JP3501796B1 - 着磁した水素化反応用ニッケル流動床触媒及びこの触媒の使用方法 - Google Patents

着磁した水素化反応用ニッケル流動床触媒及びこの触媒の使用方法

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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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Abstract

【要約】 【課題】 触媒活性が実用上十分高く沈降性に優れ、分
離、回収、再利用が容易で、かつ繰返し利用しても沈降
性の低下が少ない着磁された磁性金属流動床触媒、及び
その使用方法の提供。 【解決手段】 X線回折法による結晶格子面(111)
における結晶子径が5.0〜10.0nmのニッケル粒
子及び/又は2.0〜10.0nmのコバルト粒子から
なりこれに、0.1×10-4〜30Tの磁束密度を有す
る磁場の印加により着磁されている磁性金属流動床触媒
は、液相反応に使用したとき、十分な触媒効果を示し、
かつ反応後に容易に沈降回収でき、この回収された触媒
は反復使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着磁した水素化反
応用ニッケル流動床触媒及びその使用方法に関するもの
である。更に詳しく述べるならば、本発明は実用上十分
高い触媒活性を有し、かつ液相水素化反応系における触
媒の沈降性が良好で分離や回収が容易な着磁した水素化
反応用ニッケル流動床触媒、及びその使用方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】久保松照夫、小松信一郎著、「ラネー触
媒」(共立出版,1971、非特許文献1)には、触媒作用
を有する金属(A金属)例えばニッケル、コバルト、
銅、鉄、銀、パラジウムなどと、溶出される金属 (B金
属) 例えばアルミニウム、珪素、亜鉛、マグネシウムと
の合金(ラネー合金)から、侵食剤例えば水、アルカ
リ、酸など(通常、アルカリが使用される)を用いて、
前記溶出される金属(B金属)を溶出させる工程(以後
展開工程と記す)により得られ、スポンジ状形態を有す
る活性金属を主成分とする触媒すなわちスポンジ金属触
媒が詳しく記載されている。スポンジニッケル触媒とは
前記A金属がニッケルである場合のスポンジ触媒を意味
する。
【0003】一般的には、スポンジ金属触媒は、A金属
およびB金属から少なくとも一種類を選択してなる合金
末(以下、母合金と称する)を、水酸化ナトリウム水溶
液に投入し、所定温度で所定時間、加熱攪拌してB金属
の少なくとも一部分を溶出させ水洗することにより製造
され、水中に保存される。スポンジ金属触媒製造時の水
洗は、展開工程で溶出した金属および過剰のアルカリを
除去するために3〜20回程度行われるが、触媒粒子の
沈降性が悪いと、水洗排水中に触媒が混入することがあ
る。水洗排水中の触媒を除去するため、ろ過器、沈降槽
等の付帯設備を必要としたり、触媒の沈降に長時間を要
するため操作が煩雑になり、コストアップにも繋がると
いう問題点があった。
【0004】 液相反応に使用したニッケル流動床触媒
は、沈降分離、ろ過分離、遠心分離、磁気による捕捉あ
るいはこれらを組合わせるなどの方法により液相から分
離される。この場合上記方法の各々において、沈降分離
槽、ろ過機、遠心分離機、着磁装置(電磁石あるいは永
久磁石)などを必要とする。分離回収した触媒を再利用
する場合、ろ過分離法や遠心分離法では、触媒の回収・
再利用に多大な労力を必要とするので工業的に有利な方
法とは言えない。ニッケル流動床触媒の沈降速度が速い
場合には、沈降分離法を用いることが実用上好ましい。
しかし、従来のニッケル流動床触媒を、重力のみにより
沈降分離するためには長時間を要することがあり、触媒
