JPS6239634B1 - - Google Patents

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JPS6239634B1
JPS6239634B1 JP81502059A JP50205981A JPS6239634B1 JP S6239634 B1 JPS6239634 B1 JP S6239634B1 JP 81502059 A JP81502059 A JP 81502059A JP 50205981 A JP50205981 A JP 50205981A JP S6239634 B1 JPS6239634 B1 JP S6239634B1
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JP
Japan
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catalyst
oil
hydrocracking
spent catalyst
spent
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Pending
Application number
JP81502059A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Ioka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd filed Critical Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Publication of JPS6239634B1 publication Critical patent/JPS6239634B1/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G47/00Cracking of hydrocarbon oils, in the presence of hydrogen or hydrogen- generating compounds, to obtain lower boiling fractions
    • C10G47/24Cracking of hydrocarbon oils, in the presence of hydrogen or hydrogen- generating compounds, to obtain lower boiling fractions with moving solid particles
    • C10G47/30Cracking of hydrocarbon oils, in the presence of hydrogen or hydrogen- generating compounds, to obtain lower boiling fractions with moving solid particles according to the "fluidised-bed" technique
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J23/00Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
    • B01J23/90Regeneration or reactivation
    • B01J23/94Regeneration or reactivation of catalysts comprising metals, oxides or hydroxides of the iron group metals or copper
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S502/00Catalyst, solid sorbent, or support therefor: product or process of making
    • Y10S502/515Specific contaminant removal
    • Y10S502/516Metal contaminant removal

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

技術分野 本発明は触媒を使用して炭化水素類を水素化分
解する方法に関し、さらに詳しくは、炭化水素類
を触媒の存在下で水素化分解処理する際に、触媒
上のコークレベルを一定水準以下に保持しなが
ら、炭化水素類を効率よく水素化分解する方法に
関するものである。本発明の方法は、原油及び原
油から誘導される各種重質油及び石炭液化油、さ
らに石油又は石炭から誘導されるピツチ又はその
類似物などの炭化水素類の水素化分解に対して有
利に適用される。 背景技術 従来、炭化水素類中に含まれるヘテロ元素化合
物、アスフアルテン類及び残留炭素先駆体を分解
したり、炭化水素類を改質又はその組成調整を行
うことを目的として、炭化水素類を触媒の存在下
に水素化処理することは、工業的に広く実施さ
れ、そのための触媒としては、原料の性状、処理
目的、および反応条件に応じて、性状及び組成の
異なる各種の触媒が用いられている。このような
水素化分解処理においては、触媒は、反応中にし
だいに劣化して行く。触媒劣化の主な原因として
は、原料油中の金属分、硫黄分などの汚染物の影
響の他に、ほとんど全ての水素化処理触媒に共通
した劣化因子として触媒上への炭素質の堆積をあ
げることができる。触媒への炭素質堆積の機構な
らびに堆積した炭素質の構造、組成等についての
詳細はほとんど解明されていないが、一般に、固
体酸量の多い触媒を、高温低水素圧下で処理する
場合に、触媒の水添能が不充分なとき比較的炭素
堆積量が多くなると言われている。ちなみに水素
化処理用触媒上に堆積する炭素質の量は、残渣油
を含まない原料油の処理においては、せいぜい触
媒重量の10重量%程度までにすぎないが、残渣油
の処理においては、40〜50重量%を超える場合も
しばしばあり、場合によつては200重量%以上に
達することさえ経験されている。このように炭素
質が析出し、劣化した触媒は、炭素質を脱離する
ことによつて賦活せしめて再使用に供したり、或
は炭素質を脱離した後、触媒上に堆積した金属を
回収することが行われているが、これらの方法
は、技術的には余り有利なものということができ
ない。 炭化水素類、殊に、重質炭化水素類の水素化分
解においては、高い反応温度が必要とされるため
に、触媒上への炭素質の堆積が多く、触媒は短時
間に劣化するという問題がある。従つて、触媒の
ひんぱんな交換又は再生が必要とされる。反応系
における触媒の交換又は再生に関しては、古くか
ら、種々の方法が提案されているが、それらの方
法の中、流動触媒を用いる方法が最も代表的であ
り、固体微細粒子流動触媒を用いる方法が多くの
利点があることから、バルガ法、スラリー触媒
法、又は懸濁触媒法として広く行われている。こ
の固体微細粒子流動触媒を用いる方法の利点とし
ては、例えば、次のようなことを挙げることがで
きる。 (1) 反応器内で触媒が自由に運動し、コークス又
は金属類の堆積による劣化触媒が生成油と共に
抜出される方式のため、反応器内の閉塞が極め
て起りにくく、他の方法に比べて低水素圧、高
温の処理が可能であること; (2) このため、化学水素消費量が少なく、また装
置費が割安となること; (3) 触媒が微粒子状のため、活性に対し平均細孔
直径等の物理構造に基づく影響がなく、金属類
の堆積による触媒の劣化がほとんどないこと; (4) 触媒として、従来公知の固定床等で使われた
劣化した触媒の粉砕物等のような安価なものが
利用できるため、使用可能な触媒範囲が非常に
広いこと。 しかしながら、微細粒子触媒を用いる方法は、
前記のような利点を有する反面、以下に示すよう
な未解決問題をかかえ、これらの解決が今後の問
題となつている。 即ち、 (1) 触媒が安価なため触媒の再生がほとんど行わ
れておらず、またその処理に多くの困難が伴な
うため触媒消費量が著しく大きい。従つて、如
何に安価な触媒であるとはいえ、原料油として
劣悪安価なものを用いる場合でも、処理コスト
に占める触媒費の高騰が問題となること; (2) 使用済触媒の廃棄には、堆積された重金属類
による新たな環境汚染問題が派生すること; (3) これらの点を解決するために生成油から使用
済触媒を分解して循環使用しようとしても、触
媒上へのコークスの析出量が大きいため活性が
著しく低下し、かつ触媒が凝集し易くなつてい
るために、触媒は、反応器内で沈澱したり、反
応器閉塞の原因ともなつていること; (4) 生成油からの微細粒子触媒の分離に実質上非
常な困難をともなうこと; (5) 生成油から分離した触媒を酸化焙焼し、循環
使用しようとすると、触媒は、焙焼処理過程で
その微粒子同志が付着したり、溶融等が起り、
回収困難となり、またその作業性が極めて悪い
こと; 炭化水素類中に分散又は懸濁させた固体微細粒
子触媒(以下、単にスラリー触媒と呼称される)
を用いる炭化水素類の水素化分解法において見ら
れる前記のような問題を解決するために、これま
でにも種々の提案がなされている。米国特許第
3622495号及び第3622498号明細書によると、アス
フアルテンとバナジウムの含有量の高い重質油
を、微細バナジウム硫化物触媒を用いて水素化処
理し、アスフアルテンとバナジウムの含有量の少
ない軽質化油に転換させる方法において、生成油
を軽質油と重質油とに分離させ、触媒を含む重質
油を水素化処理工程に循環させる方法が示されて
いる。この方法によると、高活性触媒の使用によ
り、アスフアルテンを実質的に含まない軽質油を
得ることができるものの、循環使用される触媒が
徐々に劣化するために、使用済触媒を含む重質油
の相当量を、反応系外に抜出し、多量の新触媒を
補充添加することが必要である。このようなバナ
ジウム硫化物触媒の循環方法に関し、米国特許第
3645912号及び第3635838号明細書によれば、循環
すべきバナジウム硫化物触媒から、炭素質と汚染
金属類を除去するために、使用済触媒を、500〜
1000℃で元素硫黄と反応せしめて炭素質を2硫化
炭素として除去した後、金属類を鉱酸を用いて除
去する方法が示されている。この方法は、再生後
においてバナジウム硫化物が4硫化バナジウムと
して再生されるため、そのまゝ高活性触媒として
使用できる利点が認められるが、使用済触媒を酸
化処理して循環使用する場合に見られるのと同様
の触媒再生上の問題を含む。 特開昭53−78203号公報によれば、固定床方式
の水素化処理装置からの廃触媒の粉砕物を触媒と
して用いて水素化処理を行い、得られた生成油か
ら触媒を分離し、これを焙焼再生した後、循環使
用する方法が示されているが、この方法も、その
触媒再生に酸化焙焼法を用いているため、前記し
たようなスラリー触媒法の問題の根本的解決を与
えるものではない。特公昭49−16522号公報、特
開昭55−16188号公報、特開昭55−131094号公
報、及び特開昭55−161885号公報は、いずれもス
ラリー触媒を用る第1次水素化処理法と、沸謄床
触媒又は固定床触媒を用いる第2次水素化処理方
法との組合せを示し、沸騰床又は固定床触媒を用
いる水素化処理に見られる欠点の一部を改良する
ものではあるものの、スラリー触媒の循環使用に
関する問題解決に対しては何らの示唆を与えな
い。 流動触媒を用いる他の水素化処理方法として、
粒状触媒を用いる沸騰床法が行われている。この
方法は、前記したスラリー触媒を用いる方法に比
して、より大きな粒径の触媒を用いるため、生成
油からの触媒の分離がより容易である点で、スラ
リー触媒法とは区別されるが、触媒が炭化水素油
中に流動状態で分散しているために、高温、低水
素圧において操作できること、および連続的に触
媒の交換又は抜出しが可能であることなどの点
で、スラリー触媒法と類似している。この沸騰床
法においても、使用済触媒の再生に関しては、多
くの解決困難な問題を含む。即ち、沸騰床触媒の
再生に関しては、溶剤洗浄法および酸化焙焼法が
知られているが、いずれも未だ満足する再生法と
は言えない。例えば溶剤洗浄法の場合、次のよう
な欠点を有している。 (1) 触媒から洗浄除去される物質は、触媒上に堆
積した炭素質の一部分(可油溶性成分)にすぎ
ない; (2) 触媒粒子内部には多量の炭素質が堆積してい
