JP2024123434A - 押出成形用ダイ、フィルム製造装置、およびフィルムの製造方法 - Google Patents

押出成形用ダイ、フィルム製造装置、およびフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】均一な厚さのフィルムを製造可能な技術を提供する。【解決手段】樹脂導入部31の中心を通り、Y方向に沿って開口部25に至る仮想線を中心軸32cとすると、ランド部33とランド部34との境界BL34は、中心軸32cと交差する部分を含む領域R1と、X方向においてランド部33とランド部34との境界の一方の端部と領域R1との間にある領域R2と、X方向においてランド部33とランド部34との境界の他方の端部と領域R1との間にある領域R3と、を含んでいる。ランド部33とランド部34との境界から開口部25に至る流路長FPL1は、領域R2では、領域R1側から一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に変化しており、領域R3では、領域R1側から他方の端部にかけて第1の変化率で徐々に変化しており、領域R1では、一定、または第1の変化率よりも小さい変化率で変化している。【選択図】図6

Description

本発明は、押出成形用ダイ、フィルム製造装置、およびフィルムの製造方法に関する。
特開2011-173263号公報(特許文献1)には、押出成形用ダイに関する技術が記載されている。
特開2011-173263号公報
押出成形によりフィルム(樹脂フィルム)を製造することができる。その場合、均一な厚さを有するフィルムを製造することが望まれる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態に係る押出成形用ダイは、溶融樹脂を供給するための第1開口部と、前記溶融樹脂を吐出するための第2開口部と、前記第1開口部から前記第2開口部に至る樹脂流路部と、を有する。前記樹脂流路部は、前記第1開口部に接続された樹脂導入部と、前記樹脂導入部に接続されたマニホールド部と、前記マニホールド部と前記第2開口部との間に、前記マニホールド部から前記第2開口部に向かう第1方向に順に配置された第1ランド部および第2ランド部と、を有している。前記第2開口部は、前記第1方向に直交する第2方向に延びている。前記第2ランド部の厚さは、前記第1ランド部の厚さと異なる。前記樹脂導入部の中心を通り、前記第1方向に沿って前記第2開口部に至る仮想線を第1中心軸とすると、前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界は、前記第1中心軸と交差する部分を含む第1領域と、前記第2方向において前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界の一方の端部と前記第1領域との間にある第2領域と、前記第2方向において前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界の他方の端部と前記第1領域との間にある第3領域と、を含んでいる。前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、前記第2領域では、前記第1領域側から前記一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に変化しており、前記第3領域では、前記第1領域側から前記他方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に変化しており、前記第1領域では、一定、または前記第1の変化率よりも小さい変化率で変化している。
他の実施の形態に係る押出成形用ダイは、溶融樹脂を供給するための第1開口部と、前記溶融樹脂を吐出するための第2開口部と、前記第1開口部から前記第2開口部に至る樹脂流路部と、を有する。前記樹脂流路部は、前記第1開口部に接続された樹脂導入部と、
前記樹脂導入部に接続されたマニホールド部と、前記マニホールド部と前記第2開口部との間に、前記マニホールド部と前記第2開口部との間に、前記マニホールド部に連なるように配置されたランド部と、を有している。前記第2開口部は、前記第1方向に直交する第2方向に延びている。前記ランド部の厚さは、前記マニホールド部の厚さ以下である。前記樹脂導入部の中心を通り、前記第1方向に沿って前記第2開口部に至る仮想線を第1中心軸とすると、前記マニホールド部と前記ランド部との境界は、前記第1中心軸と交差する部分を含む第1領域と、前記第2方向において前記マニホールド部と前記ランド部との境界の一方の端部と前記第1領域との間にある第2領域と、前記第2方向において前記マニホールド部と前記ランド部との境界の他方の端部と前記第1領域との間にある第3領域と、を含んでいる。前記マニホールド部と前記ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、前記第2領域では、前記第1領域側から前記一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に小さくなっており、前記第3領域では、前記第1領域側から前記他方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に小さくなっており、前記第1領域では、一定、または前記第1の変化率よりも小さい変化率で変化している。
上記一実施の形態によれば、均一な厚さのフィルムを製造することができる。
一実施の形態における押出成形装置の模式的な構成を示す説明図である。 一実施の形態における押出成形用のダイの拡大断面図である。 一実施の形態における押出成形用のダイの拡大断面図である。 一実施の形態における押出成形用のダイの断面図である。 一実施の形態における押出成形用のダイの樹脂流路部を示す斜視図である。 一実施の形態における押出成形用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。 図6に対する検討例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。 図6に示すダイから吐出されたフィルム状の溶融樹脂の断面形状を示す断面図である。 図7に示すダイから吐出されたフィルム状の溶融樹脂の断面形状を示す断面図である。 図6に対する変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す拡大平面図である。 図6に対する他の変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す拡大平面図である。 図6に対する他の変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。 図12のB2-B2線に沿った拡大断面図である。 図12に対する変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。 図14の樹脂導入部の周辺を拡大して示す拡大平面図である。 図6に対する他の変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。 図16のC1-C1線に沿った拡大断面図である。 図16のC2-C2線に沿った拡大断面図である。 図6に対する他の変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。 図19のD1-D1線に沿った拡大断面図である。 図19のD2-D2線に沿った拡大断面図である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
(実施の形態)
<フィルム製造装置の全体構成>
本実施の形態におけるフィルム製造装置(押出成形装置、押出成形機)1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態におけるフィルム製造装置1の模式的な構成を示す説明図(側面図)である。
押出成形においては、溶融した樹脂材料(溶融樹脂)を押し出して連続的に成形する。溶融樹脂は、ダイ(金型)を通過することにより所定の断面形状(フィルム状)に成形され、ダイを通過した後に、冷却されて固化する。
なお、本願において、「溶融」とは、熱で溶かす場合に限定されず、溶剤などで溶かす場合も含むものとする。このため、加熱により樹脂を溶かした場合だけでなく、溶剤で樹脂を溶かした場合や、マイクロ波により樹脂を溶かした場合なども、「溶融樹脂」に含まれ得る。また、液状樹脂も、「溶融樹脂」に含まれ得る。
図1に示されるように、本実施の形態におけるフィルム製造装置1は、押出機(押出装置)2と、ダイ(金型)3と、冷却ロール(キャストロール)4と、タッチロール5と、引取り機(引取り装置)6とを備えている。
押出機2は、樹脂材料を溶融させ、溶融した樹脂材料(溶融樹脂)をダイ3に向けて押し出す。ダイ3は、押出機2から押し出された溶融樹脂をフィルム(シート)状に成形する。冷却ロール4は、ダイ3から吐出された溶融樹脂を急冷して固化させる。冷却ロール4は、ダイ3から吐出された溶融樹脂を冷却するための冷却用治具(冷却装置)とみなすこともできる。タッチロール5は、冷却ロール4との間に樹脂を挟んで通過させる。タッチロール5は、設けない場合もあり得る。引取り機6は、冷却ロール4で固化した樹脂フィルムを引き取り、巻取り機(図示せず)に搬送する。押出機2は、引取り機6から搬送された樹脂フィルムを巻き取る巻取り機(図示せず)と、巻き取られた樹脂フィルムを切断する切断機(図示せず)とを更に有しているが、図1ではその図示は省略している。
次に、フィルム製造装置1の動作、言い換えれば、フィルム製造装置1を用いたフィルムの製造方法の概略について説明する。
