JP3497621B2 - カルボン酸エステル製造触媒の酸化・還元活性化法 - Google Patents

カルボン酸エステル製造触媒の酸化・還元活性化法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルデヒドとアル
コール及び分子状酸素からカルボン酸エステルを製造す
る際に使用する触媒の活性化法に関する。
【0002】
【従来の技術】工業的に有用なメタクリル酸メチル(以
下、MMAと略記する。)又はアクリル酸メチルを製造
する方法としてメタクロレインからメタクリル酸を製造
し、さらにMMAに変換する直酸法と呼ばれる製法が既
に工業化されている。しかしながら、メタクロレインを
酸化しメタクリル酸とする工程の収率は、長年にわたる
触媒改良により80%台前半まで改善されてきている
が、依然として低く改良の余地が大きい。また使用され
るヘテロポリ酸触媒は、熱的安定性にもともと難点があ
り、反応温度条件下で分解が徐々に進行する。耐熱性を
向上させるための触媒改良が報じられているものの、工
業触媒としては触媒寿命が未だ不十分といわれる。
【0003】一方、メタクロレイン又はアクロレインを
メタノールと分子状酸素と反応させて、一挙にメタクリ
ル酸メチル又はアクリル酸メチルを製造する新しいルー
トが近時脚光をあびている。メタクロレイン又はアクロ
レインをメタノール中で分子状酸素と反応させることに
よって行われ、パラジウムを含む触媒の存在が必須であ
る。
【0004】従来、この製法はアルデヒドの分解反応を
併発して炭化水素や炭酸ガスが生成し、目的とするカル
ボンエステルの収率が低く、またカルボン酸エステルの
生成反応と並行してアルコール自身の酸化による異種の
アルデヒド及びそのアルデヒドから異種のカルボン酸エ
ステル(例えば、アルコールとしてメタノールを用いた
場合は蟻酸メチル、エタノールの場合は酢酸エチル)が
副生し、アルコール基準の選択性も悪かった。しかも触
媒活性を長期にわたり維持できないという欠点もあっ
た。特に工業的実用価値の高いメタクロレインやアクロ
レインなどのα・β−不飽和アルデヒドを出発原料とし
た場合には、これら反応中間体の安定性が一段と低いた
め反応中に多量の炭酸ガスやオレフィン(メタクロレイ
ンの場合はプロピレン)などの分解生成物が発生し、実
用化レベルにはほど遠かった。
【0005】本発明者らは特公昭57−35856号、
特公昭57−35857号、特公昭57−35859号
の各公報でパラジウム、鉛を含む触媒系を提案し、メタ
クロレイン又はアクロレインを基準とした当該メチルエ
ステルへの選択率を大幅に改善し90%を超える高い値
となることを示しているが、反応温度は高々50℃まで
であった。引き続き、特公昭62−7902号公報では
パラジウムと鉛とが簡単な整数比で結合した金属間化合
物を含む触媒を提案し、メタクロレイン又はアクロレイ
ンの分解反応がほぼ完全に抑止され、かつ触媒活性も長
期間失われることがない触媒系であることを示した。こ
れら新しい触媒系を使用する新製法は、上記した収率改
善及び触媒寿命改善に頭打ちの感のある直酸法に比べ、
工程が短いなどの利点もあり、工業的に有用なポリマー
原料の新しい製法として工業化が待ち望まれている。
【0006】しかしながら、工業的実施を前提として経
済的に有利な反応条件である60℃以上の高温で本反応
を実施すると、上記触媒系ではMMA選択率の低下及び
アルコール自身の酸化による蟻酸メチルの副生量が急増
する。即ち、特公昭62−7902号公報は90%を超
える高いMMA選択率が得られ、しかも蟻酸メチルは
0.03〜0.06モル/モルMMAと僅かしか生成し
ないことを例示しているが、これらはアルデヒド濃度が
10%以下でしかも反応温度も40〜60℃という穏和
な条件で実施されたものである。これらの条件では生成
するMMA濃度が低いため未反応メタノールのリサイク
ル量が多く、その結果蒸気使用量が増大し経済性を悪化
させている。しかも生産性が低く反応器も大きい。経済
性改善のためにはアルデヒド濃度及び反応温度を可及的
に高めることが望ましく、特公平5−69813号公報
ではメタクロレイン濃度20%、反応温度80℃での反
応例が示されている。ところがこのような高いメタクロ
レイン濃度及び高い反応温度条件になると90%を超え
る高いMMA選択率は得られない。しかも蟻酸メチルが
0.0923モル/モルMMAと倍増する。さらにメタ
クロレイン濃度を30%まで高めたより過酷な条件にす
ると、アルデヒドの分解反応が起こりやすくなりMMA
の選択率がさらに悪化することが、本発明者らの検討で
明らかになった。
【0007】経済性改善のため、高温、高アルデヒド濃
度下で90%を超える高いMMA選択率及び蟻酸メチル
副生の少ない触媒系の出現が待たれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルデヒド
とアルコールをパラジウム及び鉛を含む触媒と反応させ
てカルボン酸エステルを製造するに際し、アルデヒドの