の粒度が細かい場合及び液相が高粘度の場合には分離効
率が大幅に低下して、工業的には実施し難いことがあっ
た。ニッケル流動床触媒の沈降時間を短縮する方法とし
て、この触媒の粒度を粗くする方法が知られているが、
このようにすると触媒活性が低下し所要反応時間が長く
なるという問題点があった。
【0005】 また、ニッケル流動床触媒を分離回収、
再利用するために、重力とともに、これらの触媒に磁場
を印加する方法が知られている。特公昭39−9865
号公報(特許文献1)には、反応液中の大部分の磁性金
属流動床触媒を重力により分離し、さらに磁場中を通過
させて残存する触媒を捕捉し、磁場の消去によって着磁
を解除して反応器に回収する接触連続反応方法が開示さ
れている。特公昭45−20884号公報(特許文献
2)には、反応器の下流に、冷却装置、及び壁面の少な
くとも一部に電磁石を作用させた分離器、並びにスラリ
ーポンプ又は気体インジェクターを設置して、液中に懸
濁したニッケル触媒を分離回収し使用する連続接触反応
装置が提案されている。また、特開昭49−47246
号公報(特許文献3)には、液体中のニッケル触媒に磁
性を与え、その残留磁性によりニッケル触媒粒子を互い
に凝集させて触媒の沈降速度を増加させることを特徴と
するニッケル触媒の分離方法が開示されている。
【0006】磁性金属流動床触媒に磁場を印加して液相
から分離する方法は、磁場を印加するべき磁性金属触媒
及び、それが懸濁している液相の粘度によっては、実用
上満足できる程度に沈降時間を短縮できないことがあ
り、さらに、磁場を印加するために大掛かりな特別な装
置、設備を必要とするなどの問題点があった。さらに、
スポンジ金属触媒の種類によっては、保存中に固結して
反応槽などへの仕込が困難になることがあった。
【0007】
【非特許文献1】久保松照夫、小松信一郎著「ラネー触
媒」、共立出版、1971、1〜103頁
【特許文献1】特公昭39−9865号公報、1〜5頁
【特許文献2】特公昭45−20884号公報、1〜4
【特許文献3】特開昭49−47246号公報、1〜4
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、実用上十分
に高い触媒活性を有し、かつ、沈降性に優れ、特別な装
置がなくとも分離、回収、再利用が容易であって、さら
に、繰返し利用しても沈降性の低下が少なく、保存中に
固結することのない又は少ない、着磁した水素化反応用
ニッケル流動床触媒及びその使用方法を提供しようとす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の着磁した水素化
反応用ニッケル流動床触媒は、X線回折法により測定さ
れた結晶格子面(111)におけるニッケル結晶子径が
6.0〜10.0nmのニッケル粒子からなり、かつ
0.1×10-4〜30Tの磁束密度を有する磁場の印加
により着磁している水素化反応用ニッケル流動床触媒粒
子からなることを特徴とするものである。本発明の着磁
した水素化反応用ニッケル流動床触媒において、前記ニ
ッケル粒子がスポンジ状の形態を有することが好まし
い。本発明の着磁した水素化反応用ニッケル流動床触媒
の使用方法は、請求項1又は2の着磁した水素化反応用
ニッケル流動床触媒を流動床における液相水素化反応に
使用し、当該液相水素化反応の終了後に前記触媒を、液
相水素化反応系中を沈降させて分離することを含むもの
である。本発明の着磁した水素化反応用ニッケル磁性金
属流動床触媒の使用方法において、前記液相水素化反応
が、液相における糖の水素化反応であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】これまで、着磁した水素化反応用
ニッケル流動床触媒の存在下に液相水素化反応を実施し
た例、及び該触媒を沈降分離した後に繰返し液相水素化
反応に利用した例は知られていない。本発明者らは、鋭
意研究を重ねた結果、触媒作用を有するニッケルの結晶
