JP3502026B2 - 集成材の製造方法 - Google Patents

集成材の製造方法

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JP3502026B2
JP3502026B2 JP2000253410A JP2000253410A JP3502026B2 JP 3502026 B2 JP3502026 B2 JP 3502026B2 JP 2000253410 A JP2000253410 A JP 2000253410A JP 2000253410 A JP2000253410 A JP 2000253410A JP 3502026 B2 JP3502026 B2 JP 3502026B2
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幸久 佐々木
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  • Veneer Processing And Manufacture Of Plywood (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集成材の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、厚さ2.5〜5cmの木材の板
を、繊維方向を長さ方向に平行に組み合わせ、接着剤を
介して順に積層して一つの材とした構造用集成材が知ら
れている。
【0003】このような集成材は、通常、入荷された丸
太から長さ約4m程度のラミナを直接製材し、これらの
ラミナを順に積み重ねることによって製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、丸太の材積
は、最小末口径の2乗に材長をかけて算出されるが、通
常、材長1mごとに1cmから2cm程度末口径が変化
していくことから、長さ4m程度のラミナを得るために
は、丸太の最大末口径において、4cmから8cm程度
の利用されない背板が発生する。この結果、丸太から得
られるラミナの歩留りが低下し、丸太を有効に活用する
ことができないという問題があった。
【0005】また、丸太に曲がりがある場合には、利用
価値が低いため、市場での評価が得られず、間伐後林地
内に放置されるなどの問題も指摘されていた。
【0006】一方、木材は、断面方向にも、また材長方
向にも強度や水分含有量などの材質において差異を有す
ることから、長尺なラミナを丸太から直接製材した場
合、ラミナは、断面方向および材長方向に材質のばらつ
きを有している。このようなラミナの材長方向の材質の
ばらつきに対しては、これまで材長方向の材質を連続的
に測定し、その平均値をラミナの全体の測定値として採
用しているが、材質の劣る部分が平均値として包含され
ることになり、将来不測の事態を招来するおそれがあ
る。
【0007】この場合、測定値の最低値をラミナの計測
値として採用することも考えられるが、この方法では、
材質の優れた部分が無視されることになる。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、丸太を余すことなく有効に活用するととも
に、一定の曲げ強度を確保して品質の安定した集成材を
製造することのできる集成材の製造方法を提供するもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、入荷された丸
太を短尺に切断し、切断された短尺丸太から短尺ラミナ
を製材した後、各短尺ラミナのヤング係数を測定し、短
尺ラミナのヤング係数に基づいて区分された略同等強度
の短尺ラミナ同士をフィンガージョイントにて接合して
長尺ラミナを製造し、次いで、各長尺ラミナの引張強度
試験を行った後、設定された許容範囲内のヤング係数の
短尺ラミナから製造された長尺ラミナを順に積層すると
ともに、これらの長尺ラミナの外層に、設定された許容
範囲を超えるヤング係数の短尺ラミナから製造された長
尺ラミナを積層することを特徴とするものである。
【0010】本発明によれば、入荷された丸太を短尺に
切断し、短尺丸太から短尺ラミナを製材するため、通常
の製材では背板として排除される部分を短尺ラミナとし
て活用することが可能となり、背板として排除される部