濃度及び反応温度を高めて経済性を改善した反応条件に
おいても、カルボン酸エステルの選択率が高く、しかも
蟻酸メチルなどのアルコール由来の副生物の少ない触媒
を得ることを可能にする活性化法を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、カルボン酸エステル選択率が高く、しか
も蟻酸メチルなどのアルコール由来の副生物の少ない触
媒を開発すべく、パラジウム、鉛を含む触媒系につき鋭
意研究し、本発明を完成した。即ち、本発明は以下のと
おりである。 1. アルデヒドとアルコール及び分子状酸素からのカ
ルボン酸エステル製造に用いる、パラジウム/鉛担持組
成比が原子比で3/0.7〜3/1.3のパラジウム・
鉛含有担持触媒に、分子状酸素含有ガスによる酸化処理
及びこれに引き続くメタノール含有ガスもしくは水素含
有ガスによる還元処理からなる一連の酸化還元処理を少
なくとも一回施すことを特徴とするカルボン酸エステル
製造触媒の酸化・還元活性化法。 2. アルデヒドとアルコール及び分子状酸素からのカ
ルボン酸エステル製造に用いる、パラジウム/鉛担持組
成比が原子比で3/1.3より鉛含有量の多いパラジウ
ム・鉛含有担持触媒に、分子状酸素含有ガスによる酸化
処理及びこれに引き続くメタノール含有ガスもしくは水
素含有ガスによる還元処理からなる一連の酸化還元処理
を少なくとも一回施した後に、低級脂肪酸で処理するこ
とを特徴とするカルボン酸エステル製造触媒の酸化・還
元活性化法。 3. 活性化されたパラジウム・鉛含有担持触媒のパラ
ジウム/鉛の担持組成比が原子比で3/0.7〜3/
1.3であり、パラジウム/鉛金属間化合物の(11
1)面のX線回折角(2θ)が38.55〜38.70
である上記1又は2のカルボン酸エステル製造触媒の酸
化・還元活性化法。 4. アルデヒドがメタクロレイン又はアクロレインも
しくはこれらの混合物であり、アルコールがメタノール
である上記1又は2のカルボン酸エステル製造触媒の酸
化・還元活性化法。
【0010】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明者らは、特公昭62−7902号公報で提案した、パ
ラジウムと鉛が簡単な整数比で結合した金属間化合物種
である原子比3/1のPd3 Pb1 種に注目し、Pd3
Pb1 が担持されてなる担持触媒の製造につきより緻密
な研究を進めた。その結果、特公昭62−7902号公
報記載の調製法で得られるパラジウム及び鉛を含む担持
触媒は、触媒種としてPd3 Pb1 金属間化合物を含む
ものの純度が低く、しかもパラジウム・鉛金属間化合物
の結晶格子に欠陥等が多く残る触媒であることが明らか
となった。特にパラジウム、鉛の担持量を、Pd3 Pb
1 金属間化合物のパラジウム/鉛の量論組成比(原子
比)である3/1で調製した触媒は、結晶格子の欠陥が
一段と増加し、経済的に有利な条件である高温、高アル
デヒド濃度条件では、MMA選択率が却って低くなる触
媒であることも明らかとなった。
【0011】さらに研究を進めた結果、特公昭62−7
902号公報に記載の通常の調製法では、高純度で高品
位なPd3 Pb1 金属間化合物が担持されてなる触媒は
得られず、本発明で提案するところの活性化処理を該触
媒に対し施すことで、結晶格子に欠陥の少ない高品位な
Pd3 Pb1 金属間化合物を高純度で含む担持触媒が得
られることを見出した。得られた触媒は前記したような
高いアルデヒド濃度及び高い反応温度の如く過酷な反応
条件であっても高いMMA選択率を示す。
【0012】活性化の対象となるパラジウム・鉛含有担
持触媒は公知の調製法で準備することができ、代表的な
触媒調製法について説明すれば、可溶性の鉛化合物及び
塩化パラジウムなどの可溶性のパラジウム塩を含む水溶
液に、担体を加えて加温含浸させ、パラジウム及び鉛を
含浸する。ついでホルマリン、蟻酸、ヒドラジンあるい
は水素ガスなどで還元する。パラジウムを担持する前に
鉛を担持しておいてもよいし、上記説明のようにパラジ
ウム、鉛を同時に担持させるなど種々の製法が可能であ
る。
【0013】触媒成分としてパラジウム、鉛の他に異種
元素として、例えば水銀、タリウム、ビスマス、テル
ル、ニッケル、クロム、コバルト、インジウム、タンタ
ル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム、タングステ
ン、マンガン、銀、レニウム、アンチモン、スズ、ロジ
ウム、ルテニウム、イリジウム、白金、金、チタン、ア
ルミニウム、硼素、珪素などを含んでいてもよい。これ
らの異種元素は通常、5重量%、好ましくは1重量%を
超えない範囲で含むことができる。さらにはアルカリ金
属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれた少な
くとも一員を含むものは、反応活性が高くなるなどの利
点がある。アルカリ金属、アルカリ土類金属は、通常