子径が特定の範囲にある粉粒状ニッケルに、特定の範囲
にある磁束密度の磁場を印加することにより着磁させた
水素化反応用ニッケル流動床触媒を液相反応に使用した
場合、該触媒が沈降性に優れ、特別な装置がなくとも分
離、回収、再利用が容易で、かつ触媒活性も実用上十分
に高く、さらに繰返し利用しても沈降性の低下が少ない
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】 本発明におけるニッケル流動床触媒と
は、形状が粉体、微粒子、フレークなどで、主とした触
媒作用がニッケルにより発現する固体触媒を意味する。
ニッケル流動床触媒としては、ニッケルをスポンジ状に
した無担体のスポンジニッケル触媒や触媒作用を有する
ニッケルを多孔質担体に担持したニッケル担持型流動床
触媒などが含まれる。スポンジニッケル触媒は以下に示
すスポンジ金属触媒の一種である。
【0012】 本発明の着磁した水素化反応用ニッケル
流動床触媒は、X線回折法における結晶格子面(11
1)におけるニッケル結晶子径が特定の範囲にあるニッ
ケル粒子からなる水素化反応用流動床触媒用ニッケル粒
子に、磁束密度が特定の範囲にある磁場を印加して着磁
させることにより製造できる。本発明の、磁場を印加す
る流動床触媒用ニッケル粒子としては、前記記載のスポ
ンジニッケル触媒粒子、及びニッケル担持型流動床触媒
粒子などが挙げられる。
【0013】 本発明に用いられるニッケル粒子の結晶
格子面(111)におけるニッケル結晶子径は6.0〜
10.0nmである。結晶格子面(111)におけるニ
ッケル結晶子径が6.0nm未満の場合は、得られる触
媒粒子における沈降性向上効果が不十分であり、またそ
れが、10.0nmを超えると得られる触媒粒子の触媒
活性が著しく低くなる。
【0014】 また、結晶格子面(111)におけるニ
ッケル結晶子径が6.0〜10.0nmであるニッケル
流動床触媒粒子は、その結晶子径が6.0nm未満のニ
ッケル流動床触媒粒子を、水及び/又は有機溶媒中にお
いて、40℃以上で加熱攪拌することによっても製造す
ることができる。上記加熱撹拌温度が40℃未満では、
結晶子径の成長が極めて遅いので実用的ではない。
【0015】 本発明の、磁場を印加すべきスポンジニ
ッケル触媒粒子の製造方法について説明する。スポンジ
ニッケル触媒の原料となる母合金としては、ニッケル−
アルミニウム合金、及びニッケル−モリブデン−アルミ
ニウム合金などが例示できる。また、ニッケル流動床触
媒粒子には、触媒の活性、反応の選択性あるいは触媒の
耐久性を向上させることなどを目的とする副成分金属が
塩として添加されていてもよい。
【0016】 格子面(111)におけるニッケル結晶
子径が6.0〜10.0nmであるスポンジニッケル触
媒の製造方法の一例を下記に示す。触媒作用を有するA
金属としてニッケルを含有する母合金を、その質量の
0.5〜5質量倍の、濃度5〜50重量%のアルカリ水
溶液中に添加して、95〜120℃の温度で0.5〜5
時間展開後、水洗することによりスポンジニッケル触媒
粒子を製造できる。スポンジニッケル触媒を製造するた
めの展開温度および時間は、好ましくは、100〜12
0℃で0.5〜5時間である。展開温度が95℃未満の
場合は、金属結晶子の成長が極めて遅いことがあり、ま
たそれが120℃を越えると、得られる触媒の活性が不
十分になることがある。
【0017】 また、スポンジニッケル触媒のニッケル
の結晶子径は、その母合金中のニッケルと他の金属との
比率によって影響され、同一の展開条件では、合金中の
ニッケル金属の比率が低い程、結晶子径が大きくなる。
【0018】 本発明の、磁場を印加すべきニッケル担
持型流動床触媒粒子の製造方法について説明する。ニッ
ケルを担持するための担体としては、珪藻土、軽石、酸
性白土、アルミナ、シリカなどを用いることができる。
結晶格子面(111)におけるニッケル結晶子径が6.
