JP3499860B2 - 薄膜トランジスタおよびその製法 - Google Patents

薄膜トランジスタおよびその製法

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JP3499860B2 JP2003062386A JP2003062386A JP3499860B2 JP 3499860 B2 JP3499860 B2 JP 3499860B2 JP 2003062386 A JP2003062386 A JP 2003062386A JP 2003062386 A JP2003062386 A JP 2003062386A JP 3499860 B2 JP3499860 B2 JP 3499860B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
ックス液晶ディスプレイなどのスイッチング素子として
用いられる薄膜トランジスタ(以下、TFTという)の
構造およびその製法に関する。さらに詳しくは、オフ時
の電流の低減を図ったTFTの構造およびそのための簡
単な製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、TFTのオフ電流を低減するた
め、ソース/ドレイン領域のゲート電極側を低濃度不純
物領域とするLDD(lightly doped drain)構造また
は不純物を導入しないオフセット構造が用いられてい
る。
【0003】図24〜25は、たとえば、特公平3−3
8755号公報に示された、従来のLDD構造を有する
TFTの断面図である。図24において、1は絶縁基
板、2は絶縁基板1上に形成された能動体層として働く
半導体薄膜でたとえばSi薄膜、3は半導体薄膜2上に
形成されたゲート絶縁膜、4はゲート絶縁膜3上に形成
されたゲート電極、5はPやBなどの不純物を低濃度に
半導体薄膜2中にドーピングした低濃度不純物領域であ
るLDD領域、6はPやBなどの不純物を高濃度にドー
ピングしたソース/ドレイン領域、7はソース電極とし
て用いられる金属薄膜、8はドレイン電極として用いら
れる金属薄膜、9はソース電極7およびドレイン電極8
とソース/ドレイン領域6とを接続するためのコンタク
トホールである。
【0004】つぎに従来のLDD構造の製法について説
明する。絶縁基板1上に、Si薄膜よりなる半導体薄膜
2を形成する(図24(a))。ついで、たとえばSi
2からなるゲート絶縁膜3をたとえば熱酸化法または
スパッタ法で形成する(図24(b))。このゲート絶
縁膜3上に、たとえばPをドーピングしたSi薄膜から
なるゲート電極用薄膜を成膜して、パターニングするこ
とによりゲート電極4を形成する(図24(c))。こ
のゲート電極4をマスクとして、たとえばPを低濃度に
イオン注入し、LDD領域5を形成する(図24
(d))。ついで、ホトレジスト膜11を用いゲート電
極部より広めのパターンをゲート電極上に形成する(図
25(e))。このホトレジスト膜11をマスクとし
て、高濃度にたとえばPを半導体薄膜2にイオン注入す
る(図25(f))。これにより、Pが低濃度にドーピ
ングされたLDD領域5とPの不純物が高濃度にドーピ
ングされたソース/ドレイン領域6が形成される。つい
で、ゲート絶縁膜上にコンタクトホール9をあけ(図2
5(g))、ついでソース電極7とドレイン電極8を同
時に形成する(図25(h))。
【0005】つぎに動作について説明する。ソース電極
7とドレイン電極8のあいだに電圧を印加した状態で、
ソース電極7とゲート電極4間に印加する電圧を変化す
ることで、ソース電極7とドレイン電極8のあいだに流
れるドレイン電流を変化させることができ、図25
(h)のTFTをスイッチング素子として使用すること
ができる。
【0006】たとえば、アクティブマトリックス液晶デ
ィスプレイのスイッチング素子として使用するばあい
は、TFTのオフ時のドレイン電流は、少なくとも液晶
のリーク電流以下にすることが必要である。とくに、オ
ン時のドレイン電流を大きくするために、チャネル領域
2aを形成するための半導体薄膜2として多結晶Si膜
を用いたばあいは、多結晶Si膜中に存在する結晶粒界
のためにフィールド エンハンスド エミッション(Fi
eld enhanced emission)電流が流れ、オフ時のドレイ
ン電流は大きくなる。このオフ時のドレイン電流は、結
晶粒界に存在する未結合手の数およびドレイン近傍の電
界強度に比例すると一般的にいわれている。このため
に、図24〜25においては、ドレイン近傍の電界強度
を低減する目的で不純物を低濃度にドーピングしたLD
D領域5を形成し、チャネル領域2aとソース/ドレイ
ン領域6とのあいだに形成される空乏層幅を広げ電界強
度を低減させ、その結果としてオフ時のドレイン電流を
低減できるLDD構造を形成している。
【0007】従来のFETのLDD構造を形成する他の
方法について説明する。図26はたとえば特公平4−3
4819号公報に示されたLDD構造FETの製造工程
を示す図である。まず図26(a)に示すように、Si
基板25の表面にフィールド酸化膜24を形成後、ゲー
ト絶縁膜3をたとえば熱酸化法で形成し、ついでたとえ
ばPを高濃度にドープしたSi膜であるゲート電極用薄
膜を成膜後、パターニングすることによりゲート電極4
を形成する。ついで、イオン注入法により、たとえばP
イオンを低濃度に注入して、低濃度に不純物をドーピン
グしたLDD領域5を形成する。このときゲート電極4
の下の半導体層にチャネル領域2aが形成される。つぎ
に、図26(b)に示すように、たとえばCVD法によ
る酸化膜26を全面に成膜する。このCVD酸化膜26
を異方性エッチングでエッチングすることにより、ゲー
ト電極4の両側にCVD酸化膜を残したサイドウォール
27を形成する。ついで、たとえばPを高濃度にイオン
注入する(図26(c))。このとき、ゲート電極4お
よびサイドウォール27の下には、それらがマスクとな
るためこの高濃度のPイオンは注入されない。この結
果、図26(d)に示すようにソース/ドレイン領域6
および低濃度にイオン注入がされたLDD領域5を形成
できる。ついで、通常の工程でソース/ドレイン電極
(図示せず)を形成することによりMOS型の半導体装
置を形成できる。動作原理は、前述のLDD構造のTF
Tで述べたものと同じである。
【0008】またMOSFETでLDD構造を形成する
さらに他の方法として、たとえば特開昭61−2120
67号公報や特開昭61−224459号公報に示され
るように、多結晶Siなどからなるゲート電極を熱酸化
することによりセルフアライメントでLDD構造を形成
する方法が開示されている。すなわち、ゲート電極を形
成後ゲート電極をマスクとして低濃度不純物領域を形成
したのち、多結晶Siからなるゲート電極を熱酸化して
ゲート電極より幅広となる酸化シリコン層をゲート電極
の側壁部に形成する。ついでその酸化シリコン層をマス
クとしてPなどの不純物を高濃度にイオン注入すること
によりソース/ドレイン領域を形成し、LDD構造を形
成している。
【0009】またゲート電極を熱酸化することによりセ
ルフアライメントでLDD構造を形成する他の方法とし
て、たとえば特開昭61−214472号公報に開示さ
れているように、ゲート電極を熱酸化したのち高濃度不
純物のソース/ドレイン領域を形成し、そののち、ゲー
ト電極の酸化膜をエッチングにより除去して再度ゲート
電極をマスクとして低濃度不純物のイオン注入を行うこ
とにより、LDD構造を形成している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の第1の方法によ
るLDD構造を有するTFTは不純物濃度の低いLDD
領域5と不純物濃度の高いソース/ドレイン領域6を作
り分けるために2回のフォトリソグラフィ工程が必要で
ある。また、不純物の低いLDD領域5の長さがあまり
長くなるとその領域の抵抗成分が増加するために、図2
5(e)におけるゲート電極4とレジスト膜11の位置
合わせに精度が要求される。とくに、オフ時のドレイン
電流を低減するために、低濃度にドーピングしたLDD
領域5の不純物濃度をさらに低下させるばあいや、不純
物を意図的に入れないいわゆるオフセット構造にするば
あい、この低濃度領域やオフセット領域の長さが長すぎ
ると抵抗が増加してオン時のドレイン電流の低下を引き
起こす。このため図25(e)におけるゲート電極4と
レジスト膜11の位置合わせ精度の向上が要求される。
液晶ディスプレイのような、表示部の大きさが対角で数
インチを越えるような大型デバイスの製造には、大面積
露光ができ、かつ、位置合わせ精度の高い露光機が必要
となるが、そのような要求を満たす露光機はこれまでの
ところ存在せず、前記要求を満たすことができない。
【0011】また、第2の方法によれば、1回のフォト
リソグラフィ工程でセルフアライメントによりLDD構
造を形成できるが、図26(c)のサイドウォール形成
時に異方性エッチングの制御が難しくLDD領域の長さ
がバラつくとともに、異方性エッチングの終点の判定が
難しく、またマージンもあまりないという問題がある。
とくにTFTに適用するばあい、半導体層が薄くエッチ
ングしすぎると能動体層のダメージが大きいこと、また
TFTのばあい液晶表示パネルのように大面積の基板で
異方性エッチングを行わなければならないため一層難し
