JP3143673B2 - 非担持硫化ニッケル−タングステン触媒及びその製法、並びに炭化水素の水素化方法 - Google Patents

非担持硫化ニッケル−タングステン触媒及びその製法、並びに炭化水素の水素化方法

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JP3143673B2
JP3143673B2 JP11117322A JP11732299A JP3143673B2 JP 3143673 B2 JP3143673 B2 JP 3143673B2 JP 11117322 A JP11117322 A JP 11117322A JP 11732299 A JP11732299 A JP 11732299A JP 3143673 B2 JP3143673 B2 JP 3143673B2
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tungsten
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非担持硫化ニッケ
ル−タングステン触媒及び非担持硫化ニッケル−タング
ステン触媒の製造方法、並びに非担持硫化ニッケル−タ
ングステン触媒を用いる芳香族炭化水素及び(又は)縮
合多環式炭化水素の水素化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硫化タングステンをアルミナ等の担体に
担持した担持硫化タングステン触媒或いは硫化タングス
テンに助触媒としてニッケルやコバルトを用い、これら
を担体に担持した多元硫化タングステン触媒は、既に石
油精製のいろいろな分野で広く用いられている。その具
体的な反応としては、水素化反応、水素化精製反応、脱
硫反応、脱窒素反応などが知られている。近年、石油精
製の製品である各種石油留分を各種燃料として使用する
に際し、大気汚染対策や環境規制の点からできるだけ完
全に燃焼させることができることが、要求されている。
例えば、軽油燃料を用いるデイーゼルエンジンでは黒煙
が発生することは極力抑制しなければならないとされて
いる。そのために軽油中の黒煙発生原因である芳香族炭
化水素類の含有量をできるだけ少なくすることが要求さ
れ、芳香族炭化水素を水素化処理して脂環式炭化水素或
いは脂肪族炭化水素に変換する反応触媒が必要とされて
いる。このような反応では、水素化精製触媒に対して反
応原料が吸着することが必要であり、吸着に際し立体障
害となるなるような、大きな形状の化合物を水素化する
ことが必要とされている。このような吸着処理に際して
は従来の担体に担持した多元系触媒は有効ではなく、新
たな触媒の開発が必要であるとされている。また、石油
燃料は、残されている石油資源の性質から見て、重質化
の傾向にあり、このような重質油を精製するための水素
化精製では、触媒表面に炭素物質や重質炭化水素が付着
するために、短期間で、触媒を再活性することが不可欠
とされ、そのためにはスラリー床による反応プロセスが
有望視されている。このようなプロセスでは再生による
触媒の再活性化が容易であることと、反応塔に供給され
る燃料油中の触媒の容積比が小さいことが要求され、そ
のいずれに対しても担体を含まない非担持触媒が有効で
あるとされており、この観点からも非担持触媒の開発が
望まれている。本発明者らは、かねてから上記事態の到
来を予測し、それに応えるべく長年にわたり非担持硫化
タングステン触媒の性能向上に取り組んできた。
【0003】
【発明の解決しようとしている課題】本発明の課題は、
新規な非担持硫化ニッケル−タングステン触媒及びその
製法並びにこの触媒を用いた芳香族炭化水素及び(又
は)縮合多環式炭化水素の水素化方法を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者らは、非担持硫化タン
グステン触媒及びその製法について鋭意検討を重ねた結
果、チオタングステン酸アンモニウムとニッケル塩を、
Ni/(Ni+W)の割合が原子比で、1/10〜7/
10の割合とし、気相中、有機溶媒中或いは水中で加熱
分解することにより得られる触媒、は有機溶媒中或いは
高温の水中の還元状態で処理して得られる硫化タングス
テン触媒は、従来知られているこの他の方法で製造され
た非担持硫化物触媒と比較して、水素化能が高い結果が
得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明によれば、以下の方法が提供され
る。非担持硫化ニッケル−タングステン触媒において、
チオタングステン酸アンモニウム水溶液と、硫酸ニッケ
ルアンモニウム水溶液又は硫酸ニッケル水溶液の割合
が、原子比で、Ni/(Ni+W)の値が1/10〜7
