JP3209886U - トラック用床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】その供給に問題があるアピトン(クルイン)などを利用せず、これと同等以上の性能を有するトラック用の床材を提供すること。【解決手段】針葉樹であるヒノキの板材から死節・抜け節と所定の大きさ以上の生節を除去し、設定された長さの範囲のラミナ要素4を長手方向にフィンガジョイントにより接続したラミナ5を、接着剤により積層し、ラミナ5の厚み方向に板状に切断して形成されたトラック用床材1であって、ラミナ5の接合部Jが、隣接する他のラミナ5の接合部Jと異なる位置となるように構成されたため、節が多く強度の低い針葉樹であってもアピトン等によらず、要求される強度を備えたトラック用床材1とすることができる。【選択図】図6

Description

本考案は、トラックの床材等に係り、詳しくは軽量なトラック用床材に関する。
従来より、一般にトラックの床材には、幅が広く長さも長く、強度の高い均一な材質の木材の単板が用いられていた。日本工業規格(JIS)の団体規格である日本自動車技術会規格(以下「JASO規格」という。)は、公益社団法人自動車技術会(JASO・Japanese Automotive Standards Organization)によって制定され、自動車産業全体の標準技術とされている。トラック用床板に関しても、「自動車規格JASO M 901−85」で材料等が規定される。ここには、「9.材料:9.1床板:9.1.1単板」として、「(1)木材は、アピトン(クルイン)又はこれと同等以上の性能を有する樹種を使用する。」と規定されている。
ここで、アピトン(クルイン)は、フタバガキ科の常緑大高木で,ディプトロカルパス属の樹木の総称である。東南アジア原産で,フィリピンではアピトン,マレーシアではクルインと呼ぶ。樹高50〜60メートル,直径1〜2メートルに達し、南洋材で木目や節がなくかつ緻密で強度が大きく、強度が一定の幅広で長尺の単板が容易に取れ、工場の床板,車両材などに広く用いられ、トラック用の床板としては好適な材料である。
しかしながらアピトン(クルイン)は、多くは植林ではなく自生の樹木であり、成長に長期間が必要で森林伐採などで資源が枯渇してきており、生産量が減少している。JASO規格で規定される床板としては、「アピトン(クルイン)又はこれと同等以上の性能を有する樹種」であり、これまで代替の樹種としては一定の強度がある竹やアカシヤが用いられていた。
ところで、アピトン(クルイン)のみならずこれと同等以上の性能を有する樹種である竹やアカシヤの集成材は強度や耐久性が大きく、反りや曲りが少なく寸法精度の面で優れている。しかしながら、その密度が大きく、トラックの床材として使用した場合には、その質量が大きくなり、燃費など省エネルギーの点で問題があった。また、その質量の分だけトラックの積載量が制限されるという問題があったため、密度の小さな樹種が望ましい。
ここで、米松やレッドウッドのような針葉樹、国内産のヒノキなどは、密度が小さく軽量で成長も早く植林も進んで供給が安定しているが、節などが多かったり、強度の点で問題があったり、床材としては単独で用いるには適さないとして使用されていなかった。
特開平8−164876号公報 特開2003−252254号公報
そこで、特許文献1には、アピトン、クルイン等の硬質木材の単板を相互間に接着剤を塗布してクロス方向に積層したうえ15〜25kg/cmの高圧力で加圧成型し、積層材を製造する。この積層材を、米松等の針葉樹材からなるコア材の両側面に10kg/cm以下の圧力で加圧接着したトラックの床材、ボルスタ、アオリ、バスの床板等の車両用構造部材が提案された。
また、特許文献2では、アピトンとの間に低比重材を接着することで、アピトンのような硬質材の使用量を少なくしても硬質材を使用した場合と同様、強度が高く、且つ軽量でしかも安価な車両用床材が提案された。
しかしながら、これらはアピトンのような硬質材の使用量を少なくするものの、結局強度を維持するためにはアピトン等を用いることにかわりはなかった。
そこで本考案の課題はその供給に問題があるアピトン等を利用せずに、同等の性能のトラック用床材を提供することにある。
