JP2015189061A - 木質化粧薄板積層シート及びその製造方法 - Google Patents

木質化粧薄板積層シート及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015189061A
JP2015189061A JP2014067517A JP2014067517A JP2015189061A JP 2015189061 A JP2015189061 A JP 2015189061A JP 2014067517 A JP2014067517 A JP 2014067517A JP 2014067517 A JP2014067517 A JP 2014067517A JP 2015189061 A JP2015189061 A JP 2015189061A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wooden
pattern
sheet
thin plate
decorative thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014067517A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6253148B2 (ja
Inventor
伊藤 健
Takeshi Ito
健 伊藤
朝雄 島崎
Asao Shimazaki
朝雄 島崎
武晴 砂川
Takeharu Sunakawa
武晴 砂川
貴章 平口
Takaaki Hiraguchi
貴章 平口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sunagawa Shoten Co Ltd
Original Assignee
Sunagawa Shoten Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sunagawa Shoten Co Ltd filed Critical Sunagawa Shoten Co Ltd
Priority to JP2014067517A priority Critical patent/JP6253148B2/ja
Publication of JP2015189061A publication Critical patent/JP2015189061A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6253148B2 publication Critical patent/JP6253148B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Finishing Walls (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Finished Plywoods (AREA)

Abstract

【課題】優れた意匠性を有する木質化粧薄板を表面材として利用して不燃材料に積層した場合でも、木質感、ナチュラル感、高級感を有すると共に、実用的な物性を確保し、隙間や剥離が生じることがなく、且つ、施工後にも高度な防燃性を有する木質化粧薄板積層シート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表面に装飾加工が施されてなる木質化粧薄板の裏面にガラスクロスが積層接着され、当該ガラスクロスにアルミニウムシートが積層接着されてなり、積層後の総厚を1mm以下とする。このようにした木質化粧薄板積層シートは、ISO5560−1に準拠して測定したコーンカロリーメータによる発熱性試験において、不燃材料又は準不燃材料の基準に適合することもできる。
【選択図】図3

Description

本発明は、表面に装飾加工が施された木質化粧薄板を表面材として不燃材料に積層し、且つ、施工後にも高度な防燃性を有する木質化粧薄板積層シートに関するものである。
今日では、天然木資源、特に銘木資源の枯渇により、無垢板材に代わってこれらをツキ板にした木質化粧薄板が、木質感、ナチュラル感、高級感を演出する素材として広く使用されている。また、銘木からなるツキ板だけではなく、表面変化による高級感を更に演出する素材として、種々の木質材料を組み合わせて表面に切削加工などで立体模様を施した木質化粧薄板や、寄木模様や組子模様などの幾何学模様を再現した模様ブロックをツキ板にした木質化粧薄板も開発されている。
これらの木質感、ナチュラル感、高級感を演出する木質化粧薄板の用途としては、例えば、天井表面材、壁面材、柱被覆材などの建築内装材、自動車や船舶の内装製品の表面材、箪笥等の家具の外面化粧材、並びに、電気製品や楽器の外面化粧材などが挙げられる。これらの用途においては、安全性の観点から防燃性の施された木質化粧薄板の開発が行われてきた。例えば、下記特許文献1においては、防燃性銘木化粧シートが提案されている。この防燃性銘木化粧シートは、銘木単板/紙・不織布/金属箔/紙・不織布の各層が接着性樹脂層を介して一体に圧着成形されており、この接着性樹脂層には、難燃剤が含有されている。
また、特に需要の大きな建築内装材の分野においては、建築基準法に従った不燃性、準不燃性の木質化粧薄板の開発も進められている。例えば、下記特許文献2においては、化粧不燃材が提案されている。この化粧不燃材は、所定の基材の上に不燃性シートを介して化粧単板が被覆されている。この不燃性シートはアルミニウム箔及び繊維質シートからなり、繊維質シートには紙又は不織布が使用されている。
特開平06−115008号公報 特開2007−144655号公報
ところで、上記特許文献1の防燃性銘木化粧シートにおいては、接着性樹脂層に難燃剤が含有されているものの、銘木単板や紙・不織布には難燃剤を付与しておらず、その防燃性は十分なものではない。また、銘木単板や紙・不織布に難燃剤を付与したとしても、木質部の厚みが0.3mm以上になると、その防燃性は不十分なものとなる。一方、上記特許文献2の不燃性シートにおいては、現在の建築基準法に適合する性能を有するとされる。しかし、使用される化粧単板としては、銘木より加工された挽板又はツキ板をそのまま使用するものであり、防燃化処理や寸法安定化処理が成されていない。
このような化粧単板をアルミニウム箔及び繊維質シートからなる不燃性シートを介して基材の上に被覆した場合、木質材からなる化粧単板と金属シートであるアルミニウム箔との間で接着部分に歪が生じることとなる。すなわち、吸湿乾燥による含水率の変化や気温の変化による膨張収縮差などから、化粧単板と金属シートとの間で隙間が発生し剥離が生じるなどの不具合が起こるという問題がある。
また、表面に高い意匠性を施した木質化粧薄板、すなわち、上述の切削加工などの立体的意匠を施した木質化粧薄板や、寄木模様又は組子模様を再現した模様ブロックをツキ板にした木質化粧薄板においては、これらの不具合が特に起こり易いという問題がある。
例えば、表面に切削加工を施した木質化粧薄板を金属シートと積層して建築内装材などに利用する場合、薄板化するための切削加工の際に割れやすく、また、含水率の変化に対する寸法安定性が低く、反りや捩れなどの狂いが発生して木質化粧薄板の割れ、木質化粧薄板と金属シートとの剥がれとなって現れる。また、寄木模様や組子模様などの幾何学模様を再現した木質化粧薄板を金属シートと積層して建築内装材などに利用する場合、この木質化粧薄板に要求される物性は従来の工芸的なレベルでは不十分である。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、切削加工による立体模様、組子模様や寄木模様などの幾何学模様など、優れた意匠性を有する木質化粧薄板を表面材として利用して不燃材料に積層した場合でも、木質感、ナチュラル感、高級感を有すると共に、実用的な物性を確保し、隙間や剥離が生じることがなく、且つ、施工後にも高度な防燃性を有する木質化粧薄板積層シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、切削加工による立体模様、組子や寄木などの幾何学模様を構成する木質化粧薄板に防燃化処理と共に寸法安定化処理を施すことにより、また、木質化粧薄板と金属シートとの間にガラスクロスを挟んで積層することにより、上記目的を達成できることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明に係る木質化粧薄板積層シートは、請求項1の記載によると、
防燃化処理及び寸法安定化処理を施した木質材料から作製され表面に装飾加工が施されてなる木質化粧薄板の裏面にガラスクロスが積層接着され、当該ガラスクロスにアルミニウムシートが積層接着されてなり、総厚が1mm以下である。
また、本発明は、請求項2の記載によると、請求項1に記載の木質化粧薄板積層シートであって、
ISO5560−1に準拠して測定したコーンカロリーメータによる発熱性試験において、不燃材料又は準不燃材料の基準に適合することを特徴とする。
また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載の木質化粧薄板積層シートであって、
前記木質化粧薄板は、少なくとも2枚以上の薄単板を積層接着し、その表面層の薄単板側から中間層又は裏面層の薄単板に至ると共に、当該裏面層の薄単板を超えない深度で切削加工された切削部位を有しており、
当該切削部位により前記木質化粧薄板の表面に装飾加工が施されてなることを特徴とする。
また、本発明は、請求項4の記載によると、請求項1又は2に記載の木質化粧薄板積層シートであって、
前記木質化粧薄板は、複数の木製部品を組み合わせて形成した幾何学模様が表面に現れるように形成した模様ブロックをその模様が表面に現れるようにして所定の厚さに剥削加工して薄板化しており、
当該模様ブロックの模様により前記木質化粧薄板の表面に装飾加工が施されてなることを特徴とする。
また、本発明は、請求項5の記載によると、請求項4に記載の木質化粧薄板積層シートであって、
前記幾何学模様は、寄木模様又は組子模様であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項6の記載によると、請求項1〜5のいずれか1つに記載の木質化粧薄板積層シートであって、
前記防燃化処理に使用する薬剤は、ホウ酸系防燃剤、リン酸系防燃剤、及び、これらを配合した防燃剤であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項7の記載によると、請求項1〜6のいずれか1つに記載の木質化粧薄板積層シートであって、
前記寸法安定化処理に使用する薬剤は、
環状尿素化合物とグリオキサールとの付加生成物からなる第1成分と、
4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン或いはその誘導体からなる第2成分と、
必要によりグリコール類からなる第3成分とを含有してなることを特徴とする。
また、本発明に係る木質化粧薄板積層シートの製造方法は、請求項8の記載によると、
表面に装飾加工が施されてなる木質化粧薄板を表面材とする木質化粧薄板積層シートの製造方法であって、
前記木質化粧薄板を構成する木質材料に防燃化処理用薬剤及び寸法安定化処理用薬剤を含浸する薬剤含浸工程と、
前記寸法安定化処理用薬剤が未反応の状態で前記木質材料を加工して前記木質化粧薄板を成形する化粧薄板成形工程と、
薄板成形後に当該寸法安定化処理用薬剤を反応硬化させて前記木質化粧薄板の寸法安定化処理を完結する薬剤反応工程と、
前記木質化粧薄板の裏面にガラスクロス及びアルミニウムシートからなる複合シートを総厚が1mm以下となるように積層接着する積層工程とを有することを特徴とする。
また、本発明は、請求項9の記載によると、請求項8に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法であって、
前記薬剤反応工程と積層工程とを熱圧処理により同時に行うことを特徴とする。
また、本発明は、請求項10の記載によると、請求項8又は9に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法であって、
前記化粧薄板成形工程において、少なくとも2枚以上の薄単板を積層接着し、その表面層の薄単板側から中間層又は裏面層の薄単板に至ると共に、当該裏面層の薄単板を超えない深度で切削加工された切削部位を有する木質化粧薄板を成形することを特徴とする。
また、本発明は、請求項11の記載によると、請求項8又は9に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法であって、
前記化粧薄板成形工程において、複数の木製部品を組み合わせて形成した幾何学模様が表面に現れるように形成した模様ブロックをその模様が表面に現れるようにして所定の厚さに剥削加工して木質化粧薄板を成形することを特徴とする。
また、本発明は、請求項12の記載によると、請求項11に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法であって、
前記幾何学模様は、寄木模様又は組子模様であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項13の記載によると、請求項8〜12のいずれか1つに記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法であって、