/10であるようにし、加熱し水分を除去して得た固体
生成物(A)を、気相中、有機溶媒中又は水中で還元分
解して得られるものであることを特徴とする非担持硫化
ニッケル−タングステン触媒(第一の触媒)。 非担持硫
化ニッケル−タングステン触媒を製造する際に、チオタ
ングステン酸アンモニウム水溶液と、硫酸ニッケルアン
モニウム水溶液又は硫酸ニッケル水溶液を、Ni/Ni
+Wの割合が、原子比で、1/10〜7/10の範囲内
で混合し、加熱し、水分を除去して得た固体生成物
(A)を、気相中、有機溶媒中或いは水中で還元分解し
て得られる硫化ニッケル−タングステンを製造して硫化
ニッケル−タングステン触媒とすることを特徴とする非
担持硫化ニッケル−タングステン触媒の製造方法。非担
持硫化ニッケル−タングステン触媒において、チオタン
グステン酸アンモニウム水溶液と硫酸ニッケルアンモニ
ウムの水溶液が、Ni/(Ni+W)の割合が原子比
で、3/5以上、4/5以下の割合で混合し、室温から
150℃の温度条件下に放置することにより生成した沈
殿物(B)を分離し、気相中、有機溶媒中又は水中で還
元分解して得られるものであることを特徴とする非担持
硫化ニッケル−タングステン触媒(第二の触媒)。非担
持硫化ニッケル−タングステン触媒を製造する際に、チ
オタングステン酸アンモニウム水溶液と硫酸ニッケルア
ンモニウムの水溶液が、Ni/(Ni+W)の割合が原
子比で、3/5以上、4/5以下の割合で混合し、室温
から150℃の温度内で放置することにより生成した沈
殿物を分離し、気相中、有機溶媒中或いは水中で還元分
解することにより硫化ニッケル−タングステンを製造し
て硫化ニッケル−タングステン触媒とすることを特徴と
する非担持硫化ニッケル−タングステン触媒の製造方
法。芳香族炭化水素及び(又は)縮合多環式炭化水素を
含有する炭化水素を水素化して芳香族炭化水素及び(又
は)縮合多環式炭化水素を含有しない炭化水素とする方
法において、前記記載の触媒の存在下に行うことを特徴
とする芳香族炭化水素及び(又は)縮合多環式炭化水素
の水素化方法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるチオタングス
テン酸アンモニウムは、アンモニア水に酸化タングステ
ン(IV)を溶解させ、これに硫化水素を通じて沈殿を生
成させた後、濾別することにより得られる((NH
WS))。また、タングステン酸WO・HOを
液体アンモニウムで処理し、これに硫化水素を反応させ
て製造することもできる。
【0007】本発明の第一の触媒は、上記のチオタング
ステン酸アンモニウム水溶液と、硫黄を含むニッケル
塩、具体的には硫酸ニッケルアンモニウム(NiSO
(NH SO・6HO)水溶液又は硫酸ニッケ
ル(NiSO)水溶液を、Ni/(Ni+W)の割合
が原子比で1/10〜7/10の範囲内の値となるよう
に混合する。このようにして得られる水溶液を十分に混
合し加熱することにより水分を蒸発させる。加熱する際
には十分に混合した状態で行う。加熱は水分の除去に十
分な程度の温度が用いられる。通常100℃以下の温度
用いられる。この加熱の際にはニーダーなどの混練機が
使用される。得られる固体成分からなる前記の混合物を
気相中、有機溶媒中或いは水中で加熱することにより硫
化ニッケル−タングステン混合物を得ることができる。
【0008】気相中で分解する場合には、電気炉や各種
の炉が用いられる。この加熱に際しては気流中で行う。
用いるガスは還元性のガスが用いられる。具体的には硫
化水素と水素の混合ガスを常圧で流すことが行われる。
加熱に際しては、室温から徐々に加熱することにより昇
温させ、400℃程度の温度を最高温度ととし、この温
度で還元分解反応を行う。反応終了後は、前記ガスを流
しながら、室温まで冷却する。次に空気に触れないよう
にしてノナンなど炭化水素の溶媒中に回収する。触媒に
利用するときには減圧濾過装置を用いてテトラヒドロフ
ランにより溶媒を洗浄、除去し、室温で、減圧乾燥する
ことにより得られる。
【0009】有機溶媒中で還元条件下に分解するときに
は、以下のようにして行う。前記の特定割合のチオタン
グステン酸アンモニウムと硫酸ニッケルアンモニウム又
は硫酸ニッケルから得られた固体生成物(A)を有機溶
媒と混合し、十分に攪拌する。有機溶媒中の固体生成物
(A)の濃度は50重量%以下の濃度とすることが必要
である。この濃度以下であれば還元処理には差し支えな
いが、好ましくは10〜20重量%の濃度とすることが
好ましい。有機溶媒としては、固体生成物(A)を分散
させることができるものであれば差し支えないが、脂肪
族炭化水素や芳香族炭化水素からなる有機溶媒を用いる
ことができる。脂肪族炭化水素としては室温で液状であ
