JP3496985B2 - Tダイ - Google Patents

Tダイ

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JP3496985B2
JP3496985B2 JP20162594A JP20162594A JP3496985B2 JP 3496985 B2 JP3496985 B2 JP 3496985B2 JP 20162594 A JP20162594 A JP 20162594A JP 20162594 A JP20162594 A JP 20162594A JP 3496985 B2 JP3496985 B2 JP 3496985B2
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勝 斉藤
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Sun A Kaken Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂製の薄膜体を
成形するTダイに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルム等の薄膜体を成形する成
形機において使用されるTダイは、そのマニホールドの
形状が、図6(a) に示すようなストレートに形成された
タイプ40と、図6(b) に示すようなコートハンガー状
に形成されたタイプ41とが主として用いられている。
【0003】前者のストレートタイプのマニホールド4
0は、その形状が単純であるが、原理的には両端へ行く
にしたがって、そのマニホールド40内の溶融原料の流
動圧力が低下するため、通孔43を通って口金43から
出たフィルムの膜厚が中央部より薄くなる傾向を生じ
て、製品の種類によっては不良品となることがある。
【0004】この欠点の解決するために提供されたもの
が後者のコートハンガータイプのマニホールド41であ
って、通孔44先端までの流路の長さを変えることによ
り、成形されたフィルムのその全幅に対して膜厚が均一
に成形されるものである。
【0005】一方、成形機において、形成されるフィル
ムの幅寸法は、必要に応じて適宜変更することが多々あ
るもので、この場合、デッケルと呼ばれる堰体を、マニ
ホールドおよび通孔内に挿し入れたり(インナーデッケ
ル)、口金部の外側に取り付けることで(アウターデッ
ケル)フィルムの必要幅を得ていた。
【0006】また、このTダイにおいて、幅間隔を狭く
調整されてフィルムの成形を行なわない箇所においての
原料の流入が防止されるので、該原料の削減も図れるも
のであった。
【0007】しかし、このアウターデッケルにより塞が
れた通孔およびマニホールド部においては、供給された
溶融原料の滞留が生じて、長時間の成形使用にあっては
流入された原料が変質して、でき上がりの製品品質を低
下させる欠点を有する。
【0008】一方、この欠点を解決するインナーデッケ
ルは、前記したストレートタイプのマニホールドにおい
ては、その移動が直線的で円滑に行なわれるので、希望
するフィルム幅の調整を行うことができ、製品の品質低
下を来さない。
【0009】しかし、コートハンガータイプのマニホー
ルドに対しては、該マニホールドおよび通孔が円弧状に
形成されたり、口金に対して斜めに形成されているの
で、このデッケルを移動させての幅調整ができないの
で、インナーデッケルを使用することができない。
【0010】このように、ストレートおよびコートハン
ガータイプのマニホールドは、それぞれその特性に一長
一短を有するもので、当業界にあっては、薄膜体の幅調
整が簡単かつ任意にできて、原料の滞留を起こさず、成
形された薄膜体の膜厚を、その全幅に対して一様に均一
化させることができるTダイの出現を強く要望されてい
たものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した要
望にかんがみなされたもので、マニホールド体の全長に
対してコートハンガータイプのマニホールドをその途中
まで設け、このコートハンガーマニホールドの端部へ略
平行で直線状に形成されるストレートマニホールドを連
接し、このストレートマニホールドと通孔との内部へ、
インナーデッケルを進退自在に挿嵌することにより、薄
膜体の幅調整が簡単かつ任意にできて、薄膜体の幅方向
