JP2014094497A - 単板集成材積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】せん断応力に対する耐力を強化した木材積層体を提供する。
【解決手段】本発明は、所定サイズのラミナを縦方向および横方向に接合した集成材板状体と所定サイズの木質単板を交互に積層した単板集成材積層体である。これに加えて、前記集成材板状体の繊維方向と前記集成材に接着する前記木質単板の繊維方向は異なるように、特に略直角になるように積層し、さらに外表面に単板を配置したことを特徴とする。この結果、本発明の単板集成材積層体は、集成材板状体の欠点に一部欠陥が発生しても拡大することは少なく、従来は外観を維持するために選別し除外していた部材を使用することができるので、部材の歩留まりが向上するとともに選別コストを低減でき、集成材の単価を低減することができる。さらに、せん断応力に対する耐力をさらに強化することが可能となり、反りやネジレ等に対しても強くなる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、所定サイズのラミナを縦方向および横方向に接合した集成材板状体と所定サイズの木質単板を交互に積層した単板集成材積層体である。これに加えて、前記集成材板状体の繊維方向と前記集成材に接着する前記木質単板の繊維方向は異なるように、特に略直角になるように積層し、さらに外表面に単板を配置したことを特徴とする。この結果、本発明の単板集成材積層体は、集成材板状体の欠点に一部欠陥が発生しても拡大することは少なく、従来は外観を維持するために選別し除外していた部材を使用することができるので、部材の歩留まりが向上するとともに選別コストを低減でき、集成材の単価を低減することができる。さらに、せん断応力に対する耐力をさらに強化することが可能となり、反りやネジレ等に対しても強くなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、造作用や構造用の木材として用いられる木材積層体に関するもので、特にせん断応力等に対する耐力を強化する単板および集成材の積層体に関する。
集成材は、ひき板、小角材等の木材片(ラミナ)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅及び長さの方向に集成接着した一般材であり、大断面のものや湾曲した形状のものも作製できるので、近年の木造建築物、内装品、家具等に多数用いられている。特に構造用集成材は元の木材素材よりも強度のバラツキを小さくし、設計強度を大きく取ることができるので、エンジニアードウッドを代表する優れた材料である。
しかし、集成材は積層するラミナの繊維方向が揃っているため、集成材端部をドリフトピンやボルトで固定した場合、それらの固定位置と集成材端面との距離(端距離)が短いと、繊維方向への力に対して弱い。また、木造建物は、部材である木材自体よりも接合部の方が弱い。その理由は接合部で木材が割裂してしまうためである。この集成材を梁桁等として横使いする場合には、梁桁等の上部中央付近に上方から曲げ荷重を受けることが多く、集成材の上側に圧縮力が、下側には引張力が加わる。たとえばこの中央部分にフィンガージョイントや大径節等の欠点がある場合には、これらの部分は特に引張力に弱いので、梁桁等が損傷したり、繰り返し応力により劣化する場合がある。さらに、これらの問題を防止するために、フィンガージョイントや大径節等の欠点の位置を分散させ、強度性能を改善する試みがなされている。(非特許文献1、2)また、単板を繊維方向を同一にして積層接着した構造用単板積層材においても、フィンガージョイントやスカーフジョイント結合した単板積層材を上記ジョイント結合部を前後方向に位相をずらして、所定枚数積層接着した単板積層材集成材により、所望の強度を有する集成材を作製できることが提案されている。(特許文献1)
林知行・宮武敦(1993)「集成加工材料の強度特性に及ぼす欠点分散の影響(第1報)−幅はぎによる強度下限値の向上―」、木材工業、48(10)、P.472−476
