JP3494873B2 - 自動変速機のニュートラル制御装置 - Google Patents

自動変速機のニュートラル制御装置

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JP3494873B2
JP3494873B2 JP2882498A JP2882498A JP3494873B2 JP 3494873 B2 JP3494873 B2 JP 3494873B2 JP 2882498 A JP2882498 A JP 2882498A JP 2882498 A JP2882498 A JP 2882498A JP 3494873 B2 JP3494873 B2 JP 3494873B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の条件のとき
にクリープを防止するべく自動変速機をニュートラル状
態に移行させる自動変速機のニュートラル制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機は、一般に、エンジン
からの回転動力を流体式トルクコンバータを介して、ク
ラッチを備えた歯車変速装置に伝えるようになってお
り、歯車変速装置の変速段を、車速及びアクセル開度
(アクセルの踏み込み量)に応じ、予め定められた変速
パターンに従って切り換える構成とされている。自動変
速機のシフトレンジには、ドライブレンジ(前進走行レ
ンジ)、ニュートラルレンジ等のレンジがあるが、ドラ
イブレンジを選択した場合には、車両が少しずつ前進す
るクリープが発生する。これは、ドライブレンジに設定
すると、歯車変速装置の変速段が第1速に設定され、エ
ンジンがアイドル回転しているため、トルクコンバータ
を介して若干のトルクが車輪側に伝達されるためであ
る。
【0003】実際の走行時には、シフトレンジをドライ
ブレンジに維持したまま、フットブレーキを踏むことに
よって、このクリープ現象を抑え込んでいるが、この
間、クリープ分の負荷がエンジンにかかるため、エンジ
ンの燃費が悪化するのは避けられない。
【0004】そこで、ドライブレンジのときでも、所定
の条件が成立したときには、自動変速機をニュートラル
状態にしてクリープを防止する技術(「ニュートラル制
御」あるいは「クリープ制御」と呼ばれる技術)が、特
公昭63−35869号公報や特開平6−147312
号公報等において提案されている。この場合の所定の条
件としては、通常、アクセルが解放(全閉)され、フッ
トブレーキが踏み込まれ(フットブレーキスイッチO
N)、且つ、車速が実質的にゼロと検出されたときとさ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高速道路の
渋滞時などには微速前進と停止とを繰り返して走行する
ことが多いが、そうした場合、上記のニュートラル制御
を行う車両では、ニュートラル制御への移行及び解除が
極めて頻繁に行われることになり、ドライバビリティ
(運転操縦性)の悪化を招くおそれがあった。即ち、ニ
ュートラル制御によって変速機がニュートラル状態に移
行すると、その状態からアクセルを踏み込んで前に進も
うとした際に、若干の遅れを生じることが避けられず、
この僅かな遅れがアクセルを踏む度に頻繁に発生するこ
とで、運転者に違和感を抱かせるおそれがあった。
【0006】本発明は、上記事情を考慮し、運転者の違
和感の軽減を図ることのできる自動変速機のニュートラ
ル制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、自動
変速機のシフトレンジが走行レンジとされているときで
あっても、移行条件が成立したときに自動変速機をニュ
ートラル状態にする自動変速機のニュートラル制御装置
において、前記ニュートラル状態への移行条件の成立
後、第1の所定時間内に前記移行条件が再成立したこと
に基づいてカウント値をカウントし、第1の所定時間内
に前記移行条件が再成立しないときはカウント値をリセ
ットするカウント手段と、該カウント手段のカウント値
が予め定める設定値以上のときニュートラル状態への移
