JP3167414U - 集成材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラミナの含水率の変化による寸法変化率が小さいのでラミナの木目の繊維方向を互いに交差して接合することができ、反りや捩れなどの狂いが生じることがなく、且つ、交差接合した部分の高い意匠性によって商品価値の高い集成材を提供する。【解決手段】一次ラミナを縦継ぎしてなる二次ラミナを幅はぎ又は/及び積層してなる集成材において、一次ラミナは、全ての部分に寸法安定化処理が施されており、二次ラミナは、一次ラミナの木目の繊維方向が互いに交差するようにして接合した縦継ぎ部分を有している。【選択図】図1

Description

本考案は、集成材に関するものであり、特に建築内装材や家具などに使用される造作用集成材に関するものである。
集成材は、複数のラミナ(断面寸法の小さい木材)を接着して得られる木質材料であって、乾燥材を接着して製造されるので無垢板或いは単板に比べ、反りや捩れなどの狂いが発生しにくい。従って、梁や柱などの構造用集成材や、壁材、床材、家具やテーブルの天板などの造作用集成材として広く使用されている。
しかし、集成材を構成するラミナは、木材片であってその厚さ、幅及び長さ方向に寸法変化の程度が異なるという性質がある。そこで、日本農林規格(JAS規格)では、集成材を「ひき板又は小角材等をその繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅及び長さの方向に集成接着した一般材」と定義して、各ラミナの木目の繊維方向を揃えて接着することとしている。
しかし、依然として集成材には木材の性質が残っており、特に含水率の変化による反りや捩れなどの狂いが発生するという問題がある。そこで、ラミナ同士の接合面にのみ寸法安定化処理を施した集成材が下記特許文献1に提案されている。
実開平6−46909号公報
ところで、上記特許文献1の集成材においては、接合面にのみ寸法安定処理を施したラミナ同士を木目の繊維方向を揃えて接着するものであり、依然として含水率の変化による厚さ、幅及び長さ方向の寸法変化の程度が異なるという問題があり、完全に反りや捩れなどの狂いを抑えることができない。
また、造作用集成材の場合、例えば、床材やテーブルの天板に集成材の接合箇所をそのまま表面に露出して使用することがある。この場合、全てのラミナの木目の繊維方向が並行に並んでいるだけでは、意匠性が低く無垢板或いは単板に比べ商品価値が低いものとなってしまう。
そこで、本考案は、以上のようなことに対処して、ラミナの含水率の変化による寸法変化率が小さいのでラミナの木目の繊維方向を互いに交差して接合することができ、反りや捩れなどの狂いが生じることがなく、且つ、交差接合した部分の高い意匠性によって商品価値の高い集成材を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本考案者は、鋭意研究の結果、接合するラミナの全体に寸法安定化処理を施すことにより、上記目的を達成できることを見出し本考案の完成に至った。
即ち、本考案に係る集成材は、請求項1の記載によると、
一次ラミナ(11a、11b、11c)を縦継ぎしてなる二次ラミナ(11、12、13)を幅はぎ又は/及び積層してなる集成材(10)において、
上記一次ラミナは、全ての部分に寸法安定化処理が施されており、
上記二次ラミナは、上記一次ラミナの木目の繊維方向が互いに交差するようにして接合した縦継ぎ部分を有することを特徴とする。
上記構成によれば、集成材は、寸法安定化処理を施した一次ラミナ同士を縦継ぎして二次ラミナを構成し、この二次ラミナ同士を幅はぎ或いは積層し、又は、幅はぎと積層の両方を行って構成されている。
ここで、一次ラミナ同士の縦継ぎ部分においては、一方の一次ラミナの木目の繊維方向と、これに縦継ぎされる他方の一次ラミナの木目の繊維方向とが交差している。この結果、幅はぎされた接合部位及び積層された接合部位においても一次ラミナの木目の繊維方向が交差した部分が生じる。
従来の集成材においては、上述のように、一次ラミナの含水率の変化による厚さ、幅及び長さ方向の寸法変化の程度が異なり、一次ラミナ同士の木目の繊維方向を揃えて接合しなければならない。例えば、幅方向と長さ方向を接合した場合には、接合時と異なる含水率に変化すると接合部位に歪が生じて剥がれることになる。
これに対して、上記構成による集成材においては、一次ラミナに寸法安定化処理が施された結果、一次ラミナの含水率の変化による厚さ、幅及び長さ方向の寸法変化がいずれも小さくなる。更に、厚さ、幅及び長さ方向の寸法変化の差も小さくなり、一次ラミナ同士の木目の繊維方向を交差して接合することができる。