柴田直明・橋爪丈夫・伊東嘉文、「フィンガージョイント分散幅はぎラミナを引張側に使用したカラマツ集成材の強度特性」長野県林総セ研報第18号(2004)、P.103−110
しかし、上記のフィンガージョイントや大径節等の欠点の位置を分散させた集成材や木質単板を積層するためには、選別する必要があること、欠点位置をずらして接着させる装置が必要なことなど、製造コストがかかり、安価な木材を得るという集成材の大きな目的を実現できない。さらに、集成材は断面寸法の小さい木材を多数接着剤で再構成して作られ、接着剤を多量に使用しているため、接着剤にもよるが、無垢の板に比較すると湿気に弱いという問題がある。さらに、集成材内の欠点、たとえばフィンガージョイント、大径節、節穴等の欠点に力が集中してかかり、内部に欠陥が発生した場合、その欠陥場所の上下近傍にも欠点が存在するときは、生じた内部欠陥がそれらの欠点を通じて伝搬して成長し損傷や破壊へつながるという問題もある。さらに、梁、桁などに用いられている集成材の端部にたとえばドリフトピン等を打ち込むと、集成材の端部と打ち込み位置の距離(端距離)が短い場合、ラミナの繊維方向がそろっているため、せん断力により打ち込み位置から割裂し易いという問題もある。
本発明は、集成材と木質単板とを積層し接着した単板集成材積層体であり、さらに集成材のラミナの繊維方向と木質単板の繊維方向との角度を変えることによって、せん断力に対し割裂し難い積層材を実現したものである。本発明は、具体的には以下の特徴を有する単板集成材積層体である。
(1)本発明は、所定サイズのラミナを縦方向および横方向に接合した集成材板状体と所定サイズの1枚または複数枚の木質単板を積層し接着したことを特徴とする単板集成材積層体である。
(2)本発明は、上記において、前記集成材板状体の繊維方向と前記集成材に接着する前記木質単板の繊維方向は異なり、特に略直角であることを特徴とし、さらに外表面に単板を配置したことを特徴とする単板集成材積層体である。
(3)本発明は、上記に加えて、複数枚の木質単板を積層したものを使用する場合において、木質単板の繊維方向を互いに異なり、特に略直角であることを特徴とする単板集成材積層体であり、さらに、表面側における単板の積層枚数は中心側における単板の積層枚数よりも多いことを特徴とする。
(4)本発明は、上記に加えて、前記修正材板状体および前記木質単板に関して、厚み方向において対称構造を有し、さらに、木質単板の厚みは1mm〜6mmであることを特徴とする単板集成材積層体である。
(1)本発明は、所定サイズのラミナを縦方向および横方向に接合した集成材板状体と所定サイズの1枚または複数枚の木質単板を積層し接着したことを特徴とする単板集成材積層体である。
(2)本発明は、上記において、前記集成材板状体の繊維方向と前記集成材に接着する前記木質単板の繊維方向は異なり、特に略直角であることを特徴とし、さらに外表面に単板を配置したことを特徴とする単板集成材積層体である。
(3)本発明は、上記に加えて、複数枚の木質単板を積層したものを使用する場合において、木質単板の繊維方向を互いに異なり、特に略直角であることを特徴とする単板集成材積層体であり、さらに、表面側における単板の積層枚数は中心側における単板の積層枚数よりも多いことを特徴とする。
(4)本発明は、上記に加えて、前記修正材板状体および前記木質単板に関して、厚み方向において対称構造を有し、さらに、木質単板の厚みは1mm〜6mmであることを特徴とする単板集成材積層体である。
本発明の単板集成材積層体は、木質単板および集成材板状体が交互に積層しているので、集成材板状体のフィンガージョイントや大径節等の欠点(問題箇所)が厚み方向に重ならない。従って、集成材板状体の欠点に一部欠陥が発生しても拡大することは少ない。また、集成材板状体のフィンガージョイントや大径節等の欠点の位置が厚み方向で重なることはないので、集成材板状体の欠点の位置をずらして接着する必要もない。また、木質単板が外表面に配置される場合には、単板集成材積層体のフィンガージョイントや大径節、並びに異色部材は外部から見えないので、良好な外観を有する。逆に言えば、従来は外観を維持するために選別し除外していた部材を使用することができるので、部材の歩留まりが向上するとともに選別コストを低減でき、集成材の単価を低減することができる。さらに、集成材板状体の繊維方向と前記集成材に接着する前記木質単板の繊維方向を異なる方向とすることによって、せん断力に対してラミナが割裂し難くなるため、接合部も破壊しにくくなり、高靱性な接合部を実現できる。特に、集成材板状体の繊維方向と前記集成材に接着する前記木質単板の繊維方向を略直角にする(直交させる)ことによって、せん断応力に対する耐力をさらに強化することが可能となり、反りやネジレ等に対しても強くなる。
