JP3497308B2 - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JP3497308B2
JP3497308B2 JP33489695A JP33489695A JP3497308B2 JP 3497308 B2 JP3497308 B2 JP 3497308B2 JP 33489695 A JP33489695 A JP 33489695A JP 33489695 A JP33489695 A JP 33489695A JP 3497308 B2 JP3497308 B2 JP 3497308B2
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弘子 宇田川
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尚子 西田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬物の経皮投与に
使用される貼付剤に関し、さらに詳細には、薬物の皮膚
透過性に優れ、かつ貼付による皮膚刺激性が少ない貼付
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、全身もしくは局部での薬効を
得るために、経皮吸収製剤を用いて、薬物(生理活性物
質)を皮膚を介して投与(経皮投与)することが行われ
ている。この投与法は、従来の経口投与法に比べて利点
が多い。例えば、薬物の経口投与法では、腸で吸収され
た薬物がまず肝臓へ循環して代謝を受けるため、薬効を
発揮する前にかなりの量の薬物が分解されてしまう。こ
れに対して、経皮投与法では吸収される薬物は体内での
初回循環時に肝臓を通過しないので、肝臓での代謝によ
る薬効の減少を抑えることができる。また、経口投与で
起こる胃腸障害も回避することができる。さらに、薬物
の吸収量をコントロールすれば、長時間にわたって一定
の血中濃度の維持が可能であり、急激な薬物吸収による
副作用を軽減したり、薬物の投与回数を減らすこともで
きる。
【0003】しかし、現在の貼付剤には、次のような問
題点がある。 (イ)単位面積当たりの薬物透過量が少なくなると、常
用量を得るために必要な貼付面積が大きくなり、皮膚刺
激を受ける部分が増え違和感も大きくなる。 (ロ)薬物の皮膚透過性を向上させる目的で吸収促進剤
が用いられるが、吸収促進剤の中には界面活性剤等のよ
うに皮膚刺激性の高いものが多い。
【0004】このような問題点を解決するため、例え
ば、特開平3−31217号公報では、吸収促進剤とし
て、エイゾンとプロピレングリコールならびに数種のエ
ステル又はアミド化合物を併用する方法が提案されてい
る。しかしながら、エイゾンの使用は、皮膚吸収性を高
める効果がある反面、皮膚刺激を起こすという問題点が
あった。
【0005】また、特開平2−115131号公報で
は、低級アルコールとエイゾンなどの吸収促進剤に、皮
膚刺激を低減する目的でグリセリンを併用する方法が提
案されている。しかしながら、皮膚刺激を低減する効果
は個人差があるため、全ての人に安全であるとはいえな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、薬物の経皮
吸収性能が高く、かつ貼付による皮膚刺激が低い貼付剤
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下第1発明という)の貼付剤は、支持体の片面に、アク
リル系粘着剤、米発酵エキス、多価アルコール及び薬物
を含有する粘着剤層が形成されていることを特徴とする
ものである。
【0008】第1発明で用いられる粘着剤層は、アクリ
ル系粘着剤を基剤とし、米発酵エキス、多価アルコール
及び薬物を含有する粘着剤組成物から形成される。
【0009】上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルの(共)重合体;(メタ)
アクリル酸アルキルエステルと官能性モノマーとの共重
合体が挙げられる。
【0010】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソ
オクチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アク
リル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルブチル、(メタ)アクリル酸ス
テアリル、(メタ)アクリル酸トリメチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸イソデシル等が挙げられる。