このことにより、上記構成による集成材は、含水率の変化による反りや捩れなどの狂いが生じることがない。更に、この集成材を造作用に使用する場合には、木目の繊維方向が交差した接合部位を表面に露出することにより意匠性を高めることができる。
よって、請求項1に記載の考案によれば、ラミナの含水率の変化による寸法変化率が小さいのでラミナの木目の繊維方向を互いに交差して接合することができ、反りや捩れなどの狂いが生じることがなく、且つ、交差接合した部分の高い意匠性によって商品価値の高い集成材を提供することができる。
また、本考案は、請求項2の記載によると、
一次ラミナ(41a〜41c、42a〜42c)を積層してなる二次ラミナ(41、42)を縦継ぎ又は/及び幅はぎしてなる集成材(40)において、
上記一次ラミナは、全ての部分に寸法安定化処理が施されており、
上記二次ラミナは、上記一次ラミナの木目の繊維方向が互いに交差するようにして接合した積層部分を有することを特徴とする。
上記構成によれば、集成材は、寸法安定化処理を施した一次ラミナ同士を積層して二次ラミナを構成し、この二次ラミナ同士を縦継ぎ又は/及び幅はぎして構成されている。
ここで、一次ラミナ同士の積層部分においては、一方の一次ラミナの木目の繊維方向と、これに積層される他方の一次ラミナの木目の繊維方向とが交差している。この結果、縦継ぎされた接合部位及び幅はぎされた接合部位においても一次ラミナの木目の繊維方向が交差した部分が生じる。
従来の集成材においては、上述のように、一次ラミナの含水率の変化による厚さ、幅及び長さ方向の寸法変化の程度が異なり、一次ラミナ同士の木目の繊維方向を揃えて接合しなければならない。例えば、幅方向と長さ方向を接合した場合には、接合時と異なる含水率に変化すると接合部位に歪が生じて剥がれることになる。
これに対して、上記構成による集成材においては、一次ラミナに寸法安定化処理が施された結果、一次ラミナの含水率の変化による厚さ、幅及び長さ方向の寸法変化がいずれも小さくなる。更に、厚さ、幅及び長さ方向の寸法変化の差も小さくなり、一次ラミナ同士の木目の繊維方向を交差して接合することができる。
このことにより、上記構成による集成材は、含水率の変化による反りや捩れなどの狂いが生じることがない。更に、この集成材を造作用に使用する場合には、木目の繊維方向が交差した接合部位を表面に露出することにより意匠性を高めることができる。
よって、請求項2に記載の考案によれば、ラミナの含水率の変化による寸法変化率が小さいのでラミナの木目の繊維方向を互いに交差して接合することができ、反りや捩れなどの狂いが生じることがなく、且つ、交差接合した部分の高い意匠性によって商品価値の高い集成材を提供することができる。
また、本考案は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載の集成材であって、
上記二次ラミナは、上記一次ラミナの木目の繊維方向が互いに直交するようにして接合した縦継ぎ部分或いは積層部分を有することを特徴とする。
上記構成によれば、一次ラミナ同士の木目の繊維方向が直交するようにして接合されている。このことにより、接合部位の強度が更に向上し、含水率の変化による反りや捩れなどの狂いが生じることがない。また、この集成材を造作用に使用する場合には、木目の繊維方向が直交しており意匠性を更に高めることができる。
よって、請求項3に記載の考案によれば、請求項1又は2に記載の考案と同様の作用効果をより一層達成することができる。
また、本考案は、請求項4の記載によると、請求項1〜3のいずれか1つに記載の集成材であって、
上記寸法安定化処理が施された上記一次ラミナは、含水時に対する乾燥時の寸法変化率の値が、厚さ、幅及び長さ方向のいずれにおいても2%以下であることを特徴とする。
上記構成によれば、寸法安定化処理が施された一次ラミナの含水時に対する乾燥時の寸法変化率の値を2%以下にすることが好ましい。このことにより、請求項4に記載の考案によれば、請求項1〜3のいずれか1つに記載の考案と同様の作用効果をより一層、具体的に達成することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する各実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
