JP3498618B2 - ミシンの針振り装置 - Google Patents

ミシンの針振り装置

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JP3498618B2 JP03166999A JP3166999A JP3498618B2 JP 3498618 B2 JP3498618 B2 JP 3498618B2 JP 03166999 A JP03166999 A JP 03166999A JP 3166999 A JP3166999 A JP 3166999A JP 3498618 B2 JP3498618 B2 JP 3498618B2
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淳 蒲野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、針棒を揺動させな
がら千鳥縫い,穴かがり縫い等を行ういわゆる本縫いジ
グザグミシン等に適用可能で、上記針棒を揺動させなが
らその針棒を軸方向に摺動させるミシンの針振り装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の針振り装置として、
針棒をその針棒の軸方向に摺動可能に支持する針棒台
と、上記針棒を、上記針棒台と共に鉛直面内で揺動させ
る揺動手段と、一端が、駆動源から供給される駆動力に
よって上記鉛直面と平行な鉛直面内を円運動すると共
に、他端が上記針棒に連動する針棒連竿と、を備えたも
のが考えられている。このように構成された針振り装置
では、針棒は揺動手段の動作により、針棒台と共に鉛直
面内を揺動する。また、針棒は、その針棒台に軸方向に
摺動可能に支持されており、針棒連竿の他端に連動して
いる。このため、針棒連竿の一端が駆動源から供給され
る駆動力によって上記鉛直面と平行な鉛直面内を円運動
をするのに伴って、針棒は、針棒台に支持された位置で
軸方向に摺動する。従って、針棒の先端に装着された縫
い針を上下動させながらその縫い針の針落ち点を上記鉛
直面に沿って左右に移動させ、千鳥縫い,穴かがり縫い
等の縫製を実行することが可能となる。
【0003】ところが、従来のミシンの針振り装置で
は、針棒と針棒連竿の上記他端とを、針棒抱きを介して
揺動自在に接続している。この場合、針棒連竿の上記一
端を円運動させる駆動源の力と針棒を左右に揺動させる
揺動手段の力とが、両者の位相に応じて強めあったり弱
めあったりする。このため、従来のミシンの針振り装置
では、針振り量を正確に制御することができなかった。
【0004】そこで、例えば特公平1−42230号公
報に開示されているように、針棒連竿の上記他端と針棒
抱きとをリンクを介して接続することが考えられてい
る。例えば、図6に示す針振り装置91では、図示しな
い針棒台には針棒93がその針棒93の軸方向に摺動可
能に支持され、この針棒93には、所定の位置に針棒抱
き95が固定されている。一方、一端97aが鉛直面内
の円Cに沿って円運動する針棒連竿97は、他端97b
がリンク99を介して針棒抱き95に接続されている。
なお、針棒連竿97の他端97bは、図示しないガイド
によって垂直方向にのみ移動可能に案内されている。
【0005】このように構成された針振り装置91で
は、上軸100から針棒連竿97に加わる力をリンク9
9を介して針棒93に伝達し、それによって針棒93を
摺動させている。このため、針棒連竿97の一端97a
を円運動させる力と針棒93を左右に揺動させる力とが
直接強めあったり弱めあったりするのを防止して、針振
り量の精度を向上させることができる。例えば、他端9
7bが上昇していくときに針棒93に図示左方向へ力が
伝達されるのを、他端97bを垂直方向に案内したこと
によって抑制し、リンク99によってその効果をどの揺
動位置に針棒93が存在するときにも発揮できるように
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな針振り装置91でも、リンク99の角度によっては
他端97bを上下動させる力が針棒93の揺動方向に作
用する可能性がある。また、針振り装置91では、リン
ク99を設けたことによって針棒93の中心軸と他端9
7bとの間に従来よりも大きい間隔Dが開いてしまう。
このため、他端97bが上下動するときには針棒93に
その軸回りの力が作用する可能性がある。この場合、針
棒93がその針棒93の軸回りに回転することがあり、
縫い針が回転して縫い目の形成が困難になる可能性があ
る。
【0007】そこで、本発明は、針振り量を正確に制御