前記薬剤含浸工程において、前記防燃化処理用薬剤は、ホウ酸系防燃剤、リン酸系防燃剤、及び、これらを配合した防燃剤であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項14の記載によると、請求項8〜13のいずれか1つに記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法であって、
前記薬剤含浸工程において、前記寸法安定化処理用薬剤は、
環状尿素化合物とグリオキサールとの付加生成物からなる第1成分と、
4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン或いはその誘導体からなる第2成分と、
必要によりグリコール類からなる第3成分とを含有してなることを特徴とする。
また、本発明は、請求項15の記載によると、請求項14に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法であって、
前記第1成分は、2−イミダゾリジノンとグリオキサールとの付加生成物からなり、2−イミダゾリジノン1モルに対してグリオキサールを0.9モル〜1.2モル付加してなることを特徴とする。
また、本発明は、請求項16の記載によると、請求項14又は15に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法であって、
前記第2成分は、1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ビス(ヒドロキシエチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンからなる群から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする。
上記構成によれば、本発明に係る木質化粧薄板積層シートにおいては、表面に装飾加工が施された木質化粧薄板の裏面にガラスクロスが積層接着され、このガラスクロスにはアルミニウムシートが積層接着されている。この木質化粧薄板の表面の装飾加工により、木質化粧薄板積層シートは意匠性に優れ、木質感、ナチュラル感、高級感を有している。
この木質化粧薄板は寸法安定化処理を施した木質材料から作製されている。また、木質化粧薄板とアルミニウムシートとの間にはガラスクロスが積層接着されている。このことにより、吸湿乾燥による含水率の変化や気温の変化による膨張収縮差などから、木質化粧薄板とアルミニウムシートとの間で隙間が発生し剥離が生じるなどの不具合が起こることがない。
また、木質化粧薄板に積層接着されたガラスクロス及びアルミニウムシートは不燃材であり、木質化粧薄板自体も防燃化処理を施した木質材料から作製されている。更に、木質化粧薄板積層シートの総厚が1mm以下と薄いことにより、木質化粧薄板積層シートは施工後にも高度な防燃性を有している。また、構成条件によっては、木質化粧薄板積層シートは、ISO5560−1に準拠して測定したコーンカロリーメータによる発熱性試験において、不燃材料又は準不燃材料の基準に適合することもできる。
また、上記構成によれば、木質化粧薄板は、少なくとも2枚以上の薄単板を積層接着して表面層の側から切削加工が施されている。この切削加工は、表面層の薄単板側から中間層又は裏面層の薄単板に至るような深度を有している。このことにより、木質化粧薄板積層シートの表面には立体模様が施され、表面変化による高級感を更に演出することができる。
また、上記構成によれば、木質化粧薄板は、複数の木製部品を組み合わせて形成した幾何学模様が表面に現れるようにして剥削加工により薄板化されている。この幾何学模様により、木質化粧薄板積層シートは表面変化による高級感を更に演出することができる。なお、上記構成によれば、これらの幾何学模様には寄木模様や組子模様を表現するようにしてもよい。
また、上記構成によれば、木質化粧薄板の防燃化処理には、ホウ酸系防燃剤、リン酸系防燃剤、及び、これらを配合した防燃剤を使用するようにしてもよい。このことにより、木質化粧薄板自体も防燃化され、木質化粧薄板積層シートが高度な防燃性を有する。また、構成条件によっては、建築基準法に従った不燃材料又は準不燃材料の基準に適合することができる。
また、上記構成によれば、木質化粧薄板の寸法安定化処理には、環状尿素化合物とグリオキサールとの付加生成物からなる第1成分と、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン或いはその誘導体からなる第2成分と、必要によりグリコール類からなる第3成分とを含有する薬剤を使用するようにしてもよい。このことにより、木質化粧薄板の寸法安定性が向上し、吸湿乾燥による含水率の変化や気温の変化による膨張収縮差などから、木質化粧薄板とガラスクロス及びアルミニウムシートからなる複合シートとの間で隙間が発生し剥離が生じるなどの不具合が起こることがない。
また、上記構成によれば、本発明に係る木質化粧薄板積層シートの製造方法は、薬剤含浸工程、化粧薄板成形工程、薬剤反応工程及び積層工程を有している。まず、薬剤含浸工程においては、木質材料の内部に防燃化処理用薬剤及び寸法安定化処理用薬剤を充填する。但し、この時点では寸法安定化処理用薬剤は反応硬化していない。次に、化粧薄板成形工程においては、寸法安定化処理用薬剤が未反応の状態で木質材料を加工して木質化粧薄板を成形する。次に、薬剤反応工程においては、木質化粧薄板の状態で寸法安定化処理用薬剤を反応硬化させて寸法安定化処理を完結する。最後に、積層工程において、木質化粧薄板とガラスクロス及びアルミニウムシートからなる複合シートとを積層接着する。このとき、木質化粧薄板とガラスクロスとアルミニウムシートとの総厚が1mm以下となるようにする。
このような工程で木質化粧薄板積層シートを製造するので、完成した木質化粧薄板積層シートにおいては、吸湿乾燥による含水率の変化や気温の変化による膨張収縮差などから木質化粧薄板とガラスクロス及びアルミニウムシートからなる複合シートとの間で隙間が発生し剥離が生じるなどの不具合が起こることがない。また、このようにして製造した木質化粧薄板積層シートは施工後にも高度な防燃性を有している。更に、構成条件によっては、この木質化粧薄板積層シートは、ISO5560−1に準拠して測定したコーンカロリーメータによる発熱性試験において、不燃材料又は準不燃材料の基準に適合することもできる。
なお、上記構成によれば、薬剤反応工程と積層工程とを熱圧処理により同時に行うようにしてもよい。このことにより、製造法廷が短縮化されより効率的に木質化粧薄板積層シートを製造することができる。
よって、本発明によれば、切削加工による立体模様、組子模様や寄木模様などの幾何学模様など、優れた意匠性を有する木質化粧薄板を表面材として利用して不燃材料に積層した場合でも、木質感、ナチュラル感、高級感を有すると共に、実用的な物性を確保し、隙間や剥離が生じることがなく、且つ、施工後にも高度な防燃性を有する木質化粧薄板積層シート及びその製造方法を提供することができる。
実施例1において木質化粧薄板の成形過程を示す図である。 実施例1において複合シートの成形過程を示す図である。 実施例1において木質化粧薄板と複合シートからなる木質化粧薄板積層シートの成形過程を示す図である。 実施例2において木質化粧薄板積層シートを示す平面図である。 図4において、X−X´線に沿った横断面図である。 実施例3において寄木模様木質化粧薄板の成形の第1段階を示す図である。 実施例3において寄木模様木質化粧薄板の成形の第2段階を示す図である。 実施例3において寄木模様木質化粧薄板の成形の最終段階を示す図である。 実施例4において組子模様木質化粧薄板の表面を示す写真である。 実施例4において木製組子部品を示す写真である。 実施例4において木製組子部品の組み付けの第1段階を示す工程写真である。 実施例4において木製組子部品の組み付けの第2段階を示す工程写真である。 実施例4において木製組子部品の組み付けの最終段階を示す工程写真である。 実施例4において木製ピース部品とその組み付けの第1段階を示す工程写真である。 実施例4において木製ピース部品の組み付けの第2段階を示す工程写真である。 実施例4において木製ピース部品の組み付けの第3段階を示す工程写真である。 実施例4において木製組子部品と木製ピース部品との組み付けの完了を示す工程写真である。
一般に耐火性の基準として、「不燃・準不燃・難燃」という用語が使用される。そこで、本発明においては、「不燃・準不燃・難燃」を包含する場合には「防燃」という用語を使用する。本発明に係る木質化粧薄板積層シートは、施工後にも高度な防燃性を有している。また、構成条件によっては、不燃材料又は準不燃材料の基準に適合することもできる。2000年改正の建築基準法においては、不燃材料及び準不燃材料を次のように定義する。まず、不燃材料とは、ISO5560−1に規定されたコーンカロリーメータによる発熱性試験において、加熱時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下のものをいう。また、準不燃材料とは、同じ発熱性試験において、加熱時間10分間の総発熱量が8MJ/m2以下のものをいう。
本発明において、木質化粧薄板積層シートの表面には、木質化粧薄板が積層されている。この木質化粧薄板の出発材料として使用する木質材料にはどのような樹種を使用してもよい。また、広葉樹や針葉樹などいずれであってもよく、例えば、スギ、ヒノキ、マツ、ラワン、マホガニー、ブビンガ、ゼブラウッドなどを使用してもよい。更に、木目模様の意匠性に優れたナラ、カバ、ケヤキ、チークなどを使用してもよい。
なお、本発明においては、これらの樹種の中でも寸法安定化処理の効果が大きく発揮される、スギ、ヒノキ、チーク、マツを使用することが好ましい。これらの樹種を使用した場合には、本発明に係る寸法安定化処理用薬剤の充填効果により、生材状態の高含水率の木質材料を絶乾状態まで乾燥したときの寸法の最大変化率の値が3%以下となり、且つ、体積の最大変化率の値が4%以下という高度の寸法安定性を発現することができる。
また、本発明において、木質材料の色彩或いは木目模様は、例えば、スギ白手(辺材)、スギ赤手(芯材)、源平スギ、ヒノキの自然のままの色彩或いは木目模様を活かすようにしてもよく、又は、任意の色彩に染色してから使用してもよい。
ここで、色彩とは、木質材料が表す色のとりあわせ、色どり、色あいのことをいい、色相、彩度、明度などが異なり、意匠性に変化をもたらすものをいう。また、本発明においては、漂白処理による白色も色彩に含めるものである。従って、天然木を自然の色彩のまま使用してもよく、又は、染色工程或いは漂白工程により任意の色彩に加工するようにしてもよい。
本発明において、上記木質材料を加工して成形された木質化粧薄板の表面は、切削加工による立体模様、組子模様や寄木模様などの幾何学模様など、優れた意匠性を有している。
まず、切削加工による立体模様について説明する。これらの立体模様を有する木質化粧薄板は、少なくとも2枚以上の薄単板が積層接着されている。木質化粧薄板が2枚の薄単板で構成されている場合には、表面層と裏面層の各薄単板が積層接着されている。また、木質化粧薄板が3枚以上の薄単板で構成されている場合には、表面層、中間層及び裏面層の薄単板が積層接着されている。また、この積層接着された薄単板の表面層の側から中間層又は裏面層の薄単板に向けて、意匠性を有するように部分的な切削加工が施されている。
更に、この切削加工は、表面層から中間層又は裏面層に至ると共に、裏面層の薄単板を貫通しない深度で施されることが好ましい。このような切削加工が施されることにより、切削加工された部分から中間層又は裏面層の薄単板の色彩或いは木目模様が現れ、切削加工されていない部分の表面層の薄単板の色彩或いは木目模様との組み合わせによる立体模様が表現されている。
このような木質化粧薄板を構成する表面層、中間層及び裏面層の各薄単板は、どのような方法で作製してもよいが、例えば、ロータリーレース或いはスライサーなどの剥削装置を用いて任意の厚さにスライスした薄単板を使用することが好ましい。これらの薄単板の厚さは任意でよいが、表面層の薄単板の厚さは中間層或いは裏面層の薄単板よりも薄く構成する。いずれにしても、表面層、中間層及び裏面層の総厚が1mm以下であることが好ましい。
また、表面層、中間層及び裏面層の各薄単板は、同様の樹種で色彩、厚さ、木目の繊維方向、板目と柾目などを変化させるようにしてもよい。又は、異なる樹種、色彩、厚さ、木目の繊維方向、板目と柾目などを組み合わせるようにしてもよい。このことにより、立体的模様に更に変化のある木質化粧薄板を構成することができる。
また、木質化粧薄板の切削加工おいて、表面層の側から中間層或いは裏面層に至る切削部位の切削手段は、NCルータやCAM(Computer Aided Manufacturing)などを使用した通常の木材切削装置を使用すればよい。これらの切削条件は任意に設定すればよいが、例えば、切削部位の模様、線や溝の幅と長さ及び切削深度により各切削条件を設定することができる。
ここで、切削部位の模様としては、市松模様、飛島模様、なぐり模様、うずくり模様、かまくら模様、帯鋸目模様、丸鋸目模様、水玉模様、縦ストライプ、横ストライプなどがある。
次に、組子模様や寄木模様などの幾何学模様について説明する。これらの幾何学模様を有する木質化粧薄板は、幾何学模様が表面に現れるように形成した模様ブロックを所定の厚さに剥削加工して薄板化する。この模様ブロックは、上記木質材料から作製した複数の木製部品を組み合わせて形成されている。