いという問題がある。
【0012】さらに第3の方法によれば、ゲート電極を
酸化することによりLDD構造を形成できるため、セル
フアライメントにより行うことができ、1回のフォトリ
ソグラフィ工程でLDD構造を形成することができる
が、シリコンなどからなるゲート電極の熱酸化膜はせい
ぜい0.1〜0.3μm程度であり、0.8〜1μm程
度の長さが必要とされるLDD構造を形成するのに充分
な酸化膜の厚さがえられないという問題がある。
【0013】また、前記いずれの方法においてもLDD
領域の長さが短かすぎたり、不純物濃度が高すぎるとオ
フ電流が多くなり、逆にLDD領域が長すぎたり不純物
濃度が低すぎるとオフ電流は抑制されるが、TFTの直
列抵抗が増大することになりオン電流も減少し、LDD
領域の長さおよび不純物濃度を厳密にコントロールしな
ければならないが、工程が複雑で完全な制御ができない
という問題がある。
【0014】以上の各問題はLDD領域の不純物濃度を
極限まで小さくしたいわゆるオフセット構造にするばあ
いでも全く同じことになる。
【0015】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、簡単な工程でLDD構造またはオ
フセット構造を形成できると共に、その長さや不純物濃
度を制御し易いTFTの製法を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のT
FTは、絶縁基板上に半導体薄膜が設けられ、該半導体
薄膜上に絶縁膜を介してゲート電極が設けられ、該ゲー
ト電極の両側の前記半導体薄膜に不純物が導入されてソ
ース/ドレイン領域が形成されてなる薄膜トランジスタ
であって、前記半導体薄膜のソース/ドレイン領域の不
純物濃度が膜厚方向で異なっており、半導体薄膜の表面
側が低濃度領域に形成されてなる縦形のLDD構造を有
し、前記半導体薄膜の表面側の低濃度不純物領域が部分
的にエッチングされることにより除去され、露出した高
濃度不純物領域であるソース/ドレイン領域の表面にソ
ース/ドレイン電極が接続されてなるものである。
【0017】
【0018】
【0019】 また請求項記載の発明のTFTは、絶
縁性透明基板上にゲート電極が形成され、該ゲート電極
上にゲート絶縁膜および半導体薄膜が設けられ、該ゲー
ト電極の両側の前記半導体薄膜に不純物が導入されてソ
ース/ドレイン領域が形成されてなる薄膜トランジスタ
であって、前記半導体薄膜のソース/ドレイン領域の不
純物濃度が膜厚方向で異なっており、半導体薄膜の裏面
側が低濃度領域に形成されてなる縦形のLDD構造を有
するものである。
【0020】
【0021】 さらに請求項記載の発明のTFTの製
法は、絶縁性透明基板上にゲート電極を設ける工程、該
ゲート電極上にゲート絶縁膜と半導体薄膜とレジスト膜
を順次設け、ついで裏面露光により前記ゲート電極に自
己整合したレジストマスクを形成する工程、該レジスト
マスクをマスクとして低エネルギーで高濃度に不純物の
イオン注入を行うことにより半導体薄膜の表面側に高濃
度のソース/ドレイン領域を形成する工程、および前記
レジストマスクをマスクとして高エネルギーで低濃度に
不純物のイオン注入を行うことにより半導体薄膜の底面
側に低濃度の不純物領域を形成する工程からなるもので
ある。
【0022】
【作用】請求項1〜6記載の発明によれば、縦方向に低
濃度不純物領域であるLDD領域と高濃度不純物領域で
あるソース/ドレイン領域とを形成しているため、ゲー
ト電極を自己整合させて強いエネルギーと弱いエネルギ
ーの2回のイオン注入を行うことによりLDD領域を有
するTFTをうることができる。しかもイオン注入の打
込みエネルギーによりLDD領域の長さ(電流の流れる
方向に対して)を制御することができるため一層精度よ
くLDD領域を形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明によるTFTのLDD構造
またはオフセット構造を簡単な工程で形成する第1の方
法は、LDD構造部とソース/ドレイン領域部上の絶縁
膜の厚さを変えておき、1回のイオン注入により低濃度
領域であるLDD領域と高濃度領域であるソース/ドレ
イン領域を一度に形成するものである。LDD領域上と
ソース/ドレイン領域上の絶縁膜の厚さが異なるため、
同じ打込みエネルギーで同じドーズ量でイオン打込みを
行っても、低濃度領域と高濃度領域とを同時に形成でき
る。
【0024】絶縁膜の厚さを変える方法としては、たと
えば、ゲート絶縁膜の一部をエッチングすることによ
り、膜厚に段差を設けたり、半導体膜を形成する前にソ
ース/ドレイン領域を形成する位置にたとえば二酸化ケ
イ素などからなるスペーサを設けておき、そののち成膜
される半導体層に段差を設け、その上に平坦化された二
酸化ケイ素膜やレジスト膜などを設けることにより、平
坦化されたレジスト膜などの表面から半導体層の表面ま
での距離に段差を形成することができる。さらに別の方
法として、ゲート電極をテーパ状に形成すると共に、そ
の表面を酸化させることにより、酸化膜もテーパ状に形
成され、ゲート電極膜と酸化膜との和による半導体層の
表面からの距離を変化させることができる。
【0025】本発明によるTFTのLDD構造またはオ
フセット構造を簡単な工程で形成する第2の方法は、ゲ
ート電極を自己整合させて形成するもので、ゲート電極
をテーパ状に形成しておき等方性エッチングによりゲー
ト電極の大きさを変えたり、酸化または酸化後のエッチ
ングによりゲート電極の大きさを変えることによりLD
D構造またはオフセット構造を形成するものである。ゲ
ート電極をテーパ状に形成しているため、エッチングま
たは酸化により充分な長さのLDD構造またはオフセッ
ト構造をうることができる。ゲート電極を自己整合させ
る他の方法として、ゲート電極に厚い酸化膜を形成する
ことができる陽極酸化法によりゲート電極を酸化させ、
自己整合させる方法、またはゲート電極が透明基板側に
形成される逆スタガ構造のばあいは、透明基板側からの
露光強度を変えることにより、同じゲート電極をマスク
として用いても、異なった幅の露光をする方法などによ
り、LDD構造を形成することができる。
【0026】また、他の構造としてソース/ドレイン領
域とLDD構造を縦形に形成することにより、イオン注
入は2回必要となるが、フォトリソグラフィ工程はゲー
ト電極を自己整合させた1回でよく、しかもLDD領域
の厚さ(電流の流れる方向としては長さ)を精度よくコ
ントロールすることができる。
【0027】また、本発明によるオン電流を低減させな
いでオフ電流を抑制する構造のTFTは、ソース/ドレ
イン領域とLDDまたはオフセット構造との接合面積を
小さく形成するものである。通常のオン時の電流はゲー
ト電極に近い絶縁膜近辺の100〜200Å程度を流れ
るため、ソース/ドレイン領域との接合面積を小さくし
ても何ら影響はない。一方オフ電流は本来絶縁膜近傍で
も電流が流れないため、オフ電流としては接合面積全体
で寄与する。その接合面積を小さくすることにより、オ
フ電流が抑制されると共に、オン電流は何ら影響を受け
ない。
【0028】
【実施例】つぎに図面を参照しながら具体的実施例によ
り本発明をさらに詳細に説明する。
【0029】[実施例1]図1(a)〜(d)は本発明
のTFTの製法の一実施例を示す工程断面説明図であ
る。図1(a)に示すように、絶縁基板1上に能動体層
としてのたとえばSiなどからなる半導体薄膜2をたと
えば、CVD法により形成し、つぎにSiO 2などから
なるゲート絶縁膜3をたとえば熱酸化法、スパッタ法ま
たはCVD法などにより形成する。つぎに、ゲート絶縁
膜3上にゲート電極を形成するため、たとえばPをドー
プしたSi薄膜からなるゲート電極膜4aを形成する。
【0030】つぎに、図1(b)に示すように、レジス
ト膜11をマスクとして、たとえばSF6ガスを用いた
ドライエッチングをすることにより、ゲート電極膜4a
を等方性エッチングして、ゲート電極4を形成する。こ
のとき、ゲート電極4の幅はサイドエッチングによりレ
ジストマスク11の幅よりも狭くなる。
【0031】つぎに、図1(c)に示すように、レジス
ト膜11をマスクとしてたとえばCHF3ガスを用いた
ドライエッチングをすることにより、ゲート絶縁膜3を
部分的に異方性エッチングして、ゲート電極4よりも幅
広の位置に段差部を形成する。こうして異なる膜厚のゲ
ート絶縁膜が形成される。この際のゲート絶縁膜3の厚
い部分(ゲート電極の下側)は、たとえば1500〜3
000Åで、薄い部分の厚さは、たとえば1000〜1
500Å程度である。
【0032】つぎに、図1(d)に示すように、レジス
ト膜11を除去したのち、たとえばPなどの不純物を半
導体薄膜2にイオン注入することにより、ソース/ドレ
イン領域6を形成する。不純物の注入量はゲート絶縁膜
の膜厚に依存するので、ゲート電極4に近い部分は、ゲ
ート絶縁膜3の膜厚が厚いので、不純物の注入が低濃度
になり、LDD領域5を有するLDD構造が形成され
る。
【0033】また、半導体薄膜2はゲート絶縁膜3で保
護されているので、ソース/ドレイン領域6の半導体薄
膜のダメージがない。なおイオン注入の際の膜厚の異な
る絶縁膜をゲート絶縁膜として説明したが、他の絶縁膜
でもよい。以下の実施例においても同様である。
【0034】[実施例2]図2(a)〜(d)は本発明