0〜10.0nmであるニッケル担持型流動床触媒粒子
は、例えば、下記の方法により製造することができる。
すなわち、硝酸ニッケル又は硫酸ニッケルなどのニッケ
ル塩の水溶液中に、珪藻土などの多孔質担体粒子を分散
させ、この分散液中に炭酸ナトリウムなどのアルカリ溶
液を滴下し、担体上に塩基性炭酸ニッケルを沈着させ
る。形成された沈殿粒子を70〜80℃で1〜2時間熟
成し、ろ過し、洗浄し、乾燥し、粉砕し、さらに空気中
で加熱して、多孔質担体上に酸化ニッケルを担持させ
る。これを水素などの還元剤で処理して、酸化ニッケル
を還元してニッケル担持型流動床触媒粒子を製造でき
る。さらに、急激な酸化による発火を避けるために、触
媒表面を硬化油で被覆したり、酸素を含む窒素または二
酸化炭素で処理して、ニッケル粒子の表面だけを酸化す
るなど安定化処理してもよい。
【0019】 印加する磁場の磁束密度は、0.1×1
-4〜3.0Tであり、0.1×10-1〜1.0Tであ
ることが好ましい。磁場の印加装置には電磁石あるいは
永久磁石が用いられる。好ましくは電磁石が用いられ
る。電磁石に流す電流は直流でもよく、又交流でもよ
い。磁場の印加方法にも特に限定はないが、結晶格子面
(111)におけるニッケル結晶子径が6.0〜10.
0nmのニッケル流動床触媒粒子を、水中あるいは液相
反応混合液中に分散させ、ポンプにより、配管内を通っ
て反応器中に移送される際に、予め配管に磁場形成して
おき、該配管を通過する触媒粒子に着磁させる方法を用
いることが好ましい。また、磁場を印加するニッケル流
動床触媒は、液相水素化反応に使用した後に回収された
触媒であってもよい。
【0020】 本発明の着磁した水素化反応用ニッケル
流動床触媒が使用される化学反応は液相水素化反応であ
り、例えば、オレフィンの水素化、芳香族化合物の水素
化、アルデヒド及びケトンなどのカルボニル化合物のア
ルコールへの水素化、オキシム、イミン、ニトリル及び
ニトロ化合物のアミンへの水素化、カルボニル化合物の
アミンへの還元アミノ化、ハロゲン化炭化水素の加水素
分解、ベンジル化合物の加水素分解、硫黄化合物の脱硫
などの液相水素化反応に用いられる。具体的に好適な反
応としては、グルコースなど糖の水素化;油脂の水素化
(硬化、部分硬化);高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル
および高級アルコールの脱臭、脱色、安定性の向上など
を目的とする水素化反応などの液相反応が挙げられる。
また、本発明の着磁した水素化反応用ニッケル流動床触
媒はその使用後に急速に凝集沈降し、容易に分離回収す
ることができるので、触媒を分離除去すべき液相の粘度
が高い場合、及び触媒を繰返し利用する場合に、特に有
利に使用される。
【0021】
【実施例】下記実施例により本発明の着磁した磁性金属
流動床触媒及びその使用方法を説明する。
【0022】(1)結晶格子面(111)における結晶
子のサイズは、X線回折法により算出した。X線回折の
測定条件は、下記の通りであった。 X線 :Cu Kα1/40KV/40mA カウンター :シンチレーションカウンター ゴニオメーター :RINT2000縦型ゴニオメーター アタッチメント :標準試料ホルダー フィルター :無し カウンターモノクロメーター :全自動モノクロメーター 発散スリット :1deg. 散乱スリット :1deg. 受光スリット :0.15mm 走査モード :連続 スキャンスピード :2.000°/min スキャンステップ :0.010°/min 走査軸 :2θ/θ θオフセット :0.000° 固定角 :0.000° 波長 :1.5405620 装置定数 :Cauchy関数近似 結晶子の大きさ:Cauchy関数近似 K値リスト :0.94 hkl半価幅 面指数hkl :(111) (2)液相反応に使用した後の磁性金属流動床触媒の沈