行を禁止するニュートラル制御禁止手段とを備え、前記
ニュートラル状態への移行条件の成立を判断する手段と
して、 (a)アクセル開度が所定値以下であることを判断する
手段と (b)ブレーキが踏み込まれていることを判断する手段
(c)車速が所定値以下であることを判断する手段とを
備えると共に、これら全ての判断手段が条件の成立を判
断したときに、自動変速機をニュートラル状態に移行さ
せるニュートラル制御手段を備え、前記車速が所定値以
下であると判断されるのは、前記車速が、スロットル開
度またはアクセルペダル開度と車速とによって予め定め
られたシフトマップにおけるシフトダウン側の最低速段
へのシフトラインに対応した車速以下となるときである
ことを特徴とする。
【0008】 請求項2の発明は、請求項1において、
前記ニュートラル状態への移行条件の成立を判断する手
段として、 (d)シフトダウンが行われるタイミングであることを
判断する手段を備え、前記ニュートラル制御手段は、前
記(a)および前記(b)および前記(c)および前記
(d)の全ての判断手段が条件の成立を判断したとき
に、自動変速機をニュートラル状態に移行させる ことを
特徴とする。
【0009】請求項3の発明のニュートラル制御装置
は、請求項1または2において、前記ニュートラル制御
禁止手段が、前記カウント値が前記設定値を超えたとき
から第2の所定時間の間ニュートラル状態への移行を禁
止することを特徴とする。
【0010】本発明の装置において、ニュートラル状態
を形成するには、具体的にはフォワードクラッチ(前進
走行を実行するときに係合するクラッチ)を滑らせるこ
とになる。この場合のニュートラル状態とは、クラッチ
を介して回動駆動力(トルク)が伝わらない、実質的な
非係合状態のところまで係合油圧を低下して、それを保
持している状態を指し、この状態から少しでも油圧を上
げると、トルクが伝達され始めるような状態を言う。つ
まり、油圧をゼロにするわけではなく、少しでも油圧を
上げるとトルクが伝達され始めるぎりぎりの値に制御し
ている。これにより、運転者のブレーキ操作やアクセル
ペダルの踏み込み操作に対して、ニュートラル制御状態
から抜けて応答性よく追従することができるようにな
る。
【0011】前記第1の所定時間としては、例えば1分
前後の時間が設定される。その時間内にカウント値が予
め定められる設定値、例えば2回から3回を超えている
と、渋滞状態であることが想定されることから、ニュー
トラル状態への移行を禁止する。それにより、高速道路
の渋滞時などのように微速前進と停止を繰り返すような
運転(ノロノロ運転)をしてしているときの運転上の違
和感を無くすことができる。即ち、アクセルを踏むと即
座に車両が前進することになり、発進の遅れが無くなっ
て、ドライバビリティ(運転操縦性)の悪化が解消され
る。
【0012】なお、渋滞走行時の判断に必要十分な時間
とカウント値は、テスト走行などにより実験的に求める
ことができ、適切な設定を行うことができる。この場
合、停車、発進等の運転状況が信号待ちの繰り返しのよ
うなときには、燃費向上の観点から、なるべくニュート
ラル状態へ移行できるように設定するのが望ましい。
【0013】また、前記第2の所定時間としては、例え
ば3分前後の時間が設定される。この場合も、渋滞走行
から抜けたことを判断するのに必要十分な時間は、テス
ト走行などにより実験的に求めることができ、適切な設
定を行うことができる。この第2の所定時間後は、再
度、ニュートラル制御への移行条件の判断が成立した後
に、第1の所定時間内のカウント値により渋滞走行時か
否かが判断されることから、運転状況の変化が見込まれ
る程度の時間に設定するのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。まず、図1により実施形態のニュー
トラル制御装置の構成を説明する。このニュートラル制
御装置は、自動変速機(厳密には歯車変速装置)1をニ
ュートラル状態にするための指令を発するニュートラル
制御手段2を有する。このニュートラル制御手段2に
は、レンジ検出手段3の信号、アクセル開度検出手段4