ところで、JASO規格の制定時の1985年は、荷物搬送用のトラックは無蓋車が多かったが、近年では、風雨を防ぐバンボディやウイングボディが主流になっている。そのため床材に対する要求も変化している。風雨に対する耐久性の要求だけでなく、強度は大きいが樹脂の沁み出しやシリカの析出が多いアピトンは、積み荷の汚損や、加工具の痛みが問題であったので、これらの問題がない素材はより好ましいものである。また、荷室が密閉されることで生じる問題も新たに発生するようになった。
そのため、上記課題に加え本考案はアピトン等を利用せずこれと同等以上の性能を有するトラック用の床材であって、さらに必要な強度を有しながらアピトンより低密度の床材を、加えて提供することにある。
また、さらに付加的に、樹脂の沁み出しやシリカの析出が少ない床材も加えて提供することにある。
また、さらに付加的に、密閉した荷台において防黴性、防虫性が高い床材を加えて提供することである。
上記課題を解決するため、本願に係る考案のトラック用床材では、針葉樹の死節・抜け節と一定の大きさ以上の生節を除去し、設定された長さの範囲の棒材を長手方向にフィンガジョイントにより接続したラミナが、幅方向に接着剤により積層された板状のトラック用床材であって、前記棒材の接合部が、隣接する他の棒材の接合部と異なる位置となるように構成されたことを要旨とする。
ここで本願では、前記生節の一定の大きさは、長径がトラック用床材の厚さの4分の1以上であることも望ましい。
また、前記接着剤は、レゾルシノール樹脂系接着剤であることも望ましい。
また、前記設定された長さが450mm以上であることも望ましい。
また、前記トラック用床材は、JASO M 901−85 10.4 曲げ試験方法曲げによる強度試験において、曲げ強度が900kg/cm以上であることも望ましい。
さらに、前記トラック用床材は、JASO M 901−85 10.4 曲げ試験方法曲げによる強度試験において、曲げヤング率が100×10g/cm以上であることも望ましい。
さらに、前記トラック用床材は、密度が0.6g/cm未満であることも望ましい。
そして、前記針葉樹は、ヒノキ、スギ、ヒバ、カラマツ、アカマツ、クロマツから選ばれる種類であることも望ましい。
前記針葉樹が、特にヒノキであることが望ましい。
本考案によれば、アピトン(クルイン)などを利用せず、これと同等以上の性能を有するトラック用の床材を提供することができる。
原材料であるヒノキの丸太を製材した長尺の板材を示す斜視図。 原材料から切り出した板材の節等を除いたラミナ要素を接合したラミナを示す斜視図。 図2に示すラミナを接合部が重ならないように積層し、接着剤で圧着した状態を示す斜視図。 図3に示す積層された集成材を帯鋸で切断する状態を示す斜視図。 本実突き付けのため、左右に雄実、雌実の接合部を形成した状態を示す正面図。 トラック用床材をトラックに敷設する状態を示す斜視図。
(第1の実施形態)
以下、本考案を具体化したトラック用床材1の一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
(原材料)
トラック用床材1(図6参照)は、トラックTの荷台に敷設され、貨物を積載するため、曲げ強度等所定の性能が要求される。1985年に制定されたJASO規格 JASO M 901‐85では、当時豊富に輸入され供給されていたアピトンを念頭に規定されている。しかしながら、上述のようにその資源が枯渇すると、その代替材料が模索された。アピトンと同様な巨大な広葉樹からなる南洋材は、いずれも生産性が低く安定した資源とはならない。
一方、日本国内で植林による安定供給できる針葉樹としてヒノキなどが挙げられるが、大径でその柾目の心材部は大変高価であることから高級な住宅用として用いられる。材木の径が小さいものや、大径でも辺材部では節が多く、そもそも強度が低くトラック用床材には向かないと認識されていた。
しかしながら本考案の考案者は、この強度を低下させる節の部分を除去し、むしろ強度が心材部より強い辺材部を用いることで、これまでトラック用床材1には適していないとされていたヒノキを集成材とすることで、トラック用床材1として実用的に利用することができることを初めて見出した。さらにこの本願の技術は、これまでトラック用床材1として適合しないとされていた各種の針葉樹においても広く適用できることも見出した。