分を可及的に少なくして丸太を有効に利用することがで
きる。特に、これまで利用されることなく放置されてい
た曲がりを有する丸太であっても活用することができ
る。
【0011】しかも、短尺丸太から製材された短尺ラミ
ナは、材長方向の材質のばらつきが相対的に小さくな
り、ほぼ一定の材質を有している。このため、各短尺ラ
ミナのヤング係数を測定することにより、材長方向の強
度のばらつきをその測定値によって区分することができ
るとともに、区分された略同等強度の短尺ラミナ同士を
接合して製造された長尺ラミナもまた材長方向にほぼ同
等強度を有することになり、強度のばらつきが小さく、
品質が安定したものとなる。
【0012】したがって、相対的にヤング係数の小さな
短尺ラミナ同士を接合して製造された長尺ラミナを順に
積層するとともに、これらの長尺ラミナの外層に、相対
的にヤング係数の大きな短尺ラミナ同士を接合して製造
された長尺ラミナを積層して製造された集成材は、一定
の曲げ強度が確保されるとともに、強度のばらつきが小
さく、品質が安定したものとなる。
【0013】本発明において、集成材に使用される樹種
としては、例えば、べいまつ、ソ連からまつ、ひば、ひ
のき、べいひ、あかまつ、くろまつ、からまつ、つが、
べいつが、もみ、えぞまつ、とどまつ、べにまつ、すぎ
などの針葉樹や、ぶな、かえで、かば、なら、たも、に
れなどの広葉樹を挙げることができる。
【0014】本発明において、丸太を切断する長さとし
ては、0.5〜1.5m程度が好ましい。0.5m未満
であると、製材コストがかさむとともに、欠点の修正や
除去などによって歩留りが低下し、また、接合箇所も多
くなり、全体として製造コストが大きくなる。また、
1.5mを超えると、背板として排除される部分が大き
くなり、丸太の有効利用を図ることができない他、材長
方向の材質のばらつきが大きくなり、安定した品質を確
保することが困難になるとともに、重量が大きくなって
取り扱い性が低下する。
【0015】本発明において、相対的にヤング係数の小
さな短尺ラミナ同士を接合して製造された長尺ラミナの
積層枚数および相対的にヤング係数の大きな短尺ラミナ
同士を接合して製造された長尺ラミナの積層枚数として
は、集成材の使用部位によって適宜設定すればよく、特
に限定されない。
【0016】また、本発明は、入荷された樹種の異なる
丸太をそれぞれ短尺に切断し、切断された短尺丸太から
短尺ラミナを製材した後、各短尺ラミナのヤング係数を
測定し、短尺ラミナのヤング係数に基づいて同一樹種ご
とに区分された略同等強度の短尺ラミナ同士をフィンガ
ージョイントにて接合して長尺ラミナを製造し、次い
で、各長尺ラミナの引張強度試験を行った後、相対的に
ヤング係数の小さな樹種の短尺ラミナから製造された長
尺ラミナを順に積層するとともに、これらの長尺ラミナ
の外層に、相対的にヤング係数の大きな樹種の短尺ラミ
ナから製造された長尺ラミナを積層することを特徴とす
るものである。
【0017】本発明によれば、入荷された樹種の異なる
丸太を短尺に切断し、短尺丸太から短尺ラミナを製材す
るため、通常の製材では背板として排除される部分を短
尺ラミナとして活用することが可能となり、背板として
排除される部分を可及的に少なくして丸太を有効に利用
することができる。特に、これまで利用されることなく
放置されていた曲がりを有する丸太であっても活用する
ことができる。
【0018】しかも、短尺丸太から製材された短尺ラミ
ナは、材長方向の材質のばらつきが相対的に小さくな
り、ほぼ一定の材質を有している。このため、各短尺ラ
ミナのヤング係数を測定することにより、材長方向の強
度のばらつきをその測定値によって区分することができ
るとともに、同一樹種ごとに区分された略同等強度の短
尺ラミナ同士を接合して製造された長尺ラミナもまた材
長方向にほぼ同等強度を有することになり、強度のばら
つきが小さく、品質が安定したものとなる。
【0019】したがって、相対的にヤング係数の小さな
樹種の短尺ラミナ同士を接合して製造された長尺ラミナ
を順に積層するとともに、これらの長尺ラミナの外層
に、相対的にヤング係数の大きな樹種の短尺ラミナ同士
を接合して製造された長尺ラミナを積層して製造された
集成材は、一定の曲げ強度が確保されるとともに、強度
のばらつきが小さく、品質が安定したものとなる。ま
た、樹種の強度に合わせて適材適所を図ることができ