0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜5重量%
の範囲から選ばれる。これらの異種元素、アルカリ金属
及びアルカリ土類金属化合物などは、結晶格子間に少
量、侵入したり、または結晶格子金属の一部と置換して
いてもよい。また、アルカリ金属及び/又はアルカリ土
類金属化合物は、触媒調製時にパラジウム化合物あるい
は鉛化合物を含む溶液に加えておき、担体に吸着あるい
は付着させてもよいし、あらかじめこれらを担持した担
体を利用して触媒を調製することもできる。また、反応
条件下に反応系に添加することも可能である。
【0014】触媒調製のために用いられるパラジウム化
合物あるいは鉛化合物は、例えば蟻酸塩、酢酸塩などの
有機酸塩、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩のごとき無機酸塩、
アンミン錯体、ベンゾニトリル錯体などの有機金属錯
体、酸化物、水酸化物などのなかから適宜選ばれるが、
パラジウム化合物としては塩化パラジウム、酢酸パラジ
ウムなどが、鉛化合物としては硝酸鉛、酢酸鉛などが好
適である。またアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属
化合物についても有機酸塩、無機酸塩、水酸化物などか
ら選ばれる。
【0015】担体は活性炭、シリカ、アルミナ、シリカ
アルミナ、ゼオライト、マグネシア、水酸化マグネシウ
ム、チタニア、炭酸カルシウム、活性炭などから広く選
ぶことができる。担体へのパラジウム担持量は特に限定
はないが担体重量に対して通常0.1〜20重量%、好
ましくは1〜10重量%である。鉛の担持量も特に限定
はなく担体重量に対して通常0.1〜20重量%、好ま
しくは1〜10重量%であるが、パラジウム、鉛の各担
持量よりも、むしろパラジウム/鉛の担持組成比(原子
比)が重要である。
【0016】即ち、本発明の活性化の対象となるパラジ
ウム・鉛担持触媒のパラジウム/鉛の担持組成比(原子
比)としては、3/0.7より鉛担持量が多い担持組成
比のパラジウム・鉛担持触媒を選ぶことが必要である。
好ましくは3/0.7〜3/10の範囲、より好ましく
は3/0.7〜3/3の範囲、特に好ましくは3/0.
7〜3/1.3の範囲から選ぶことである。
【0017】以下、本発明のパラジウム・鉛含有担持触
媒の活性化方法につき説明する。活性化は公知の調製法
で準備した上記のパラジウム・鉛含有担持触媒を次のよ
うな順序で実施する。 (1)分子状酸素による酸化処理。 (2)メタノールガスもしくは水素ガスによる還元処
理。 (3)必要に応じて(1)及び(2)の処理を繰り返
す。
【0018】分子状酸素による酸化処理は純粋な酸素ガ
スまたは窒素、二酸化炭素などの不活性なガスで希釈さ
れた酸素濃度0.1容量%以上の酸素含有ガスの流通下
に、触媒を好ましくは200℃以上、より好ましくは2
00〜600℃で30分間程度以上、通常1〜10時間
程度加熱することにより行われる。メタノールガスによ
る還元処理は純粋なメタノールガスまたは窒素、メタン
などの不活性なガスで希釈されたメタノール濃度0.1
容量%以上のメタノール含有ガスの流通下、常圧ないし
数気圧の圧力条件で好ましくは300〜500℃に触媒
を、通常1〜10時間加熱することにより行われる。処
理温度が300℃未満では充分な触媒性能が得にくく、
また500℃を越えると金属粒子の半融によるものと推
定される活性低下をきたし易いので好ましくない。
【0019】水素ガスによる還元処理は、水素ガス気流
中、常圧ないし数十気圧の任意の圧力下で触媒を、好ま
しくは200〜500℃に1〜10時間加熱することに
より行われる。水素還元の場合もメタノール還元と同様
に、加熱温度が高すぎると触媒の活性が低下し易く、低
すぎると充分な触媒性能が得にくい。本発明方法におい
ては、上記酸化処理及び還元処理を1回で済ますより
も、さらに繰り返し行うほうが良好な触媒性能を得るこ
とができる。この際の分子状酸素による酸化処理及びメ
タノールもしくは水素ガスによる還元処理は、先に説明
した条件と同様の条件で行われる。
【0020】還元処理は、上記した如くメタノールガス
もしくは水素ガスで行うことができるが、酸素ガスによ
る酸化処理後、メタノールガスによる還元処理を施し活
性化処理を終了するよりも、水素ガスによる還元処理を
最後に行うのがより好ましい。本発明においては、パラ
ジウム/鉛の担持組成比(原子比)が3/0.7〜3/
1.3の触媒を準備しておき、これを本発明の活性化処
理に供する。また、触媒の純度が低く、例えばパラジウ
ム/鉛の担持組成比(原子比)が3/1.3より鉛の担
持量の多い低純度の触媒を活性化する場合は、酸化還元
処理を繰り返す活性化処理後も鉛を含む不純物が多く残
るため、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン
酸、メタクリル酸等の低級脂肪酸で処理することによ
り、パラジウム/鉛の担持組成比(原子比)が3/0.
