JP3143672B2 - 非担持硫化タングステン触媒及びその製法、並びに炭化水素の水素化方法 - Google Patents

非担持硫化タングステン触媒及びその製法、並びに炭化水素の水素化方法

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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非担持硫化タング
ステン触媒及び非担持硫化タングステン触媒の製造方
法、並びに非担持硫化タングステン触媒を用いる芳香族
炭化水素及び(又は)縮合多環式炭化水素の水素化方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】硫化タングステンをアルミナ等の担体に
担持した担持硫化タングステン触媒或いは硫化タングス
テンに助触媒としてニッケルやコバルトを用い、これら
を担体に担持した多元硫化タングステン触媒は、既に石
油精製のいろいろな分野で広く用いられている。その具
体的な反応としては、水素化反応、水素化精製反応、脱
硫反応、脱窒素反応などが知られている。近年、石油精
製の製品である各種石油留分を各種燃料として使用する
に際し、大気汚染対策や環境規制の点からできるだけ完
全に燃焼させることができることが、要求されている。
例えば、軽油燃料を用いるデイーゼルエンジンでは黒煙
が発生することは極力抑制しなければならないとされて
いる。そのために軽油中の黒煙発生原因である芳香族炭
化水素類の含有量をできるだけ少なくすることが要求さ
れ、芳香族炭化水素を水素化処理して脂環式炭化水素或
いは脂肪族炭化水素に変換する反応触媒が必要とされて
いる。このような反応では、水素化精製触媒に対して反
応原料が吸着することが必要であり、吸着に際し立体障
害となるような、大きな形状の化合物を水素化すること
が必要とされている。このような吸着処理に際しては従
来の担体に担持した多元系触媒は有効ではなく、新たな
触媒の開発が必要であるとされている。また、石油燃料
は、残されている石油資源の性質から見て、重質化の傾
向にあり、このような重質油を精製するための水素化精
製では、触媒表面に炭素物質や重質炭化水素が付着する
ために、短期間で、触媒を再活性することが不可欠とさ
れ、そのためにはスラリー床による反応プロセスが有望
視されている。このようなプロセスでは再生による触媒
の再活性化が容易であることと、反応塔に供給される燃
料油中の触媒の容積比が小さいことが要求され、そのい
ずれに対しても担体を含まない非担持触媒が有効である
とされており、この観点からも非担持触媒の開発が望ま
れている。ところで、非担持硫化タングステン触媒は、
チオタングステンアンモニウム粉末を製造し、高温下に
分解することにより製造されている。このような高温下
での分解は不活性なガスの存在下に行うもの、水素ガス
などの還元性ガスの存在下に行うもの、硫化水素ガスと
水素ガスからなる還元性ガスの存在下に行うものなどが
知られており、特に硫化水素ガスと水素ガスからなる還
元性ガスの存在下に行うもの活性が安定化した触媒が得
られることで知られている。しかしながら、現状では、
これらの方法で得られる非担持硫化タングステン触媒
は、アルミナ等に担持した硫化タングステン触媒と水素
化能の点で比較してみると、低い状態にあり、満足でき
る触媒は得られていない。
【0003】
【発明の解決使用としている課題】本発明の課題は、新
規な非担持硫化タングステン触媒及びその製法並びに芳
香族炭化水素及び/又は縮合多環式炭化水素の水素化方
法を提供することである。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者らは、非担持硫化タン
グステン触媒及びその製法について鋭意検討を重ねた結
果、チオタングステン酸アンモニウムを、特定な有機溶
媒中の還元状態で処理して得られる硫化タングステン触
媒は、従来知られているこの他の方法で製造された非担
持硫化物触媒と比較して、水素化能が高い結果が得られ
ることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明によれば、以下の方法が提供され
る。(1)非担持硫化タングステン触媒において、硫化
タングステンが、チオタングステン酸アンモニウムを脂
肪族炭化水素及び/又は芳香族炭化水素から選ばれる有
機溶媒中、水素ガスの存在下で、還元分解して得られる
ものであることを特徴とする非担持硫化タングステン触
媒。 (2)非担持硫化タングステン触媒を製造する際に、チ
オタングステン酸アンモニウムを脂肪族炭化水素及び/
又は芳香族炭化水素から選ばれる有機溶媒中、水素ガス
の存在下で、還元分解することにより硫化タングステン
