JP3506794B2 - 加速度センサ及びその製造方法 - Google Patents

加速度センサ及びその製造方法

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JP3506794B2 JP3551495A JP3551495A JP3506794B2 JP 3506794 B2 JP3506794 B2 JP 3506794B2 JP 3551495 A JP3551495 A JP 3551495A JP 3551495 A JP3551495 A JP 3551495A JP 3506794 B2 JP3506794 B2 JP 3506794B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン基板上の薄膜
をエッチングすることによって製造される加速度センサ
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車におけるABS(アンチロックブ
レーキシステム)、エアバッグシステム、サスペンショ
ンシステム等に利用される加速度センサの種類は、従来
より多岐にわたっている。そして、加速度センサの種類
の一つとしては、例えばカンチレバー構造部を備える表
面型の加速度センサが知られている。
【0003】この種の加速度センサの場合、カンチレバ
ー構造部は、シリコン基板上の薄膜をエッチングするこ
とによって形成される。カンチレバー構造部は、おもり
としての役割を果たすマス部と、そのマス部を揺動可能
に支持する片持ち梁とによって構成されている。また、
この片持ち梁の上面には、歪みゲージが形成されてい
る。この加速度センサに加速度が加わると、マス部が所
定方向に揺動し、それに伴って片持ち梁の部分に歪みが
生じる。そして、このような歪みが生じる結果、歪みゲ
ージの抵抗値が変化し、この変化に基づいてそのときの
加速度が検出されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の加速度センサの場合、通常は片持ち梁が多結晶シリ
コンによって形成されていることから、充分な感度が得
られないという欠点があった。ここで、高感度化を図る
ためには、例えば通常のバイポーラウェハプロセス等に
より加速度センサを製造し、片持ち梁を単結晶シリコン
製にすればよいとも考えられる。しかしながら、未だこ
のような加速度センサは実現されていなかった。また、
片持ち梁が多結晶シリコン製である加速度センサを製造
するプロセス自体も、犠牲層エッチング等が必要である
こと等の理由から、かなり煩雑なものであった。
【0005】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その第1の目的は、高感度な加速度センサを提
供することにある。また、その第2の目的は、上記の優
れた加速度センサを容易にかつ確実に製造することがで
きる加速度センサの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、p型単結晶シリコン基
板の表面に積層された薄膜の一部に、外周部及び下部に
形成される空隙に対してを介して支持されるマス部
形成され、前記梁の一部に歪みゲージが形成された加速
度センサであって、前記マス部と梁とからカンチレバー
構造部が構成され、前記薄膜は、多孔質酸化シリコン層
該多孔質酸化シリコン層(3)の表面に積層されたn
型単結晶シリコンのエピタキシャル成長層とからなり、
前記カンチレバー構造部は、前記エピタキシャル成長層
に形成されている加速度センサをその要旨とする。
【0007】
【0008】 請求項に記載の発明は、上記の加速度
センサを製造する方法であって、不純物添加によって、
p型単結晶シリコン基板の上面全体第1のp型シリコ
ン層を形成する工程と、前記第1のp型シリコン層の上
面にn型単結晶シリコンのエピタキシャル成長層を積層
する工程と、不純物添加によって、前記エピタキシャル
成長層の上面から前記第1のp型シリコン層へ到達する
ように開口部形成用の第2のp型シリコン層を前記エピ
タキシャル成長層に形成する工程と、陽極化成処理を行
うことによって、前記第1のp型シリコン層及び前記第
2のp型シリコン層を多孔質シリコン層に変化させる工
程と、熱処理によって前記多孔質シリコン層を多孔質酸
化シリコン層に変化させる工程と、前記多孔質シリコン
層を多孔質酸化シリコン層に変化させた後、少なくとも
前記開口部形成用の第2のp型シリコン層に対応する部
分に開口部を持つエッチングレジストを形成する工程