また、この幾何学模様は、主に組子模様や寄木模様などから構成される。ここで、組子模様とは、一般的な組子の模様である組子片(本発明においては「木製組子部品」という)が形成する幾何学模様に加え、この幾何学模様の空間部分に嵌め込まれた木製ピース部品(後述する)の表面に現れる木目模様や色彩などを含めた全体的な模様をいうものとする。従って、木製組子部品が形成する幾何学模様の空間部分に寄木から作製した木製ピース部品を嵌め込んで、寄木模様を加えたものも組子模様という。一方、本発明において、寄木模様とは、一般的な寄木技法で作られた、縞(シマ)、市松、紗綾型(サヤガタ)、麻の葉、マス、矢羽根、青海波(セイカイハ)など日本の伝統文様に加え新作模様も含めたものをいう。
一方、本発明において、立体模様を有する木質化粧薄板を構成する各薄単板や、組子模様或いは寄木模様などの幾何学模様を形成する木製組子部品、木製ピース部品或いは木製寄木部品などの各木製部品を接着する接着用樹脂には、通常の木材加工で使用される木工用接着剤を使用することができる。例えば、ユリア樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、イソシアネート系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤などを挙げることができる。
特に、本発明においては、接着反応に高温処理を必要としないものを採用することがよく、各薄単板や各木製部品が接着された段階においても、これらに含浸した寸法安定化処理用薬剤が未反応の状態にあり硬化していないことが好ましい(理由は後述する)。更に、本発明においては、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料は、処理液を含浸して生材状態にあるので水分を多く含有する。そこで、被接着物が水分を多く含有している場合でも、湿潤面の接着に優れる接着剤を選定することが好ましい。このことから、本発明においては、上記イソシアネート系接着剤であるウレタン樹脂接着剤を使用することが好ましい。
一般に、ウレタン樹脂接着剤とは、ウレタン基(−NHCOO−)を持つ接着剤の総称であるが、本発明においては広義に解釈し、イソシアネート基(−NCO)やヒドロキシ基(−OH)から誘導され化合する接着剤を含むものとする。これらのウレタン樹脂接着剤は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応により得られるウレタン樹脂を成分とし、多種類の原料の組合せが可能で多様な物性を得ることができる。
これらのウレタン樹脂接着剤には、一般に、2液型と1液型がある。2液型は、末端に水酸基を持つポリオールとポリイソシアネート、又は、末端にイスシアネート基を持つウレタンプレポリマーとポリオールを組み合わせ、混合することで化学反応を起こして硬化し、常温接着することができる。一方、1液型は、ウレタンプレポリマーと触媒の混合液が加湿(水分)または加熱により硬化し接着する。
なお、本発明においては、これらのウレタン樹脂接着剤の中で、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料が含有する水分と反応する湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤を使用することが好ましい。これらの湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤は、被接着物中の水分と接着剤中のイソシアネート基との反応により硬化する。
一方、本発明において、この木質化粧薄板の出発材料として使用する木質材料には、前もって防燃化処理及び寸法安定化処理が施されている。これらの防燃化処理と寸法安定化処理は、別々に行うようにしてもよく、或いは、同時に行うようにしてもよい。本発明においては、防燃化処理と寸法安定化処理を同時に行うことが好ましい。具体的には、防燃化処理用薬剤と寸法安定化処理用薬剤とを同浴で木質材料に含浸する。但し、寸法安定化処理用薬剤を反応硬化させて寸法安定化処理を完結するのは、木質化粧薄板を作製した後に行うことが好ましい(詳細は後述する)。
木質材料の防燃化処理は、通常の木材加工で行われている方法を使用することができる。例えば、ホウ酸系防燃剤、リン酸系防燃剤、及び、これらを配合した防燃剤などの防燃化処理用薬剤を木質材料の内部に含浸充填するようにする。これらの防燃化処理用薬剤は、その多くが水溶性であり木質材料に充填した際に耐水性が劣るという欠点がある。しかし、本発明においては、防燃化処理と寸法安定化処理とを併用する。この寸法安定化処理用薬剤が木質材料の内部で反応固化することにより(詳細は後述する)、湿潤時における薬剤の流出を抑制して水溶性の防燃化処理用薬剤の耐水性が向上する。
ここで、ホウ酸系防燃剤としては、例えば、ホウ砂(四硼酸ナトリウム、Na247・10H2O、その8水和物)、ホウ酸及びその塩、メタホウ酸及びその塩、ピロホウ酸及びその塩、四ホウ酸及びその塩、無水ホウ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム・5H2O、八ホウ酸及びその塩等が挙げられる。また、これらのホウ酸系防燃剤は、水溶性であり火災時にも有害ガスを発生することがなく、防燃性の他に防腐性、防虫性などを木質材料に付加することができる。
また、リン酸系防燃剤としては、特に限定するものではないが、例えば、燐酸グアニル尿素、燐酸グアニジン、その他の有機リン酸系防燃剤を挙げることができる。また、これらのリン酸系防燃剤は、上記ホウ酸系防燃剤と併用することにより、より良好な防燃化処理を行うことができる。
一方、木質材料の寸法安定化処理は、通常の木材加工で行われている方法を使用することができる。例えば、グリオキザール系樹脂等の薬剤含浸処理、ホルマール化処理、アセチル化処理、ポリエチレングリコール等の充填処理などが使用される。なお、本発明においては、下記に示す樹脂処方による寸法安定化処理を行うことにより、製造された木質化粧薄板に実用的に十分な強度と寸法安定性を付与することができる。以下にその処方について説明する。
本発明においては、薬剤含浸工程(後述する)において、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料に対して防燃化処理用薬剤と寸法安定化処理用薬剤とを含有する処理液(以下「処理液」という)を含浸する。この処理液中の防燃化処理用薬剤としては、ホウ砂とホウ酸の混合物を使用することが好ましい。一方、寸法安定化処理用薬剤としては、環状尿素化合物とグリオキサールとの付加生成物からなる第1成分と、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン或いはその誘導体からなる第2成分とを含有することが好ましい。
ここで、寸法安定化処理用薬剤の第1成分を構成する環状尿素化合物とグリオキサールとの付加生成物とは、例えば、5員環或いは6員環など種々の環状尿素化合物の複数の窒素原子の少なくとも1つにグリオキサールが付加した化合物の総称をいう。特に、本発明においては、下記の化1に示す2−イミダゾリジノンとグリオキサールとの付加生成物を用いることが好ましい。
化1において、nは1以上の整数であって、2−イミダゾリジノンの一方のイミノ基とグリオキサールの一方のアルデヒド基が反応し、2−イミダゾリジノンとグリオキサールが交互に重付加を繰り返して初期重合物を形成している。
この初期重合物の両末端の構造は、2−イミダゾリジノンに付加するグリオキサールのモル数の比率を変化させることによって調整することができる。例えば、2−イミダゾリジノンをグリオキサールより多く使用すれば、初期重合物の両末端には、2−イミダゾリジノンのイミノ基が多く存在し、一方、グリオキサールを2−イミダゾリジノンより多く使用すれば、初期重合物の両末端には、グリオキサールのアルデヒド基が多く存在するようになる。
ここで、2−イミダゾリジノンに付加するグリオキサールのモル数の比率はどのようなものであってもよいが、本発明においては、2−イミダゾリジノン1モルに対してグリオキサールを0.9モル〜1.2モル付加してなる初期重合物が好ましい。このように、2−イミダゾリジノンとグリオキサールとのモル数の比率を同程度にすることにより、化1に示すような両末端にイミノ基とアルデヒド基との両方を有する初期重合物が多く調整される。このことにより、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内で第1成分を構成する初期重合物が自己重合しやすくなり、その結果、より高分子量の樹脂として充填されることとなる。
次に、本発明において、処理液の第2成分を構成する4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン或いはその誘導体とは、下記の化2に示す4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンそのもの、
及び、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンの2つのイミノ基の水素原子を他の基で置換した化合物の総称をいう。特に、本発明においては、1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ビス(ヒドロキシエチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンからなる群から選ばれた少なくとも1種からなる誘導体を用いることが好ましい。
まず、1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンの構造式を下記の化3に示す。
化3において、4位と5位のヒドロキシ基は、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料の細胞壁を構成するセルロース分子と反応性があり、これらのセルロース分子間に架橋構造を形成して細胞壁の強度向上と寸法安定化に寄与する。また、これらのヒドロキシ基は、化1の初期重合物が自己重合した高分子量の樹脂とも反応して、木質材料の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内に充填された当該樹脂と細胞壁を結合する役割も果たす。このことにより、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料の細胞壁の強度向上と細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内への充填がなされ、木質化粧薄板の寸法安定性と表面硬化が良好に達成される。
次に、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンの構造式を下記の化4に示す。
化4において、1位と3位のヒドロキシメチル基は、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料の細胞壁を構成するセルロース分子との反応性が非常に高く、セルロース分子間に強固な架橋構造を形成し、細胞壁の強度向上と寸法安定化に大きく寄与する。また、4位と5位のヒドロキシ基もセルロース分子と反応性があり、セルロース分子間に架橋構造を形成する。更に、これらのヒドロキシメチル基或いはヒドロキシ基は、化1の初期重合物が自己重合した高分子量の樹脂とも反応して、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内に充填された当該樹脂と細胞壁を結合する役割も果たす。このことにより、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料の細胞壁の強度向上と細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内への充填がなされ、木質化粧薄板の寸法安定性と表面硬化が良好に達成される。
次に、1,3−ビス(ヒドロキシエチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンの構造式を下記の化5に示す。
化5において、1位と3位のヒドロキシエチル基は、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料の細胞壁を構成するセルロース分子との反応性があり、セルロース分子間に架橋構造を形成し、細胞壁の強度向上と寸法安定化に大きく寄与する。また、4位と5位のヒドロキシ基もセルロース分子と反応性があり、セルロース分子間に架橋構造を形成する。更に、これらのヒドロキシエチル基或いはヒドロキシ基は、化1の初期重合物が自己重合した高分子量の樹脂とも反応して、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内に充填された当該樹脂と細胞壁を結合する役割も果たす。このことにより、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料の細胞壁の強度向上と細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内への充填がなされ、木質化粧薄板の寸法安定性と表面硬化が良好に達成される。
次に、本発明において、処理液の第3成分を構成するグリコール類とは、二価のアルコールであって、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなど種々のものを使用することができる。また、本発明においては、上記各グリコール類のモノエーテルも親水性を有するものであれば含めるものとする。
特に、本発明においては、グリコール類として炭素数3〜8のアルキル基を有するアルキレングリコールが好ましく、中でも、ジプロピレングリコールがより好ましい。