7〜3/1.3である高純度な触媒とする。
【0021】低級脂肪酸による処理は、一連の酸化還元
処理を施したパラジウム・鉛含有担持触媒を低級脂肪酸
を溶解させた水溶液もしくはメタノール溶液に分散加温
しながら行う。当該触媒に対して不活性で安定な溶剤で
あれば水、メタノール以外の溶剤を選ぶこともできる
が、実用的には水を選ぶのが好ましい。低級脂肪酸の濃
度は好ましくは0.1〜20重量%の範囲から選ばれ
る。処理温度は好ましくは室温〜200℃、より好まし
くは40〜160℃である。
【0022】別法として、本発明の活性化法で得られる
触媒を用いて行うカルボン酸エステル製造反応中に副生
するメタクリル酸などのカルボン酸を利用して、エステ
ル製造反応中に鉛を含む不純物を除去すれば、上述した
低級脂肪酸による処理を不要化することも可能である。
本発明の活性化処理を施すことで、公知の通常の製法で
得られるパラジウム・鉛含有担持触媒を、パラジウム/
鉛の担持組成比が原子比で3/0.7〜3/1.3であ
って、かつパラジウム・鉛金属間化合物の(111)面
のX線回折角(2θ)を38.55〜38.70とする
ことができ、格子欠陥の少ない、高品位なPd3 Pd1
化合物からなる活性化された高純度の担持触媒が得られ
る。さらに好ましくはパラジウム金属(3d(3/2)
+3d(5/2))/鉛金属(4f(7/2)×1.7
5)のX線光電子スペクトル強度比が1/0.2〜1/
0.7の範囲となることである。X線回折角(2θ)が
38.55未満の触媒では、アルコール基準の収率の低
下が著しく、例えば蟻酸メチルの生成が増加する。ま
た、38.70を越えるとアルデヒドの分解が顕著とな
り、アルデヒド基準の収率が低下する。また、担持鉛量
が原子比で1.3を超えると蟻酸メチルの生成が顕著と
なり、0.7未満ではアルデヒドの分解によるMMA選
択率の低下が大きい。本発明の活性化法により得られ
る、上記条件を満足する触媒を用いると、アルデヒド基
準及びアルコール基準の収率がともに改善される。
【0023】本発明の方法により、パラジウム/鉛の担
持組成比(原子比)が3/0.7〜3/1.3と3/1
に近づけた触媒で、しかも格子欠陥のないPd3 Pb1
を高純度で含む担持触媒を得ることを可能にした。原理
的には触媒への鉛担持量を可及的にパラジウム/鉛担持
組成比(原子比)で3/1の触媒を得ることが可能であ
る。公知の製法では、前記したとおりパラジウム/鉛担
持組成比(原子比)が3/1に近い組成で調製した触媒
は、MMA選択率が低かった。本発明の方法により、従
来不可能とされてきたパラジウム/鉛担持組成比(原子
比)が3/1の触媒に活性化することが可能となった。
MMA選択率の改善は勿論のこと、蟻酸メチルなどのア
ルコール由来の副生も極めて少ない触媒が得られ、しか
も触媒中に鉛を含む不純物が少ないためプロセス排水中
への鉛の流出のない触媒となることが期待でき、排水中
の鉛を無害化するための処理コストが不要となるなどの
利点があり、工業的に実施する際にはきわめて重要であ
る。
【0024】本発明の活性化法で得られるパラジウム・
鉛含有担持触媒は、アルデヒドをアルコール及び分子状
酸素と反応させてカルボン酸エステルを製造する反応に
好適に使用することができる。触媒の使用量は、反応原
料の種類、触媒の組成や調製法、反応条件、反応形式な
どによって大巾に変更することができ、特に限定はない
が、触媒をスラリー状態で反応させる場合には反応液1
リットル中に0.04〜0.5kg使用するのが好まし
い。
【0025】次に、本発明の活性化法で得られるパラジ
ウム・鉛含有担持触媒を用いるカルボン酸エステルの製
造について説明する。使用するアルデヒドとしては、例
えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、グリオキサール
などの脂肪族飽和アルデヒド、アクロレイン、メタクロ
レイン、クロトンアルデヒドなどの脂肪族α・β−不飽
和アルデヒド、ベンズアルデヒド、トリルアルデヒド、
ベンジルアルデヒド、フタルアルデヒドなどの芳香族ア
ルデヒド並びにこれらアルデヒドの誘導体などがあげら
れる。これらのアルデヒドは単独もしくは任意の二種以
上の混合物として用いることができる。