と、前記エッチングレジストを形成した後、前記多孔質
酸化シリコン層の一部をエッチングすることによって、
前記マス部及び前記梁となるべき領域の外周部及び下部
に空隙を形成する工程と、前記空隙を形成した後、前記
梁の上面に前記歪みゲージを形成する工程とからなる加
速度センサの製造方法をその要旨とする。
【0009】
【作用】請求項1に記載された発明によると、梁をn型
単結晶シリコンのエピタキシャル成長層からなるものと
したことにより、その一部にゲージファクターの大きな
p型シリコンからなる歪みゲージを形成することができ
る。
【0010】 請求項に記載の発明によると、エピタ
キシャル成長層の下側等にあらかじめ形成された多孔質
酸化シリコン層に対し、同層を溶解するエッチャントに
よるエッチングが行われる。このとき、エッチャント
は、マス部及び梁となるべき領域の外周部上側からその
下側へと進行し、多孔質酸化シリコン層の全部または一
部を選択的に溶解する。
【0011】
【実施例】
〔実施例1〕以下、本発明を表面型の一次元半導体加速
度センサに具体化した一実施例を図1〜図10に基づき
詳細に説明する。
【0012】図1,図2には、本実施例の加速度センサ
1の構成が概略的に示されている。面方位(110)の
p型単結晶シリコン基板2の表面には、複数の層からな
る薄膜Mが形成されている。この薄膜Mの最下層は多孔
質酸化シリコン層3であり、その上にはn型単結晶シリ
コンのエピタキシャル成長層4が積層されている。ま
た、前記薄膜Mの略中央部におけるエピタキシャル成長
層4には、いわゆる片持ち式のカンチレバー構造部が形
成されている。図1,図2に示されるように、このカン
チレバー構造部は、矩形状のマス部6と、そのマス部6
をその側方から支持する1本の片持ち梁7とによって構
成されている。マス部6及び片持ち梁7の外周部及び下
部には、空隙8が形成されている。この空隙8は、薄膜
Mを部分的にエッチングすることによって形成される。
【0013】片持ち梁7の基端部上面には、不純物添加
によって、p型シリコンからなる拡散歪みゲージ10が
形成されている。図1において概略的に示されるよう
に、拡散歪みゲージ10は、片持ち梁7の上面に2つず
つ並列にレイアウトされている。各拡散歪みゲージ10
の長手方向は、いずれも片持ち梁7の延びる方向(即
ち、<111> 方向)と直角な関係にある。
【0014】図2に示されるように、エピタキシャル成
長層4の上面には、層間絶縁層としての薄い酸化膜(S
iO2 膜)11が形成されている。この酸化膜11の上
面には、スパッタリングや真空蒸着等の物理的成膜法に
よって、アルミニウム製の配線パターン12及びボンデ
ィングパッド13が形成されている。また、前記酸化膜
11の所定部分、即ち拡散歪みゲージ10の両端上側と
なる部分には、層間接続用のコンタクトホール14が形
成されている。コンタクトホール14は、配線パターン
12とその下層にある拡散歪みゲージ10とを電気的に
接続している。そして、これらの配線パターン12は、
シリコン基板2の外縁部上面に配置されたボンディング
パッド13にそれぞれ電気的に接続されている。酸化膜
11の上面には、表層における絶縁を図るための薄いパ
ッシベーション膜15が、上記の物理的成膜法によって
形成されている。前記パッシベーション膜15の所定部
分に設けられた開口部からは、ボンディングパッド13
が露出されている。
【0015】この加速度センサ1に例えば図1の矢印A
1 の方向から加速度が印加すると、片持ち梁7の基端部
を揺動中心として、マス部6が双頭矢印DA1 の方向に
沿って揺動する。すると、片持ち梁7に湾曲が生じ、2
つある拡散歪みゲージ10にそれぞれ程度の異なる歪み
が生じる。この場合、一方の拡散歪みゲージ10の抵抗
値が増加し、かつ他方の拡散歪みゲージ10の抵抗値が
減少することで、両者の抵抗値のバランスが崩れる。加
速度センサ1は、このバランスの崩れを、外部にある図
示しない演算回路に対し検出信号として出力する。ま
た、同加速度センサ1に図1の矢印A2 の方向から加速
度が印加すると、マス部6が双頭矢印DA2 の方向に沿
って揺動する。このとき、片持ち梁7に湾曲が生じるも
のの、両拡散歪みゲージ10の抵抗値のバランスは崩れ
ない。さらに、図1の矢印A3 の方向から加速度が印加
した場合には、マス部6に揺動が起らない。つまり、こ
の加速度センサ1では、矢印A1 の方向の加速度のみが
検出されることになる。
【0016】次に、この加速度センサ1を製造する手順
を図3〜図10に基づいて詳細に説明する。基本的に、