まず、本実施の形態のフィルムの製造方法は、押出機2の樹脂投入口2aから押出機2内に原料(樹脂材料)を供給する工程を含む。押出機2内に供給された樹脂材料は、例えば、押出機2内でスクリューの回転により前方へ送られながら加熱されることで、溶融される。押出機2内で溶融した樹脂材料(溶融樹脂)は、押出機2の先端からダイ3に向けて押し出される。言い換えれば、本実施の形態のフィルムの製造方法は、押出機2から溶融樹脂11を押し出してダイ3に供給する工程を含む。押出機2から押し出された溶融樹脂は、ダイ3に供給され、ダイ3内を通過して(より特定的にはダイ3内の後述の樹脂流路部23を通過して)、ダイ3から冷却ロール4に向かって吐出される。押出機2からダイ3に供給された溶融樹脂は、ダイ3を通過することにより所定の断面形状(ここではフィルム状)に成形されるが、ダイ3から吐出された段階では、樹脂材料(フィルム状に成形された樹脂材料)は溶融状態を維持している。本実施の形態のフィルムの製造方法は、溶融樹脂11をダイ3でフィルム状に成形する工程を含む。このため、図1に示される、ダイ3から吐出される溶融樹脂11は、フィルム状に成形された溶融樹脂(フィルム状の溶融樹脂、溶融樹脂フィルム)である。ダイ3から吐出された溶融樹脂11は、回転する冷却ロール4に到達し、冷却ロール4の表面に貼りついた状態で冷却ロール4と一緒に回転しながら急速に冷却されて固化する。言い換えれば、本実施の形態のフィルムの製造方法は、ダイ3から吐出されたフィルム状の溶融樹脂11を冷却する工程を含む。タッチロール5を設けている場合は、溶融樹脂11または樹脂フィルム11aは、冷却ロール4とタッチロール5との間の狭い空間(隙間)を通過する。ダイ3から吐出された溶融樹脂11は、冷却ロール4で固化されて固化状態の樹脂フィルム11aとなり、この樹脂フィルム11aは、引取り機6によって引き取られて、延伸処理機7に搬送される。延伸処理機7に搬送された樹脂フィルム11aには、延伸処理(引き伸ばし処理)が施される。延伸された樹脂フィルム11aは、巻取り機(図示せず)に搬送される。巻取り機に搬送された樹脂フィルム11aは、ロール状に巻き取られ、切断機(図示せず)で必要に応じて切断される。なお、図1では、延伸処理機7を含む構成例を示しているが、延伸処理を行わず、巻取り機(図示せず)に搬送される場合もある。
<ダイ>
次に、本実施の形態における押出成形用のダイ3の構成について、図2~図6を参照して説明する。図2~図4は、本実施の形態における押出成形用のダイ3の断面図である。図5は、本実施の形態における押出成形用のダイ3の樹脂流路部23を示す斜視図である。図6は、本実施の形態における押出成形用のダイ3の樹脂流路部23を示す平面図である。図2は、図5および図6に示されるA1-A1線の位置でのダイ3の拡大断面にほぼ対応し、図3は、図5および図6に示されるA2-A2線の位置でのダイ3の拡大断面にほぼ対応し、図4は、図5および図6に示されるA3-A3線の位置でのダイ3の断面にほぼ対応している。
また、図2~図6には、X方向、Y方向およびZ方向が示されている。X方向、Y方向およびZ方向は、互いに交差する方向であり、より特定的には互いに直交する方向である。X方向とY方向とは互いに直交し、Z方向は、X方向およびY方向に直交している。Y方向は、マニホールド部32から開口部25に向かう方向である。このため、樹脂導入部31のランド部33,34,35内を溶融樹脂が主として流れる方向は、Y方向である。開口部25の延在方向(長辺方向)は、X方向である。樹脂導入部31のールド部32,34,35の幅方向は、X方向であり、また、開口部25から吐出されるフィルム状の溶融樹脂11(図1参照)の幅方向もX方向である。Z方向は、樹脂導入部31のランド部33,34,35の厚さ方向であり、また、開口部25から吐出されるフィルム状の溶融樹脂11の厚さ方向もZ方向である。このため、以下の説明でランド部33,34,35、開口部25および溶融樹脂11(図1参照)の厚さに言及する場合は、Z方向の厚さ(寸法)に対応している。
図2および図3に示すように、ダイ3は、対となるダイ部材(ダイ本体部、金型)21,22を有している。ダイ部材21およびダイ部材22は、好ましくは金属材料からなる。ダイ部材21とダイ部材22とは、ボルトなどの固定用部材(図示せず)により互いに固定されている。
ダイ3内には、樹脂流路部23が形成されている。樹脂流路部23は、ダイ部材21とダイ部材22との間に形成されている。樹脂流路部23は、ダイ部材21とダイ部材22との間に形成された空間であり、ダイ3に供給(導入)された溶融樹脂が流動(移動)可能な空間である。樹脂流路部23は、ダイ3内に形成された、溶融樹脂が通過するための流路とみなすことができる。樹脂流路部23の周囲は、ダイ部材21,22によって囲まれている。
このため、ダイ3は、ダイ部材21,22と、ダイ部材21,22間に形成された樹脂流路部23と、ダイ部材21,22を互いに固定する固定用部材(ボルトなど)とを有している。ダイ3は、いわゆるTダイである。
また、ダイ3は、ダイ3に溶融樹脂を供給(導入)するための開口部(供給口、導入口)24と、ダイ3の外部に溶融樹脂を吐出するための開口部(吐出口)25とを更に有しており、樹脂流路部23は、開口部24から供給された溶融樹脂が開口部25から吐出されるまでの流路(溶融樹脂の流路)である。押出機2からダイ3の開口部24に供給された溶融樹脂は、樹脂流路部23を通って開口部25からダイ3の外部に吐出される。このため、ダイ3は、溶融樹脂を供給するための開口部24と、溶融樹脂を吐出するための開口部25と、開口部24から開口部25に至る樹脂流路部23とを有していることになる。
次に、樹脂流路部23の詳細について、図2~図6を参照して説明する。
樹脂流路部23は、マニホールド部32と、開口部24から供給(導入)された溶融樹脂をマニホールド部32へ導く樹脂導入部31と、マニホールド部32に連結するスリット部とを有しており、そのスリット部は、厚さが異なる3つの領域(ランド部33,34,35)を備えている。言い換えれば、樹脂流路部23は、樹脂導入部31と、マニホールド部32と、ランド部(スリット部、領域)33,34,35とを有している。溶融樹脂が流れる方向に、樹脂導入部31とマニホールド部32とランド部33とランド部34とランド部35とが順に配置されている。このため、ランド部33、ランド部34、およびランド部35は、マニホールド部32と開口部25との間に、マニホールド部から開口部25に向かう方向(すわなちY方向)に順に配置されている。
ダイ3における溶融樹脂の流入口である開口部24は、樹脂導入部31に接続されており、ダイ3における溶融樹脂の吐出口である開口部25は、ランド部35に接続されている。開口部25は、ランド部35がダイ3の表面に到達して形成された開口部である。すなわち、ランド部35の下流側の端面が、開口部25になっている。このため、開口部25の形状は、ランド部35の断面形状(Y方向に略垂直な断面形状)と実質的に同じであり、開口部25の厚さ(Z方向の寸法)は、ランド部34の厚さ(Z方向)と実質的に同じである。
開口部25の形状(平面形状)は、好ましくは長方形状である。従って、ランド部35の断面形状(Y方向に略垂直な断面形状)は、好ましくは長方形状である。このため、開口部25は、長軸(長辺)と短軸(短辺)とを有し、X方向が長軸方向(長辺方向)であり、Z方向が短軸方向(短辺方向)である。
押出機2(図1参照)から押し出された溶融樹脂11(図1参照)は、ダイ3の開口部24から流入し、樹脂導入部31とマニホールド部32とランド部33とランド部34とランド部35とを順に通って、ダイ3の開口部25から吐出される。
形成される樹脂フィルム11aの厚さは、開口部25の厚さ(ランド部34の厚さ)、ダイ3の開口部25から吐出される溶融樹脂11の流量(流速)、および冷却ロール4の引き取り速度(回転速度)などによって制御することができる。開口部25の厚さ(ランド部34の厚さ)を変えなくても、ダイ3の開口部25から吐出される溶融樹脂11の流量(流速)が小さくなるほど、形成される樹脂フィルム11aの厚さは薄くなり、また、冷却ロール4(図1参照)の引き取り速度(回転速度)が速くなるほど、形成される樹脂フィルム11aの厚さは薄くなる。開口部25は、溶融樹脂を吐出するリップ口(リップ開口)として機能することができ、ランド部35は、リップランド部として機能することができる。
マニホールド部32は、X方向に延在しており、マニホールド部32の中央付近(X方向における中央付近)において樹脂導入部31に接続されている。押出機2(図1参照)からダイ3の開口部24に供給された溶融樹脂11(図1参照)は、樹脂導入部31を通ってマニホールド部32に流入する。樹脂導入部31からマニホールド部32に流入した溶融樹脂11は、マニホールド部32内をマニホールド部32の延在方向(ここではX方向)に移動することができ、マニホールド部32の両端まで移動することができる。このため、樹脂導入部31からマニホールド部32に流入した溶融樹脂11(図1参照)は、マニホールド部32で横方向(X方向)に広がる。マニホールド部32は、樹脂導入部31から流入した溶融樹脂11をマニホールド部32の両端側方向に導く作用を有している。マニホールド部32全体に溶融樹脂11が行き渡るため、マニホールド部32全体からランド部33に向かって溶融樹脂11が移動する。マニホールド部32の断面形状(X方向に略垂直な断面形状)は、例えば円形状とすることができ、従って、マニホールド部32の立体形状は、例えば円筒状とすることができる。
ランド部33は、マニホールド部32と一体的に連結され、ランド部34は、マニホールド部32と一体的に連結され、ランド部35は、ランド部34と一体的に連結されている。このため、Y方向において、マニホールド部32に隣接する位置にランド部33が配置され、ランド部33に隣接する位置にランド部34が配置され、ランド部34に隣接する位置にランド部35が配置されている。但し、ランド部33は、マニホールド部32の下流側に位置し、ランド部34は、ランド部33の下流側に位置し、ランド部35は、ランド部34の下流側に位置している。
なお、本実施の形態では、下流側とは溶融樹脂11(図1参照)の流れの下流側を意味し、上流側とは溶融樹脂11の流れの上流側を意味する。従って、開口部25に近い側が下流側であり、開口部25から遠い側が上流側である。