すると共に、針棒がその軸回りに回転するのを防止して
縫い目を良好に形成することのできるミシンの針振り装
置を提供することを目的として成された。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達するためになされた請求項1記載の発明は、針棒を
その針棒の軸方向に摺動可能に支持する針棒台と、上記
針棒を、上記針棒台と共に鉛直面内で揺動させる揺動手
段と、一端が、駆動源から供給される駆動力によって上
記鉛直面と平行な鉛直面内を円運動すると共に、他端が
上記針棒に連動する針棒連竿と、を備えたミシンの針振
り装置であって、上記針棒の揺動方向に形成された案内
溝を有し、上記針棒と一体に摺動するガイド手段と、上
記針棒連竿の他端に設けられ、上記案内溝に移動自在に
係合することによって、上記針棒連竿の他端を上記案内
溝に沿って移動可能に上記ガイド手段に接続する接続手
段と、上記針棒連竿の他端の上記接続手段を設けた側と
反対側に設けられた角コマと、該角コマと係合すること
によって、上記他端を垂直方向に案内する垂直溝と、
備えたことを特徴としている。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】このように構成された本発明では、針棒連
竿の一端は、前述のように駆動源から供給される駆動力
によって鉛直面内を円運動し、他端は針棒に連動する
が、その他端は角コマと垂直溝との係合によって垂直方
向に案内される。また、ガイド手段及び接続手段(以
下、両者を合わせて駆動力伝達手段ともいう)は、後述
のように、針棒が針棒連竿の他端に対して上記針棒の揺
動方向に移動するのを許可しつつ、駆動源から針棒連竿
を介して上記針棒連竿の他端に加えられる駆動力を、上
記針棒にその針棒の摺動方向に伝達する。
【0013】すなわち、本発明の駆動力伝達手段は、針
棒が上記揺動方向には自由に移動できるようにして、上
記他端と針棒とを連動させている。このため、上記針棒
連竿の他端から針棒へは、その針棒を上記揺動方向へ揺
動させる力も、その針棒を軸回りに回転させる力も伝達
されず、上記摺動方向の力のみが伝達される。従って、
本発明のミシンの針振り装置では、針振り量を正確に制
御すると共に、針棒がその軸回りに回転するのを防止し
て縫い目を良好に形成することができる。
【0014】
【0015】本発明では、上記駆動力伝達手段を、針棒
の揺動方向に形成された案内溝を有してその針棒と一体
に摺動するガイド手段と、上記針棒連竿の他端に設けら
れ、上記案内溝に移動自在に係合することによって、
記針棒連竿の他端を上記案内溝に沿って移動可能にガイ
ド手段に接続する接続手段とを用いて構成している。こ
のため、針棒は上記他端に対して、針棒の揺動方向、す
なわち案内溝の形成された方向へは極めて自由に移動す
ることができ、その案内溝と直交する方向、すなわち針
棒の軸方向へは極めて良好に上記他端から駆動力を伝達
される。
【0016】よって、上記針棒連竿の他端から針棒へ
は、その針棒を上記揺動方向へ揺動させる力やその針棒
を軸回りに回転させる力が伝達され難くなるとと共に、
上記摺動方向の力が良好に伝達されるようになる。従っ
て、本発明では、針振り量を正確に制御すると共に、針
棒がその軸回りに回転するのを良好に防止しつつ針棒
実に摺動させ、縫い目を良好に形成することができ
る。
【0017】請求項記載の発明は、請求項記載の構
成に加え、上記針棒が上記摺動方向に摺動するのを許可
しつつ、上記針棒がその針棒の軸回りに回転するのを禁
止する第2案内手段を、更に備えたことを特徴としてい
る。本発明では、第2案内手段が、針棒が上記摺動方向
に摺動するのを許可しつつ、その針棒が軸回りに回転す
るのを禁止する。このため、本発明では、請求項記載
の発明の効果に加えて、針棒がその軸回りに回転するの
を一層良好に防止して、縫い目を一層良好に形成するこ
とができるといった効果が生じる。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面と共に説明する。図1は、本発明が適用されたミシン
の針振り装置1の構成を表す分解斜視図である。図1に
示すように、この針振り装置1では、図示しないミシン
のアームに揺動自在に設けられた針棒台2には針棒3が
その針棒3の軸方向に摺動可能に支持され、この針棒3
には、所定の位置にガイド手段としての針棒抱き5が固
定されている。
【0022】一方、一端7aが鉛直面内の円Cに沿って
円運動する針棒連竿7の他端7bは、接続手段としての
角コマ9を介して針棒抱き5に接続されている。なお、
針棒抱き5の角コマ9側には、針棒3と直交する方向
