止することができ、また、ツラ
ラ防止部材によって側壁部からシェルターの下面へ流れ
込む雨水や融雪水によるすがもれの発生を防止すると共
に、ツララの発生を防止することができる。
【0014】請求項記載の発明によれば、側壁部に設
けられる窓の下部に設けられる水切り部材を、側壁部の
目地部に被着される目地カバーを横切ってシェルターの
長手方向に連続して設け、水切り部材が、目地カバーと
水切り部材との交差近傍に付着する雪や融雪水を受け止
めるように形成することにより、屋根部及び窓部から下
方に流れる雨水や融雪水を水切り部材で断ち切って下方
への回れ込みを防止することができる他、目地カバー近
傍のツララの発生を防止することができる。
【0015】請求項記載の発明によれば、上記請求項
1ないし3のいずれかに記載のツララ防止型高架シェル
ターにおいて、屋根部を、アルミニウム製サンドイッチ
パネルにて形成され一枚ものとされた屋根パネルを敷設
した円形屋根とし、シェルターの長手方向に隣接する屋
根パネル同士の間を目地処理することにより、軽量かつ
簡単で堅牢な屋根構造とすることができると共に、屋根
に積った雪の融雪水や雨水等の屋根裏側への侵入を阻止
して下方に流すことができる。
【0016】また、請求項記載の発明によれば、上記
請求項1ないし3のいずれかに記載のツララ防止型高架
シェルターにおいて、屋根部を、アルミニウム製サンド
イッチパネルにて形成され一枚ものとされた屋根パネル
を敷設した円形屋根とし、屋根パネルの先端に、樋を設
けると共に、この樋の高さよりも高く樋側に傾斜した
木部を有する側面パネルを設けることにより、屋根部に
積った雪が雪崩現象によって下方に落下しても側面パネ
ルの笠木部にて受け止めることができ、下方への落下を
防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を添
付図面に基いて詳細に説明する。図1はこの発明のツラ
ラ防止型高架シェルターの一例を示す概略側面図、図2
は図1のA−A線に沿う断面図である。
【0018】上記ツララ防止型高架シェルターは、橋脚
1に架設される通路床2を、この通路床2の両側に立設
される側壁部3と、両側壁部3の上端に架設される屋根
部4並びに屋根部4を架設するための梁部材5と支柱8
とで密閉式に構成されており、側壁部3に設けられた窓
部(例えば嵌殺し窓3a,突出し窓3b)の下部に、水
切り部材50が設けられ、また、側壁部3の下端側には
ツララ防止部材60が取り付けられている。
【0019】上記屋根部4は、支柱8の上端に架設され
るアーチ状の梁部材5に適宜間隔でブラケットを介して
曲面状の屋根パネル10が取り付けられて構成される。
また、図2に示すように、屋根パネル10の先端側に
は、樋20が設けられると共に、この樋20の高さより
も高く樋側に傾斜した笠木部31に連接した側面を有す
る側面パネル30が設けられている。
【0020】この場合、屋根パネル10は、図3(a)
に示すように、一対のアルミニウム製表面板11と、表
面板の四周端部間に介在されるアルミニウム製枠材12
と、両表面板11及び枠材12とで形成される空間内に
配設されるアルミニウム製ハニカムコア材13とをろう
付又は接着で一体化したアルミニウム製サンドイッチパ
ネルにて形成されている。この場合、屋根パネル10
は、当初から一枚の大形の曲面パネルであればそのまま
適用されるが、複数の短尺パネルを例えば2〜4枚を用
いるときには、その接点を溶接又はボルト締結で一体化
して円弧方向に実質的に一枚のパネル体としてから適用
される。
【0021】また、屋根パネル10の室外側の表面板1
1に、樋側への滑雪を促進するためのフッ素樹脂皮膜加
工等を施す方が好ましい。また、室内側の表面板11に
は、結露予防のために断熱性塗料{例えば「トーツシテ
ックス」(商品名:東亜ペイント社製}等を塗布するの
も好適である。なおこの場合、ハニカムコア材13は、
図3(a)に示すように台形波形状帯部材13aを溶
接、ろう付又は接着で一体化したいわゆるハニカム構造
のものの他、図3(b)に示すように、アルミニウム製
帯体並びにろう材をクラッドしたアルミニウム製帯体を
折曲げ加工して製作したアルミニウム製筒状体13bを
多数配列し接着やろう付で一体化した中空構造のコア
材、あるいは短尺管体を接着やろう付で一体化したコア
材であってもよい。なお、ろう付法でこれらのパネル部
材を一体化する場合には、前述の帯部材や帯体に事前に