樹脂導入部31からマニホールド部32に流入した溶融樹脂11は、マニホールド部32全体に行き渡り、マニホールド部32全体からランド部33に流入する。マニホールド部32からランド部33に流入した溶融樹脂は、ランド部33を通過してランド部34に流入し、更にランド部34を通過してランド部35に流入し、更にランド部35を通過して開口部25からダイ3の外部に吐出される。
ランド部33,34,35は、X方向およびY方向に略平行な平面(主面)を有するスリット状(板状)の形状を有している。ランド部33,34,35の厚さの関係は、次のようになっている。
すなわち、図3に示すように、ランド部33の厚さt1よりもランド部34の厚さt2が小さく(t1>t2)、ランド部34の厚さt2よりもランド部35の厚さt3が小さい(t2>t3)。また、ランド部33の厚さは均一であり、ランド部34の厚さは均一であり、ランド部35の厚さは均一である。
厚さt1,t2,t3の一例を挙げると、厚さt1は2~20mm程度であり、厚さt2は0.8~10mm程度であり、厚さt3は0.4~6mm程度である。
また、樹脂導入部31およびマニホールド部32は、ランド部33,34,35よりも、厚さ方向(Z方向)の寸法が大きい。例えば、マニホールド部32の断面形状(X方向に略垂直な断面形状)が円形状の場合は、その直径は、ランド部33,34,35の各厚さt1,t2,t3よりも大きい。このため、ランド部33,34,35に比べて、樹脂導入部31およびマニホールド部32では、溶融樹脂11(図1参照)が移動しやすい。従って、マニホールド部32全体に溶融樹脂を行き渡らせて、マニホールド部32全体からランド部33に溶融樹脂11を流入させることができる。
ランド部33の幅とランド部34の幅とランド部35の幅とは、互いに同じである。このため、ランド部33,34,35のそれぞれの両端部(両側面)は、互いに整合する位置にあり、Y方向に並んでいる。また、ランド部33,34,35のそれぞれの両端部(両側面)は、Y方向に略平行である。
平面視において、ランド部33の平面形状は、中心軸32cに対して線対称である。また、平面視において、ランド部34の平面形状は、中心軸32cに対して線対称である。また、平面視において、ランド部35の平面形状は、中心軸32cに対して線対称である。すなわち、ランド部33,34,35のそれぞれは、Y方向に沿った中心軸32cに対して対称である。
なお、後述する図19に示すランド部36を含め、ランド部33,34,35,36に関して説明するときは、「幅」とは、X方向の幅(寸法)に対応し、「端部」とは、X方向における端部に対応し、「両端部」とは、Xにおける両端部に対応し、「中央」または「中心」とは、X方向における中央に対応している。また、ランド部33,34,35,36に関して説明するときは、「平面視」とは、X方向およびY方向に平行な平面で見た場合に対応し、「平面形状」とは、X方向およびY方向に平行な平面で見た場合の平面形状に対応している。また、ランド部33,34,35,36に関して説明するときは、「中心軸(図2、図3、および図6に示す中心軸32c)」とは、ランド部33,34,35,36のX方向における中央を通り、かつY方向に平行な直線に対応している。中心軸32cは、図2に示す樹脂導入部31の中心を通り仮想線(仮想直線)である。本実施の形態の例では、Y方向に延びる樹脂導入部31の頂部に開口部24がある。このため、中心軸32cは、開口部24の中心を通る。
図6に示す平面視において、マニホールド部32とランド部33との境界BL23は、X方向に平行である。また、平面視において、ランド部34とランド部35との境界BL45は、X方向に平行である。また、ランド部35の下流側の端部に位置する開口部25の延在方向は、X方向に平行である。
一方、図6に示す平面視において、ランド部33とランド部34との境界BL34は、X方向に対して平行ではなく、X方向に対して傾斜している部分(領域R2および領域R3)を含んでいる。ランド部33とランド部34との境界BL34は、中心軸32cと交差する部分を含む領域R1と、X方向においてランド部33とランド部34との境界BL34の一方の端部と領域R1との間にある領域R2と、X方向においてランド部33とランド部34との境界BL34の他方の端部と領域R1との間にある領域R3と、を含んでいる。X方向において、領域R1は、境界BL34の中央にある。図6に示す例では、領域R1において境界BL34は、X方向に平行である。言い換えれば、領域R1において境界BL34は、開口部25の延在方向に平行である。
領域R1,R2,R3のX方向に対する傾斜角度に着目すると、以下の表現ができる。すなわち、領域R2において、境界BL34は、X方向に対して90度未満の角度を成すように傾斜している。領域R3において、境界BL34は、X方向に対して90度未満の角度を成すように傾斜している。領域R1において、境界BL34とX方向とが成す角度は、領域R2および領域R3において、境界BL34とX方向とが成す角度よりも小さい(ただし、0度も含む)。
図6に示す例の場合、境界BL34の領域R2とX方向とが成す角は、例えば1~10度程度である。また、境界BL34の領域R3とX方向とが成す角は、境界BL34の領域R2とX方向とが成す角と同じであり、例えば1~10度程度である。
次に、領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて、境界BL34から開口部25に至る樹脂の流路の流路長FPL1について説明する。図6に示す流路長FPL1は、ランド部34の流路長FPL4とランド部35の流路長FPL5の合計値である。流路長FPL3は、ランド部33のY方向の寸法(長さ)に対応し、流路長FPL4は、ランド部34のY方向の寸法(長さ)に対応し、流路長FPL5は、ランド部35のY方向の寸法(長さ)に対応している。ランド部33,34,35のそれぞれにおいて、溶融樹脂は主としてY方向に沿って流れる(移動する)。このため、流路長FPL3は、溶融樹脂が流れる方向に沿ったランド部33の寸法(長さ)とみなすことができ、また、流路長FPL4は、溶融樹脂が流れる方向に沿ったランド部34の寸法(長さ)とみなすことができる。従って、流路長FPL3は、ランド部33において溶融樹脂が流れる距離を規定し、流路長FPL4は、ランド部34において溶融樹脂が流れる距離を規定し、流路長FPL5は、ランド部35において溶融樹脂が流れる距離を規定することになる。
本実施の形態の例の場合、ランド部34とランド部35との境界BL45は、開口部25の延在方向であるX方向に平行である。したがって、流路長FPL5は、X方向の位置によらず、一定である。一方、上記したように、ランド部33とランド部34との境界BL34は、開口部25の延在方向であるX方向に対して傾斜した部分を備えている。このため、ランド部34の流路長FPL4は、一定ではなく、X方向の位置に応じて変化している。以下で詳しく説明する。
なお、以下では、境界BL34から開口部25に至る流路長FPL1について説明する。上記したように、本実施の形態の場合、流路長FPL5は、X方向の位置によらず、一定なので、以下で説明する流路長FPL1の説明は、流路長FPL4の説明に置き換えることができる。図6では、流路長FPL1のうち、境界BL34の領域R1からY方向に沿って開口部25に至る流路の長さを、流路長L1として示している。また、流路長FPL1のうち、境界BL34の領域R2からY方向に沿って開口部25に至る流路の長さを、流路長L2として示している。また、流路長FPL1のうち、境界BL34の領域R3からY方向に沿って開口部25に至る流路の長さを、流路長L3として示している。
詳しくは、X方向において、境界BL34の中央付近にある領域R1では、流路長FPL1が最も大きい(長い)。図6に示す例では、流路長L1の値は、X方向の位置によらず一定である。
境界BL34の領域R2では、領域R1側から境界BL34の一方の端部に行くにしたがって徐々に小さくなっている。境界BL34の領域R2とX方向とのなす角は一定なので、領域R2とX方向とのなす角を流路長FPL1の変化率として定義すると、以下のように表現することができる。すなわち、領域R2では、流路長FPL1(流路長L2)は、領域R1側から境界BL34の一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に小さくなっている。
境界BL34の領域R3では、領域R1側から境界BL34の他方の端部に行くにしたがって徐々に小さくなっている。境界BL34の領域R3とX方向とのなす角の絶対値は、境界BL34の領域R2とX方向とのなす角の絶対値と同じであり、かつ、一定である。このため、領域R3とX方向とのなす角を流路長FPL1の変化率として定義すると、以下のように表現することができる。すなわち、領域R3では、流路長FPL1(流路長L3)は、領域R1側から境界BL34の他方の端部にかけて上記第1の変化率で徐々に小さくなっている。
図6に示すダイ3の場合、X方向(幅方向)における溶融樹脂の流量分布を均一にさせるように機能することができる。その理由は、以下のようなものである。
樹脂導入部31からマニホールド部32に流入した溶融樹脂は、マニホールド部32全体に行き渡り、マニホールド部32全体からランド部33に溶融樹脂が流入する。ただし、X方向における中央付近では、樹脂導入部31に近いことから、マニホールド部32からランド部33に溶融樹脂が流入しやすいのに対して、X方向における両端部側に行くほど、樹脂導入部31から遠くなることから、マニホールド部32からランド部33に溶融樹脂が流入しにくくなる傾向にある。これを反映して、X方向における中央付近では、マニホールド部32からランド部33に流入する溶融樹脂の流入圧力が比較的高くなるのに対して、X方向における両端部側に行くほど、マニホールド部32からランド部33に流入する溶融樹脂の流入圧力が小さくなる傾向にある。