【0026】該カルボン酸エステルの製造において使用
するアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、オクタノールなどの脂肪族飽
和アルコール、エチレングリコール、ブタンジオールな
どのジオール、アリルアルコール、メタリルアルコール
などの脂肪族不飽和アルコール、ベンジルアルコールな
どの芳香族アルコールなどがあげられる。これらのアル
コールは単独もしくは任意の二種以上の混合物として用
いることができる。
【0027】アルデヒドとアルコールとの使用量比には
特に限定はなく、例えばアルデヒド/アルコールのモル
比で10/1〜1/1000のような広い範囲で実施で
きるが、一般的には1/2〜1/50の範囲で実施され
る。このカルボン酸エステルの製造反応は気相反応、液
相反応、潅液反応などの任意の従来公知の方法で実施で
きる。例えば液相で実施する際には気泡塔反応器、ドラ
フトチューブ型反応器、撹拌槽反応器などの任意の反応
器形式によることができる。
【0028】カルボン酸エステルの製造反応で使用する
酸素は、分子状酸素、すなわち酸素ガス自体又は酸素ガ
スを反応に不活性な希釈剤、例えば窒素、炭酸ガスなど
で希釈した混合ガスの形とすることができ、空気を用い
ることもできる。また、本反応を連続的に実施する際に
は、鉛を含む物質を反応器に加えながら反応を行うこと
で触媒の劣化を抑制できる。このとき、反応器出口側の
酸素分圧を0.8kg/cm2 以下とすることで、反応
器に供給する原料液中の鉛濃度を少量にして触媒の劣化
を抑制できる。反応させるアルデヒド種、アルコール種
などの反応原料、反応条件もしくは反応器形式などによ
り鉛の添加量、反応器出口の酸素分圧は特定の値に決め
がたいが、酸素条件にあわせて鉛量を決定して反応器に
供給することで、触媒のパラジウム/鉛の担持組成比
(原子比)を3/0.7〜3/1.3に、パラジウム・
鉛金属間化合物の(111)面のX線回折角(2θ)を
38.55〜38.70、パラジウム金属(3d(3/
2)+3d(5/2))/鉛金属(4f(7/2)×
1.75)のX線光電子スペクトル強度比を1/0.2
〜1/0.7と、触媒の状態を反応中も安定に維持する
ことができる。添加する鉛量が多い場合には、排水中の
鉛を無害化するための処理コストが高くなったり、また
反応副生物の蟻酸メチルの量が多くなるなど好ましくな
いため、反応器出口側の酸素分圧は0.4kg/cm2
以下として供給する鉛量を減らすのが好ましい。更に
0.2kg/cm2 以下にすることもできるが、反応に
必要な酸素を確保せねば酸素不足になり、原料アルデヒ
ドの転化率が低下したり、不都合な副生物が生成するた
めこれらの悪影響がでない範囲で選べばよい。
【0029】反応圧力は減圧から加圧下の任意の広い圧
力範囲で実施することができるが、通常は0.5〜20
kg/cm2 の圧力で実施される。反応器流出ガスの酸
素濃度が爆発範囲(8%)を越えないように全圧を設定
するとよい。このカルボン酸エステル製造反応には、反
応系にアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物
(例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩な
ど)を添加して反応系のpHを6〜9に保持することが
好ましい。特にpHを6以上にすることで触媒中の鉛成
分の溶解を防ぐ効果がある。これらのアルカリ金属もし
くはアルカリ土類金属の化合物は単独もしくは二種以上
組み合わせて使用することができる。
【0030】本発明の活性化法で得られた触媒を用いる
カルボン酸エステル製造反応は、アルデヒド濃度の高い
反応において、100℃以上の高温でも実施できるが、
好ましくは30〜100℃である。より好ましくは60
〜90℃である。反応時間は特に限定されるものではな
く、設定した条件により異なるので一義的には決められ
ないが通常1〜20時間である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に実施例、比較例を用いて本
発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例等で用いる