に対してその膜厚が均一化され、内部においての原料の
滞留を防止して、高品質な薄膜体を成形することができ
るTダイを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】合成樹脂原料によって薄
膜体を形成する成形機にあって、中央部に溶融原料を注
入する供給部と、該供給部に連接してその両側に延設さ
せたマニホールド体と、このマニホールド体に接続させ
た通孔と、該通孔の先端部に設けた口金とからなるTダ
イにおいて、前記マニホールド体の全長に対してその途
中まで設けて、その中央部から通孔側へ向かって徐々に
傾斜させ、口金までの通孔距離を中央部より両側部を短
尺に形成させたコートハンガーマニホールドと、このコ
ートハンガーマニホールドに連設させて、前記通孔の先
端部に対して平行で直線状に形成されるストレートマニ
ホールドと、このストレートマニホールドと通孔との内
部へ挿嵌してマニホールド体の幅調整を行う進退自在の
インナーデッケルとを備えさせたTダイの構成にある。
【0013】また、前記口金へアウターデッケルを着脱
自在に設ける。
【0014】
【作用】前記したように構成される本発明のTダイは、
以下に述べる作用を奏する。
【0015】マニホールド体の全幅の薄膜体を得るとき
には、インナーデッケルをストレートマニホールドおよ
び通孔内を後退させて、該マニホールド体の端部位置に
移動させる。
【0016】この状態で、供給部から溶融原料をマニホ
ールド体内へ注入させると、このマニホールド体の中間
部のコートハンガーマニホールドにおいては、その中央
部から通孔側へ向かって徐々に傾斜させ、口金までの通
孔距離を中央部より両側部を短尺に形成させてある。
【0017】更に、このコートハンガーマニホールド連
接させたストレートマニホールドにより、この傾斜に沿
って原料はその全幅に亘って流動し、両側部の通孔は中
央の通孔より距離が短いので流動抵抗が均一化され、口
金より押し出される薄膜体の膜厚はその全幅において一
律な厚さに成形される。
【0018】また、形成される薄膜体の成形幅を狭くし
たいときは、マニホールド体におけるストレートマニホ
ールド部へインナーデッケルを挿嵌すると、このインナ
ーデッケルは、口金縁と略平行で直線的に移動して希望
寸法の薄膜体位置に調整されると共に、このインナーデ
ッケルより空間部が閉塞されて原料の入り込みがなくな
り、これに起因する該原料の滞留が起こらない。。
【0019】なお、口金の外側へアウターデッケルを取
り付ければ口金からの原料の流出が防止され、でき上が
りの薄膜体の品質が向上する。
【0020】
【実施例】次に、本発明に関するTダイの実施の一例を
図面に基づいて説明する。
【0021】図1および図2においてAは、合成樹脂原
料によってフィルムやシート等の薄膜体bを成形する成
形機cに用いられるTダイで、供給部1と、マニホール
ド体2と、通孔3と、口金4とにより基本的に構成され
る。
【0022】そして、前記した成形機cは、図3に示す
ように、合成樹脂の原料を溶融させて圧送する押出機5
と、該押出機5に接続したTダイAと、このTダイAか
ら押し出された薄膜体bを、冷却ロールにより冷却しつ
つ、所定ロールにより巻き取るか、あるいは、所定寸法
に裁断した平板状のものを積層させる後処理装置6を有
する。
【0023】前記した供給部1は、TダイAにおけるマ
ニホールド体2へ溶融原料を送り込むもので、前記した
押出機5の終端部に接続してあって、主体7の長さ方向
における中央部に設けてある。
【0024】前記したマニホールド体2は、主体7にお
いて供給部1と連通させた流入路8からその両側に延設
させてあるもので、コートハンガーマニホールド9とス
トレートマニホールド10とにより構成される。
【0025】このコートハンガーマニホールド9は、マ
ニホールド体2の全長に対してその途中まで設けて、そ
の中央部から通孔3側へ向かって徐々に傾斜させ、口金
4までの通孔3の距離を中央部より両側部を短尺に形成
させてあるもので、図1においては円弧状に形成してあ
るが、図示してないが、直線の傾斜状に形成してもよ
い。
【0026】また、その断面積を中央部と両側部とを変
化させることで、後記する通孔3の流通距離をその両側
部を短く形成することができる。
【0027】更に、ストレートマニホールド10は、コ