これらのグリコール類を処理液の第3成分として併用すると、グリコール類のヒドロキシ基が第1成分のアルデヒド基或いは第2成分のヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基と反応して、充填効果や架橋効果に寄与することとなる。また、本発明においては、グリコール類を併用した場合であっても、第1成分及び第2成分が含有されていることにより、未反応物によるベトツキが残ることがない。
更に、グリコール類を処理液の第3成分として併用した場合には、各薄単板や各木製部品をそれぞれ接着する接着剤とも反応することができる。このことにより、各部品の内部で充填・硬化する処理液の各成分(第1成分、第2成分及び第3成分)と接着剤が反応して、各部品間の接着がより強固となる。
上述の第1成分、第2成分及び第3成分の各反応には、触媒が併用される。この触媒としては、プロトン酸やルイス酸が用いられ、例えば、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、燐酸、パラトルエンスルホン酸や各種有機アミン塩酸塩などを使用することができる。これらの触媒の種類と使用量は、反応温度と反応時間によって適宜調整される。
一方、本発明において、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料を染色して使用することもできる。この場合、染色処理は、通常の木材加工で行われている方法を使用すればよく、一般に80℃〜95℃の染色浴中で数十分から数時間浸漬して行われる。ここで、染色処理に使用される染料としては、木質材料に染着する染料であればいずれの染料でも使用することができるが、一般には酸性染料などを使用することが好ましい。また、木質材料中のセルロースやリグニンとも反応する反応染料を使用することもできる。
また、本発明において、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料を漂白して使用することもできる。漂白処理は、通常の木材加工で行われている方法を使用すればよく、一般に15℃〜30℃の漂白浴中で数十分から数時間浸漬して行われる。或いは、薄単板の場合には、表面に漂白液を刷毛塗りして漂白するようにしてもよい。また、本発明においては、上記防燃化処理用薬剤及び寸法安定化処理用薬剤の処理液含浸の前に漂白処理を行うようにすればよい。この漂白処理に使用される漂白剤としては、過酸化水素水などが一般に使用される。
次に、木質化粧薄板の裏面に積層するガラスクロス及びアルミニウムシートからなる複合シートについて説明する。この複合シートは、共に不燃材料であるガラスクロスとアルミニウムシートとが積層されたものであって、木質化粧薄板積層シートの不燃性、準不燃性を強化すると共に強度と寸法安定性を更に補強する。特に、ガラスクロスは、木質化粧薄板とアルミニウムシートとの間に積層され、これらの2つの素材の吸湿乾燥による含水率の変化や気温の変化による膨張収縮差などを緩和する。更に、ガラスクロスには織物としての空隙があり、木質化粧薄板とアルミニウムシートとの間に空気層を形成して結露防止などの作用がある。
この複合シートを木質化粧薄板に積層することにより、木質化粧薄板とアルミニウムシートとの間で隙間が発生し剥離が生じるなどの不具合を抑制し、更に、山反り、谷反りなど木質化粧薄板積層シートのカールを防止する。なお、ガラスクロスとアルミニウムシートとの積層接着には、ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。例えば、ガラスクロスにポリエチレン系樹脂をラミネートし、これにアルミニウムシートを熱融着するなどの方法がある。
ここで、ガラスクロスとは、ガラス繊維の長繊維フィラメントを数十本〜数百本束にして経糸及び緯糸として織成した織物をいう。織物の種類は、特に限定するものではないが、平織、朱子織、綾織等を挙げることができる。ガラス繊維の素材としては、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラスなどいずれを使用してもよい。なお、本発明においては、木質化粧薄板積層シートの総厚を1mm以下とするため、極薄ガラスクロスを使用することが好ましい。例えば、厚さ0.02〜0.08mm、好ましくは、0.04〜0.06mmのガラスクロスを使用する。
一方、本発明に使用するアルミニウムシートには、厚さ0.01〜0.08mm、好ましくは、0.03〜0.06mmのアルミニウム箔などを使用することができる。このアルミニウムシートは、木質化粧薄板積層シートを建築内装材として施行した後に、裏面からの水分や湿気を遮断して、表面材である木質化粧薄板の変質、変色などを防止する。なお、アルミニウムシートの表面に陽極酸化被膜を形成することにより、耐腐食性を向上させるようにしてもよい。
次に、本発明に係る木質化粧薄板積層シートの製造方法を下記の例で説明する。なお、本発明に係る木質化粧薄板積層シートの製造方法は、下記の例のみに限定されるものではない。本発明に係る木質化粧薄板積層シートの製造方法は、薬剤含浸工程、化粧薄板成形工程、薬剤反応工程、及び、積層工程の各工程を本工程として有し、その準備工程として処理液調整工程を有している。以下に、これらの準備工程及び本工程を説明する。
A.処理液調整工程(準備工程)
この準備工程においては、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料に含浸する処理液を調整する。具体的には、上述の防燃化処理用薬剤と、寸法安定化処理用薬剤の第1成分、第2成分及び触媒を配合して処理液を調整する。また、必要により、寸法安定化処理用薬剤の第3成分を配合する。これらの成分のうち、防燃化処理用薬剤には水溶性或いは水分散性の薬剤を用いることが好ましい。また、寸法安定化処理用薬剤は、第1成分の初期重合物を含め全てが親水基を多く有する水溶性の物質であり、処理液は水溶液とすることが好ましい。また、処理液には必要により水以外の溶媒、例えば、イソプロピルアルコールなどのアルコール類を一部配合してもよい。処理液が水溶液である場合には、乾燥処理や必要により行われる洗浄処理などが容易となり、作業環境も良好となる。
各薄単板や各木製部品を構成する木質材料に付与する防燃化処理用薬剤と寸法安定化処理用薬剤の付与量は、木質材料の種類と形状によって適宜調整すればよい。例えば、防燃化処理用薬剤としてホウ砂とホウ酸の混合物を使用する場合には、木質材料の絶乾重量に対して20重量%〜85重量%の範囲内で使用することが好ましい。
一方、上述の寸法安定化処理用薬剤の付与量は、薬剤反応工程(後述する)後に寸法安定化処理用薬剤の固形分による木質材料の絶乾重量に対する重量増加率が8%〜80%の範囲内とすることが好ましい。木質材料に付与される寸法安定化処理用薬剤の固形分が上記範囲内にあることにより、木質材料の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内への充填、細胞壁を構成するセルロース分子間の架橋などが十分に行われる。このことにより、木質化粧薄板の寸法安定性が十分に達成され、また、防燃化処理用薬剤の耐水性も向上する。
一方、処理液中の寸法安定化処理用薬剤の各成分の配合比率は、木質材料の種類と形状によって適宜調整すればよい。例えば、第1成分と第2成分を配合した処理液の場合、固形分比率(重量比)で第1成分を1とすると、第2成分が3〜6の範囲内にあることが好ましく、更に、第2成分が4〜5の範囲内にあることがより好ましい。また、この処理液に第3成分を配合する場合には、固形分比率(重量比)で第1成分を1とすると、第2成分が3〜6の範囲内にあり、第3成分が2.5〜5.5の範囲内にあることが好ましく、更に、第2成分が4〜5の範囲内にあり、第3成分が3.5〜4.5の範囲内にあることがより好ましい。
処理液中の寸法安定化処理用薬剤の各成分の配合比率が上記範囲内にあることにより、木質材料の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内への充填、細胞壁を構成するセルロース分子間の架橋、第1成分の重合物或いは第1成分と第3成分との重合物間の架橋、及び、当該重合物と細胞壁を構成するセルロース分子間との架橋をより効率よく行うことができる。
B.薬剤含浸工程
この薬剤含浸工程においては、各薄単板や各木製部品を構成する木質材料に上記処理液調整工程で調整した処理液を含浸する。含浸方法には、木質材料の各種処理で使用される方法である、塗布法、吹き付け法、浸漬法、温冷浴法などの常圧処理法や、ベッセル法、リュービング法、ローリー法、乾式注入法、加圧注入法、減圧注入法などの圧力処理法などがある。本発明においては、木質材料の通導を通して細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内に処理液を十分に含浸するために減圧・加圧交代法(OPM法)が好ましい。
具体的には、木質材料を含浸装置である圧力容器中に装填した後、装置内を減圧して木質材料の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内に存在する空気を脱気する。その後、減圧状態で装置内に処理液を供給し、処理液中に木質材料を浸漬する。次に、装置内を段階的に加圧して所定時間加圧状態を維持することで、処理液を木質材料の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内に十分に含浸することができる。
木質材料への処理液の含浸量は、処理液中の各成分の含有量と木質材料の空隙量により異なるが、本発明においては、通常、木質材料の重量に対して、60%〜400%の範囲内とすることが好ましい。
この含浸段階においては、処理液中に触媒を含有している場合であっても寸法安定化処理用薬剤の各成分の反応は進行しておらず反応性は残存している。このことにより、木質材料の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内に含浸されずに含浸装置内に残留した処理液は、回収して次の含浸段階に再利用することができる。
C.化粧薄板成形工程
この化粧薄板成形工程は、立体模様を有する木質化粧薄板を成形する場合と、幾何学模様を有する木質化粧薄板を成形する場合とで異なる操作を行う。ここでは、これらの操作を別々に説明する。
C−1.立体模様を有する化粧薄板成形工程
この化粧薄板成形工程においては、まず、上記薬剤含浸工程で処理液を含浸した木質材料を所定の厚さに剥削加工して薄単板を作製する。剥削加工には、通常のロータリーレース或いはスライサーなどの剥削装置を使用すればよい。本発明においては、木質化粧薄板積層シートの総厚を1mm以下とすることから、各薄単板の厚さは、0.2mm〜0.8mm程度の範囲で作製する。この段階では、木質材料に含浸した処理液中の寸法安定化処理用薬剤は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態(処理液中の水分を含んだ状態)にあって柔軟性を有し剥削加工は容易である。
次に、剥削加工で作製した薄単板を2枚以上積層接着する。薄単板どうしの接着には、上述のように、接着反応に高温処理を必要としないものを採用することがよく、各薄単板が接着された段階においても、各薄単板に含浸した寸法安定化処理用薬剤は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態にあることが好ましい。このことから、イソシアネート系接着剤の一種である湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤を使用することが好ましい。
次に、接着剤が硬化して各薄単板が一体化した段階で、表面層の側から中間層或いは裏面層に至る切削加工を行う。この切削加工には、NCルータやCAM(Computer Aided Manufacturing)などを使用した通常の木材切削装置を使用すればよい。これらの切削条件は任意に設定すればよいが、例えば、切削部位の模様、線や溝の幅と長さ及び切削深度により各切削条件を設定することができる。
このようにして作製した木質化粧薄板には、その表面に積層した各薄単板の木目模様と色彩が組み合わされて、美しい立体模様が表現されている。
C−2.幾何学模様を有する化粧薄板成形工程
この化粧薄板成形工程においては、まず、上記薬剤含浸工程で処理液を含浸した木質材料から組子模様或いは寄木模様などの幾何学模様を形成する木製組子部品、木製ピース部品或いは木製寄木部品などの木製部品を作製する。この段階では、木質材料に含浸した処理液中の寸法安定化処理用薬剤は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態(処理液中の水分を含んだ状態)にあって柔軟性を有し各部品の作製は容易である。
例えば、組子の場合には、作製した複数の木製組子部品を組み付けて組子の骨格を形成する。形成された組子には、骨格以外の部分に複数の空隙が存在している。次に、これらの空隙に嵌め込むための木製の木製ピース部品を準備する。具体的には、各空隙の形状にそれぞれ適合する木製のピース部品を作製する。これらのピース部品は、木製組子部品と同じ木質材料から作製するようにしてもよく、或いは、別の樹種からなる木質材料から作製するようにしてもよい。なお、これらの木製ピース部品も薬剤含浸工程で処理液を含浸した木質材料から作製する。従って、含浸された寸法安定化処理用薬剤は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態にある。