(トラック用床材の構成)
図6に示すように、本考案に係るトラック用床板1は、針葉樹(例えばヒノキ)の死節・抜け節と所定の大きさ以上の生節を除去した、設定された長さの範囲の棒材(ラミナ要素4)を長手方向にフィンガジョイントにより接続したラミナ5を、幅方向に接着剤により積層された板状のトラック用床材1である。そして前記棒材の接合部Jが、隣接する他の棒材の接合部Jと異なる位置となるように構成されている。
(製造方法)
(原材料処理)図1に示すように、原材料であるヒノキの丸太を製材して、110mm×33mm(若しくは135mm×35mm)の長尺の板材2を切り出す。
次に、強度の低下の原因となる節の除去を行う。ここで、節の種類としては、「生節(いきぶし)」「死節(しにぶし)」「抜け節」がある。「生節」とは、木質部と一体になっており、木質部と分離することはない。そのため、強度を低下させることが少ない。また「死節」とは、節の組織が死滅して木質部から分離したもので、節と木質部との境界に隙間ができやすく強度低下の原因となる。そして「抜け節」は節の部分が木質部から抜け落ち空間が生じたもので強度が著しく低下する。そのため、「抜け節」と「死節」は、その大きさを問わず除去する。「生節」は、直ちに強度低下するわけではないが、死節に変化した場合には、大きく強度が低下するため、一定の大きさ、この実施形態では完成したトラック用床材1の厚さが21mm(若しくは24mm)であるので、その4分の1以下となるように長径dが5mm(厚さ24mmでは6mm)以上のものは除去する。
図1に示す板材2においては、死節B3・B5、抜け節B1と、長径3dが5mm以上の生節(いきぶし)B6を除去する。生節B2・B4は、長径d1・d2が5mm未満であるので除去しない。死節B5は抜け節となる可能性があるため、長径dが非常に小さいが除去する。節Bの除去は、板材2の幅方向に切断することによって行う。
節を除去した板材2は、原板3a〜3eに分割される。この時、原板3a〜3eの長さl1、l2、l3は、その長さが予め設定した所定の長さ450mm以上の範囲にあるが、原板3d及び3eは、その長さl4、l5が450mm未満であるので廃棄する。
なお、目視若しくは透視等により、穴、やにつぼ、やにすじ、入り皮、割れ、逆目、欠け、きず及び接合の透き間、異物等が発見され、強度に影響を及ぼすと思われる部分も同様に除去される。
(ラミナ作製)次に、図2に示すようにラミナ5を作製する。ラミナ5は集成材6(図3参照)を作製するために積層をする要素である板材である。前述のように節B等の除去がなされた原板3a、3b、3c…に接合部Jが加工されたものをラミナ要素4とする。このラミナ要素4a、4b、4c、4d、4eをフィンガジョイント接着剤レゾルシノールを塗布し、長さ方向に接合し圧着する。常温で接着しても良いが、高周波により接合部を加熱してもよい。接合は垂直(厚み方向)構造のフィンガジョイントにより行われる。ここで「フィンガジョイント」とは、「接着面が三角形の積み重なった形状を持つ木材の接合部」をいう。その具体的な方法は、JASO規格に従う。
前述のようにして、長さL1〜L5が450mm以上のラミナ要素4a〜4eを接合部J1〜J4で接合して長さLTが6000mm、幅110mm×厚さ33mm(若しくは幅135mm×厚さ35mm)のラミナ5を作製する。ラミナ5は、積層するための単位となる。
なお、さらにこの6000mmのラミナを、敷設するトラックTの荷台の長さTLに合わせ、適宜フィンガジョイント若しくはスカーフジョイントにより接合して、例えば長さ10000mm程度の長さの長尺のラミナ5とすることもできる。
(レゾルシノール積層)図3は、図2に示すラミナ5を積層し、接着剤で圧着した集成材6を示す。ラミナ5は、厚さ方向に、例えば11枚をレゾルシノール積層される。レゾルシノール樹脂接着剤は、集成材6の接着に使用されているホルムアルデヒド系接着剤で、木材接着剤の中で最も優れた耐久性を有し、耐水性にも優れる。