を製造して硫化タングステン触媒とすることを特徴とす
る非担持硫化タングステン触媒の製造方法。 (3)芳香族炭化水素及び/又は縮合多環式炭化水素を
含有する炭化水素を水素化して芳香族炭化水素及び/又
は縮合多環式炭化水素の含有率が低い炭化水素とする方
法において、請求項1記載の触媒の存在下に行うことを
特徴とする芳香族炭化水素及び/又は縮合多環式炭化水
素の水素化方法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるチオタングス
テン酸アンモニウムは、アンモニア水に酸化タングステ
ン(IV)を溶解させ、これに硫化水素を通じて沈殿を生
成させて、濾別することにより得られる。((NH
WS)、(NHWS)また、タングス
テン酸WO・HOを液体アンモニウムで処理し、こ
れに硫化水素を反応させて製造することもできる。
【0007】本発明の触媒は、上記のチオタングステン
酸アンモニウムを有機溶媒中で還元分解することにより
得られる生成物により構成されるものである。有機溶媒
の存在下による操作は以下の通りである。チオタングス
テン酸アンモニウムを有機溶媒と混合し、十分に攪拌す
る。有機溶媒中のチオタングステン酸アンモニウムの濃
度は50重量%以下の濃度とすることが必要である。こ
の濃度以下であれば還元処理には差し支えないが、好ま
しくは10〜20重量%の濃度とすることが好ましい。
有機溶媒としては、チオタングステン酸アンモニウムを
分散させることができるものであれば差し支えないが、
本発明においては、脂肪族炭化水素及び/又は芳香族炭
化水素からなる有機溶媒を用いられる。脂肪族炭化水素
としては室温で液状であるものが用いられる。具体的に
は炭素数5以上の炭化水素であれば使用することができ
る。処理を行ううえで、この中のテトラメチルペンタデ
カン、ヘキサデカン等が、利用しやすい。また、芳香族
炭化水素としてはテトラリンや1−メチルナフタレンを
使用することができる。
【0008】チオタングステン酸アンモニウムを有機溶
媒に分散させた状態で、還元条件下に分解させる。この
条件は水素の存在下に行うものであり、150℃以下の
温度から徐々に温度を上昇させる。昇温速度は10℃/
分以下の条件が設定される。好ましい範囲は0.5〜2
℃/分である。10℃を越える急激な昇温速度を採用す
ると、反応が急激に進行しすぎるので、良好な結果を得
ることができない。最終加熱温度は250〜500℃、
好ましくは350〜450℃の範囲である。反応は十分
に攪拌されている状態で行われることが必要である。水
素圧力は、調製された活性な触媒による有機溶媒の脱水
素反応を抑制するために必要且つ十分なものであり、常
温換算で20MPa以下、好ましくは5〜10MPaの
範囲の条件が採用される。
【0009】得られる生成物は硫化タングステンであ
り、微粒子状物である。生成物をテトラヒドロフラン等
の溶媒により十分に洗浄し、できるだけ不純物を除去す
る。得られた洗浄物を取りだして、触媒とする。触媒は
微粒子状物として使用する。
【0010】本発明で得られる水素化処理触媒は、水素
添加反応に用いることができる。水素添加反応として
は、芳香族炭化水素又は(及び)縮合多環炭化水素の水
素化反応に用いることができる。この水素化反応では、
核の水素化により脂環式炭化水素や多環を形成する環の
一部を水素化し、脂環式炭化水素としたり、さらに環を
開環して脂肪族炭化水素や脂肪族炭化水素基とすること
ができる。1-メチルナフタレンの水素化反応の場合に
は、一部の核の水素化により、1−メチルテトラリンや
5−メチルテトラリンを製造し、さらにこれらを水素化
しメチルデカリン類を製造することができる。この反応
では、一部に異性化反応を伴う。また、核が水素化され
た後に、開環し、脂肪族炭化水素基、具体的にはペンチ
ル基とすることができる。このアルキル基は異性化反応
により分岐するアルキル基にすることができる。さらに
水素化を進めることにより、開環して脂肪族炭化水素と
したり、さらに異性化することにより分岐状の脂肪族炭
化水素とすることができる。これらの反応経路を示す
と、図1に示すとおりである。
【0011】本発明の水素添加反応に用いられる原料物
質としては、芳香族炭化水素、縮合多環芳香族炭化水素
等の炭化水素を挙げることができる。芳香族炭化水素と
しては、ベンゼンの他トルエン、キシレンなどのアルキ
ル基を有するベンゼンを挙げることができる。縮合多環
芳香族炭化水素には、ナフタレン、アントラセン、フエ
ナントレン、アセナフテンなどを挙げることができる。
これらの縮合多環芳香族炭化水素には、一部の芳香環が
水素化されているものであっても差し支えない。 これ
らの芳香族炭化水素、縮合多環芳香族炭化水素には、脂
肪族炭化水素又は脂環式炭化水素を含有していても差し