るものが用いられる。具体的には炭素数5以上の炭化水
素であれば使用することができる。処理を行ううえで、
この中のテトラメチルペンタデカン、ヘキサデカン等
が、利用しやすい。また、芳香族炭化水素としてはテト
ラリンや1−メチルナフタレンを使用することができ
る。
【0010】チオタングステン酸アンモニウムと硫酸ニ
ッケルアンモニウムから得られた固体生成物(A)を有
機溶媒に分散させた状態で、還元条件下に分解させる。
この条件は水素の存在下に行うものであり、150℃以
下の温度から徐々に温度を上昇させる。昇温速度は10
℃/分以下の条件が設定される。好ましい範囲は0.5
〜2℃/分である。10℃を越える急激な昇温速度を採
用すると、反応が急激に進行しすぎるので、良好な結果
を得ることができない。最終加熱温度は250〜500
℃、好ましくは350〜450℃の範囲である。反応は
十分に攪拌されている状態で行われることが必要であ
る。水素圧力は、調製された活性な触媒による有機溶媒
の脱水素反応を抑制するために必要且つ十分なものであ
り、常温換算で20MPa以下、好ましくは5〜10M
Paの範囲の条件が採用される。
【0011】得られる生成物は硫化ニッケル−タングス
テンであり、微粒子状物である。生成物をテトラヒドロ
フラン等の溶媒により十分に洗浄し、できるだけ不純物
を除去する。得られた洗浄物を取りだして、触媒とす
る。触媒は微粒子状物として反応液に添加したスラリー
状で使用する。
【0012】水中で還元条件下に分解するときには、以
下のようにして行う。前記の特定割合のチオタングステ
ン酸アンモニウムと硫酸ニッケルアンモニウムから得ら
れた固体生成物(A)を水と混合し、十分に攪拌する。
水中の固体生成物(A)の濃度は50重量%以下の濃度
とすることが必要である。この濃度以下であれば還元処
理には差し支えないが、好ましくは10〜20重量%の
濃度とすることが好ましい。
【0013】チオタングステン酸アンモニウムと硫酸ニ
ッケルアンモニウムから得られた固体生成物(A)を水
に分散させた状態で、還元条件下に分解させる。この条
件は水素の存在下に行うものであり、150℃以下の温
度から徐々に温度を上昇させる。昇温速度は10℃/分
以下の条件が設定される。好ましい範囲は0.5〜2℃
/分である。10℃を越える急激な昇温速度を採用する
と、反応が急激に進行しすぎるので、良好な結果を得る
ことができない。最終加熱温度は250〜500℃、好
ましくは350〜450℃の範囲である。反応は十分に
攪拌されている状態で行われることが必要である。水素
圧力は、水を液相保持するために必要且つ十分なもので
あり、常温換算で20MPa以下、好ましくは5〜10
MPaの範囲の条件が採用される。
【0014】得られる生成物は硫化ニッケル−タングス
テンであり、微粒子状物である。生成物をテトラヒドロ
フラン等の溶媒により十分に洗浄し、できるだけ不純物
を除去する。得られた洗浄物を取りだして、触媒とす
る。触媒は微粒子物として反応液に添加したスラリー状
で使用するに当たっては、粒状物又は適当な大きさのペ
レットにして用いる。
【0015】本発明の第二の触媒は以下の方法により製
造される。非担持硫化ニッケル−タングステン触媒にお
いて、チオタングステン酸アンモニウム水溶液と硫酸ニ
ッケルアンモニウムの水溶液が、Ni/(Ni+W)の
割合が原子比で、3/5以上、4/5以下の割合で混合
し、室温から150℃の温度条件下に放置することによ
り生成した沈殿物を分離し、この生成物を用いて、前記
の触媒調製と同じく気相中、有機溶媒中又は水中で還元
分解して得られる非担持硫化ニッケル−タングステン触
媒を用いることもできる。この場合の気相中、有機溶媒
中及び水中の条件は前記第一の触媒の場合と同様であ
る。
【0016】本発明で得られる第一及び第二の触媒は、
水素添加反応に用いることができる。水素添加反応とし
ては、芳香族炭化水素又は(及び)縮合多環炭化水素の
水素化反応に用いることができる。この水素化反応で
は、核の水素化により脂環式炭化水素や多環を形成する
環の一部を水素化し、脂環式炭化水素としたり、さらに
環を開環して脂肪族炭化水素や脂肪族炭化水素基とする
ことができる。1-メチルナフタレンの水素化反応の場合
には、一部の核の水素化により、1−メチルテトラリン
や5−メチルテトラリンを製造し、さらにこれらを水素
化しメチルデカリン類を製造することができる。この反
応では、一部に異性化反応を伴う。また、核が水素化さ
れた後に、開環し、脂肪族炭化水素基、具体的にはペン
チル基とすることができる。このアルキル基は異性化反
応により分岐するアルキル基にすることができる。さら
に水素化を進めることにより、開環して脂肪族炭化水素
としたり、さらに異性化することにより分岐状の脂肪族
炭化水素とすることができる。これらの反応経路を示す
