JP3185279U - 組子模様化粧単板 - Google Patents

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Abstract

【課題】美しい組子模様を表現し、安定量産に適し、且つ、実用的な分野で要求される物性を確保することのできる組子模様化粧単板を提供する。
【解決手段】複数の木製組子部品を組み付けて構成した組子2に対して、各木製組子部品が形成する組子の空隙部位の形状に適合する木製ピース部品3を当該空隙部位に嵌合・接着して組子模様ブロックとし、この組子模様ブロックを組子模様が表面に現れるようにして所定の厚みに挽板加工或いは切削加工することにより作製される。
【選択図】図7

Description

本考案は、組子模様を表現した化粧単板に関するものであり、特に建築内装材や家具などに広く使用できる組子模様化粧単板に関するものである。
和風建築の欄間や障子に使用される組子は、木材小片からなる複数の組子片を組み合わせて美しい組子模様を形成し、装飾品としての価値が高い。この組子は、木目や幾何学模様の美しさから実用的な分野に使用することが望まれている。特に、組子模様の美しさを壁材、床材などの建築内装材や実用家具などに組子模様化粧単板として利用できれば、その付加価値は大きなものとなる。
しかし、組子は、手工芸品でありその作製には高度な職人技と手間暇が掛かっている。一方、類似の工芸品として寄木細工がある。この寄木細工は、まず、木片を組み合わせて種板を造り、これらを接着し組み合わせてブロックとする。次に、このブロックを化粧面に沿ってスライスして、薄い化粧単板を多量に作製する。このようにして作製した薄い化粧単板を表面に貼りつけた小箱などの工芸土産品が広く知られている。
これに対して、組子は、1品生産の美術工芸品であり、これをスライスして多量に作製することができない。従って、安定量産が必要な建築内装材や実用家具などには、到底使用することができない。
このようなことから、下記特許文献1には、組子シートの製作方法が提案されている。この組子シートの製作方法においては、まず、組子本体を作製する。次に、この組子本体の上面に強化層形成材料を塗布して乾燥し強化層を形成する。そして、この組子本体の上面を強化層と共に薄くスライスして組子シートを作製するというものである。
特開2007−176151号公報
ところで、上記特許文献1の組子シートにおいては、1枚の組子シートを作製する度に、強化層の形成(塗布と乾燥)をしなければならず、安定量産には適していない。更に、このようにして作製した組子シートには、組子特有の空隙部分が多く、薄くスライスされることにより益々物性が弱くなり、壁材、床材などの建築内装材や実用家具などに利用することができない。
そこで、本考案は、以上のようなことに対処して、美しい組子模様を表現し、安定量産に適し、且つ、実用的な分野で要求される物性を確保することのできる組子模様化粧単板を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本考案者らは、鋭意研究の結果、木製の組子部品を組み付けた組子において、各組子部品の間に形成される空間に木製のピース部品を嵌め込むことにより、上記目的を達成できることを見出し本考案の完成に至った。
即ち、本考案に係る組子模様化粧単板は、請求項1の記載によると、
複数の木製組子部品を組み付けて構成した組子に対して、各木製組子部品が形成する組子の空隙部位の形状に適合する木製ピース部品を当該空隙部位に嵌合・接着して組子模様ブロックとし、この組子模様ブロックを組子模様が表面に現れるようにして所定の厚みに挽板加工或いは切削加工することにより作製される。
また、本考案は、請求項2の記載によると、請求項1に記載の組子模様化粧単板であって、
前記木製ピース部品を前記空隙部位に嵌合・接着するにあたり、各木製ピース部品の表面の木目模様の向きを変化させて組子模様を構成することを特徴とする。
また、本考案は、請求項3の記載によると、請求項1に記載の組子模様化粧単板であって、
前記木製ピース部品を前記空隙部位に嵌合・接着するにあたり、各木製ピース部品の表面の木目模様に複数の異なる模様を用いて組子模様を構成することを特徴とする。
また、本考案は、請求項4の記載によると、請求項1〜3のいずれか1つに記載の組子模様化粧単板であって、
前記木製ピース部品を前記空隙部位に嵌合・接着するにあたり、各木製ピース部品の表面の色彩に複数の異なる色彩を用いて組子模様を構成することを特徴とする。
また、本考案は、請求項5の記載によると、請求項1〜4のいずれか1つに記載の組子模様化粧単板であって、