本考案に係る集成材の第1実施形態を示す斜視図である。 本考案に係る集成材の第2実施形態を示す斜視図である。 本考案に係る集成材の第3実施形態の構成を示す斜視図である。 本考案に係る集成材の第4実施形態の構成を示す斜視図である。
本考案において、一次ラミナにはどのような樹種を使用してもよく、通常の集成材と同様である。また、広葉樹や針葉樹などいずれであってもよく、例えば、スギ、ヒノキ、マツ、ラワンなどを使用してもよい。更に、表面の意匠性に優れたナラ、カバ、ケヤキ、チークなどを使用してもよい。
また、本考案において、一次ラミナの色彩或いは木目模様は、例えば、白手スギ、赤手スギ、源平スギ、ヒノキの自然のままの色彩或いは木目模様を活かすようにしてもよく、又は、任意の色相に染色してから使用してもよい。
また、一次ラミナのサイズも通常の集成材と同様でよいが、本考案においては寸法安定化処理が施されているので、使用する一次ラミナの幅を従来よりも広いものとすることができる。例えば、従来の一次ラミナの幅が25mm〜38mm程度であったものを本考案においては、110mm程度の広幅のものを使用することができる。このことにより、この広幅の木目を生かして意匠性の高い集成材を構成することができる。
また、本考案において、寸法安定化処理は、通常の木材加工で行われている方法を使用すればよく、例えば、グリオキザール系樹脂等の樹脂含浸処理、ホルマール化処理、アセチル化処理、ポリエチレングリコール等の充填処理などが使用される。
ここで、寸法安定化処理の効果は、一次ラミナの厚さ方向(柾目方向)、幅方向(板目方向)及び長さ方向(繊維方向)における寸法変化率の値で評価する。本考案において、この評価方法は、JIS−Z2103−57「木材の収縮率測定方法」に準拠して、当該方法にいうところの全収縮率(%)を採用する。
この評価方法において、一次ラミナの厚さ方向(柾目方向)、幅方向(板目方向)及び長さ方向(繊維方向)の各寸法変化率(全収縮率)の値が、いずれも2%以下であることが好ましい。各寸法変化率の値が2%以下である場合には、一次ラミナの厚さ、幅或いは長さ方向をそれぞれ組み合わせて接合しても接合部位の剥がれが生じることがない。
また、本考案において、一次ラミナ同士の縦継ぎは、従来の方法を使用すればよく、例えば、フィンガージョイント、バットジョイント、スカーフジョイントなどのジョイント法で接着剤を介して接合すればよい。ここで、接着剤には、ユリア樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、フェノール樹脂系或いは水性ビニルウレタン樹脂系などの木工用接着剤を使用することができる。
また、本考案において、二次ラミナ同士の幅はぎ或いは積層は、従来の方法を使用すればよく、例えば、通常の幅はぎプレス装置や積層プレス装置などを使用して上述の木工用接着剤を介して接着することができる。
以下、本考案に係る集成材を各実施形態により説明する。
(第1実施形態)
まず、乾燥処理を行ったスギ板材に寸法安定化処理を施した。本第1実施形態においては、グリオキサール系樹脂による樹脂含浸処理を行った。スギ板材を含浸装置に投入し、装置内を減圧した後、グリオキサール系樹脂(ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素)と反応触媒としての塩化マグネシウムを含有した処理液(有効成分25%)を装置内に導入加圧してスギ板材の内部に処理液を含浸した。その後、このスギ板材を乾燥した後、120℃で20分間熱処理してグリオキサール系樹脂を反応させた。
上記寸法安定化処理を施したスギ板材を所定寸法に成形して本第1実施形態を構成する一次ラミナを準備した。これらの一次ラミナの寸法変化率(全収縮率)の値を上述の収縮率測定方法(JIS−Z2103−57)に準拠して測定した。測定した寸法変化率の値は、厚さ方向(柾目方向)0.8%、幅方向(板目方向)1.6%、長さ方向(繊維方向)0.1%であった。
一方、本第1実施形態に係るグリオキサール系樹脂による樹脂含浸処理を行っていない未処理のスギ板材において、寸法変化率の値は、厚さ方向(柾目方向)4.0%、幅方向(板目方向)8.5%、長さ方向(繊維方向)0.8%であった。
次に、本第1実施形態に係る集成材を図面によって説明する。図1は、本第1実施形態に係る集成材10の斜視図である。集成材10は、単層の集成材の板材であって、3枚の二次ラミナ11、12、13から構成されている。これらの二次ラミナ11、12、13は、それぞれ、水性ビニルウレタン樹脂を介して幅はぎされて図示B方向(幅方向)に接合されている(図1参照)。
