JPH0781173B2 - 金属ルテニウムの回収方法 - Google Patents

金属ルテニウムの回収方法

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JPH0781173B2
JPH0781173B2 JP62150254A JP15025487A JPH0781173B2 JP H0781173 B2 JPH0781173 B2 JP H0781173B2 JP 62150254 A JP62150254 A JP 62150254A JP 15025487 A JP15025487 A JP 15025487A JP H0781173 B2 JPH0781173 B2 JP H0781173B2
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肇 永原
輝彦 井上
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、金属ルテニウムの回収方法に関するものであ
る。更に詳しくは、金属ルテニウムを主成分とする微粒
子と、親水性かつ難水溶性である固体粒子との混合物か
ら金属ルテニウムを簡便に回収する方法に関するもので
ある。
金属ルテニウムは有機合成化学工業において、反応触媒
として使われ、又、今後ともその使用範囲の拡大が予想
される貴金属である。ルテニウムは高価であり、従つ
て、使用済み触媒などからこれを容易に回収することが
できれば、経済的に非常に効果がある。
(従来の技術) 従来、金属ルテニウムとたとえば他の金属酸化物が混在
する様な場合においては、該金属酸化物を適当な溶剤で
溶解して未溶解金属ルテニウム等を採取するか、アルカ
リ剤と酸化剤とを用いて可溶性ルテニウム塩を得て、こ
れを精製する方法などが知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、上記の如き方法においては、金属ルテニウム以
外の混在物を溶解するために、少なからぬ溶剤を必要と
したり、あるいは混在物によつては、溶解に際し特殊な
処理、例えば濃硫酸を用いて、高温下に処理する必要が
あるなど、一般に煩雑である。さらに、この様にして得
られるルテニウムを含む液は、当然のことながら溶剤に
希釈されてルテニウム濃度が薄くなり、金属ルテニウム
部分をロ過、回収する際に損失を生じたり、場合によつ
ては金属ルテニウムが一部イオンの形で溶解したりして
やはり損失を招くなど、ルテニウムの回収効率に支障を
きたす。又、アルカリ剤と酸化剤とを用いて可溶性ルテ
ニウム塩を得る方法においても、混在物の除去過程など
は簡便でなく経済的に回収コストが割高となるなど不利
益をもたらすことがある。
一方、上記の如き方法で回収された金属ルテニウムは、
四酸化ルテニウムなどに変換されたのち、蒸留などによ
つて高純度のルテニウムを精製回収することになるが、
この方法については技術的に確立されている。
従つて、ルテニウムの回収効率の上昇及び回収コストの
低減のためには、ルテニウムの精製回収操作の前にいか
にして簡便にルテニウムの濃縮物を得るかがひとつの大
きな課題である。本発明方法の主旨はまさにこの点にあ
つて、特に物理的に分離不能である金属ルテニウム微粒
子と他の化合物粒子の混合物から金属ルテニウムを容易
に濃縮回収する方法を与えるものである。
(問題点を解決するための手法) 本発明者らは前記の如き観点から、金属ルテニウム微粒
子の効率的な濃縮回収方法を鋭意検討した結果、以下に
述べる方法によつて驚くほど簡単に金属ルテニウム微粒
子を濃縮回収することができることを見出し、本発明を
完成した。
即ち、本発明は、金属ルテニウム微粒子と、親水性かつ
難水溶性である固体粒子との混合物から金属ルテニウム
微粒子を回収するに際し、水中に該混合物を分散させた
状態で、炭素数5以上の脂肪族α−オレフインと接触せ
しめ、該脂肪族α−オレフインを吸着して浮遊してくる
金属ルテニウム微粒子を採取する金属ルテニウムの回収
方法である。
本発明における金属ルテニウム微粒子とは、金属ルテニ
ウム結晶子もしくはその凝集体を主成分とする粒子を指
し、該結晶子の平均結晶子径が200Å以下、好ましくは2