この時、一番上のラミナ5aの接合部J1〜J4は、2番目のラミナ5bの接合部J5〜8と垂直方向で重なることがない。このことは積層される他のラミナ5においても同様である。これはラミナ要素4が450mm以上の範囲でランダムな長さになっているため、可能となっている。接合部Jは、接合部以外の部分と比べると、比較的曲げ強度が低くなる場合があり、そのため接合部Jが垂直方向に重なると、トラック用床材1としたときに、応力が隣接した接合部Jに集中して接合部Jが破損しやすくなる。そこで、積層したラミナ5同士の接合部Jが重ならないように構成したものである。
積層は、レゾルシノール樹脂系接着剤を塗布し、例えば、圧締圧力8〜10kgf/cmでプレスし、常温で圧締時間15時間以上とする。
もしくは、出力50kWの高周波プレスを用いて高周波を印加しながら接着剤を加熱硬化させ、1MPaで300秒間圧締し、さらに7日間養生するような方法でもよい。
(床材作製)図4は、図3に示す積層された集成材6を帯鋸(不図示)で切断しトラック用床材1を作製する状態を示す。ラミナ5を積層した集成材6を帯鋸でラミナ5の厚み方向に切断する。その結果、板状のラミナ5は、トラック用床材1を構成する棒状のラミナ5となる。そして、厚さ21m(若しくは24mm)の幅200mm以上、長さ10000mmの集成材からなるトラック用床材1を作製する。
(本実突き付け接合部)図5は、本実突き付けのため、右に雄実7a、左に雌実7bを備えた接続部7を形成したトラック用床材1の状態を示す。集成材6から板状に切り分けられたトラック用床材1は、本実突き付けのため、左右に雄実7a、雌実7bを備えた接続部7を形成し、働き幅WW(接合後に床面として使用できる幅)を所定幅、例えば200mmとする。
(前後方向長さ調整)そして、図6に示すトラックTの荷台の前後方向の寸法TLに合わせて、長さを調整する。車両前後方向に継ぎ足す場合は、スカーフジョイント若しくはフィンガジョイントで、所望の長さを得る。
(幅方向長さ調整)そして、敷設するトラックTの荷台の幅TWに合わせて、接続部7により本実突き付け接合し、荷台の突起物などの輪郭に沿って側面をカットする。
(床材敷設)図6は、このようにして製造したトラック用床材1をトラックTに敷設する状態を示す。無蓋車であるトラックTの荷台は凹凸があるため、まず一対の木質の縦根太8,8をトラックTの荷台の幅TWの3分の1程度離間して平行に車両前後方向に装着する。次に荷台の幅TWとした木質の横根太9を縦根太8に直交する方向に所定の間隔、例えば40cm間隔でこの縦根太8,8上に水平に装着する。このようにして所定間隔で梯子状に装着した複数の横根太9にトラック用床材1を敷設し、固定する。トラック用床材1は、単層でもよいし、強度が要求される場合には積層してもよい。
次に、このように作製したトラック用床材の作用について記載する。
(トラック用床材の性能)トラック用床材1には、JASO規格による性能の要求がある。基本的には「木材は、アピトン(クルイン)又はこれと同等以上の性能を有する樹種を使用する。」ものである。特に、耐久性に直結する「曲げ強度」、「曲げヤング率」、「接着性」については、JASO規格の表2(不図示)に具体的な数値の規定がある。
(曲げ強度試験)
曲げ強度及び曲げヤング率に関しては、「JASO M 901−85(10.4 曲げ試験方法)」に規定される。
試験方法は、以下のとおり引用する。(図示は省略する。)
10.4.1 床板,あおり板及び前立板 単板及び合板の床板、あおり板及び前立板の曲げ試験方法は、次の方法による。
(1)試験片の作製 各試料より図10のように単板にあっては繊維方法と直角に50mmの長さ、平行に厚さの24倍に50mmを加えた長さの長方形のものを作製する。合板においては図11のように0°の試験片として表板の繊維方法と直角に50mmの長さ、平行に厚さの24倍に50mmを加えた長さの長方形のもの及び90°の試験片として表板の繊維方法と平行に50mmの長さ、平行に厚さの24倍に50mmを加えた長さの長方形のものをそれぞれ作製する。
(2)試験の手順 スパンは厚さの24倍とし、図12に示す方法によって行い、比例域における上限荷重及び下限荷重、これに対応するたわみ及び最大荷重を測定し、曲げ強さや曲げヤング係数を求める。この場合平均荷重速度は、毎分1500N/cm{150kgf/cm}以下とする。