ートハンガーマニホールドの両側部へそれぞれ連設させ
て、溶融原料を流動させるようにコートハンガーマニホ
ールド9と相通させてあって、通孔3の先端部、すなわ
ち、口金4の端縁部に対して略平行で直線状に形成され
る。
【0028】前記した通孔4は、マニホールド体2にお
けるコートハンガーマニホールド9とストレートマニホ
ールド10との口金4に向かう下流側に接続させた溶融
原料の流動部で、コートハンガーマニホールド9におい
ては、流入路8を中心として長さ方向の両側へ行くにし
たがって、徐々に通路距離が短くなるように形成してあ
り、ストレートマニホールド10においては、コートハ
ンガーマニホールド9の通孔終端部位置から主体7の両
端部まで一様の通路距離を有するように形成してあるも
ので、マニホールド体2に流入された溶融原料がその両
端へ行くにしたがって該原料の流動抵抗を増して、口金
4から押し出される薄膜体bの膜厚が薄く成形される不
都合を解消している。
【0029】前記した口金4は、通孔3を通過した溶融
原料を均一な膜厚に押し出して薄膜体bを形成させるも
ので、主体7における長さ方向の前後に一対を調整手段
11により移動自在に取り付けて、例えば、成形された
薄膜体bにおける各部の膜厚計測により希望厚となるよ
うに補正させるのであって、両者4,4との突き合わせ
部に所定隙間が形成されている。
【0030】なお、前記した調整手段11は、例えば、
図2に示すように、ねじ等の進退部材12を用いること
により任意寸法が調整が得られるもので、主体7の長さ
方向において間隔的に多数組配設してある。
【0031】また、前記した口金4は、図2に示すよう
に、主体7へ別の部材を取り付けたものを採用したり、
図示してないが、主体7における通孔4の付近を薄肉に
形成して回動自在とし、この部分をねじ等の進退部材に
より任意に揺動させて隙間調整を行う口金を採用するこ
ともできる。
【0032】そして、前記したマニホールド体2におけ
る両側に設けたストレートマニホールド10,10と、
該ストレートマニホールド10に接続された通孔3との
内部には、図1および図4〜図5に示すように、マニホ
ールド体2の長さ方向における幅調整を行うインナーデ
ッケル13を操作手段14により進退自在に挿嵌してあ
って、マニホールド体2の長さ方向の寸法を適宜変更さ
せることで、成形される薄膜体bの幅方向の寸法調整を
行う。
【0033】このインナーデッケル13は、ストレート
マニホールド10と通孔3の断面形状に見合う形状に形
成してある。
【0034】前記した操作手段14は、図4に示すよう
に、主体7の長手方向外側おいて、インナーデッケル1
3の外端部へ所定長さを有する操作杆15を延設して、
この操作杆15に螺合する操作螺軸16をモータ17や
手動ハンドル18等により正逆に回転させることによ
り、操作杆15を介して該インナーデッケル13の進退
が可能となる。
【0035】更に、前記したインナーデッケル13,1
3の挿嵌位置に対応させて、口金4にはそれぞれアウタ
ーデッケル19,19を着脱自在に設けてあるもので、
その取り付けにあっては、図2および図5に示すよう
に、口金4に設けた受溝20へ取付体21を係合させ、
この取付体21の内側に設けた押体22を、口金4にお
ける隙間に圧接するように対応させることで、通孔3か
らの溶融原料の流出が抑制される。
【0036】なお、このアウターデッケル19は口金4
へ図示してないが、ねじ等の止着部材により固着するこ
ともできる。
【0037】前記したように本発明実施例のTダイA
は、マニホールド体2の全幅寸法の薄膜体bを成形する
ときには、インナーデッケル13を操作手段14により
ストレートマニホルド10内および通孔3内を後退させ
て、この主体7の側部に付設したサイドプレート7a側
に位置させる。
【0038】なお、アウターデッケル19はインナーデ
ッケル13がマニホールド体2および通孔3内に位置す
るときは口金4へ当接することもある。
【0039】この状態で、成形機cにおける押出機5か
ら溶融原料を主体7に突設した供給部1および流入路8
を介してマニホールド体内へ注入させると、このマニホ
ールド体2の中間部に設けたコートハンガーマニホール
ド9に流動し、その中央部から両側部に亘って通孔3側
へ向かってほぼ同一の流動圧により流れ込むと共に、該
コートハンガーマニホールド9に連接させたストレート
マニホールド10にも同様に流れて、原料はマニホール