【0011】上記官能性モノマーとしては、水酸基を有
するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、アミ
ド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマー等が
挙げられる。
【0012】上記水酸基を有するモノマーとしては、例
えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられる。上
記カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸ブチル等
が挙げられる。上記アミド基を有するモノマーとして
は、例えば、アクリルアミド、エトキシメチルアクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。上
記アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、アクリ
ル酸ジメチルアミノエチル等が挙げられる。その他の官
能性モノマーとしては、例えば、ビニルピロリドン等が
挙げられる。
【0013】上記官能性モノマーには、必要に応じて、
さらに多官能性モノマーである、ジ(メタ)アクリレー
ト、トリ(メタ)アクリレートなどを添加してもよい。
【0014】上記米発酵エキスは、米糠を蒸すか炊くか
して、これに酵素、酵母等を添加し、発酵して得られる
発酵生成物を圧搾濾過して加熱殺菌することにより得ら
れる。上記米発酵エキスには、水、エタノール、各種ア
ミノ酸等が含まれるので、上記アクリル系粘着剤が水、
エタノールと相溶性が低い場合には、米発酵エキスを減
圧濃縮して濃縮液として配合することも可能である。
【0015】上記米発酵エキス又はその濃縮液の配合量
は、未濃縮米発酵エキスに換算して、米発酵エキス及び
多価アルコールを除く粘着剤組成物100重量部に対し
て0.5〜80重量部が好ましい。
【0016】上記多価アルコールとしては、炭素数2以
上、水酸基数2以上のものが好ましく、例えば、プロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、グリセリン、ポリグリセリン及びこれ
らのブロック共重合体等が挙げられ、これらの中で特に
グリセリンが好ましい。
【0017】上記多価アルコールの配合量は、米発酵エ
キス及び多価アルコールを除く粘着剤組成物100重量
部に対して0.5〜20重量部が好ましい。
【0018】また、上記米発酵エキスと多価アルコール
は混合液として配合され、その配合量は、少なくなると
皮膚刺激を抑制する効果がなく、多くなると粘着剤層の
粘着力や凝集力が低下するので、米発酵エキス及び多価
アルコールを除く粘着剤組成物100重量部に対して1
〜100重量部が好ましい。
【0019】上記薬物としては、経皮吸収されるもので
あれば、特に制限はなく、例えば、解熱消炎鎮痛剤、ス
テロイド系抗炎症剤、血管拡張剤、高血圧・不整脈剤、
血圧降下剤、鎮咳去痰剤、抗腫瘍剤、局所麻酔剤、ホル
モン剤、喘息・アレルギー性鼻炎治療剤、抗ヒスタミン
剤、抗凝血剤、鎮けい剤、脳循環・代謝改善剤、抗うつ
・抗不安剤、ビタミンD製剤、経口血糖降下剤、抗潰瘍
剤、睡眠剤、抗生物質などが挙げられる。
【0020】上記薬物の配合量は、少なくなると薬効が
発現せず、一定量以上多くしても吸収量が飽和状態にな
るので、粘着剤組成物中0.1〜30重量%が好まし
い。
【0021】次に、請求項2記載の発明(以下第2発明
という)について説明する。第2発明の貼付剤は、支持
体の片面に、アクリル系粘着剤、吸水性ポリマー、米発
酵エキス及び薬物を含有する粘着剤層が形成されている
ことを特徴とするものである。
【0022】第2発明で用いられる粘着剤層は、アクリ
ル系粘着剤を基剤とし、吸水性ポリマー、米発酵エキス
ならびに薬物を含有する粘着剤組成物から形成される。
【0023】第2発明で用いられる粘着剤としては、第
1発明で用いられるものと同様な粘着剤が使用可能であ
る。
【0024】第2発明で用いられる吸水性ポリマーとし
ては、カルボキシビニルポリマー、結晶セルロース、架
橋型ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ア
ルギン酸、ゼラチン、デンプン等が挙げられ、これらは
単独で用いられてよく、二種以上が併用されてもよい。
【0025】第2発明における粘着剤組成物中、上記吸
水性ポリマーの配合量は、0.1〜40重量%が好まし
く、より好ましくは1〜30重量%である。吸水性ポリ
マーの使用量は、少なくなると効果が発現せず、多くな
ると発汗時の貼付性を悪化させたり、剥がれたり糊残り
が起こる。