通気孔を形成したものを適用するのが好適である。好ま
しくは、ハニカムコア材13を多数のアルミニウム製円
筒状体13bをろう付又は接着したものにて形成する方
がよい。その理由は、台形波形状帯状部材を用いて曲面
パネルを成形するには、帯状部材にスリット等の切欠加
工を施す必要があるのに対し、円筒状体13bを用いる
場合にはスリット等の加工を施す必要がなく、円筒状体
13bの高さや形状を例えば截頭円錐状等に変えるのみ
で容易に曲面パネルを成形することができるし、パネル
の大きさの変化への対応が容易であるからである。
【0022】上記のように構成される曲面状の屋根パネ
ル10は、この図示例では、円弧方向に2枚の屋根パネ
ル素体10aを屋根頂部で当接させて溶接Wによって連
結されており、またシェルターの長手方向の隣接部分に
は目地処理が施されている。この目地処理は、例えば図
4に示すように、両屋根パネルの表面板11と枠材12
の一部を挾持固定する固定シール部45による二重シー
ル構造となっている。この場合、固定シール部45は、
隣接する屋根パネル10の隙間を覆うように配設されか
つ両側下面に一次シールのパッキング材41を装着する
目地用ジョイント材40と、一方の屋根パネル10の枠
材12に設けられた垂下片12aに係合する断面横L字
状の補助ブラケット42とをボルト43及びナット44
で締め付けて、隣接する両屋根パネル10と枠材12の
一部を挾持固定する構造となっている。また、ボルト4
3の頭部43aによって固定された受樋25で侵入水を
二次シールするようにする。このように、隣接する屋根
パネル10同士間の目地処理を二重シール構造とするこ
とにより、屋根パネルの目地部から雨水や融雪水が侵入
するのを阻止することができると共に、夏場の膨張と冬
場の収縮に耐えるシール構造とすることができ、シール
性の向上を図ることができる。なお、パッキング材41
の外側にシリコーンシーラントのようなシール材47を
充填することによりシール性を更に向上することができ
る。
【0023】この場合、目地用ジョイント材40はアル
ミニウム製押出形材にて形成されており、両側の下面に
はパッキング材41を嵌合装着する狭隘開口状の嵌合溝
40aが設けられ、また下面の中央部には下方に向かっ
て開口する狭隘開口状のナット収納溝40bが設けられ
ている。そして、ナット収納溝40b内に回転が阻止さ
れる状態で配設されるナット44に補助ブラケット42
を貫通するボルト43を締結することによって、目地用
ジョイント材40と補助ブラケット42とで隣接する両
屋根パネル10の表面板11と枠材12の一部を挾持す
ることができる。なお、補助ブラケット42も目地用ジ
ョイント材40と同様にアルミニウム製押出形材にて形
成されている。また、目地用ジョイント材40の両嵌合
溝40aの内側にはビスポケット40cが設けられてお
り、このビスポケット40cを利用して目地用ジョイン
ト材40の端部に小口板(図示せず)を固定することが
できるようになっている。
【0024】また、隣接する両屋根パネル10の間の補
助ブラケット42の下方側には、例えば塩化ビニール製
の受樋25が配設されており、上記固定シール部45を
侵入する雨水や融雪水を受け止めて屋根先端側の樋20
に流すことができるようになっている。なお、受樋25
の中部部には互いに平行な例えば3条の凸条42aが突
設されており、これら凸条42aのうちの2つが上記ボ
ルト43の頭部43aに係合して、受樋25が左右に移
動するのを阻止している。受樋25は、上述したように
塩化ビニール製の部材にて形成され、かつ屋根部4の曲
率に沿って屈曲しているため、実際には、摩擦抵抗によ
って上下方向には移動しないが、上下方向の移動を確実
に阻止するために、図5に示すように、前述の補助ブラ
ケット42の長手方向の端部に係止片42aを折曲して
おき、この係止片42aに受樋25の端部を係合させる
ようにすればよい。なお、符号46は、所望によって開
口目地部をシールするための目地シール材である。
【0025】上記樋20はアルミニウム製押出形材にて
形成されており、この樋20の例えば長手方向端部側あ
るいは適宜位置には底面には、排水口が設けられ、排水
口には排水管が接続されている。また、樋20の外側に
配設される上記側面パネル30は、樋20の高さよりも
高く樋側に向かって下り勾配状に傾斜した笠木部31
と、この笠木部31の外側に連接する外側に向かって円
弧状に屈曲する側面部32とで構成されている。この側