本発明は、集成材(板状体)と木質単板とを積層し接着した単板集成材積層体であり、さらに集成材のラミナの繊維方向と単板の繊維方向との角度を変えることによって、せん断力に対し割裂し難い積層材を実現したものである。ここで、本発明の積層材は、集成材(板状体)および木質単板(単に単板と記載する場合もある)を積層したものであるから、本出願において単板集成材積層体と称する。また、集成材は、ひき板又は小角材等の木材片(ラミナと称する)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅及び長さの方向に集成接着を施した一般材であるから、本出願では、ひき板又は小角材等の木材片(ラミナ)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして、幅方向及び長さの方向に集成接着した板状体を特に集成材板状体と呼ぶ。従って、集成材は、集成材板状体および板状体を厚さ方向に接着したものも含むものとする。本発明において単板集成材積層体は主に単板と集成材板状体を積層したものであるから、単板集成材板状体積層体と称するべきであるが、特に記載のない限り簡略のために単板集成材積層体と称する。
図1は、本発明の単板集成材積層体の完成品の概略斜視図を示す。図1(a)は、単板集成材積層体の外表面(表面および裏面)に集成材板状体を配置した場合であり、集成材板状体15(15−1、2、3)の間に単板16(16−1、2)がサンドイッチ状に挟まれて接着している。言い換えれば、集成材板状体15および単板16は交互に積層している。この単板集成材積層体は、集成材板状体15(15−1、2、3)の間に単板を挿入しているので、単板挿入集成材と呼んでも良い。集成材板状体や単板の積層枚数は、それぞれの厚みを基本として作製する単板集成材積層体(完成体)の厚みによって決まる。
集成材板状体15は、小角材等のラミナを接ぎ足して作製したものであるから、フィンガージョイント等の縦接ぎ部分14や幅接ぎ部分13が存在する。集成材板状体を厚み方向に重ねた場合、これらの縦接ぎ部分14や幅接ぎ(幅はぎとも言う)部分13が厚み方向に重なると、それらの部分では強度が弱くなる。また、小角材等自体やその一部に欠点(問題箇所、たとえば、死節、腐れ、割れ、ピンホ−ル、変色、大径節)や欠陥があった場合、その部分が弱いので、何らかの応力が加わったときに破損する可能性があり、それらの欠点等が厚み方向に重なっていると欠陥が伝搬し大きく成長して集成材全体が破損する恐れがある。しかし、本発明の単板集成材積層体では、集成材板状体の間に単板が挿入されているので、集成材板状体の縦接ぎ部分14や幅接ぎ部分13が厚み方向に重なることはなく、また集成材の板状体の欠点や欠陥が連続することはないので、強度が低下したり、集成材の欠点から発生した欠陥等が伝搬し厚み方向に大きく成長したりすることはない。
集成材板状体15の繊維方向Aは、集成材を構成するラミナの繊維方向と一致し、集成材板状体の長手方向である。本発明の単板集成材積層体は、好適には、集成材板状体15の繊維方向Aと単板16の繊維方向Bとの角度を変えて、集成材板状体15と単板16を交互に接着積層する。集成材のラミナの繊維方向Aと単板16の繊維方向Bの角度が異なるため、集成材の繊維方向または単板の繊維方向へのせん断力に対し、ラミナが割裂し難くなり、接合部が破壊しにくく、高靭性な接合部を作製できる。特に、AとBを略直角方向、すなわち集成材板状体15の繊維方向Aと単板の繊維方向Bを直交するようにすれば、その効果は大きい。