支えない。また、これらの混合物を含有する炭化水素
が、ガソリン留分、軽油留分、接触分解装置で処理され
た軽油であっても処理することができる。特に、接触分
解装置(F.C.C.)より得られる接触分解軽油は、
直接蒸留することにより得られる軽油留分と比較して、
芳香族炭化水素化合物、特に縮合多環芳香族炭化水素化
合物の含有量が多いものであるが、このような炭化水素
であっても原料物質として取り扱うことができる。本発
明の方法で用いられる水素は、通常の水素の製造方法で
あるナフサなどの炭化水素から製造するものなど各種の
製造方法のものが用いられる。原料の炭化水素中には、
微量ではあるが硫黄化合物が含まれるが、反応に影響が
ないものであれば差し支えない。場合によっては反応を
促進させることもある。接触分解軽油の一例を示すと次
の通りである。 油種 中東原油アラビアンライト 使用装置 U.O.P式流動接触分解装置 性状 硫黄濃度 0.10重量% 窒素濃度 120ppm 密度 (15/4℃) 0.9110 セタン指数 27.0 F.I.A分析 芳香族 65% 飽和分 33% オレフイン 2%
【0012】本発明の水素化処理反応は、芳香族炭化水
素や縮合多環炭化水素を含有する炭化水素を水素添加し
て、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素及び脂肪族炭化
水素とすることもできる。この水素化処理により、炭化
水素燃料油中に含まれるベンゼン、トルエンなどの芳香
族炭化水素やナフタレン、フェナントレンなどの多環式
炭化水素の含有量を減少させたり、含まないようにする
こともできる。
【0013】本発明の水素化処理反応の条件、すなわ
ち、炭化水素の処理条件は、以下の通りである。反応温
度は、290〜400℃、好ましくは320〜360℃
である。290℃より低い反応温度を設定すると、芳香
族炭化水素や縮合多環炭化水素の水素化反応速度は非常
に遅くなる。360℃を越える温度を設定すると、水素
化分解反応が起こりやすい傾向にある。圧力は、3〜1
5MPa、好ましくは5〜12MPaの範囲である。こ
こでの圧力は水素分圧を意味している。圧力が5MPa
より低い場合には芳香族炭化水素や多環式炭化水素は水
素化されない。15MPaを越えるような圧力では、そ
れ以下の場合の圧力を用いた場合と比較して、格別効果
が見られない。炭化水素の供給量(液空間速度 LHS
V)は、0.2〜3.0h−1、好ましくは、0.3〜
1.2h−1の範囲である。水素/炭化水素油の供給割
合は、モル比で、1.0〜100の範囲である。水素化
処理反応終了後の反応生成物は、蒸留操作などにより特
定の沸点範囲の成分として分離される。これらの温度範
囲は利用する分野や用途に応じて適宜選択することがで
きる。未反応の炭化水素原料や一部飽和された多環式炭
化水素を含む炭化水素は、再び反応器に循環することに
より再び水素添加反応を行うことができる。未反応原料
物質を反応系に循環使用することは、反応が急速に促進
されことを防止し、反応選択率を上昇させることができ
ることがある。また、水素化処理反応が未だ十分に行わ
れていないような反応生成物であり、更に水素化処理反
応を行った方が有利である生成物を得た場合には、分離
後再び反応器に原料物質と共に再循環することにより、
さらに水素化を行うこともできる。
【0014】本発明の触媒を用いる水素化処理反応は、
二段階で行うこともできる。この場合には、前記の触媒
を用いて、前記炭化水素を水素化処理し、引き続いて、
さらに前記の触媒を用いて、水素化処理することもでき
る。また、一段階目の水素化処理又は二段階目の水素化
処理の反応を、他の水素添加触媒であるIV族及びVIII族
から選ばれる金属触媒あるいはゼオライトなどの酸性触
媒を用いることもできる。
【0015】本発明の水素化処理反応で得られる反応生
成物は、原料炭化水素である芳香族炭化水素や縮合多環
炭化水素が水素化された炭化水素の混合物である。場合
によっては、芳香族炭化水素や縮合多環炭化水素が形成
している芳香環の部分が水素化されている化合物や芳香
環が水素化されて脂環式化合物が開環し、更に異性化さ
れた炭化水素化合物である。1−メチルナフタレンを出
発物質とする場合の水素化化合物の具体例は、図1に示
されるとおりである。また、接触分解軽油では、原料油
中に含まれる芳香族炭化水素や縮合多環炭化水素の水素
化物を含む混合物が得られるが、これらの生成物のセタ
ン価は、原料炭化水素のセタン価と比較して大幅に向上
した結果のものとなる。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。本発明は、この実施例により限定されるもので
はない。実施例及び比較例で用いた反応試料油は、1−