る。
【0020】本発明において、相対的にヤング係数の大
きな樹種としては、べいまつ、ソ連からまつ、ひば、ひ
のき、べいひなどを挙げることができる。また、相対的
にヤング係数の小さな樹種としては、あかまつ、くろま
つ、からまつ、つが、べいつが、もみ、えぞまつ、とど
まつ、べにまつ、すぎなどの針葉樹や、ぶな、かば、か
えで、なら、たも、にれなどの広葉樹を挙げることがで
きる。
【0021】本発明において、丸太を切断する長さとし
ては、0.5〜1.5m程度が好ましい。0.5m未満
であると、製材コストがかさむとともに、欠点の修正や
除去などによって歩留りが低下し、また、接合箇所も多
くなり、全体として製造コストが大きくなる。また、
1.5mを超えると、背板として排除される部分が大き
くなり、丸太の有効利用を図ることができない他、材長
方向の材質のばらつきが大きくなり、安定した品質を確
保することが困難になるとともに、重量が大きくなって
取り扱い性が低下する。
【0022】本発明において、相対的にヤング係数の小
さな樹種の短尺ラミナ同士を接合して製造された長尺ラ
ミナの積層枚数および相対的にヤング係数の大きな樹種
の短尺ラミナ同士を接合して製造された長尺ラミナの積
層枚数としては、集成材の使用部位によって適宜設定す
ればよく、特に限定されない。
【0023】さらに、本発明は、入荷された樹種の異な
る丸太のうち、相対的にヤング係数の小さな樹種の丸太
を短尺に切断し、切断された短尺丸太から短尺ラミナを
製材した後、各短尺ラミナのヤング係数を測定し、短尺
ラミナのヤング係数に基づいて区分された略同等強度の
短尺ラミナ同士をフィンガージョイントにて接合して長
尺ラミナを製造し、次いで、各長尺ラミナの引張強度試
験を行った後、相対的にヤング係数の小さな樹種の短尺
ラミナから製造された長尺ラミナを順に積層し、一方、
相対的にヤング係数の大きな樹種の丸太を長尺に切断
し、切断された長尺丸太から長尺ラミナを直接製材した
後、積層された相対的にヤング係数の小さな樹種の長尺
ラミナの外層に、相対的にヤング係数の大きな樹種の長
尺ラミナを積層することを特徴とするものである。
【0024】本発明によれば、入荷された樹種の異なる
丸太のうち、相対的にヤング係数の小さな樹種の丸太を
短尺に切断し、短尺丸太から短尺ラミナを製材するた
め、通常の製材では背板として排除される部分を短尺ラ
ミナとして活用することが可能となり、背板として排除
される部分を可及的に少なくして丸太を有効に利用する
ことができる。特に、これまで利用されることなく放置
されていた曲がりを有する丸太であっても活用すること
ができる。
【0025】しかも、相対的にヤング係数の小さな樹種
の短尺丸太から製材された短尺ラミナは、材長方向の材
質のばらつきが相対的に小さくなり、ほぼ一定の材質を
有している。このため、各短尺ラミナのヤング係数を測
定することにより、材長方向の強度のばらつきをその測
定値によって区分することができるとともに、区分され
た略同等強度の短尺ラミナ同士を接合して製造された長
尺ラミナもまた材長方向にほぼ同等強度を有することに
なり、強度のばらつきが小さく、品質が安定したものと
なる。
【0026】一方、相対的にヤング係数の大きな樹種の
丸太については、長尺に切断した後、長尺丸太から直接
長尺ラミナを製材しておく。
【0027】したがって、相対的にヤング係数の小さな
樹種の短尺ラミナ同士を接合して製造された長尺ラミナ
を順に積層するとともに、これらの長尺ラミナの外層
に、相対的にヤング係数の大きな樹種の長尺丸太から直
接製材された長尺ラミナを積層して製造された集成材
は、一定の曲げ強度が確保されるとともに、強度のばら
つきが小さく、品質が安定したものとなる。また、樹種
の強度に合わせて適材適所を図ることができ、見栄えも
向上する。
【0028】本発明において、相対的にヤング係数の大
きな樹種としては、べいまつ、ソ連からまつ、ひば、ひ
のき、べいひなどを挙げることができる。また、相対的
にヤング係数の小さな樹種としては、あかまつ、くろま
つ、からまつ、つが、べいつが、もみ、えぞまつ、とど
まつ、べにまつ、すぎなどの針葉樹や、ぶな、かば、か
えで、なら、たも、にれなどの広葉樹を挙げることがで
きる。
【0029】本発明において、相対的にヤング係数の小
さな樹種の丸太を切断する長さとしては、0.5〜1.