この加速度センサ1は、通常のバイポーラウェハプロセ
スを経て製造することができる。まず、直方体状をした
面方位(110)のp型単結晶シリコン基板2を用意す
る。このシリコン基板2に対してイオン注入等によって
ほう素を打ち込み、さらにそのほう素を熱拡散させる。
その結果、図3に示されるように、シリコン基板2の上
面全体にp型シリコン層21が形成される。
【0017】次に、図4に示されるように、形成された
p型シリコン層21の上面に、気相成長によってn型単
結晶シリコンのエピタキシャル成長層4を積層する。そ
の結果、エピタキシャル成長層4内にp型シリコン層2
1が埋め込まれた状態となる。なお、本実施例の場合、
埋め込まれた状態でのp型シリコン層21の厚さは2μ
m〜5μm程度になる。
【0018】次に、フォトリソグラフィによって、エピ
タキシャル成長層4の上面にマスク23を形成する。こ
のマスク23は、後にマス部6及び片持ち梁7となるべ
き領域に対応した位置に開口部23aを有する。ここ
で、ほう素の打ち込み・熱拡散を行うことによって、図
5,図6に示されるように、マスク23から露出してい
る領域に開口部形成用のp型シリコン層22を形成す
る。なお、このp型シリコン層22は、埋め込まれてい
るp型シリコン層21の深さまで到達する。
【0019】次いで、シリコン基板2をふっ酸水溶液中
に浸漬し、この状態でシリコン基板2を陽極として電流
を流す。前記のような陽極化成処理によってp型シリコ
ン層21,22の部分のみを選択的に多孔質化すること
により、図7に示されるように、当該部分を多孔質シリ
コン層24に変化させる。本実施例では、そのときの好
適な条件として、ふっ酸水溶液の温度を20℃〜30℃
に、処理時間を10分〜20分に、通電量を20mA/
cm2 〜50mA/cm2 に設定している。かかる範囲
を逸脱すると、処理効率が悪化するおそれがある。そし
て、上記の陽極化成の後、不要となったマスク23を剥
離する。
【0020】次に、シリコン基板2を高温の酸化雰囲気
中に晒すことによって、図8に示されるように、多孔質
シリコン層24を全体的に多孔質酸化シリコン層3に変
化させる。多孔質化されたシリコン部分は、多孔質化さ
れていない他の部分に比較して酸化レートが大きい。よ
って、多孔質シリコン層24のみが選択的に改質され
る。また、このような熱酸化処理を行うと、シリコン基
板2の外表面に薄い酸化膜25が形成される。本実施例
では、熱酸化工程における好適な条件として、処理温度
を1000℃〜1050℃に、処理時間を30分〜40
分に設定している。
【0021】次いで酸化膜25を剥離した後、フォトリ
ソグラフィを行うことによって、開口部形成用のp型シ
リコン層22に対応する部分に開口部26aを持つエッ
チングレジスト26を形成する。そして、ふっ酸をエッ
チャントとして、多孔質酸化シリコン層3のエッチング
を行う。なお、本実施例では、処理温度を20℃〜30
℃に、処理時間を1分〜2分に設定している。また、前
記エッチングレジスト26は、エッチャントであるふっ
酸に耐えうるもの(例えばSiN,Si3 4等)であ
る必要がある。
【0022】この処理を行った場合、ふっ酸はマス部6
及び片持ち梁7となるべき領域の外周部上側から下側へ
と徐々に進行し、その部分の多孔質酸化シリコン層3を
選択的に溶解する。これは、多孔質酸化シリコン層3
は、多孔質化されていない部分に比較して、ふっ酸に溶
解しやすいことに起因する。そして、ふっ酸はさらにマ
ス部6及び片持ち梁7となる領域の外周部からその中心
部へと進行し、多孔質酸化シリコン層3を選択的に溶解
する。以上の結果、図9に示されるように、前記領域の
外周部及び下部に空隙8が形成され、溶け残った部分が
マス部6及び片持ち梁7となる。なお、図1に示される
ように、マス部6の面積は、矩形状のカンチレバー構造
部形成エリアR1 の面積に比較して、いくぶん小さいも
のとなっている。その理由は、加速度印加時におけるマ
ス部6の揺動スペースを確保するためばかりでなく、ふ
っ酸によるエッチングの制御性を確保するためである。
つまり、カンチレバー構造部形成エリアR1 の外周部に
エッチングが及ぶ前に、マス部6の下部がエッチングさ
れるようにするためである。従って、カンチレバー構造
部形成エリアR1 の面積に対するマス部6の面積の比
は、0.5〜0.6程度であることが好ましい。
【0023】次に、前記エッチングレジスト26におけ
る別の位置に開口部26bを形成した後、ほう素の打ち
込み・熱拡散を行う。その結果、図10に示されるよう
に、片持ち梁7の上面に拡散歪みゲージ10が形成され