と、図1に示すとおりである。
【0017】本発明の水素添加反応に用いられる原料物
質としては、芳香族炭化水素、縮合多環芳香族炭化水素
等の炭化水素を挙げることができる。芳香族炭化水素と
しては、ベンゼンの他トルエン、キシレンなどのアルキ
ル基を有するベンゼンを挙げることができる。縮合多環
芳香族炭化水素には、ナフタレン、アントラセン、フエ
ナントレン、アセナフテンなどを挙げることができる。
これらの縮合多環芳香族炭化水素には、一部の芳香環が
水素化されているものであっても差し支えない。 これ
らの芳香族炭化水素、縮合多環芳香族炭化水素には、脂
肪族炭化水素又は脂環式炭化水素を含有していても差し
支えない。また、これらの混合物を含有する炭化水素
が、ガソリン留分、軽油留分、接触分解装置で処理され
た軽油であっても処理することができる。特に、接触分
解装置(F.C.C.)より得られる接触分解軽油は、
直接蒸留することにより得られる軽油留分と比較して、
芳香族炭化水素化合物、特に縮合多環芳香族炭化水素化
合物の含有量が多いものであるが、このような炭化水素
であっても原料物質として取り扱うことができる。本発
明の方法で用いられる水素は、通常の水素の製造方法で
あるナフサなどの炭化水素から製造するものなど各種の
製造方法のものが用いられる。原料の炭化水素中には、
微量ではあるが硫黄化合物が含まれるが、反応に影響が
ないものであれば差し支えない。場合によっては反応を
促進させることもある。接触分解軽油の一例を示すと次
の通りである。 油種 中東原油アラビアンライト 使用装置 U.O.P式流動接触分解装置 性状 硫黄濃度 0.10重量% 窒素濃度 120ppm 密度 (15/4℃) 0.9110 セタン指数 27.0 F.I.A分析 芳香族 65% 飽和分 33% オレフイン 2%
【0018】本発明の水素化反応は、芳香族炭化水素や
縮合多環炭化水素を含有する炭化水素を水素添加して、
脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素及び脂肪族炭化水素
とすることもできる。この水素化処理により、炭化水素
燃料油中に含まれるベンゼン、ナフタレンなどの芳香族
炭化水素や多環式炭化水素の含有量を減少させたり、含
まないようにすることもできる。
【0019】本発明の水素化反応の条件は、以下の通り
である。反応温度は、290〜400℃、好ましくは3
20〜360℃である。290℃より低い反応温度を設
定すると、芳香族炭化水素や縮合多環炭化水素の水素化
反応速度は非常に遅くなる。360℃を越える温度を設
定すると、水素化分解反応が起こりやすい傾向にある。
圧力は、3〜15MPa、好ましくは5〜12MPaの
範囲である。ここでの圧力は水素分圧を意味している。
圧力が5MPaより低い場合には芳香族炭化水素や多環
式炭化水素は水素化されない。15MPaを越えるよう
な圧力では、それ以下の場合の圧力を用いた場合と比較
して、格別効果が見られない。炭化水素の供給量(液空
間速度 LHSV)は、0.2〜3.0h−1、好まし
くは、0.3〜1.2h−1の範囲である。水素/炭化
水素油の供給割合は、モル比で、1.0〜100の範囲
である。水素化処理反応終了後の反応生成物は、蒸留操
作などにより特定の沸点範囲の成分として分離される。
これらの温度範囲は利用する分野や用途に応じて適宜選
択することができる。未反応の炭化水素原料や一部飽和
された多環式炭化水素を含む炭化水素は、再び反応器に
循環することにより再び水素添加反応を行うことができ
る。未反応原料物質を反応系に循環使用することは、反
応が急速に促進されことを防止し、反応選択率を上昇さ
せることができることがある。また、水素化処理反応が
未だ十分に行われていないような反応生成物であり、更
に水素化処理反応を行った方が有利である生成物を得た
場合には、分離後再び反応器に原料物質と共に再循環す
ることにより、さらに水素化を行うこともできる。
【0020】本発明の触媒を用いる水素化処理反応は、
二段階で行うこともできる。この場合には、前記の触媒
を用いて、前記炭化水素を水素化処理し、引き続いて、
さらに前記の触媒を用いて、水素化処理することもでき
る。また、一段階目の水素化処理又は二段階目の水素化
処理の反応を、他の水素添加触媒であるIV族及びVIII族
から選ばれる金属触媒あるいはゼオライトなどの酸性触
媒を用いることもできる。
【0021】本発明の水素化処理反応で得られる反応生
成物は、原料炭化水素である芳香族炭化水素や縮合多環
炭化水素が水素化された炭化水素の混合物である。場合
によっては、芳香族炭化水素や縮合多環炭化水素が形成
している芳香環の部分が水素化されている化合物や芳香
環が水素化されて脂環式化合物が開環し、更に異性化さ