るが、このような炭素質の洗浄除去は、通常の
操作の洗浄によつては非常に困難である; (3) 洗浄後、使用済溶剤の完全な回収が困難であ
る。 一方、酸化焙焼による方法は、ほとんどあらゆ
る炭素質分を高率で除去できる利点がある反面数
多くの問題が残されている。即ち、 (1) 酸化焙焼は反応器内でそのまゝ行なうことが
できないので、還元状態にあり極めて酸化され
易い状態にある廃触媒を移動のため取扱わなけ
ればならず、その取扱いが技術上相当の困難を
ともなうこと; (2) 酸化焙焼によつて触媒上の金属が、硫化物か
ら酸化物へ変換されるため、再生使用にはこれ
を還元あるいは/および硫化処理する必要を生
じ、また触媒上の金属の回収には、金属が酸化
物として安定した形となつているので、メタル
としての回収が困難となること; (3) 酸化反応速度が低温においても極めて早く、
且つ大きな発熱を伴なうため、反応のコストロ
ールが困難なこと; 等解決しなければならない問題が多い。 以上述べたように、流動触媒を用いる従来の水
素化処理方法は、スラリー触媒法を含めて、使用
済触媒の再生処理に関する根本的な問題を解決す
る手段を何ら与えていない。 従つて、本発明の主なる目的は、スラリー触媒
の存在下、炭化水素類を、水素化反応条件下にお
いて、水素化分解させて軽質化させる方法におい
て、該触媒のコークレベルを一定水準以下に保持
させるための改良方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、反応系から抜出された使
用済触媒を新規な方法により再生し、水素化分解
工程へ循環する方法を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、反応系から抜出さ
れた使用済触媒から、その触媒上に堆積したトル
エン不溶性炭素質を除去し、触媒再生するための
新規な方法を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、炭化水素類を一定
水準以下のコークレベルにおいて水素化分解する
ための新規な2段水素化処理方法を提供すること
にある。 本発明者らは、前記の目的を達成するために
種々研究を重ねた結果、反応系から抜出された使
用済触媒を水素化処理することにより、触媒上に
堆積したトルエン不溶性の炭素質を可溶化させて
触媒から脱離させることができ、そしてこのよう
にして水素化処理された触媒は再び高められた水
素化分解活性を有することを見出した。 発明の開示 本発明によれば、体積平均粒子直径200μ以下
のスラリー触媒の存在下、炭化水素類を、水素化
反応条件下において、水素化分解させて軽質化さ
せる方法において、該触媒の少なくとも一部を反
応系から使用済触媒として抜出し、この使用済触
媒の少なくとも1部を温度200〜500℃、水素分圧
30〜350Kg/cm2の条件で水素化処理し、触媒上に
堆積したトルエン不溶性炭素質を水素化し、可溶
化させることによつて再生し、該再生された触媒
を前記水素化分解工程へ循環することを特徴とす
る炭化水素類の水素化分解方法が提供される。 本明細書中でいう炭化水素類は、水素化分解可
能なものであればよく、特にその範囲は制限され
ないが、一般には、ナフサ、灯油、軽油、減圧軽
油、分解油、脱歴油などの比較的残留炭炭素とア
スフアルテンの含量の少ないものから、常圧蒸留
残渣油、減圧蒸留残渣油、ピツチ、タール、脱歴
残渣、原油、タールサンドビチユーメン、シエー
ルオイル、コールタール、液化石炭、溶剤精製
炭、合成原油、および無水無灰基準での炭素含有
率が60〜90重量%の歴青炭、亜歴青炭またはかつ
炭などの残留炭素とアスフアルテンの含量の多い
ものまで全てが対象となる。本発明では、原料炭
化水素中に含まれる可溶性金属類の量は制限され
ない。本発明において用いる触媒は、可溶性金属
類の堆積によつては劣化されず、むしろ、その金
属類の堆積によつて活性化し、再生されやすくな
る傾向を示す。従つて、本発明において用いる原
料炭化水素類は、可溶性金属類を100ppm以上、
殊に200ppm以上含有するのが好ましい。前記し
た炭化水素類のうち、石炭類および石炭から誘導
された液化石炭類は、多量の酸素と共に、アスフ
アルテン類や残留炭素先駆体などを形成する縮合
多環芳香族化合物を含むが、可溶性金属類の含量
は比較的少なく、一方、タールサンドビチユーメ
ンや、タールオイルなどを包含する各種石油類
は、比較的多量の硫黄と窒素の他に相当量の可溶
性金属類を含むものが多い。これらの炭化水素類
は、水素化分解に際し、コーキングを生じやすい
ものであるが、本発明の方法は、これらのコーキ
ングを生じやすい炭化水素類に対して極めて有効
に適用される。 本明細書においていうトルエン不溶性炭素質と
は、炭素質の堆積(又は付着)した触媒をトルエ
ンを用いて完全に洗浄し、乾燥した場合に触媒上
に残存する炭素質を意味する。触媒上のトルエン
不溶性の炭素質量は、触媒の焙焼残渣(灰分)に
対するトルエン不溶性炭素質の重量割合(%)で
表わされる。このトルエン不溶性炭素質は、触媒
上に堆積する炭素質の中、最も大きな触媒劣化原
因である。 本明細書中では、このトルエン不溶性炭素質
は、単に不溶性炭素質と呼称される場合がある。 本発明で一般的に適用されるスラリー触媒は、
体積平均粒子直径0.1μ〜200μの範囲のものであ
るが、必ずしもこれに限定されるものではなく、
場合によつては前記範囲外のものも使用可能であ
る。例えば、本発明では粒径の小さい触媒程有利
であることから、製造上の問題がなければ0.01μ
のものも有利に使用可能である。なお、本明細書
でいう粒子径は、体積平均粒子直径を意味する。 本明細書中においていうコークレベルとは、触
媒の活性劣化や反応器汚染の指標を与えるもので
あり、使用済触媒をトルエンを用いて完全に洗浄
し、乾燥した場合に、触媒上に残存する炭素質中
に含まれる炭素量の使用済触媒の焙焼残渣に対す
る重量割合(%)で表わされる。 本発明でスラリー触媒として使用する微細粒子
触媒はほとんどあらゆる種類の微細固体粒子、あ
るいは固体コロイド等から任意に選ぶことができ
る。通常200μ以下、好ましくは100μ以下の、例
えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、
アルミナシリカ、シリカチタニア、マグネシア、
マグネシウムシリケート、カルシウムシリケー
ト、炭素、コークス等のほか、通常の水素化処理
触媒を粉砕したものが用いられる。200μより大
きな粒径の触媒の場合は、再生工程において、触
媒上に堆積した炭素質を水素化して可溶化させる
場合に、その可溶化反応が遅くなる他に、処理操
作中に、原料油あるいは生成油から沈降分離しや
すくなるので好ましくなく、触媒粒子が細かくな
る程本発明の効果は顕著になる。従つて、これら
のことを考えると、触媒粒子はできるだけ細かい
もの程好ましい。本発明で用いる触媒は、スラリ
ー触媒として用いるためには、その粒径は50μ以
下、特に10μ以下の超微粒子触媒の形で用いるの
が好適である。このような超微粒子触媒を含む触
媒スラリーは、ほぼ均一な液体と同様に取扱うこ
とができ、粗粒子触媒を含む触媒スラリーに比較
して、反応装置の摩耗を著しく低減させ、さら
に、触媒再生のために、従来公知の水素化触媒か
らなる固定床を通過させながら水素化処理する場
合に、固定床を閉塞することなく容易に通過す
る。このような超微粒子の例としては、1μ以下
の固体コロイド粒子、特開昭55−36239号公報
(特願昭53−109361号)に開示された微細コロイ
ド粒子等が挙げられる。本発明で用いる好ましい
超微粒子触媒の具体例としては、周期律表a、
a、族金属のβ−ジケトン金属塩、V、
Mo、Fe、Co、Niのペンタあるいはヘキサカルボ
ニル類、同期律表a族金属のヘテロポリ酸、
Mo、Co、Niのナフテン酸塩、Cu、V、Fe、
Co、Ni、Ptのフタロシアニン類、モリブデンプ
ルー、V、Mo、Tiの塩化物あるいはオキシ塩化
物などの金属化合物を水素あるいは/および硫化
水素加圧下、高温で処理して得られるコロイド状
粒子あるいは微細固体粒子があり、さらに、周期
律表a、aあるいは族金属の酸化物あるい
は硫化物の超微粉砕物がある。さらにまた、本発
明で用いる超微粒子触媒は、例えば公知の水素化
処理触媒、種々の担体に水素化活性金属を担持し
た触媒、水素化活性金属を含む天然物から誘導さ
れたものでもよい。発明者らの全く新たな知見に
よれば、従来触媒としては全く看過されていた、
ゴムやプラスチツク分野において充填剤として用
いられるカーボンブラツクの代替品として開発さ
れたホワイトカーボン(微粒子状シリカまたは微
粒子状カルシウムシリケートなどを包含する)、
あるいはこのホワイトカーボンの場合と同様の方
法で製造されるアルミナ、チタニア、アルミナ・
シリカなどの金属酸化物微粉体までも本発明の微
細粒子触媒としてすぐれた性能を示す。ホワイト
カーボンは既に広く市販され説明の要もないと思
われるが、必要あれば“新しい工業材料の科
学”、(永井彰一郎編、1967年金原出版)31〜58頁
を参照されたい。 以上ここに例示した微細粒子は、いわゆる触媒
金属といわれる水素化活性金属を含むものと、実
質上含まないものとがあるが、これらは何れも本
発明における炭化水素類の水素加圧下における熱
分解によつて生じる炭素質、あるいはコークス先
駆体を吸着あるいは付着して、反応器閉塞の抑制
に実質上寄与することは、全く驚くべきことであ
る。水素化活性金属を含有しない微細粒子が触媒
活性を示す理由は、残渣油を含む炭化水素類中の
5〜5000ppm程度の油溶性バナジウム化合物
が、水素化処理の過程において、反応開始当初、
水素化活性をほとんど持たない微細粒子上に析出
し、これが触媒金属として寄与するためであろう
と考えられる。このようにして微細粒子上に堆積
したバナジウム化合物は、本発明の再生処理にお
いては全く影響を受けずにそのまま触媒上に残
り、循環使用されるため増々高められた活性を有
するようになる。発明者は、油溶性バナジウムを
含む炭化水素類に水素化活性をほとんど持たない
とされている超微細粒子からなるシリカを少量添
加して水素化処理したところ、時間の経過と共に
脱硫率、脱メタル率、アスフアルテン分解率が
徐々に向上し、逆に触媒上への炭素質の析出量が
減少していくことを認めている。しかしながら反
応率、就中、硫黄、窒素、可溶性金属類等の除去
率を高め、残留炭素およびアスフアルテン類が少
なく、臭素価が少なくて不飽和分の少ない処理油
を得ようとするには水素化活性を有する金属を含
む触媒を使用するのが望ましい。またこのような
金属類の担持は、水素化分解工程において、炭素
質の触媒上への堆積を低減させ、触媒の凝集を防
ぐと共に、さらに触媒の初期活性の向上に有効で
ある。さらに、金属含量の少ない原料炭化水素を
用いる場合には、触媒金属を含む微細粒子を触媒
として用いるのが望ましい。 微細粒子に含有または担持させる水素化活性金
属は、周期律表b、b、a、a、a、
aおよび族に属する金属、Mn及びSnからな
る群の中から選ばれる。微細粒子中の水素化活性
金属量は、白金族金属に関しては、0.01重量%以
上、通常、0.05〜2重量%の範囲であり、白金族
以外の金属に関しては、0.1重量%以上、通常、
1〜10重量%の範囲である。本発明においては、
殊に、水素化活性金属としては、Cu、Zn、ラン
タニド、Ti、V、Cr、Mo、W、Fe、Coおよび
Niの中から選ばれる金属の使用が好ましい。こ
れらの金属類は、単独または少なくとも2種以上
の組合せの形で用いることができる。本発明にお
いては、V、Cr、MoおよびWからなる群の中か
ら選ばれた少なくとも1種と、Cu、Zn、ランタ
ニド、Ti、Fe、Coおよびニツケルからなる群の
中から選ばれた少なくとも1種との組合せを用い
るのが好ましい。このような少なくとも2種の金
属を用いることによつて、炭素質の堆積の少ない
高活性水素化分解触媒を得ることができる。金属
類は、金属、硫化物、酸化物、窒化物、硼化物、
燐酸塩などの任意の形態であることができる。 前記水素化活性金属を担持させる担体として
は、前記したような金属を含有しない物質および
その類似物、例えば、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、シリカ・アルミナ、マグネシア、ボリア、ジ
ルコニア、マグネシウムシリケート、カルシウム
シリケート、活性炭、カーボンブラツク、コーク
ス、ゼオライト、ランタニド酸化物などの水素化