(以下左右方向という)に断面矩形に形成された案内溝
5aが形成され、角コマ9はこの案内溝5aに左右方向
に移動自在に係合する。また、針棒連竿7の他端7bの
角コマ9を設けた側と反対側には角コマ11が設けら
れ、この角コマ11が針棒連竿案内13の垂直溝13a
に係合することによって、他端7bは垂直方向にのみ移
動可能に案内されている。すなわち、針棒連竿案内13
は第1案内手段に相当する。
【0023】更に、針棒台2の側面には第2案内手段と
しての平板状の針棒案内15が固定されている。この針
棒案内15には、針棒3に沿って伸びる長穴15aが形
成され、この長穴15aには、針棒抱き5の側面から突
出した突起5bが係合している。また、針棒台2の下端
には、揺動軸17を中心にして揺動する揺動手段として
の揺動レバー19の先端が角コマ21を介して接続され
ている。
【0024】このように構成された針振り装置1では、
駆動源としての図示しないミシンモータによって回転駆
動される上軸100から針棒連竿7に加わる力を、角コ
マ9を介して針棒3に伝達し、それによって針棒3を軸
方向に摺動させることができる。また、図示しない他の
ステッピングモータによって揺動駆動される揺動軸17
から揺動レバー19に加わる力を、角コマ21を介して
針棒台2に伝達し、それによって針棒3を左右に揺動さ
せることができる。そして、この両者の共働により、千
鳥縫い,穴かがり縫い等の縫製を実行することが可能と
なる。
【0025】また、この針振り装置1では、次のように
して針振り量を正確に制御すると共に、針棒3がその軸
回りに回転するのを防止することができる。前述のよう
に、針棒連竿7の一端7aは円Cに沿って円運動し、他
端7bは針棒連竿案内13の垂直溝13aによって垂直
方向に案内される。このとき、角コマ9は、針棒3がそ
の角コマ9に対して左右方向(針棒3の揺動方向)に移
動するのを許可しつつ、上軸100から針棒連竿7を介
して他端7bに加えられる駆動力を、針棒3にその針棒
3の摺動方向にのみ伝達する。
【0026】すなわち、角コマ9は案内溝5aに沿って
極めて自由に移動できるので、角コマ9から針棒3へ
は、その針棒3を上記揺動方向へ揺動させる力も、その
針棒3を軸回りに回転させる力も伝達されず、上記摺動
方向の力のみが伝達される。この状況を、図2を用いて
更に詳しく説明する。
【0027】角コマ9は案内溝5aに沿って自由に移動
できるので、案内溝5aと角コマ9との間に作用する力
は案内溝5aの壁面に垂直な力となる。また、角コマ1
1を介して角コマ9と垂直溝13aとの間に作用する力
も、同様に垂直溝13aの壁面に垂直な力となる。この
ため、角コマ9に針棒連竿7から図2に示す力F1 が加
わったとすると、この力F1 は、水平方向の力F2 と案
内溝5aの壁面に垂直な力F3 とに分解される。このう
ち、力F2 は角コマ11を介して針棒連竿案内13に加
えられる力であるから、針棒3の運動に何等影響を及ぼ
さない。一方、力F3 は角コマ9から針棒抱き5を介し
て針棒3に伝達される力である。この力F3 は針棒3の
軸に平行であるから、針棒3には、その針棒3を上記揺
動方向へ揺動させる力も、その針棒3を軸回りに回転さ
せる力も伝達されないのである。
【0028】従って、針振り装置1では、針振り量を正
確に制御すると共に、針棒3がその軸回りに回転するの
を防止して縫い目を良好に形成することができる。ま
た、他端7bに加わった駆動力は、角コマ9と案内溝5
aとの接触面を介して極めて良好に針棒3へ伝達され
る。従って、針振り装置1では、針棒3を一層確実に摺
動させて、縫い目を一層良好に形成することができる。
【0029】また、針振り装置1では、針棒抱き5の突
起5bが針棒案内15の長穴15aに係合しているの
で、この係合によっても針棒3が軸回りに回転するのを
禁止することができる。このため、針振り装置1では、
針棒3がその軸回りに回転するのを更に一層良好に防止
して、縫い目を極めて良好に形成することができる。
【0030】なお、本発明は上記実施の形態に何等限定
されるものではなく、本発明の技術範囲に属する限り種
々の形態で実施できる。例えば、上記実施の形態では、
案内溝5aを有する針棒抱き5と角コマ9とで駆動力伝
達手段を構成しているが、他端7bに丸い軸を設けて案
内溝5aに直接係合させてもよい。続いて、本発明の参
考例について説明する。
【0031】図3に示すミシンの針振り装置31は、駆
動力伝達手段に関わる構成のみが針振り装置1と異なっ
ている。そこで、相違点のみを図示すると共にその相違
点を説明する。針棒3には、突起35bを有する点を除
いては前述の針棒抱き95と同様に構成された針棒抱き