のTFTの製法の他の実施例を示す工程断面説明図であ
る。本実施例では実施例1のゲート絶縁膜を一層ではな
く、異なった材質の2層で形成したことに特徴がある。
【0035】まず、図2(a)に示すように、絶縁基板
1上に能動体層としてのたとえば、Siなどからなる半
導体薄膜2を形成し、つぎにAl23、Ta25などか
らなる第1のゲート絶縁膜31と、SiO2、Si34
などからなる第2のゲート絶縁膜32をたとえばスパッ
タ法、CVD法、陽極酸化法などにより順次形成する。
ついで、第2のゲート絶縁膜32上にたとえばPをドー
プしたSi薄膜からなるゲート電極膜4aを形成する。
【0036】つぎに、図2(b)に示すように、レジス
ト膜11をマスクとして、たとえばSF6ガスを用いた
ドライエッチングにより、ゲート電極膜4aを等方性エ
ッチングして、ゲート電極4を形成する。このとき、ゲ
ート電極4の幅はサイドエッチングによりレジストマス
クの幅よりも狭くなる。
【0037】つぎに、図2(c)に示すように、たとえ
ばCHF3ガスを用いたドライエッチングにより、第2
のゲート絶縁膜32を第1のゲート絶縁膜31と選択的
に異方性エッチングして、ゲート電極よりも幅広の位置
に段差部を形成する。第1のゲート絶縁膜31はエッチ
ングされないので、段差はエッチング精度によらず第2
のゲート絶縁膜32の膜厚になる。こうしてゲート絶縁
膜は異なる膜厚を有する。
【0038】つぎに、図2(d)に示すように、レジス
ト膜11を除去したのち、たとえばPなどの不純物を半
導体薄膜2にイオン注入することにより、ソース/ドレ
イン領域6を形成する。不純物の注入量はゲート絶縁膜
の膜厚に依存し、ゲート電極4に近い部分は、ゲート絶
縁膜3の膜厚が厚いため、不純物のイオン注入が弱く、
不純物が低濃度に注入されたLDD領域5を有するLD
D構造が形成される。
【0039】なお、前記実施例1および2の工程(b)
と(c)の順序を入れ換えてゲート電極膜4aとゲート
絶縁膜3の異方性エッチングのあとに、ゲート電極膜4
aの等方性エッチングを行うこともできる。
【0040】[実施例3]図3〜4は本発明の1回のイ
オン注入によりLDD領域とソース/ドレイン領域を形
成するTFTの製法のさらに他の実施例を示す工程断面
説明図である。本実施例では、ソース/ドレイン領域形
成場所にスペーサを介在させて半導体膜を形成すること
により、半導体膜の表面に段差を設けたものである。
【0041】まず、図3(a)に示すように、絶縁基板
1上にたとえばSiO2などの薄膜を成膜後フォトレジ
スト膜などをマスクとしてエッチングを行いパターニン
グすることによりスペーサ13を形成する。
【0042】ついで、図3(b)に示すように、このス
ペーサ13上がドレイン領域またはソース領域となりこ
のあいだの絶縁基板1上がチャネル領域となるように、
たとえばSiなどからなる半導体薄膜2を形成する。つ
いで、図3(c)に示すように、たとえばSiO2を熱
酸化法またはスパッタ法などにより成膜したのち、たと
えばPをドーピングしたSiなどからなるゲート電極用
薄膜を成膜し、フォトレジストなどをマスクとしてエッ
チングを行いパターニングすることによりゲート電極4
とゲート絶縁膜3を形成する。
【0043】ついで、図3(d)に示すように、たとえ
ばSiO2やSi34やレジストなどの絶縁性薄膜12
を成膜し、図4(e)に示すように、この絶縁性薄膜1
2上をたとえばスパッタエッチやマスク材などを使用し
たエッチバック法などで平坦化する。
【0044】ついで、図4(f)に示すように、平坦化
された絶縁性薄膜12の表面からたとえばゲート電極4
をマスクとして、また絶縁性薄膜12を比較的弱いマス
クとして半導体薄膜2にたとえばPなどの不純物をイオ
ン注入する。
【0045】このとき、イオン注入の加速電圧は、ゲー
ト絶縁膜3をPが通過しない電圧に設定する。
【0046】これにより、半導体薄膜の領域で、表面に
ゲート絶縁膜3がないスペーサ13の上部領域ではPな
どの不純物が高濃度にドーピングされたとソース/ドレ
イン領域6が形成され、ゲート電極4近傍ではゲート電
極4に近づくにつれて絶縁性薄膜12の膜厚が厚くなる
ため、Pの不純物濃度が徐々に低下する。
【0047】ついで、図4(g)に示すように、絶縁性
薄膜12にコンタクトホール9を形成し、ついで、図4
(h)に示すように、ドレイン電極7とソース電極8を
形成する。
【0048】つぎに、本実施例による製法で製造された
TFTの動作について説明する。
【0049】ソース電極8とドレイン電極7のあいだに
電圧を印加した状態で、ソース電極8とゲート電極4に
印加される電圧を変化させることにより、ソース電極8
とドレイン電極7のあいだに流れるドレイン電流を変化
させることができ、TFTはスイッチング素子として機
能する。
【0050】アクティブマトリックス液晶ディスプレイ
のスイッチング素子として使用するばあいには、TFT
のオフ時のドレイン電流を低減させることが必要であ
り、このため、TFTのオフ時の抵抗は少なくとも液晶
の比抵抗以上にすることが必要である。とくに、オン時
のドレイン電流を大きくするために、能動体層の半導体
薄膜を形成するためのSi薄膜として、多結晶Si膜を
用いたばあいは、多結晶Si膜中に存在する結晶粒界の
ために、フィールド エンハンスド エミッション電流
が流れ、オフ時のドレイン電流が増加する。このオフ時
のドレイン電流は、結晶粒界に存在する未結合手の数お
よびドレイン領域6近傍の電界強度に比例すると一般的
にいわれている。本実施例によるTFTではソース/ド
レイン領域6からチャネル端部にかけてPの不純物濃度
が徐々に変化するLDD構造となっており、ドレイン領
域6近傍の電界強度を弱めることができ、その結果とし
て、TFTのオフ時のドレイン電流を低減することがで
きる。また電界強度を徐々に弱めるLDD構造を一度の
イオン注入で達成することができる。
【0051】前記実施例ではスペーサ13をテーパ形状
に形成したが、必ずしもテーパ形状にする必要はなく、
矩形状に形成してもよい。このばあい、半導体薄膜2は
段付きに形成されるが、その上の平坦化された絶縁性薄
膜12も段付きになり、1回のイオン注入によりゲート
電極の両隣りは絶縁性薄膜12が厚く一定の低濃度のL
DD領域が形成される。
【0052】また、LDD構造を用いることでオフ電流
を低減しオン/オフ比を大きくとれる。
【0053】[実施例4]絶縁膜の厚さを変えることに
より1回のイオン注入でLDD構造を形成する他の実施
例について説明する。本実施例はゲート電極を基板側に
形成し、半導体薄膜をその上に形成するいわゆる逆スタ
ガ構造のTFTについて1回のイオン注入でLDD構造
を形成する例である。
【0054】図5(a)〜(d)は本発明のTFTの製
法の実施例4を示す工程断面説明図である。
【0055】図5(a)に示すように、絶縁性透明基板
1上にゲート電極4を形成する。つぎにSiO2などか
らなるゲート絶縁膜3をたとえばスパッタ法、CVD法
などにより形成する。つぎに、Si薄膜などからなる半
導体薄膜2をたとえばスパッタ法、CVD法などにより
形成する。つぎに、Ta25、SiO2、Si34など
からなる保護層19をたとえばスパッタ、CVD法によ
り形成する。つぎに、レジスト層11aを塗布形成し、
絶縁性透明基板1の裏面露光によりゲート電極4に自己
整合してレジストマスク11を形成する。このとき、レ
ジストマスク11の幅はゲート電極4の幅にほぼ一致す
るように露光量を調整する。
【0056】つぎに、図5(b)に示すように、レジス
トマスク11を用いて、たとえばSF6ガスを用いた異
方性ドライエッチングにより、保護膜19を部分的にエ
ッチングして、段差部を形成する。このとき、保護膜1
9を残した方が、半導体薄膜2を保護する上で望まし
い。
【0057】つぎに、図5(c)に示すように、レジス
トマスク11を除去後、再度、レジスト層11aを塗布
形成する。そののち再度、絶縁性透明基板1の裏面露光
により、ゲート電極4に自己整合してレジストマスク1
1bを形成する。このとき、レジストマスク11bの幅
はゲート電極4の幅よりも狭くなるように露光量を調整
する。
【0058】つぎに、図5(d)に示すように、レジス
トマスク11bを用いて、Pなどの不純物を半導体薄膜
2にイオン注入する。不純物の注入量は保護膜19の膜
厚に依存し、ゲート電極4に近い部分は、保護膜19の
膜厚が厚いので、不純物が低濃度に注入されたLDD領
域5を有するLDD構造のTFTが形成される。
【0059】前記露光によるレジスト層11aのパター
ニングは露光量を調整することにより精度よくマスクの
幅を制御できる。
【0060】[実施例5]図6(a)〜(d)は逆スタ
ガ構造TFTを1回のイオン注入によりLDD構造を形
成するさらに他の実施例を示す工程断面説明図である。
【0061】図6(a)に示すように、絶縁性透明基板
1上にゲート電極4を形成する。つぎにSiO2などか
らなるゲート絶縁膜3をたとえばスパッタ法、CVD法
などにより形成する。つぎに、Si薄膜などからなる半
導体薄膜2をたとえばスパッタ法、CVD法などにより
形成する。つぎに、Ta25、SiO2、Si34など
からなる保護膜19をたとえばスパッタ法、CVD法な
どにより形成する。つぎに、レジスト層11aを塗布形
成し、絶縁性透明基板1の裏面露光によりゲート電極4
に自己整合してレジストマスク11を形成する。このと