5m程度が好ましい。0.5m未満であると、製材コス
トがかさむとともに、欠点の修正や除去などによって歩
留りが低下し、また、接合箇所も多くなり、全体として
製造コストが大きくなる。また、1.5mを超えると、
背板として排除される部分が大きくなり、丸太の有効利
用を図ることができない他、材長方向の材質のばらつき
が大きくなり、安定した品質を確保することが困難にな
るとともに、重量が大きくなって取り扱い性が低下す
る。
【0030】また、相対的にヤング係数の大きな樹種の
丸太を切断する長さとしては、相対的にヤング係数の小
さな樹種の短尺ラミナ同士を接合して製造された長尺ラ
ミナの長さによっても異なるが、4m程度が好ましい。
【0031】本発明において、相対的にヤング係数の小
さな樹種の短尺ラミナ同士を接合して製造された長尺ラ
ミナの積層枚数および相対的にヤング係数の大きな樹種
の長尺丸太から直接製材された長尺ラミナの積層枚数と
しては、集成材の使用部位によって適宜設定すればよ
く、特に限定されない。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0033】図1には、本発明の集成材の製造方法のフ
ローチャートが示されている。
【0034】図1のフローチャートにおいて、まず、丸
太M(図2参照)が入荷されると(ステップS1)、丸
太Mを設定長さ、例えば、1m間隔に切断し(ステップ
S2)、図3に示す短尺丸太M1を製材する。次いで、
短尺丸太M1の最小末口径から決定される木取り(図4
参照)にしたがって図5に示す短尺ラミナL1を製材す
る(ステップS3)。
【0035】具体的には、短尺ラミナL1としては、厚
さ37mm×幅120mm、厚さ37mm×幅140m
m、厚さ37mm×幅170mmの3種類が設定されて
いるとともに、短尺丸太M1の最小末口径から対応する
短尺ラミナL1の木取りテーブルが用意されており、短
尺丸太M1の最小末口径と、製材する短尺ラミナL1の
種類から決定されるテーブルに基づいて木取りされる。
図4の木取りは、短尺丸太M1の最小末口径が30cm
の場合に厚さ37mm×幅170mmの短尺ラミナL1
を製材する場合を示している。
【0036】次いで、製材された短尺ラミナL1を乾燥
させた後(ステップS4)、各短尺ラミナL1をグレー
ディングマシンに供給し、各短尺ラミナL1のヤング係
数を測定する(ステップS5)。
【0037】グレーディングマシンは、詳細には図示し
ないが、短尺ラミナL1を搬送装置を介して加圧装置に
送り、加圧装置によって短尺ラミナL1の中央に集中荷
重を作用させ、その際、短尺ラミナL1に発生する撓み
量を測定し、集中荷重と撓み量からヤング係数を演算す
るものである。すなわち、両端支持された短尺ラミナL
1の中央に集中荷重Pが作用した時の撓み量δは、短尺
ラミナL1のヤング係数をE、支持スパンの距離をS、
短尺ラミナL1の幅をb、その厚さをhとすると、δ=
(P・S3 )/(4E・b・h3 )で求められる。
【0038】ここに、集中荷重P、支持スパンの距離
S、短尺ラミナL1の幅bおよび厚さhは既知であるか
ら、短尺ラミナLのヤング係数Eは、E=(P・S3
/(4δ・b・h3 )となる。
【0039】なお、グレーディングマシンには、予めヤ
ング係数のテーブルが用意されており、演算された短尺
ラミナL1のヤング係数と、テーブルのヤング係数とを
比較演算し、搬送装置によって短尺ラミナL1を搬送す
る過程において、演算されたヤング係数に基づいて、対
応する色彩のマークを付すようにしている。例えば、設
定された上限以上のヤング係数の短尺ラミナL1に一の
色彩のマークを付し、また、設定された上限未満かつ下
限以上のヤング係数の短尺ラミナL1に他の色彩のマー
クを付し、さらに、設定された下限未満のヤング係数の
短尺ラミナL1にもう一つの色彩のマークを付すように
設定されており、このマークを読み取ることによって短
尺ラミナL1をヤング係数によって分類することができ
る。
【0040】一方、グレーディングマシンによって短尺
ラミナL1のヤング係数が演算されると、短尺ラミナL
1の外観が観察され、木口に節や割れが認められる場
合、その部分がカットされた後(ステップS6)、図6
に示すように、短尺ラミナL1をフィンガージョイント
にて接合して長尺ラミナL(図7参照)を製造する(ス
テップS7)。この場合、グレーディングマシンによっ
て付されたマークに基づいて仕分けされた同等強度(ヤ
ング係数)の短尺ラミナL1同士を接合する。
【0041】長尺ラミナLが製造されたならば、各長尺
ラミナLをプルーフローダーに供給し、長尺ラミナLに