触媒に慣用されている担体を用いることができ
る。このような微粉末担体に対する水素化金属の
担持方法としては、含浸法、スプレードライング
法、蒸着法などの通常の方法が採用される他、特
開昭56−65636号公報(特願昭54−139883号)に
記載の方法に従つて、アルコール、エステルなど
の有機溶媒に、アセチルアセトン金属塩、金属フ
タロシアニン、金属カルボニルなどの金属化合物
を溶解させて形成した溶液を微粉末担体に含有さ
せる方法を採用することができる。さらに、水素
化活性金属を含有する微細粒子触媒は、粗粒子状
担体に公知の方法により金属を担持させた後、湿
式または乾式で微粉砕させることによつて得るこ
とができる。さらにまた、担体の可溶性又はゾル
状先駆体と金属化合物を含む溶液または分散液を
スプレードライングの方法で微粉化のち、焼成す
ることによつて目的の微細触媒を得ることができ
る。本発明で用いる触媒担体は、一般的には、
0.2c.c./g以上、好ましくは0.5c.c./g、以上のさ
らに好ましくは2c.c./g以上の細孔容積および1
m2/g以上、好ましくは50m2/g以上の比表面積
を有する。 本発明においては、後記するように、水素化分
解生成油からスラリー触媒を分離するのに高勾配
磁気分離法が好ましく用いられるが、このような
分離法を採用する場合には、触媒としては、
Cu、ランタニド、Ti、V、Mo、Fe、Coおよび
Niの中から選ばれた水素化活性金属の少なくと
も1種を含有するもの、例えば、シリカ、アルミ
ナまたはシリカ・アルミナに対してそれらの金属
を担持させたもの、およびチタニアまたは酸化ラ
ンタニドに対してV、Mo、Fe、CoおよびNiの中
から選ばれた金属の少なくとも1種を担持させた
ものが好ましく採用される。このような触媒は、
高勾配磁気分離法により容易に生成油からスラリ
ー状で分離させることができる上、触媒上への炭
素堆積が少なくかつ高活性を有する。 本発明で用いる水素化処理条件は、水素化処理
の目的および炭化水素類の性状等に応じて任意に
選ばれるが、触媒上への過度の炭素質の堆積を抑
制しつつ水素化分解を行なうためには、通常、水
素分圧は10〜350Kg/cm2、好ましくは30〜250Kg/
cm2、反応温度は350〜500℃、好ましくは400〜480
℃であり、さらに好ましくは、水素圧は50〜200
Kg/cm2および反応温度は430〜460℃の範囲であ
る。水素分圧が10Kg/cm2以下でも水素化反応は起
るが、触媒へのコーク堆積量が著しく増加し、こ
のために凝集し易くなるために極端に低水素圧下
で処理することは好ましくない。また水素分圧の
上限は、化学水素消費量を出来るだけ少くする目
的のため設定した条件であり、微細粒子を触媒と
する反応では、このような低水素圧下でも、大き
な反応率で反応が進行するのを特徴とする。 水素化処理に使用されるほとんど全ての原料炭
化水素には硫黄分が含まれており、この一部が硫
化水素となつて脱離され、通常反応は実質的に硫
化水素を含む雰囲気で行われる。このような硫化
水素分圧の上昇は触媒粒子への炭素質堆積の抑制
に寄与し、脱メタル率あるいはアスフアルテン分
解率等の反応率を向上する効果をもたらす。従つ
て自然発生する硫化水素のみに依存することな
く、2硫化炭素、メルカプタン類等の易分解性の
硫化水素先駆物質を原料に加え、積極的に硫化水
素分圧の上昇をはかることは極めて効果的であ
る。硫化水素分圧は触媒の種類、反応条件等に応
じ0.1〜50Kg/cm2、好ましくは0.5〜15Kg/cm2の範
囲内で任意に選定する。 微細粒子触媒の原料炭化水素に対する比率は、
混合物の流動性が維持可能な範囲で任意であり、
通常0.1〜20重量%好ましくは0.5〜10重量%であ
る。上限値を超える量の使用によつても、むしろ
好ましい場合もあるが、微かな炭素質の堆積によ
つて触媒層が閉塞し易くなり好ましくない。また
下限値は、脱硫、脱メタル率等の反応率の維持
と、反応器内壁へのコーク汚染の防止上から定め
たものである。 微細粒子触媒をスラリー触媒として使用した水
素化処理においては、従来公知の水素化触媒に比
較して、触媒上への炭素質の堆積が急激に起る特
徴がある。従つて、そのまま反応を継続すれば、
触媒活性の低下をまたずして反応容器の閉塞がも
たらされる。このため、あらかじめ反応に支障の
ないコークレベルを設定しておき、炭素質の堆積
した触媒を抜出しこれを処理して炭素質を除去
し、再生した触媒を再び反応容器に循環して、反
応容器内の触媒のコークレベルを低下せしめるこ
とが必要となる。本発明による再生のための水素
化処理による触媒の脱炭素方法は、このような連
続処理に最も望ましい方法である。またこのよう
な水素化処理による脱炭素方法は発明者らの全く
新規な発明に基づく方法である。 本発明において保持すべき好ましいコークレベ
ルの範囲は、一般的には、水素化分解工程におけ
るコーク堆積量と、コーク堆積による触媒の劣化
しやすさと、使用触媒を再生する場合の再生しや
すさとによつて、換言すれば、水素化分解工程に
おいて必要とされる触媒の活性レベルと再生工程
における触媒上のコークの可溶化速度とによつて
決められる。より具体的には、保持すべきコーク
レベルは、粒子径、細孔容積、組成などの触媒に
関する性状、反応系における触媒濃度、炭化水素
組成、沸点範囲、残留炭素含量、可溶性金属含
量、灰分含量などの原料炭化水素に関する性状、
水素化分解工程における反応方式とその条件、お
よび再生工程における反応方式とその条件などに
応じて決められる。本発明においては、これらの
因子中、コークレベルを決める上では触媒粒子径
が最も重要な因子となる。触媒の粒子直径が50〜
200μの場合、コークレベルは一般に10〜200%、
好ましくは20〜50%の範囲である。粒子直径が50
μ以下、殊に10μ以下の場合、コークレベルは、
触媒の組成によつても大巾に変動するが、一般的
には、10〜1000%、好ましくは30〜100%の範囲
である。活性炭、カーボンブラツクまたはコーク
ス粉末などを主成分とする炭素系触媒に関して
は、保持すべきコークレベルは、粒子径との関係
で示した前記コークレベルの値よりも著しく大き
く、通常、前記コークレベルの5〜20倍である。 本発明においては、炭化水素類の水素化分解に
おいて、コークレベルが所定の値に上昇した時、
反応系から触媒の一部を生成油と共に抜出し、再
生のために触媒の存在下または不存在下で水素化
処理し、触媒上に堆積した炭素質を脱離し、再生
した触媒を再び反応器に循環する。触媒粒子は生
成油に懸濁せしめた状態で、水素化処理工程から
抜取り、そのまま再生のために水素化処理するこ
とが最も望ましいが、抜取つた生成油から触媒を
分離し、これに別途炭化水素類を加えて水素化処
理して再生し、ここで再び固液分離して、炭化水
素再生のための水素化処理工程に循環使用し、触
媒のみを前段の処理工程に戻すこともできる。 再生工程においては、使用済触媒上に堆積した
不溶性炭素質は、可溶性のものに転換される。こ
の場合の可溶化反応は明確には解明されていない
が、水素化反応を包含することは明らかである。
このことは、(1)不溶性炭素質の可溶化に対し、水
素圧と温度が著しく影響すること、(2)ナフタレン
のような非水素供与性の液状炭化水素の存在下、
窒素加圧下において使用済触媒を熱処理しても、
不溶性炭素質の可溶化は生起しないこと、(3)テト
ラリンのような水素供与性炭化水素の存在下で
は、窒素加圧下において使用済触媒を熱処理する
ことによつて、不溶性炭素質の可溶化が生じるこ
と、(4)コークレベルが同一の使用済触媒の水素化
処理においては、モリブデン触媒のような水素化
活性の高い金属を含む触媒ほど不溶性炭素質の可
溶化が容易であること、などの事実から明らかに
理解される。 反応系から生成油と共に抜出されたスラリー触
媒を再生処理し、水素化分解工程へ循環する方法
に関しては種々の方法があり、以下にその例を示
す。 (1) スラリー触媒を、生成油、場合によつては水
素ガスと共に再生工程へ送り、ここで水素化処
理した後、水素化生成物から固液分離法により
触媒を分離し、水素化分解工程へ循環する方
法。この場合、再生工程からの生成物は、蒸留
処理し、触媒を含む残渣分を水素化分解工程へ
循環することもできる。 (2) スラリー触媒を、生成油と共に蒸留処理し、
得られたスラリー触媒含有残渣分を再生工程へ
送つて水素化処理した後、水素化分解工程へ循
環する方法。 (3) スラリー触媒を生成油から固液分離法により
分離し、この分離された触媒を再生工程へ送つ
て水素化処理した後、水素化分解工程へ循環す
る方法。この場合、触媒から分離された生成油
は、そのまま軽質化製品として回収し得るが、
必要に応じ、さらに蒸留処理し、残渣分を水素
化分解工程へ循環させることができる。 前記においては、反応系から生成油と共に抜出
されたスラリー触媒の再生と再生触媒の前段の水
素化分解工程への循環に関する典型的な方法につ
いて示したが、本発明においては、原料油の種類
や、使用する触媒の粒子径などに応じて種々の変
更がなし得ることに留意すべきである。例えば、
粒子径が50μ以下、殊に10μ以下のような微粒子
状の触媒を用いる場合、生成油を固液分離処理し
て、その中に含まれる比較的粒子径の大きい触媒
部分のみを生成油から分離し、これを再生工程へ
送つて水素化処理した後、水素化分解工程へ循環
する。一方、より微細な粒子径の触媒部分を含む
生成油は、蒸留処理し、残渣分を水素化分解工程
へ循環することができる。また、この場合、残渣
分の一部、場合によつてはその全部を、水素化分
解工程へ送らずに、前記再生のための水素化処理
工程へ送り、ここで使用済触媒の再生と残渣分の
水素化処理を同時に行うことも可能である。 本発明においては、再生工程における使用済触
媒の水素化処理は、一般に、反応条件下において
液状である炭化水素の存在下で実施されるが、必
要に応じ、乾式条件下で水素化処理することもで
きる。炭化水素の存在下での水素化処理において
は、触媒上の不溶性炭素質は、可溶化され、炭化
水素により触媒上から溶解除去される。乾式条件
下の水素化処理では、触媒上の不溶性素質は、可
溶性炭素質に転換されるにすぎないが、この水素
化処理触媒は、再生触媒として作用し、水素化分
解工程へ循環することにより、その可溶性炭素質
を炭化水素油中に溶出させることができる。再生
工程において液状炭化水素を存在させる場合、こ
の目的のための炭化水素としては、水素化分解生
成油や、水素化分解生成油の蒸留残渣を用いるこ
とができるが、好ましくは、実質的にアスフアル
テンを含まず、かつ残留炭素が少ない沸点が200
℃以上の留出油、脱歴油、あるいはそれらの水素
化処理油などが適用される。 使用済触媒の再生工程における水素化処理は、
分子状水素を用いて実施される他、水素化剤とし
て、水素供与性液状炭化水素を用いて実施され
る。水素供与性液状炭化水素としては、ヒドロナ
フタリン類、ヒドロアントラセン類、ヒドロキノ
リン類などのヒドロ芳香族炭化水素や、ヒドロ複
素環化合物が挙げられる。本発明の方法により、
コールタール、石炭脱灰ピツチ、または石炭液化
ピツチを水素化分解すると、比較的高収率でナフ
タリンやアントラセンを得ることができるが、本
発明では、このようにして得られたナフタリン類
留分またはアントラセン類留分の水素化物を前記
水素供与性液状炭化水素として利用することがで
きる。さらに、使用済触媒を再生のために水素化
処理するための他の例として、アルコール類また
はアミン類のような活性水素を有する水素供与剤
とアルカリ金属またはアルカリ土類金属との混合
物を用いる、いわゆるバーチ還元法が挙げられ
る。この方法は、低温、低圧の極めて温和な反応
条件下において使用済触媒を再生し得る利点があ
る。 再生工程における使用済触媒の水素化処理条件
は、温度200〜500℃、水素分圧30〜350Kg/cm2
条件が一般的であるが、水素化処理方式、触媒に
同伴する液状炭化水素の種類と性状、触媒上への
コークスの堆積量、触媒の組成や物理性状などに
よつて変化する。一般的には、生成油から固液分
離法により分離された触媒を、残渣分を含まない
水素供与性溶剤または留出油中に分散させて水素
化処理する場合は、温度200〜500℃、好ましくは
300〜450℃、水素分圧10〜350Kg/cm2、好ましく
は30〜250Kg/cm2の条件が採用される。一方、実
質的に水素供与性の溶剤を用いることなく、分子
状水素を用いて水素化処理する場合は、温度350
〜440℃、水素分圧50〜200Kg/cm2の範囲の条件を