き、レジストマスク11の幅はゲート電極4の幅にほぼ
一致するように露光量を調整する。
【0062】つぎに、図6(b)に示すように、レジス
トマスク11を用いて、たとえばSF6ガスを用いた異
方性ドライエッチングにより、保護膜19を部分的にエ
ッチングして、段差部を形成する。このとき、保護膜1
9を残した方が、半導体薄膜2を保護する上で望まし
い。
【0063】つぎに、図6(c)に示すように、レジス
トマスク11をO2などのガス雰囲気の下で等方性ドラ
イエッチングによりエッチングする。このとき形成され
るレジストマスク11bの幅はゲート電極4の幅よりも
狭くなる。マスク寸法の減少量はエッチング時間で精度
よく制御できる。
【0064】つぎに、図6(d)に示すように、レジス
トマスク11bを用いて、Pなどの不純物を半導体薄膜
2にイオン注入する。不純物の注入量は保護膜19の膜
厚に依存するので、ゲート電極4に近い部分は、保護膜
19の膜厚が厚く、不純物が低濃度に注入されたLDD
領域5を有するLDD構造のTFTがえられる。
【0065】[実施例6]図7は逆スタガ構造のTFT
で1回のイオン注入によりLDD構造を形成するさらに
他の実施例を示す断面説明図である。
【0066】本実施例では、保護膜19が2層で構成さ
れ、上側の第2の保護膜19bは下側の第1の保護膜1
9aと選択的にエッチングできる材料で構成されている
ので、エッチングの精度によらず、保護膜19a、19
bの各膜厚によって精度よくソース/ドレイン領域6と
LDD領域5へのイオン注入量を制御できる。なお第1
の保護膜19aと第2の保護膜19bとしては、たとえ
ばSiO2、Si34などからなるグループとAl
23、Ta25などからなるグループにより使い分ける
ことにより、高い選択度で選択的にエッチングすること
ができる。
【0067】[実施例7]図8は本発明の1回のイオン
注入によりLDD領域とソース/ドレイン領域を形成す
るTFTの製法のさらに他の実施例の各工程を示す断面
説明図である。本実施例ではゲート電極をテーパ状に形
成しておくことにより、ゲート電極のサイドウォールと
して形成される酸化膜の範囲を広く形成するものであ
る。
【0068】図8(a)に示すように、絶縁基板1上に
能動体層となるSiなどからなる半導体薄膜2を形成し
たのちに熱酸化法、スパッタ法またはCVD法などによ
りSiO2を主成分とするゲート絶縁膜3をたとえば1
400Å程度形成する。つぎに図8(b)に示すよう
に、ゲート絶縁膜3上にたとえばPをドーピングしたS
iなどからなるゲート電極用薄膜を形成し、ホトレジス
ト膜をマスクとしてエッチングすることによりパターン
化してゲート電極4を形成する。このときゲート電極4
の端面形状をテーパ状に形成する。
【0069】このゲート電極の端面をテーパ状に形成す
る方法としては、たとえばゲート電極膜上にレジスト膜
をパターニングしたのち、120〜250℃で約30分
間程度ベーキングすることにより、レジスト膜の端部が
ダレてテーパ形状を形成することができる。このテーパ
の角度θ(図8(b)参照)はLDD領域の長さを0.
8〜1μm程度形成するためには、5〜15°程度に形
成することが好ましい。そののち図8(c)に示すよう
に、ゲート電極4を熱酸化させゲート電極の上面および
側面に熱酸化膜14を形成する。このとき前述のよう
に、テーパの角度θを小さくすることにより熱酸化膜1
4の膜厚d1は薄くても横方向に対する幅d2を大きくす
ることができる。つぎに図8(d)に示すように、ゲー
ト電極4をマスクとしてチャネル用の半導体薄膜2に高
濃度にたとえばPをイオン注入する。これにより、不純
物のPが高濃度にドーピングされたソース/ドレイン領
域6と不純物のPが徐々に低濃度になるようにドーピン
グされたLDD領域5とでLDD構造のTFTを形成す
ることができる。
【0070】本実施例においてもイオン注入の際のゲー
ト電極周囲の酸化膜によるマスクが、ゲート電極の中心
部に向かってゲート電極と共に厚くなっているため、イ
オン注入による不純物濃度はゲート電極側で低く、ゲー
ト電極から離れるにつれて不純物濃度が高いLDD領域
を1回のイオン注入により形成することができる。
【0071】[実施例8]図9は本発明の1回のイオン
注入によりLDD領域とソース/ドレイン領域を形成す
るTFTの製法のさらに他の実施例の各工程を示す断面
説明図である。本実施例は前述の実施例7のゲート電極
用薄膜として不純物ドープSiに代えて、アルミニウム
またはタンタルなどの金属膜を使用し、陽極酸化により
酸化膜を形成する点で異なるものである。
【0072】図9(a)に示すように、絶縁基板1上に
能動体層となるSiなどからなる半導体薄膜2を形成し
たのちに熱酸化法、スパッタ法またはCVD法などによ
りたとえばSiO2を主成分とするゲート絶縁膜3を、
たとえば1400Å程度形成する。つぎに図9(b)に
示すように、ゲート絶縁膜3上にたとえばアルミニウム
の薄膜を形成し、ホトレジスト膜をマスクとしてエッチ
ングすることによりパターニングしてゲート電極41を
形成する。このときゲート電極41の端面形状をテーパ
状に形成する。テーパ形状の形成については前記実施例
7と同様に行うことにより形成できる。そののち図9
(c)に示すように、ゲート電極41を陽極酸化させて
ゲート電極の上面および側面に陽極酸化膜15を形成す
る。陽極酸化は、たとえばゲート電極の表面積の単位面
積当り1〜100mA/cm2の電流で300〜400
Vの電圧を印加することにより、約5200Å程度の酸
化膜がえられる。なお前述のゲート電極をテーパ形状に
する際、テーパの角度を小さくすることにより、陽極酸
化膜15の膜厚d1は薄くても横方向に対する幅d2を大
きくすることができることは実施例7と同様である。つ
ぎに図9(d)に示すように、ゲート電極41をマスク
として能動体層のSiなどからなる半導体薄膜2に高濃
度にたとえばPをイオン注入する。その結果、不純物の
Pが高濃度にドーピングされたソース/ドレイン領域6
と不純物のPが徐々に低濃度になるようにドーピングさ
れたLDD領域5とでLDD構造のTFTを形成するこ
とができる。
【0073】このときのゲート電極41としてのアルミ
ニウムをタンタルに置き換えても同様にして陽極酸化に
よりLDD構造を実現することができる。
【0074】本実施例では、ゲート電極としてアルミニ
ウムやタンタルからなる金属膜を使用し、陽極酸化によ
り酸化膜を形成しているため、熱酸化膜と異なり厚い酸
化膜を容易に形成することができる。また酸化膜の厚さ
は陽極酸化を行う時間と電流により正確にコントロール
することができるため、所定の厚さに形成することがで
き、オフセット構造の長さを精度よく形成できる。
【0075】[実施例9]図10はゲート電極を利用し
たセルフアライメントにより正確な長さのLDD構造
(2回のイオン注入)またはオフセット構造を形成する
本発明のTFTの製法の一実施例を示す図である。
【0076】図10(a)に示すように、絶縁基板1上
に能動体層となるSiなどからなる半導体薄膜2を形成
したのちに熱酸化法、スパッタ法またはCVD法により
たとえばSiO2を主成分とするゲート絶縁膜3をたと
えば1400Å程度形成する。つぎに図10(b)に示
すように、ゲート絶縁膜3上にたとえばアルミニウムの
薄膜を形成し、ホトレジスト膜をマスクとしてエッチン
グすることによりパターニングしてゲート電極41を形
成する。そののち図10(c)に示すように、ゲート電
極41を陽極酸化させゲート電極41の上面および側面
に陽極酸化膜15を形成する。つぎに図10(d)に示
すように、ゲート電極41をマスクとして半導体薄膜2
に高濃度にたとえばPなどのイオン注入を行う。これに
より、不純物のPが高濃度にドーピングされたソース/
ドレイン領域6とゲート電極端のあいだのオフセット領
域10とを有するオフセット構造を形成することができ
る。このときのゲート電極41としてアルミニウムの代
りにタンタルに置き換えても同様にして陽極酸化により
オフセット構造を実現することができる。
【0077】なお、陽極酸化により厚い酸化膜を形成で
き、厚さのコントロールをし易いことは実施例8と同様
である。
【0078】[実施例10]図11は本発明のTFTの
製法のさらに他の実施例を説明するための断面説明図で
ある。本実施例では、ソース/ドレイン領域のイオン注
入後のアニーリングを酸素雰囲気中で行うことにより、
工程数を増加させることなく、ゲート電極の一部を酸化
させてオフセット構造を形成するものである。
【0079】まず、図11(a)において絶縁基板1上
に能動体層となるSiなどからなる半導体薄膜2を形成
する。つぎに図11(b)に示すように、たとえばSi
2などからなるゲート絶縁膜3を形成する。さらにゲ
ート絶縁膜3上にたとえばPをドープしたドープドSi
などからなるゲート電極用薄膜を成膜し、ついでパター
ニングすることにより図11(c)に示すように、ゲー
ト電極4を形成する。このゲート電極4をマスクとし
て、たとえばPをイオン注入し、図11(d)に示すよ
うに、半導体薄膜2にソース/ドレイン領域6を形成す
る。イオン注入後、注入時の照射損傷を回復させるため
アニーリングを行うが、当該工程を酸素雰囲気下で行い
ゲート電極の表面に等方的に酸化膜14を形成し、絶縁
層を設けることにより、図11(e)中ΔLのオフセッ
ト領域10を有するTFTを製造することができる。そ