圧力は絶対圧力で表示し、kg/cm2 で示すことにす
る。 <Pd/Pb金属間化合物の(111)面のX線回折角
度の測定>測定は理学製RAD−RAを使用して通常の
粉末X線回折の測定手順に従い、CuKα1線(1.5
405981)を用いて、担持触媒パラジウム・鉛金属
間化合物の(111)面の回折角2θを測定した。測定
は特に高精度に行わねばならない。例えばNational Ins
titute of Standards & Technologyが標準参照物質660
として定めるところのLaB6 化合物の(111)面、
(200)面を測定し、それぞれの値を37.441、
43.506となるように規準化する。これにより測定
精度が高く再現性のよい結果が得られる。触媒は160
℃で真空排気し、3時間処理することで低分子の吸着/
吸蔵成分を除去した後、測定する。 <X線光電子スペクトルの測定>測定はVG製ESCA
LAB−200−Xを使用して行った。図2に示す如
く、ピーク分離処理した後各ピークの面積を求め、パラ
ジウム金属(3d(3/2)+3d(5/2))/鉛金
属(4f(7/2)×1.75)の面積比及び、パラジ
ウム金属(3d(3/2)+3d(5/2))/有電荷
性鉛(4f(7/2)+4f(5/2))の面積比を求
め、これをピーク強度比とした。図1、図2にそれぞれ
パラジウム(3d)、鉛(4f)の測定例を示す。 <Pd、Pb元素分析>パラジウム・鉛含有担持触媒を
王水で加熱処理し、パラジウム、鉛成分を完全に抽出
し、測定は島津製作所製AA−6400F型原子吸光光
度計を使用して行った。 <参考製造例1>シリカゾル水溶液としてスノーテック
スN−30(日産化学(株)製 商品名SiO2 分:3
0重量%)に硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウムをそ
れぞれAl/Si+Al=10モル%、Mg/Si+M
g=10モル%となるように加え溶解させた後、130
℃の温度に設定した噴霧乾燥機で噴霧乾燥して平均粒子
系60μmの球状担体を得た。300℃、ついで600
℃で焼成した後、これを担体として塩化パラジウム、硝
酸鉛を担体100重量部当たりそれぞれパラジウム、鉛
分として5重量部、4.2重量部となるように担持した
後、ヒドラジンで還元して触媒(Pd5.0Pb4.2
/Mg、Al−SiO2 と表記する。)を得た。得られ
た担持触媒のPd/Pb担持組成比は原子比で3/1.
29、パラジウム・鉛金属間化合物の(111)面のX
線回折角(2θ)は38.913度であり、パラジウム
(3d)/鉛(4f)のX線光電子スペクトルの強度比
は1/0.187であった。
【0032】
【実施例1】参考製造例1の触媒500gをガラス製容
器に充填し、酸素ガス2容量%を含有する窒素を流量6
50Nリットル/hr.で流通させながら毎時50℃の
割合で昇温し、400℃に5時間保持したのち、窒素気
流中で室温まで冷却した。次に流通ガスをメタノールガ
スを8容量%含有する窒素に切り替え650Nリットル
/hr.の流量で流通させながら、毎時50℃の割合で
昇温して400℃に到達したところで4時間保持した
後、窒素気流中で室温まで放冷した。引き続き水素ガス
を50Nリットル/hr.の流量で流通させながら、毎
時50℃の割合で昇温して300℃に到達したところで
5時間保持した後、窒素気流中で冷却した。この触媒を
分析したところPd/Pbの担持組成比(原子比)は3
/1.28、パラジウム・鉛金属間化合物の(111)
面のX線回折角(2θ)は38.621度であった。ま
たパラジウム(3d)/鉛(4f)のX線光電子スペク
トルの強度比は1/0.354であった。
【0033】この触媒240gを触媒分離器を備え、液
相部が1.2リットルの外部循環型ステンレス製気泡塔
反応器に仕込み反応を実施した。反応器に酢酸鉛を供給
原料液中の鉛濃度が20ppmとなるように溶かした3
6.7重量%のメタクロレイン/メタノール溶液を0.
54リットル/hr、NaOH/メタノール溶液を0.
06リットル/hrを連続的に反応器供給し(アルデヒ
ド濃度約33%に相当)、反応温度80℃、反応圧力5
kg/cm2 で出口酸素濃度が4.0%(酸素分圧0.