0〜150Åのものである。本発明が適用可能な金属ルテニ
ウム結晶子の凝集粒子径は、混在する物質や、条件によ
つて異なり一概には規定し難いが、α−オレフインを吸
着して浮遊することができる大きさのものであつて、た
とえば数十ミクロン以下、好ましくは10ミクロン以下の
ものである。また、金属ルテニウム以外に、ルテニウム
酸化物や他のルテニウム化合物を含んでいても良く、こ
れらのものを含むものについては、本発明方法を実施す
る前にあらかじめ水素などによつて還元処理を行なつて
おくと良い。この還元処理は、特に水相中で行なうこと
が好ましい。又、ルテニウム以外の金属、もしくは金属
化合物を若干量含んでいても、本発明の主旨を損うもの
ではない。
親水性かつ難水溶性である固体粒子とは、金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩などを指し、特に制限は
ないが、具体的には、Si,Al,Ti,Cr,Zr,Hf,Nb,Ta,Gaなど
の酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、Baの炭酸塩、硫
酸塩などを指す。
金属ルテニウムを主成分とする微粒子と上記の如き固体
粒子との混合物は、一般に金属ルテニウムの比重が大き
いにもかかわらず、微粒であるが故に、上記固体粒子と
物理的な分離(例えば比重差を利用する沈降法など)が
不可能であることが多い。また該混合物とは、例えば、
担体(アルミナ)上に担持された金属ルテニウム触媒の
如きものにあつては、その触媒担体を一部分溶解して金
属ルテニウム部分をはく離させたり、触媒を粉砕したり
して得られるものであつても構わない。触媒担体を一部
分溶解する際に、例えば酸やアルカリを使用することも
あるが、これらは、後述の操作において共存していても
構わない。
本発明方法は、まず、上記混合物を水中に分散させた状
態で、炭素数5以上の脂肪族α−オレフインと液相で接
触させる。該混合物の水中濃度は特に制限はないが、操
作上の簡便さを考えれば、0.1ないし30重量%、好まし
くは1〜20重量%である。α−オレフインの使用量につ
いても特に制限はないが、操作中において油相を形成し
得る以上の量を用いた方が良く、少なくとも水相に対
し、1重量%以上あることが好ましく、更に操作上の取
り扱い易さを考えれば水相に対し、数重量%ないし数十
重量%の範囲で使用することが好ましい。α−オレフイ
ンの炭素数は5以上であることが必要であり、4以下で
は金属ルテニウム微粒子を効率よく浮遊させることが困
難で、本発明の目的とする金属ルテニウム微粒子の効率
的な回収ができない。α−オレフインの炭素数には特に
上限はないが、入手や取扱いの簡便さなどから好ましく
は20以下、さらに好ましくは10以下であり、最も好まし
いα−オレフインとしては、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−ヘプテンなどを掲げることができる。かかるα
−オレフインとの接触処理は30〜300℃、好ましくは80
〜300℃、更に好ましくは100〜200℃の温度において行
なう。この際、処理時の圧力は、α−オレフインならび
に水が液相を保ちうる圧力以上ならば良い。又、上記の
如き操作の前、もしくは操作中に、該混合物を水素と接
触せしめると、後の金属ルテニウム微粒子の浮遊分離に
好結果をもたらすことが多い。この場合、水素との接触
は、該混合物をあらかじめ気相において行なつても、
又、水中に分散させた状態で行なつても良く、特に後者
が好ましい。水中に分散させた状態で水素と接触せしめ
る場合においては、適当な水溶性金属塩、例えば周期表
I A族、II A族やコバルト、亜鉛などの塩を共存させて
おくとより効果的なこともある。水素との接触は、1〜
200Kg/cm2G好ましくは5〜200Kg/cm2Gさらに好ましくは
20〜100Kg/cm2Gの範囲で、30〜300℃、好ましくは100〜
200℃の温度条件下で行なうと良い。水素との接触が有
効な理由は定かではないが、金属ルテニウム微粒子の表
面がより強い還元状態となり、α−オレフインの吸着を
助長するものと考えられる。