前記木製組子部品及び前記木製ピース部品は、いずれも、寸法安定化処理のための樹脂含浸が施された木材片から作製されており、これらの木材片の寸法安定化処理が完結した段階においては、生材状態の高含水率の木材片を絶乾状態まで乾燥したときの体積の最大変化率の値が4%以下であり、且つ、厚さ、幅及び長さの3方向の寸法の最大変化率の値がいずれも3%以下であることを特徴とする。
上記構成によれば、組子模様化粧単板は、まず、複数の木製組子部品を組み付けて組子を構成する。この組子には、木製組子部品が形成する骨格部分と組子特有の空隙部分が形成される。この空隙部分にその形状に適合する木製ピース部品を嵌合・接着する。このようにして構成された組子模様ブロックを組子模様が表面に現れるようにして所定の厚みに挽板加工或いは切削加工することにより本考案に係る組子模様化粧単板が作製される。
この組子模様化粧単板には、美しい組子模様が形成されていると共に、組子特有の空隙部分に木製ピース部品が埋め込まれている。従って、所定の厚みに挽板加工或いは切削加工された状態でも、寄木細工のように空隙部位が無く、或いは、空隙部位が少なく実用的な強度を有している。
このようにして作製された組子模様化粧単板の表面には、各組子部品が形成する骨格模様に加え、木製ピース部品の表面の木目模様が加わり、美しい組子模様が形成される。
また、上記構成によれば、各木製ピース部品の表面の木目模様の向きに変化を加え、また、表面の木目模様に複数の異なる模様を用いるようにしてもよい。このことにより、更に複雑で美しい組子模様を形成することができる。
また、上記構成によれば、表面の色彩に複数の異なる色彩を用いるようにしてもよい。このことにより、組子模様化粧単板の表面には、木目模様の変化に色彩の変化が加わり、更に複雑で美しい組子模様を形成することができる。
また、上記構成によれば、木製組子部品及び木製ピース部品は、寸法安定化処理のための樹脂含浸が施された木材片から作製するようにしてもよい。このときの寸法安定性は、寸法安定化処理が完結した段階において、生材状態の高含水率の木材片を絶乾状態まで乾燥したときの体積の最大変化率の値が4%以下であることが好ましい。更に、厚さ、幅及び長さの3方向の寸法の最大変化率の値がいずれも3%以下であることが好ましい。木製組子部品及び木製ピース部品にこの程度の寸法安定化処理が施されていれば、その作用により組子模様化粧単板の表面が平滑となりデザイン性にも優れ、且つ、物性が更に向上する。
よって、本考案によれば、美しい組子模様を表現し、安定量産に適し、且つ、実用的な分野で要求される物性を確保することのできる組子模様化粧単板を提供することができる。
本考案に係る組子模様化粧単板の1実施例の表面の組子模様を示す写真である。 図1の実施例において木製組子部品を示す写真である。 図1の実施例において木製組子部品の組み付け段階1を示す工程写真である。 図1の実施例において木製組子部品の組み付け段階2を示す工程写真である。 図1の実施例において木製組子部品の組み付け完了を示す工程写真である。 図1の実施例において木製ピース部品とその組み付け段階1を示す工程写真である。 図1の実施例において木製ピース部品の組み付け段階2を示す工程写真である。 図1の実施例において木製ピース部品の組み付け段階3を示す工程写真である。 図1の実施例において木製組子部品と木製ピース部品との組み付け完了を示す工程写真である。
本考案において、組子模様とは、一般的な組子の模様(組子片が形成する骨格の幾何学模様)に加え、組子の形成する空間に嵌め込まれたピース部品(後述する)の表面に現れる木目模様や色彩などが加わった全体的な模様をいうものとする。
本考案において、組子模様化粧単板の出発材料として使用する木材片にはどのような樹種を使用してもよい。また、広葉樹や針葉樹などいずれであってもよく、例えば、スギ、ヒノキ、マツ、ラワンなどを使用してもよい。更に、木目模様の意匠性に優れたナラ、カバ、ケヤキ、チークなどを使用してもよい。なお、本考案においては、これらの樹種の中でも寸法安定化処理の効果が大きい、スギ、ヒノキ、チーク、マツを使用することが好ましい。
また、本考案において、木材片の色彩或いは木目模様は、例えば、スギ白手(辺材)、スギ赤手(芯材)、源平スギ、ヒノキの自然のままの色彩或いは木目模様を活かすようにしてもよく、又は、任意の色彩に染色してから使用してもよい。
また、本考案において、寸法安定化処理を行う場合には、通常の木材加工で行われている方法を使用すればよいが、樹脂含浸による処理を行うことが好ましい。なお、組子模様化粧単板を壁材、床材などの建築内装材や実用家具などに利用するので、木材片の寸法安定に加え表面の硬さが要求される場合には、例えば、グリオキザール系樹脂等による樹脂含浸処理が用いられる。