二次ラミナ11は、3枚の一次ラミナ11a、11b、11cから構成されており、これらの一次ラミナ11a、11b、11cは、それぞれ、縦継ぎされて図示A方向(長さ方向)に接合されている(図1参照)。
ここで、一次ラミナ11a、11cは、その木目の繊維方向を図示A方向(長さ方向)に平行にして配置されており、一方、一次ラミナ11bは、その木目の繊維方向を図示B方向(幅方向)に平行にして配置されている。従って、一次ラミナ11a、11cと一次ラミナ11bとは、互いに木目の繊維方向を直交させて接合されている。
一次ラミナ11aと一次ラミナ11bの接合部位14a、及び、一次ラミナ11cと一次ラミナ11bの接合部位14bは、いずれも水性ビニルウレタン樹脂を介してフィンガージョイントによって接合されている。二次ラミナ12及び二次ラミナ13の構成も、上記二次ラミナ11の構成と同様である。
このように構成した集成材10においては、各一次ラミナの木目の繊維方向が直交するように接合されているが、上述のように、各一次ラミナの寸法変化率の値は、いずれも2%以下と小さく、且つ、厚さ、幅及び長さ方向において同程度であることから、反りや捩れなどの狂いが生じることがない。
また、これら一次ラミナの木目の繊維方向が直交するように接合された部分の意匠性は高く、表面材として使用することができる。
よって、本第1実施形態においては、一次ラミナの含水率の変化による寸法変化率が小さいので一次ラミナの木目の繊維方向を互いに交差して接合することができ、反りや捩れなどの狂いが生じることがなく、且つ、交差接合した部分の高い意匠性によって商品価値の高い幅はぎされた集成材を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本考案に係る集成材の第2実施形態について説明する。本第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様にして寸法安定化処理を施したスギ板材を一次ラミナとして使用した。
図2は、本第2実施形態に係る集成材20の斜視図である。集成材20は、3層に積層された集成材であって、3枚の二次ラミナ21、22、23から構成されている。これらの二次ラミナ21、22、23は、それぞれ、水性ビニルウレタン樹脂を介して図示C方向(厚さ方向)に接合されている(図2参照)。
二次ラミナ21は、3枚の一次ラミナ21a、21b、21cから構成されており、これらの一次ラミナ21a、21b、21cは、それぞれ、縦継ぎされて図示A方向(長さ方向)に接合されている(図2参照)。
ここで、一次ラミナ21a、21cは、その木目の繊維方向を図示A方向(長さ方向)に平行にして配置されており、一方、一次ラミナ21bは、その木目の繊維方向を図示B方向(幅方向)に平行にして配置されている。従って、一次ラミナ21a、21cと一次ラミナ21bとは、互いに木目の繊維方向を直交させて接合されている。
一次ラミナ21aと一次ラミナ21bの接合部位24a、及び、一次ラミナ21cと一次ラミナ21bの接合部位24bは、いずれも水性ビニルウレタン樹脂を介してフィンガージョイントによって接合されている。二次ラミナ22及び二次ラミナ23の構成も、上記二次ラミナ21の構成と同様である。
このように構成した集成材20においては、各一次ラミナの木目の繊維方向が直交するように接合されているが、上述のように、各一次ラミナの寸法変化率の値は、いずれも2%以下と小さく、且つ、厚さ、幅及び長さ方向において同程度であることから、反りや捩れなどの狂いが生じることがない。
また、これら一次ラミナの木目の繊維方向が直交するように接合された部分の意匠性は高く、この部分が表面に現れるように使用することができる。
よって、本第2実施形態においては、一次ラミナの含水率の変化による寸法変化率が小さいので一次ラミナの木目の繊維方向を互いに交差して接合することができ、反りや捩れなどの狂いが生じることがなく、且つ、交差接合した部分の高い意匠性によって商品価値の高い積層された集成材を提供することができる。
(第3実施形態)
次に、本考案に係る集成材の第3実施形態について説明する。本第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様にして寸法安定化処理を施したスギ板材を一次ラミナとして使用した。
図3は、本第3実施形態に係る集成材30の構成を示す斜視図であって、集成材30は、単層の集成材30a及び単層の集成材30bを厚さ方向に2層に積層して構成されている。