又、一連の操作において前述の金属塩水溶液や酸、アル
カリなどの共存はさしつかえない。
上記の如き操作を経ると、主としてα−オレフインから
なる油相と、主として水からなる水相(この水相中には
分離された親水性かつ難水溶性の固体粒子が沈降する)
の界面近傍に金属ルテニウム微粒子が浮遊してくるの
で、これを採取すれば良い。採取方法としては、例え
ば、浮遊相の上下の油相及び水相を除去し、金属ルテニ
ウム微粒子の濃厚液を得、しかるのちロ過、あるいは蒸
発乾固せしめれば良い。
どの様な理由でかかる浮遊相が形成されるかについては
必ずしも明らかではないが、金属ルテニウム微粒子に吸
着したα−オレフインが界面活性剤の役割をしていると
考えられる。
(発明の効果) 本発明方法は、分離困難な金属ルテニウム微粒子と、他
の固体粒子との混合物から、金属ルテニウム微粒子を簡
便にかつ効率よく濃縮回収することができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例における金属ルテニウムの回収量は、回収
された浮遊物をケイ光X線分析法により分析、定量して
決定した。こゝで、定量に際しては、あらかじめ既知量
の金属ルテニウム微粒子と実施例に使用した固体粒子と
の混合物のケイ光X線分析を行ない、これによつて得ら
れた検量線をもとに算出した。
実施例1 結晶子径約40Åを有する金属ルテニウム触媒1.00gと酸
化ジルコニウム粉末10.0gからなる混合物と4%硫酸亜
鉛水溶液を用いて芳香族炭化水素の水素化反応を行なつ
た後、該混合物が分散された液200mlを得た。該混合物
は全体的に灰色がかつており、金属ルテニウムを分離採
取できない状態であつた。この分散液を内容積1のオ
ートクレーブに仕込み、オートクレーブ内の空間部を窒
素で置換し、α−オレフインとして1−ヘキセン30mlを
導入して、120℃で1時間撹拌せしめた。
冷却後、内容物を回収したところ、水相には白色の酸化
ジルコニウムが沈澱し、油水界面近傍に金属ルテニウム
微粒子が浮遊していた。この浮遊物を取り出し、窒素気
流中で乾燥したところ、1.02gの黒色粉体が得られた。
この黒色粉体は0.98gが金属ルテニウムで、後りは酸化
ジルコニウムであつた。金属ルテニウムの回収率は98%
であつた。
実施例2〜5 金属ルテニウム以外の固体粒子及び使用α−オレフイン
を表−1に示すものに代える以外は実施例1と同様の操
作を行なつた。その結果を表−1に示す。
実施例6 直径3mm、長さ6mmの円柱状γ−アルミナの表面に金属ル
テニウムを2重量%担持した触媒50gをボールミルで200
メツシユ以下に粉砕し、これを200mlの水に分散せしめ
たのち、内容積1のオートクレーブに仕込み、空間部
を窒素、ついで水素で置換し、水素を圧入し、全圧30Kg
/cm2G、温度150℃で2時間撹拌して水素処理を行なつ
た。冷却、落圧後、1−ヘキセン30mlを導入したのち、
実施例1と同様の操作を行なつた。その結果、浮遊物の
回収重量は1.21g、金属ルテニウムの回収重量は0.81g
(回収率81%)であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属ルテニウム微粒子と、親水性かつ難水
    溶性である固体粒子との混合物から、金属ルテニウムを
    回収するに際し、水中に該混合物を分散させた状態で、
    炭素数5以上の脂肪族α−オレフインと接触せしめ、該
    脂肪族α−オレフインを吸着して浮遊してくる金属ルテ
    ニウム微粒子を採取することを特徴とする金属ルテニウ
    ムの回収方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS53110971A (en) * 1977-03-09 1978-09-28 Stamicarbon Method of selectively extracting metal ions from aqueous solution and extracting agent suitable for the method

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