ここで、寸法安定化処理の効果は、生材状態の高含水率の木材片を絶乾状態まで乾燥したときの木材片の放射方向(柾目方向)、接線方向(板目方向)及び繊維方向における寸法の最大変化率の値で評価する。更に、本考案においては、放射方向(柾目方向)、接線方向(板目方向)及び繊維方向の各辺の寸法を乗じた体積の最大変化率の値でも評価する。
この評価方法において、木材片の放射方向(柾目方向)、接線方向(板目方向)及び繊維方向の各寸法の最大変化率の値が、いずれも3%以下であることが好ましい。また、体積の最大変化率の値が4%以下であることが好ましい。各寸法変化率の値が3%以下であり、且つ、体積の最大変化率の値が4%以下である場合には、木材片の厚さ、幅或いは長さ方向をそれぞれ組み合わせ、或いは、木目の繊維方向に対して任意の角度で組み合わせて接合しても接合部位のズレや剥がれが生じることがない。
本考案においては、まず、組子部品及びピース部品の出発材料となる木材片に樹脂含浸を行う。この樹脂含浸は、通常行われているように圧力容器内での減圧工程と加圧工程を組み合わせて行うことが好ましい。
次に、樹脂含浸した木材片から組子を構成する複数の組子部品を作製する。この段階では、木材片に含浸した樹脂は未硬化の状態にあり、木材片は生材状態にある。次に、作製した組子部品を組み付けて組子を作製する。作製された組子には、各組子部品による骨格が形成される。一方、この組子には、骨格以外の部分に複数の空隙が存在している。
次に、これらの空隙に嵌め込むための木製のピース部品を準備する。具体的には、各空隙の形状にそれぞれ適合する木製のピース部品を作製する。これらのピース部品は、組子部品と同じ木材片から作製するようにしてもよく、或いは、別の樹種からなる木材片から作製するようにしてもよい。なお、これらのピース部品も樹脂含浸された木材片から作製され、樹脂は未硬化の状態にあり、木材片は生材状態にある。
また、これらのピース部品には、その表面に固有の木目模様や色彩が現れるようにすることが好ましい。更に、これらのピース部品として複数の木材小片を張り合わせた寄木を使用するようにしてもよい。このように、木目模様や色彩、或いは、寄木模様がピース部品の表面に現れることにより、完成した組子模様がより複雑でより美しいものとなる。
次に、準備した木製のピース部品を組子の各空隙に嵌め込んで、組子部品の骨格に接着する。組子部品とピース部品との接着には、一般の木工用接着剤を使用することができるが、特に本考案においては、イソシアネート系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤などを使用することが好ましい。特にこれらの接着剤は、接着反応に高温処理を必要としないものを採用することがよく、組子部品とピース部品とが接着された段階においても、各部品に含浸した樹脂は未硬化の状態にあり、木材片は生材状態にあることが好ましい。
組子部品とピース部品との接着には、デザイン用ボックスプレスを使用することができる。このデザイン用ボックスプレスは、矩形状の枠体の前後左右(木口側と側面側)に複数のプレス器を装着したものであり、その内部に接着剤を塗布して仮組した組子部品とピース部品とを配置し、組子模様と寸法を確認しながらプレスして組子模様ブロックを作製する。このデザイン用ボックスプレスを使用することにより、高度な職人技を必要とせず、複雑な組子模様を設計図通りに構成することができる。
このようにして作製した組子模様ブロックには、その表面に組子部品の骨格模様とピース部品の表面の木目模様と色彩が組み合わされて、美しい組子模様が表現されている。デザイン用ボックスプレス内で組子模様ブロックをプレスした状態で、組子部品とピース部品との接着を完了する。デザイン用ボックスプレスから外された組子模様ブロックは、この段階においても含浸した樹脂は未硬化の状態にあり、木材片は生材状態にある。
次に、組子模様ブロックを組子模様が表面に現れるようにして所定の厚みに挽板加工、或いは、切削加工して、組子模様化粧単板を作製する。組子模様ブロックの挽板加工には、通常の帯鋸を使用すればよく、一方、切削加工には、通常の木材用スライサーを使用すればよい。
また、挽板加工する厚さは、使用目的により任意に選定すればよく、例えば、床材の表面に使用するときには、15mm〜1mm程度であってもよい。一方、切削加工する厚さは、使用目的により任意に選定すればよく、例えば、壁材の表面や家具の表面に使用するときには、5mm〜0.1mm程度であってもよい。
以下、本考案に係る組子模様化粧単板の実施例を作製工程に沿って図面により説明する。