【0026】第2発明で用いられる米発酵エキスとして
は、第1発明で用いられるものと同様な米発酵エキスが
使用可能である。上記米発酵エキス又はその濃縮液の配
合量は、未濃縮米発酵エキスに換算して、米発酵エキス
を除く粘着剤組成物100重量部に対して1〜80重量
部が好ましい。
【0027】第2発明で用いられる薬物としては、第1
発明で用いられるものと同様な薬物が使用可能である。
【0028】上記薬物の配合量は、少なくなると薬効が
発現せず、一定量以上多くしても吸収量が飽和状態にな
るので、粘着剤組成物中0.1〜30重量%が好まし
い。
【0029】次に、請求項3記載の発明(以下第3発明
という)について説明する。第3発明の貼付剤は、支持
体の片面に、アクリル系エマルジョン型粘着剤、米発酵
エキス及び薬物を含有する粘着剤層が形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0030】第3発明で用いられる粘着剤層は、アクリ
ル系エマルジョン型粘着剤、米発酵エキスならびに薬物
を含有する粘着剤組成物から形成される。
【0031】上記アクリル系エマルジョン型粘着剤は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを乳化剤の存在下
で重合するか、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
官能性モノマーとを乳化剤の存在下で重合することによ
り得られる。
【0032】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
及び官能性モノマーとしては、第1発明と同様な成分が
用いられる。
【0033】上記乳化剤としては、上記モノマー及び重
合体を水溶液中に良好に分散させるものであって、貼付
性や薬物安定性に悪影響を与えないものであれば、特に
制限はなく、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル等の非イオン界面活性剤;アミノ酢酸等の両イオン
界面活性剤が好適に用いられる。
【0034】第3発明における粘着剤組成物中、上記ア
クリル系エマルジョン型粘着剤の配合量は、55〜99
重量%が好ましい。
【0035】第3発明で用いられる米発酵エキスとして
は、第1発明で用いられるものと同様な米発酵エキスが
使用可能である。上記米発酵エキス又はその濃縮液の配
合量は、未濃縮エキスに換算して、米発酵エキスを除い
た他の粘着剤組成物100重量部に対して、0.5〜8
0重量部が好ましい。
【0036】上記米発酵エキスは酸性を呈するため、ア
クリル系エマルジョン型粘着剤を不安定にすることがあ
り、このような場合には、無機塩、アルキルアミン等の
pH調節剤により米発酵エキスのpHを調節した後添加
すればよい。
【0037】第3発明で用いられる薬物としては、第1
発明で用いられるものと同様な薬物が使用可能である。
上記薬物の配合量は、少なくなると薬効が発現せず、一
定量以上多くしても吸収量が飽和状態になるので、粘着
剤組成物中0.1〜30重量%が好ましい。
【0038】第1発明〜第3発明で用いられる粘着剤組
成物には、必要に応じて、流動パラフィン、脂肪酸エス
テル等の軟化剤;ケイ酸、タルク、炭酸カルシウム等の
充填剤;ブチルヒドロキシトルエン等の安定化剤などが
添加されてもよい。
【0039】次に、請求項4記載の発明(以下第4発明
という)について説明する。第4発明の貼付剤は、支持
体の片面に、水溶性ポリマー、米発酵エキス及び薬物を
含有する粘着剤層が形成されていることを特徴とするも
のである。
【0040】第4発明で用いられる粘着剤層は、水溶性
ポリマー、米発酵エキスならびに薬物からなる粘着剤組
成物から形成される。
【0041】上記水溶性ポリマーとしては、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、デキス
トラン等が挙げられ、これらは単独で用いられてよく、
二種以上が併用されてもよい。
【0042】粘着剤組成物中、上記水溶性ポリマーの配
合量は、0.1〜50重量%が好ましく、より好ましく
は1〜30重量%である。
【0043】第4発明で用いられる米発酵エキスとして
は、第1発明で用いられるものと同様な米発酵エキスが
使用可能である。上記米発酵エキス又はその濃縮液の配
合量は、未濃縮エキスに換算して、米発酵エキスを除い
た他の粘着剤組成物中、1〜30重量%が好ましい。
【0044】第4発明で用いられる粘着剤組成物には、
通常の親水性粘着剤に用いられる添加剤を配合してもよ
い。このような添加剤としては、多価金属化合物等の架
橋剤;グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトー
ル等の保湿剤;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレン脂肪酸エステル等の溶解剤;軟化剤;ケイ酸、
タルク等の充填剤の他、粘ちょう剤、安定化剤、pH調
節剤などが挙げられる。
【0045】第4発明で用いられる薬物としては、第1
発明で用いられるものと同様な薬物が使用可能である。
上記薬物の配合量は、少なくなると薬効が発現せず、一
定量以上多くしても吸収量が飽和状態になるので、粘着
剤組成物中0.1〜30重量%が好ましい。
【0046】本発明の貼付剤は、上記粘着剤を、必要に
応じて、水又は、エタノール、酢酸エチル、シクロヘキ
サノン、アセトン等の溶剤に溶解し、さらに他の成分を
添加混合して粘着剤組成物を調製した後、該組成物を支
持体上に展延し、必要に応じて、乾燥して粘着剤層を形
成することにより得られる。
【0047】本発明で用いられる支持体としては、柔軟
性を有する、合成樹脂フィルム、織布、不織布等が好適
に用いられ、素材としては、ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリアミド等が好ましい。これら
は単独で用いてもよく、2層以上を積層して用いてもよ
い。また、支持体には、アルミ等の金属の蒸着層が設け
られてもよく、素材中に無機物が添加されてもよい。
【0048】(作用)本発明において、米発酵エキスの
詳細な作用は分かっていないが、その有効成分は水溶性
であり、皮膚角質層に移行して皮膚の機能を損なわずに
薬物透過性を促進するものとおもわれる。さらに、米発
酵エキスを濃縮することにより、吸収促進効果を低下さ
せずに、含有されるエタノールを除去することができ、
低刺激性にすること可能である。
【0049】第1発明において、多価アルコールを併用
することにより、皮膚の水分を粘着剤層に導き、米発酵
エキス有効成分の働きを促進するものと考えられる。ま
た、米発酵エキスは水溶性であるため、一般に疎水性の
高い粘着剤には均一に配合し難い。しかし、アクリル系
粘着剤溶液に米発酵エキスと多価アルコールとの混合液
として配合することにより、均一配合が可能でかつ高い
放出性を実現しうることを見い出した。
【0050】第2発明において、吸水性ポリマーを使用
することにより、粘着剤層に米発酵エキスを均一に溶解
することができると共に、皮膚の水分を粘着剤層に導
き、米発酵エキスの有効成分を角質層に移行するのを促
進するものと考えられる。
【0051】第3発明において、アクリル系エマルジョ
ン型粘着剤を使用することにより、粘着剤層に米発酵エ
キスを均一に溶解することができると共に、米発酵エキ
スの有効成分を角質層に移行するのを促進するものと考
えられる。
【0052】第4発明において、水溶性ポリマーを使用
することにより、粘着剤層に米発酵エキスを均一に溶解
することができると共に、米発酵エキスの有効成分を角
質層に移行するのを促進するものと考えられる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0054】(1)米発酵エキス及びその濃縮液(α)
の調製 米発酵エキスは相生社製のものを用いた。さらに、この
エキス1000gにエタノール200gを加え、エバポ
レーターを用いて溶媒を減圧留去した。次いで、エタノ
ールを加え、留去する操作を4回繰り返して、250g
の濃縮液を得た。
【0055】(2)米発酵エキス及びその濃縮液(β)
の調製 100kgの米糠に水160リットルを加え、糖化酵素
により60℃、12時間の条件で糖化させた後、酵母を
繁殖させ酵母によるアルコール発酵を23日間行った。
発酵完了後、塩化ナトリウムを加えて、圧搾、濾過、加
熱殺菌し、200リットルの米発酵エキスを得た。さら
に、この米発酵エキス100gにエタノール20gを加
え、エバポレーターを用いて溶媒を減圧濃縮した。次い
で、エタノールを加え、留去する操作を4回繰り返し
て、25gの濃縮液を得た。
【0056】(3)アクリル系粘着剤(A)の調製 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル2800g、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル3200g及び酢酸エチル25
00gを15リットル重合装置に入れ80℃に加熱した
後、ラウロイルパーオキサイド4gをシクロヘキサン2
000gに溶解したものを8時間かけて添加して重合を
行い、重量平均分子量85万、固形分56重量%の粘着
剤溶液を得た。
【0057】(4)アクリル系粘着剤(B)の調製 アクリル酸2−エチルヘキシル4000g、ビニルピロ