そこで、ダイ3の場合、ランド部34の流路長FPL4(本実施の形態の場合、ランド部34およびランド部35の合計の流路長FPL1とも言える)を、中央付近の領域R1で最も大きくし、領域R1から両端(X方向における両端)にかけて、徐々に小さくしている。ランド部34の厚さt2は、ランド部33の厚さt1よりも小さいため、ランド部33よりもランド部34の方が、溶融樹脂は流れにくい。すなわち、ランド部33とランド部34とで溶融樹脂が同じ距離を流れる場合には、ランド部33よりもランド部34の方が流路抵抗は大きくなる。つまり、単位距離当たりの流路抵抗は、ランド部33よりもランド部34の方が大きくなる。なお、ランド部33,34,35における単位距離当たりの流路抵抗は、厚さが小さくなるほど大きくなる。
流路長FPL1を、境界BL34の領域R1で最も大きくし、領域R1から両端にかけて徐々に小さくすることで、ランド部33の流路抵抗とランド部34の流路抵抗との合計は、領域R1で最も大きくなり、領域R1から両端(X方向における両端)にかけて、徐々に小さくなる。これにより、ランド部34からランド部35に流入する際の溶融樹脂の流入圧力を、X方向の位置によらずほぼ一定とすることができる。すなわち、マニホールド部32からランド部33に溶融樹脂が流入する際の流入圧力が、X方向における領域R1から両端部にかけて徐々に小さくなることを考慮して、溶融樹脂がランド部33およびランド部34を通過する際の流路抵抗が、X方向における中央から両端部にかけて徐々に小さくなるようにしている。これにより、マニホールド部32からランド部33に溶融樹脂が流入する際の流入圧力の不均一さを、ランド部33,34の流路抵抗の不均一さによって相殺することができるため、結果として、ランド部34からランド部35に溶融樹脂が流入する際の流入圧力の不均一さを抑制し、ランド部35に流入する際の溶融樹脂の流入圧力を、X方向の位置によらずほぼ一定とすることができる。さらに、ランド部35の厚さt3(図3参照)はX方向の位置によらず一定である。このため、ランド部35の下流端部に位置する開口部25から吐出される溶融樹脂の流量(流速)を、X方向に位置によらず、ほぼ一定とすることができる。つまり、ダイ3の場合、X方向(幅方向)における溶融樹脂の流量分布を均一にさせるように機能することができる。
開口部25から吐出される溶融樹脂の流量分布が均一であれば、開口部25から吐出されるフィルム状の溶融樹脂の膜厚は均一になる。言い換えれば、本実施の形態に係るダイ3を用いることにより、均一な厚さを有するフィルムを製造することができる。図1に示すフィルム製造装置において、引き取り機6または延伸処理機7から排出される樹脂フィルム11aの厚さを均一にするためには、ダイ3から吐出されたフィルム状の溶融樹脂11の厚さを均一にすることが必要である。本実施の形態に係るダイ3の場合、均一の厚さでフィルム状の溶融樹脂11を成形することができるので、引き取り機6または延伸処理機7から排出される樹脂フィルム11aの厚さを均一にすることが可能である。
ところで、図7に示す検討例のダイ3C1の場合、図6に示す領域R1が存在せず、領域R2と領域R3とが中心軸32cと交わる位置で接続されている点で図6に示すダイ3と相違する。図7は、図6に対する検討例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。図8は、図6に示すダイから吐出されたフィルム状の溶融樹脂の断面形状を示す断面図である。図9は、図7に示すダイから吐出されたフィルム状の溶融樹脂の断面形状を示す断面図である。
図7に示す樹脂導入部31の幅W31(X方向の長さ)を考慮しなければ、図7に示すダイ3C1の場合でも、X方向(幅方向)における溶融樹脂の流量分布を均一にさせることができる。ところが、本願発明者が詳細に検討した結果、図7に示すダイ3C1の場合、図9に溶融樹脂フィルム112として示すように、X方向における中央付近の厚さT11cが、両端付近の厚さT11eと比較して小さいことが判った。一方、図8に示すように、本実施の形態のダイ3(図6参照)から吐出された溶融樹脂フィルム111の場合、中央付近の厚さT11cと、両端付近の厚さT11eとの差は無視できるほど小さく、均一な厚さになっている。
図8に示す溶融樹脂フィルム111が、図9に示す溶融樹脂フィルム112に対して厚さが均一になっているのは、以下の理由による。
すなわち、図6および図7に示す境界BL34のうち、Y方向において樹脂導入部31と重なる部分では、溶融樹脂の流入圧力がほぼ一定である。厳密には、後述するように、X方向における流入圧力の分布が一定でない場合もあるが、X方向におけるランド34の両端付近と、中央付近との差と比較すれば、流入圧力の不均一さは小さい。
一方、流路抵抗に着目すると、図7に示すダイ3C1の場合、Y方向において樹脂導入部31と重なる部分において、溶融樹脂に対する流路抵抗が一定ではなく、中心軸32cに近い程、流路抵抗が大きくなっている。このため、X方向における中央付近において、開口部25から吐出される溶融樹脂11(図9参照)の流量(流速)が、X方向における両端付近と比較して小さくなっている。この結果、図9に示す溶融樹脂フィルム112の場合、X方向における中央付近の厚さT11cが、両端付近の厚さT11eと比較して小さくなっていると考えられる。言い換えれば、図7に示す例の場合、樹脂導入部31と重なる部分において、マニホールド部32からランド部33に溶融樹脂が流入する際の流入圧力の不均一さと、ランド部33,34の流路抵抗の不均一さとのバランスが悪く、かえって流路抵抗が大きすぎる場所が存在している。
一方、図6に示すダイ3C1の場合、ランド部33とランド部34との境界BL34から開口部25に至る流路長FPL1は、領域R1では一定、または領域R2および領域R3における第1の変化率よりも小さい変化率で変化している。図6に示す例では、領域R1では、流路長FPL1はほぼ一定である。このため、ダイ3の場合には、Y方向において樹脂導入部31と重なる部分を含め、X方向における全ての位置で、マニホールド部32からランド部33に溶融樹脂が流入する際の流入圧力の不均一さと、ランド部33,34の流路抵抗の不均一さとをバランスさせることが可能である。結果として、ダイ3の場合には、樹脂導入部31の幅W31を考慮した場合でも、X方向(幅方向)における溶融樹脂の流量分布を全範囲で均一にさせることができる。これにより、図8に示す溶融樹脂フィルム111の場合、中央付近の厚さT11cと、両端付近の厚さT11eとの差は無視できるほど小さく、均一な厚さになっている。
<領域R1の範囲について>
次に、図6に示す領域R1の幅WR1と樹脂導入部31の幅W31との関係について説明する。図10は、図6に対する変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す拡大平面図である。図11は、図6に対する他の変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す拡大平面図である。
図6に示す例では、Y方向において、樹脂導入部31と領域R1の範囲とは互いに重なっている。樹脂導入部31の幅W31は、領域R1の幅WR1と一致する。領域R2および領域R3のそれぞれは、Y方向において、樹脂導入部31と重なっていない。図6に示す態様は、以下のように表現できる。すなわち、ランド部33とランド部34との境界BL34のうち、Y方向において樹脂導入部31と重なる領域を領域R4(図10および図11参照)とすると、X方向における領域R4の幅WR4(図10および図11参照)に対する領域R1の幅WR1は、100%である。
ただし、図6に示すように領域R1の範囲と樹脂導入部31とが、Y方向において完全に一致した状態には限定されず、樹脂導入部31の幅W31に応じて領域R1の範囲を調整することができる。
例えば図10に示すダイ3M1が有する樹脂流路部23の場合、樹脂導入部31の幅W31が広い(例えば120~250mm程度)。この場合、樹脂導入部31のうち、X方向における位置に応じて樹脂導入部31からマニホールド部32への流入圧力が異なっている場合がある。すなわち、中心軸32cに近い位置では、樹脂導入部31からマニホールド部32への流入圧力が高く、樹脂導入部31の内壁に近い位置では、内壁による流路抵抗により、樹脂導入部31からマニホールド部32への流入圧力が低くなる場合がある。この場合、樹脂導入部31の内壁に近い領域では、中心軸32c付近と比較して、ランド部33からランド部34への流入圧力も相対的に低くなり易い。
そこで、図10に示すダイ3M1の場合、領域R2および領域R3のそれぞれの一部分が、Y方向において樹脂導入部31と重なっている。樹脂導入部31の内壁に近い位置において、領域R2および領域R3のそれぞれの一部分が、Y方向において樹脂導入部31と重なっていることで、Y方向において樹脂導入部31の内壁と重なる位置の周辺を含め、X方向における全ての位置で、マニホールド部32からランド部33に溶融樹脂が流入する際の流入圧力の不均一さと、ランド部33,34の流路抵抗の不均一さとをバランスさせることが可能である。
一方、例えば図11に示すダイ3M2が有する樹脂流路部23の場合、樹脂導入部31の幅W31が狭い(例えば30~100mm程度)。この場合、樹脂導入部31から導入される溶融樹脂のマニホールド部32への流入速度が速いので、Y方向において樹脂導入部31と重なる領域R4よりも広い範囲において、マニホールド部32からランド部33への樹脂の流入圧力が高くなる可能性がある。この場合、境界BL34のうち、樹脂導入部31と重なっていない領域であっても、領域R1と同程度の流入圧力になる可能性がある。
そこで、図11に示すダイ3M2の場合、領域R1の範囲が領域R4の範囲よりも広くなっている。詳しくは、ランド部33とランド部34との境界BL34のうち、Y方向において樹脂導入部31と重なる領域を領域R4とすると、X方向における領域R4の幅WR4に対する領域R1の幅WR1は、100%より大きい。領域R1の範囲が領域R4の範囲よりも広くなっていることで、Y方向において樹脂導入部31と重なる領域R4の周辺領域を含め、X方向における全ての位置で、マニホールド部32からランド部33に溶融樹脂が流入する際の流入圧力の不均一さと、ランド部33,34の流路抵抗の不均一さとをバランスさせることが可能である。