図1(b)は、本発明の単板集成材積層体の上下の外表面に単板を配置した場合であり、単板16(16−1、2、3、4)の間に集成材板状体15(15−1、2、3)がサンドイッチ状に挟まれて接着している。一番外側の上下の外表面に、単板16(16−1、16−4)が配置されている。
単板16および集成材板状体15は積層されているので、図1(a)において記載したように、集成材の欠点や欠陥等が厚み方向には伝搬や拡大成長等しないこと、縦接ぎ部分14や幅接ぎ部分13が厚み方向に重ならないこと、接着剤層が厚み方向に連続することはないことなどのために、さまざまな力に対して強く、さらに耐湿性も向上する。さらに、図1(b)の場合には、単板16が外表面に存在するので、集成材の外観上の欠点、たとえばフィンガージョイント等に基づく縦接ぎラインや幅接ぎラインは外側に露出しないし、また大径節、節穴等の欠点や異色ラミナ等は見えなくなる。従って、単板16の連続した自然できれいな木目を表面に出すことができ、外観上きれいな仕上がり表面となる。尚、集成材は所定幅が得られれば、幅はぎしなくても良く、単なる板でも良い。
また、図1(b)に示す本発明の単板集成材積層体も、図1(a)と同様に、集成材15の繊維方向Aを単板16の繊維方向Bと角度を変えて集成材15と単板16を交互に接着積層すれば、集成材のラミナの繊維方向Aと単板16の繊維方向Bの角度が異なるため、集成材の繊維方向または単板の繊維方向へのせん断力に対し、ラミナが割裂し難くなり、接合部が破壊しにくく、高靭性な接合部を作製できる。特に、AとBを略直角方向(たとえば、互いの繊維方向を直角方向に対して±10度以内とする)にすれば、その効果は大きくなる。
図1(a)および図1(b)に用いる単板16は、集成材板状体15と積層できるように同じ平面サイズである。単板の厚みは、通常約1mm〜6mmであり、集成材板状体の厚みは、約10mm以上、好適には約20mm以上である。本発明では、単板が薄くても集成材板状体の間に挟むと上述した効果が出るが、単板の厚みが1mm以下では集成材からの影響を受けるので、上述した効果が小さくなる。単板の厚みが6mm以上では大面積単板の平面加工が難しくなり、かつ1本の原木から生産される面積が少なくなるので、単板の価格が高くなるという問題がある。
図1(a)および図1(b)に示す単板集成材積層体の構造は、集成材板状体15の厚みを同じにしかつ単板16の厚みを同じにすれば、中心層を対称中心として厚み方向に構造的にも厚さにおいても対称となっている。あるいは、対称位置にある集成材板状体15の厚みを同じにしかつ対称位置にある単板16の厚みを同じにしても、中心層を対称中心として厚み方向に構造的にも厚さにおいても対称となっている。たとえば、図1(a)では、中心に集成材板状体15(15−2)が配置され、その上下に単板16(16−1、16−2)が配置され、その外側に集成材板状体15(15−1、15−3)が付着しており、厚み方向に対称構造となっている。図1(b)では、中心に集成材板状体15(15−2)が配置され、その上下に単板16(16−2、16−3)が配置され、その外側に集成材板状体15(15−1、15−3)が付着しており、さらにその外側に単板16(16−1、16−4)が配置され、やはり厚み方向に対称構造となっている。これらの集成材15(15−1、3)の厚みを等しくし、また単板16(2、3)の厚みを等しくし、さらに単板16(1、4)の厚みを等しくすれば、厚みに関しても対称となる。このように対称(構造)にすると、単板、集成材、これらを接着する接着剤層からの応力が均等になるので、厚み方向の反りのバランスが取れて反りが小さくなる。その結果割れにも強い耐久性に優れた材料となる。また、対称(構造)とすることによって、表裏を考慮することなくどちらでも同じように使用できるというメリットもある。