単層の集成材30a、30bは、いずれも、上記第1実施形態の集成材と同様の構成をしている。また、これら単層の集成材30a、30bは、互いに、幅及び長さ方向を直交させるようにして配置されている。すなわち、図3において、集成材30aのA方向(長さ方向)と集成材30bのB´方向(幅方向)を平行に、一方、集成材30aのB方向(幅方向)と集成材30bのA´方向(長さ方向)を平行に配置されている。
このように配置された単層の集成材30a、30bは、水性ビニルウレタン樹脂を介して図示C方向(厚さ方向)に接合されている(図3参照)。
このように構成した集成材30においては、各一次ラミナの木目の繊維方向が直交するように接合されているが、上述のように、各一次ラミナの寸法変化率の値は、いずれも2%以下と小さく、且つ、厚さ、幅及び長さ方向において同程度であることから、反りや捩れなどの狂いが生じることがない。更に、単層の集成材30a、30bが厚さ方向に積層されているので、上記実施形態1に係る単層の集成材よりも更に強度、反りや捩れなどに強くなっている。
また、これら一次ラミナの木目の繊維方向が直交するように接合された部分の意匠性は高く、表面材として使用することができる。
よって、本第3実施形態においては、一次ラミナの含水率の変化による寸法変化率が小さいので一次ラミナの木目の繊維方向を互いに交差して接合することができ、反りや捩れなどの狂いが生じることがなく、且つ、交差接合した部分の高い意匠性によって商品価値の高い幅はぎ及び積層された集成材を提供することができる。
(第4実施形態)
次に、本考案に係る集成材の第4実施形態について説明する。本第4実施形態においても、上記第1実施形態と同様にして寸法安定化処理を施したスギ板材を一次ラミナとして使用した。
図4は、本第4実施形態に係る集成材40の構成を示す斜視図であって、集成材40は、それぞれ、一次ラミナが3層に積層された2枚の二次ラミナ41、42から構成されている。
二次ラミナ41は、3枚の一次ラミナ41a、41b、41cから構成されており、これらの一次ラミナ41a、41b、41cは、それぞれ、厚さ方向に水性ビニルウレタン樹脂を介して積層されている(図4参照)。
ここで、二次ラミナ41を構成する一次ラミナ41a、41b、41cのうち、一次ラミナ41a、41cは、その木目の繊維方向を図示A方向(長さ方向)に平行にして配置されており、一次ラミナ41bは、その木目の繊維方向を図示B方向(幅方向)に平行にして配置されている。従って、一次ラミナ41a、41cと一次ラミナ41bとは、互いに木目の繊維方向を直交させて接合されている(図4参照)。
一方、二次ラミナ42は、3枚の一次ラミナ42a、42b、42cから構成されており、これらの一次ラミナ42a、42b、42cは、それぞれ、厚さ方向に水性ビニルウレタン樹脂を介して積層されている(図4参照)。
ここで、二次ラミナ42を構成する一次ラミナ42a、42b、42cのうち、一次ラミナ42a、42cは、その木目の繊維方向を図示B方向(幅方向)に平行にして配置されており、一次ラミナ42bは、その木目の繊維方向を図示A方向(長さ方向)に平行にして配置されている。従って、一次ラミナ42a、42cと一次ラミナ42bとは、互いに木目の繊維方向を直交させて接合されている(図4参照)。
このようにして構成された二次ラミナ41と二次ラミナ42とは、接合部位43において、水性ビニルウレタン樹脂を介してフィンガージョイントによって縦継ぎされて図示A方向(長さ方向)に接合されている。この縦継ぎ部分においても、対向する一次ラミナ同士、41aと42a、41bと42b、41cと42cとは、それぞれ、木目の繊維方向が互いに直交するようにして組み合わされて接合されている(図4参照)。
このように構成した集成材40においては、各一次ラミナの木目の繊維方向が直交するように接合され、且つ、二次ラミナ同士の接合部位43においても、縦継ぎされた各一次ラミナ同士もまた木目の繊維方向が直交するように接合されている。しかし、上述のように、各一次ラミナの寸法変化率の値は、いずれも2%以下と小さく、且つ、厚さ、幅及び長さ方向において同程度であることから、反りや捩れなどの狂いが生じることがない。
また、これら一次ラミナ或いは二次ラミナ同士の木目の繊維方向が直交するように接合された部分の意匠性は高く、この部分が表面に現れるように使用することができる。
よって、本第4実施形態においては、一次ラミナの含水率の変化による寸法変化率が小さいので一次ラミナ或いは二次ラミナの木目の繊維方向を互いに交差して接合することができ、反りや捩れなどの狂いが生じることがなく、且つ、交差接合した部分の高い意匠性によって商品価値の高い積層及び縦継ぎされた集成材を提供することができる。