採用するのが最も好ましい。水素化処理系におけ
る使用済触媒濃度は、1重量%以上、好ましくは
10〜40重量%の範囲である。 使用済触媒を生成油中の残渣分の存在下で水素
化処理する場合、一般的には、温度300〜450℃、
好ましくは350〜440℃、水素分圧30Kg/cm2以上、
好ましくは50〜350Kg/cm2の条件が採用される。
反応系における使用済触媒の濃度は、水素化処理
方式、および触媒の寸法などにより変化するが、
通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%
の範囲に保持される。 本発明において取扱われる各種炭化水素油類、
例えば、水素化分解生成油、再生工程における水
素化処理油、または残渣油中に含まれる灰分およ
び/または使用済触媒を分離回収するために用い
られる固液分離方法としては、その固体粒子の性
状および炭化水素油の性状に応じて、沈降分離
法、ハイドロサイクロン法、遠心分離法、濾過分
離法あるいは篩分け法などの慣用の固液分離法が
単独または組合せて採用される。このような固液
分離によると、固体粒子の寸法および比重の大き
いもの程効率よく固液分離させることができる。
従つて、前記した慣用の固液分離法は、10μ以
上、殊に50μ以上の固体粒子の分離には有効であ
るが、一方、本発明で好ましい触媒として用いる
粒子直径が50μ以下、殊に10μ以下の微粒子状触
媒の分離には格別有効ではない。本発明者は、10
μ以下というような超微粒子に対して有効な固液
分離法に関し、種々検討を重ねたところ、意外に
も、高勾配磁気分離法によれば、通常の条件では
磁気分離不能の超微粒子状触媒粒子であつても、
可溶性金属類を多量に含む、好ましくは200ppm
以上も含む重質油の水素化分解用触媒として適用
され、使用済触媒となつた後には、触媒の凝集な
どによる粗粒化が全く認められないにもかかわら
ず、効率よく固液分離し得ることを見出した。こ
の高勾配磁気分離法に関しては、よく知られてい
るが、その詳細については、例えば、R.R.Order
著、「IEEE Transaction on Magnetics」Mag−
12巻、No.5、628〜435P(1976年)、および「粉
体工学会誌」第18巻、No.1、28〜46P(1981年)
などを参照。従来、強磁性金属成分を相当量含む
磁性触媒粒子の高勾配磁気分離による固液分離に
ついてはよく知られているが、前記のような本来
磁気分離の不能な触媒粒子が使用済触媒の形では
着磁性となり、磁気分離可能となるような現象に
ついては全く知られていない。このような現象
は、主として、バナジウムやニツケルなどを多量
含む重質油の水素化処理に適用される触媒に見ら
れることから、使用済触媒が磁気分離可能となる
理由は、触媒上に堆積した可溶性金属類が大きな
帯磁率を持つことに起因するものと考えられる。 従つて、本発明により可溶性金属類の多い原料
を水素化分解する場合においては、粒子径の極め
て小さい使用済触媒の固液分離、あるいは触媒と
灰分との固固分離に対しては、高勾配磁気分離法
は極めて有効な方法ということができる。また、
可溶性金属類の少ない原料の水素化分解において
も、触媒担体として、チタニアやランタニド酸化
物のような弱磁性体粉末を用いるか、あるいはシ
リカやアルミナなどの担体に、Cu、ランタニ
ド、Ti、V、Ni、Co、およびFeの中から選ばれ
る帯磁性金属の少なくとも1種を担持させ、場合
によつてはさらにMoをも担持させて形成した触
媒を用いることによつて、使用済触媒は、高勾配
磁気分離の可能なものとなる。即ち、前記のよう
な使用済触媒が磁気分離可能な触媒を用いる時に
は、それが10μ以下の粒子径を持つ超微粒子状で
あつても、水素化分解生成油から効率よく固液分
離し得るし、また微細な灰分からの分離も容易に
なる。さらに、前記の触媒を、可溶性金属類を多
量含有するような原料炭化水素類の水素化分解に
適用する時には、使用済触媒の高勾配磁気分離は
一層容易なものとなる。 タールサンドビチユーメンのような可溶性金属
類と鉄分を少量含む不溶性固形分(灰分)とを含
む重質油を、無触媒水素化分解したのち、得られ
た水素化分解油を高勾配磁気分離する場合におい
ては、鉄およびバナジウム含有率の高い微細固形
分が分離され、そして、この微細固形分は実質上
水素化分解触媒として有効であることが見出され
た。即ち、この微細固形分は、本発明により水素
化処理を施して、不溶性炭素質の1部を可溶化さ
せ、再び水素化分解工程へ循環させることによつ
て、素化分解工程における触媒として適用され
る。 本発明で用いる再生工程における第2の水素化
触媒は、任意の水素化処理用触媒が利用可能であ
る。一般には、周期律表b、b、a、
a、a、aおよび族金属から選ばれた1種
以上を多孔質担体に担持したもので、多孔質担体
としてはアルミナ、シリカ、アルミナ・シリカ、
ゼオライト、マグネシア、マグネシア・シリカ、
マグネシア・シリカ・アルミナ、アルミナ・ボリ
ア、燐酸アルミニウム、チタニア、シリカ・チタ
ニア、ジルコニア等の合成物や、カオリン、軽
石、モンモリロナイト、アタパルジヤイト、セピ
オライト、天然ゼオライト等の天然物、又はこれ
らの混合物が用いられる。さらに、本発明におい
ては、再生工程において共存する炭化水素の水素
化分解をも目的とする場合には、触媒担体とし
て、酸性担体を用いるのが好ましい。この場合の
酸性担体としては、アルミナ・シリカ、ホウ酸、
フツ化水素酸又はリン酸などの無機酸を含有させ
た、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアな
どの前記中性担体が挙げられる。本発明において
は、多孔性アルミナあるいは/およびアルミナ・
シリカ担体とし、これにV、Cr、Mo、W、Ni、
Co、Cu、Pdから選ばれた1種以上、特にV、
Mo、Wからなる1種以上を金属として合計3〜
20重量%、好ましくは5〜15重量%とNi、Co、
Cuからなる1種以上を合計0.5〜10重量%、好ま
しくは1〜5重量%含むものが望ましい。担体と
して燐あるいはボリアなどを含むものを用いても
よい。第2の再生用水素化触媒の物理的性状のう
ち平均細孔径は、触媒性能に最も大きな影響を及
ぼし、150Å以下特に30〜120Åのものが好まし
い。すなわち、通常の重質油の水素化処理、特に
水素化脱硫においては、平均細孔径150Å以上の
大細孔径触媒を用いるのが一般的であるが、本発
明においては、水素化分解工程にて原料油中の可
溶性金属類が殆んど除去されると同時に、アスフ
アルテン類等の巨大分子が分解され、小分子量化
した芳香族炭素比率の大きい分子となる。そのた
め、通常の大細孔径触媒の代りに、上記の比較的
小細孔径のものを用いることによつてそれら分子
の細孔内部への拡散を防止し、炭素析出による触
媒活性の低下を抑制するものである。 再生工程における水素化触媒(第2触媒)は、
固定床、流動床、沸騰床、移動床等の公知の任意
の形態の触媒床とすることができる。第1の微細
粒子触媒とその再生用の第2触媒との分離は、粒
径の差を利用した任意の方法が適用できる。例え
ば沈降分離法、電磁気的分離法、起泡分離法、嵩
容積の差を利用する方法等である。これらのう
ち、通常は嵩容積の差による分離が便宜的であ
り、再生用触媒としては、水素化分解用の第1触
媒より嵩容積が大きく、最も薄い部分が0.3〜20
mm、好ましくは0.5〜5mmのものを用いること
が、第1触媒の微細触媒と容易に分離でき、かつ
十分な強度と水素化活性を持たせることができる
ので好ましい。 さらにまた第2触媒を固定床として用いること
によつて、脱炭素質処理後の触媒は、固定床触媒
と自ずと分離されるため、特に分離工程を必要と
せず、極めて好ましい。この場合、特開昭53−
40003号公報に示されるような空隙率が増加する
形状の触媒を充填した固定床を用いたり、本発明
者による特開昭56−28290号公報(特願昭54−
103965号)の「固定触媒床の閉塞防止方法」を適
用してもよい。 上記のように第2の水素化処理用触媒を用いて
使用済触媒の再生水素化処理を行う場合、使用済
触媒は、生成油から固液分離により分離させ、軽
質油中に分散させた状態で水素化処理することが
できるし、あるいは固液分離を行うことなく、水
素化分解生成油と共にまたは水素化分解残渣油と
共に水素化処理することができる。本発明の方法
においては、既に述べているように、使用済触媒
の再生処理は、水素化分解工程から抜出された実
質的に全ての使用済触媒に対して行つてもよい
が、その一部の使用済触媒のみを再生工程へ送
り、その残部の使用済触媒は、必要に応じ、生成
油の蒸留残渣油と共に水素化分解工程へ循環する
ことができる。このような使用済触媒の一部のみ
を再生する方法は、固液分離装置の再生処理装置
の規模を小さくし得ることから極めて好ましい。
使用済触媒の一部のみを再生し、循環する場合、
その再生すべき使用済触媒の抜出された全使用済
触媒に対する重量比率は、原料炭化水素の性状、
触媒の種類、触媒上の炭素質の性状再生工程にお
ける水素化処理方式とその反応条件によつて適当
に決められるが、一般には、5.0%以上、好まし
くは20%以上である。特に水素化分解工程におけ
る触媒粒径が10μ以上、殊に50μ以上の固液分離
しやすいものである場合には、反応系から抜出さ
れた全使用済触媒の中の50%以上、好ましくは70
%以上を再生処理し、水素化分解工程へ循環する
のがよい。この場合には再生装置はより大規模に
なるが、苛酷な再生条件を用いることにより、活
性の高い再生触媒が多量質環使用されることか
ら、水素化分解工程における化学水素消費量を低
減させることができる。 本発明において用いる微細粒子触媒は、生成油
または他の炭化水素油を加えた生成油に懸濁した
状態(スラリー状態)で、水素化分解工程と再生
工程との間を循環させ得ることができ、また生成
油も微細触媒を含んだまま蒸留処理などの操作を
施すことができることから、特に生成油からの分
離を必要としないが、必要に応じ、前記したよう
な固液分離法により、微細粒子を含む重質油のス
ラリー部分と微細粒子を実質的に含まない軽質の
生成油部分とに分離させることができる。ここで
分離される軽質生成油は、可溶性金属類、アスフ
アルテン類等がほとんど全く含まれない、しかも
残留炭素が極めて小さい油であり、そのまま燃
料、内燃機開燃料、あるいは接触分解等の接触処
理原料として好適である。重質生成油に懸濁して
いる微細粒子触媒は、常圧蒸留、減圧蒸留、溶剤
脱歴等の2次処理における残渣油中に濃縮された
状態で分離される。 本発明において、再生工程における水素化処理
は、水素化分解処理条件に比較してより制限的で
あり、一般には、水素化分解工程の温度よりも低
い温度、通常、少なくとも5℃、殊に少なくとも
10℃低い温度で処理される。さらに、温度とは独
立して、水素圧を水素化分解処理条件より10Kg/
cm2以上、更に望ましくは20Kg/cm2以上高水素圧下
に処理することによつて触媒上に析出した炭素質
を有効に処理することができる。例えば、水素化
分解工程と再生工程の水素圧がほぼ等しい場合に
は、水素化分解工程を高温で、再生工程を低温で
処理し、また水素化分解工程と再生工程の処理温
度を等しい条件で行なう場合には、水素化分解工
程を低圧で再生工程を高圧で処理する。一般に
は、水素化分解工程を高温、低水素圧で、再生工
程を低温、高水素圧で処理するのがよい。例え
ば、水素化分解工程を水素分圧10〜350Kg/cm2
好ましくは30〜250Kg/cm2、反応温度350〜500
℃、好まくは400〜480℃で操作し、再生工程を、
水素分圧30Kg/cm2以上、好ましくは50〜350Kg/
cm2、反応温度300〜460℃、好ましくは350〜440℃
で操作する。このように、水素化分解工程の水素
化処理条件として、低水素圧、高温条件が採用し
得ることから、本発明の方法は、反応率が極めて
大きいにもかかわらず、水素消費量が著しく少な
いことを特徴とし、低水素圧、高温の条件によつ
て惹起される触媒上への炭素質の堆積を、再生工
程の水素化処理との有機的組合せにより解決した
もので、微細粒子触媒を利用した炭化水素の水素
化処理としては、最も理想的なものとなし得たも
のである。 以上の説明から明らかなように、本発明の方法
はほとんどあらゆる炭化水素類の水素化処理に利
用することができるが、とりわけ触媒がコークの
堆積および金属類の堆積によつて被毒され易い、
例えば残留炭素が2(重量)%以上、殊に10%以