降性は、下記のようにして評価した。すなわち反応終了
後、反応液を200mlのメスシリンダーに移し、触媒が均
一に分散するように上下に振り、30分静置後、上澄み
液を抜き取り、残った触媒の重量から沈降率(%)=
(沈降回収された触媒の質量)/(反応に供した触媒の
全質量)×100を算出した。沈降率が大きいほど、該
触媒の沈降性がよい。
【0023】実施例1(触媒Aの製造) ニッケル−アルミニウム(Ni:Al=50:50)の
合金粉末30gを、15%水酸化ナトリウム水溶液30
0g中に仕込み、この混合液を105℃、2時間展開し
た。この展開液中に300gの水を添加し、この混合物
を10分間攪拌した後、5分静置して触媒粒子を沈降さ
せ、この混合液をデカンテーションにより上澄み液を除
去する操作を1サイクルとして、これを5回繰返した。
得られたスポンジニッケル触媒粒子を分析した結果、N
i含有率95.6%、Al含有率4.4%、平均粒子
径:30μm、結晶子格子面(111)におけるニッケ
ル結晶子径:7.5nmであった。得られたスポンジニ
ッケル触媒粒子に磁束密度0.15Tの磁場を印加する
ことにより着磁したスポンジニッケル触媒Aを製造し
た。
【0024】比較例1(触媒Bの製造) 展開温度を90℃に変更したこと以外は実施例1と同様
に展開して、Ni含有率94.2%、Al含有率5.8
%、平均粒子径:31μm、結晶子格子面(111)に
おけるニッケル結晶子径:5.0nmのスポンジニッケ
ル触媒を得た。得られた触媒に、実施例1と同様に磁場
を印加して、着磁したスポンジニッケル触媒Bを製造し
た。
【0025】実施例2(触媒Cの製造) ニッケル−アルミニウム(Ni:Al=40:60)の
合金粉末50gを15%水酸化ナトリウム水溶液500
g中に仕込みこの混合液を105℃、2時間展開した。
この展開液中に500gの水を添加し、この混合物を1
0分間攪拌後、5分静置して触媒粒子を沈降させ、この
混合液をデカンテーションにより上澄み液を除去する操
作を1サイクルとして5回繰返した。得られたスポンジ
ニッケル触媒粒子を分析した結果、Ni含有率95.0
%、Al含有率5%、平均粒子径:20μm、結晶子格
子面(111)におけるニッケル結晶子径:7.7nm
であった。得られたスポンジニッケル触媒粒子に磁束密
度0.15Tの磁場を印加することにより着磁したスポ
ンジニッケル触媒Cを製造した。
【0026】
【0027】比較例2(触媒Eの製造) 展開温度を90℃に変更したこと以外は実施例1と同様
に展開して、Ni含有率94.2%、Al含有率5.8
%、平均粒子径:31μm、結晶子格子面(111)に
おけるニッケル結晶子径:5.0nmの、未着磁のスポ
ンジニッケル触媒Eを製造した。
【0028】比較例3(触媒Fの製造) 展開温度を60℃に変更したこと以外は実施例2と同様
に展開して、Ni含有率92.2%、Al含有率7.8
%、平均粒子径:20μm、結晶子格子面(111)に
おけるニッケル結晶子径:4.9nmのスポンジニッケ
ル触媒を得た。得られた触媒に、実施例2と同様に磁場
を印加して、着磁したスポンジニッケル触媒Fを製造し
た。
【0029】
【0030】実施例3(触媒Aの使用) 実施例に記載の着磁スポンジニッケル触媒A 2gと、
70%グルコース溶液150gとを容量500mlの電
磁攪拌式オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内の
空気を充分に水素により置換した後、反応系の水素圧を
10MPaまで加圧し、かつ反応温度を150℃まで加
熱してグルコースに水素添加を施した。反応温度が15
0℃に到達後10分で上記反応を停止させた。ベルトラ
ン法(「生化学辞典」、東京化学同人、1984年など
を参照)にて反応液中の残糖率を測定したところ、0.