図10および図11を用いて説明したように、領域R1の範囲は、樹脂導入部31の幅W31に応じて領域R4の幅WR4よりも小さく、あるいは大きくすることができる。ただし、中心軸32cの近傍では、マニホールド部32からランド部33への樹脂の流入圧力がほぼ一定と見なせる程度になっている場合がある。この場合、領域R1と領域R4とには、以下の関係が成り立つことが好ましい。すなわち、領域R1の範囲が領域R4の範囲よりも広くなっている。詳しくは、ランド部33とランド部34との境界BL34のうち、Y方向において樹脂導入部31と重なる領域を領域R4とすると、X方向における領域R4の幅WR4に対する領域R1の幅WR1は、80%以上、かつ、120%以下である。
<変形例1>
次に、図12および図13を用いて図6に対する他の変形例について説明する。図12は、図6に対する他の変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。図13は、図12のB2-B2線に沿った拡大断面図である。図12および図13に示すダイ3M3は、樹脂流路部23の形状、特に、図6に示すランド部35が設けられていない点で、図6に示すダイ3と相違する。
ダイ3M3の場合、ランド部34の下端(下流側の端部)に開口部25が設けられている。この場合、ランド部34がリップランド部として機能する。ダイ3M3の場合、図6を用いて説明した流路長FPL1は、ランド部34の流路長FPL4と一致する。図13に示すように、ランド部34の厚さt3は、ランド部33の厚さt1よりも小さい(薄い)。厚さt1,t3の一例を挙げると、厚さt1は2~20mm程度であり、厚さt3は0.4~6mm程度である。
ランド部33とランド部34との境界BL34から開口部25に至る流路長FPL1に関しては、ダイ3M3の場合にも、図6を用いて説明したダイ3と同様である。すなわち、X方向において、境界BL34の中央付近にある領域R1では、流路長FPL1が最も大きい(長い)。図12に示す例では、流路長L1の値は、X方向の位置によらず一定である。領域R2では、流路長FPL1(流路長L2)は、領域R1側から境界BL34の一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に小さくなっている。領域R3では、流路長FPL1(流路長L3)は、領域R1側から境界BL34の他方の端部にかけて上記第1の変化率で徐々に小さくなっている。したがって、図12に示すダイ3M3の場合、X方向(幅方向)における溶融樹脂の流量分布を均一にさせるように機能することができる。
なお、図12および図13に示すダイ3M3の場合、図6および図3に示すダイ3と比較して、ランド部34の厚さt3(図3に示す例では、ランド部34の厚さt2)が狭い。このため、ダイ3M3の場合、ダイ3と比較してランド部34における流路抵抗が大きい。樹脂流路部23全体としての流路抵抗を低減させる方法としては、図3に示すように、ランド部34の下流側にリップランド部として機能するランド部35を設ける方法がある。あるいは、図12に示す流路長FPL1を短くすることにより、流路抵抗を低減させる方法がある。
図12および図13を用いて説明したダイ3M3は、上記した相違点を除き、図6に示すダイ3と同様である。したがって、ダイ3と共通する構造については、重複する説明を省略する。
なお、図12および図13を用いて説明したダイ3M3の構造と、図10を用いて説明したダイ3M1の構造、あるいは、図11を用いて説明したダイ3M2の構造とを組み合わせて適用することもできる。
<変形例2>
次に、図13および図15を用いて図12に対する他の変形例について説明する。図14は、図12に対する変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。図15は、図14の樹脂導入部の周辺を拡大して示す拡大平面図である。図14および図15に示すダイ3M4は、樹脂流路部23の形状、特に、ランド部33とランド部34との境界BL34のうち、領域R1の形状が図12に示すダイ3M3と相違する。図15では、領域R1における境界BL34の変化率が、領域R2における変化率および領域R3における変化率よりも小さいことを明示的に図示するため、領域R2の辺を延長した線、および領域R3の辺を延長した線を仮想線BL34Dとして図示している。
詳しくは、図14および図15に示すダイ3M4の場合、ランド部33とランド部34との境界BL34の領域R1からY方向に沿って開口部25(図14参照)に至る流路長FPL1が、X方向における位置によって変化している。この点は、図6に示すダイ3、図10に示すダイ3M1、図11に示すダイ3M2、および図12に示すダイ3M3のそれぞれと相違する。
図10を用いて説明したように、樹脂導入部31の幅W31が広い場合、樹脂導入部31と重なる領域R4内で、X方向の位置に応じてマニホールド部32からランド部33への溶融樹脂の流入圧力が異なっている場合がある。すなわち、中心軸32cに近い位置では、上記した流入圧力が相対的に高く、樹脂導入部31の側壁の近くでは、側壁による流路抵抗の影響で流入圧力が小さくなっている場合がある。図14および図15に示すダイ3M4の場合、領域R1における流路長FPL1の値をX方向における位置に応じて変化させている。本変形例では、領域R1において、境界BL34は、中心軸32cと交差する位置を頂点とする円弧形状になっている。中心軸32cと重なる位置において流路長FPL1の値が最大値となっている。円弧形状の一方の弧端は領域R2に接続され、円弧形状の他方の弧端は領域R3に接続されている。
ただし、領域R1における溶融樹脂の流入圧力のX方向の位置に応じた変化量は、領域R2および領域R3における溶融樹脂の流入圧力のX方向の位置に応じた変化量と比較して小さい。したがって、本変形例の場合、領域R1におけるX方向の位置に応じた流路長FPL1の変化率は、領域R2における流路長FPL1の変化率、および領域R3における流路長FPL1の変化率、のそれぞれよりも小さい。これは、図15に示す仮想線BL34DとX方向とが成す角よりも、領域R1における境界BL34とX方向とが成す角の方が小さいことから明らかである。
本変形例の場合、中心軸32c付近におけるわずかな流入圧力の不均一さを境界BL34の領域R1の形状により相殺することができるので、図12に示すダイ3M3よりもさらに均一な膜を取得することができる。
図14および図15を用いて説明したダイ3M4は、上記した相違点を除き、図12に示すダイ3M3と同様である。したがって、ダイ3M3と共通する構造については、重複する説明を省略する。
なお、図14および図15を用いて説明したダイ3M4の構造と、図6を用いて説明したダイ3の構造、図11を用いて説明したダイ3M2の構造、あるいは図12を用いて説明したダイ3M3の構造とを組み合わせて適用することもできる。
また、本変形例では、領域R1における境界BL34の変化率が、領域R2における変化率および領域R3における第1の変化率よりも小さい場合の実施態様として、境界BL34の領域R1の形状が円弧形状である例を示した。ただし、境界BL34の領域R1の形状は円弧形状には限定されず、領域R1における境界BL34の変化率が、領域R2における変化率および領域R3における第1の変化率よりも小さいという条件を満たす範囲内において種々の変形例を適用できる。
<変形例3>
次に、図15、図17、および図18を用いて図6に対する他の変形例について説明する。図16は、図6に対する他の変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。図17は、図16のC1-C1線に沿った拡大断面図である。図18は、図16のC2-C2線に沿った拡大断面図である。なお、図16に示すC3-C3線に沿った断面は、図4と同様なので図示を省略する。図16~図18に示すダイ3M5は、樹脂流路部23の形状、特に、ランド部33の厚さt1(図18参照)がランド部34の厚さt2(図18参照)よりも小さい(薄い)点、および境界BL34の形状が図6に示すダイ3と相違する。
詳しくは、図18に示すように、ランド部33,34,35は、X方向およびY方向に略平行な平面(主面)を有するスリット状(板状)の形状を有している。ランド部33,34,35の厚さの関係は、次のようになっている。
すなわち、図3に示すように、ランド部33の厚さt1よりもランド部34の厚さt2が大きく(t1<t2)、ランド部34の厚さt2よりもランド部35の厚さt3が小さい(t2>t3)。また、ランド部33の厚さは均一であり、ランド部34の厚さは均一であり、ランド部35の厚さは均一である。厚さt1,t2,t3の一例を挙げると、厚さt1は2~20mm程度であり、厚さt2は0.4~6mm程度であり、厚さt3は0.8~10mm程度である。
本変形例の場合、ランド部34の厚さt2が、ランド部33の厚さt1よりも大きいため、ランド部33よりもランド部34の方が、溶融樹脂は流れやすい。すなわち、ランド部33とランド部34とで溶融樹脂が同じ距離を流れる場合には、ランド部33よりもランド部34の方が流路抵抗は小さくなる。つまり、単位距離当たりの流路抵抗は、ランド部33よりもランド部34の方が小さくなる。なお、ランド部33,34,35における単位距離当たりの流路抵抗は、厚さが小さくなるほど大きくなる点は既に説明した通りである。
本変形例の場合、ランド部33の厚さt1およびランド部34の厚さt2が上記の通り、図2に示すダイ3と異なっているので、これに対応して境界BL34の形状も異なっている必要がある。
詳しくは、X方向において、境界BL34の中央付近にある領域R1では、流路長FPL1が最も小さい(短い)。図16に示す例では、流路長L1の値は、X方向の位置によらず一定である。