35が、所定の位置に固定されている。この突起35b
は、前述の突起5bと同様、長穴15aに係合して針棒
3の回転を防止するものである。また、針棒連竿7の他
端7bには、針振り装置1と同様に角コマ11が設けら
れ、更に、その他端7bは、前述のリンク99と同様に
構成されたリンク39を介して針棒抱き35に接続され
ている。
【0032】このように構成された針振り装置31で
も、他端7bは針棒連竿案内13の垂直溝13aによっ
て垂直方向に案内され、針棒連竿7を介して他端7bに
加えられる駆動力が針棒3にその揺動方向に伝達される
のを抑制することができる。このため、上記駆動力の影
響が針振り量に反映されるのを抑制しつつ上記駆動力を
リンク39を介して針棒3に伝達し、正確に針振り量を
制御することができる。また、突起35bと長穴15a
とが係合しているので、針棒3がその軸回りに回転する
のを防止して縫い目を良好に形成することもできる。
【0033】本参考例の針振り装置31では、リンク3
9の角度によっては他端7bに伝達された駆動力が針棒
3の揺動方向に若干作用することがあるので、針振り装
置1に比べると針振り量の安定性に欠ける。次に、針棒
連竿7の他端7bを針棒抱きに直結した従来の針振り装
置と共に上記実施の形態,参考例の針振り装置1,31
を試作し、その性能を比較した。
【0034】図4は、上記従来の針振り装置(A)と、
針振り装置31(B)と、針振り装置1(C)とをそれ
ぞれ試作し、針棒台2の振り量を0mmまたは4mmに設定
して縫い針先端の振り幅を測定したものである。なお、
上記測定時のミシンの回転数は、それぞれ4000sp
mとした。また、針振り装置91では、前述した針棒9
3の回転の影響により、4000spmでは運転不能と
なった。
【0035】図4に示すように、従来のミシンでは振り
量0mmにおける縫い針先端の振り幅が1.352mmであ
ったのに対し、針振り装置31では0.264mm、針振
り装置1では0.108mmといずれも針落ち点を安定化
することができ、特に、針振り装置1において著しい効
果が観察された。振り量4mmの場合も同様に、従来のミ
シンでは縫い針先端の振り幅が5.04mmであったのに
対し、針振り装置31では4.20mm、針振り装置1で
は3.88mmといずれも針振り量を正確に制御すること
ができ、特に、針振り装置1において著しい効果が観察
された。
【0036】このように、具体的な実験結果によっても
証明されたように、針振り装置1及び31では、針振り
量を正確に制御すると共に針棒がその軸回りに回転する
のを良好に防止して縫い目を良好に形成することができ
る。そして、針振り装置1では、上記効果が一層良好に
発揮される。また、針振り装置1及び31では、針棒連
竿案内13を右または左に変位させることにより、針棒
3を垂直溝13aに対してその針棒3の揺動方向に変位
して配設した場合、次のような効果も生じる。
【0037】剣先51(図5)は、針棒3の先端に装着
された縫い針が下死点から上昇しつつあるとき、その縫
い針に挿入された糸を捕捉する。ここで、針棒3を前述
のように揺動させると、その揺動角の変化に応じて剣先
51が縫い針に出会うタイミングが変化し、その時点に
針棒連竿7の一端7aが配設される円C上の回転位置が
変化する。このため、針棒連竿7の他端7bを針棒抱き
に直結した従来のミシンでは、図5(A)に示すよう
に、剣先51が縫い針に出会うときの他端7bの高さは
次のように変化する。すなわち、図5(A)に点P1 ,
P2 ,P3 として示すように、縫い針を図示右側へ振る
ほど他端7bの高さが高くなる。すると、剣先51が縫
い針に出会うときの縫い針の高さも同様に変化し、縫い
針に挿入された糸を剣先51で捕捉できずに縫い目が形
成されない、いわゆる目飛びが発生する可能性もある。
なお、上記出会いにおける縫い針の高さは、高すぎても
低すぎても良好な縫い目が形成されない。
【0038】これに対して、例えば針振り装置31に対
して垂直溝13aを図示左方向に変位して配設した場
合、図5(B)に示すように、上記出会いにおける縫い
針の高さが針棒3の揺動角に応じて変化するのを抑制す
ることができる。すなわち、針棒連竿7の他端7bは針
棒3の揺動角に関わらず垂直溝13aに沿って移動する
ので、図5(B)に点P1 ,P2 ,P3 として示すよう
に、上記出会いのタイミングにおける他端7bの位置は
針棒3の揺動角が変わってもあまり変化しない。この効
果は、垂直溝13aが変位して配設されていない場合で
もある程度生じるが、針棒連竿7の一端7aが円C上を
図示時計回りに回転する場合、垂直溝13aを図示左方