図1(c)は、図1(b)の応用形態で、外表面を単板で覆ったものである。すなわち、集成材板状体15(15−2)の上下に単板16(16−1、16−2)を接着し、さらにその上下に集成材板状体15(15−1、15−3)を接着する。さらにその全体を単板16(16−3)で巻いて接着する。すなわち、単板集成材積層体の側面も単板16で覆われる。この外表面全体を覆う単板16(16−3)は化粧単板と考えても良く、他の単板16(16−1、16−2)と異なる樹種および異なる厚みの単板を使用することもできる。このように外表面全体を単板で覆うことによって、木目の連続した自然できれいな外観を得ることができる。尚、図1(c)に示す構造も厚み方向に対称(構造)となっている。図1(c)に示す実施形態の変形として、図1(b)に示す構造、すなわち、最外表面に通常の単板を使用した単板集成材積層体をさらに別の化粧単板で覆っても良い。この場合の化粧単板の目的は外観を良好にすることなので、化粧単板の厚みは1mm以下、たとえば0.2〜0.7mm程度にすることもできる。
ラミナには腐れ、死節、変色、ピンホール等の欠点部分があると、集成材の外表面(表面、裏面、側面)に欠点が現れ、その集成材全体が不良品と判定される恐れがあるので、予めそれらの欠点等を排除し良品を選別する必要がある。しかし、図1(b)や図1(c)等に示す本発明の単板集成材積層体では、集成材における品質に影響を及ぼさない外観上の欠点等は問題にならないので、外観上の選別を行なう必要がなく、検査コストを大幅に低減できる。
図1(a)では、単板2枚および集成材板状体3枚を積層した単板集成材積層体、図1(b)では、単板4枚および集成材板状体3枚を積層した単板集成材積層体の構造を示したが、このタイプ{集成材積層体を中心とした対称(構造)}の対称(構造)の単板集成材積層体は、単板2m枚および集成材板状体2m±1枚を積層したもの(m=正の整数)となる。
図1に示す構造とは異なり、単板を真中にして単板の外側に集成材板状体を接着する方式で対称(構造)としても良い。たとえば、図1(a)または図1(b)において、15を単板、16を集成材板状体と考えれば良い。この場合の単板集成材積層体でも、上述した効果を実現できる。このタイプ{単板を中心とした対称(構造)}の対称(構造)の単板集成材積層体は、単板2m±1枚および集成材板状体2m枚を積層したもの(m=正の整数)となる。
図2は、本発明の単板集成材積層体の製造方法を示す図である。所定の厚さおよび幅寸法を有する木質小片の長さ方向を揃えて切断し所定サイズの小角材、矩形木質小片、ひき板等の木材片(ラミナ)11を得る。このラミナ11(11−1、11−2、・・・)を所定数長手方向に接合する(縦接ぎ)。すなわち、図2(a)において、ラミナ11(11−1、11−2、・・・)を長手方向(縦方向、矢印C方向)に縦接ぎする。ここで、ラミナ11(11−1、11−2、・・・)の繊維方向AはC方向に揃えている。この接合は、フィンガージョイント加工、スカーフジョイント加工、バットジョイント加工、本実加工、相じゃくり加工等の方法で行なうことができるが、これらに限定されない。また、接合は接着剤も使用することによって、さらに強固に接合することができる。接着剤は、たとえば、レゾルシノール樹脂接着剤、水性高分子−イソシアネート系樹脂接着剤などを使用できるが、これらに限定されない。ラミナ11の大きさは、厚みおよび幅が5mm以上で、長さが50mm以上であることが望ましい。これらの寸法より小さいと多数の接合が必要となり、小角材の選別、選定、接合作業に手間がかかり、接着剤も多くなり好ましくない。
この縦接ぎされた長尺のラミナ(長尺ラミナと称す)が、図2に示す13(13−1、13−2、13−3)である。図2(b)における長尺ラミナ13(13−1)は、縦接ぎされたラミナ11(11−1、2、・・・)の集合体であり、その接合部を点線14で示し、繊維方向をAで示している。繊維方向はラミナの長手方向である。尚、接合部14は他の長尺ラミナにおいては煩雑なので記載していない。この長尺ラミナ13(13−1、13−2、13−3)を所定枚数横(幅)方向に幅接ぎ(幅はぎとも言う)する。すなわち、矢印D方向に接着する。この接着も、フィンガージョイント加工、スカーフジョイント加工、バットジョイント加工、本実加工、相じゃくり加工等の方法で行なうことができ、さらに接着剤を併用して強固に接着できるが、これらに限定されない。