の信号、ブレーキ操作検出手段5の信号、シフトダウン
検出手段6の信号、車速検出手段7の信号、エンジンの
冷却水温検出手段8の信号、変速機油温検出手段9の信
号が入力されている。
【0015】ニュートラル制御手段2には、これらの信
号に基づいて、シフトレンジが前進走行レンジの場合
で、 (a)アクセル開度が所定値以下である (b)ブレーキが踏み込まれている (c)シフトダウンが行われるタイミングである (d)車速が所定値以下である ことを移行条件の主なものとして、自動変速機をニュー
トラル状態に設定すべきであると判断する条件成立判断
手段2Aと、条件成立のときに自動変速機1にニュート
ラル状態への移行を指令する信号を発するニュートラル
制御実行手段2Bが含まれている。なお、条件成立判断
手段2Aは、エンジンの冷却水の温度が所定値以下のと
き、及び、自動変速機の油温が所定値以下のとき、ニュ
ートラル状態への移行を禁止する判断をも行う。
【0016】また、ニュートラル制御手段2には、一定
条件内でのニュートラル状態への移行条件の成立頻度を
カウントするカウント手段2Cと、カウント値が所定値
を超えたときに、ニュートラル状態への移行を禁止する
指令(N制御禁止指令)をニュートラル制御実行手段に
入力するニュートラル制御禁止手段2Dとが含まれてい
る。
【0017】次に、図2、図3、図4、図5のフローチ
ャートを参照してニュートラル制御手段2で行われる制
御の内容を説明する。図2はニュートラル制御を行うた
めのフラグNEUGを立てるまでの処理について規定す
るものであり、図3はその中のステップS2の内容の詳
細を示す。図2の処理がスタートすると、最初のステッ
プS1でニュートラル制御のフラグNEUGが1になっ
ているか否かを判定する。YESの場合はこのルーチン
処理を終了し、NOの場合はステップS2に進んで、ニ
ュートラル制御の許可判断を行う。
【0018】図3に示すように、この許可判断のルーチ
ン処理がスタートすると、ステップS21で現在のシフ
トレンジのチェックを行う。即ち、シフトレンジがD4
であるか否か(POS=4?)を判定する。このステッ
プS21は、D4レンジ以外ではニュートラル制御を行
わないので、それをチェックするために設けてある。即
ち、2速レンジや1速レンジなどのシフトがホールドさ
れるシフトポジションは、運転者が運転する上で必要
(エンジンブレーキ等)であるから選択したものであ
り、そのときはニュートラル制御に移行させないためで
ある。この場合のD4レンジは、最低速段(1速段)か
ら最高速段を含む前進走行レンジのことを指す。
【0019】また、ステップS22で自動変速機の油温
TATFが所定値以上か否かをチェックし、ステップS
23でエンジンの冷却水温TWが所定値以上か否かをチ
ェックし、ステップS24でアクセルペダルが解放され
ているか否かをチェックし、ステップS25でフットブ
レーキが踏み込まれているか否かをチェックする。ステ
ップS24の判定は、現在のアクセル開度APが所定値
APZ(実質的に全閉を判定できる値)より小さいか否
か、あるいは、アクセル全閉を示すフラグAPZに1が
立っているか否かで行う。また、ステップS25の判定
は、ブレーキONを示すフラグBRKに1が立っている
か否かで行う。
【0020】全部の条件がYESの場合はステップS2
6に進み、ニュートラル制御への移行許可フラグNEU
OKを立てる。また、一つでも条件を外れると、ニュー
トラル制御への移行を許可しないようにするため、ステ
ップS27へ進んで、ニュートラル制御への移行許可フ
ラグNEUOKをリセットして、ニュートラル制御開始
ディレイタイマtmNEUONに、所定の記憶値tmN
EUONS(例えば100ms程度の時間)をセットす
る。
【0021】なお、油温条件がOKでない場合にニュー
トラル制御を行わないようにするのは、油温が低いとき
には自動変速機のレスポンスが悪く、再発進のときの制
御性が悪くなるからである。また、水温条件がOKでな
い場合にニュートラル制御を行わないようにするのは、
水温が低いときにはアイドル回転数が高いなどの理由で
ある。