向に変位させた方が、点P1 〜P3 の高さの変化を一層
良好に抑制することができる。
【0039】更に、針振り装置31では、縫い針を図示
右側へ振るほどリンク39が横倒しになる。このため、
針棒抱き35の高さの上記揺動に応じた変化は、図に点
P1 ′,P2 ′,P3 ′として示すように極めて小さく
なる。針振り装置1ではリンク39を使用していないた
めこれとは若干原理が異なるが、垂直溝13aを適宜変
位させることにより針棒抱き35の高さの変化を抑制す
ることができる。
【0040】このことを検証する実験結果を表1に示
す。なお、表1のAは図5(A)に例示した従来の針振
り装置、Bは針振り装置31において垂直溝13aを左
へ2mm変位させたもの、Cは針振り装置1において垂直
溝13aを変位させなかったもの、Dは針振り装置31
において垂直溝13aを変位させなかったもの、をそれ
ぞれ表す。また、この表1には、各々の針振り装置にお
いて縫い針を最も左,中央,または最も右へ振ったとき
に、縫い針が剣先51に出会うときの、針穴から剣先5
1の上面に至る高さ(単位mm)を表示した。
【0041】
【表1】
【0042】このように、上記実施の形態では、剣先5
1が縫い針に出会うときの縫い針の高さが針棒3の揺動
角に応じて変化するのを抑制して、目飛びのない一層良
好な縫い目を形成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したミシンの針振り装置を表す
分解斜視図である。
【図2】 その針振り装置の動作原理を表す説明図であ
る。
【図3】 その針振り装置の駆動力伝達手段の変形例を
表す斜視図である。
【図4】 上記各針振り装置の効果を表す実験データで
ある。
【図5】 図3の針振り装置の出会いに関わる効果を表
す説明図である。
【図6】 従来のミシンの針振り装置の構成を表す斜視
図である。
【符号の説明】
1,31,91…針振り装置 2…針棒台
3,93…針棒 5,35,95…針棒抱き 5a…案内溝 5
b,35b…突起 7,97…針棒連竿 9,11,21…角コマ
13…針棒連竿案内 13a…垂直溝 15…針棒案内 15a…長穴
17…揺動軸 19…揺動レバー 39,99…リンク 51…剣
先 100…上軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蒲野 淳 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー工業株式会社内 (72)発明者 柴田 到 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−176391(JP,A) 実開 昭49−1162(JP,U) 実公 昭46−36742(JP,Y1) 実公 昭39−2158(JP,Y1) 実公 昭37−32366(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05B 1/00 - 97/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針棒をその針棒の軸方向に摺動可能に支
    持する針棒台と、 上記針棒を、上記針棒台と共に鉛直面内で揺動させる揺
    動手段と、 一端が、駆動源から供給される駆動力によって上記鉛直
    面と平行な鉛直面内を円運動すると共に、他端が上記針
    棒に連動する針棒連竿と、 を備えたミシンの針振り装置であって、上記針棒の揺動方向に形成された案内溝を有し、上記針
    棒と一体に摺動するガイド手段と、 上記針棒連竿の他端に設けられ、上記案内溝に移動自在
    に係合することによって、上記針棒連竿の他端を上記案
    内溝に沿って移動可能に上記ガイド手段に接続する接続
    手段と、 上記針棒連竿の他端の上記接続手段を設けた側と反対側
    に設けられた角コマと、 該角コマと係合することによって、上記他端 を垂直方向
    に案内する垂直溝と、 を備えたことを特徴とするミシンの針振り装置。
  2. 【請求項2】 上記針棒が上記摺動方向に摺動するのを
    許可しつつ、上記針棒がその針棒の軸回りに回転するの
    を禁止する第2案内手段を、 更に備えたことを特徴とする請求項記載のミシンの針
    振り装置。
JP03166999A 1999-02-09 1999-02-09 ミシンの針振り装置 Expired - Fee Related JP3498618B2 (ja)

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