このように、ラミナを縦接ぎおよび横接ぎをして、図2(c)に示すように、所定の平面積を有する集成材板状体15を作製する。(本出願では、この集成材15を厚み方向にさらに積層するので、これを集成材板状体15と称しているが、前述したようにこのような集成材板状体15も集成材に含まれる。)この集成材板状体15の繊維方向はラミナの繊維方向Aと一致する。次に、この集成材板状体15の平面積に合わせた単板16を用意する。すなわち、集成材板状体15の縦方向(C方向)の長さおよび横方向(D方向)の幅に合わせて単板16を作製する。単板は、一般にロータリーレースやスライサーなどの切削機械で木材を薄く切削した板材である。ロータリーレースで切削した単板(ロータリー単板)は、木材の繊維方向の長さはロータリーレースの幅や木材の長さによって決定されるので、集成材板状体15がこの長さより大きいサイズである場合には、その長さ方向に接ぐ必要がある。たとえば、単板木口部をスカーフやジグザグ等の噛み合わせ形状に成型して接合する。接合位置を点線17で示す。集成材板状体15の間に単板を挿入するだけで上述した種々の効果があるので、単板16の厚みは、約1mm以下でも良いが、より効果を出すには前述したように約1mm〜6mmの厚みが良い。単板の厚みが1mm以上あれば、集成材の反りやネジレを防止したり、集成材の欠点等で生じた欠陥の厚み方向への伝搬を防止したり、水分等の浸入をブロックしたりする効果が大きい。
この単板16および集成材板状体15を交互に積層して、接着剤を用いて接着する。集成材板状体15の繊維方向Aと単板の繊維方向Bとの角度を変えて積層し接着することが望ましい。AとBとが直交するように配置すればさらに望ましい。こうして、図2(d)に示すように、単板16(16−1、2)と集成材板状体15(15−1、2、3)とが交互に積層した単板集成材積層体が作製される。上下表面に同じもの(単板または集成材板状体)が来るように積層すれば、厚み方向に対称な構造となる。同じ厚みの集成材板状体および同じ厚みの単板を用いれば厚さの点でも対称となる。この場合、対称中心になる材質の板は奇数枚数となり、他の材質の板は偶数枚数となる。たとえば、図2(d)に示す単板集成材積層体では、集成材板状体15が奇数(3)枚で、単板16が偶数(2)枚である。最終厚さ(単板集成材積層体の厚み)になるように、集成材板状体15および単板16の厚みを調整したり、積層枚数を選択する。
接着剤は、例えば、レゾルシノール樹脂接着剤、水性高分子−イソシアネート系樹脂接着剤などが使用できるが、これ以外であってもよい。接着条件は、たとえば、塗布量200g/m2〜300g/m2、圧締圧力5〜10kgf/cm2、冷圧締にて一昼夜以上、その後一ヶ月以上養生して単板集成材積層体を作製する。尚、積層する単板や集成材板状体の樹種や厚みを適宜変更することもできる。樹種として、たとえば、杉、桐、シナ、カツラ、ナラ、オ−ク、ケヤキ、サクラ、ヒノキ、マツなどの他、ジョンコン、ラミン、ラワン等を使用できるがこれ以外であっても良い。
図2(d)では最外表面を集成材板状体15(15−1、15−3)としているが、図1(b)に示すように、図2(d)出示す集成材板状体15(15−1、15−3)の上下面にさらに単板16を接着しても良い。この最外表面は、図1(c)に示すように、図2(d)出示す集成材板状体15(15−1、15−3)の全体を単板16で覆って接着しても良い。この単板16は化粧単板を用いても良く、その場合は化粧単板の厚みを1mm以下とすることもできる。
以上説明したように、本発明の単板集成材積層体は、単板の大きさに合わせて集成材を作製できるので、大面積の部材を作製できる。また、単板の厚さおよび集成材の厚さを任意に選択できるので、所望の厚さで所望の特性(特に強度)を有する単板集成材積層体を作製できる。集成材板状体の繊維方向と単板の繊維方向を直交させる場合でも、集成材板状体の繊維方向は同じ、単板の繊維方向も同じであるから、製造しやすい。
単板挿入集成材積層体のせん断性能を調べるために、横架材端接合部のせん断試験を行なった。試験は、図3に示すように、梁上に加圧板を置き、そこに鉛直力を加え、柱と梁の相対すべり量を変位とした。柱はストッパーで固定し動かないようにした。得られたデータから作製した応力歪曲線から、剛性k、降伏耐力Py、降伏変位δy、完全弾塑性モデルの降伏変位δv、終局耐力Pu、終局変位δu、構造特性係数Ds(=(2μ−1)−1/2)(μ:塑性率)を求めた。その結果を図4に示す。