リドン1000g及び酢酸エチル2500gを15リッ
トル重合装置に入れ80℃に加熱した後、ラウロイルパ
ーオキサイド4gをシクロヘキサン2000gに溶解し
たものを8時間かけて添加して重合を行い、重量平均分
子量77万、固形分57重量%の粘着剤溶液を得た。
【0058】(実施例1)まず、グリセリン30gに、
米発酵エキス濃縮液(α)30gを添加し均一に混合し
て、混合液(I)を得た。次いで、アクリル系粘着剤
(A)167gに、混合液(I)30g、インドメタシ
ン(薬物)5g及び酢酸エチル198gを加えて均一に
混合して塗工液を得た。この塗工液を、離型処理したポ
リエステルフィルム上にナイフコーターを用いて塗工、
乾燥し、ポリエチレンフィルムをラミネートして、粘着
剤層の厚さが80μmの貼付剤を得た。
【0059】(実施例2)まず、ポリエチレングリコー
ル400、30gに、米発酵エキス濃縮液(α)30g
を添加し均一に混合して、混合液(II)を得た。次い
で、アクリル系粘着剤(B)149gに、混合液(II)
20g、硝酸イソソルビド(薬物)15g及び酢酸エチ
ル216gを加えて均一に混合して塗工液を得た。この
塗工液を、離型処理したポリエステルフィルム上にナイ
フコーターを用いて塗工、乾燥し、ポリエチレンフィル
ムをラミネートして、粘着剤層の厚さが80μmの貼付
剤を得た。
【0060】(比較例1)混合液(I)に代えて、グリ
セリンのみを15g使用したこと以外は、実施例1と同
様にして貼付剤を得た。
【0061】(比較例2)混合液(I)に代えて、米発
酵エキス濃縮液(α)のみを15g使用したこと以外
は、実施例1と同様にして貼付剤を得た。
【0062】(比較例3)混合液(II)を全く使用しな
かったこと以外は、実施例2と同様にして貼付剤を得
た。
【0063】
【表1】
【0064】尚、表1において、上記実施例1、2及び
及び比較例1〜3の配合量を、重量部で示した。
【0065】
【0066】(実施例) まず、架橋型ポリビニルピロリドン(BASF社製「コ
リドンCL」)10gに、米発酵エキス濃縮液(α)1
0gを添加し均一に混合して、混合液(III)を得た。次
いで、この混合液(III)に、アクリル系粘着剤(B)1
36g、硝酸イソソルビド(薬物)12g及び酢酸エチ
ル216gを加えて均一に混合して塗工液を得た。この
塗工液を、離型処理したポリエステルフィルム上にナイ
フコーターを用いて塗工、乾燥し、ポリエチレンフィル
ムをラミネートして、粘着剤層の厚さが80μmの貼付
剤を得た。
【0067】
【0068】
【0069】(比較例) 架橋型ポリビニルピロリドン及び米発酵エキス濃縮液
(α)を全く添加しなかったこと以外は、実施例と同
様にして貼付剤を得た。
【0070】
【表2】
【0071】 尚、表2において、上記実施例3及び及
び比較例4の配合量を重量部で示した。
【0072】(実施例) まず、米発酵エキス濃縮液(β)10gを0.1N水酸
化ナトリウム溶液でpHを7.5に調節した。次いで、
アクリル系エマルジョン型粘着剤(C)(メタクリル酸
−アクリル酸n−ブチル共重合体、固形分52重量%、
日本アクリル化学社製「プライマルN−580NF」)
175gに、インドメタシン2gとpH調節した米発酵
エキス濃縮液(β)10gを加えて均一に混合して塗工
液を得た。この塗工液を、離型処理したポリエステルフ
ィルム上にナイフコーターを用いて塗工、乾燥し、ポリ
エチレンフィルムをラミネートして、粘着剤層の厚さが
80μmの貼付剤を得た。
【0073】(実施例) アクリル系粘着剤(D)〔アクリル酸メチル−アクリル
酸2−エチルヘキシル共重合体、固形分60重量%、日
本カーバイド工業社製「ニカゾールTS−620」〕1
67gに、硝酸イソソルビド(薬物)5g及び米発酵エ
キス濃縮液(β)10gを加えて均一に混合して塗工液
を得た。この塗工液を、離型処理したポリエステルフィ
ルム上にナイフコーターを用いて塗工、乾燥し、ポリエ
チレンフィルムをラミネートして、粘着剤層の厚さが8
0μmの貼付剤を得た。
【0074】(比較例) 米発酵エキス濃縮液(β)の代わりに、精製水10gを
用いたこと以外は、実施例と同様にして貼付剤を得
た。
【0075】(比較例) 米発酵エキス濃縮液(β)の代わりに、精製水10gを
用いたこと以外は、実施例と同様にして貼付剤を得
た。
【0076】
【表3】
【0077】 尚、表3において、上記実施例4、5
び及び比較例5、6の配合量を重量部で示した。
【0078】(実施例) まず、グリセリン10gに、ポリオキシエチレンモノラ
ウレート1g及びインドメタシン1gを加えて均一に混
合し、混合液(IV)を得た。さらに、グリセリン10g
に、ポリアクリル酸ナトリウム5g、カルボキシプロピ
