JPH07189441A - 雨樋の結氷防止構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、積雪寒冷地域における住宅等の屋
根に設置される雨樋の積雪または結氷を防止することを
目的とする。 【構成】 雨樋内への積雪の侵入を防止するため屋根の
軒先部先端から雨樋の外側の縁にかけて樋カバ−を設置
し、屋根上積雪の融雪水は樋カバ−の下側を流下して雨
樋内に滴下できる構造、または前記構造に加えて雨樋お
よび屋根の軒先先端部またはそのいずれかの部分に断熱
材および発熱体を設けた構造を有する雨樋。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、積雪寒冷地域における
住宅等の屋根に設置される雨樋の積雪または結氷による
損壊の防止構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、積雪寒冷地域における住宅等の
勾配屋根の建物には、軒先に雨樋が設置されていない。
これは冬期において、軒先に発生する積雪の巻き垂れ
や、融雪水が結氷することにより雨樋周縁に垂氷が大き
く生成するため容易に雨樋が損壊する雪氷障害を避けら
れないからである。このため、第４図の従来例に示すよ
うな樋覆板を設けて屋根雪が滑落時に樋内に落ち込むの
を防止する方法や、第５図に示すように、雨樋の底部に
発熱線を延設して外気温度が０℃以下になるような場合
に通電し、雨樋を加熱し、更に長さ方向１ｍ毎に１〜２
ｃｍの間隙を有する樋覆板を設けて放熱を防止すること
により低温時の結氷を防止する方法等が提案されている
が、いずれも限られた気象条件の下では効果が得られる
ものの、過酷な気象条件の場合には機能しないと云う欠
点を有するためほとんど普及していない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の樋覆板を用いる
方法は、日中の最高気温でもマイナスとなるような厳寒
地域においては、屋根面からの融雪水は最も冷える樋覆
板乃至雨樋部分で凍結し、雨樋周縁に巨大な垂氷が生成
されるので雨樋が損壊したり、垂氷の落下による危険が
伴う。また雨樋に発熱線を延設したり、更にその上面を
樋覆板で覆う方法でも、風雪が激しく且つ低温の場合に
は、樋覆板が冷えるので樋覆板上に積雪し、それに屋根
面からの融雪水が含浸して凍結する。このようになると
融雪水は雨樋内に滴下不能となるので雨樋周縁に回り込
んで巨大な垂氷を生成し容易に雨樋を損壊することにな
る。本発明は、雨樋周縁部の結氷に伴うかかる問題点を
解決しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における雨樋の結氷防止手段は、軒先周縁の
結氷障害が、外気が氷点下に冷え込んでいる時に小屋裏
からの貫流熱で積雪が融解し、屋根面に沿って流下した
融雪水が軒先周縁や雨樋内に積もった雪に含浸しながら
結氷することが起因となっていることに着目し、雨樋を
樋カバ−で覆い、屋根面からの融雪水は樋カバ−の下側
を流下させる軒先構造として、外部の風雪の影響を受け
ないような構造とする手段である。

【０００５】

【作用】かかる構造を採用することにより、融雪水が滴
下する軒先の先端部と雨樋内部は、樋カバ−で覆われて
いるので強雪の影響も、強風の影響も受けることが無
く、融雪水は雨樋内にスム−スに滴下し縦樋を経由して
雨水桝に導入させることができる。なお、樋カバ−上に
積雪した雪は、樋カバ−面を急勾配としているため自然
に滑落する。

【０００６】

【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。第１図および第３図は、本発明の一実施例
を示す断面構造図、第２図（Ａ）は斜視図、第２図
（Ｂ）はＡ−Ａ’断面図、第２図（Ｃ）は第２図（Ｂ）
のＢ部分の拡大図および第２図（Ｄ）は第２図（Ａ）の
Ｃ部分の拡大図である。まず、構成を説明すると、第１
図、第２図および第３図に示す１は寒冷地域で良く見ら
れるトタン屋根等金属製の屋根であり、８は当該金属製
の屋根板の合せ目を通常２〜３ｃｍ立ち上がらせ折り曲
げた所謂屋根のハゼ折り部を示す。３は本発明の樋カバ
ーであり屋根幅全域に亘り配設される。２は在来の雪止
め金物で樋カバ−３の固定金物を兼ねており、樋カバー
３の一端を固定するとともに、屋根面への固定は屋根面
より立ち上がっている前記屋根ハゼ折り部８に強固に固
定する。４は雨樋であり、５は雨樋内において融雪水の
再氷結を防止するための雨樋用発熱線である。６は軒先
部において融雪水が再氷結するのを防止するための、か
らくさ用発熱線であり、７は樋内の融雪水が再氷結する
のを防止するための雨樋用断熱材である。第３図に示す
構造は極寒地域に適する構造例であり、第１図に示す構
造を有する工法に加えて凍結防止用の雨樋用発熱線５、
雨樋用断熱材７および軒先部にもからくさ用発熱線６を
併設したものである。なお、樋カバ−固定金物は必ずし
も金属製でなくても良く、樋カバ−３を確実に固定でき
るものであれば樹脂成型品でも良い。

【０００７】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明は上述
のとおり構成されているため、次に記載するような効果
を奏する。本発明により、雨樋の雪氷による損壊は確実
に回避されるので、雨樋を安心して設置することがで
き、軒先から雨雫や融雪水が滴下するという不快感から
解放されると共に、建物の土台回りの腐食も防止するこ
とができるので家屋の耐用年数が長くなる等生活環境の
改善が図られると共に経済的効果も大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す軒先部の縦断面図であ
る。

【図２】（Ａ） 本発明の一実施例の屋根斜視図である。

【図２】（Ｂ） 第２図（Ａ）のＡ−Ａ’断面図である。

【図２】（Ｃ） 第２図（Ｂ）のＢ部分の拡大図である。

【図２】（Ｄ） 第２図（Ａ）のＣ部分の拡大図である。

【図３】本発明の第２の実施例を示す軒先部の縦断面図
である。

【図４】従来の軒先部の縦断面図である。

【図５】従来の軒先部の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 屋根、 ２ 樋カバ−固定金物（雪止金具）、 ３ 樋カバ−、 ４ 雨樋、 ５ 雨樋用発熱線、 ６ からくさ用発熱線、 ７ 雨樋用断熱材、 ８ 屋根ハゼ折り部、 ９ 樋覆板。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 雨樋内への積雪の侵入を防止するため屋
   根の軒先部先端から雨樋の外側の縁にかけて急勾配な面
   で覆う樋カバーを、屋根上の積雪の融雪水が樋カバーの
   下側を流下して雨樋内に滴下できるように屋根の軒先部
   に取り付けたことを特徴とする雨樋の結氷防止構造。
2. 【請求項２】 雨樋および屋根の軒先先端部またはその
   いずれかの部分に断熱材および発熱体を併設したことを
   特徴とする請求項１に記載の雨樋の結氷防止構造。