また、これらの木製ピース部品には、その表面に固有の木目模様や色彩が現れるようにすることが好ましい。更に、これらの木製ピース部品として、後述の寄木ブロックから作製する寄木を使用するようにしてもよい。このように、木目模様や色彩、或いは、寄木模様が木製ピース部品の表面に現れることにより、完成した組子模様がより複雑でより美しいものとなる。
次に、作製した複数の木製部品から幾何学模様の模様ブロックを作製する。例えば、組子の場合には、上記化粧薄板成形工程で作製した複数の木製組子部品と木製ピース部品から組子模様ブロックを作製する。一方、寄木の場合には、上記化粧薄板成形工程で作製した複数の木製寄木部品から寄木模様ブロックを作製する。
まず、組子模様ブロックの作製は、準備した木製ピース部品を組子の各空隙に嵌め込んで、木製組子部品の骨格に接着する。一方、寄木模様ブロックの作製は、準備した木製寄木部品を寄木模様に合わせて互いに接着する。木製組子部品と木製ピース部品との接着、及び、木製寄木部品どうしの接着には、上述のように、接着反応に高温処理を必要としないものを採用することがよく、各部品が接着された段階においても、各部品に含浸した寸法安定化処理用薬剤は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態にあることが好ましい。このことから、イソシアネート系接着剤の一種である湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤を使用することが好ましい。
木製組子部品と木製ピース部品との接着、及び、木製寄木部品どうしの接着には、デザイン用ボックスプレスを使用することができる。このデザイン用ボックスプレスは、矩形状の枠体の前後左右(木口側と側面側)に複数のプレス器を装着したものであり、その内部に接着剤を塗布して仮組した木製組子部品と木製ピース部品、或いは、木製寄木部品どうしを配置し、組子模様或いは寄木模様と寸法を確認しながらプレスして組子模様ブロック及び寄木模様ブロックを作製する。このデザイン用ボックスプレスを使用することにより、高度な職人技を必要とせず、複雑な組子模様或いは寄木模様を設計図通りに構成することができる。
このようにして作製した組子模様ブロックには、その表面に木製組子部品の骨格模様と木製ピース部品の表面の木目模様と色彩が組み合わされて、美しい組子模様が表現されている。また、寄木模様ブロックには、その表面に各木製寄木部品の木目模様と色彩が組み合わされて、美しい寄木模様が表現されている。
このようにして、デザイン用ボックスプレス内で組子模様ブロック或いは寄木模様ブロックなどの模様ブロックをプレスした状態で、各部品の接着を完了する。この接着には、上述のように、接着反応に高温処理を必要としない接着剤を使用することにより、各部品に含浸した寸法安定化処理用薬剤を未反応の状態に維持することができる。このように、デザイン用ボックスプレスから外された組子模様ブロック及び寄木模様ブロックなどの模様ブロックは、この段階においても含浸した樹脂は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態にあり柔軟性を維持している。
このようにして作製した模様ブロックには、その平面形状において幾何学模様の輪郭が反映されている。例えば、矢羽根模様の寄木模様ブロックにおいては、長さ方向の両端部にジグザグ模様が形状として現れる。
次に、作製した組子模様ブロックの組子模様、或いは、寄木模様ブロックの寄木模様などの幾何学模様が表面に現れるようにして所定の厚さに剥削加工して、木質化粧薄板を作製する。組子模様ブロック及び寄木模様ブロックなどの模様ブロックの剥削加工には、通常のロータリーレース或いはスライサーなどの剥削装置を使用すればよい。本発明においては、木質化粧薄板積層シートの総厚を1mm以下とすることから、剥削加工する厚さは、0.2mm〜0.8mm程度の範囲で作製する。
本発明においては、この段階において、組子模様ブロック及び寄木模様ブロックなどの模様ブロックを構成する各木製部品は、接着剤により強固に接着されている。よって、組子模様ブロック及び寄木模様ブロックなどの模様ブロックにおいては、各部品が一体となり一片の木材片のように作用する。一方、各部品に含浸した寸法安定化処理用薬剤は未反応の状態にあり、各部品を構成する木質材料は生材状態にある。一般に、剥削加工において、生材の剥削抵抗は、乾燥材の1/4程度であると言われている。よって、組子模様ブロック及び寄木模様ブロックにおいては、各部品が一体となり、且つ、各部品を構成する木質材料が生材状態にあることにより、各部品は木材の柔軟性を維持して切削抵抗が小さく、剥削加工において、組子模様が歪み、或いは、破壊されることがない。
D.薬剤反応工程
この薬剤反応工程においては、上記化粧薄板成形工程において成形された木質化粧薄板の立体模様或いは幾何学模様の美しさを維持した状態で内部に含浸された寸法安定化処理用薬剤の反応硬化を完結させる。
この薬剤反応工程においては、木質化粧薄板は、乾燥後、或いは、乾燥することなく熱処理装置内で熱処理され寸法安定化処理用薬剤の各成分の反応硬化が完結する。本発明においては、通常、水分率が10重量%〜20重量%程度に乾燥後、熱処理することが好ましい。寸法安定化処理用薬剤の反応硬化の熱処理条件は、単板の厚さと形状、寸法安定化処理用薬剤の成分及び反応触媒の種類と使用量により適宜選定すればよい。例えば、厚さ1mm〜15mm程度の単板板材の場合、110℃〜160℃、好ましくは、130℃〜150℃で2分間〜30分間の処理が好ましい。
この反応によって、寸法安定化処理用薬剤の第1成分が自己重合して木質材料の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内に充填されると共に、第2成分が細胞壁のセルロース分子間を架橋して木質材料の細胞壁の強度を向上させる。また、第1成分が自己架橋した樹脂と第2成分及び第3成分が反応して、更に、木質材料の寸法安定性と表面硬化を達成する。更に、先の模様ブロック作製工程で反応した接着剤が寸法安定化処理用薬剤の各成分(特に第3成分)とも反応しており、この反応が更に進行する。
これらのことから、本発明によって製造した木質化粧薄板は下記のメリットを有している。例えば、本発明者らの測定によれば、スギの辺材部を使用した木質化粧薄板の硬度は、本発明により無処理の硬度に比べ、2.6倍にも達している。また、本発明の副次的効果として、上記寸法安定化処理用薬剤を使用することにより、木質化粧薄板の表面の光によるヤケが無処理に対して1/15以下となり大幅に低減される。
また、上述のように、寸法安定化処理用薬剤の硬化反応により、木質材料中に充填された防燃化処理用薬剤の耐水性が向上する。更に、本発明に係る製造方法においては、製造工程中の材料のカビ発生などの問題もなく、生産性と材料の歩留まりが向上する。また、木質材料を生材状態で長期間保管(例えば、6ヶ月間の室内保管)でき、この間、狂いや割れが発生することがないので、材料の歩留まりは更に向上する。
E.積層工程
この積層工程においては、寸法安定化処理用薬剤の硬化反応が完結した木質化粧薄板を表面材とし、その裏面にガラスクロス及びアルミニウムシートからなる複合シートをガラスクロス側から積層接着する。この積層接着は、どのような方法で行ってもよいが、例えば、ガラスクロスとアルミニウムシートとの積層接着に使用したものと同様のポリオレフィン系の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。この熱可塑性樹脂は、塗布或いはラミネートで付与してもよく、或いは、熱可塑性シートとして木質化粧薄板と複合シートとの間に挟み、熱圧接着するようにしてもよい。
以下、本発明に係る木質化粧薄板積層シート及びその製造方法を各実施例により説明する。
本実施例1においては、切削加工による立体模様を有した木質化粧薄板積層シート及びその製造方法を説明する。なお、本実施例1で表面材として使用する木質化粧薄板は、淡色に染色したカバ材からなる表面層と、濃色に染色したスギ材からなる裏面層との2枚の薄単板を積層したものであり、切削加工による縦ストライプを形成している(図3−2参照)。以下、本実施例1を図1〜図3を用いて説明する。
A.処理液調整工程
本実施例1の処理液調整工程においては、人工乾燥処理(キルンドライ)を行ったスギ板材及びカバ板材をそれぞれ処理するための処理液を下記に示す処方で調液した。本実施例1の処理液においては、防燃化処理用薬剤としてホウ砂とホウ酸の混合物(重量比でホウ砂:ホウ酸=30:70)を250g/リットルと、寸法安定化処理用薬剤の第1成分として2−イミダゾリジノンとグリオキサールとを等モル数で反応させた化合物の水溶液(固形分:40重量%)を62g/リットルと、第2成分として1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンの水溶液(固形分:40重量%)を280g/リットルと、第3成分としてジプロピレングリコール(100%品)を93g/リットルと、触媒として塩化マグネシウム水溶液(固形分:25重量%)を93g/リットルと、染色を同時に行うための染料とを含有する水溶液を調整した。
B.薬剤含浸工程
本実施例1の薬剤含浸工程においては、染色処理、防燃化処理及び寸法安定化処理を同時に行った。まず、含浸装置にカバ板材(淡色材)とスギ板材(濃色材)とを別浴で装填し、含浸装置内を25mmHgの減圧状態として120分間維持した。その後、減圧状態を維持したまま含浸装置内に上記処理液を供給し、処理液中にカバ板材又はスギ板材を浸漬し処理温度80℃まで昇温した。次に、含浸装置内を0.2MPaまで加圧して30分間この状態を維持し、更に、含浸装置内を0.4MPaまで加圧して30分間この状態を維持した。更に、含浸装置内を最大0.5MPaまで加圧して60分間の液加圧により(段階液加圧法)、カバ板材又はスギ板材の細胞内腔、細胞間隙及び細胞壁内に処理液を含浸した。このときの含浸量は、カバ板材又はスギ板材の重量に対して約330%であった。
含浸後、スギ板材及びカバ板材を含浸装置から取り出し、室温50℃、湿度60%の乾燥装置内で1日間乾燥し、続いて、室温60℃、湿度50%の乾燥装置内で3日間乾燥し、更に、最終室温80℃、湿度40%の乾燥装置内で3日間乾燥した。なお、この段階では、寸法安定化処理用薬剤の硬化処理(熱処理)は行っていない。
C.化粧薄板成形工程
本実施例1の化粧薄板成形工程においては、上記薬剤含浸を施したカバ板材又はスギ板材(いずれも寸法安定化処理用薬剤は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態にある)をスライサーで剥削加工して2枚の薄単板11、12を得た。図1において、積層薄板13は、表面層を構成する0.3mmに剥削加工した淡色のカバ薄単板11と、裏面層を構成する0.6mmに剥削加工した濃色のスギ薄単板12とから構成される。
次に、準備した2枚の薄単板11、12の接着面に1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤(Y778W、三木理研工業株式会社製)を塗布して圧着した(図1−2参照)。これら2枚の薄単板11、12の接着は1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤の湿式硬化によって完了しているが、各薄単板11、12に含浸された処理液中の寸法安定化処理用薬剤の反応硬化は未だ完結しておらず、積層接着された積層薄板13は水分を含んだ生材状態にある。
次に、2層が積層接着した積層薄板13に対して、NCルータを用いて表面層の側から裏面層の中央部分に至る深度約0.5mmの切削部位14aを部分的に形成して未反応硬化状態の木質化粧薄板14を得る(図1−3参照)。本実施例1においては、切削部位14aにより縦ストライプを形成した。
D.薬剤反応工程
本実施例1の薬剤反応工程においては、立体模様が施された木質化粧薄板14の内部に含浸された寸法安定化処理用薬剤を反応硬化させる。具体的には、木質化粧薄板14を120℃で3分間熱処理して寸法安定化処理用薬剤の反応を完結して各成分を反応硬化させた。本実施例1においては、上述の配合の処理液が含浸されており、これらの成分の反応硬化により、木質化粧薄板14に熱処理を行っても、その寸法と形状が変化することがない。
E.積層工程
本実施例1の積層工程においては、寸法安定化処理用薬剤の反応硬化を完結した木質化粧薄板14を表面材とし、その裏面にガラスクロス15及びアルミニウムシート16からなる複合シート17を積層接着する(図3参照)。本実施例1の積層工程においては、ガラスクロス15とアルミニウムシート16との複合シート17を予め準備した(図2参照)。ガラスクロス15には、厚さ0.05mmの平織物を使用した。一方、アルミニウムシート16には、厚さ0.04mmのアルミニウム箔を使用した。これらの積層接着には、まず、ガラスクロス15に熱可塑性のポリエチレン系樹脂をラミネートし、これにアルミ箔16を熱圧着した(図2−2参照)。
次に、木質化粧薄板14の裏面側と複合シート17のガラスクロス側の間にポリエチレン系ホットメルトフィルム(図示せず)を挟んで熱圧着し、本実施例1に係る木質化粧薄板積層シート18を得た(図3−2参照)。この木質化粧薄板積層シート18の表面には、淡色の表面層を構成するカバ材に縦ストライプの切削部位14aが形成されている。この切削部位14aには、裏面層を構成する濃色のスギ材が木目の繊維方向を並行にして現れている。これらのことから、木質化粧薄板積層シート18の表面に形成された縦ストライプが樹種の質感、色彩、凹凸による変化、及び、木目の繊維方向の統一性でもって高度な意匠性を有する立体模様を表現している。