れた炭化水素化合物である。1−メチルナフタレンを出
発物質とする場合の水素化化合物の具体例は、図1に示
されるとおりである。また、接触分解軽油では、原料油
中に含まれる芳香族炭化水素や縮合多環炭化水素の水素
化物を含む混合物が得られるが、これらの生成物のセタ
ン価は、原料炭化水素のセタン価と比較して大幅に向上
した結果のものとなる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。本発明は、この実施例により限定されるもので
はない。
【0023】実施例1及び比較例1(触媒の調製) 本発明による非担持硫化ニッケル−タングステン触媒3
種類(NW−1B、NW−2B、NW−3B)、従来法
で調製した非担持硫化ニッケル−タングステン触媒3種
類(NW−4、NW−5、NW−6)、従来法で調製し
た非担持硫化タングステン触媒1種類(WS−1)及び
従来法で調製した非担持硫化ニッケル触媒1種類(Ni
S−1)の合計8種類の調整法及び触媒の活性測定法は
以下の通りである。 NW−1B触媒 チオタングステン酸アンモニウム((NH
) 50gを600mlの水に溶解させ、硫酸ニッ
ケルアンモニウムNiSO(NHSO・6H
O24gを250mlの水に溶解させて得られる水溶
液に添加し、50℃に加温しながら、混練り機(ニーダ
ー)で攪拌しながら、水分を除去し、固形物を得た(以
下、この固形物をNW−1という)。この固形物5gを
内径38mm、長さ400mmの石英ガラス製反応管に
充填した。反応管を横置式電気炉に挿入し、10%硫化
水素−水素混合ガスを常圧で流しながら、室温から徐々
に加熱、昇温し、最終温度400℃で還元分解し、上記
混合ガスを流しながら、室温まで冷却し、空気に触れな
いようにしてノナン溶媒中に回収した。この触媒を反応
に用いる場合には減圧濾過を用いて、テトラヒドロフラ
ンでノナンを洗浄、除去し、室温で乾燥させた。この触
媒の組成は、NiS/WS比に換算して1/5(重
量%)であった。 NW−2B触媒 チオタングステン酸アンモニウム((NH
)50gを600mlの水に溶解させ、硫酸ニッケ
ルNiSO・7HO 16.3gを250mlの水
に溶解させて得られる水溶液に添加し、50℃に加温し
ながら、混練り機(ニーダー)で攪拌しながら、水分を
除去し、固形物を得た。この固形物5gを内径38m
m、長さ400mmの石英ガラス製反応管に充填した。
反応管を横置式電気炉に挿入し、10%硫化水素−水素
混合ガスを常圧で流しながら、室温から徐々に加熱、昇
温し、最終温度400℃で還元分解し、上記混合ガスを
流しながら、室温まで冷却し、空気に触れないようにし
てノナン溶媒中に回収した。この触媒を反応に用いる場
合には減圧濾過を用いて、テトラヒドロフランでノナン
を洗浄、除去し、室温で乾燥させた。この触媒の組成
は、NiS2/WS2比に換算して1/5(重量%)で
あった。 NW−3B触媒 硫酸ニッケルアンモニウムNiSO(NHSO
・6HO 96gを1000mlの水に溶解させて
得られる水溶液に、チオタングステン酸アンモニウム
((NHWS)10gを150mlの水に溶解
した水溶液を添加し、室温で24時間静致置し、生成し
た沈殿物を遠心分離器で分別し、固形物を得た。この固
形物5gを内径38mm、長さ400mmの石英ガラス
製反応管に充填した。反応管を横置式電気炉に挿入し、
10%硫化水素−水素混合ガスを常圧で流しながら、室
温から徐々に加熱、昇温し、最終温度400℃で還元分
解し、上記混合ガスを流しながら、室温まで冷却し、空
気に触れないようにしてノナン溶媒中に回収した。この
触媒を反応に用いる場合には減圧濾過を用いて、テトラ
ヒドロフランでノナンを洗浄、除去し、室温で乾燥させ
た。この触媒の組成は、NiS/WS比に換算して
1/5(重量%)であった。 NW−4触媒 パラタングステン酸アンモニウム((NH10
1241・5HO 37.5gを1000mlの水
に溶解させ、硫酸ニッケルアンモニウム24gを250
mlの水に溶解させて得られる水溶液に添加し、50℃
に加温し、混練り機(ニーダー)で攪拌しながら、水分
を除去し、固形物を得た。この固形物5gを内径38m
m、長さ400mmの石英ガラス製反応管に充填した。
反応管を横置式電気炉に挿入し、10%硫化水素−水素
混合ガスを常圧で流しながら、室温から徐々に加熱、昇
温し、最終温度400℃で還元分解し、上記混合ガスを
流しながら、室温まで冷却し、空気に触れないようにし
てノナン溶媒中に回収した。この触媒を反応に用いる場
合には減圧濾過を用いて、テトラヒドロフランでノナン
を洗浄、除去し、室温で乾燥させた。この触媒の組成
は、NiS/WS比に換算して1/5(重量%)で
あった。 NW−5触媒 チオタングステン酸アンモニウム((NH