一定の引張力を作用させ、フィンガージョイント部分の
強度を確認する(ステップS8)。
【0042】プルーフローダーは、詳細には図示しない
が、長尺ラミナLの両端を把持し、一定の引張力を作用
させる引張試験機である。
【0043】この後、プルーフローダーによって一定の
引張強度が確認された長尺ラミナLを接着剤を介して順
に積層することにより、集成材G(図8参照)を製造す
る(ステップS9)。
【0044】この場合、相対的にヤング係数の小さな短
尺ラミナL1同士を接合して製造された長尺ラミナLを
順に接着剤を介して積層するとともに、これらの外層
に、相対的にヤング係数の大きな短尺ラミナL1同士を
接合して製造された長尺ラミナLを1枚または複数枚接
着剤を介して積層することにより、集成材Gの曲げ強度
を確保することができる。
【0045】なお、前述したステップS5において、グ
レーディングマシンによって設定された下限以上のヤン
グ係数を認めることができなかった短尺ラミナL1につ
いては、ラミナ不適材として後工程に送られることなく
処分され(ステップS10)、また、ステップS8にお
いて、プルーフローダーによって一定の引張強度を認め
ることができなかった長尺ラミナLについても、強度不
足材として集成材の製造工程に送られることなく処分さ
れる(ステップS11)。
【0046】したがって、このような集成材の製造方法
を採用することにより、通常の製材では背板として排除
される部分を短尺ラミナL1として活用することが可能
となり、背板として排除される部分を可及的に少なくし
て丸太Mを有効に利用することができる。特に、これま
で利用されることなく放置されていた曲がりを有する丸
太Mであっても活用することができる。
【0047】しかも、短尺丸太M1から製材された短尺
ラミナL1は、材長方向の材質のばらつきが相対的に小
さくなり、ほぼ一定の材質を有しているため、各短尺ラ
ミナL1のヤング係数を測定することにより、材長方向
の強度のばらつきをその測定値によって区分することが
できるとともに、区分された同等強度の短尺ラミナL1
同士を接合して製造された長尺ラミナLもまた材長方向
にほぼ同等強度を有することになり、強度のばらつきが
小さく、品質が安定したものとなる。
【0048】この結果、相対的にヤング係数の小さな短
尺ラミナL1同士を接合して製造された長尺ラミナLを
順に積層するとともに、これらの長尺ラミナLの外層
に、相対的にヤング係数の大きな短尺ラミナL1同士を
接合して製造された長尺ラミナLを積層して製造された
集成材Gは、一定の曲げ強度が確保されるとともに、強
度のばらつきが小さく、品質が安定したものとなる。
【0049】なお、前述した実施形態においては、特に
説明しなかったが、樹種としては、べいまつ、ソ連から
まつ、ひば、ひのき、べいひ、あかまつ、くろまつ、か
らまつ、つが、べいつが、もみ、えぞまつ、とどまつ、
べにまつ、すぎ、べいすぎ、などの針葉樹や、ぶな、か
えで、かば、なら、たも、にれ、ラワンなどの広葉樹を
採用することができる。
【0050】この場合、詳細には説明しないが、相対的
にヤング係数の小さな樹種、例えば、すぎの丸太Mか
ら、前述した工程を経て短尺ラミナL1および長尺ラミ
ナLを順次製造するとともに、相対的にヤング係数の大
きな樹種、例えば、べいまつの丸太から前述した工程を
経て短尺ラミナL1および長尺ラミナLを順次製造し、
相対的にヤング係数の小さな樹種の短尺ラミナL1同士
を接合して製造された長尺ラミナLを順に積層して内層
材に形成するとともに、これらの外層に、相対的にヤン
グ係数の大きな樹種の短尺ラミナL1同士を接合して製
造された長尺ラミナLを積層して外層材を形成し、集成
材Gを製造してもよい(図9参照)。
【0051】このように異なる樹種を用いて集成材Gを
製造した場合、樹種の特性に対応して適材適所を図るこ
とができる。
【0052】さらに、相対的にヤング係数の大きな樹種
の丸太を長尺に切断し、長尺丸太から直接長尺ラミナを
製材し、この長尺丸太から直接製材された長尺ラミナ
を、相対的にヤング係数の大きな樹種の短尺ラミナL1
同士を接合して製造された長尺ラミナLに代えて採用す
ることもできる。すなわち、図10に示すように、相対
的にヤング係数の小さな樹種の短尺ラミナL1同士を接
合して製造された長尺ラミナLを順に積層して形成され
た内層材の外層に、相対的にヤング係数の大きな樹種の
長尺丸太から直接製材された長尺ラミナLaを積層して
集成材Gを製造することもできる。
【0053】このように、相対的にヤング係数の大きな
樹種の長尺丸太から直接製材された長尺ラミナLaを集
成材Gの外層材として採用すると、相対的にヤング係数