上の重質油類、あるいは0.1%以上の灰分を含む
重質油の水素化分解、脱メタルあるいは脱硫、脱
窒素法等の処理に有効である。特に残留炭素を5
重量%以上、および/あるいは沸点350℃以上の
重質分を80%以上含み、可溶性金属類を100ppm
以上、殊に200ppm以上含む炭化水素類を、炭素
質と金属類の触媒上への堆積による劣化の少ない
状態で処理する上で極めて好ましい方法である。
微細な触媒を懸濁せしめ常に一定値以下のコーキ
ングレベルで水素化処理することによつて反応器
の閉塞、あるいは触媒の劣化が極めて起りにく
く、さらに驚くべきことには、微細粒子上に堆積
する原料油中の可溶性金属類は、触媒を被毒せ
ず、かえつて活性を付与し、水素化分解に寄与す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は、本発明の方法を実施する場
合のフローシートの例を示し、第8図は、触媒の
繰返し回数と水素化分解生成油の性状との関係を
示すグラフ、第9図は、触媒の繰返し回数と再生
処理工程からの生成油の性状との関係を示すグラ
フ、第10図は、触媒の繰返し回数と水素化分解
工程における触媒上の炭素堆積量(%)との関係
を示すグラフ、第11図は触媒の繰返し回数と再
生処理された触媒上の炭素堆積量(%)とバナジ
ウム堆積量(%)との関係を示すグラフ、第12
図はタールサンドチユーメン中のトルエン不溶分
の顕微鏡写真から求めた粒形分布図を示す。第1
3図は触媒の繰返し使用回数とブチレン/ブタン
比、不純物含量(%)窒素含有率(%)又は触媒
中の炭素含有率(%)との関係を示すグラフ、第
14図は相対的炭素減少速度と、触媒平均粒子径
(μ)との関係を示すグラフを示す。 発明を実施するための最良の形態 第1図において、原料油はライン40、微細粒
子触媒はライン41、循環水素はライン17およ
び循環再生触媒はライン20を通つてそれぞれ水
素化処理反応器1に導入され、ここで水素化分解
処理された生成物は、ライン11を通つて抜出さ
れ、気液分離器2において分離される。分離され
た気体生成物はライン12を経て、循環ガス処理
装置3に送り、ライン53から硫化水素ならびに
ライン54からC1〜C2ガスを分離し、水素はラ
イン21からライン42からの新水素に混合さ
れ、ライン14を経て、脱炭素処理用水素として
再生のための第2の水素化処理反応器4に供給す
る。一方分離された液体生成物はライン13を経
て、場合によつてはライン23から供給される減
圧軽油と共にライン15を経て、再生用の水素化
処理用触媒が充填された第2の水素化処理反応器
4に送られる。反応器1から抜出された微細粒子
触媒の全量を処理する必要がない場合には、その
一部をライン22を経て、反応器4をバイパスさ
せてもよい。反応器4で処理された微細粒子触媒
を含んだ生成油は、ライン16を経て気液分離器
5に送られ、ここで再び水素含有ガスを分離す
る。ガスはライン17を経て反応塔1に送る。液
生成物はライン18を経て、場合によつてライン
22から送られる液生成物と共に常圧蒸留塔6に
送られる。常圧蒸留塔6では、ライン50からプ
ロパン〜軽油がおよびライン51から灯油〜350
℃以下の留分がそれぞれ製品として分離され、残
渣分は必要に応じてその一部を反応器1に循環
し、大部分がライン19を経て、減圧蒸留塔7に
供給され、減圧軽油(bp350〜550℃)と、脱炭
素処理された微細粒子触媒を含んだ残渣に分離さ
れる。減圧軽油はライン52から抜出されるが、
その一部は必要に応じてライン23を経て、脱炭
素質処理に供給される生成油の稀釈に用いられ
る。減圧残渣(b.p.550℃hl±)はライン20を
経て反応塔1に循環するほか、1部はライン55
から抜出される。 第2図は、第1図の方法における気液分離器2
で分離された液生成物をそのまゝ水素化処理せ
ず、常圧、ならびに減圧処理した後、減圧残渣の
一部を反応器4で水素化処理する方法を示したも
のである。このような方法は、第2段の水素化処
理において、重質油のみが処理されるため軽質化
に要する化学水素消費量が著しく少くてすむ反
面、得られる軽質油中の不飽和分および硫黄の含
量が多くなる。従つて得られる軽質油を、接触分
解原料等として用いる場合に好適である。 第3図の方法は、第1図の方法における常圧蒸
留塔6を、反応器4の前に置き、減圧蒸留塔7の
代りに脱歴装置8を使用する方法である。この方
法ではアスフアルテン、可溶性金属類等の特に少
ない良質脱歴油を、硫黄分ならびに不飽和分の比
較的多い軽質油と共に得る上で好適な方法であ
る。脱歴油はライン56からおよび脱歴アスフア
ルトがライン55から抜出される。 第4図の方法は、基本的には第1図に示した方
法とほゝ同じであるが、反応器1で水素化処理し
た生成物が、気液分離処理を経ずにそのまゝ、脱
炭素質処理反応器4に送られること、ならびに第
3図の場合と同様に、第1図における減圧蒸留塔
7の代りに溶剤脱歴装置8を用いる点が異なる方
法である。 第5図に示した方法は、第3図の方法と類似し
ているが、第3図の常圧蒸留塔6の代りに、水素
又は生成ガスを通しながら行なう気液分離器29
を採用している点が特徴であり、微細粒子触媒を
含む生成油が高水素圧下、高温あるいは低温(脱
歴工程)において軽質油と重質油とに分離される
ために、水素化処理工程に循環される重質油の変
質が防止され、また微細粒子触媒の凝集沈澱等が
少くできる利点がある。 第6図に示した方法は、微細粒子触媒を含む水
素化処理生成油から、炭素質が堆積して劣化した
触媒を固液分離装置9,10において分離・濃縮
した後、反応器4で水素化処理して微細粒子触媒
上の炭素質を水素化除去して反応器1へ循環する
点が特徴である。このような微細粒子触媒を固液
分離し、水素化処理し、循環する方式は、微細粒
子触媒が固液分離しやすい場合に特に有利であ
る。この場合の微細粒子触媒としては、粒子径が
10μ以上、好ましくは50μ以上であつて通常の固
液分離が容易なもの、あるいは/及び触媒粒子が
実質的に鉄族金属あるいはバナジウムなどを含
み、高勾配磁気分離法による固液分離が容易なも
のなどが挙げられる。またこのような触媒の循環
方式は、タールサンドビチユーメンや溶剤抽出炭
のように、相当量の灰分を含む原料の水素化分解
に好適である。 第6図において、ライン40からの原料は、ラ
イン41からの微粉末触媒、ライン42からの水
素、ライン18から循環される水素化脱炭素され
た微細触媒、及び必要に応じて固液分離されてラ
イン26から循環される微細触媒、ライン20か
らの減圧残渣、あるいはライン27からの常圧残
渣と共に、水素化処理反応器1へ送られる。気液
分離器2からライン13で送られる液体生成物は
第1固液分離器9に送られ、主として灰分及び劣
化して粗粒化した廃触媒からなる固形分がライン
15から抜出され、ライン55から系外に排出さ
れる。上澄液はライン14により第2個液分離器
10に送られる。第2固液分離器としては高勾配
磁気分離装置が好ましいが、ハイドロサイクロン
あるいは遠心分離装置などを用いることができ
る。第2固液分離器10へは、必要に応じ、逆洗
液として、蒸留塔6,7からライン22によつて
軽質油が循環される。分離された使用済微細触媒
はライン17を経て、ライン23から循環される
水素及び必要に応じライン21によつて循環され
る軽質油と共に水素化脱炭素質用水素化処理反応
器4へ送られる。再生触媒はライン18を経て、
水素化処理反応器1の入口へ送られる。一方、第
2固液分離器10からの上澄液はライン16を経
て、常圧蒸留塔6、次いで減圧蒸留塔7へ送ら
れ、各留分及び残渣分に分離される。必要に応じ
て常圧蒸留残渣及び/あるいは減圧蒸留残渣の一
部あるいは全部が各々ライン27及び20を経て
水素化処理反応器入口へ循環される。 第7図に示した方法は基本的には第6図に示し
たものと同じであり、同様な原料の水素化分解に
好適である。 第7図において、第2固液分離器10からの上
澄液はライン16を経て、常圧蒸留塔6へ送ら
れ、ライン19を経て残渣分がライン26からの
水素と共に、残油水素化処理反応器8に送られ
る。この水素化処理反応器において、残渣分は、
水素添加、脱硫、脱窒素、脱アスフアルテン及び
残留炭素低減化され、ライン20を経て水素化処
理反応器1へ循環される。この残油水素化処理
は、先に説明した使用済の微細触媒を含む残油分
の水素化処理において用いられるものと同様の触
媒の存在下及び反応条件下で行われる。常圧蒸留
塔6からの残油分は、必要に応じて、ライン29
を経て、水素化処理反応器1へ循環してもよい
し、ライン27を経て減圧蒸留塔7に送り、減圧
軽油分の一部あるいは全部をライン28を経て残
油水素化処理器8入口へ循環してもよい。 本発明の方法は、200μ以下、好ましくは50μ
以下の微細粒子触媒を懸濁状態で使用して水素化
処理を行う際、触媒上に析出する炭素質を場合に
よつては第2の触媒の存在下に水素化処理するこ
とによつて炭素質を連脱離し、これを再び水素化
処理工程で使用することを特徴とする方法であ
り、両処理を連続的に行うことが好ましいが、勿
論バツチシステム、セミバツチシステム等の方法
で行なつてもよい。水素化処理反応は、通常空塔
反応装置によつて行なわれるが、反応塔内の冷
却、コーキングの防止、微細触媒の沈澱防止原料
油と水素との混合等のため塔内に公知の装置、設
備を取付けてもよい。 本発明は従来公知の方法に比較して以下のよう
な利点および特徴を有する。 (1) 水素化処理においてコーキング等による反応
器の閉塞の必配がないこと; (2) 触媒が再生、循環使用されるため、触媒消費
量が極めて少ないこと; (3) 触媒の脱コーク再生工程において固定触媒床
を用いる場合、触媒を分離する固液分離装置を
実質的に必要としないこと; (4) 上記の混合再生された触媒が重質油と共に循
環されるが、この重質油は水素化処理されてい
るためコーキングの必要がないこと; (5) 減圧軽油、あるいは脱歴油等が脱炭素質処理
の稀釈剤として利用可能であり、固定床方式が
採用できること、ならびにこれらの循環油が高
度に水素化精製されること; (6) 水素化処理が、高温、低水素圧下で処理出来
るため全体として小さな反応筒容積および低水
素消費量で、しかも高収率で軽質油を得ること
ができること; (7) 残留炭素量が大きく、アスフアルテン類およ
び可溶性金属類の極めて多い重質油であつて
も、実質的に長期間一定性状の処理油が一定収
率で得られること; (8) 触媒上に析出した炭素質分が、油分に転化し
て実質的に製品として回収されるために、製品
収率が上ること; (9) 触媒の再生、賦活処理が、実質的に生成油か
ら分離する必要なく行われるため、自然発火等
従来法における危険性が全くなく、しかも連続
処理上極めて有利なこと; である。 次に実施例により本発明の方法を更に詳細に説
明する。実施例において特に断わらない限り、濃
度、比率等は全て重量基準による。 実施例 1 下記に性状を示す超重質原油にホワイトカーボ
ンとして市販されている超微細シリカをほぼ1%
となるように加え、十分に素練り、混練したの
ち、激しく撹拌して均一に混合し、オートクレー
ブで水素化処理した。 原料油性状 分析結果 硫 黄 5.18% 窒 素 0.59% バナジウム 1130ppm ニツケル 106ppm n−ヘプタン不溶分 11.5% コンラドソン残留炭素 15.9% 蒸留結果 350℃+留分 86.5% 微細粒子触媒として用いたシリカ粒子は、4塩
化珪素の酸水素焔中の高温分解によつて得られ、
比表面積(窒素吸着法)380±30m2/g、1次粒
子の平均直径80Å、見掛比重0.06、SiO2含有率
99.8%以上を示すほとんど内部細孔を持たないも
のである。水素化処理が終つた後、ステンレス金
網製円筒に、アルミナを担体とし、MoO3を15
%、CoOを3.5%担持してなり、比表面積(BET
法)341m2/g、細孔容積(水銀圧入法)0.786
c.c./gの性状を有し、直径0.8mmの球状触媒を生
成油の約3%充填して、オートクレーブ内に装入
し、再び水素化処理を行なつた。前段、後段の
夫々の水素化処理条件はいずれも下記の通りであ
る。 反応条件 反応水素圧 220〜240Kg/cm2 反応圧力 170〜200 〃 反応温度 420℃ 反応時間 50Hr 前段の処理後分取した試料の分析により微細粒
子触媒上に可溶性金属類と共に多量のコークの堆
積が認められたが、後段の処理後では、このコー
クスがほとんど水素化されると共に脱離している
ことを確認した。後段の処理の前段における微細