なお、本考案の実施にあたり、上記各実施形態に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記第1実施形態の単層の積層材に更に縦継ぎ及び幅はぎして延長し、例えば、厚さ12mm×幅1m×長さ3mのテーブルの天板として使用することができる。このような大きな単層の天板の場合、従来の無垢材の天板では40mm程度の厚さが必要であるが、この積層材では、12mm程度の厚さでよく、薄くて軽く寸法が狂うことがない。従って、天板として使用する場合でも置くだけでよく、店舗用カウンター或いはテーブル用天板として非常に有効である。
(2)上記各実施形態においては、一次ラミナの縦継ぎ部分の接合は、木目の繊維方向が直交するようにして接合するものであるが、これに限るものではなく、例えば、30度、45度、60度など角度を変化させて接合するようにしてもよい。このような組み合わせに変化を持たせることにより、組子細工のような高度な意匠性を発現することができる。この場合においても、一次ラミナ同士の含水率の変化による厚さ、幅及び長さ方向の寸法変化の程度が小さく且つ同程度であるので、一次ラミナ同士の木目の繊維方向の接合角度を変化させることができる。
(3)上記各実施形態においては、各一次ラミナの色彩については記載していないが、接合角度を変化させる各一次ラミナの色彩を任意に組み合わせることにより、組子細工のような高度な意匠性を発現することができる。
(4)上記各実施形態においては、各一次ラミナの樹種としてスギ材を用いたが、これに限るものではなく、例えば、ヒノキ材や歪の出やすいカラマツ材、ゴム材など様々な樹種を使用することができる。
(5)上記第2実施形態においては、縦継ぎしてなる二次ラミナを3枚積層するものであるが、これに限るものではなく、集成材を2枚或いは4枚以上積層するようにしてもよく、又は、縦継ぎしてなる集成材と無垢板とを任意枚数ずつ積層するようにしてもよい。
(6)上記第3実施形態においては、縦継ぎ及び幅はぎしてなる集成材を2枚積層するものであるが、これに限るものではなく、集成材を3枚以上積層してもよく、又は、縦継ぎ及び幅はぎしてなる集成材と無垢板とを任意枚数ずつ積層するようにしてもよい。
(7)上記第4実施形態においては、一次ラミナを積層してなる二次ラミナを2枚縦継ぎしてなる集成材であるが、これに限るものではなく、3枚以上縦継ぎするようにしてもよく、又は、積層してなる二次ラミナを複数枚幅はぎし、或いは、縦継ぎ及び幅はぎするようにしてもよい。
10、20、30、40…集成材、
11〜13、21〜23、41、42…二次ラミナ、
11a〜11c、21a〜21c、41a〜41c、42a〜42c…一次ラミナ、
14a、14b、24a、24b、43…接合部位。

Claims (4)

  1. 一次ラミナを縦継ぎしてなる二次ラミナを幅はぎ又は/及び積層してなる集成材において、
    前記一次ラミナは、全ての部分に寸法安定化処理が施されており、
    前記二次ラミナは、前記一次ラミナの木目の繊維方向が互いに交差するようにして接合した縦継ぎ部分を有することを特徴とする集成材。
  2. 一次ラミナを積層してなる二次ラミナを縦継ぎ又は/及び幅はぎしてなる集成材において、
    前記一次ラミナは、全ての部分に寸法安定化処理が施されており、
    前記二次ラミナは、前記一次ラミナの木目の繊維方向が互いに交差するようにして接合した積層部分を有することを特徴とする集成材。
  3. 前記二次ラミナは、前記一次ラミナの木目の繊維方向が互いに直交するようにして接合した縦継ぎ部分或いは積層部分を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の集成材。
  4. 前記寸法安定化処理が施された前記一次ラミナは、含水時に対する乾燥時の寸法変化率の値が、厚さ、幅及び長さ方向のいずれにおいても2%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の集成材。
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JP2013052518A (ja) * 2011-09-01 2013-03-21 Miki Riken Kogyo Kk 木質材料の処理方法、当該方法で処理された木質材料及びその用途
JP2021067155A (ja) * 2019-10-28 2021-04-30 株式会社ノダ 框組みドア

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