【0022】この装置におけるニュートラル状態とは、
クラッチ油圧をゼロにするわけではなく、少しでも油圧
を上げるとトルクが伝達され始めるようなぎりぎりの状
態、つまり、運転者によるブレーキ操作やアクセルペダ
ルの踏み込み操作があった場合に、高応答でニュートラ
ル状態から脱することのできるような微妙な状態を指し
ており、それ故に、そのような微妙な状態を確保する上
で障害となる場合を、油温条件及び水温条件の判断によ
り除外しているのである。
【0023】図2に戻って、ステップS2の処理の後は
ステップS3に進んで、ニュートラル制御への移行許可
フラグNEUOKの状態をチェックする。同フラグNE
UOKが立っている場合は、ニュートラル制御へ移行す
るための前提条件をパスしたことになるため、ステップ
S10にて、ニュートラル制御中であることを示すフラ
グNEUGをゼロにして、処理を終了する。
【0024】ステップS4では、3速→1速または2速
→1速へのダウンシフト指令が発生したタイミングを検
出する。このダウンシフト指令は、シフトレンジ毎に予
め定められているが、例えば、D4レンジの場合には、
スロットル開度(またはアクセルペダル開度)と車速と
によって、予め定められたシフトマップにおけるシフト
ダウン側の(1速運転領域への)シフトラインを横切っ
た時点で、ダウンシフト指令を発生するようになってい
る。従って、現在のスロットル開度と車速とを検出し、
該シフトマップのシフトラインと比較した結果、ダウン
シフトの指令が発生することになる。
【0025】本実施形態において、ダウンシフトのタイ
ミングとは、このダウンシフトの指令が出された時か
ら、ダウンシフトの指令により現在係合している3速ま
たは2速のクラッチが係合を解除される時(伝達容量を
持たなくなる時)までの間において、任意に設定するこ
とができる。例えば、ダウンシフトの指令に基づく現在
係合しているクラッチの係合力の解除指令時、または、
現在係合しているクラッチの入力側と出力側との回転数
に変化が起こったことを検出した時等である。即ち、ダ
ウンシフトによって今まで係合しているクラッチの係合
を解除されるタイミングに合わせて、ニュートラル制御
を実行するので、このステップS4を敢えて設けている
のである。
【0026】ステップS4でダウンシフトのタイミング
を検出したら(ステップS4の判定がYESの場合)、
ステップS5に進んでその瞬間の車速を調べる。車速V
が所定値VNDOWN(例えば1速へのダウンシフトが
発生する11km/h付近の値)より小さければ、ステ
ップS6に進んで、ニュートラル制御中であることを示
すフラグNEUGを先に立てて、このルーチン処理を終
了する。
【0027】ダウンシフトのタイミングではない場合、
あるいは、ダウンシフトのタイミングであっても車速が
落ちていない場合は、ステップS7に進む。このステッ
プS7では、車速Vが所定値VNEUN(実質的に車速
ゼロと見做せる1km/h付近の値)より小さくなった
か否かをチェックすることで、車両が停止したかどうか
を判断している。停止していない場合は、ステップS8
に進んで、ニュートラル制御開始ディレイタイマtmN
EUONに所定の記憶値tmNEUONSをセットす
る。また、停止した場合は、ステップS8からステップ
S9に進んで、ニュートラル制御開始ディレイタイマt
mNEUONがカウントアップするのを待って、前述の
ステップS6に進み、ニュートラル制御中であることを
示すフラグNEUGを立て、インギヤを示すフラグIN
GEARを立てる。
【0028】なお、ニュートラル制御開始ディレイタイ
マtmNEUONを設けたのは次の理由による。即ち、
車両が停止して直ぐにアクセルペダルが踏み込まれる場
合が想定され、そのような場合に、クラッチを滑らせ始
めてから直ぐに係合状態に戻すことは避けたい。そのた
め、ある程度の停車相当状態が見込まれるまではニュー
トラル制御開始を待つことにし、そのためにタイマを設
けている。
【0029】次に、図4に示すルーチンに進む。このル
ーチンでは、ステップS31でニュートラル制御中を示
すフラグNEUGが立っているか否かを判断し、YES
の場合はステップS32のニュートラル制御のサブルー