粒子触媒の性状の差を分析結果として下に示す。 分析値(%) 成分 処理前 処理後 Si 9.6 29.2 C 61.3 21.3 H 3.34 1.26 S 4.46 7.41 V 2.30 8.3 Ni 0.39 1.4 この結果から新触媒の性状を基礎に算出すると
処理前には新触媒に対して約300%のコークの堆
積が認められるにもかゝわらず、処理後には34%
に激減しており、コークの大部分が脱離されてい
ることがわかる。また原料油中のバナジウムの大
部分が触媒上に析出していることも示されてい
る。 後段の処理による生成油を、微細粒子触媒を含
んだまゝ常圧蒸留し、軽油以下の軽質油と、微細
触媒を含む残渣油とに分離した。軽質油の性状を
下記に示す。軽質油の収率は約80%であつた。 軽質油性状(C5〜350℃) 比 重(D15/4℃) 0.8433 硫 黄 0.14% 窒 素 490ppm 臭素価 3 分離された残渣油に約4倍量の新原料油ならび
に新触媒を加え、コークが付着する前の新触媒基
準で、油分に対する触媒の含有量が、前段の処理
前と同一条件となるように調整し、水素化処理を
繰返した。このように同一方法、同一条件で、順
次2回(計3回)処理を繰返し各処理後の、生成
油および触媒の主要性状の変化を調べた。後段の
水素化処理に使用する触媒は、活性レベルを一定
に保つため、毎回新触媒を使用した。微細触媒の
分析用試料は、米国ミリポアー社製のテフロン製
5μ紙を用いて生成油から分離し、トルエンで
十分洗浄したものを用いた。 前述の繰返し方法における各処理の前後段別の
処理油の性状を第8図ならびに第9図に夫々示
す。第8図及び第9図において、横軸は繰返し回
数(回)を示し、左縦軸は処理油中の不純物含量
(%)を示し、右縦軸は350℃以上の高沸点残渣
(%)を示す。曲線1は硫黄含量、曲線2はバナ
ジウム含量、曲線3はn−ヘプタン不溶分、曲線
4は高沸点残渣分の変化を示す。この結果から
前、後段の夫々の処理油の性状は、微細触媒およ
び繰返し回数によらずほゝ一定であることがわか
る。しかるに第8図ならびに第9図を詳細に検討
すると、前段処理においてはバナジウム、n−ヘ
プタン不溶分ならびに350℃残渣分は繰返し回
数の増加とともに若干の上昇傾向を、また硫黄は
逆に若干下向する傾向を示している。この性状を
表にまとめると次のようになる。
【表】 また繰返し処理における微細粒子触媒上に析出
する炭素およびバナジウムの堆積量の新触媒を基
準とした割合(%)を、繰返し回数との関係とし
て第10図、ならびに第11図に前段処理、後段
処理別に示す。この結果から前段の処理において
は、触媒上に析出するコーク量は、第1回の処理
においては著しく多いものの2回目以降において
は激減することが示されている。これは原料油中
から析出されたバナジウム、ニツケル等による触
媒効果のためと推定される。第11図の結果から
後段の処理後の触媒上に堆積したバナジウム量
は、予想されたように処理の繰返し回数に比例し
て増加し、第3回目繰返し処理後では、その堆積
量は新触媒に対して約40%に達することが認めら
れる。これに対しコーク量はやゝ減少する傾向を
示している。 以上の結果をまとめると次の通り。 (1) 高収率で良質の軽質油が得られること。 (2) 前段の処理で主たる反応が起り、微細触媒上
に多量のコークおよび金属類が堆積すること。 (3) コークにより劣化した微細粒子触媒が、後段
の処理で再生賦活されること。 実施例 2 ホワイトカーボンという名称で市販されている
比表面積100m2/g、平均一次粒子径240Åの超微
細粒子からなるアルミナを担体とし、下記の方法
でニツケルおよびモリブデンを担持した触媒を用
いた。 先づニツケルおよび酸化モリブデンのアセチル
アセトン塩を夫々所定量秤量し、これを約100倍
重量の1・4−ジオキサンに加温しつつ完全に溶
解せしめた。別に前記担体に約10倍量の1・4−
ジオキサンを激しく混練、撹拌しつつ加え、十分
混練し、先に調製したニツケル、モリブデンのジ
オキサン溶液を所定量加え、混合物を環流冷却器
付容器に移し、約100℃で3時間静かに加熱し
た。加熱終了後、減圧下でジオキサンの大部分を
蒸発し、得たゲル状物を120℃で2時間乾燥して
溶剤の大部分を揮発せしめ、更に300℃で1時
間、次いで500℃で1時間焼成して塊状物を得、
これをボールミルで微粉砕した。得られた触媒の
主要性状は次の通り。 触媒性状 比表面積 76m2/g 金属担持量 MoO3 7.3% NiO 1.6% 触媒を原料油に約2.0%含まれるように調整
し、実施例1の方法を繰返した。水素化処理条件
ならびに後段の処理に使用する触媒の性状を下に
示す。 水素化処理条件
【表】 後段処理用触媒性状 比表面積(BET法) 269m2/g 細孔容積(Hg圧入法) 0.510c.c./g 外 径 0.7mm 金属担持量 MoO3 15.7% NiO 1.8〃 CoO 3.8〃 後段の水素化処理して得た生成油を実施例1と
同様の方法で常圧蒸留法で下記に性状を示す軽質
油と微細粒子触媒を含む残渣とに分離し、該蒸留
残渣に新原料油ならびに新触媒を加えて触媒の原
料油に対する比率を第1回の処理と同一条件に調
整し、再び水素化処理を行なつた。このようにし
て3回繰返し処理を行なつた。前段、ならびに後
段の水素化処理後における微細粒子触媒の分析結
果によれば前段の処理後に該触媒上に堆積する炭
素質の量は処理回数によらず新触媒基準でほゞ80
〜70%の範囲であり、後段の処理後にはこれが22
〜25%に激減していることが認められている。 本実施例の方法では、実施例1の場合に比較す
ると、前段の処理生成油中の硫黄とバナジウムの
含有率はかなり少なく、n−ヘプタン不溶分と
350℃残渣分収率はほゞ同じであるが繰返し処
理回数が多くなるにつれやゝ増加する傾向が認め
られている。 一方後段の処理生成油は、実施例1の場合と同
様に処理の繰返し回数によつてはほとんど変ら
ず、このため常圧蒸留によつて回収される軽質油
は、ほとんど均一な性状の良質な軽質油が得られ
た。以下に常圧蒸留で回収されたC5〜350℃留分
の主要性状を表記する。 C5〜350℃留分性状 比重(D15/4℃) 0.8310 硫 黄 0.06% 窒 素 180ppm 臭素価 4 以上の結果から、金属を担持した微粉末触媒を
用いることによつて前段の水素化処理におけるコ
ーク堆積量が減少すること;前段で比較的高温、
低圧で処理しても、後段で微細粒子触媒が十分再
生賦活されること;常圧蒸留で分離される軽質油
の性状は極めて高品質であり、かつ循環処理によ
つてほとんど変動しないこと; が認められた。 実施例 3 硫化水素の存在によつてもたらされる効果を確
認するために第2回、第3回の繰返し処理の水素
源に、新水素基準で5%の硫化水素を含むガスを
使用することのほかは、実施例1の方法を繰返し
た。 前段の水素化処理油性状ならびに触媒上への炭
素堆積量(新触媒基準%)を下記に示す。
【表】 以上の結果から、硫化水素分圧を高めることに
よつて生成油中のバナジウムおよびn−ヘプタン
不溶分が減少し、微細粒子触媒上へのコーク堆積
量が減少するため、重質油から良質の軽質油を得
るには、特に前段の処理の硫化水素分圧を積極的
に高めることが効果的であることが明らかであ
る。 実施例 4 下記に性状を示すタールサンドビチユーメンを
原料油として、第4図に示した工程とほゞ同一の
方法で処理したが、原料油中には少量のトルエン
不溶固形分が含まれているので、繰返し処理の
際、新たに微細粒子触媒を添加することなく、溶
剤脱歴工程で分離された脱歴残渣の一定量を抜出
し、これと新原料油を混合し、前段処理に循環す
ると共に、脱歴残渣の一定量を後段の処理に循環
した。 原料油性状 硫 黄 4.43% 窒 素 0.36% バナジウム 143ppm ニツケル 78ppm 鉄 410ppm n−ヘプタン不溶分 9.3% コンラドソン残留炭素 13.0% 灰 分 0.78% トルエン不溶分(>1μ) 0.97% 350℃ 20% 尚以下にトルエン不溶分の組成を示すと共に、
第12図に顕微鏡写真から求めた粒形分布図を示
す。 トルエン不溶分組成(%) Si 15.0 Al 12.0 Fe 4.5 K 0.9 Mg 0.6 Ti 1.0 Na 1.0 Mn 0.2 V 0.1 S 6.0 C 11.5 尚後段の処理後の微細固形分の粒度を測定した
ところ、反応開始当初において、平均粒子径が少
くとも数分の1以下に減少することを認めてい
る。 本実施例の前後段の水素化処理には、内径25
mm、加熱部の長さ約1m、内容積約500c.c.の空筒
反応管を備えた通常の高圧流通式反応装置を用
い、特に後段の反応管には、外径約1.6mmの円柱
状脱硫触媒500c.c.を充填した触媒層を用いた。後
段の水素化処理に用いた触媒の性状ならびに前後
段の水素化処理条件を下記に示す。 触媒性状 組 成 Al2O 79.8% MoO3 15.0% CoO 5.2% 比表面積 292m2/g 細孔容積 0.441c.c./g 平均細孔直径 60Å 水素化処理条件
【表】 後段の水素化処理生成油は、通常の連続式常圧
蒸留装置と、生成油と溶剤の混合槽、液々抽出
塔、溶剤分離回収塔等を備えた連続式溶剤脱歴装
置との組合された装置で処理したが、第4図にラ
イン21で示した水素循環およびライン24で示
した脱歴油の循環は行わなかつた。溶剤脱歴処理
条件を下記に示す。 溶剤脱歴処理条件 処理温度 120〜140℃ 圧 力 20〜30Kg/cm2 溶剤比 5.0 循環運転を開始後、約150時間で新原料の供給
量が540c.c./Hrとほゞ一定になり、製品の収率も
下記のようにほゞ一定となつた。 製品収率 C1〜C4 8% C5〜350℃ 57 脱歴油 30 脱歴残渣 4 製品の主要性状
【表】 実施例 5〜15 各種の微細粒子触媒を使用して実施例1の方法
のうち、前後段の水素化処理のみを行なつた。結
果を下記に示す。
【表】
【表】 なお前記の各処理に於ける生成油を分析したと
ころ下記に示す性状の範囲内の均一な性状を有す
ることを確認した。 後段処理の生成油性状 硫黄(%) 0.3〜0.8 バナジウム(ppm) 0〜1.2 n−ヘプタン不溶分(%) 0〜0.5 350℃(%) 17〜25 この結果からバナジウムおよびn−ヘプタン不
溶分をほとんど含まない、かつ残渣分の少ない良
質の軽質油が得られることがわかる。 この結果からいづれの触媒についても後段の処
理によつてコークの相当量が脱離していることが
明らかであり、これらを再び前段の処理の1部あ
るいは全量として使用出来ることが容易に理解さ
れよう。 実施例 16 MoO36.7%およびCoO1.3%を担持した、比表
面積が100m2/g、細孔容積が5.2c.c./gである粒
子直径がほぼ5〜10μの微粉末状シリカ触媒を用
い、流通式反応装置内において、反応温度450
℃、水素分圧30Kg/cm2、液間速度1.0Hr-1および
水素/原料油比1000/の条件下で、比重
(15/4℃)が0.8882、コンラドソン残留炭素が
3.86%であり、硫黄0.13%および窒素0.23%を含
む325℃以上の高沸点残渣分90.2%および540℃以
上の高沸点残渣分48.4%を含む残渣油を水素化分
解した。触媒は原料油に対して2.0%の割合で添
加し、使用済触媒は生成油から5μフイルターを
用いて固液分離した。固液分離して回収した触媒
に対して水素供与性炭化水素としてのテトラリン
を10倍量加え、オートクレーブを用いて、水素圧
50Kg/cm2、反応温度400℃、反応時間2時間の条
件下で水素化処理し、脱炭素質化し、再び固液分
離して再生触媒を回収した。この再生触媒を新触
媒基準で原料油に対して2.0%加え、再び上記の
反応条件下、同一残渣油を水素化分解した。 反応後さらに生成油から触媒を回収し、前記と
同様にして、再生と水素化分解を繰返した。各水
素化分解実験において、固形分を分離した後の
液を分析したところ、触媒の繰返し使用回数に関
係なく、325℃以上の高沸点残渣分約48.9%、540
℃以上の高沸点残渣分9.8%、残留炭素1.4%の軽
質化油が生成していることが確認された。これに
対して、各触媒繰返し実験において生成する分解
ガス中のブチレン/ブタン比および生成油から分
離されたIBP〜180℃留分(ナフサ)中の窒素含
有率は、触媒の繰返し使用回数と共に徐々に上昇
することが認められた。同様にして、各実験にお
いて回収された粉末触媒を分析したところ、炭素
含有率が徐々に多くなることが認められ、触媒の
繰返し使用によつて、触媒への炭素質への堆積が
多くなり、このため触の劣化が進むことが判つ