本実施例においては、格子模様の組子を例にして説明する。図1は、本実施例に係る組子模様化粧単板の表面の組子模様を示す写真である。また、図2〜図9は、本実施例に係る組子模様化粧単板の各作製工程を示す各工程写真である。
まず、組子模様化粧単板を作製する前段階として、寸法安定化処理のための樹脂含浸が施された複数の木材片を準備する。本実施例においては、乾燥処理(キルンドライ)を行ったスギ板材にグリオキザール系樹脂による樹脂含浸処理を施した。
まず、スギ板材を含浸装置(圧力容器)に投入し、装置内を減圧した後、含浸用樹脂と反応触媒としての塩化マグネシウムを含有した処理液(有効成分25%)を装置内に導入加圧してスギ板材の内部に処理液を含浸した。なお、この段階では、樹脂の硬化処理(熱処理)は行っていない。
次に、上記樹脂含浸を施したスギ板材(樹脂は未硬化の状態にあり、木材片は生材状態にある)を所定寸法及び所定形状に成形して、組子部品(1a、1b)を作製した(図2参照)。本実施例においては、格子模様の組子を作製するので格子の縦桟(1a)及び横桟(1b)を複数本準備した。なお、これらの桟(1a、1b)には、それぞれ、切込みを設けた。切込みの深さは桟の高さの2分の1とし、切込みの幅は桟の幅と同じにした(図2参照)。
次に、準備した組子部品(1a、1b)を切込みに合わせて組み付けて格子模様の組子(2)を作製(仮組み)した(図3〜図5参照)。
次に、組子部品(1a、1b)を作製したものと同じ樹脂含浸を施したスギ板材(樹脂は未硬化の状態にあり、木材片は生材状態にある)を組子の空隙(格子の空間)の寸法及び形状に合わせて成形して、複数のピース部品(3)を作製した(図6参照)。
次に、組子(2)の格子の空間に各ピース部品(3)を組み付けて(図6〜図8参照)、組子(2)とピース部品(3)の仮組み付けを行った。ここで、組子部品(1a、1b)とピース部品(3)とで形成された組子模様を確認した(図9参照)。この状態から、4辺に突出した桟の端部を切り落として、組子模様ブロック(4)の仮組みが完了した。
ここで、組子模様ブロック(4)を一度解体し、組子部品(1a、1b)とピース部品(3)との接触面にイソシアネート系接着剤を塗布し、デザイン用ボックスプレス内で再度組み付けた。この状態で、組子模様と寸法を確認しながら4辺からプレスし、イソシアネート系接着剤の硬化を待って組子模様ブロック(4)を完成した。
この組子模様ブロック(4)の表面には、組子部品(1a、1b)が形成する格子模様、及び、各ピース部品(3)の表面の木目模様と色彩が現れている。本実施例においては、スギ白手(辺材)からなる格子模様に、スギ白手(辺材)及びスギ赤手(芯材)からなるピース部品(3)の木目模様と色彩が変化しながら配置されている(図9参照)。なお、本実施例においては、各ピース部品(3)の木目模様には柾目を用い、隣接する各ピース部品(3)の柾目の方向がそれぞれ交差するように配置されている(図9参照)。
この状態の組子模様ブロック(4)においては、組子部品(1a、1b)とピース部品(3)との接着はイソシアネート系接着剤の硬化によって完了しているが、各部品に含浸された樹脂の硬化は未だ完結しておらず、各部品は樹脂と水分(樹脂の水溶液)を含んだ生材状態にある。
次に、この組子模様ブロック(4)から単板を作製する。本実施例においては、組子模様ブロックを木材用スライサーによる切削加工で薄くスライスして、表面に組子模様の現れた単板を得た。上述のように、組子模様ブロック(4)は、各部品がイソシアネート系接着剤により強固に接着されて、1片の木材板の状態にある。
一方、各部品は、上述のように、樹脂の硬化は未だ完結しておらず生材状態にある。この状態であることにより、各部品は木材の柔軟性を維持しており、スライサーによる切削加工において、組子模様が歪み、或いは、破壊されることがない。
このように、組子模様の美しさを維持した状態で薄くスライスされた単板は、ここで、内部に含浸された樹脂を硬化させる。具体的には、3mm厚さにスライスした単板を乾燥した後、120℃で3分間熱処理して含浸用樹脂の反応を完結して樹脂を硬化させた。本実施例においては、グリオキザール系樹脂が含浸されており、当該樹脂の硬化反応により、単板に乾燥及び熱処理を行っても、その寸法と形状が変化することがない。このようにして、組子模様化粧単板(5)を得た(図1参照)。
この組子模様化粧単板(5)の表面には、スギ白手(辺材)からなる美しい格子模様が現れている。一方、この格子模様の空間には、スギ白手(辺材)及びスギ赤手(芯材)からなるピース部品が互いに柾目を交差するように配列し、木目模様と色彩が変化して美しい組子模様が表現されている(図1参照)。
なお、この状態においては、組子模様化粧単板(5)は、内部で樹脂が硬化した状態にあり、寸法安定性と共に表面強度が良好でとなっている。