面パネル30は、上記屋根パネル10と同様にアルミニ
ウム製サンドイッチパネルにて形成されるか、あるい
は、例えば一対のアルミニウム製表面板間にウレタン樹
脂を充填発泡した断熱パネルにて形成されている。この
ように、側面パネル30の笠木部31を樋20の高さよ
りも高く形成すると共に、樋側に向かって下り勾配状に
形成することにより、屋根部4上に積った雪が雪崩現象
によって滑り落ちるのを受け止めることができ、受け止
めた雪及びその融雪水を樋20内に落とすことができ
る。また、外側から樋20を目隠しすることができ、外
観の体裁をすっきりさせることができる。なお、側面パ
ネル30の端部には端部化粧板が取り付けられている。
【0026】一方、上記側壁部3には、図2に示すよう
に、下側に嵌殺し窓3aが取り付けられ、その上方側に
開閉可能な突出し窓3bが取り付けられている。これら
嵌殺し窓3aと突出し窓3bはユニット化されており、
複数のユニット化された嵌殺し窓3aと突出し窓3bの
窓ユニット3cが通路に沿って連接されて側壁部3を形
成している。また、側壁部3はシェルター断面を円形外
観とするため出窓式になっており、側壁部3の室内側す
なわち側壁部3と通路床2との間には腰パネル6と膳板
7が取り付けられている。なお、これらの窓部にはガラ
ス体以外にポリカーボネート板のような透明樹脂板が嵌
め込まれる。また、室外側における側壁部3の下側には
外方に向かって円弧状に屈曲する下側面パネル33が取
り付けられている。この下側面パネル33は、上記側面
パネル30と同様にアルミニウム製サンドイッチパネル
にて形成されるか、あるいは、例えば一対のアルミニウ
ム製表面板間にウレタン樹脂を充填発泡した断熱パネル
にて形成されている。
【0027】上記のように構成される窓ユニット3cと
下側面パネル33との間には、側壁部3を伝わって下方
に流れる融雪水や雨水等のシェルター下方への回り込み
を阻止する水切り部材50が取り付けられている(図2
参照)。この場合、水切り部材50は、図6に示すよう
に、嵌殺し窓3aの取付枠3dに長手方向に適宜間隔に
てリベット51をもって取り付けられる垂直片50a
と、この垂直片50aの下端から下り勾配状に折曲する
傾斜片50bと、傾斜片50bの先端から垂下する垂下
片50cとからなるアルミニウム製押出形材にて形成さ
れている。なお、水切り部材50の垂下片50cの内側
面はシェルターの室内側に配設された横梁52に固定さ
れるアルミニウム製押出形材にて形成される保持部材5
3によって保持されて、変形が防止されている。また、
水切り部材50と嵌殺し窓3aとの間及び水切り部材5
0と下側面パネル33との間には、それぞれシール材5
4が充填されている。
【0028】このように水切り部材50を形成すること
により、窓部から下方に流れる雨水や融雪水を傾斜片5
0bで受け止めて外側の垂下片50cへ流し、垂下片5
0cを伝わって下方に流れる水滴の内方側への回れ込み
を阻止して下方に落下させることができる。
【0029】この場合、図6に想像線で示すように、水
切り部材50の内側例えば垂下片50cの内面に線状ヒ
ーター70(融雪用発熱手段)を配設する方が望まし
い。この線状ヒーター70としては、例えば自己制御型
線状ヒーター{商品名:自己制御ヒーターケーブルSL
T−2 三菱電線工業(株)製}を使用することができ
る。この自己制御型線状ヒーターは、発熱体の温度が上
昇すると、発熱体の抵抗が増加し、自動的にヒーター出
力を減少させ、また、発熱体の温度が低下すると発熱体
の抵抗が減少し、ヒーター出力が増加する自己制御特性
を有している。また、線状ヒーター70は、帯状とした
面状ヒーターとすることもできる。
【0030】このように水切り部材50の内側に線状ヒ
ーター70を配設することにより、垂下片50cに融雪
水が着氷しても融解して、垂下片50cから下方に落下
させることができるので、すがもれの発生及びツララの
発生や発達を防止することができる。なお、線状ヒータ
ー70の外側には断熱材71を設けると共に、水切り部
材50の傾斜片50b及び垂下片50cの裏面には断熱
層(図示せず)を施す方が望ましい。その理由は、線状
ヒーター70の熱的損失を防止することができ、線状ヒ
ーター70の熱を有効に融雪用に寄与させることができ
るからである。
【0031】また、上記側面パネル30、窓ユニット3
c及び下側面パネル33の連接部すなわち目地部には、
板金加工した目地カバー部材80が被着されている。こ