境界BL34の領域R2では、領域R1側から境界BL34の一方の端部に行くにしたがって徐々に大きくなっている。境界BL34の領域R2とX方向とのなす角は一定なので、領域R2とX方向とのなす角を流路長FPL1の変化率として定義すると、以下のように表現することができる。すなわち、領域R2では、流路長FPL1(流路長L2)は、領域R1側から境界BL34の一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に大きくなっている。
境界BL34の領域R3では、領域R1側から境界BL34の他方の端部に行くにしたがって徐々に大きくなっている。境界BL34の領域R3とX方向とのなす角の絶対値は、境界BL34の領域R2とX方向とのなす角の絶対値と同じであり、かつ、一定である。このため、領域R3とX方向とのなす角を流路長FPL1の変化率として定義すると、以下のように表現することができる。すなわち、領域R3では、流路長FPL1(流路長L3)は、領域R1側から境界BL34の他方の端部にかけて上記第1の変化率で徐々に大きくなっている。
図16に示すダイ3M5の場合も、図6に示すダイ3と同様に、X方向(幅方向)における溶融樹脂の流量分布を均一にさせるように機能することができる。その理由は、図6を用いて説明した理由と同様であるが、本変形例において、図6とは異なる点について説明する。
本変形例の場合、図17に示すように、ランド部33の厚さt1がランド部34の厚さt2より小さいので、溶融樹脂の流れ易さの観点からは以下のことが言える。すなわち、ランド部33よりもランド部34の方が、溶融樹脂が流れやすい。言い換えれば、ランド部33の流路抵抗の方がランド部34の流路抵抗よりも大きい。
そこで、本変形例のダイ3M5の場合、ランド部34の流路長FPL4(本変形例の場合、ランド部33とランド部34の合計の流路長FPL1と言える)を、中央付近の領域R1で最も小さくし、領域R1から両端(X方向における両端)にかけて、徐々に大きくしている。流路長FPL1を、境界BL34の領域R1で最も小さくし、領域R1から両端にかけて徐々に大きくすることで、ランド部33の流路抵抗とランド部34の流路抵抗との合計は、領域R1で最も大きくなり、領域R1から両端(X方向における両端)にかけて、徐々に小さくなる。これにより、ランド部34からランド部35に流入する際の溶融樹脂の流入圧力を、X方向の位置によらずほぼ一定とすることができる。
これにより、ランド部34からランド部35に溶融樹脂が流入する際の流入圧力の不均一さを抑制し、ランド部35に流入する際の溶融樹脂の流入圧力を、X方向の位置によらずほぼ一定とすることができる。さらに、ランド部35の厚さt3(図3参照)はX方向の位置によらず一定である。このため、ランド部35の下流端部に位置する開口部25から吐出される溶融樹脂の流量(流速)を、X方向に位置によらず、ほぼ一定とすることができる。つまり、ダイ3M5の場合、X方向(幅方向)における溶融樹脂の流量分布を均一にさせるように機能することができる。
図16~図18を用いて説明したダイ3M5は、上記した相違点を除き、図6に示すダイ3と同様である。したがって、ダイ3と共通する構造については、重複する説明を省略する。
なお、図16~図18を用いて説明したダイ3M5の構造と、図10を用いて説明したダイ3M1の構造、図11を用いて説明したダイ3M2の構造、図12を用いて説明したダイ3M3の構造、あるいは図14を用いて説明したダイ3M4の構造とを組み合わせて適用することもできる。
本変形例と、図10を用いて説明したダイ3M1の構造、あるいは図11を用いて説明したダイ3M2の構造とを組み合わせた場合、以下の関係を満たすことが好ましい。すなわち、図10または図11に示すように、ランド部33とランド部34との境界BL34のうち、Y方向において樹脂導入部31と重なる領域を領域R4とすると、X方向における領域R4の幅WR4に対する領域R1の幅WR1は、80%以上、かつ、120%以下である。理由は図10および図11を用いて既に説明した通りである。
また、本変形例と、図14を用いて説明したダイ3M4の構造とを組み合わせる場合、境界BL34は、中心軸32cと重なる位置において流路長FPL1の値は、最小値となっている。本変形例と組み合わせた場合でも、境界BL34の領域R1の形状は、円弧形状には限定されないことは、既に説明した通りである。
<変形例4>
次に、図18、図20、および図21を用いて図6に対する他の変形例について説明する。図19は、図6に対する他の変形例である押出成型用のダイの樹脂流路部を示す平面図である。図20は、図19のD1-D1線に沿った拡大断面図である。図21は、図19のD2-D2線に沿った拡大断面図である。なお、図19に示すD3-D3線に沿った断面は、図4と同様なので図示を省略する。図19~図21に示すダイ3M6は、マニホールド部32の形状、およびマニホールド部32の構造が図6に示すダイ3と相違する。
詳しくは、本変形例のダイ3M6は、樹脂導入部31に接続されたマニホールド部32と、マニホールド部32の下流側に設けられ、かつ、マニホールド部32に接続されたランド部36と、を有している。図6に示す例では、マニホールド部32とランド部33との境界BL23は、X方向に対して平行である。しかし、図19に示すダイ3M6の場合、マニホールド部32とランド部36との境界BL26は、X方向に対して平行ではなく、X方向に対して傾斜している部分(領域R2および領域R3)を含んでいる。
また、マニホールド部32は、境界BL26の反対側において樹脂導入部31と接続され、樹脂導入部との接続部の両隣に、辺32s1および辺32s2を有している。図6に示す例の場合、辺32s1および辺32s2のそれぞれは、X方向に対して平行である。一方、図19に示す例の場合、X方向に対して傾斜している。
また、本変形例の場合、マニホールド部32の下流側に複数のランド部は配置されず、一つのランド部36が配置されている。ランド部36の下端(下流側の端部)にはリップ口としての開口部25が形成されている。
本変形例の場合、マニホールド部32の形状を上記のようにすることで、溶融樹脂が、樹脂流路部23内を流れる時間を低減させる構造となっている。溶融樹脂が、樹脂流路部23内を流れる時間を低減させることにより、熱に起因して樹脂に付与されるダメージを低減させることができる。
本変形例において、図6に示すダイ3と同様に、X方向(幅方向)における溶融樹脂の流量分布を均一にさせるためには、以下のような条件が必要である。すなわち、マニホールド部32とランド部36との境界BL26は、中心軸32cと交差する部分を含む領域R1と、X方向においてマニホールド部32とランド部36との境界BL26の一方の端部と領域R1との間にある領域R2と、X方向においてマニホールド部32とランド部36との境界BL26の他方の端部と領域R1との間にある領域R3と、を含んでいる。X方向において、領域R1は、境界BL34の中央にある。図6に示す例では、領域R1において境界BL34は、X方向に平行である。言い換えれば、領域R1において境界BL34は、開口部25の延在方向に平行である。
領域R1,R2,R3のX方向に対する傾斜角度に着目すると、以下の表現ができる。すなわち、領域R2において、境界BL26は、X方向に対して90度未満の角度を成すように傾斜している。領域R3において、境界BL26は、X方向に対して90度未満の角度を成すように傾斜している。領域R1において、境界BL26とX方向とが成す角度は、領域R2および領域R3において、境界BL26とX方向とが成す角度よりも小さい(ただし、0度も含む)。
次に、領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて、境界BL26から開口部25に至る樹脂の流路の流路長FPL1について説明する。図19に示す流路長FPL1は、ランド部34の流路長である。流路長FPL1は、溶融樹脂が流れる方向に沿ったランド部36の寸法(長さ)とみなすことができる。
本変形例の場合、X方向において、境界BL26の中央付近にある領域R1では、流路長FPL1が最も大きい(長い)。図6に示す例では、流路長L1の値は、X方向の位置によらず一定である。
境界BL26の領域R2では、領域R1側から境界BL26の一方の端部に行くにしたがって徐々に小さくなっている。境界BL26の領域R2とX方向とのなす角は一定なので、領域R2とX方向とのなす角を流路長FPL1の変化率として定義すると、以下のように表現することができる。すなわち、領域R2では、流路長FPL1(流路長L2)は、領域R1側から境界BL26の一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に小さくなっている。
境界BL26の領域R3では、領域R1側から境界BL26の他方の端部に行くにしたがって徐々に小さくなっている。境界BL26の領域R3とX方向とのなす角の絶対値は、境界BL26の領域R2とX方向とのなす角の絶対値と同じであり、かつ、一定である。このため、領域R3とX方向とのなす角を流路長FPL1の変化率として定義すると、以下のように表現することができる。すなわち、領域R3では、流路長FPL1(流路長L3)は、領域R1側から境界BL26の他方の端部にかけて上記第1の変化率で徐々に小さくなっている。
ただし、図14および図15を用いて説明したダイ3M4の構造と組み合わせる場合がある。この場合、領域R1での流路長FPL1の変化率は、上記第1の変化率よりも小さい変化率で変化する。
図19に示すダイ3M6の場合も、X方向(幅方向)における溶融樹脂の流量分布を均一にさせるように機能することができる。その理由は、以下のようなものである。
ダイ3M6の場合、ランド部36の流路長FPL1を、中央付近の領域R1で最も大きくし、領域R1から両端(X方向における両端)にかけて、徐々に小さくしている。ランド部36の厚さt2(図21参照)は、マニホールド部32の厚さt1(図21参照)の最小値以下である。このため、マニホールド部32よりもランド部36の方が、溶融樹脂は流れにくい。すなわち、マニホールド部32とランド部36とで溶融樹脂が同じ距離を流れる場合には、マニホールド部32よりもランド部36の方が流路抵抗は大きくなる。