ここで、本実施例に係る組子模様化粧単板の実用性(寸法安定性)を評価した。以下、評価方法及び評価結果について説明する。
収縮率試験(寸法安定性の評価):
厚さ3mmにスライスした組子模様化粧単板を試験片とした。含水率の変化に対する寸法安定性の評価は、試験片の厚さ方向、幅方向及び長さ方向(上述の放射方向、接線方向及び繊維方向に対応)における寸法の最大変化率(収縮率)の値で評価した。更に、上述の体積の最大変化率の値でも評価した。
この方法で評価した結果、組子模様化粧単板の厚さ方向、幅方向及び長さ方向の各寸法の最大変化率(収縮率)の値が、いずれも3%以下であった。また、体積の最大変化率の値が4%以下であった。寸法の最大変化率の値が3%以下であり、且つ、体積の最大変化率の値が4%以下である場合には、含水率の変化によって組子模様化粧単板に反りや捩れなどの狂いが生じることがなく、また、組子模様化粧単板を基材に接着剤を介して複合した壁材や床材が基材から剥がれることがないので壁材や床材などとして良好である。
以上、説明したように、本考案によれば、美しい組子模様を表現し、安定量産に適し、且つ、実用的な分野で要求される物性を確保することのできる組子模様化粧単板を提供することができる。
なお、本考案の実施にあたり、上記実施例に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記実施例においては、格子模様の組子を骨格とするものであるが、これに限るものではなく、より複雑な形状の組子を骨格として組子模様化粧単板を作製するようにしてもよい。
(2)上記実施例においては、ピース部品の配列は柾目の方向を交差させて配置するものであるが、これに限るものではなく、異なる木目模様のピース部品、或いは、異なる色彩のピース部品を変化させながら配置するようにしてもよい。
(3)上記実施例においては、ピース部品の配列は柾目の方向を交差させて配置するものであるが、これに限るものではなく、寄木細工をピース部品に用いて、その表面模様の変化を現わすようにしてもよい。
(4)上記実施例においては、組子模様ブロックを木材用スライサーによる切削加工で薄くスライスするものであるが、これに限るものではなく、より厚く挽板加工するようにしてもよい。
(5)上記実施例においては、組子模様化粧単板の出発材料として使用する木材片としてスギ材を用いたが、これに限るものではなく、例えば、ヒノキ材、チーク材、マツ材など様々な樹種を使用することができる。
1a、1b…組子部品、2…組子、3…ピース部品、4…組子模様ブロック、
5…組子模様化粧単板。

Claims (5)

  1. 複数の木製組子部品を組み付けて構成した組子に対して、各木製組子部品が形成する組子の空隙部位の形状に適合する木製ピース部品を当該空隙部位に嵌合・接着して組子模様ブロックとし、この組子模様ブロックを組子模様が表面に現れるようにして所定の厚みに挽板加工或いは切削加工することにより作製されてなる組子模様化粧単板。
  2. 前記木製ピース部品を前記空隙部位に嵌合・接着するにあたり、各木製ピース部品の表面の木目模様の向きを変化させて組子模様を構成することを特徴とする請求項1に記載の組子模様化粧単板。
  3. 前記木製ピース部品を前記空隙部位に嵌合・接着するにあたり、各木製ピース部品の表面の木目模様に複数の異なる模様を用いて組子模様を構成することを特徴とする請求項1に記載の組子模様化粧単板。
  4. 前記木製ピース部品を前記空隙部位に嵌合・接着するにあたり、各木製ピース部品の表面の色彩に複数の異なる色彩を用いて組子模様を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の組子模様化粧単板。
  5. 前記木製組子部品及び前記木製ピース部品は、いずれも、寸法安定化処理のための樹脂含浸が施された木材片から作製されており、これらの木材片の寸法安定化処理が完結した段階においては、生材状態の高含水率の木材片を絶乾状態まで乾燥したときの体積の最大変化率の値が4%以下であり、且つ、厚さ、幅及び長さの3方向の寸法の最大変化率の値がいずれも3%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の組子模様化粧単板。
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JP2015189061A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 朝雄 島崎 木質化粧薄板積層シート及びその製造方法

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