(3)単板ジョイント部(フィンガジョイント) 単板ジョイント部は、図13のように荷重をかけるものとする。
(4)合板ジョイント部(スカーフジョイント) 合板ジョイント部は、図14のように荷重をかけるものとする。
(5)結果の記録 曲げ強さ及び曲げヤング係数は、それぞれ次の式によって算出する。
○曲げ強さ(kN/cm)=3Pl/bh÷1000
○曲げヤング係数(kN/cm)=Δpl /bhΔy÷1000
P:最大荷重(N)
l:スパン(cm)
b:試験片の幅(cm)
h:試験片の厚さ(cm)
Δp:比例域における上限荷重と下限荷重の差(N)
Δy:Δpに対応するスパン中央のたわみ(cm)
(6)実施例 「曲げ強度」及び「曲げヤング率」については、下記表1のとおりJASO規格の基準を満たしている。また、参考までに、「最大荷重」及び「たわみ最大」を示す。
(7)以上のとおり、本実施形態の実施例は、トラック用床材としてアピトン(クルイン)又はこれと同等以上の性能を有する好適な性能を達成している。
(接着性試験)
接着性試験に関しては「JASO M 901−85 10.5 接着性試験」に準拠する。
試験方法は、以下のとおり引用する。(図示は省略する。)
10.51 単板ジョイント部 単板ジョイント部(フィンガジョイント)の接着性は、次の煮沸くり返しはく離試験による。
(1)試験片の作成 試験片は、各試料縦つぎ木材から木口断面をそのままとし、図15のように中央にフィンガジョイントを含む200mmのものを5個ずつ採取する。これら試験片は、各試験片のフィンガ部を横切りし木口に接着層が露出した試験片を1個ずつ採取する。
(2)試験の手順 試験片を沸とう水中に5時間浸せきし、更に室温水中に1時間浸せき後、水中から取り出し、60±3°C恒温乾燥器中で18時間乾燥し、含水率が18%以下となるようにする。以上の処理を1サイクルとし、3サイクルの処理を行う。
(3)結果の記録 試験片の木口断面における接着層のはく離長さが3mm以上のものについて測定する。はく離率は、次の式によって算出する。
はく離率=(木口面のはく離長さの合計/木口面の接着層の長さの合計)×100(%)
(4)接着性試験JASO規格基準(表2)
15%以下、かつ平均が10%以下
(5)実施例 平均値1.5%以上(規格基準内)
(6) 以上のとおり、本実施形態の実施例は、トラック用床材として好適な性能を達成している。
(軽量化)
本実施形態の実施例を以下の表2に示す。
以上のとおり、実施例のヒノキの密度は0.41−0.45g/cmであり、JASO規格基準の0.6−0.9 g/cmを大きく下回るばかりか、従来のアピトン(クルイン)又はこれと同等以上の性能を有するとされてきたアカシアやタケによる代替品に対しても、大幅に軽量化を達成できる。もちろん、前述のとおりJASO基準を大きく超える十分な強度は達成できている。
本実施形態のトラック用床材1は、以下のような効果を得ることができる。
(1)これまで、トラック用床材1には、適していないとされていた針葉樹、特に日本国内で安定供給可能なヒノキにより、JASO規格で要求される強度を満たすトラック用床材1を構成できる。特に、ヒノキの柾目の心材部などの高価な部分によらず、材木の表面に近い節を有する辺材部であっても、節を除去して集成材6とすることで強度の低下がないトラック用床材1とすることができる。そのため、径の小さな材木や、表皮に近い安価な辺材部を活用してトラック用床材1を構成することができる。
なお、辺材部は心材部より木質部の強度はむしろ高く、辺材部から節を除去することで、アピトンに匹敵する強度を達成することができた。
(2)本実施形態では、節Bに関しては、死節や抜け節のような強度を低下させる節のみならず、例えば生節であっても長径が5mm以上のものは、経時的に死節となる可能性があるため除去している。節Bが生節である限り木質部と同様な強度を保持する。仮にこの生節が死節となっても、トラック用床材1の厚みの4分の1を超えることがないので、最低限の強度が保持でき、長期に亘ってその強度を確保することができる。