の目地カバー部材80によって側面パネル30、窓ユニ
ット3c及び下側面パネル30の目地部を目隠しするこ
とができる。しかし、この目地カバー部材80を縦方向
に通し状に設けると、シェルターの長手方向において、
上記水切り部材50が切断されて、気象条件によっては
目地カバー部材80近傍に付着する雪や融雪水が凍結し
てツララを発生する虞れがある。そこで、これを防止す
るために、図7に示すように、上記水切り部材50を目
地カバー部材80を横切ってシェルターの長手方向に連
続して設ける方が望ましい。このように水切り部材50
をシェルターの長手方向に沿って連続して設けることに
より、目地カバー部材80の交差近傍に付着する雪や融
雪水を水切り部材50によって受け止めて融解させて落
下させることができるので、融雪水等の凍結によるツラ
ラの発生を防止することができる。
【0032】一方、上記側壁部3の下端部に突設される
ツララ防止部材60は、図8に示すように、下側面パネ
ル33の取付部材61に例えばリベット62によって固
定される取付片60aと、この取付片60aの下端から
外方に向かって下り勾配状に延びるすがもれ発生遮断用
の突出片60bと、この突出片60bの先端から垂下す
るツララ防止用の垂下片60cとからなるアルミニウム
製押出形材にて形成される部材にて形成されている。こ
のように、ツララ防止部材60に、すがもれ発生遮断用
の突出片60bと、ツララ防止用の垂下片60cを設け
ることにより、側壁部3から下方に流れる雨水や融雪水
を突出片60bで受け止めて外側の垂下片60cへ流
し、垂下片60cを伝わって下方に流れる水滴のシェル
ター下面側への回れ込みを阻止して下方に落下させるこ
とができ、上部でツララが発達しても垂下片60cの折
れ曲り部で成長を阻止し、小片の段階で滑落させること
ができる。したがって、すがもれの発生やツララの発生
を防止することができる。
【0033】この場合、図9に示すように、ツララ防止
部材60の垂下片60cの内側面に、上記水切り部材5
0に設けたと同様の融雪用発熱手段例えば自己制御型線
状ヒーター70を配設する方が望ましい。この線状ヒー
ター70の発熱によって垂下片60cに例え着氷しても
融解させることができ、より一層すがもれの発生及びツ
ララの発生を防止することができる。なおこの場合、線
状ヒーター70の放熱による熱的損失を防止するため
に、線状ヒーター70の外側に断熱材71を配設すると
共に、ツララ防止部材60の突出片60b及び垂下片6
0cの内側に例えば厚膜樹脂塗料のような絶縁層72を
施す方が望ましい。
【0034】上記説明では、ツララ防止部材60がアル
ミニウム製押出形材にて形成される部材にて形成される
場合について説明したが、ツララ防止部材60は必ずし
もアルミニウム製部材である必要はなく、線状ヒーター
70を配設しない場合は例えばプラスチック製部材にて
ツララ防止部材60を形成してもよい。また、ツララ防
止部材60の構造は、上記以外に、例えば図10に示す
ように、取付片60aと突出片60bとを有するアルミ
ニウム製又はプラスチック製のツララ防止部材本体60
dの先端に取付用の折曲片60eを設け、この折曲片6
0eにボルト63をもって垂直状に取り付けられる可撓
性を有するゴム製又は軟質プラスチック製の垂下片60
cとで構成してもよい。このように垂下片60cを可撓
性を有するゴム製又は軟質のプラスチック製部材にて形
成することにより、垂下片60cが風等によって振動し
て、垂下片60cに付着する雪や融雪水等の凍結を阻止
して、ツララの発生を更に確実に防止することができ
る。
【0035】また、上記ツララ防止部材60の更に別の
形態として、例えば図11に示すように、ツララ防止部
材60を、側壁部3から下り勾配状(図面では垂直状の
場合を示す)に延びるすがもれ発生遮断部60fと、こ
のすがもれ発生遮断部60fの先端から湾曲して下方及
び側壁部3側に延びるツララ防止部60gとからなる可
撓性を有するゴム製又は軟質プラスチック製部材にて形
成してもよい。このように、ツララ防止部材60を可撓
性を有するゴム製又は軟質プラスチック製部材にて形成
することにより、上述したように風等によって振動して
すがもれの発生を防止すると共に、ツララ防止部材60
に付着する雪や融雪水等の凍結を防止してツララの発生
を防止することができる。なおこの場合、ツララ防止部
材60の両端は、それぞれリベット61によって下側面
パネル33の枠材33a及び側壁部3の下端側に配設さ