ののち、図11(f)に示すように、SiO2などから
なる層間絶縁膜18を形成し、ついでソース/ドレイン
電極7、8を形成する。
【0080】アニーリングは通常850〜900℃程度
で1時間以上程度行われるが、本実施例では、このアニ
ーリングを酸素雰囲気中で行うことにより、工程数を増
やすことなくゲート電極を酸化させてオフセット構造を
形成することに特徴がある。酸素雰囲気中で前記条件の
熱処理を行うことにより1000〜2000Å程度の厚
さの酸化膜を形成できるが、たとえば図11(g)に示
すように、ゲート電極4をテーパ形状にパターニングし
ておくことにより、前記実施例7と同様に図11(d)
のイオン注入の工程で、ソース/ドレイン領域6と順次
不純物濃度が低下するLDD領域5を一度に形成するこ
とができると共に、酸素雰囲気中でのアニーリング処理
をすることによりオフセット領域10を形成することが
できる。しかもゲート電極4がテーパ形状であるため、
オフセット領域の幅ΔLを酸化膜の厚さの2〜3倍に増
やすことができる。
【0081】[実施例11]本発明のTFTの製法のさ
らに他の実施例を図12に示す。本実施例では、前記実
施例10で、オフセット構造を形成したのをLDD構造
にするものである。すなわち、TFTのソース/ドレイ
ン領域を形成するためのイオン注入後のアニーリング工
程までは、前記実施例10の工程(図11(a)〜
(e))と同様であり、そののち前記ゲート電極4の表
面の酸化膜14をエッチングすることにより除去したの
ちにイオン注入をすることにより、図12(a)に示す
ようにLDD領域5を有するTFTを容易にうることが
できる。そののち図12(b)に示すように、層間絶縁
膜18、ソース/ドレイン電極7、8を形成する。
【0082】すなわち、本実施例においてもイオン注入
後のアニーリング工程によりゲート電極に酸化膜を形成
しているため、余計な工程を必要とせず、正確な厚さの
酸化膜がえられる。LDD領域を形成するために、2回
のイオン注入工程を必要とするが、マスクとするゲート
電極は酸化させたのちの酸化膜除去により形成できるた
め、セルフアライニングできる。
【0083】本実施例においても、ゲート電極4をテー
パ形状にすることにより、図12(c)に示すように、
LDD領域5を濃度勾配のある中濃度領域5aと低濃度
領域5bとで形成することができると共に、前述のよう
にその幅を広く形成することができる。
【0084】[実施例12]本発明のTFTの製法のさ
らに他の実施例を図13に示す。本実施例では前記実施
例11でLDD構造を形成する際のアニーリングを酸素
雰囲気中で行い、LDD領域の隣りにさらにオフセット
領域を形成するものである。すなわち、TFTのソース
/ドレイン領域にLDD領域を形成するためのイオン注
入の工程までは、前記実施例11の工程(図11(a)
〜(e)および図12(a))と同様であり、そののち
のアニーリングを酸素雰囲気で行い再度ゲート電極の表
面に等方的に酸化膜16を形成することにより、図13
(a)に示すように、LDD領域5とオフセット領域1
0の2重構造のTFTを容易に製造することができる。
そののち図13(b)に示すように、層間絶縁膜18、
ソース/ドレイン電極7、8を形成する。
【0085】本実施例においても、ゲート電極4をテー
パ形状にすることにより、図13(c)に示すように、
LDD領域5を濃度勾配のある中濃度領域5aと低濃度
領域5bとで形成することができ、さらにオフセット領
域10を設けることができる。さらにLDD領域および
オフセット領域の幅は、前述のようにその幅を広く形成
することができる。
【0086】[実施例13]本発明のTFTの製法のさ
らに他の実施例を図14〜15に示す。本実施例ではゲ
ート電極を酸化させないで、直接ゲート電極をたとえば
ドライエッチングなどによりエッチングすることによ
り、セルフアライメントでLDD領域またはオフセット
領域を形成するものである。
【0087】まず、図14(a)に示すように、絶縁基
板1上に能動体層となるSiなどからなる半導体薄膜2
を形成する。つぎに、図14(b)に示すように、Si
2などからなるゲート絶縁膜3上に、たとえば、Pを
ドープしたドープSiなどからなるゲート電極用薄膜4
aを成膜する。つぎに、図14(c)に示すように、ゲ
ート電極4を形成するための写真製版を行うが、このと
き、ホトレジスト膜17をたとえば120℃でポストベ
ーク(ホトレジストパターン形成後に、約30分程度の
熱処理)を行い端面をだれさせておく。この状態でSF
6やCF4、CHF3などのガス(さらに酸素を混合する
こともある)を用いるプラズマエッチングによって、前
記ゲート電極用薄膜4aをエッチングすると、レジスト
膜17もエッチングされ、かつレジスト膜17の端部が
薄く形成されているので、レジスト膜17の端面が後退
し図14(d)に示すように、テーパ形状のゲート電極
4を形成できる。このゲート電極4をマスクとして、た
とえばPを高濃度にイオン注入することにより図14
(e)に示すように、半導体薄膜2にソース/ドレイン
領域6を形成する。
【0088】つぎに、図15(f)〜(i)に示す第2
段階の工程に入り、図15(f)に示すように、SF6
やCF4ガス(さらに酸素を混合することもある)を用
いるプラズマエッチングによってゲート電極4を所定寸
法だけ小さくする。ゲート電極はテーパがついているの
で端部が薄く、エッチングと共に端面が後退する。この
後退領域が後述するようにLDD領域、あるいはオフセ
ット領域となる。つぎに、このゲート電極4をマスクと
して、たとえばPを低濃度にイオン注入する。これによ
り、不純物のPが低濃度にドーピングされたLDD領域
5と不純物のPが高濃度に注入されたソース/ドレイン
領域6およびゲート電極下のチャネル領域2aが図15
(g)に示すように形成される。なお、図14(c)で
形成したレジスト膜は図15(g)の段階まで残してお
いても、図14(d)のあとで除去してもよい。除去す
るばあいはエッチング量を見込んでゲート電極4を厚く
しておく。
【0089】以降は他の実施例と同じようにして、LD
D構造のTFTが形成される。図15(g)に示した低
濃度のイオン注入を行わないと、LDD領域5は意図的
に不純物ドーピングを行わないオフセット領域となり、
オフセット構造のTFTがえられる。
【0090】本実施例ではゲート電極4の端面をテーパ
状に形成し、エッチングすることによって端面を後退さ
せ、このエッチング前後でイオン注入を行っている。端
面後退量がLDD幅、あるいはオフセット幅に相当する
ので、これを制御することが重要である。
【0091】本実施例の第1の工程に係るゲート電極の
テーパ形状は、ホトレジスト膜の端面形状に依存する
が、これはホトレジスト膜の膜厚、ポストベーク温度を
管理することで簡単に制御できる。また、プラズマエッ
チングによるテーパ形状の形成と端面後退量の制御は、
エッチングをアンダーエッチングの少ない比較的異方性
の強い条件で行うのがよい。
【0092】他のテーパ形状を形成する方法としては、
イオンシャワーによりビームを斜めにして基板を回転し
ながらエッチングしたり、ゲート電極としてクロムを使
用し、レジスト膜との密着性のわるさを利用してウェッ
トエッチングにより形成したり、その他公知の方法を適
宜採用することができる。
【0093】[実施例14]つぎに、前述のテーパ形状
のゲート電極により、ゲート電極のエッチングをしてセ
ルフアライメントでLDD領域を形成する他の実施例に
ついて実施例13と同じ図14(a)〜(e)と図15
(f)〜(i)の工程断面図を参照しながら説明する。
本実施例ではゲート電極にAlを用いた例を示す。
【0094】まず、図14(c)ではゲート電極4とな
るAlをスパッタなどで成膜形成する。つぎに、図14
(c)に示すようにゲート電極4を形成するための写真
製版を行うが、このとき、ホトレジスト膜をたとえば9
0℃程度でポストベーキングする。この状態ではレジス
ト端面のだれは小さい。つぎに、このレジスト膜をマス
クにして、基板を回転させながら斜めから不活性Arイ
オンでエッチングを行う。このばあいの装置としては、
通常の平行平板型のリアクティブプラズマエッチング装
置でなく、イオン化室とエッチング室を分離し、イオン
の指向性を高めたイオンシャワーエッチング装置を用い
る。イオンを斜めから入射するとレジスト膜の近傍は、
レジスト膜の影になるため他よりエッチング速度が減少
し、パターン端面がテーパ形状になり、図14(d)に
示すように、テーパ状のゲート電極4ができる。このゲ
ート電極4をマスクとして、たとえばPを高濃度にイオ
ン注入して図14(e)に示すように半導体薄膜2にソ
ース/ドレイン領域6を形成する。ここでは、ゲート電
極のテーパエッチングに不活性Arを用いているが、塩
素系ガスを用い反応性を付与することもできる。
【0095】つぎに、図15(f)〜(i)に示す第2
段階の工程に入り、図15(f)に示すように塩素系ガ
スを用いるプラズマエッチングによってAlゲート電極
4を所定寸法だけ小さくする。ゲート電極はテーパが付
いているので端部が薄く、エッチングと共に端面が後退
する。つぎに、このゲート電極4をマスクとして、たと
えばPを低濃度にイオン注入する。これにより、不純物
のPが低濃度にドーピングされたLDD領域5と不純物
のPが高濃度に注入されたソース/ドレイン領域6が図
15(g)に示すように形成される。