の大きな樹種の丸太の歩留りは低下するもの、集成材G
の見栄えが向上するとともに、ジョイント部分がないた
め、さらに曲げ強度を向上させることができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、丸太を余
すことなく有効に活用することができるとともに、品質
が安定し、一定の曲げ強度を有する集成材を製造するこ
とができる。
【0055】また、本発明によれば、丸太を余すことな
く有効に活用することができるとともに、品質が安定
し、一定の曲げ強度を有する集成材を、樹種の特性に対
応して製造することができる。
【0056】さらに、本発明によれば、相対的にヤング
係数の小さな樹種の丸太を余すことなく有効に活用する
ことができるとともに、品質が安定し、一定の曲げ強度
を有する集成材を、樹種の特性に対応して製造すること
ができ、また、見栄えが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の集成材の製造方法の一実施形態を説明
するフローチャートである。
【図2】入荷された丸太を示す説明図である。
【図3】短尺丸太を製造する工程を示す説明図である。
【図4】短尺丸太の木取りを示す説明図である。
【図5】短尺丸太から木取りされて製材された短尺ラミ
ナを示す説明図である。
【図6】短尺ラミナをフィンガージョイントで接合する
工程を示す説明図である。
【図7】短尺ラミナを接合して製造された長尺ラミナを
示す説明図である。
【図8】長尺ラミナを積層して集成材を製造する工程を
示す説明図である。
【図9】本発明の集成材の製造方法の他の実施形態を説
明するフローチャートである。
【図10】長尺ラミナを積層して他の集成材を製造する
工程を示す説明図である。
【符号の説明】
M 丸太 M1 短尺丸太 L1 短尺ラミナ L,La 長尺ラミナ G 集成材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入荷された丸太を短尺に切断し、切断さ
    れた短尺丸太から短尺ラミナを製材した後、各短尺ラミ
    ナのヤング係数を測定し、短尺ラミナのヤング係数に基
    づいて区分された略同等強度の短尺ラミナ同士をフィン
    ガージョイントにて接合して長尺ラミナを製造し、次い
    で、各長尺ラミナの引張強度試験を行った後、設定され
    た許容範囲内のヤング係数の短尺ラミナから製造された
    長尺ラミナを順に積層するとともに、これらの長尺ラミ
    ナの外層に、設定された許容範囲を超えるヤング係数の
    短尺ラミナから製造された長尺ラミナを積層することを
    特徴とする集成材の製造方法。
  2. 【請求項2】 入荷された樹種の異なる丸太をそれぞれ
    短尺に切断し、切断された短尺丸太から短尺ラミナを製
    材した後、各短尺ラミナのヤング係数を測定し、短尺ラ
    ミナのヤング係数に基づいて同一樹種ごとに区分された
    略同等強度の短尺ラミナ同士をフィンガージョイントに
    て接合して長尺ラミナを製造し、次いで、各長尺ラミナ
    の引張強度試験を行った後、相対的にヤング係数の小さ
    な樹種の短尺ラミナから製造された長尺ラミナを順に積
    層するとともに、これらの長尺ラミナの外層に、相対的
    にヤング係数の大きな樹種の短尺ラミナから製造された
    長尺ラミナを積層することを特徴とする集成材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 入荷された樹種の異なる丸太のうち、相
    対的にヤング係数の小さな樹種の丸太を短尺に切断し、
    切断された短尺丸太から短尺ラミナを製材した後、各短
    尺ラミナのヤング係数を測定し、短尺ラミナのヤング係
    数に基づいて区分された略同等強度の短尺ラミナ同士を
    フィンガージョイントにて接合して長尺ラミナを製造
    し、次いで、各長尺ラミナの引張強度試験を行った後、
    相対的にヤング係数の小さな樹種の短尺ラミナから製造
    された長尺ラミナを順に積層し、一方、相対的にヤング
    係数の大きな樹種の丸太を長尺に切断し、切断された長
    尺丸太から長尺ラミナを直接製材した後、積層された相
    対的にヤング係数の小さな樹種の長尺ラミナの外層に、
    相対的にヤング係数の大きな樹種の長尺ラミナを積層す
    ることを特徴とする集成材の製造方法。
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