ド体の全幅に亘って流動する。
【0040】したがって、両側部の通孔3は中央の通孔
3より流通距離が短いので流動抵抗が全体的に均一化さ
れ、口金4より押し出される薄膜体bの膜厚はその全幅
において一律な厚さに成形される。
【0041】また、薄膜体bの成形幅を狭く成形したい
ときは、マニホールド体2における両側に設けたストレ
ートマニホールド10,10へ、インナーデッケル13
を操作手段14によりそれぞれ挿嵌すると、このインナ
ーデッケル13は、口金4の縁部と略平行で直線的に移
動するもので、希望寸法の薄膜体位置に達したとき、操
作手段14を停止すると、成形される薄膜体bの幅寸法
に調整される。
【0042】したがって、このインナーデッケル12よ
り成形に不必要なマニホールド体2における空間部が閉
塞されて、溶融原料の入り込みがなくなり、これに起因
する該原料の滞留が起こらないので、原料の変質による
薄膜体bの製品劣化を生じない。
【0043】なお、このとき、口金4の外側へ、図1〜
図2および図5に示すように、アウターデッケル19を
マニホールド体2に設けたインナーデッケル13の設定
位置に対応させて取り付ければ、口金4からの溶融原料
の流出が防止され、でき上がりの薄膜体bの品質が向上
する。
【0044】
【発明の効果】本発明のTダイは、マニホールド体をコ
ートハンガーマニホールドとストレートマニホールドと
の組み合わせにより構成することで、マニホールド体に
注入される溶融原料をその全幅に対してほぼ同一の流動
圧により押し出すことができるので、でき上がりの薄膜
体の膜厚をその幅方向において均一に成形することがで
きる。
【0045】また、成形される薄膜体の幅の調整を、ス
トレートマニホールドに挿嵌されるインナーデッケルに
より行なうことができるので、マニホールド体内の溶融
原料の滞留により起因する原料の変質を防止して、高品
質の薄膜体の成形が可能となる。
【0046】更に、薄膜体の成形幅の調整に、インナー
デッケルを用いて行なうことができるので、溶融原料の
ロスを可及的に防止することができる。等の特有な効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関するTダイの一実施例を示す概略の
断面図である。
【図2】図1における供給部付近において縦断した側面
図である。
【図3】本発明に関するTダイを採用した成形機の概略
を示す説明図である。
【図4】図1におけるインナーデッケルの操作手段を示
す要部の説明図である。
【図5】図1におけるストレートマニホールド位置で縦
断した側面図である。
【図6】従来のTダイの各例を示す説明図である。
【符号の説明】
A Tダイ b 薄膜体 c 成形機 1 供給部 2 マニホールド体 3 通孔3 4 口金 9 コートハンガーマニホールド 10 ストレートマニホールド 13 インナーデッケル 19 アウターデッケル

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂原料によって薄膜体を形成する
    成形機にあって、中央部に溶融原料を注入する供給部
    と、該供給部に連接してその両側に延設させたマニホー
    ルド体と、このマニホールド体に接続させた通孔と、該
    通孔の先端部に設けた口金とからなるTダイにおいて、
    前記マニホールド体の全長に対してその途中まで設け
    て、その中央部から通孔側へ向かって徐々に傾斜させ、
    口金までの通孔距離を中央部より両側部を短尺に形成さ
    せたコートハンガーマニホールドと、このコートハンガ
    ーマニホールドに連設させて、前記通孔の先端部に対し
    平行で直線状に形成されるストレートマニホールド
    と、このストレートマニホールドと通孔との内部へ挿嵌
    してマニホールド体の幅調整を行う進退自在のインナー
    デッケルとを備えさせたことを特徴とするTダイ。
  2. 【請求項2】 前記口金へアウターデッケルを着脱自在
    に設けたことを特徴とする請求項1記載のTダイ。
JP20162594A 1994-08-26 1994-08-26 Tダイ Expired - Lifetime JP3496985B2 (ja)

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