メチルナフタレンを、活性アルミナを充填したオープン
カラムクロマトグラフイーにより精製し、その150g
を市販のテトラデカン150mlで希釈して調製したも
のである。活性測定法は、以下の方法による。内容積4
0mlのステンレス鋼製マイクロオートクレーブに試料
油5mlと触媒を充填し、水素を室温で、8MPa加
え、330℃で1時間反応させたものである。触媒の使
用量は、硫化タングステンの量に換算して10mg,2
0mg、30mg及び40mgである。1−メチルナフ
タレンを出発物質とした場合の反応生成物(図1)の収
集分析には、以下のようにして行ったものである。反応
生成物は、1−及び5−メチルテトラリン、メチルデカ
リン、ペンチルベンゼンに大別される。1−メチルナフ
タレンの水素化率は、前記メチルテトラリン、メチルデ
カリン、ペンチルベンゼンの合計収率とした。
【0017】実施例1(有機溶媒の存在下に製造する触
媒の合成) チオタングステン酸アンモニウム((NH
)3g及び2,6,10,14−テトラメチルペン
タデカン15mlを、内容積40mlのオートクレーブ
中に充填し、水素ガスを常温下8MPa加えた。オート
クレーブを電気炉中に挿入し、首振り式攪拌を与えなが
ら室温から徐々に加熱し、最終的に350℃(以下、W
S−1A触媒という)、400℃(以下、WS−1B触
媒という)、及び450℃(以下、WS−1C触媒とい
う)の異なる3条件により還元分解を行った。還元分解
反応後、反応生成物と有機溶媒であるテトラメチルペン
タデカンを含有するオートクレーブ内容物に、テトラヒ
ドロフランを各々に添加して、取り出し、さらにテトラ
ヒドロフランにより洗浄しながら、固形物を減圧濾過を
行って回収した。これを大気中に放置して残った粒状物
を触媒とした。
【0018】比較例1(硫化水素−水素混合ガスの存在
下に製造する触媒の合成) チオタングステン酸アンモニウム((NH
)5gを、内径38mm、長さ400mmの石英ガ
ラス製反応管内に充填した。この反応管を横置式電気炉
内に挿入し、10%硫化水素−水素混合ガスを常圧で流
しながら、室温から徐々に加熱し、最終的に350℃
(以下、WS−3A触媒という)、400℃(以下、W
S−3B触媒という)、及び450℃(以下、WS−3
C触媒という)の異なる3条件により還元分解を行っ
た。還元分解反応後、上記混合ガスを流しながら、室温
まで冷却し、空気に触れないようにしてノナン溶媒中に
回収した。この触媒を反応に用いる場合には、減圧濾過
装置を用いて、ラヒドロフランでノナンを洗浄、除去
し、室温で減圧乾燥した。残った粒状物を触媒とした。
【0019】比較例2(硫化水素−水素混合ガスの存在
下に製造する触媒の合成) パラタングステン酸アンモニウム5gを、内径38m
m、長さ400mmの石英ガラス製反応管に充填した。
この反応管を横置式電気炉内に挿入し、10%硫化水素
−水素混合ガスを常圧で流しながら、室温から徐々に加
熱し、最終的に400℃(以下、WS−4触媒という)
で還元分解を行った。還元分解反応後、上記混合ガスを
流しながら、室温まで冷却し、空気に触れないようにし
てノナン溶媒中に回収した。この触媒を反応に用いる場
合には、減圧濾過装置を用いて、テトラヒドロフランで
ノナンを洗浄、除去し、室温で減圧乾燥した。残った粒
状物を触媒とした。
【0020】比較例3(アルミナ担持硫化タングステン
触媒の合成) アルミナ粉末83gにチオタングステン酸アンモニウム
((NHWS)23.9gを含有する水溶液を
徐々に加え、70℃加温下で水分を蒸発させながら、ニ
ーダで練り合わせ、成形・乾燥(100℃)後、粉砕
し、20−30メッシュ粒分を篩い分け、それを常圧、
空気気流中、400℃で焼成した。次いで、5g内径3
8mm、長さ400mmの石英ガラス製反応管に充填
し、反応管を横置式電気炉に挿入し、10%硫化水素−
水素混合ガスを常圧で流しながら、室温から徐々に加熱
・昇温し、最終的に400℃とした。この結果、WS
/Alが、17/183(重量比)触媒を得た。
【0021】実施例2 本発明による非担持硫化タングステン触媒(WS−1
)、従来法で調製した非担持硫化タングステン触媒2
種類(WS−3B、WS−4)及び従来法で調製したア
ルミナ担持硫化タングステン触媒(WA)の4種類の触
媒の水素化能を、1−メチルナフタリンの水素化反応に
使用して比較を行った。結果は図2に示すとおりであ
る。この結果によると、本発明の非担持硫化タングステ
ン触媒は、従来法で調製した非担持硫化タングステン触
媒及び従来法で調製したアルミナ担持硫化タングステン
触媒よりも高い水素化率が得られることが分かった。活
性測定法は、以下の方法による。内容積40mlのステ
ンレス鋼製マイクロオートクレーブに試料油5mlと触
媒を充填し、水素を室温で、8MPa加え、330℃で