(3)特定の構造の集成材として構成しているので、アピトンの単板に匹敵する強度を確保することができる。とくに、強度低下を招く節を除去するだけでなく、その接合部Jをフィンガジョイントとし、強度を高めている。さらに積層されるラミナ5の接合部Jの部分が積層される他のラミナ5の接合部Jと重ならないように積層するため、強度の低下がない。
(4)本実施形態ではヒノキの辺材部を、幅110mm厚さ33mm(若しくは135mm幅、厚さ35mm)として、原材料を十分に乾燥してから集成材6を集成しているので、幅ぞり、縦ぞり、曲がり、ねじれなどの変形が生じにくく寸法安定性が良好で、仮に構成要素の反りがあってもこれらが相殺し合ってその影響を小さくしているため、大きな面積の集成材でも、単板と比較して床材全体として優れた平坦性を実現できる。
特に、板状のラミナ5を積層してプレスすることで集成材6を作製するので、トラック用床材1を棒材で積層するより寸法安定性が高くなる。
(5)ラミナの5の接続や、その積層に用いる接着剤は、ホルムアルデヒド系接着剤のレゾルシノール樹脂系接着剤を用いているため、集成材の接着剤の中で最も優れた耐久性を有し、耐水性にも優れる。そのため、接着性も極めて良好で、JASO規格を大きく上回る性能を発揮している。また、その接着性のため、原材料と比較しても極めて高い強度を備える。よって、ヒノキのような材料でも、アピトンの単板に匹敵するような強度が達成できる。
また、接着性が良好なことから、耐水性も良好なものとなっている。
(6)原材料は、節等が除去され、一旦450mm以上の長さのラミナ要素4とされる。そのため、節を除去した短い材料を無駄なく利用できる。また、450mm未満の材料を排除することで、強度が低下する接合部Jを減らすことができ、また、ラミナ要素4をランダムな長さとなるようにしたためラミナ5を積層したときに、積層したラミナ5の接合部J同士が重ならないように積層することができる。
(7)従来のアピトンなどに比べると、密度が小さいので、床材自体の質量を小さくすることができる。床材自体の質量が小さくなることで、空荷のトラックの燃費が向上できるだけでなく、床材の質量が積載量を減らすこともなく、より多くの荷物を積載することができる。
(8)ヒノキでは、アピトンのような樹脂の沁み出しがないため、汚損を嫌う物品や包装した物品を、清浄な状態で運搬できる。
(9)針葉樹、特にヒノキには、a−ピネン、カジノール、ヒノキオールなどのテンペル系の精油を多く含むフィットンチッドを多く発散する。このため、ヒノキの芳香とともに、カビや腐敗を抑制し、白アリやダニなど有害な虫に対する防虫作用がある。そのため、トラック用床材としての耐久性を高めている。
特に、密閉されたバンボディやウイングボディの荷台で食品等を運搬する場合には、極めて好ましいトラック用床材1とすることができる。
(10)また、テンペル類には消臭作用もあり、バンボディやウイングボディなどの密閉された貨物室のアンモニア臭などの悪臭を消す働きもある。そのため、密閉された荷室で作業を行う作業者の環境も改善することができる。
(11)その他、森林浴のような鎮静作用もあるため、作業者のリフレッシュ効果をもたらすと言われている。
(12)ヒノキ等には、アピトンのようなシリカの析出がないため、加工する場合に鋸刃等を傷める虞が少ない。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ヒノキに代えて、例えば、ヒバ、アスナロ、サワラ、スギ、カラマツ、アカマツ、クロマツ、ベイヒ、ダフリカ、カラマツ、サザンパイン、ベイマツ、ホワイトサイプレスパイン、ウエスタンラーチ、トチノキ、ホオノキなどを用いることができる。特に、ヒノキ、スギ、ヒバ、カラマツ、アカマツ、クロマツが好ましい。
○除去の対象となる「生節」は、もちろん5(6)mmに限定されるものではなく、原材料の状態や要求されるトラック用床材1の厚さ等により除去するべき生節の径を変更することができる。例えば、トラック用床材1の4分の1以上とすることができる。
○ラミナ要素5の長さは、450mm以上としたが、原材料の節Bの分布、原材料の強度、横根太9の間隔により、適宜変更できる。また、原材料の板材2の幅も、原木の状態などにより適宜変更できることは言うまでもない。