20kg/cm2 相当)となるように空気量を調整しな
がらMMA生成反応を行った。反応液のpHは7.1と
なるように反応器に供給するNaOH濃度をコントロー
ルした。10時間経過したところで反応生成物を分析し
たところ、メタクロレイン転化率は61.3%、メタク
リル酸メチルの選択率は90.8%であり、副生物とし
てプロピレンが選択率1.3%、蟻酸メチルが0.05
1モル/モルMMA生成していた。
【0034】
【比較例1】酸素処理を行わない他は実施例1と全く同
様の処理を行い、Pd/Pbの担持組成比(原子比)が
3/1.28、パラジウム・鉛金属間化合物の(11
1)面のX線回折角(2θ)は38.832度、パラジ
ウム(3d)/鉛(4f)のX線光電子スペクトルの強
度比は1/0.261の触媒を得た。この触媒240g
を実施例1と全く同様にして反応を行い、反応開始後1
0時間後に反応生成物を分析したところメタクロレイン
転化率は59.1%、メタクリル酸メチルの選択率は8
5.2%、副生物としてプロピレンが選択率5.7%、
蟻酸メチルが0.132モル/モルMMA生成してい
た。
【0035】
【実施例2】実施例1の分子状酸素による酸化処理及び
メタノールガスによる還元処理を2回繰り返した後、最
後に水素ガスによる還元処理を施した。得られた触媒を
分析したところ、Pd/Pb担持組成比(原子比)は3
/1.28、パラジウム・鉛金属間化合物の(111)
面のX線回折角(2θ)は38.605度であった。ま
たパラジウム(3d)/鉛(4f)のX線光電子スペク
トルの強度比は1/0.412あった。この触媒を実施
例1と全く同一の条件でMMA生成反応を行い、反応開
始後10時間経過したところで反応生成物を分析したと
ころ、メタクロレイン転化率は61.8%、メタクリル
酸メチル選択率は91.8%であり副生物としてプロピ
レンが選択率1.1%、蟻酸メチルが0.043モル/
モルMMA生成していた。
【0036】
【実施例3】参考製造例1の触媒を実施例1と同様の条
件で酸素ガス処理、ついで水素還元処理を行い、メタノ
ールガスによる還元処理を行わなかった。活性化された
触媒を分析したところPd/Pb担持組成比(原子比)
は3/1.28、パラジウム/鉛金属間化合物の(11
1)面のX線回折角(2θ)は38.685度であっ
た。またパラジウム(3d)/鉛(4f)のX線光電子
スペクトルの強度比は1/0.378であった。この触
媒を実施例1と全く同一の条件でMMA生成反応を行
い、反応開始後10時間経過したところで反応生成物を
分析したところ、メタクロレイン転化率は61.4%、
メタクリル酸メチル選択率は89.9%であり副生物と
してプロピレンが選択率1.9%、蟻酸メチルが0.0
53モル/モルMMA生成していた。 <参考製造例2>富士シリシア社製シリカゲル(キャリ
アクト10)にパラジウム5.0重量部、鉛を3.18
重量部担持した触媒を得た。得られた触媒のPd/Pb
の担持組成比(原子比)は3/0.98、パラジウム・
鉛金属間化合物の(111)面のX線回折角(2θ)が
38.927度であった。またパラジウム(3d)/鉛
(4f)のX線光電子スペクトルの強度比は1/0.1
83であった。
【0037】
【実施例4】参考製造例2の触媒を実施例1と同様の活
性化処理を施した。得られた触媒のPd/Pb担持組成
比は原子比で3/0.98、パラジウム・鉛金属間化合
物の(111)面のX線回折角(2θ)が38.697
度であった。またパラジウム(3d)/鉛(4f)のX
線光電子スペクトルの強度比は1/0.245であっ
た。実施例1と同一容量をもつ攪拌槽型反応器に、活性
化処理を終えた触媒200gを仕込み、反応器に酢酸鉛
を供給原料液中の鉛濃度が50ppmとなるように溶か
した36.7重量%のメタクロレイン/メタノール溶液
を0.54リットル/hr、NaOH/メタノール溶液
を0.06リットル/hr連続的に供給し、反応温度8
0℃、反応圧力5kg/cm2 で出口酸素濃度が4.0
%(酸素分圧0.20kg/cm2 相当)となるように
空気量を調整しながら反応器に空気を供給し、MMA生
成反応を行った。反応液のpHは7.1となるように反
応器に供給するNaOH濃度をコントロールした。10
時間経過したところで反応生成物を分析したところ、メ
タクロレイン転化率は59.8%、メタクリル酸メチル
選択率は89.7%であり、副生物としてプロピレンが
選択率2.08%、蟻酸メチルが0.071モル/モル
MMA生成していた。
【0038】
【実施例5】鉛の担持量を6.5重量部とした以外は参
考製造例1と全く同様にして活性化前の触媒(Pd5.