)50gを600mlの水に溶解させ、硝酸ニッケ
ルNi(NO・6HO 17.7gを250m
lの水に溶解させて得られる水溶液に添加し、50℃に
加温しながら、混練り機(ニーダー)で攪拌しながら、
水分を除去し、固形物を得た。この固形物5gを内径3
8mm、長さ400mmの石英ガラス製反応管に充填し
た。反応管を横置式電気炉に挿入し、10%硫化水素−
水素混合ガスを常圧で流しながら、室温から徐々に加
熱、昇温し、最終温度400℃で還元分解し、上記混合
ガスを流しながら、室温まで冷却し、空気に触れないよ
うにしてノナン溶媒中に回収した。この触媒を反応に用
いる場合には減圧濾過を用いて、テトラヒドロフランで
ノナンを洗浄、除去し、室温で乾燥させた。この触媒の
組成は、NiS/WS比に換算して1/5(重量
%)であった。 NW−6触媒 パラタングステン酸アンモニウム 5gを1000ml
の水に溶解させた水溶液に、硝酸ニッケル 17.7g
を250mlの水に溶解させて得られる水溶液を添加
し、50℃に加温しながら、混練り機(ニーダー)で攪
拌しながら、水分を除去し、固形物を得た。この固形物
5gを内径38mm、長さ400mmの石英ガラス製反
応管に充填した。反応管を横置式電気炉に挿入し、10
%硫化水素−水素混合ガスを常圧で流しながら、室温か
ら徐々に加熱、昇温し、最終温度400℃で還元分解
し、上記混合ガスを流しながら、室温まで冷却し、空気
に触れないようにしてノナン溶媒中に回収した。この触
媒を反応に用いる場合には減圧濾過を用いて、テトラヒ
ドロフランでノナンを洗浄、除去し、室温で乾燥させ
た。この触媒の組成は、NiS2/WS2比に換算して
1/5(重量%)であった。 WS−1触媒 チオタングステン酸アンモニウム 5gを、内径38m
m、長さ400mmの石英ガラス製反応管に充填した。
反応管を横置式電気炉に挿入し、10%硫化水素−水素
混合ガスを常圧で流しながら、室温から徐々に加熱、昇
温し、最終温度400℃で還元分解し、上記混合ガスを
流しながら、室温まで冷却し、空気に触れないようにし
てノナン溶媒中に回収した。この触媒を反応に用いる場
合には減圧濾過を用いて、テトラヒドロフランでノナン
を洗浄、除去し、室温で乾燥させた。 NiS−1触媒 硫酸ニッケルアンモニウム 5gを、内径38mm、長
さ400mmの石英ガラス製反応管内に充填した。この
反応管を横置式電気炉内に挿入し、10%硫化水素−水
素混合ガスを常圧で流しながら、室温から徐々に加熱、
昇温し、最終温度400℃で還元分解し、上記混合ガス
を流しながら、室温まで冷却し、空気に触れないように
してノナン溶媒中に回収した。この触媒を反応に用いる
場合には、減圧濾過装置を用いて、テトラヒドロフラン
でノナンを洗浄、除去し、室温で減圧乾燥した。
【0024】実施例2及び比較例2(実施例1及び比較
例1で調製した触媒の反応への利用) 実施例1及び比較例1で得られた触媒を反応に用いた。
実施例及び比較例で用いた反応試料油は、1−メチルナ
フタレンであり、活性アルミナを充填したオープンカラ
ムクロマトグラフイーにより精製し、その150gを市
販のテトラデカン500mlで希釈して調整したもので
ある。活性測定法は、以下の方法による。内容積40m
lのステンレス鋼製マイクロオートクレーブに試料油5
mlと触媒を充填し、水素を室温で、8MPa加え、3
30℃で1時間反応させたものである。触媒の使用量
は、10mg,20mg、30mg及び40mgであ
る。生成物の分析及び触媒の活性表示法は、以下の方法
による。反応生成物の同定は、ガスクロマトグラフ/質
量分析器を用いて行った。各生成物の定量分析はガスク
ロマトグラフ/水素炎検出器を用いて行った。図1に、
ここで認められた反応経路と生成物を示す。1−メチル
ナフタレンの水素化により、1−メチルテトラリン、5
−メチルテトラリン及びそれらの異性体が生成した。さ
らに、メチルテトラリン類の水素化によるメチルデカリ
ン類と、1−メチルテトラリンの開環によるペンチルベ
ンゼンが生成した。いずれの生成物も、1−メチルナフ
タレンの水素化を経由して生成するので、1−メチルナ
フタレンの全転化率を1−メチルナフタレンの水素化率
とし、触媒の水素化活性は1−メチルナフタレンの水素
化率で示した。 結果 同一の触媒量に対する水素化率の比較を、図2に示し
た。硫化ニッケル触媒は硫化タングステン触媒に比べ
て、活性が著しく低い。ニッケルとタングステンの一方
が硫黄を含む塩から調製した触媒(NW−4,NW−
5)の活性は、硫化タングステン触媒より高くなった
が、いずれも硫黄を含まない塩から調製した触媒の活性
は、硫化タングステン触媒より低かった。本発明の触媒
(NW−1B,NW−2B,NW−3B)の活性は、い
ずれの従来法で調製された触媒より高いことが分かっ