れるアングル材64に固定されている。
【0036】また、ツララ防止部材60の更に別の形態
として、図12に示すように、側壁部3から下り勾配状
に延びるすがもれ発生遮断部60fと、このすがもれ発
生遮断部60fの先端から湾曲して下方及び側壁部3側
に延びるツララ防止部60gとからなるアルミニウム製
又はプラスチック製部材にて形成してもよい。なおこの
場合、ツララ防止部材60と下側面パネル33との間及
びツララ防止部材60と側壁部3の下端部との間に、そ
れぞれシール材65が充填されている。
【0037】また、図9で例示したように全てのツララ
防止部材60の態様において、その背面に面状ヒーター
を配設すればより有効となる。
【0038】なお、上記実施形態では、橋脚1に架設さ
れる通路床2を有する高架シェルターについて説明した
が、橋脚1を用いずに建物間に架設される通路床2の上
方を両側壁部3及び屋根部4で包囲する密閉式の高架シ
ェルターや、例えば歩道橋の上り下り用のように通路床
2を階段状にした密閉式の高架シェルターにも適用でき
ることは勿論である。また、高架シェルターとしては、
歩行者用のものに限らず、車両や鉄道等が通過するため
のシェルターとしても適用できるものである。
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明のツラ
ラ防止型高架シェルターは、上記のように構成されてい
るので、以下のような効果が得られる。
【0040】1)請求項1,2記載の発明によれば、屋
根部及び窓部から下方に流れる雨水や融雪水を水切り部
材で断ち切って下方への回れ込みを防止することがで
き、また、ツララ防止部材によって側壁部からシェルタ
ーの下面へ流れ込む雨水や融雪水によるすがもれの発生
を防止すると共に、高架シェルターの下面にツララが発
生するのを防止することができる。
【0041】2)請求項記載の発明によれば、側壁部
に設けられる窓の下部に設けられる水切り部材を、側壁
部の目地部に被着される目地カバーを横切ってシェルタ
ーの長手方向に連続して設け、水切り部材が、目地カバ
ーと水切り部材との交差近傍に付着する雪や融雪水を受
け止めるように形成するので、上記1)に加えて屋根部
及び窓部から下方に流れる雨水や融雪水を水切り部材で
断ち切って下方への回れ込みを防止することができる
他、目地カバー近傍のツララの発生を防止することがで
きる。
【0042】3)請求項記載の発明によれば、上記請
求項1ないし3のいずれかに記載のツララ防止型高架シ
ェルターにおいて、屋根部を、アルミニウム製サンドイ
ッチパネルにて形成され一枚ものとされた屋根パネルを
敷設した円形屋根とし、シェルターの長手方向に隣接す
る屋根パネル同士の間を目地処理するので、上記1)及
び2)に加えて更に簡単な屋根取付構造とすることがで
きると共に、屋根に積った雪の融雪水や雨水等の屋根裏
側への侵入を阻止して下方に流すことができる。
【0043】4)請求項記載の発明によれば、上記請
求項1ないし3のいずれかに記載のツララ防止型高架シ
ェルターにおいて、屋根部を、アルミニウム製サンドイ
ッチパネルにて形成され一枚ものとされた屋根パネルを
敷設した円形屋根とし、屋根パネルの先端に、樋を設け
ると共に、この樋の高さよりも高く樋側に傾斜した笠木
部を有する側面パネルを設けるので、上記1)及び2)
に加えて更に屋根部に積った雪が雪崩現象によって下方
に落下しても側面パネルの笠木部にて受け止めることが
でき、シェルター下方への落下を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のツララ防止型高架シェルターの一例
を示す概略側面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】この発明における屋根パネルの別の形態を示す
一部断面斜視図である。
【図4】屋根の目地部の一例を示す断面図である。
【図5】屋根の目地部の補助ブラケットと受樋との係合
状態を示す斜視図である。
【図6】この発明における水切り部材の取付状態を示す
断面図である。
【図7】この発明のツララ防止型高架シェルターの別の
実施形態を示す概略側面図である。
【図8】この発明におけるツララ防止部材の取付状態の
一例を示す断面図である。
【図9】ツララ防止部材に融雪用発熱手段を配設した状
態を示す拡大断面図である。
【図10】ツララ防止部材の別の取付状態を示す断面図