0Pb6.5/Mg、Al−SiO2 と表記する。)を
得た。得られた触媒のPd/Pbの担持組成比(原子
比)は3/1.95、パラジウム・鉛金属間化合物の
(111)面のX線回折角(2θ)は38.745度で
あり、パラジウム金属(3d)/鉛金属(4f)のX線
光電子スペクトルの強度比は1/0.24であった。こ
の触媒を実施例1と同様の活性化処理を施した後、触媒
300g及び酢酸を10重量%含む水を3リットルオー
トクレーブに仕込み、連続的に酢酸を10重量%含む水
を1リットル/hr.供給し10時間、90℃で攪拌を
続けた。得られた触媒のPd/Pb担持組成比(原子
比)は3/1.25、パラジウム・鉛金属間化合物の
(111)面のX線回折角(2θ)は38.611度で
あった。またパラジウム(3d)/鉛(4f)のX線光
電子スペクトルの強度比は1/0.212であった。こ
の触媒を実施例4と全く同一の条件でMMA生成反応を
行い、反応開始後10時間経過したところで反応生成物
を分析したところ、メタクロレイン転化率は62.3
%、メタクリル酸メチル選択率は90.2%であり副生
物としてプロピレンが選択率1.3%、蟻酸メチルが
0.049モル/モルMMA生成していた。
【0039】
【実施例6〜9】実施例1と同様の活性化操作を施し実
施例6〜9の触媒を得た。得られた触媒のPd/Pb担
持組成比(原子比)、パラジウム・鉛金属間化合物の
(111)面のX線回折角(2θ)、パラジウム金属
(3d)/鉛金属(4f)のX線光電子スペクトルの強
度比及び反応生成物の成績を表1にまとめた。比較のた
め実施例4と全く同一の条件で反応を行った。
【0040】
【表1】
【0041】
【実施例10】実施例6の活性化を終えた触媒を用い
て、メタクロレインにかえてアクロレインを反応させた
以外は実施例9と同様の操作及び反応条件で反応を行
い、反応生成物を分析したところアクロレイン転化率は
61.9%、アクリル酸メチル選択率は90.5%であ
り副生物としてエチレンが選択率1.45%、蟻酸メチ
ルが0.065モル/モルMA生成していた。
【0042】
【発明の効果】本発明の活性化する方法により、アルデ
ヒドとアルコールを分子状酸素と反応させてカルボン酸
エステルを製造するに際し、アルデヒドの濃度及び反応
温度を高めて経済性を改善した反応条件においても、ア
ルデヒドおよびアルコール基準の収率を同時に改善する
触媒の提供を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】Pd(4d)のX線光電子スペクトル例を示す
スペクトル図である。
【図2】Pb(4f)のX線光電子スペクトル及びカー
ブフィッティング結果を示すスペクトル図である。
【符号の説明】
1 Pb4f7/2(Pb0) 2 Pb4f5/2(Pb0) 3 Pb4f7/2(PbOX) 4 Pb4f5/2(PbOX) 5 Si2sのX線サテライト (MgKα3) 6 Si2sのX線サテライト (MgKα4)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルデヒドとアルコール及び分子状酸素
    からのカルボン酸エステル製造に用いる、パラジウム/
    鉛担持組成比が原子比で3/0.7〜3/1.3のパラ
    ジウム・鉛含有担持触媒に、分子状酸素含有ガスによる
    酸化処理及びこれに引き続くメタノール含有ガスもしく
    は水素含有ガスによる還元処理からなる一連の酸化還元
    処理を少なくとも一回施すことを特徴とするカルボン酸
    エステル製造触媒の酸化・還元活性化法。
  2. 【請求項2】 アルデヒドとアルコール及び分子状酸素
    からのカルボン酸エステル製造に用いる、パラジウム/
    鉛担持組成比が原子比で3/1.3より鉛含有量の多い
    パラジウム・鉛含有担持触媒に、分子状酸素含有ガスに
    よる酸化処理及びこれに引き続くメタノール含有ガスも
    しくは水素含有ガスによる還元処理からなる一連の酸化
    還元処理を少なくとも一回施した後に、低級脂肪酸で処
    理することを特徴とするカルボン酸エステル製造触媒の
    酸化・還元活性化法。
  3. 【請求項3】 活性化されたパラジウム・鉛含有担持触
    媒のパラジウム/鉛の担持組成比が原子比で3/0.7
    〜3/1.3であり、パラジウム/鉛金属間化合物の
    (111)面のX線回折角(2θ)が38.55〜3
    8.70である請求項1記載のカルボン酸エステル製造
    触媒の酸化・還元活性化法。
  4. 【請求項4】 アルデヒドがメタクロレイン又はアクロ
    レインもしくはこれらの混合物であり、アルコールがメ
    タノールである請求項1記載のカルボン酸エステル製造
    触媒の酸化・還元活性化法。
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