【0096】なお、前記実施例ではゲート電極をポリシ
リコンやAlとしたものを示したが、その他にCu、C
r、W、Moなどの金属であってもよい。また、テーパ
を形成する方法としては制御性がよければ何でもよくと
くに限定するものではない。たとえば、Crに対しては
レジスト膜との密着性のわるさを利用して、ウエットエ
ッチングによるサイドエッチングにより形成したり、そ
の他公知の方法を適宜採用できる。
【0097】また、前記実施例ではTFTについて説明
したが、バルクのMOSトランジスタやそれを集積した
MOSICであってもよく、前記実施例と同様の効果を
奏する。
【0098】[実施例15]つぎに、ゲート電極を自己
整合して2回のイオン注入によりLDD構造を形成する
他の実施例について説明する。本実施例では、透明基板
上にまずゲート電極が形成され、その上に半導体薄膜が
形成される逆スタガ構造のTFTについての自己整合に
よるLDD構造の簡単な製法の例を示している。
【0099】まず、図16(a)に示すように、絶縁性
透明基板1上にゲート電極4を形成する。つぎにSiO
2などからなるゲート絶縁膜3をたとえばスパッタ法、
CVD法などにより形成する。つぎに、Si薄膜などか
らなる半導体薄膜2をたとえばスパッタ法、CVD法な
どにより形成する。つぎにレジスト層11aを塗布成形
し、絶縁性透明基板1の裏面露光によりゲート電極4に
自己整合してレジストマスク11を形成する。このと
き、レジストマスク11の幅はゲート電極4の幅にほぼ
一致するように露光量を調整する。
【0100】つぎに、図16(b)に示すように、レジ
ストマスク11を用いて、半導体薄膜2にPなどの不純
物を高濃度にイオン注入し、ソース/ドレイン領域6を
形成する。
【0101】つぎに、図16(c)に示すように、レジ
ストマスク11を除去後、再度、レジスト層11aを塗
布形成し、絶縁性透明基板1の裏面露光により、ゲート
電極4に自己整合してレジストマスク11bを形成す
る。このとき、レジストマスク11bの幅はゲート電極
4の幅よりも狭くなるように露光量を調整する。
【0102】つぎに、図16(d)に示すように、レジ
ストマスク11bを用いて、再度、Pなどの不純物を半
導体薄膜2に低濃度にイオン注入する。その結果、不純
物が低濃度に注入されたLDD領域5を有するLDD構
造のTFTが形成される。
【0103】なお、2回の裏面露光の露光強度とイオン
注入量の大小を逆の順に行っても同様のLDD構造を形
成できる。
【0104】[実施例16]図17(a)〜(d)は逆
スタガ構造のTFTでゲート電極を自己整合して2回の
イオン注入によりLDD構造を形成するさらに他の実施
例を示す工程断面説明図である。
【0105】まず、図17(a)に示すように、絶縁基
板1上にゲート電極4を形成する。つぎにSiO2など
からなるゲート絶縁膜3をたとえばスパッタ法、CVD
法などにより形成する。つぎに、Si薄膜などからなる
半導体薄膜2をたとえばスパッタ法、CVD法などによ
り形成する。つぎにレジスト層11aを塗布形成し、絶
縁性透明基板1の裏面露光によりゲート電極4に自己整
合してレジストマスク11を形成する。このとき、レジ
ストマスク11の幅はゲート電極4の幅にほぼ一致する
ように露光量を調整する。
【0106】つぎに、図17(b)に示すように、レジ
ストマスク11を用いて、半導体薄膜2にPなどの不純
物を高濃度にイオン注入し、ソース/ドレイン領域6を
形成する。
【0107】つぎに、図17(c)に示すように、レジ
ストマスク11をO2などの等方性ドライエッチングで
エッチングする。このエッチングにより形成されたレジ
ストマスク11bの幅はゲート電極4の幅よりも狭くな
る。マスク寸法の減少量はエッチング時間で制御でき
る。
【0108】つぎに、図17(d)に示すように、レジ
ストマスク11bを用いて、再度、Pなどの不純物を半
導体薄膜2に低濃度にイオン注入する。その結果、不純
物が低濃度に注入されたLDD領域5を有するLDD構
造のTFTがえられる。
【0109】[実施例17]図18は本発明のTFTの
LDD構造の実施例を示す図である。本実施例では、ソ
ース/ドレイン領域の高濃度領域と低濃度領域を縦方向
に形成したもので、いわば縦形のLDD構造のTFTに
なる。
【0110】図18において、絶縁基板1上に形成され
たソース/ドレイン電極7、8と、半導体薄膜が形成さ
れ、この上にゲート絶縁膜3とゲート電極4が形成され
ている。また、半導体薄膜にはP、Bなどの不純物がイ
オン注入されたソース/ドレイン領域5、6が形成され
ている。ここで、ゲート電極に近いソース/ドレイン領
域5の不純物の量は、ソース/ドレイン電極7、8に接
続されたソース/ドレイン領域6の不純物の量よりも少
なくなっている。オフ時の半導体層内の電流の流れはド
レイン電極8から不純物の多い領域6を通り、不純物の
少ない領域5を経て、チャネル領域2aのゲート絶縁膜
3の界面付近を流れる。そして、今度は不純物の少ない
領域5を経て不純物の多い領域6を通ってソース電極7
へ流れる。このように、電流の流れる方向である膜厚方
向に、半導体薄膜2のソース/ドレイン領域のLDD構
造が形成されているので、オフ電流を低減することがで
きる。
【0111】前記半導体薄膜の厚さは、たとえば500
〜5000Å程度で、ソース/ドレイン高濃度領域6は
たとえば50〜3000Å程度、ソース/ドレイン低濃
度領域5は500〜5000Å程度に形成できる。
【0112】 前記実施例の製法は、ゲート電極4をマ
スクとした半導体薄膜2へのイオン注入において、たと
えば100keV程度の高いエネルギーで、10 15 /c
2程度のドーズ量で高濃度に不純物を注入する工程
と、たとえば30〜50keV程度の低いエネルギー
で、10 13 /cm2程度のドーズ量で低濃度に不純物を
注入する工程を行うものである。このばあい、ゲート絶
縁膜3の厚さは500Å程度であった。このようにイオ
ン注入のエネルギー制御によって膜の任意の深さに不純
物を注入できる。高いエネルギーで高濃度の不純物のイ
オン注入は深い位置に高濃度のソース/ドレイン領域6
を形成できる。一方、低いエネルギーで低濃度の不純物
のイオン注入は表面から浅い位置に低濃度のソース/ド
レイン領域すなわちLDD領域5を形成できる。どちら
のイオン注入を先に行ってもよい。
【0113】前記実施例では、1回のフォトリソグラフ
ィ工程でレジストマスクを形成し、条件を変えたイオン
注入によりソース/ドレイン領域に縦形のLDD構造を
形成できるので、LDD構造を形成するためのマスク数
の増加、高精度なマスク合わせの必要性をなくすること
ができる。
【0114】[実施例18]図19は本発明のTFTの
縦形LDD構造の他の実施例を示す断面説明図である。
【0115】絶縁基板1上に形成された半導体薄膜の上
に、ゲート絶縁膜3とゲート電極4が形成されている。
半導体薄膜のソース/ドレイン領域5、6はゲート電極
4に近い表面側で不純物の少ない領域5と底面側の不純
物の多い領域6で構成されている。また、ゲート絶縁膜
3と不純物の少ない領域5の一部分は除去されて、高不
純物濃度のソース/ドレイン領域6の上にソース/ドレ
イン電極7、8が形成されている。オフ時の半導体薄膜
内の電流の流れはドレイン電極8から不純物の高濃度な
領域6、低濃度な領域5を経てゲート絶縁膜3の界面付
近を流れるようになっており、半導体薄膜のソース/ド
レイン領域の膜厚方向にLDD構造が形成されているの
で、オフ電流を低減できる。
【0116】本実施例においては、ソース/ドレイン電
極7、8が、ゲート絶縁膜3と低濃度不純物領域5の一
部が除去されて、露出した高濃度不純物領域6の表面に
設けられている点において前記実施例17と異なる。本
実施例によれば、ゲート電極4およびソース/ドレイン
電極7、8がいずれも表面側に設けられているため、接
続が便利である。
【0117】本実施例の製法は、まず前記実施例17と
同様に、ゲート電極4をマスクとした半導体薄膜2への
イオン注入において、高いエネルギーで高濃度に不純物
を注入する工程と、低いエネルギーで低濃度に不純物を
注入する工程を行うものである。両イオン注入はどちら
を先に行ってもよい。高いエネルギーで高濃度の不純物
のイオン注入は高濃度不純物のソース/ドレイン領域6
を形成できる。一方、低いエネルギーで低濃度の不純物
のイオン注入は低濃度不純物のソース/ドレイン領域、
すなわちLDD領域5を形成できる。つぎに、ゲート絶
縁膜3と低濃度不純物のソース/ドレイン領域すなわち
LDD領域5の一部分を除去して、高濃度不純物のソー
ス/ドレイン領域6を露出させ、ソース/ドレイン電極
7、8を設けることによりえられる。
【0118】[実施例19]図20は本発明のTFTの
縦形LDD構造のさらに他の実施例を示す断面説明図で
ある。本実施例はゲート電極を基板側に設ける逆スタガ
構造に縦形LDD構造を適用した例である。
【0119】図20に示されるように、透明絶縁基板1
上に形成されたゲート電極4の上に、ゲート絶縁膜3と
半導体薄膜が形成されている。裏面露光によりゲート電
極4に自己整合した半導体薄膜のソース/ドレイン領域
5、6はゲート電極4に近い底面側で不純物の少ない領
域5と表面側の不純物の多い領域6で構成されている。
また、不純物の多い領域6はソース/ドレイン電極7、
8と接続されている。オフ時の半導体薄膜内の電流の流