試験体A、BおよびCは集成材の間に単板を挟んだ単板集成材積層体の構造(この場合は単板挿入集成材である)とした。試験体A(FJ30)は、厚さ30mm、幅90mm、長さ670mmの杉集成材(フィンガージョイントあり)を4枚、杉集成材22の間に厚さ4mmの杉単板3枚を挿入した単板集成材積層体である。試験体B(NFJ30)は、試験体Aと同じサイズであり、フィンガージョイントのない杉集成材を使用した単板集成材積層体である。試験体C(NFJ40)は、厚さ40mm、幅90mm、長さ670mmの杉集成材(フィンガージョイントなし)を3枚、杉集成材の間に厚さ4mmの単板2枚を挿入した単板集成材積層体である。試験体Dは、厚さ130mm、幅90mm、長さ670mmの杉の製材である。また、試験体A、B、およびCのいずれも集成材の繊維方向と単板の繊維方向は直交するように集成材および単板を交互に積層した。
図4から分かるように、k、Py、δy、δvは単板挿入集成材積層体および製材でそれほど差はないが、δuが単板挿入集成材の方が大きい、またDsは小さいことが分る。したがって、単板挿入集成材積層体の方が靱性が大きいこと、つまり、ねばりが大きいことが分る。また、各試験体の破壊の状態を比較すると、単板挿入集成材積層体は、梁ではなく、柱の方がボルト位置から仮割裂してしまうこと、つまり、梁の終局的な破壊は生じないこと、一方、製材では、梁のドリフトピン位置で割裂が生じ、そのまま耐力が上がらないことが分かった。これは。製材より単板挿入集成材積層体の方が破壊しにくいことを示している。
以上、詳細に記載したように、本発明は、集成材板状体および単板を積層した単板集成材積層体である。上記記載した本発明の種々の効果に加えて、本発明の単板集成材積層体は単板サイズに合わせて集成材を作製できるので、大面積の部材や種々の厚みの部材を作製できる。従って、集成材の欠点を改善しつつ、かつ無垢材の利点を確保できるというメリットもある。また、これまで説明した単板集成材積層体は1枚の集成材板状体および1枚の単板を交互に積層したものと説明してきたが、目的、効果や目標とする厚み等に合わせて、1枚以上複数枚の集成材板状体を重ねて接着したもの(いわゆる集成材)および/または1枚以上複数枚の単板を重ねて接着したもの(すなわち、単板積層材)を交互に積層したものも含んでも良い。
特に、単板は1mm〜6mmと薄いので、単板を複数枚積層することによって、集成材の間に挿入する単板の厚みを調整しながら、最終的な単板集成材積層体の厚みを細かく(mm単位で)コントロールすることができる。また、複数枚単板を積層することによって単板の強度を高めることができ、結局単板集成材積層体の強度も増大する。従って種々の用途の木材に適用できる。また、薄い単板は1本の材木から多数作製できるので、厚い単板を用いるよりもコストを低下することができる。たとえば、5mmの単板を1枚挿入するものを2.5mmの単板を2枚積層して挿入したり、1mmの単板を5枚積層して挿入する。尚、単板同士も接着剤を用いて接着する。
複数枚積層する単板の繊維方向を上下で異なる方向に重ねることによって単板集成材積層体の強度を向上させることもできる。特に単板の繊維方向を上下で略直角に交差させることによって、その効果を大きくすることもできる。さらに、その複数枚の単板に接着する集成材板状体の繊維方向をその集成材板状体に直接接着する単板の繊維方向と異なる方向、特に略直角方向にすることによって、単板集成材積層体の強度をさらに向上することもできる。また、接着する複数の単板の積層数を単板集成材積層体の表面側で多くし、中心側で少なくする。このように構成することによって、中心側の単板の枚数を少なくすることにより、単板集成材積層体の厚みを調整することができるとともに、単板集成材積層体の表面側から挿入したボルトに対するせん断応力を増大させることができる。以上の場合においても積層した木質単板および集成材板状体に関して厚み方向に対して対称構造とすることによって、単板集成材積層体の表裏からの強度バランスが均一となり、熱や湿度ストレスに対しても強い部材となる。