る。この後、シリコン基板2の熱酸化によって酸化膜1
1を形成し、さらにフォトエッチングによってその酸化
膜11の所定部分にコンタクトホール14を形成する。
このシリコン基板2に対してアルミニウムのスパッタリ
ング及びフォトリソグラフィを行うことによって、配線
パターン12及びボンディングパッド13を形成する。
そして、最後にCVD等によってSiN,Si3 4
を堆積させることにより、最外層にパッシベーション膜
15を形成する。図1,図2の加速度センサ1は、以上
のようなプロセスを経て作製される。
【0024】さて、本実施例の加速度センサ1による
と、片持ち梁7がn型単結晶シリコンのエピタキシャル
成長層4からなるという特徴がある。このため、片持ち
梁を多孔質シリコンで構成した従来のものと比較して、
その一部にゲージファクターの大きなp型シリコンから
なる拡散歪みゲージ10を形成することができる。従っ
て、同じ加速度が付加したときに出力される電流の値も
大きい。ゆえに、加速度に対する反応性が確実に向上
し、加速度センサ1の高感度化が図られる。しかも、こ
の加速度センサ1では、2つの拡散歪みゲージ10が片
持ち梁7の上面において片持ち梁7の延びる方向に対し
て直角にかつ並列に配置されている。従って、特定方向
の加速度を正確に検出することができる。このことも加
速度センサ1の高感度化に貢献する一要因となってい
る。
【0025】 また、基本的にバイポーラウェハプロセ
スによる本実施例の製造方法では、所定領域にあらかじ
めp型シリコン層21,22を形成した後にこれらを陽
極化成する、という手法が採用されている。従って、シ
リコン基板2を直接的に陽極化成する従来の方法と比べ
て、陽極化成部の深さ等にばらつきが生じにくい。よっ
て、空隙8の形成精度、即ちマス部6及び片持ち梁7の
形成精度が向上する。また、従来の製造方法のような犠
牲層エッチング等も不要になることから、工程簡略化及
び作業容易化を達成することができる。従って、上記の
優れた加速度センサ1を容易にかつ確実に製造すること
ができる。なお、このプロセスであると、カンチレバー
構造部とシリコン基板2とを絶縁することができるとい
う利点もある。 〔参考例〕 次に、参考例における表面型の一次元半導体加速度セン
サ31を図11〜図20に基づき詳細に説明する。
【0026】 図11,図12には、本参考例の加速度
センサ31の構成が概略的に示されている。面方位(1
10)のp型単結晶シリコン基板2の表面には、薄膜M
が形成されている。ただし、前記実施例1とは異なり、
多孔質酸化シリコン層3は既に完全に除去されているた
め、n型単結晶シリコンのエピタキシャル成長層4のみ
が積層された状態となっている。この加速度センサ31
におけるその他の構成については、基本的には実施例1
の構成と同一である。従って、共通部分については同じ
番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0027】 次に、この加速度センサ31を製造する
手順を図13〜図20に基づいて簡単に説明する。参考
の加速度センサ31は、基本的には実施例1と同様の
プロセス、即ち通常のバイポーラウェハプロセスを経て
製造することができる。まず、面方位(110)のp型
単結晶シリコン基板2を用意し、上述した方法で不純物
添加を行う。その結果、シリコン基板2の上面にp型シ
リコン層21が形成される。ただし、本参考例では実施
例1とは異なり、シリコン基板2の上面中央部にp型シ
リコン層21を矩形状に形成する(図13参照)。
【0028】次に、図14に示されるように、形成され
たp型シリコン層21の上面に、気相成長によってn型
単結晶シリコンのエピタキシャル成長層4を積層する。
その後、フォトリソグラフィによって、エピタキシャル
成長層4の上面にマスク23を形成する。ここで、上述
した不純物添加を再び行うことによって、図15,図1
6に示されるように、マスク23から露出している領域
に開口部形成用のp型シリコン層22を形成する。
【0029】次いで、シリコン基板2に対する陽極化成
処理によって、p型シリコン層21,22の部分のみを
選択的に多孔質化する。その結果、図17に示されるよ
うに、当該部分を多孔質シリコン層24に変化させる。
上記の陽極化成の後、不要となったマスク23を剥離す
る。
【0030】次に、シリコン基板2を高温の酸化雰囲気
中に晒すことによって、図18に示されるように、多孔
質シリコン層24を全体的に多孔質酸化シリコン層3に
変化させる。次いで酸化膜25を剥離した後、フォトリ