た。
【0025】実施例3 本発明の方法で調製した触媒の、ニッケルとタングステ
ンの組成比と活性の関係を示す実験を行ったものであ
る。触媒の調製法と触媒の活性測定法は下記の通りであ
る。 触媒調製法 実施例1のNW−1B触媒と同様の方法で、Ni/Wの
割合が原子比で1/20,1/5,4/5,8/5,4
/1,8/1及び16/1になる7種類の触媒を調製し
た。 反応試料油 実施例1の場合と同じである。 活性測定法 実施例1と同様の方法で、触媒使用量は40mgであっ
た。 生成物の分析及び触媒の活性表示法 実施例1に同じ方法で行った。 結果 Ni/(Ni+W) の原子比で表した触媒活性と水素
化活性の関係を図3に示した。Ni/(Ni+W)の原
子比が0.1〜0.7の範囲、Ni/W原子比で1/1
0〜8/5の範囲で活性が高かった。即ち、本発明の調
製法による触媒の組成範囲は、Ni/(Ni+W)の原
子比が0.1〜0.7の範囲が有効であることが分かっ
た。
【0026】実施例3 本発明の気相で還元分解する方法、油中で還元分解する
方法、水中で還元分解する方法の3種類の方法で調製し
た触媒の活性の比較を行ったものである。触媒の調製法
及び触媒の活性測定法は以下の通りである。 NW−1B触媒 実施例1で用いたNW−1B触媒と同一のものである。 NW−1B2触媒 実施例1のNW−1Bを調製する過程で生成したNW−
1を5g取り出し、2,5,10,14−テトラメチル
ペンタデカン 15mlと共に、内容積40mlのオー
トクレーブ中に充填し、水素ガスを常温下8MPa加え
た。オートクレーブを電気炉中に挿入し、首振り式攪拌
を与えながら室温から徐々に加熱し、最終温度400℃
で還元分解反応を行った。還元分解反応後、反応生成物
と有機溶媒であるテトラメチルペンタデカンを含有する
オートクレーブ内容物に、テトラヒドロフランを各々に
添加して、取り出し、さらにテトラヒドロフランにより
洗浄しながら、固形物を減圧濾過を行って回収した。 NB−1B3触媒 上記NW−1を5g取り出し、水15mlと共に、 内
容積40mlのオートクレーブ中に充填し、水素ガスを
常温下8MPa加えた。オートクレーブを電気炉中に挿
入し、首振り式攪拌を与えながら室温から徐々に加熱
し、最終温度400℃で還元分解反応を行った。還元分
解反応後、反応生成物と水を含有するオートクレーブ内
容物に、テトラヒドロフランを各々に添加して、取り出
し、さらにテトラヒドロフランにより洗浄しながら、固
形物を減圧濾過を行って回収した。反応試料油、活性測
定法法、生成物の分析、及び触媒の活性表示方法は実施
例1と同じである。 結果 3種類の方法で調整した触媒の活性の比較を、図4に示
す。油中で還元分解を行うことにより得られる触媒の活
性は、水中で還元分解したことにより得られる触媒の活
性とほぼ等しい結果となっている。気相で還元分解した
ことにより得られる触媒の活性は、これらの中では著し
く低い結果となっていることが分かる。
【0027】実施例4 本発明による気相で還元分解して得られる触媒、油中で
還元分解して得られる触媒、及び水中で還元分解して得
られる触媒について、還元分解温度と活性の比較を行っ
た。触媒の調製法と触媒の活性測定法は次の通りであ
る。 気相で還元分解して得られる触媒 実施例1におけるNW−1B触媒と同様の方法で、還元
分解反応温度の最終温度を350℃、400℃、及び4
50℃とした3種類の触媒を調製した。 油中で還元分解して得られる触媒 実施例3におけるNW−1B2触媒と同様の方法で、還
元分解反応温度の最終温度を350℃、400℃及び4
50℃とした3種類の触媒を調製した。 水中で還元分解して得られる触媒 実施例3におけるNW−1B3触媒と同様な方法で、還
元分解反応温度の最終温度を350℃、400℃及び4
50℃とした3種類の触媒を調製した。 反応試料油 実施例1の場合と同じである。 活性測定法 実施例1の場合と同じであり、触媒の使用量は20mg
であった。 生成物の分析及び触媒の活性表示法 実施例1の場合と同じである。 結果 上記3の方法に従って調製した3種類の触媒について、
還元分解反応温度と活性の関係を図5に示した。いずれ
の方法で調製した触媒についても、400℃で還元分解
反応を行った場合は最大の水素化能を示していることが
分かる。気相で還元分解する場合が最も還元分解温度の
影響を受けることが分かる。水中で還元分解するする場
合が最も還元分解温度の影響を受けにくいことを示して
いることが分かる。触媒を調製する際の還元分解温度
は、350℃以上で450℃以下であることが好ましい
ことが分かる。
【0028】
【発明の効果】本発明の触媒は、水素化反応に際して高
い水素化能を有するものである。この触媒を用いて、芳
香族炭化水素や縮合多環炭化水素を含有する炭化水素を