である。
【図11】ツララ防止部材の更に別の取付状態を示す断
面図である。
【図12】ツララ防止部材の更に別の取付状態を示す断
面図である。
【符号の説明】
2 通路床 4 屋根部 10 屋根パネル 10a 屋根パネル素体 11 表面板 12 枠材 13 ハニカムコア材 20 樋 25 受樋 30 側面パネル 31 笠木部 40 目地用ジョイント材 42 補助ブラケット 45 固定シール部 46 目地シール材 50 水切り部材 60 ツララ防止部材 60b 突出片 60c 垂下片 60f すがもれ発生遮断部 60g ツララ防止部 70 線状ヒーター(融雪用発熱手段) 80 目地用カバー部材 W 溶接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 尚 北海道札幌市北区北七条西1丁目1番2 号 日本軽金属株式会社札幌支店内 (72)発明者 山本 博 大阪府堺市下田町20番1号 日本軽金属 株式会社大阪工場内 (72)発明者 松永 章生 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術セン ター内 (56)参考文献 特開 平7−127347(JP,A) 実開 昭64−5909(JP,U) 実公 平4−19053(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 19/00 E01D 1/00 101 E04D 3/00 E04D 13/00 H05B 3/66

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高架の通路床上を両側壁部と屋根部とで
    包囲する密閉型の高架シェルターであって、 上記側壁部に設けられる窓の下部に水切り部材を突設
    し、 上記側壁部の下端部に、すがもれ発生遮断部とツララ防
    止部を有するツララ防止部材を突設し、 上記ツララ防止部材が、側壁部から下り勾配状に延びる
    金属製のすがもれ発生遮断用の突出片と、この突出片の
    先端に垂設される可撓性を有するツララ防止用の垂下片
    とを具備する、 ことを特徴とするツララ防止型高架シェルター。
  2. 【請求項2】 高架の通路床上を両側壁部と屋根部とで
    包囲する密閉型の高架シェルターであって、 上記側壁部に設けられる窓の下部に水切り部材を突設
    し、 上記側壁部の下端部に、すがもれ発生遮断部とツララ防
    止部を有するツララ防止部材を突設し、 上記ツララ防止部材が、側壁部から下り勾配状に延びる
    すがもれ発生遮断部と、このすがもれ発生遮断部の先端
    から湾曲して下方に延びるツララ防止部とからなる可撓
    性を有する部材にて形成してなる、 ことを特徴とするツララ防止型高架シェルター。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のツララ防止型高架
    シェルターにおいて、 上記側壁部の目地部に目地カバーを被着し、上記水切り部材 を上記目地カバーを横切ってシェルター
    の長手方向に連続して設け、水切り部材が、目地カバー
    と水切り部材との交差近傍に付着する雪や融雪水を受け
    止めるように形成してなる、 ことを特徴とするツララ防止型高架シェルター。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のツ
    ララ防止型高架シェルターにおいて、 上記屋根部を、アルミニウム製サンドイッチパネルにて
    形成され一枚ものとされた屋根パネルを敷設した円形屋
    根とし、 シェルターの長手方向に隣接する屋根パネル同士の間を
    目地処理してなる、 ことを特徴とするツララ防止型高架シェルター。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載のツ
    ララ防止型高架シェルターにおいて、 上記屋根部を、アルミニウム製サンドイッチパネルにて
    形成され一枚ものとされた屋根パネルを敷設した円形屋
    根とし、 上記屋根パネルの先端に、樋を設けると共に、この樋の
    高さよりも高く樋側に傾斜した笠木部を有する側面パネ
    ルを設けた、 ことを特徴とするツララ防止型高架シェルター。
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