ソグラフィによって、開口部形成用のp型シリコン層2
2にエッチングレジスト26を形成する。そして、ふっ
酸をエッチャントとして、多孔質酸化シリコン層3のエ
ッチングを行う。
【0031】 この処理を行った場合、ふっ酸はマス部
6及び片持ち梁7となるべき領域の外周部上側から下側
へと徐々に進行し、その部分の多孔質酸化シリコン層3
を選択的に溶解する。これは、多孔質酸化シリコン層3
は、多孔質化されていない部分に比較して、ふっ酸に溶
解しやすいことに起因する。そして、ふっ酸はさらにマ
ス部6及び片持ち梁7となる領域の外周部からその中心
部へと進行し、多孔質酸化シリコン層3を選択的に溶解
する。以上の結果、図19に示されるように、前記領域
の外周部及び下部に空隙8が形成され、溶け残った部分
がマス部6及び片持ち梁7となる。なお、本参考例
は、多孔質体シリコン層3を完全に除去する点が実施例
1の製造方法と異なっている。
【0032】次に、前記エッチングレジスト26におけ
る別の位置に開口部26bを形成した後、ほう素の打ち
込み・熱拡散を行う。その結果、図20に示されるよう
に、片持ち梁7の上面に拡散歪みゲージ10が形成され
る。この後、実施例1の手順に準じて、酸化膜11、コ
ンタクトホール14、配線パターン12、ボンディング
パッド13及びパッシベーション膜15を形成する。図
11,図12の加速度センサ31は、以上のようなプロ
セスを経て作製される。
【0033】 上述したような参考例の加速度センサ3
1及びその製造方法であっても、実施例1と同等の作用
効果を奏することはいうまでもない。これに加えて、本
参考例の製造方法であると、多孔質シリコン層3のエッ
チング制御がより容易になるというメリットがある。従
って、よりいっそうの作業容易化を図ることが可能とな
る。
【0034】 なお、本発明は上記実施例1及び参考例
のみに限定されることはなく、例えば次のように変更す
ることが可能である。 (1)p型単結晶シリコン基板2として面方位(110)以
外の基板、例えば(111)基板や(100)基板等を使用しても
よい。なお、実施例1及び参考例において(100)基板を
使用すれば、より高感度にすることができる。
【0035】(2) TMAH以外のアルカリ系エッチ
ャントとして、例えばKOH、ヒドラジン、EPW(エ
チレンジアミン−ピロカテコール−水)等を使用しても
よい。
【0036】 (3)カンチレバー構造部は実施例1及
び参考例のような片持ち式に限られることはなく、例え
ば4本の梁7によってマス部6を支持したHブリッジ状
であってももよい。勿論、梁7を2本や3本にしたり、
5本以上にしてもよい。
【0037】 (4)実施例1及び参考例において例示
した拡散型の歪みゲージ10に代えて、例えばCrや多
結晶シリコン等からなる薄膜歪みゲージを形成してもよ
い。(5)ゲージ形成工程やパッシベーション工程を、
ふっ酸によるエッチング工程の前または熱酸化工程の前
に実施してもよい。
【0038】(6) 1つのカンチレバー構造部形成エ
リアR1 に、2つ以上のカンチレバー構造部を形成する
ことにより、2次元または3次元の加速度センサを構成
することも可能である。
【0039】 (7)シリコン基板2の表面におけるカ
ンチレバー構造部の周囲のスペースに、信号論理回路等
として機能するバイポーラICを形成してもよい。ここ
で、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、
前述した実施例1、参考例及び別例によって把握される
技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
【0040】(1) 請求項1において、カンチレバー
構造部の周囲にバイポーラICを形成する。この構成で
あると、加速度センサの小型化及び高速化が達成でき
る。 (2) 請求項1において、拡散歪みゲージは、片持ち
梁の上面において同片持ち梁の延びる方向と直角に形成
されること。この構成であると、より高感度化を達成で
きる。
【0041】なお、本明細書中において使用した技術用
語を次のように定義する。 「陽極化成: 電解液中で基板を陽極として電流を流す
ことにより、その基板に多孔質層を形成する一括改質加
工をいう。」
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、高感度な加速度センサを提供することが
できる。請求項に記載の発明によれば、このように優
れた加速度センサを容易にかつ確実に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の加速度センサを示す概略斜視図。