ここで、本実施例1に係る木質化粧薄板積層シート18の不燃性を評価した。まず、木質化粧薄板積層シート30を不燃材からなる無機系建築構造材の表面に貼付した。この状態で、ISO5560−1に規定されたコーンカロリーメータによる発熱性試験を行った。発熱性試験の結果は、加熱時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下と良好であり、不燃材料の基準に適合するものであった。
本実施例2においては、切削加工による立体模様を有した木質化粧薄板積層シート及びその製造方法を説明する。なお、本実施例2で表面材として使用する木質化粧薄板は、白色タモ材からなる表面層と赤色ブビンガ材からなる中間層と黒色ゼブラウッド材からなる裏面層との3枚の薄単板を積層したものであり、切削加工による飛島模様を形成している(図4参照)。以下、本実施例2を図4及び図5を用いて説明する。
A.処理液調整工程
本実施例2の処理液調整工程においては、上記実施例1と同様の処方により防燃化処理用薬剤及び寸法安定化処理用薬剤を含有する水溶液を調整した。なお、本実施例2の処理液には、染色のための染料を併用しなかった。
B.薬剤含浸工程
本実施例2の薬剤含浸工程においては、白色タモ材、赤色ブビンガ材及び黒色ゼブラウッド材の各板材に対して、染色処理を併用せず、防燃化処理用薬剤及び寸法安定化処理用薬剤の含浸処理を同時に行った。なお、本実施例2の薬剤含浸工程の各操作及び各板材の乾燥は、上記実施例1と同様にして行った。なお、この段階では、寸法安定化処理用薬剤の硬化処理(熱処理)は行っていない。
C.化粧薄板成形工程
本実施例2の化粧薄板成形工程においては、上記薬剤含浸を施した白色タモ材、赤色ブビンガ材及び黒色ゼブラウッド材の各板材(いずれも寸法安定化処理用薬剤は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態にある)をスライサーで剥削加工して3枚の薄単板21、22、23を得た。図5において、積層薄板24は、表面層を構成する0.1mmに剥削加工した白色タモ薄単板21と、中間層を構成する0.4mmに剥削加工した赤色ブビンガ薄単板22と、裏面層を構成する0.4mmに剥削加工した黒色ゼブラウッド薄単板23とから構成される。
なお、裏面層を構成する黒色ゼブラウッド薄単板23の木目の繊維方向は、表面層を構成する白色タモ薄単板21の木目の繊維方向に対して図示左側45度に交差するように積層されている(図4参照)。一方、中間層を構成する赤色ブビンガ薄単板22の木目の繊維方向は、表面層を構成する白色タモ薄単板21の木目の繊維方向に対して図示右側45度に交差するように積層されている(図4参照)。このことにより、裏面層と中間層を形成する黒色ゼブラウッド薄単板23と赤色ブビンガ薄単板22との木目の繊維方向は、互いに直交するように積層されている。
次に、準備した3枚の薄単板21、22、23の各接着面に1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤(Y778W、三木理研工業株式会社製)を塗布して圧着した。これら3枚の薄単板21、22、23の接着は1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤の湿式硬化によって完了しているが、各薄単板21、22、23に含浸された処理液中の寸法安定化処理用薬剤の反応硬化は未だ完結しておらず、積層接着された積層薄板24は水分を含んだ生材状態にある。
次に、3層が積層接着した積層薄板(図示しない)に対して、上記実施例1と同様にNCルータを用いて表面層の側から中間層を経て裏面層の中央部分に至る深度約0.7mmの第1の切削部位24aを部分的に形成した。また、同様に表面層の側から中間層の中央部分に至る深度約0.3mmの第2の切削部位24bを部分的に形成して未反応硬化状態の木質化粧薄板24を得る(図5参照)。本実施例2においては、2種類の切削部位24a及び24bにより飛島模様を形成した(図4参照)。
D.薬剤反応工程
本実施例2の薬剤反応工程においては、立体模様が施された木質化粧薄板24の内部に含浸された寸法安定化処理用薬剤を反応硬化させる。具体的な操作は、上記実施例1と同様である。
E.積層工程
本実施例2の積層工程においては、寸法安定化処理用薬剤の反応硬化を完結した木質化粧薄板24を表面材とし、その裏面にガラスクロス25及びアルミニウムシート26からなる複合シート27を積層接着する(図5参照)。本実施例2の積層工程においては、上記実施例1と同様にしてガラスクロス25とアルミニウムシート26との複合シート27を予め準備した。なお、ガラスクロス25とアルミニウムシート26は、上記実施例1と同様のものを使用し、同様の方法で積層接着した。
次に、木質化粧薄板24の裏面側と複合シート27のガラスクロス側の間にポリエチレン系ホットメルトフィルムを挟んで熱圧着し、本実施例2に係る木質化粧薄板積層シート20を得た(図4及び図5参照)。この木質化粧薄板積層シート20の表面には、白色タモ材の表面に形成された2種類の切削部位24a、24bのうち、第1の切削部位24aには、裏面層を構成する黒色ゼブラウッド薄単板23が表面層を構成する白色タモ薄単板21の木目の繊維方向と交差して現れることとなる。
一方、第2の切削部位24bには、中間層を構成する赤色ブビンガ薄単板22が表面層を構成する白色タモ薄単板21の木目の繊維方向と交差して現れることとなる。更に、2種類の切削部位24a、24bにおいては、互いの木目の繊維方向が直交するようになっており、木質化粧薄板積層シート20の表面に形成された飛島模様が樹種の質感、色彩、木目の繊維方向及び凹凸による変化でもって高度な意匠性を有する立体模様を表現している。
ここで、本実施例2に係る木質化粧薄板積層シート20の不燃性を評価した。評価方法は上記実施例1と同様にして行い、評価結果は不燃材料の基準に適合するものであった。
本実施例3においては、寄木模様による幾何学模様を有した木質化粧薄板積層シート及びその製造方法を説明する。なお、本実施例3において表面材として使用する木質化粧薄板は、スギ材からなる寄木模様ブロックを剥削加工して薄板化したものである。図6〜図8は、本実施例3に使用する寄木模様木質化粧薄板の各製造段階を示す図である。
A.処理液調整工程
本実施例3の処理液調整工程においては、上記実施例1と同様の処方により防燃化処理用薬剤及び寸法安定化処理用薬剤を含有する水溶液を調整した。なお、本実施例3の処理液には、染色のための染料を併用しなかった。
B.薬剤含浸工程
本実施例3の薬剤含浸工程においては、スギ板材に対して、染色処理を併用せず、防燃化処理用薬剤及び寸法安定化処理用薬剤の含浸処理を同時に行った。なお、本実施例3の薬剤含浸工程の各操作及びスギ板材の乾燥は、上記実施例1と同様にして行った。なお、この段階では、寸法安定化処理用薬剤の硬化処理(熱処理)は行っていない。
C.化粧薄板成形工程
本実施例3の化粧薄板成形工程においては、上記薬剤含浸を施したスギ板材(樹脂は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態にある)を所定寸法及び所定形状に成形して、木目の繊維方向を長尺とする木材板片31を得た(図6−1参照)。この木材板片31を複数枚準備し、その側面に1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤(Y778W、三木理研工業株式会社製)を塗布し、デザイン用ボックスプレス内で積層接着して積層板30を作製した(図6−2参照)。この積層板30は、木目の繊維方向を各木材板片31の長尺方向に統一して一体的に積層されている。
次に、積層板30を木材板片31の長尺方向に平行な方向に切断して長尺の複数の木製寄木部品32を準備した。この木製寄木部品32の表面には、数枚の木材板片31が平行に積層された接合層とこの接合層に平行な木目の繊維方向とが、木製寄木部品32の長尺方向に平行に現れている。一方、同様にして作製した別の積層板30を木材板片31の長尺方向に直角方向に切断して複数の木製寄木部品33を準備した。この木製寄木部品33の表面には、多数の木材板片31が平行に積層された接合層とこの接合層に平行な木目の繊維方向とが、木製寄木部品33の長尺方向に直角に現れている。
このように、木製寄木部品32の表面と木製寄木部品33の表面には、それぞれ、木材板片31が平行に積層された接合層とこの接合層に平行な木目の繊維方向とが、互いに異なる角度(本実施例3においては直交する角度)で現れている。
次に、製造の第2段階を示す図7において、木製寄木部品32の側面と木製寄木部品33の側面に1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤(Y778W、三木理研工業株式会社製)を塗布し、デザイン用ボックスプレス内で交互に接合して寄木模様ブロック40を得た(図7−1参照)。この寄木模様ブロック40の表面には、木材板片31が平行に積層された接合層とこの接合層に平行な木目の繊維方向とが、それぞれ、直交するように現れて複雑な寄木模様が表現されている。
この状態の寄木模様ブロック40においては、木製寄木部品32と木製寄木部品33との接着は1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤の湿式硬化によって完了しているが、各部品に含浸された処理液中の各樹脂成分の反応硬化は未だ完結しておらず、各部品は各樹脂成分と水分(樹脂の水溶液)を含んだ生材状態にあり柔軟性を維持している。
ここで、この寄木模様ブロック40を薄くスライスして表面に寄木模様の現れた寄木模様木質化粧薄板としてもよい。なお、本実施例3においては、更に複雑な寄木模様を表現した。
上述のようにして寄木模様ブロック40を作製したのと同様にして、もう一方の寄木模様ブロック50を作製する。この寄木模様ブロック50は、寄木模様ブロック40と同様にして木製寄木部品32の側面と木製寄木部品33の側面とを、それぞれ、交互に接合した(図7−2参照)。但し、寄木模様ブロック40と寄木模様ブロック50とは、互いに木製寄木部品32と木製寄木部品33との接合順序を変化させている(図7−1及び図7−2参照)。
次に、寄木模様ブロック40を一方の木口から切断して複数の新たな木製寄木部品41を準備した。また、同様にして、寄木模様ブロック50を一方の木口から切断して複数の新たな木製寄木部品51を準備した。新たな木製寄木部品41と新たな木製寄木部品51には、それぞれ、木材板片31が平行に積層された接合層とこの接合層に平行な木目の繊維方向とが一体となって升目を構成し、この升目の左右には、接合層と繊維方向とが直交する升目が交互に表現されている。(図7−1及び図7−2参照)。
次に、製造の最終段階を示す図8において、新たな木製寄木部品41の側面と新たな木製寄木部品51の側面に1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤(Y778W、三木理研工業株式会社製)を塗布し、積層プレス装置で交互に接合して新たな寄木模様ブロック60を得た(図8−1参照)。この新たな寄木模様ブロック60の表面には、木材板片31が平行に積層された接合層とこの接合層に平行な木目の繊維方向とが一体となって升目を構成し、この升目の前後左右には、接合層と繊維方向とが直交する升目が交互に現れ、より複雑な寄木模様が表現されている。
この状態の新たな寄木模様ブロック60においては、新たな木製寄木部品41と新たな木製寄木部品51との接着は1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤の湿式硬化によって完了しているが、各部品に含浸された処理液中の寸法安定化処理用薬剤の反応硬化は未だ完結しておらず、各部品は各薬剤成分と水分(薬剤の水溶液)を含んだ生材状態にあり柔軟性を維持している。
次に、この新たな寄木模様ブロック60から木質化粧薄板を作製する。本実施例3においては、新たな寄木模様ブロック60を木材用スライサーによる剥削加工で0.9mmにスライスして、表面に複雑な寄木模様の現れた木質化粧薄板61を得た。上述のように、新たな寄木模様ブロック60は、各部品が1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤により強固に接着されて、1片の木材板の状態にある。一方、各部品は、上述のように、寸法安定化処理用薬剤の反応硬化は未だ完結しておらず生材状態にある。この状態であることにより、各部品は木材の柔軟性を維持しており、スライサーによる剥削加工において、寄木模様が歪み、或いは、破壊されることがない。
D.薬剤反応工程
本実施例3の薬剤反応工程においては、寄木模様の美しさを維持した状態で薄くスライスされた木質化粧薄板61の内部に含浸された寸法安定化処理用薬剤を反応硬化させる。具体的な操作は、上記実施例1と同様である。
E.積層工程
本実施例3の積層工程においては、寸法安定化処理用薬剤の反応硬化を完結した寄木模様の木質化粧薄板61を表面材とし、その裏面にガラスクロス及びアルミニウムシートからなる複合シートを積層接着する。なお、本実施例3の積層工程は、上記実施例1と同様でありここではその説明を省略する。
このようにして得られた本実施例3の木質化粧薄板積層シートの表面には、スギ板材からなる木材板片31が平行に積層された接合層とこの接合層に平行な木目の繊維方向とが一体となって升目を構成し、この升目の前後左右には、接合層と繊維方向とが直交する升目が交互に現れ、より複雑な寄木模様が表現されており、樹種の質感、色彩、木目の繊維方向の変化でもって高度な意匠性を有する幾何学模様を表現している(図8−2参照)。