た。 さらに、前記した使用済触媒を水素化再生し、
繰返し使用する実験と比較するために、使用済触
媒を水素化再生することなく繰返し用いた以外は
同様にして実験を行つた。この実験により得られ
た分解ガス中のブチレン/ブタン比およびIBP〜
180℃留分中の窒素含有率と、固液分離された使
用済触媒中の炭素含有率を分析した。 次に、前記した実験の分析結果を第13図に示
す。第13図において、曲線1,3および5は触
媒再生を行つた実験の結果を示し、曲線2,4お
よび6は触媒再生を行わなかつた実験の結果を示
す。 第13図から、粉末触媒を繰返し使用する場合
に、使用済触媒に対し再生のために水素化処理す
ることによつて、使用済触媒中の炭素含有率を低
減させることができ、それに伴つて分解ガス中の
ブチレン/ブタン比が低下し、さらにIBP〜180
℃留分中の窒素含有率(%)が減少することが認
められる。従つて、本発明によつて使用後の粉末
触媒を水素供与性炭化水素油中で水素化処理する
時には、触媒に堆積した炭素質は脱離されて、劣
化した触媒は賦活され、その結果、触媒再生を行
わない場合に比して、分解ガス中のパラフイン比
率は高くなり、かつ軽質油中の脱窒素率が向上す
ることが認められる。 さらに、使用済触媒を再生し、繰返し使用する
前記実施例16の実験において、回収された触媒を
顕微鏡観察したところ、触媒粒子の凝集は全く認
められず、また、反応終了後に反応管を溶剤で洗
浄し、油分を除去した後、その内部を目視観察し
たところ、コーク状の堆積物はほとんど認められ
なかつた。従つて、本発明による実施例16の実験
において、粉末触媒上への炭素質の堆積によつて
触媒活性の低下は認められるものの、過度の触媒
劣化は回避され、触媒粒子の凝集沈降までには到
らなかつたことが理解されよう。 実施例 17 実施例16で用いた微粉末触媒の炭素質の堆積に
よる活性劣化を調べるために、実施例16で用いた
ものよりも残留炭素と可溶性金属類の著しく多
い、実施例1で用いたものと同じ超重質油を、オ
ートクレーブ中で水素化分解し、反応後に回収さ
れた使用済触媒を観察した。この実験において
は、触媒上への炭素質の堆積速度を増加させるた
めに、水素化分解反応は、実施例1の場合より
も、より高温およびより低水素圧下で行ない、か
つ触媒添加比率も1/5〜1/20に減らした。こ
れらの実験結果を次表に示す。
【表】 この実験において、反応後にオートクレーブ内
壁を溶剤で洗浄した後、その内壁に対する炭素質
の付着状況を観察したところ、実験3においては
ややコーク汚染されていることが認められたが、
実験1および2においてはコーク汚染はほとんど
認められなかつた。これらのことから、新触媒に
対する炭素質の堆積量が約20倍に達するまでは、
反応器壁へのコーク汚染は極めて少ないことが認
められる。しかし、この炭素質の堆積量が約40倍
を超えると、反応器のいわゆるコークアツプが始
まることが認められる。 また、前記実験において回収された使用済触媒
の走査電子顕微鏡写真(1000倍)を検討したとこ
ろ、触媒に対する炭素質の堆積比率が増加する実
験No.1、2および3の順序に従つて、触媒粒子の
凝集率が多くなることが確認された。従つて、本
発明の方法は、炭素質の堆積により劣化した触媒
の活性化に対して有効であるばかりでなく、さら
に、触媒の凝集沈降の防止および反応器のコーク
アツプ防止に対しても極めて有効であることが理
解される。 さらに、実験No.3から回収された凝集し、粗粒
化の認められる劣化触媒を、水素供与性炭化水素
を用いる水素化処理または軽油中に分散させた状
態での加圧水素化処理を施したところ、いずれの
場合も、劣化触媒は、再び細粒化することが確認
された。 実施例 18 疎水性微粉シリカに対して、SiO220%を含む
コロイダルシリカをバインダーとして少量加えて
混練した後、1mmの円柱に成形した。この成形体
を500℃で3時間焼成した後、120℃、減圧下でモ
リブデンヘキサカルボニル(Mo(CO6))の蒸気
と接触させ、モリブデンを約2.4%担持させた。
この触媒の比表面積は130m2/g、細孔容積は1.9
c.c./gであつた。次に、この触媒を微粉砕し、平
均粒子直径がそれぞれ120μ、17μおよび3μの
Mo担持微粉シリカ触媒を得た。 次に、前記のようにして得られた平均粒子径の
異る触媒を用いて、実施例17と同様にして、オー
トクレーブ中において、同一原料油を、触媒濃度
0.2〜1.0%、反応温度420℃、反応水素圧140Kg/
cm2の条件下、反応時間を変えて水素化分解し、コ
ークレベルがそれぞれ、ほぼ30%、60%および
120%の使用済触媒を回収した。 次に、これらの使用済触媒を沸点が250〜340℃
の硫黄分0.8%含む軽油に分散させ、オートクレ
ーブ内において、温度380℃、水素圧140Kg/cm2
条件下で水素化処理し、炭素質の減少速度を測定
した。その結果を第14図にグラフとして示す。
このグラフにおいて、横軸は使用した触媒の平均
粒子径(μ)を示し、縦軸は使用済触媒の相対的
炭素質減少速度を示す。曲線1はコークレベル30
%、曲線2はコークレベル60%および曲線3はコ
ークレベル120%の使用済触媒についての結果を
それぞれ示す。第14図から、炭素質が充分な速
度で触媒から脱離されるには、適用する触媒は、
コークレベルが60%の場合には平均粒径120μ以
下およびコークレベルが120%の場合には平均粒
径17μ以下であることが必要である。従つて、適
用する触媒の粒径が小さい程、使用済触媒は容易
に水素化再生される。さらに、前記の実験におい
て、同一触媒添加率および同一反応温度において
は、触媒粒径が大きいもの程、炭素質の堆積が少
なく、コークレベルが小さくなる傾向を示すが、
一方、粒径の大きい触媒ほどコークレベルは小さ
くなるものの、反応器への炭素質の付着が著し
く、これを防ぐためには触媒添加率を増大させる
必要のあることが判明した。 以上の実験結果から、本発明の方法で用いる触
媒としては、粒径の小さいもの程有利であり、し
かも使用済触媒の水素化再生の容易さは、コーク
レベルおよび平均粒径によつて影響されることが
理解される。 実施例 19 実施例1で用いたものと同一の超微粒子シリカ
に対し、実施例18におけると同様の操作により
MO(CO)6を蒸着させ、モリブデン約3.0%担持
させた超微粒子シリカ触媒を得た。 次に、この触媒を用い、第3図に示したとほぼ
同様の流通式装置系を用い、実施例1で用いたの
と同じ超重質油を水素化分解した。即ち、この実
験においては、水素化分解生成油は、気液分離さ
せた後、常圧蒸留し、微粒子触媒を含む蒸留残渣
油のうちの約50%を固定床水素化処理装置に送つ
て再生し、残りの約50%は溶剤脱歴塔8を通るこ
となく、ライン22とライン20を直結し、その
まゝ水素化分解装置へ循環させた。水素化分解反
応器入口での触媒濃度は、新触媒基準で約0.5%
となるように調整し、水素化分解反応器内の水素
圧は140Kg/cm2および反応温度は435℃に保持し
た。固定床水素化処理装置には、日本特許第
1039384号明細書に記載された方法で得られたセ
ピオライトに水を加えて混練成形した後、コバル
トとモリブデンを担持させることによつて形成し
た、CoO約1.9%、MoO3約4.8%を含み、比表面
積170m2/g、細孔容積0.79c.c./g、粒径1/32イ
ンチの触媒を充填した。この固定床水素化処理装
置における反応条件は、水素圧140Kg/cm2、温度
400℃とした。 反応開始約1週間後に新原料油供給速度が一定
となつた。この時の水素化分解反応器の液空間速
度は0.83Hr-1、リサイクル比(全供給原料/新原
料油比)は1.89であつた。また、この時の固定床
水素化処理装置の液空間速度は1.2Hr-1であつ
た。水素化処理装置入口での供給原料中の固形分
(使用済触媒)に含まれる炭素量は約47%および
水素化処理後の水素化生成油中の触媒中に含まれ
る炭素量は約41%に減少し、ほぼ一定となること
が認められた。 この実験で得られた各生成物の収率は次の通り
であつた。 H2S 3.45(%) C1〜C5 4.99 C5〜180留分 20.45 180〜350℃留分 72.78 また、この実験において、使用済触媒を含む水
素化分解残渣の一部を再生処理することなく全量
を水素化分解装置に循環した場合には、触媒のコ
ークレベルが反応経過時間に比例してほぼ直線的
に増加し、反応器が短時間でコークアツプするこ
とが認められた。 実施例 20 実施例19と同様にして、実施例10において用い
たものと同一のチタニア(TiO2)にMo(CO)6
蒸着し、モリブデン1.2%を担持した微粉チタニ
ア触媒を得た。 次に、この触媒を用い、第6図に示したものと
ほぼ同様の流通式反応装置系を用いて、実施例1
で示したと同一の超重質油を水素化分解した。即
ち、第6図の固液分離器9としては、通常の沈降
槽を用いて粗大粒子を除去した。また、触媒分離
装置10としては、高勾配磁気分離装置を用い
た。但し、この装置は、第6図に示した流通式反
応装置に直結せず、ライン14からの生成油を一
時的に貯蔵しておいて、間欠的に運転し、処理油
をライン16およびライン17によりそれぞれ連
続蒸留装置および使用済触媒の連続水素化処理装
置に供給した。減圧蒸留塔7からの残渣分は、ラ
イン20より全量水素化分解装置に供給し、また
磁気分離装置への逆洗液および水素化処理装置4
へ供給する媒体油としては全量減圧蒸留塔7で分
離された減圧軽油を用いた。 高勾配磁気分離装置としては磁極間隙30mm、最
大磁場9000ガウスの大型電磁石の磁極間に、マト
リクスとして平均直径約12μのフエライト系スチ
ールウールを充てんしたステンレス管を詰めたも
のを用いた。この装置を用いライン14から供給
される生成油に含まれる使用済触媒の約30%を固
液分離し、着磁分離された使用済触媒を減圧軽油
中に脱離させ、そのまま水素化処理用供給原料と
した。なお、この高勾配磁気分離装置による固液
分離において、生成油中の使用済触媒中のバナジ
ウム(VSx)濃度が、反応経過時間に伴つて増加
するにつれて、分離しやすくなる現象が認められ
た。このため固液分離の比率を一定とするために
反応経過時間と共に、磁場の強さを弱めて磁気分
離した。さらに、実施例19において用いた原料油
中の微粉触媒をこの高勾配磁気分離装置で分離し
ようと試みたが、ほとんど分離しないのに対し
て、水素化分解油に含まれる使用済触媒は容易に
分離されることが確かめられた。従つて本発明方
法による水素化分解方法においては、原料油中の
バナジウムが多いほど、高勾配磁気分離装置を用
いることにより生成油からの使用済触媒の固液分
離が容易となることが理解されよう。 固液分離された使用済触媒の水素化処理は、媒
体油として減圧軽油を用い固形分濃度10〜20%に
て、水素圧180Kg/cm2、温度410℃にて、液空間速
度約0.5Hr-1において行なつた。なお、反応管と
しては、通常の空筒管を用いた。 水素化分解反応装置1においては、供給原料に
おける固形分中の灰分基準(触媒への析出金属を
含む)の触媒濃度を約3.0%とし、反応温度440
℃、水素圧140Kg/cm2とした。反応開始後、約1
週間後に新原料油の供給速度が一定となつた。こ
の時の液空間速度は0.95Hr-1、リサイクル比は
1.5であつた。また使用済触媒の水素化処理装置
4の入口部での固形分中の炭素は54%、出口部で
のそれは36%となりほぼ一定となつた。 本実験で得られた各生成物の収率は次のとおり
であつた。 H2S 2.15% C1〜C5 4.20〃 C5〜180℃ 11.07〃 180〜350℃ 12.22〃 350〜540℃ 71.73〃 実施例 21 実施例4において処理したものと同じタールサ
ンドビチユーメンを、ほぼ実施例20と同じ装置を
用いて水素化分解した。但し、実施例20と異り、
ライン22による減圧残渣の循環は行なわなかつ
た。また原料油に対して触媒を加えずに、高勾配
磁気分離装置において分離された鉄およびバナジ
ウムの濃縮した固形分を循環使用した。また実施
例20と同じく、高勾配磁気分離装置は第6図のよ
うに流通式反応装置に直結しないで用いた。 水素化分解反応装置1の反応条件は液空間速度
1.0Hr-1および水素圧100Kg/cm2としたが、反応温
度は反応開始において425℃、次いで徐々に440℃
に昇温した。まず425℃において、ワンスルー運
転で得られた生成油を高勾配磁気分離装置に通
じ、鉄およびバナジウムを濃縮した微細固形分を
着磁して分離した。この着磁固形分の組成はほぼ