【図2】同加速度センサのA−A線における断面図。
【図3】同加速度センサの製造手順を示す概略断面図。
【図4】同加速度センサの製造手順を示す概略断面図。
【図5】同加速度センサの製造手順を示す概略平面図。
【図6】同加速度センサの製造手順を示す概略断面図。
【図7】同加速度センサの製造手順を示す概略断面図。
【図8】同加速度センサの製造手順を示す概略断面図。
【図9】同加速度センサの製造手順を示す概略断面図。
【図10】同加速度センサの製造手順を示す概略断面
図。
【図11】参考例の加速度センサを示す概略斜視図。
【図12】同加速度センサのB−B線における断面図。
【図13】同加速度センサの製造手順を示す概略断面
図。
【図14】同加速度センサの製造手順を示す概略断面
図。
【図15】同加速度センサの製造手順を示す概略断面
図。
【図16】同加速度センサの製造手順を示す概略断面
図。
【図17】同加速度センサの製造手順を示す概略断面
図。
【図18】同加速度センサの製造手順を示す概略断面
図。
【図19】同加速度センサの製造手順を示す概略断面
図。
【図20】同加速度センサの製造手順を示す概略断面
図。
【符号の説明】
1,31…加速度センサ、2…p型単結晶シリコン基
板、3…多孔質酸化シリコン層、4…エピタキシャル成
長層、6…マス部、7…(片持ち)梁、8…空隙、10
…歪みゲージ、11,12…p型シリコン層、24…多
孔質シリコン層、26…エッチングレジスト、26a…
開口部、M…薄膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/84 G01P 15/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型単結晶シリコン基板(2)の表面に
    積層された薄膜(M)の一部に、外周部及び下部に形成
    される空隙(8)に対して梁(7)を介して支持される
    マス部(6)が形成され、前記梁(7)の一部に歪みゲ
    ージ(10)が形成された加速度センサ(1)であっ
    て、前記マス部(6)と梁(7)とからカンチレバー構造部
    が構成され、 前記薄膜(M)は、多孔質酸化シリコン層(3)と該多
    孔質酸化シリコン層(3)の表面に積層されたn型単結
    晶シリコンのエピタキシャル成長層(4)とからなり、
    前記カンチレバー構造部は、前記エピタキシャル成長層
    (4)に形成されている加速度センサ。
  2. 【請求項2】 p型単結晶シリコン基板(2)の表面に
    積層された薄膜(M)の一部にマス部(6)と梁(7)
    とからなるカンチレバー構造部が形成され、その梁
    (7)の一部に歪みゲージ(10)が形成された加速度
    センサ(1)を製造する方法であって、 不純物添加によって、p型単結晶シリコン基板(2)の
    上面全体に第1のp型シリコン層(21)を形成する工
    程と、 前記第1のp型シリコン層(21)の上面にn型単結晶
    シリコンのエピタキシャル成長層(4)を積層する工程
    と、 不純物添加によって、前記エピタキシャル成長層(4)
    の上面から前記第1のp型シリコン層(21)へ到達す
    るように開口部形成用の第2のp型シリコン層(22)
    を前記エピタキシャル成長層(4)に形成する工程と、 陽極化成処理を行うことによって、前記第1のp型シリ
    コン層(21)及び前記第2のp型シリコン層(22)
    を多孔質シリコン層(24)に変化させる工程と、 熱処理によって前記多孔質シリコン層(24)を多孔質
    酸化シリコン層(3)に変化させる工程と、 前記多孔質シリコン層(24)を多孔質酸化シリコン層
    (3)に変化させた後、少なくとも前記開口部形成用の
    第2のp型シリコン層(22)に対応する部分に開口部
    (26a)を持つエッチングレジスト(26)を形成す
    る工程と、 前記エッチングレジスト(26)を形成した後、前記多
    孔質酸化シリコン層(3)の一部をエッチングすること
    によって、前記マス部(6)及び前記梁(7)となるべ
    き領域の外周部及び下部に空隙(8)を形成する工程
    と、 前記空隙(8)を形成した後、前記梁(7)の上面に前
    記歪みゲージ(10)を形成する工程とからなる 加速度
    センサの製造方法
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