尚、本発明の単板集成材積層体は、対称構造であるとして説明してきたが、目的、効果や目標とする厚み等に合わせて、表面と裏面の種類が異なるもの{たとえば、表面が単板であれば、裏面が集成材(板状体)}も含んでも良い。また、明細書のある部分に記載し説明した内容を記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。さらに、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が上記実施形態、上記実施例、あるいは上記記載内容に限定されないことも言うまでもない。
本発明は、造作用、化粧ばり造作用、構造用の木材に適用できる。
11・・・ラミナ、13・・・長尺ラミナ、14・・・接合部、15・・・集成材板状体、16・・・木質単板、17・・・接合部
Claims (13)
- 所定サイズのラミナを縦方向および/または横方向に接合した集成材板状体と所定サイズの木質単板を積層したことを特徴とする単板集成材積層体。
- 前記集成材板状体と前記木質単板を交互に積層したことを特徴とする請求項1に記載の単板集成材積層体。
- 前記集成材板状体の繊維方向と前記集成材に接着する前記木質単板の繊維方向は異なることを特徴とする請求項2に記載の単板集成材積層体。
- 前記集成材板状体の繊維方向と前記集成材に接着する前記単板の繊維方向は略直角であることを特徴とする請求項3に記載の単板集成材積層体。
- 外表面に単板を配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の単板集成材積層体。
- 複数枚の木質単板および集成材板状体を交互に積層したことを特徴とする請求項1に記載の単板集成材積層体。
- 前記複数枚の木質単板の繊維方向は互いに異なるように積層することを特徴とする請求項6に記載の単板集成材積層体。
- 前記複数枚の木質単板の繊維方向は互いに略直角であることを特徴とする請求項7に記載の単板集成材積層体。
- 前記集成材板状体の繊維方向と前記集成材に接着する前記単板の繊維方向は異なることを特徴とする請求項8に記載の単板集成材積層体。
- 前記集成材板状体の繊維方向と前記集成材に接着する前記単板の繊維方向は略直角であることを特徴とする請求項9に記載の単板集成材積層体。
- 表面側における単板の積層枚数は中心側における単板の積層枚数よりも多いことを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の単板集成材積層体。
- 前記修正材板状体および前記木質単板は、厚み方向において対称構造を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の単板集成材積層体。
- 前記木質単板の厚みは1mm〜6mmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の単板集成材積層体。
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|---|---|---|---|---|
| JP2016000934A (ja) * | 2014-06-12 | 2016-01-07 | クリ英ター永和株式会社 | 板壁式の木製梁ユニット |
| EP3211151A1 (de) * | 2016-02-26 | 2017-08-30 | Hess Timber GmbH & Co. KG | Holzträger in form eines lamellenbinders |
| JP2019108699A (ja) * | 2017-12-15 | 2019-07-04 | 株式会社熊谷組 | 構造体の補強構造 |
| JP2024122873A (ja) * | 2023-02-28 | 2024-09-09 | 広平凱王圧密科技有限公司 | 高周波に基づく定尺圧密板 |
-
2012
- 2012-11-09 JP JP2012247126A patent/JP2014094497A/ja active Pending
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