ここで、本実施例3に係る木質化粧薄板積層シートの不燃性を評価した。評価方法は上記実施例1と同様にして行い、評価結果は不燃材料の基準に適合するものであった。
本実施例4においては、格子模様の組子による幾何学模様を有した木質化粧薄板積層シート及びその製造方法を説明する。なお、本実施例4において表面材として使用する木質化粧薄板は、スギ材からなる組子模様ブロックを剥削加工して薄板化したものである。図9は、本実施例4に係る組子模様木質化粧薄板の表面の組子模様を示す写真である。図10〜図17は、本実施例4に使用する組子模様木質化粧薄板の各作製段階を示す各工程写真である。
A.処理液調整工程
本実施例4の処理液調整工程においては、上記実施例1と同様の処方により防燃化処理用薬剤及び寸法安定化処理用薬剤を含有する水溶液を調整した。なお、本実施例4の処理液には、染色のための染料を併用しなかった。
B.薬剤含浸工程
本実施例4の薬剤含浸工程においては、スギ板材に対して、染色処理を併用せず、防燃化処理用薬剤及び寸法安定化処理用薬剤の含浸処理を同時に行った。なお、本実施例4の薬剤含浸工程の各操作及びスギ板材の乾燥は、上記実施例1と同様にして行った。なお、この段階では、寸法安定化処理用薬剤の硬化処理(熱処理)は行っていない。
C.化粧薄板成形工程
本実施例4の化粧薄板成形工程においては、上記薬剤含浸を施したスギ板材(樹脂は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態にある)を所定寸法及び所定形状に成形して、木製組子部品1a、1bを作製した(図10参照)。本実施例4においては、格子模様の組子を作製するので格子の縦桟1a及び横桟1bを複数本準備した。なお、これらの桟1a、1bには、それぞれ、切込みを設けた。切込みの深さは桟の高さの2分の1とし、切込みの幅は桟の幅と同じにした(図10参照)。
次に、準備した組子部品1a、1bを切込みに合わせて組み付けて格子模様の組子2を作製(仮組み)した(図11〜図13参照)。
次に、木製組子部品1a、1bを作製したものと同じ薬剤含浸を施したスギ板材(寸法安定化処理用薬剤は未反応の状態にあり、木質材料は生材状態にある)を組子の空隙(格子の空間)の寸法及び形状に合わせて成形して、複数の木製ピース部品3を作製した(図14参照)。
次に、組子2の格子の空間に各ピース部品3を組み付けて(図14〜図16参照)、組子2とピース部品3の仮組み付けを行った。ここで、組子部品1a、1bとピース部品3とで形成された組子模様を確認した(図17参照)。この状態から、4辺に突出した桟の端部を切り落として、組子模様ブロック4の仮組みが完了した。
ここで、組子模様ブロック4を一度解体し、木製組子部品1a、1bと木製ピース部品3との接触面に1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤(Y778W、三木理研工業株式会社製)を塗布し、デザイン用ボックスプレス内で再度組み付けた。この状態で、組子模様と寸法を確認しながら4辺からプレスし、1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤の湿式硬化を待って組子模様ブロック4を完成した。
この組子模様ブロック4の表面には、木製組子部品1a、1bが形成する格子模様、及び、各木製ピース部品3の表面の木目模様と色彩が現れている。本実施例4においては、スギ白手(辺材)からなる格子模様に、スギ白手(辺材)及びスギ赤手(芯材)からなる木製ピース部品3の木目模様と色彩が変化しながら配置されている(図17参照)。なお、本実施例4においては、各木製ピース部品3の木目模様には柾目を用い、隣接する各木製ピース部品3の柾目の方向がそれぞれ交差するように配置されている(図17参照)。
この状態の組子模様ブロック4においては、木製組子部品1a、1bと木製ピース部品3との接着は1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤の湿式硬化によって完了しているが、各部品に含浸された処理液中の寸法安定化処理用薬剤の反応硬化は未だ完結しておらず、各部品は各薬剤成分と水分(薬剤の水溶液)を含んだ生材状態にある。
次に、この組子模様ブロック4から木質化粧薄板を作製する。本実施例4においては、組子模様ブロック4を木材用スライサーによる剥削加工で0.9mmにスライスして、表面に組子模様の現れた木質化粧薄板5を得た。上述のように、組子模様ブロック4は、各部品が1液型湿式硬化性ウレタン樹脂接着剤により強固に接着されて、1片の木材板の状態にある。一方、各部品は、上述のように、寸法安定化処理用薬剤の反応硬化は未だ完結しておらず生材状態にある。この状態であることにより、各部品は木材の柔軟性を維持しており、スライサーによる剥削加工において、組子模様が歪み、或いは、破壊されることがない。
D.薬剤反応工程
本実施例4の薬剤反応工程においては、組子模様の美しさを維持した状態で薄くスライスされた木質化粧薄板5の内部に含浸された寸法安定化処理用薬剤を反応硬化させる。具体的な操作は、上記実施例1と同様である。
E.積層工程
本実施例4の積層工程においては、寸法安定化処理用薬剤の反応硬化を完結した組子模様の木質化粧薄板5を表面材とし、その裏面にガラスクロス及びアルミニウムシートからなる複合シートを積層接着する。なお、本実施例4の積層工程は、上記実施例1と同様でありここではその説明を省略する。
このようにして得られた本実施例4の木質化粧薄板積層シートの表面には、スギ白手(辺材)からなる美しい格子模様が現れている。一方、この格子模様の空間には、スギ白手(辺材)及びスギ赤手(芯材)からなる木製ピース部品が互いに柾目を交差するように配列し、木目模様と色彩が変化して美しい組子模様が表現されており、樹種の質感、色彩、木目の繊維方向の変化でもって高度な意匠性を有する幾何学模様を表現している(図9参照)。
ここで、本実施例4に係る木質化粧薄板積層シートの不燃性を評価した。評価方法は上記実施例1と同様にして行い、評価結果は不燃材料の基準に適合するものであった。
以上、説明したように、本発明によれば、切削加工による立体模様、組子模様や寄木模様などの幾何学模様など、優れた意匠性を有する木質化粧薄板を表面材として利用して不燃材料に積層した場合でも、木質感、ナチュラル感、高級感を有すると共に、実用的な物性を確保し、隙間や剥離が生じることがなく、且つ、施工後にも高度な防燃性を有する木質化粧薄板積層シート及びその製造方法を提供することができる。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施例に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記実施例3においては、各木製寄木部品の接合部分において、接合層とこの接合層に平行な木目の繊維方向とが直交するようにして接合するものであるが、これに限るものではなく、例えば、30度、45度、60度など角度を変化させて接合するようにしてもよい。このような組み合わせに変化を持たせることにより、寄木模様に高度な意匠性を発現することができる。
(2)上記実施例3においては、各木製寄木部品の色彩については記載していないが、各木製寄木部品の色彩を任意に組み合わせることにより、寄木模様により高度な意匠性を発現することができる。
(3)上記実施例3においては、各木製寄木部品の木目模様については記載していないが、各木製寄木部品の木目模様を任意に組み合わせることにより、寄木模様により高度な意匠性を発現することができる。
(4)上記実施例4においては、格子模様の組子を骨格とするものであるが、これに限るものではなく、より複雑な形状の組子を骨格として組子模様化粧単板を作製するようにしてもよい。
(5)上記実施例4においては、木製ピース部品の配列は柾目の方向を交差させて配置するものであるが、これに限るものではなく、異なる木目模様の木製ピース部品、或いは、異なる色彩の木製ピース部品を変化させながら配置するようにしてもよい。
(6)上記実施例4においては、木製ピース部品の配列は柾目の方向を交差させて配置するものであるが、これに限るものではなく、寄木模様の木製ピース部品を用いて、その表面模様の変化を現わすようにしてもよい。このことにより、組子模様と寄木模様が融合して、より複雑で美しい木質化粧薄板を製造することができる。
(7)上記実施例3及び実施例4においては、木質化粧薄板の出発材料として使用する木質材料としてスギ材を用いたが、これに限るものではなく、例えば、ヒノキ材、チーク材、マツ材など様々な樹種を使用することができる。
11、12、21、22、23…薄単板、13…積層薄板、14…木質化粧薄板、
14a、24a、24b…切削部位、15、25…ガラスクロス、
16、26…アルミニウムシート、17、27…複合シート、
18、20…木質化粧薄板積層シート、24…木質化粧薄板、
31…木材板片、30…積層板、32、33、41、51…木製寄木部品、
40、50、60…寄木模様ブロック、61…寄木模様木質化粧薄板、
1a、1b…木製組子部品、2…組子、3…木製ピース部品、4…組子模様ブロック、
5…組子模様木質化粧薄板。

Claims (16)

  1. 防燃化処理及び寸法安定化処理を施した木質材料から作製され表面に装飾加工が施されてなる木質化粧薄板の裏面にガラスクロスが積層接着され、当該ガラスクロスにアルミニウムシートが積層接着されてなり、総厚が1mm以下である木質化粧薄板積層シート。
  2. ISO5560−1に準拠して測定したコーンカロリーメータによる発熱性試験において、不燃材料又は準不燃材料の基準に適合することを特徴とする請求項1に記載の木質化粧薄板積層シート。
  3. 前記木質化粧薄板は、少なくとも2枚以上の薄単板を積層接着し、その表面層の薄単板側から中間層又は裏面層の薄単板に至ると共に、当該裏面層の薄単板を超えない深度で切削加工された切削部位を有しており、
    当該切削部位により前記木質化粧薄板の表面に装飾加工が施されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の木質化粧薄板積層シート。
  4. 前記木質化粧薄板は、複数の木製部品を組み合わせて形成した幾何学模様が表面に現れるように形成した模様ブロックをその模様が表面に現れるようにして所定の厚さに剥削加工して薄板化しており、
    当該模様ブロックの模様により前記木質化粧薄板の表面に装飾加工が施されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の木質化粧薄板積層シート。
  5. 前記幾何学模様は、寄木模様又は組子模様であることを特徴とする請求項4に記載の木質化粧薄板積層シート。
  6. 前記防燃化処理に使用する薬剤は、ホウ酸系防燃剤、リン酸系防燃剤、及び、これらを配合した防燃剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の木質化粧薄板積層シート。
  7. 前記寸法安定化処理に使用する薬剤は、
    環状尿素化合物とグリオキサールとの付加生成物からなる第1成分と、
    4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン或いはその誘導体からなる第2成分と、
    必要によりグリコール類からなる第3成分とを含有してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の木質化粧薄板積層シート。
  8. 表面に装飾加工が施されてなる木質化粧薄板を表面材とする木質化粧薄板積層シートの製造方法であって、
    前記木質化粧薄板を構成する木質材料に防燃化処理用薬剤及び寸法安定化処理用薬剤を含浸する薬剤含浸工程と、
    前記寸法安定化処理用薬剤が未反応の状態で前記木質材料を加工して前記木質化粧薄板を成形する化粧薄板成形工程と、
    薄板成形後に当該寸法安定化処理用薬剤を反応硬化させて前記木質化粧薄板の寸法安定化処理を完結する薬剤反応工程と、
    前記木質化粧薄板の裏面にガラスクロス及びアルミニウムシートからなる複合シートを総厚が1mm以下となるように積層接着する積層工程とを有することを特徴とする木質化粧薄板積層シートの製造方法。
  9. 前記薬剤反応工程と積層工程とを熱圧処理により同時に行うことを特徴とする請求項8に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法。
  10. 前記化粧薄板成形工程において、少なくとも2枚以上の薄単板を積層接着し、その表面層の薄単板側から中間層又は裏面層の薄単板に至ると共に、当該裏面層の薄単板を超えない深度で切削加工された切削部位を有する木質化粧薄板を成形することを特徴とする請求項8又は9に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法。
  11. 前記化粧薄板成形工程において、複数の木製部品を組み合わせて形成した幾何学模様が表面に現れるように形成した模様ブロックをその模様が表面に現れるようにして所定の厚さに剥削加工して木質化粧薄板を成形することを特徴とする請求項8又は9に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法。
  12. 前記幾何学模様は、寄木模様又は組子模様であることを特徴とする請求項11に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法。
  13. 前記薬剤含浸工程において、前記防燃化処理用薬剤は、ホウ酸系防燃剤、リン酸系防燃剤、及び、これらを配合した防燃剤であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1つに記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法。