水素化することにより、これら芳香族炭化水素や縮合多
環炭化水素の含有量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1−メチルナフタレンの水素化反応経路と生成
物を示す図である。
【図2】本発明の触媒と調製法が異なる硫化ニッケル−
タングステン触媒の水素化能の比較を示す図である。
【図3】本発明の硫化ニッケル−タングステン触媒のN
i/(Ni+W)の比と水素化活性の関係を示す図であ
る。
【図4】還元分解温度が異なる硫化ニッケル−タングス
テン触媒の水素化活性の比較
【図5】還元分解法が異なる硫化ニッケル−タングステ
ン触媒の水素化活性の比較
【符号の説明】
図2の符号は以下の触媒をあらわす。 □ : NW−1B触媒 ○ : NW−2B触媒 △ : NW−3B触媒 ■ : NW−4触媒 ● : NW−5触媒 ▲ : NW−6触媒 ◇ : NS−1触媒 ◆ : NiS−1触媒 図4の符合は以下の触媒を表す。 □ : 気相で還元分解して得られる触媒 ○ : 油中で還元分解して得られる触媒 △ : 水中で還元分解して得られる触媒 図5の符合は以下の触媒を表す。 □ : NW−1B触媒 ○ : NW−1B2触媒 △ : NW−1B3触媒
フロントページの続き (72)発明者 早川 博 茨城県つくば市東1−1工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−34986(JP,A) 特公 平5−50344(JP,B2) 特表 平3−503743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C10G 1/00 - 75/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非担持硫化ニッケル−タングステン触媒に
    おいて、チオタングステン酸アンモニウム水溶液と、硫
    酸ニッケルアンモニウム水溶液又は硫酸ニッケル水溶液
    の割合が、原子比で、Ni/(Ni+W)の値が1/1
    0〜7/10であるようにし、加熱し水分を除去して得
    た固体生成物を、気相中、有機溶媒中又は水中で還元分
    解して得られるものであることを特徴とする非担持硫化
    ニッケル−タングステン触媒。
  2. 【請求項2】非担持硫化ニッケル−タングステン触媒を
    製造する際に、チオタングステン酸アンモニウム水溶液
    と、硫酸ニッケルアンモニウム水溶液又は硫酸ニッケル
    水溶液を、Ni/(Ni+W)の割合が、原子比で、1
    /10〜7/10の範囲内で混合した後、加熱し、水分
    を除去して得た固体生成物を、気相中、有機溶媒中或い
    は水中で還元分解して得られる硫化ニッケル−タングス
    テンを製造して硫化ニッケル−タングステン触媒とする
    ことを特徴とする非担持硫化ニッケル−タングステン触
    媒の製造方法。
  3. 【請求項3】非担持硫化ニッケル−タングステン触媒に
    おいて、チオタングステン酸アンモニウム水溶液と硫酸
    ニッケルアンモニウムの水溶液が、Ni/(Ni+W)
    の割合が原子比で、3/5以上、4/5以下の割合で混
    合し、室温から150℃の温度条件下に放置することに
    より生成した沈殿物を分離し、気相中、有機溶媒中又は
    水中で還元分解して得られるものであることを特徴とす
    る非担持硫化ニッケル−タングステン触媒。
  4. 【請求項4】非担持硫化ニッケル−タングステン触媒を
    製造する際に、チオタングステン酸アンモニウム水溶液
    と硫酸ニッケルアンモニウムの水溶液が、Ni/(Ni
    +W)の割合が原子比で、3/5以上、4/5以下の割
    合で混合し、室温から150℃の温度内で放置すること
    により生成した沈殿物を分離し、気相中、有機溶媒中或
    いは水中で還元分解することにより硫化ニッケル−タン
    グステンを製造して硫化ニッケル−タングステン触媒と
    することを特徴とする非担持硫化ニッケル−タングステ
    ン触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】芳香族炭化水素及び(又は)縮合多環式炭
    化水素を含有する炭化水素を水素化して芳香族炭化水素
    及び(又は)縮合多環式炭化水素の含有率が低い炭化水
    素とする方法において、請求項1又は3記載の触媒の存
    在下に行うことを特徴とする芳香族炭化水素及び(又
    は)縮合多環式炭化水素の水素化方法。
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