流路長FPL1を、境界BL26の領域R1で最も大きくし、領域R1から両端にかけて徐々に小さくすることで、ランド部36の流路抵抗は、領域R1で最も大きくなり、領域R1から両端(X方向における両端)にかけて、徐々に小さくなる。これにより、ランド部36からランド部35に流入する際の溶融樹脂の流入圧力を、X方向の位置によらずほぼ一定とすることができる。すなわち、マニホールド部32からランド部36に溶融樹脂が流入する際の流入圧力が、X方向における領域R1から両端部にかけて徐々に小さくなることを考慮して、溶融樹脂がランド部36を通過する際の流路抵抗が、X方向における中央から両端部にかけて徐々に小さくなるようにしている。これにより、マニホールド部32からランド部36に溶融樹脂が流入する際の流入圧力の不均一さを、ランド部33,34の流路抵抗の不均一さによって相殺することができるため、結果として、ランド部36からランド部35に溶融樹脂が流入する際の流入圧力の不均一さを抑制し、開口部25から吐出される際の溶融樹脂の流量を、X方向の位置によらずほぼ一定とすることができる。
図19~図21を用いて説明したダイ3M6は、上記した相違点を除き、図6に示すダイ3と同様である。したがって、ダイ3と共通する構造については、重複する説明を省略する。
なお、図19~図21を用いて説明したダイ3M6の構造と、図10を用いて説明したダイ3M1の構造、図11を用いて説明したダイ3M2の構造、図12を用いて説明したダイ3M3の構造、あるいは図14を用いて説明したダイ3M4の構造とを組み合わせて適用することもできる。
本変形例と、図10を用いて説明したダイ3M1の構造、図11を用いて説明したダイ3M2の構造、図12を用いて説明したダイ3M3の構造、あるいは図14を用いて説明したダイ3M4の構造とを組み合わせて適用する場合、各説明において、ランド部33とランド部34との境界BL34という記載は、マニホールド部32とランド部36との境界BL26と読み替えて適用される。
また、本変形例と、図10を用いて説明したダイ3M1の構造、あるいは図11を用いて説明したダイ3M2の構造とを組み合わせた場合、以下の関係を満たすことが好ましい。すなわち、マニホールド部32とランド部36との境界BL26のうち、Y方向において樹脂導入部31と重なる領域を領域R4(図10および図11参照)とすると、X方向における領域R4の幅WR4(図10および図11参照)に対する領域R1の幅WR1は、80%以上、かつ、120%以下である。理由は図10および図11を用いて既に説明した通りである。
また、上記した各変形例であるダイを、図1に示すダイ3と置き換えて適用することができる。例えば、図19~図21に示すダイ3M6を図1に示すダイ3と置き換えた場合、ダイ3M6を備えたフィルム製造装置1、およびフィルム製造装置1を用いたフィルムの製造方法が得られる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 フィルム製造装置(押出成形装置、押出成形機)
2 押出機(押出装置)
2a 樹脂投入口
3,3C1,3M1,3M2,3M3,3M4,3M5,3M6 ダイ(押出成形用ダイ、金型)
4 冷却ロール(キャストロール)
5 タッチロール
6 引き取り機(引取り装置)
7 延伸処理機
11 溶融樹脂
11a 樹脂フィルム
111,112 溶融樹脂フィルム
21,22 ダイ部材(ダイ本体部、金型)
23 樹脂流路部
24 開口部(供給口、導入口)
25 開口部(吐出口)
31 樹脂導入部
32 マニホールド部
32c 中心軸
32s1,32s2 辺
33,34,35,36 ランド部(スリット部、領域)
BL23,BL26,BL34,BL45 境界
BL34D 仮想線
FPL1,FPL3,FPL4,FPL5,L1,L2,L3 流路長
R1,R2,領域,R3,R4 領域
W31,WR1,WR4 幅

Claims (14)

  1. 溶融樹脂を供給するための第1開口部と、
    前記溶融樹脂を吐出するための第2開口部と、
    前記第1開口部から前記第2開口部に至る樹脂流路部と、
    を有する押出成形用ダイであって、
    前記樹脂流路部は、
    前記第1開口部に接続された樹脂導入部と、
    前記樹脂導入部に接続されたマニホールド部と、
    前記マニホールド部と前記第2開口部との間に、前記マニホールド部から前記第2開口部に向かう第1方向に順に配置された第1ランド部および第2ランド部と、
    を有し、
    前記第2開口部は、前記第1方向に直交する第2方向に延びており、
    前記第2ランド部の厚さは、前記第1ランド部の厚さと異なり、
    前記樹脂導入部の中心を通り、前記第1方向に沿って前記第2開口部に至る仮想線を第1中心軸とすると、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界は、
    前記第1中心軸と交差する部分を含む第1領域と、
    前記第2方向において前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界の一方の端部と前記第1領域との間にある第2領域と、
    前記第2方向において前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界の他方の端部と前記第1領域との間にある第3領域と、
    を含み、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、
    前記第2領域では、前記第1領域側から前記一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に変化しており、
    前記第3領域では、前記第1領域側から前記他方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に変化しており、
    前記第1領域では、一定、または前記第1の変化率よりも小さい変化率で変化している、押出成形用ダイ。
  2. 請求項1において、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界のうち、前記第1方向において前記樹脂導入部と重なる領域を第4領域とすると、
    前記第2方向における前記第4領域の幅に対する前記第1領域の幅は、80%以上120%以下である、押出成形用ダイ。
  3. 請求項1において、
    前記第2ランド部の厚さは、前記第1ランド部の厚さより薄く、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、
    前記第2領域では、前記第1領域側から前記一方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第3領域では、前記第1領域側から前記他方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第1領域における前記第1流路長は、前記第2領域における前記第1流路長の最大値以上であり、かつ、前記第3領域における前記第1流路長の最大値以上である、押出成形用ダイ。
  4. 請求項1において、
    前記第2ランド部の厚さは、前記第1ランド部の厚さより厚く、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、
    前記第2領域では、前記第1領域側から前記一方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に大きくなっており、
    前記第3領域では、前記第1領域側から前記他方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に大きくなっており、
    前記第1領域における前記第1流路長は、前記第2領域における前記第1流路長の最小値以下であり、かつ、前記第3領域における前記第1流路長の最小値以下である、押出成形用ダイ。
  5. 請求項1において、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、前記第1領域では一定である、押出成形用ダイ。
  6. 請求項1において、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、前記第1領域では、前記第1の変化率よりも小さい変化率で変化している、押出成形用ダイ。
  7. 溶融樹脂を供給するための第1開口部と、
    前記溶融樹脂を吐出するための第2開口部と、
    前記第1開口部から前記第2開口部に至る樹脂流路部と、
    を有する押出成形用ダイであって、
    前記樹脂流路部は、
    前記第1開口部に接続された樹脂導入部と、
    前記樹脂導入部に接続されたマニホールド部と、
    第1方向において、前記マニホールド部と前記第2開口部との間に、前記マニホールド部に連なるように配置されたランド部と、
    を有し、
    前記第2開口部は、前記第1方向に直交する第2方向に延びており、
    前記ランド部の厚さは、前記マニホールド部の厚さ以下であり、
    前記樹脂導入部の中心を通り、前記第1方向に沿って前記第2開口部に至る仮想線を第1中心軸とすると、
    前記マニホールド部と前記ランド部との境界は、
    前記第1中心軸と交差する部分を含む第1領域と、
    前記第2方向において前記マニホールド部と前記ランド部との境界の一方の端部と前記第1領域との間にある第2領域と、
    前記第2方向において前記マニホールド部と前記ランド部との境界の他方の端部と前記第1領域との間にある第3領域と、
    を含み、
    前記マニホールド部と前記ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、
    前記第2領域では、前記第1領域側から前記一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第3領域では、前記第1領域側から前記他方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第1領域では、一定、または前記第1の変化率よりも小さい変化率で変化している、押出成形用ダイ。