1時間反応させたものである。触媒はWS−1B、WS
−3B、WS−4およびWAの4種類であり、各触媒に
ついて触媒の使用量を硫化タングステンの量に換算して
10mg,20mg、30mg及び40mgとした20
種類の反応を行った。各触媒の水素化活性はメチルテト
ラリン、メチルデカリン、ペンチルベンゼンの合計収率
による1−メチルナフタレンの水素化率で表した。
【0022】実施例3 本発明の触媒調製法により得られる触媒(WS−1)
び従来法による触媒調製法により得られる触媒(WS−
3)について、触媒の還元分解温度と触媒の水素化能の
関係を、1−メチルナフタリンの水素化反応を原料に用
いた場合により示すと、図3に示すとおりである。使用
した触媒量は、二硫化タングステンに換算して40mg
である。いずれの方法で調製した硫化タングステンも、
還元分解温度400℃で最大の水素化能が得られた。従
来法で調製した触媒は還元分解温度の影響が比較的に小
さいと言うことができる。本発明の触媒調製法により得
られる触媒の水素化能は、還元分解温度の影響を受けや
すく、その影響は有機溶媒中で還元分解して製造した触
媒が最も大きいことが分かった。活性測定法は、以下の
方法による。内容積40mlのステンレス鋼製マイクロ
オートクレーブに試料油5mlと触媒を充填し、水素を
室温で、8MPa加え、330℃で1時間反応させたも
のである。触媒はWS−1およびWS−3の2系列の触
媒をそれぞれ350℃、400℃および450℃の3種
類の方法で還元分解したものであり、各触媒にの使用量
を40mgとした9種類の反応を行った。各触媒の水素
化活性はメチルテトラリン、メチルデカリン、ペンチル
ベンゼンの合計収率による1−メチルナフタレンの水素
化率で表した。
【0023】
【発明の効果】本発明の触媒は、水素化反応に際して高
い水素化能を有するものである。この触媒を用いて、芳
香族炭化水素や縮合多環炭化水素を含有する炭化水素を
水素化することにより、これら芳香族炭化水素や縮合多
環炭化水素の含有量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1−メチルナフタレンの水素化反応経路と生成
物を示す図である。
【図2】本発明の触媒と二硫化タングステンを含有する
その他の触媒の水素化能の比較を示す図である。
【図3】調製法が異なる硫化タングステン触媒の還元分
解温度と水素化能の関係を示す図である。
【符号の説明】
図2及び図3の符号は以下の触媒をあらわす。 : WS−1触媒 ● : WS−3触媒 ▲ : WS−4触媒 ■ : WA触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 13/47 C07C 13/47 15/02 15/02 C10G 45/46 C10G 45/46 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 大嶋 哲 茨城県つくば市東1−1工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (56)参考文献 特表 平3−503743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C10G 1/00 - 75/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非担持硫化タングステン触媒において、硫
    化タングステンが、チオタングステン酸アンモニウムを
    脂肪族炭化水素及び/又は芳香族炭化水素から選ばれる
    有機溶媒中、水素ガスの存在下で、還元分解して得られ
    るものであることを特徴とする非担持硫化タングステン
    触媒。
  2. 【請求項2】非担持硫化タングステン触媒を製造する際
    に、チオタングステン酸アンモニウムを脂肪族炭化水素
    及び/又は芳香族炭化水素から選ばれる有機溶媒中、水
    素ガスの存在下で、還元分解することにより硫化タング
    ステンを製造して硫化タングステン触媒とすることを特
    徴とする非担持硫化タングステン触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】芳香族炭化水素及び/又は縮合多環式炭化
    水素を含有する炭化水素を水素化して芳香族炭化水素及
    び/又は縮合多環式炭化水素の含有率が低い炭化水素と
    する方法において、請求項1記載の触媒の存在下に行う
    ことを特徴とする芳香族炭化水素及び/又は縮合多環式
    炭化水素の水素化方法。
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