れはドレイン電極8から不純物の高濃度な領域6から低
濃度な領域5を経てチャネル領域2aのゲート絶縁膜3
の界面付近を流れるようになっており、半導体薄膜のソ
ース/ドレイン領域5、6の膜厚方向にLDD構造が形
成されているので、オフ電流を低減できる。本実施例の
構造ではゲート電極が基板側にあるため、前実施例1
7、18と異なり、半導体薄膜の深い側に低濃度不純物
領域(LDD領域)が形成され、表面側に高濃度領域が
形成されている。そのためイオン注入の際、高い打込み
エネルギーで少ないドーズ量で打込み、低い打込みエネ
ルギーで多いドーズ量で打ち込むことになる。
【0120】 本実施例の製法は、半導体薄膜の成膜
後、透明絶縁基板1の特徴をいかして、ゲート電極4を
マスクとした裏面露光により、ゲート電極4に自己整合
したレジストマスクを形成する。前記レジストマスクを
用いた半導体薄膜へのイオン注入において、たとえば1
00keV程度の高いエネルギーで10 13 /cm2程度
のドーズ量で低濃度に不純物を注入する工程と、たとえ
ば30〜50keV程度の低いエネルギーで、たとえば
10 15 /cm2程度の高濃度に不純物を注入する工程を
行うものである。高いエネルギーで低濃度の不純物のイ
オン注入は低濃度不純物のソース/ドレイン領域、すな
わちLDD領域5を形成できる。一方、低いエネルギー
で、高濃度の不純物のイオン注入は高濃度不純物のソー
ス/ドレイン領域6を形成できる。高不純物濃度の領域
6はソース/ドレイン電極7、8と接続されることによ
りTFTがえられる。
【0121】本実施例では、裏面露光によりゲート電極
4に自己整合したレジストマスクが形成されるので、高
精度なマスク合わせをする必要がない。
【0122】[実施例20]図21〜22に本発明のT
FTのさらに別の実施例の製造工程の断面説明図を示
す。本実施例ではLDD構造またはオフセット構造に加
えて別の対策を加え、さらなるオフ電流の低減を図って
いる。LDD構造やオフセット構造でオフ電流の低減を
図るためには、LDD長またはオフセット長を長くする
方法がある。しかし、あまりLDD長やオフセット長を
長くしすぎるとオフ電流を低減できても、オン電流も減
りTFT特性が劣化するという、うらはらの問題をかか
えており、LDD長やオフセット長のみでは自ずと限界
があるという問題がある。本実施例では、オン電流はゲ
ート絶縁膜と半導体薄膜の界面の100Å程度の厚さの
範囲のみしか流れないのに対し、オフ電流は半導体薄膜
のチャネル領域とソース/ドレイン領域との接合面積全
面にわたって流れることに着目し、チャネル領域とソー
ス/ドレイン領域との接合面積を減らしたものである。
このばあい、最初から半導体薄膜の厚さを薄くすると、
チャネル領域としてポリシリコンを使用したばあいその
結晶粒も小さくなり、電流特性を悪化させて好ましくな
い。とくに半導体薄膜として多くの電流をうるために、
アモルファスシリコンではなく、ポリシリコンが使われ
るが、ポリシリコンのばあい、結晶粒を大きくする必要
がある。そのため、比較的厚く半導体薄膜を形成したの
ちに、チャネル領域とソース/ドレイン領域との接合面
積を小さくしている。
【0123】つぎにLDD構造またはオフセット構造部
分の半導体薄膜をチャネル領域の半導体薄膜より薄くす
るTFTの製法の一実施例を図21〜22を参照しなが
ら説明する。図21〜22において、1は石英などを用
いた絶縁基板、2は能動体層として用いられるSiなど
からなる半導体薄膜、3は半導体薄膜2上に形成された
ゲート絶縁膜、4はゲート絶縁膜3上に形成されたゲー
ト電極、5はゲート電極の両側の半導体薄膜に形成され
たP、Bなどの不純物を低濃度にドープしてあるLDD
領域、6は不純物を高濃度にドープしてあるソース/ド
レイン領域、7はソース電極、8はドレイン電極、9は
不純物を高濃度にドープしたソース/ドレイン領域6と
ソース電極7あるいはドレイン電極8と接続するための
コンタクトホール、11はイオン注入時にLDD領域形
成のために用いられるホトレジスト膜、20は少なくと
もチャネル領域2a、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4、
LDD領域5またはオフセット領域、ソース/ドレイン
領域6を形成後熱酸化処理をすることによりTFT表面
に形成された酸化膜である。
【0124】本TFTの製法を説明する。まず図21
(a)に示すように、絶縁性基板1上に減圧CVDなど
でSi薄膜を成膜しパターニングすることにより半導体
薄膜2の能動体層を形成する。ついで、図21(b)に
示すように、たとえば1000℃で半導体薄膜2の表面
を熱酸化することにより、半導体薄膜2上にシリコンの
酸化膜よりなるゲート絶縁膜3を形成する。
【0125】このゲート絶縁膜3上にたとえばPをドー
ピングしたSiなどからなるゲート電極用薄膜を成膜
し、ゲート電極パターンを作製するためのホトレジスト
膜11をSi薄膜上に作製する。ついで、SF6ガスを
用いて、ホトレジスト膜11をマスクとしてSi薄膜を
ドライエッチングしてゲート電極4を形成する。このと
き、たとえば高周波電力0.25W/cm2、ガス圧力
40mTorrの条件でドライエッチングを行うと図2
1(c)中に示したように、サイドエッチングによりひ
さし構造が形成される。
【0126】このエッチング時には、本来等方性エッチ
ングであるが、縦方向のエッチングが早く進みゲート電
極用薄膜であるPをドーピングしたSi薄膜の深さ方向
にレジスト膜11をマスクとしてエッチングがされる。
エッチングガスのSF6がプラズマ化しているので、S
i薄膜のエッチングが底面までなされ、ゲート絶縁膜3
が露出するとフッ素ラジカルのプラズマ発光が強くな
る。これまでに行われるホトレジスト膜11の下のSi
薄膜のサイドエッチングは僅かしか行われないため、こ
のプラズマ発光を観測した時点から一定時間エッチング
を続けることにより、精度よくサイドエッチングをする
ことができ、任意の長さのひさし構造ができる。
【0127】ゲート電極4を形成するためのエッチング
は、前述のSF6ガス以外にもCF4ガスやSF6または
CF4とO2とを混合したガスなどによるドライエッチン
グで行うこともできるし、フッ酸、硝酸系のウェットエ
ッチングにより行うこともできる。
【0128】ついで図21(d)に示すように、ソース
/ドレイン領域6を作製するためにたとえばPを高濃度
にイオン注入する。このとき、図21(d)に示すよう
に、レジスト膜で形成されたひさしの下にはイオンは注
入されない。
【0129】つぎにホトレジスト膜11を除去したの
ち、図21(e)に示すように、2回目のイオン注入に
より、ゲート電極の両端部で図21(d)でイオンが注
入されなかった領域に低濃度にイオンを注入しLDD領
域5とする。
【0130】ついで、図21(e)の工程までに形成さ
れた基板全体をたとえば950℃で熱酸化し膜全体に熱
酸化膜20を形成する。熱酸化を行うとたとえば図21
(e)で示したLDD領域5とゲート絶縁膜3の界面に
おいて、熱酸化によりこの界面は侵食され小さくなる。
この小さくなった距離d3は、図22(f)の熱酸化で
形成された熱酸化膜の厚さをtとするとd3=0.44
tで示されることが知られている。この処理により、L
DD領域の膜厚を少なくとも薄くすることができる。こ
のとき、ゲート電極4の下にあるチャネル領域2aにお
いては、ゲート電極4が熱酸化時に酸素が供給されるこ
とを防ぐマスクとなるため熱酸化はされず、その結果膜
厚減少は生じない。以上の結果、図22(f)に示すよ
うに、LDD領域5およびソース/ドレイン領域6がチ
ャネル領域2aより薄く、全体にゲート絶縁膜3より厚
い絶縁膜20が形成されたTFT構造がえられる。この
増加した酸化膜の厚さd3すなわち半導体薄膜の薄くな
った厚さは、半導体薄膜2の厚さにもよるが、50〜1
00Å程度形成されれば充分で、半導体薄膜の厚さの半
分程度形成すれば非常に効果がある。また、熱処理時に
ソース/ドレイン領域6からLDD領域5への不純物拡
散があるが、せいぜい1000〜2000Å程度のため
特性に影響しない。
【0131】図22(g)に示すように、ソース/ドレ
イン領域6上の絶縁膜20中にコンタクトホール9を形
成する。
【0132】図22(h)に示すように、コンタクトホ
ール9を介しソース/ドレイン領域6に接続するソース
電極7とドレイン電極8を形成する。
【0133】このようにして製造された本発明のTFT
の動作について説明する。ソース電極7とドレイン電極
8のあいだに電圧を印加した状態で、ソース電極7とゲ
ート電極4間に印加する電圧を変化することによりソー
ス電極7とドレイン電極8のあいだに流れるドレイン電
流を変化させることができ、図22(h)に示すTFT
はスイッチング素子として使用することができる。
【0134】アクティブマトリックス液晶ディスプレイ
のスイッチング素子として使用されるばあいには、TF
Tのオフ時のドレイン電流は少なくとも液晶のリーク電
流以下にすることが必要である。とくに、半導体薄膜2
の材料として多結晶Si膜を用いたばあいは、多結晶S
i膜中に存在する結晶粒界のため、フィールド エンハ
ンスド エミッション電流が流れ、オフ時のドレイン電
流が大きくなる。
【0135】このオフ時のドレイン電流は、結晶粒界に
存在するダングリングボンドとドレイン近傍の電界強度
に比例すると一般的に言われている。このため、オフ時