ルセルロースナトリウム5g及びアルミニウムグリシネ
ート0.1gを加えて均一に混合し、混合液(V)を得
た。さらに、カオリン5g、精製水5g及びグリセリン
6gを加えて均一に混合し、混合液(VI)を得た。次い
で、精製水10.9gに、酒石酸1g及び米発酵エキス
濃縮液(α)40gを加えて均一に混合した後、混合液
(IV)、(V)及び(VI)を加えて均一に練合した。こ
れをポリエステル不織布上に、塗布量0.1g/cm2
となるように展延し、離型処理したポリエステルフィル
ムをラミネートして、インドメタシン含有量1mg/c
2 の貼付剤を得た。
【0079】(実施例) まず、グリセリン10gに、硝酸イソソルビド5g、米
発酵エキス濃縮液(α)10g及びポリオキシエチレン
モノラウレート1gを加えて均一に混合し、混合液(VI
I)を得た。さらに、グリセリン15gに、ポリアクリル
酸ナトリウム5g、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム2g及びアルミニウムグリシネート0.3gを加え
て均一に混合し、混合液(VIII)を得た。さらに、60
℃に加温した精製水30gにゼラチン1gを溶解して、
溶解液(IX)を得た。次いで、グリセリン10gに、酒
石酸0.21g及びポリアクリル酸0.5gを加えて均
一に混合した後、混合液(VII)、(VIII)及び(IX)を
加えて均一に練合した。これをポリエステル不織布上
に、塗布量0.1g/cm2 となるように展延し、離型
処理したポリエステルフィルムをラミネートして、硝酸
イソソルビド含有量5.6mg/cm2 の貼付剤を得
た。
【0080】(比較例) 米発酵エキス濃縮液(α)の代わりに、精製水を用いた
こと以外は、実施例と同様にして貼付剤を得た。
【0081】(比較例) 米発酵エキス濃縮液(α)の代わりに、20重量%エタ
ノール水溶液を用いたこと以外は、実施例と同様にし
て貼付剤を得た。
【0082】(比較例) 米発酵エキス濃縮液(α)の代わりに、精製水を用いた
こと以外は、実施例と同様にして貼付剤を得た。
【0083】上記実施例及び比較例で得られた貼付剤に
つき、下記の性能評価を行い、その結果を表4及び表5
に示した。 (イ)皮膚透過性試験 ヌードマウスの背部皮膚を摘出し、Franz type拡散セル
に固定して、皮膚上側に面積3.14cm2 の貼付剤サ
ンプルを貼り付け、皮膚下側のレセプター液に透過して
くる薬物を、高速液体クロマトグラフィーにより定量を
行い、24時間後の累積透過量を求めた。尚、拡散セル
は37℃の恒温に保ち、レセプター液に20%ポリエチ
レングリコール水溶液を用いた。
【0084】(ロ)皮膚刺激性試験 5週齢の雄性モルモットの腹部を剃毛して、この剃毛部
に面積3.14cm2 の貼付剤サンプルを貼付した後、
ガーゼで覆い絆創膏で固定した。24時間貼付後に貼付
剤サンプルを剥離し、剥離30後及び24時間後に貼
付部の赤味を目視観察により評価した。赤味は Draiz法
(1959年FDA,1973年Federal Registerに記載) に準拠し
て行い、6例の平均を表中に示した。また、皮膚刺激性
〔紅斑(赤味)及び痂皮形成〕は下記の判定基準に従っ
て判定した。 紅斑なし ・・・・・0 非常に軽度の紅斑 ・・・・・1 (やっと認められる程度) 明らかな紅斑 ・・・・・2 中程度ないし強い紅斑 ・・・・・3 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成 ・・・4
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【発明の効果】本発明の貼付剤は、上述の構成とするこ
とにより、薬物の経皮透過性能が高く、しかも貼付によ
る皮膚刺激性が低い。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に、アクリル系粘着剤なら
    びに米発酵エキス、多価アルコール及び薬物を含有する
    粘着剤層が形成されていることを特徴とする貼付剤。
  2. 【請求項2】 支持体の片面に、アクリル系粘着剤、吸
    水性ポリマー、米発酵エキス及び薬物を含有する粘着剤
    層が形成されていることを特徴とする貼付剤。
  3. 【請求項3】 支持体の片面に、アクリル系エマルジョ
    ン型粘着剤、米発酵エキス及び薬物を含有する粘着剤層
    が形成されていることを特徴とする貼付剤。
  4. 【請求項4】 支持体の片面に、水溶性ポリマー、米発
    酵エキス及び薬物を含有する粘着剤層が形成されている
    ことを特徴とする貼付剤。
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