20%であった。触媒の沈降率は95%であった。
【0031】比較例4(触媒Bの使用) 触媒として着磁スポンジニッケル触媒Bを用いたことを
除き、それ以外は実施例3と同様にしてグルコースの水
素添加反応を行い、反応液中の残糖率及び触媒Bの沈降
率を測定した。残糖率は0.18%であり、触媒の沈降
率は70%であった。
【0032】実施例4(触媒Cの使用) 触媒として着磁スポンジニッケル触媒Cを用いたことを
除き、それ以外は実施例3と同様にしてグルコースの水
素添加反応を行った。残糖率は0.15%であり、触媒
の沈降率は97%であった。
【0033】比較例5 触媒をスポンジニッケル触媒Eに変更したことを除き、
それ以外は実施例3と同様にしてグルコースの水素添加
反応を行った。残糖率は0.20%であり、触媒の沈降
率は48%であった。
【0034】比較例6 触媒をスポンジニッケル触媒Fに変更したことを除き、
それ以外は実施例3と同様にしてグルコースの水素添加
反応を行った。残糖率は0.16%であり、触媒の沈降
率は65%であった。
【0035】実施例5(触媒Aの使用) 着磁したスポンジニッケル触媒A 1gと、1−デカン
ニトリル200gと、15%水酸化ナトリウム水溶液1
gとを300ml電磁攪拌式オートクレーブに仕込み、
オートクレーブ内の空気を充分に水素により置換した
後、反応系の水素圧を2MPaまで加圧し、温度110
℃まで加熱して水素添加反応を行った。水素吸収は2.
2時間で終了した。触媒の沈降率は90%であった。
【0036】比較例7 触媒をスポンジニッケル触媒Eに変更したことを除き、
それ以外は実施例5と同様にして1−デカンニトリルの
水素添加反応を行った。水素吸収は2.1時間で終了し
た。触媒の沈降率は41%であった。
【0037】
【0038】
【0039】実施例6 着磁スポンジニッケル触媒Aを使用して、実施例4と同
様に、グルコースの水素添加反応を行った。反応終了
後、反応液をメスシリンダーに移し、実施例3と同様に
沈降率を測定した。上澄み液中の触媒も沈降させて回収
し、得られた触媒を使用して、繰返しグルコースの水素
添加反応を行った。この操作を5回繰返した。各回の反
応における触媒の沈降率は、初回から順に95%、93
%、94%、93%、94%であった。
【0040】 実施例3、比較例4、実施例4、並びに
比較例5及び6におけるグルコースの水素化に用いられ
た触媒の性状並びに使用後の触媒粒子の沈降率及び残糖
率を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】 実施例5及び比較例7における1−デカ
ンニトリルの水素化に用いられた触媒の性状、並びに使
用後の触媒粒子の沈降率及び反応完了に要した時間を表
2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【0045】
【0046】 実施例6における、グルコースの水素化
反応に、触媒が5回繰り返し使用されたときの各回の反
応終了後の触媒沈降率を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明の着磁した水素化反応用ニッケル
流動床触媒は触媒活性も実用上十分高く、またそれを液
相反応に使用した場合、反応終了後の触媒の分離、回収
が容易で、かつこれを再利用しても触媒の分離性や活性
の低下が少ないので、液相反応用流動床触媒として、高
い生産効率で経済的に目的物質を製造することができる
という高い実用性を有している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07B 31/00 C07B 31/00 C07C 1/32 C07C 1/32 15/06 15/06 29/141 29/141 31/26 31/26 209/48 209/48 211/07 211/07 211/27 211/27 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C07B 31/00 - 61/00 C07B 61/02 - 63/04 C07C 1/00 - 409/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線回折法により測定された結晶格子面
    (111)におけるニッケル結晶子径が6.0〜10.
    0nmのニッケル粒子からなり、かつ0.1×10-4
    30Tの磁束密度を有する磁場の印加により着磁してい
    る磁性ニッケル粒子からなることを特徴とする着磁した
    水素化反応用ニッケル流動床触媒。
  2. 【請求項2】 前記ニッケル粒子がスポンジ状の形態を
    有する、請求項1に記載の着磁した水素化反応用ニッケ
    ル流動床触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の着磁した水素化
    反応用ニッケル流動床触媒を流動床における液相水素化
    反応に使用し、当該液相水素化反応の終了後に前記触媒
    を、液相水素化反応系中を沈降させて分離することを含
    む着磁した水素化反応用ニッケル流動床触媒の使用方
    法。
  4. 【請求項4】 前記液相水素化反応が、液相における糖
    の水素化反応である、請求項3に記載の着磁した水素化
    反応用ニッケル流動床触媒の使用方法。
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