のドレイン電流低減のためには、ドレイン近傍の電界強
度を低減することが必要であり、図22(h)に示した
TFTにおいては電界強度を弱めるためにLDD構造と
なっている。
【0136】しかし、LDD構造で、オフ時のドレイン
電流をより一層低減するためには、LDD長を長くする
か、LDD領域の不純物のドーピング濃度を下げること
が一般的に行われてきたが、前述のように、LDD領域
はオン時にはTFTの直列抵抗として働くため、オン電
流の低減を引き起こす問題がある。そこで、本構造にお
いてはLDD部の膜厚を熱酸化法で薄くし、接合部の断
面積を低減することにより、オフ電流をよりいっそう低
減している。もちろん、接合部の断面積を低減するため
には図1(a)の時点で成膜する半導体薄膜2の膜厚を
成膜時から薄くしておくことも可能であるが、このばあ
いたとえばコバヤシらによる「ジャーナル オブ アプ
ライド フィジックス」(Journal of Applied Physic
s),第65巻、1989年、2541頁に示されてい
るように、形成される結晶粒径が小さくなる問題があ
る。一般的に結晶粒径が小さくなると、電子の移動の障
壁となる結晶粒界の数が増えるためオン時のドレイン電
流の低下をもたらす。
【0137】図21〜22に示した方法では、TFTの
形成後、熱酸化を行っているために、LDD領域5とソ
ース/ドレイン領域6の膜厚は薄くなっているが、ゲー
ト電極4の下のチャネル領域2aの膜厚は、既に述べた
ように、ゲート電極4が熱酸化時にマスクとして働くた
め薄くならない。このため、単にチャネル領域2aの膜
厚を薄くしたときと比べ、チャネル領域2aの膜厚を厚
くでき、その結果結晶粒径を大きくできるので、オン時
のドレイン電流の低下を防ぎつつ、接合部断面積を少な
くしオフ時のドレイン電流を低減することができる。
【0138】本実施例では熱酸化をすることによりLD
D領域5およびソース/ドレイン領域を薄くしたが、熱
酸化法によらないで、ウェットエッチングまたはドライ
エッチングによるエッチングにより半導体薄膜を薄くし
て、再度表面に絶縁膜を設けてもよい。
【0139】[実施例21]実施例20では、図22
(f)で示したように、TFTをそのまま熱酸化してい
たが、熱酸化時にゲート電極として用いるたとえばPを
ドーピングしたSi膜などからなるゲート電極4からP
などの不純物が抜けるのを防ぐために、図23に示すよ
うに、たとえばSiO2などからなる保護膜21でTF
Tを覆っておいてから熱酸化してもよい。そうすること
により、ゲート配線の抵抗低下の改善をできる。
【0140】[実施例22]実施例20、21では、共
にLDD領域5に不純物が低濃度にドーピングされたL
DD構造について述べたが、この部分は図21(e)の
工程をスキップすることにより不純物をLDD領域5に
意図的にドーピングしないオフセット構造としてもよ
い。このばあいも実施例20、21と同様の効果がえら
れる。
【0141】
【発明の効果】本発明によれば、特別のフォトリソグラ
フィ工程を必要とせず、ゲート電極を自己整合させるこ
とによりLDD領域またはオフセット領域と高濃度のソ
ース/ドレイン領域とを形成することができるため、簡
単な工程で精度のよいLDD構造またはオフセット構造
のTFTをうることができる。
【0142】さらに、LDD領域と高濃度のソース/ド
レイン領域を半導体薄膜の厚さ方向に形成することによ
り、ゲート電極を自己整合させてイオン打込みのエネル
ギーを変えるだけでLDD構造のTFTをうることがで
き打込みエネルギーの制御はし易いため、いっそう精度
のよいTFTをうることができる。
【0143】その結果、安価で高性能なTFTをうるこ
とができ、アクティブマトリックス液晶ディスプレイな
ど、平面型表示装置のコストダウンおよび高性能化に大
いに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のTFTの製造工程を示す
断面説明図である。
【図2】 本発明の実施例2のTFTの製造工程を示す
断面説明図である。
【図3】 本発明の実施例3のTFTの製造工程の前半
を示す断面説明図である。
【図4】 本発明の実施例3のTFTの製造工程の後半
を示す断面説明図である。
【図5】 本発明の実施例4のTFTの製造工程を示す
断面説明図である。
【図6】 本発明の実施例5のTFTの製造工程を示す
断面説明図である。
【図7】 本発明の実施例6のTFTの製造工程を示す
断面説明図である。
【図8】 本発明の実施例7のTFTの製造工程を示す
断面説明図である。
【図9】 本発明の実施例8のTFTの製造工程を示す
断面説明図である。
【図10】 本発明の実施例9のTFTの製造工程を示
す断面説明図である。
【図11】 本発明の実施例10のTFTの製造工程を
示す断面説明図である。
【図12】 本発明の実施例11のTFTの製造工程を
示す断面説明図である。
【図13】 本発明の実施例12のTFTの製造工程を
示す断面説明図である。
【図14】 本発明の実施例13のTFTの製造工程の
前半を示す断面説明図である。
【図15】 本発明の実施例13のTFTの製造工程の
後半を示す断面説明図である。
【図16】 本発明の実施例15のTFTの製造工程を
示す断面説明図である。
【図17】 本発明の実施例16のTFTの製造工程を
示す断面説明図である。
【図18】 本発明の実施例17のTFTの断面説明図
である。
【図19】 本発明の実施例18のTFTの断面説明図
である。
【図20】 本発明の実施例19のTFTの断面説明図
である。
【図21】 本発明の実施例20のTFTの製造工程の
前半を示す断面説明図である。
【図22】 本発明の実施例20のTFTの製造工程の
後半を示す断面説明図である。
【図23】 本発明の実施例21のTFTの断面説明図
である。
【図24】 従来のTFTの製造工程の前半を示す断面
説明図である。
【図25】従来のTFTの製造工程の後半を示す断面説
明図である。
【図26】 従来のLDD構造のMOSFETの製造工
程を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板、2 半導体薄膜、2a チャネル領域、
3 ゲート絶縁膜、4 ゲート電極、5 LDD領域
(低濃度不純物領域)、6 ソース/ドレイン領域、1
0 オフセット領域、12 平坦化絶縁膜、13 スペ
ーサ、14 熱酸化膜、19 保護膜、31 第1ゲー
ト絶縁膜、32 第2ゲート絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 優 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 来住 久敏 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 林 正美 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (56)参考文献 特開 平2−83939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に半導体薄膜が設けられ、該
    半導体薄膜上に絶縁膜を介してゲート電極が設けられ、
    該ゲート電極の両側の前記半導体薄膜に不純物が導入さ
    れてソース/ドレイン領域が形成されてなる薄膜トラン
    ジスタであって、 前記半導体薄膜のソース/ドレイン領域の不純物濃度が
    膜厚方向で異なっており、半導体薄膜の表面側が低濃度
    領域に形成されてなる縦形のLDD構造を有し、 前記半導体薄膜の表面側の低濃度不純物領域が部分的に
    エッチングされることにより除去され、露出した高濃度
    不純物領域であるソース/ドレイン領域の表面にソース
    /ドレイン電極が接続されてなる 薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 絶縁性透明基板上にゲート電極が形成さ
    れ、該ゲート電極上にゲート絶縁膜および半導体薄膜が
    設けられ、該ゲート電極の両側の前記半導体薄膜に不純
    物が導入されてソース/ドレイン領域が形成されてなる
    薄膜トランジスタであって、前記半導体薄膜のソース/
    ドレイン領域の不純物濃度が膜厚方向で異なっており、
    半導体薄膜の裏面側が低濃度領域に形成されてなる縦形
    のLDD構造を有する薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】 絶縁性透明基板上にゲート電極を設ける
    工程、 該ゲート電極上にゲート絶縁膜と半導体薄膜とレジスト
    膜を順次設け、 ついで裏面露光により前記ゲート電極に自己整合したレ
    ジストマスクを形成する工程、 該レジストマスクをマスクとして低エネルギーで高濃度
    に不純物のイオン注入を行うことにより半導体薄膜の表
    面側に高濃度のソース/ドレイン領域を形成する工程、
    および 前記レジストマスクをマスクとして高エネルギーで低濃
    度に不純物のイオン注入を行うことにより半導体薄膜の
    底面側に低濃度の不純物領域を形成する工程からなる薄
    膜トランジスタの製法。
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