以下のようであつた。 Fe 6.2% V 1.6〃 Si 14.1〃 Al 10.5〃 C 18.9〃 次に鉄およびバナジウム濃縮固形分を、固形分
濃度が10〜20%となるように減圧軽油に分散さ
せ、水素圧100Kg/cm2、温度400℃、液空間速度
0.5Hr-1で水素化処理せしめて、固形分中の炭素
質を水素化して脱離せしめた。このようにして水
素化処理された鉄、バナジウム濃縮固形分を充分
に蓄積した後、これを水素化分解装置1への新供
給原料に対し固形分濃度が4〜5%となるように
添加した。原料油に対して添加された鉄、バナジ
ウム濃縮物の大部分が、再び高勾配磁気分離装置
において固液分離されることを確かめたのち、水
素化分解装置1の反応温度を425℃から440℃まで
昇温した。反応温度を上げると共に高勾配磁気分
離装置で分離される固形分中の鉄およびバナジウ
ム濃度が徐々に増加し、固形分の分離効率が上昇
したので、水素化分解装置1へ供給される鉄、バ
ナジウム濃縮物が原料油に対して4〜5%となる
ように、磁気分離装置の運転条件を調節した。 昇温後に本実験で得られた生成油の収率はほぼ
次のとおりであつた。 IBP〜350℃ 37% 350〜540℃ 38% 540℃残渣 25〃 以上の結果から、本発明方法において、高勾配
磁気分離装置で鉄およびバナジウム濃縮物を分離
し、これを水素化脱コークしてから水素化分解装
置へ循環することによつて、実質上、無触媒でタ
ールサンドビチユーメンを軽質油に転換せしめる
ことが出来ることが理解されよう。 尚、本実験において、水素化分解生成油を遠心
分離して得られた原料中の灰分を、そのまま、水
素化分解工程に循環したところ、固形分中の炭素
質が急速に増加し、反応管がコーク汚染されるこ
とが認められた。従つて本発明方法において、鉄
およびバナジウム濃縮物を選択率に固液分離する
ことが必須の要件であることが認められよう。 産業上の利用可能性 本発明によれば、使用済触媒の水素化再生工程
を含むことから、石炭及び石油系の炭化水素類を
スラリー触媒の存在下で水素化分解する場合に、
従来解決困難な問題となつていたコークレベルの
上昇による触媒劣化や反応器汚染の問題はない。
さらに、本発明においては、使用済触媒の再生
は、従来の酸化焙焼再生とは異なつた新しい水素
化再生によるものであるため、その実施は容易で
あり、酸化焙焼再生に見られたような困難な問題
は何ら生じない。従つて本発明は、石炭系および
石油系の水素化分解法としておよびその際の触媒
再生法として極めて有用なものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 体積平均粒子直径が200μ以下のスラリー触
    媒の存在下、炭化水素類を、水素化分解させて軽
    質化する方法において、反応系からスラリー触媒
    の少なくとも一部を使用済触媒として抜出し、そ
    の使用済触媒の少なくとも一部を、温度200〜500
    ℃、水素分圧30〜350Kg/cm2の条件下で水素化処
    理し、触媒上に堆積したトルエン不溶性の炭素質
    を水素化し、可溶化させることによつて再生し、
    該再生された触媒を前記水素化分解工程へ循環す
    ることを特徴とする炭化水素類の水素化分解方
    法。 2 水素化分解工程が、水素分圧10〜350Kg/
    cm2、350〜500℃の条件下で実施される請求の範囲
    第1項の方法。 3 スラリー触媒が、水素化活性金属成分を含有
    する請求の範囲第1項又は第2項の方法。 4 水素化活性金属が、周期律表b、b、
    a、a、a、a及び族に属する金属、マ
    ンガン及び錫の中から選ばれる少なくとも1種の
    金属である請求の範囲第3項の方法。 5 スラリー触媒が体積平均粒子直径50〜200μ
    の粉末触媒であり、反応系から抜出された使用済
    触媒のコークレベルが10〜200%である請求の範
    囲第1項〜第4項のいずれかの方法。 6 スラリー触媒が体積平均粒子直径50μ以下の
    微細粒子触媒であり、反応系から抜出された使用
    済触媒のコークベルが10〜1000%である請求の範
    囲第1項〜第4項のいずれかの方法。 7 水素化分解反応系における触媒濃度が、焙焼
    残渣基準で0.1〜30%である請求の範囲第1項〜
    第6項のいずれかの方法。 8 使用済触媒の水素化再生処理が、反応条件下
    で液状を示す炭化水素の存在下で行われる請求の
    範囲第1項〜第7項のいずれかの方法。 9 炭化水素が水素化分解工程からの生成油また
    はその水素化処理油の少なくとも一部である請求
    の範囲第8項の方法。 10 炭化水素が、n−ヘプタン不溶アスフアル
    テンを実質的に含まず、かつ残留炭素分が5.0重
    量%以下である沸点200℃以上の水素化分解工程
    からの生成油留分および/または該生成油留分か
    ら重質分を除去したものあるいはそれらの水素化
    処理物である請求の範囲第8項の方法。 11 水素化再生処理が、温度350〜450℃の条件
    下で行われる請求の範囲第8項の方法。 12 水素化再生処理が、水素供与性炭化水素の
    存在下、温度350〜450℃の条件下で行われる請求
    の範囲第8項の方法。 13 水素化再生処理が、原料炭化水素の水素化
    分解工程で用いた触媒とは異なる水素化処理触媒
    の存在下で行われる請求の範囲第8項の方法。 14 スラリー触媒の体積平均粒子直径が10μ以
    下であり、水素化再生触媒の体積平均粒子直径が
    200μ以上である請求の範囲第13項の方法。 15 原料炭化水素の水素化分解工程及び使用済
    触媒の水素化再生工程がいずれも水素加圧下で行
    われ、水素化再生工程の水素分圧が水素化分解工
    程よりも20Kg/cm2以上高いかまたは/および水素
    化再生工程の反応温度が20℃以上低い請求の範囲
    第1項〜第14項のいずれかの方法。 16 水素化分解生成油から使用済触媒を分離し
    た後、その少なくとも一部を水素化再生処理する
    請求の範囲第1項〜第14項のいずれかの方法。 17 使用済触媒が水素化生成油の重質分と共に
    分離される請求の範囲第16項の方法。 18 分離が蒸留により行われる請求の範囲第1
    7項の方法。 19 使用済触媒が固液分離法により分離される
    請求の範囲第16項の方法。 20 スラリー触媒として体積平均粒子直径0.1
    〜50μの微細粒子触媒を用い、かつ生成油からの
    使用済触媒の固液分離に高勾配磁気分離法を採用
    する請求の範囲第19項の方法。 21 水素化分解生成油からそれに含まれる使用
    済触媒の一部を固液分離により予め分離した後、
    得られた生成油からそれに含まれる残部使用済触
    媒をさらに固液分離処理して分離し、前記のよう
    にして分離された2種の触媒の少なくとも一方を
    水素化再生処理し、水素化分解工程へ循環する請
    求の範囲第16項の方法。 22 体積平均粒子直径が10μ以下のスラリー触
    媒の存在下、炭化水素類を水素化分解した後、得
    られた水素化分解生成油を固液分離して使用済触
    媒の一部を分離した後、得られた残部使用済触媒
    を含む生成油を高勾配磁気分離処理して、着磁性
    使用済触媒を非着磁性使用済触媒を含む生成油か
    ら分離し、分離された着磁性使用済触媒を沸点
    200℃以上でかつ実質的にn−へプタン不溶アス
    フアルテンを含まない生成油留分中において水素
    化処理すると共に、さらに分離された非着磁性使
    用済触媒を含む生成油を水素化処理し、かつ前記
    各水素化処理は固定床触媒の存在下で行われる請
    求の範囲第1項の方法。 23 水素化処理用固定床触媒が、酸性担体にバ
    ナジウム、モリブデン、タングステン、ニツケ
    ル、コバルト及び銅の中から選ばれる少なくとも
    1種を5重量%以上担持させたもので、20〜150
    Åの平均細孔直径及び比表面積50m2/g以上を有
    する触媒を用いる請求の範囲第22項の方法。 24 酸性担体が、アルミナ・シリカまたは無機
    酸化物担体の酸処理物である請求の範囲第23項
    の方法。 25 酸がホウ酸、フツ酸またはリン酸である請
    求の範囲第24項の方法。 26 反応系から抜出された使用済触媒の少なく
    とも5.0重量%を水素化処理し、水素化分解工程
    へ循環する請求の範囲第1項〜第24項のいずれ
    かの方法。 27 沸点350℃以上の重質分を80%以上及び可
    溶性金属類を200ppm以上含み、不溶性固形分が
    0.1%以下である炭化水素類をスラリー触媒の存
    在下で水素化分解させて、沸点350℃以下留分を
    30%以上含みかつ可溶性金属類を20ppm以下
    で、n−ヘプタン不溶アスフアルテンを実質上含
    まない軽質油へ転換させる方法において、 (a) 前記原料油を、水素圧30〜250Kg/cm2、温度
    400〜480℃において、体積平均粒子径が0.1〜
    50μの微粒子触媒を用い、0.1〜5重量%濃度
    下で水素化分解する工程、 (b) 水素化分解生成油から、固液分離により、そ
    の中に含まれる使用済触媒の少なくとも10%を
    分離させる工程、 (c) 残部触媒を含む生成油を、使用済触媒を実質
    的に含まない軽質油と、使用済触媒を含む重質
    油とに分離する工程、 (d) 前記工程(b)において分離された使用済触媒の
    少なくとも一部を、前記工程(c)において分離さ
    れた沸点200℃以上の軽質油またはその水素化
    処理油中に分散させ、水素圧30〜250Kg/cm2
    温度350〜450℃で水素化処理し、使用済触媒中
    の不溶性炭素質の少なくとも一部を水素化し、
    可溶化させて再生する工程、 (e) 水素化再生された使用済触媒を含む軽質油
    を、場合によつては、前記工程(c)で得られた重
    質油の少なくとも一部と共に、前記工程(a)に循
    環させる工程、 からなることを特徴とする炭化水素類の水素化分
    解方法。 28 工程(b)において使用済触媒の70%以上を分
    離し、工程(d)に送つて水素化再生処理する請求の
    範囲第27項の方法。 29 工程(b)における固液分離に高勾配磁気離法
    を用いる請求の範囲第27項または第28項の方
    法。 30 工程(a)において体積平均粒子直径が1〜20
    μの微細粒子触媒が用いられる請求の範囲第27
    項〜第29項のいずれかの方法。 31 工程(c)において沸点550℃以下の留出油が
    分離される請求の範囲第27項〜第30項のいず
    れかの方法。 32 不溶性固形分が0.2%以上のタールサンド
    ビチユーメンまたはオイルタールあるいはこれら
    から分離された炭化水素類をスラリー触媒の存在
    下で水素化分解する方法において、 (a) 該炭化水素類を、スラリー触媒の存在下、水
    素圧30〜250Kg/cm2、温度400〜480℃で水素化
    分解させる工程、 (b) 水素化分解生成油を、高勾配磁気分離によ
    り、鉄及びバナジウム含有率の高い不溶性固形
    分からなる着磁性固体を、着磁性固形分を含む
    生成油から分離する工程、 (c) 生成油から実質的に不溶性固形分を含まない
    軽質油を分離する工程、 (d) 前記工程(b)で得られた固形分の少なくとも一
    部を、工程(c)で得られた沸点200℃以上の軽質
    油またはその水素化処理油に分散させ、水素圧
    30〜250Kg/cm2、温度350〜450℃で水素化処理
    して、該固形分に堆積した不溶性炭素質を水素
    化し、可溶化させる工程、 (e) 水素化処理された固形分を前記工程(a)におけ
    る触媒として循環する工程、 からなることを特徴とする不溶性固形分を含む炭
    化水素類の水素化分解方法。 33 工程(e)から工程(a)に循環される水素化処理
    固形分が、工程(a)に供給される全炭化水素類中、
    1〜10%である請求の範囲第32項の方法。
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