  8. 請求項7において、
    前記マニホールド部と前記ランド部との境界のうち、前記第1方向において前記樹脂導入部と重なる領域を第4領域とすると、
    前記第2方向における前記第4領域の幅に対する前記第1領域の幅は、80%以上120%以下である、押出成形用ダイ。
  9. 請求項7において、
    前記マニホールド部と前記ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、前記第1領域では一定である、押出成形用ダイ。
  10. 請求項7において、
    前記マニホールド部と前記ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、前記第1領域では、前記第1の変化率よりも小さい変化率で変化している、押出成形用ダイ。
  11. 押出機と、
    前記押出機から押し出された溶融樹脂が供給されるダイと、
    前記ダイから吐出された前記溶融樹脂を冷却するための冷却用治具と、

    を有するフィルム製造装置であって、
    前記ダイは、
    前記溶融樹脂を供給するための第1開口部と、
    前記溶融樹脂を吐出するための第2開口部と、
    前記第1開口部から前記第2開口部に至る樹脂流路部と、
    を有し、
    前記樹脂流路部は、
    前記第1開口部に接続された樹脂導入部と、
    前記樹脂導入部に接続されたマニホールド部と、
    前記マニホールド部と前記第2開口部との間に、前記マニホールド部から前記第2開口部に向かう第1方向に順に配置された第1ランド部および第2ランド部と、
    を有し、
    前記第2開口部は、前記第1方向に直交する第2方向に延びており、
    前記第2ランド部の厚さは、前記第1ランド部の厚さと異なり、
    前記樹脂導入部の中心を通り、前記第1方向に沿って前記第2開口部に至る仮想線を第1中心軸とすると、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界は、
    前記第1中心軸と交差する部分を含む第1領域と、
    前記第2方向において前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界の一方の端部と前記第1領域との間にある第2領域と、
    前記第2方向において前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界の他方の端部と前記第1領域との間にある第3領域と、
    を含み、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、
    前記第2領域では、前記第1領域側から前記一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第3領域では、前記第1領域側から前記他方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第1領域では、一定、または前記第1の変化率よりも小さい変化率で変化している、フィルム製造装置。
  12. 押出機から溶融樹脂を押し出してダイに供給する工程と、
    前記溶融樹脂を前記ダイでフィルム状に成形する工程と、
    前記ダイから吐出されたフィルム状の前記溶融樹脂を冷却する工程と、
    を有するフィルムの製造方法であって、
    前記ダイは、
    前記溶融樹脂を供給するための第1開口部と、
    前記溶融樹脂を吐出するための第2開口部と、
    前記第1開口部から前記第2開口部に至る樹脂流路部と、
    を有し、
    前記樹脂流路部は、
    前記第1開口部に接続された樹脂導入部と、
    前記樹脂導入部に接続されたマニホールド部と、
    前記マニホールド部と前記第2開口部との間に、前記マニホールド部から前記第2開口部に向かう第1方向に順に配置された第1ランド部および第2ランド部と、
    を有し、
    前記第2開口部は、前記第1方向に直交する第2方向に延びており、
    前記第2ランド部の厚さは、前記第1ランド部の厚さと異なり、
    前記樹脂導入部の中心を通り、前記第1方向に沿って前記第2開口部に至る仮想線を第1中心軸とすると、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界は、
    前記第1中心軸と交差する部分を含む第1領域と、
    前記第2方向において前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界の一方の端部と前記第1領域との間にある第2領域と、
    前記第2方向において前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界の他方の端部と前記第1領域との間にある第3領域と、
    を含み、
    前記第1ランド部と前記第2ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、
    前記第2領域では、前記第1領域側から前記一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第3領域では、前記第1領域側から前記他方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第1領域では、一定、または前記第1の変化率よりも小さい変化率で変化している、フィルムの製造方法。
  13. 押出機と、
    前記押出機から押し出された溶融樹脂が供給されるダイと、
    前記ダイから吐出された前記溶融樹脂を冷却するための冷却用治具と、

    を有するフィルム製造装置であって、
    前記ダイは、
    溶融樹脂を供給するための第1開口部と、
    前記溶融樹脂を吐出するための第2開口部と、
    前記第1開口部から前記第2開口部に至る樹脂流路部と、
    を有する押出成形用ダイであって、
    前記樹脂流路部は、
    前記第1開口部に接続された樹脂導入部と、
    前記樹脂導入部に接続されたマニホールド部と、
    第1方向において、前記マニホールド部と前記第2開口部との間に、前記マニホールド部に連なるように配置されたランド部と、
    を有し、
    前記第2開口部は、前記第1方向に直交する第2方向に延びており、
    前記ランド部の厚さは、前記マニホールド部の厚さ以下であり、
    前記樹脂導入部の中心を通り、前記第1方向に沿って前記第2開口部に至る仮想線を第1中心軸とすると、
    前記マニホールド部と前記ランド部との境界は、
    前記第1中心軸と交差する部分を含む第1領域と、
    前記第2方向において前記マニホールド部と前記ランド部との境界の一方の端部と前記第1領域との間にある第2領域と、
    前記第2方向において前記マニホールド部と前記ランド部との境界の他方の端部と前記第1領域との間にある第3領域と、
    を含み、
    前記マニホールド部と前記ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、
    前記第2領域では、前記第1領域側から前記一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第3領域では、前記第1領域側から前記他方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第1領域では、一定、または前記第1の変化率よりも小さい変化率で変化している、フィルム製造装置。
  14. 押出機から溶融樹脂を押し出してダイに供給する工程と、
    前記溶融樹脂を前記ダイでフィルム状に成形する工程と、
    前記ダイから吐出されたフィルム状の前記溶融樹脂を冷却する工程と、
    を有するフィルムの製造方法であって、
    前記ダイは、
    溶融樹脂を供給するための第1開口部と、
    前記溶融樹脂を吐出するための第2開口部と、
    前記第1開口部から前記第2開口部に至る樹脂流路部と、
    を有する押出成形用ダイであって、
    前記樹脂流路部は、
    前記第1開口部に接続された樹脂導入部と、
    前記樹脂導入部に接続されたマニホールド部と、
    第1方向において、前記マニホールド部と前記第2開口部との間に、前記マニホールド部に連なるように配置されたランド部と、
    を有し、
    前記第2開口部は、前記第1方向に直交する第2方向に延びており、
    前記ランド部の厚さは、前記マニホールド部の厚さ以下であり、
    前記樹脂導入部の中心を通り、前記第1方向に沿って前記第2開口部に至る仮想線を第1中心軸とすると、
    前記マニホールド部と前記ランド部との境界は、
    前記第1中心軸と交差する部分を含む第1領域と、
    前記第2方向において前記マニホールド部と前記ランド部との境界の一方の端部と前記第1領域との間にある第2領域と、
    前記第2方向において前記マニホールド部と前記ランド部との境界の他方の端部と前記第1領域との間にある第3領域と、
    を含み、
    前記マニホールド部と前記ランド部との境界から前記第2開口部に至る第1流路長は、
    前記第2領域では、前記第1領域側から前記一方の端部にかけて第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第3領域では、前記第1領域側から前記他方の端部にかけて前記第1の変化率で徐々に小さくなっており、
    前記第1領域では、一定、または前記第1の変化率よりも小さい変化率で変化している、フィルムの製造方法。
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