  14. 前記薬剤含浸工程において、前記寸法安定化処理用薬剤は、
    環状尿素化合物とグリオキサールとの付加生成物からなる第1成分と、
    4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン或いはその誘導体からなる第2成分と、
    必要によりグリコール類からなる第3成分とを含有してなることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1つに記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法。
  15. 前記第1成分は、2−イミダゾリジノンとグリオキサールとの付加生成物からなり、2−イミダゾリジノン1モルに対してグリオキサールを0.9モル〜1.2モル付加してなることを特徴とする請求項14に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法。
  16. 前記第2成分は、1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ビス(ヒドロキシエチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンからなる群から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項14又は15に記載の木質化粧薄板積層シートの製造方法。
JP2014067517A 2014-03-28 2014-03-28 木質化粧薄板積層シート及びその製造方法 Active JP6253148B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014067517A JP6253148B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 木質化粧薄板積層シート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014067517A JP6253148B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 木質化粧薄板積層シート及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015189061A true JP2015189061A (ja) 2015-11-02
JP6253148B2 JP6253148B2 (ja) 2017-12-27

Family

ID=54424005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014067517A Active JP6253148B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 木質化粧薄板積層シート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6253148B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107336476A (zh) * 2017-05-27 2017-11-10 太仓市康乐沙发家具厂 防火的实木家具台面
IT201600071728A1 (it) * 2016-07-08 2018-01-08 Roberto Ondei Pannello per la copertura di pareti.
CN108316591A (zh) * 2018-02-12 2018-07-24 浙江顶上智能家居股份有限公司 一种多层实木墙板
JP6489458B1 (ja) * 2018-08-30 2019-03-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 床材
JP2019111721A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 島崎 朝雄 天然杢シート、並びに、これを用いた化粧不燃材及び化粧準不燃材
JP2020168774A (ja) * 2019-04-02 2020-10-15 アイカ工業株式会社 不燃性の無機繊維織物積層体の製造方法
KR102183842B1 (ko) * 2020-04-16 2020-11-27 주식회사 아키페이스 단판적층재를 사용한 조경재의 제조방법
JP2021017774A (ja) * 2019-07-23 2021-02-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 床材

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001527093A (ja) * 1997-09-11 2001-12-25 フトゥモン オーイ 難燃殺生組成物とその製造方法
JP2004516957A (ja) * 2000-12-29 2004-06-10 エルジー ケミカル エルティーディー. 不燃性複合パネル及びこれを利用した不燃性装飾複合パネル
JP2007144655A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Hokusan Kk 化粧不燃材
JP2008012887A (ja) * 2006-07-10 2008-01-24 Hirashima:Kk 突板貼り彫刻化粧板とその製造法
JP3167413U (ja) * 2011-02-08 2011-04-21 朝雄 島崎 木質化粧板
JP2013063619A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Asao Shimazaki 木質化粧板及びその製造方法
JP3185279U (ja) * 2013-05-30 2013-08-08 朝雄 島崎 組子模様化粧単板
JP2015157414A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 朝雄 島崎 木質化粧単板の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001527093A (ja) * 1997-09-11 2001-12-25 フトゥモン オーイ 難燃殺生組成物とその製造方法
JP2004516957A (ja) * 2000-12-29 2004-06-10 エルジー ケミカル エルティーディー. 不燃性複合パネル及びこれを利用した不燃性装飾複合パネル
JP2007144655A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Hokusan Kk 化粧不燃材
JP2008012887A (ja) * 2006-07-10 2008-01-24 Hirashima:Kk 突板貼り彫刻化粧板とその製造法
JP3167413U (ja) * 2011-02-08 2011-04-21 朝雄 島崎 木質化粧板
JP2013063619A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Asao Shimazaki 木質化粧板及びその製造方法
JP3185279U (ja) * 2013-05-30 2013-08-08 朝雄 島崎 組子模様化粧単板
JP2015157414A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 朝雄 島崎 木質化粧単板の製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT201600071728A1 (it) * 2016-07-08 2018-01-08 Roberto Ondei Pannello per la copertura di pareti.
WO2018007994A1 (en) * 2016-07-08 2018-01-11 Ondei Roberto Wall-covering panel
CN107336476A (zh) * 2017-05-27 2017-11-10 太仓市康乐沙发家具厂 防火的实木家具台面
JP2019111721A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 島崎 朝雄 天然杢シート、並びに、これを用いた化粧不燃材及び化粧準不燃材
CN108316591A (zh) * 2018-02-12 2018-07-24 浙江顶上智能家居股份有限公司 一种多层实木墙板
JP6489458B1 (ja) * 2018-08-30 2019-03-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 床材
JP2020033780A (ja) * 2018-08-30 2020-03-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 床材
JP2020168774A (ja) * 2019-04-02 2020-10-15 アイカ工業株式会社 不燃性の無機繊維織物積層体の製造方法
JP7250595B2 (ja) 2019-04-02 2023-04-03 アイカ工業株式会社 不燃性の無機繊維織物積層体の製造方法
JP2021017774A (ja) * 2019-07-23 2021-02-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 床材
JP7257642B2 (ja) 2019-07-23 2023-04-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 床材
KR102183842B1 (ko) * 2020-04-16 2020-11-27 주식회사 아키페이스 단판적층재를 사용한 조경재의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6253148B2 (ja) 2017-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6253148B2 (ja) 木質化粧薄板積層シート及びその製造方法
CN107923177B (zh) 防火、阻燃、准不燃胶合板顶棚材料及其制备方法
CN101513745B (zh) 一种复合阻燃细木工板的制备方法
KR101235125B1 (ko) 방염성을 구비하는 가구용 패널과 그 제조방법 및 이를 구비하는 가구
JP5593290B2 (ja) 木質化粧板及びその製造方法
CN105014753A (zh) 速生木阻燃层积板及其生产方法
CN103029177A (zh) 浸渍压缩重组结构人造板及其制造方法
CN204748814U (zh) 速生木阻燃层积板
JP2015157414A (ja) 木質化粧単板の製造方法
KR20080080885A (ko) 모양지가 적층된 성형 마그네슘 보드 및 그 제조방법
CN105965617A (zh) 一种单板基外墙挂板的制造方法
JP2011140116A (ja) 防炎性薄型積層体、ブラインド用スラットおよびそれを備えたブラインド
JP2019111721A (ja) 天然杢シート、並びに、これを用いた化粧不燃材及び化粧準不燃材
JP6494419B2 (ja) 木材薬液処理方法
KR100679330B1 (ko) 난연성을 갖는 함침무늬목의 제조방법 및 이용하여 제조된난연성 합판
KR101760889B1 (ko) 준불연, 단열 및 항균성 복합 보드 제조 방법 및 이를 이용한 복합 보드
JP3185279U (ja) 組子模様化粧単板
CN113958057B (zh) 一种轻质防火建筑幕墙板及其制备方法
CN211518702U (zh) 一种防火阻燃木饰面板
KR200398801Y1 (ko) 난연성을 갖는 합판
CN107088938A (zh) 一种阻燃竹胶合板的生产方法
JP5995418B2 (ja) 木質材料の処理方法、当該方法で処理された木質材料及びその用途
ES2663007T3 (es) Procedimiento para la producción de un material compuesto derivado de la madera y material compuesto derivado de la madera
KR20050117711A (ko) 불연성 판넬 및 그 제조방법
KR101226752B1 (ko) 방염 멜라민 수지의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 방염 멜라민 시트

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171107

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20171113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6253148

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250