○横根太9の間隔は、ラミナ5を構成する原材料のラミナ要素4の長さによって、例えば、最短の長さより小さくすることで、横根太9により支持されない原材料をなくすようにすることが望ましい。さらに、横根太9の間隔を最短のラミナ要素4の2分の1とすることで、それぞれの原材料が2か所以上の横根太9により支持される両持ち状態とすることも望ましい。
○接着剤は、レゾルシノール樹脂系接着剤を例示したが、ホルムアルデヒドの影響が考慮される場合には、ホルムアルデヒドを含まない水性高分子イソシアネート系接着剤を用いることもできる。但し、JASO規格の基準を考慮して接着剤の選択、及び積層をする必要がある。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)針葉樹の死節・抜け節と一定の大きさ以上の生節を除去し、設定された長さの範囲の板材を長手方向にフィンガジョイントにより接続するラミナ作製の手順と、一定の長さのラミナを、厚み方向に接着剤により積層する手順と、積層されたラミナを厚み方向且つ長手方向に切断する手順とによる板状のトラック用床材の製造方法であって、前記ラミナの接合部が、積層されるラミナの接合部と異なる位置となるようにしたことを特徴とするトラック用床材の製造方法。
針葉樹からアピトン等によらず強度の高いトラック用床材を製造する場合に、板状のラミナを積層して接着剤で固定したあと、これを切断して板状のトラック用床材を作製するため、製造が容易で、かつ寸法安定性が良好となり、生産効率も高くなる。
1:トラック用床材、2:板材、3(3a、3b…):原板、4(4a、4b…):ラミナ要素、5(5a、5b…):ラミナ、6…集成材、7…接続部、8…縦根太、9…横根太、T…トラック、J(J1、J2…):接合部、B(B1、B2…):節、d(d1、d2…):節の長径、l(l1、l2…):原板の長さ、L(L1、L2…):ラミナ要素の長さ、LT…ラミナの長さ、TL…荷台の長さ、TW…荷台の幅。

Claims (9)

  1. 針葉樹の死節・抜け節と一定の大きさ以上の生節を除去し、設定された長さの範囲の棒材を長手方向にフィンガジョイントにより接続したラミナが、幅方向に接着剤により積層された板状のトラック用床材であって、
    前記棒材の接合部が、隣接する他の棒材の接合部と異なる位置となるように構成されたことを特徴とするトラック用床材。
  2. 前記生節の一定の大きさは、長径がトラック用板材の厚さの4分の1以上であることを特徴とする請求項1に記載のトラック用床材。
  3. 前記接着剤は、レゾルシノール樹脂系接着剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトラック用床材。
  4. 前記設定された長さが450mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトラック用床材。
  5. 前記トラック用床材は、JASO M 901−85 10.4 曲げ試験方法曲げによる強度試験において、曲げ強度が900kg/cm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトラック用床材。
  6. 前記トラック用床材は、JASO M 901−85 10.4 曲げ試験方法曲げによる強度試験において、曲げヤング率が100×10g/cm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトラック用床材。
  7. 前記トラック用床材は、密度が0.6g/cm未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のトラック用床材。
  8. 前記針葉樹は、ヒノキ、スギ、ヒバ、カラマツ、アカマツ、クロマツから選ばれる種類であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のトラック用床材。
  9. 前記針葉樹が、ヒノキであることを特徴とする請求項8に記載のトラック用床材。
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