チンに進み、NOの場合はステップS33のインギヤの
サブルーチンに進む。
【0030】ニュートラル制御のサブルーチンでは、自
動変速機のクラッチを解放してニュートラル状態を作り
出す。また、ニュートラル状態にあるときに、ブレーキ
がOFFされたり、アクセルが踏み込まれた場合は、ニ
ュートラル状態を停止し、通常制御に戻る。
【0031】このように制御することにより、車両が実
際に停止する手前で既にニュートラル状態になるため、
その分だけ燃費節減に寄与することができる。また、3
速→1速または2速→1速のダウンシフトのタイミング
でニュートラル状態に移行するから、現実には1速段へ
のダウンシフト(ギヤ段の成立)が発生しなくなる。ま
た、車両が停止した状態でニュートラル状態へ移行する
のではなく、ダウンシフト指令により、今まで係合して
いたクラッチが係合を解除されるタイミングに合わせて
ニュートラル状態に移行するから、運転者に与える僅か
なショックも緩和することができ、運転者に違和感を与
えることがなくなる。つまり、車両停止中にニュートラ
ル状態に移行してエンジン回転数の変化等があると、運
転者は何も操作していないのにも拘わらずこの変化を感
じることなり、少なからず違和感を覚えることになる
が、まだ車両が動いているときのダウンシフトのタイミ
ングでそのような変化があっても、運転者は特別な違和
感を覚えなくなる。
【0032】ところで、以上の制御の場合、車速が必ず
しもゼロでない(例えば車速11km以下)ときにも、
ニュートラル制御が、シフトダウン(1速段へのダウン
シフトを想定)のタイミングで行われる。従って、高速
道路の渋滞時などのように、最終的には停車しないまで
も、ノロノロ運転していて、アクセルとブレーキを交互
に頻繁に踏み込むような運転モードの場合には、ニュー
トラル状態への移行とそれからの脱出とが極めて頻繁に
繰り返されることになり、前述したようにドライバビリ
ティの悪化を招く。
【0033】そこで、前記のニュートラル制御手段2で
は、図2、図3のルーチンとは別に設定した図5のルー
チンを実行する。このルーチンの処理が開始すると、ス
テップS41でニュートラル状態への移行条件が成立し
ているか否かを判断する。成立の判断は、前述したニュ
ートラル制御のフラグNEUGの状態を見て行うことが
できる。
【0034】条件が成立している場合は、判断がYES
になってステップS42に進み、第1のタイマtm1が
動いているか否かをチェックする。初回は第1のタイマ
tm1が動いていないので、ステップS43に進んでカ
ウンタをリセットし、ステップS44で第1のタイマt
m1をセットする。つまり、第1のタイマtm1により
第1の所定時間(連続判定時間=約1分前後)の計測を
開始する。そして、ステップS48で第2のタイマtm
2が動いているか否かをチェックし、初回は動いていな
いので、このルーチンは終了する。
【0035】次回の処理では、ニュートラル状態への移
行条件が成立している場合に、ステップS42で第1の
タイマtm1の動作を確認する。前回の移行条件成立判
断から第1の所定時間を経過していない段階では、判断
がYESになる。一方、前の移行条件成立判断から第1
の所定時間を経過している場合は、判断がNOとなって
ステップS43に進み、カウンタをゼロにリセットする
と共に、ステップS44に進んで第1のタイマtm1を
再度セットし直す。
【0036】ステップS42で、第1のタイマtm1が
動作中の範囲であると判断した場合は、ステップS45
に進み、カウンタの値に1を加算する。次いで、ステッ
プS46で、カウンタ値が設定値以上になったか否かを
判断し、設定値より小さい場合は、判断がNOとなって
ステップS44に進み、第1のタイマtm1を再度セッ
トし直す。また、カウンタ値が設定値に達したら、ステ
ップS46の判断がYESになって、ステップS47に
進み、第2のタイマtm2をセットする。つまり、第2
の所定時間(禁止時間=約3分前後)の計測を開始す
る。その後は、ステップS44に進み、第1のタイマt
m1をセットし直す。
【0037】次のステップS48では、第2のタイマt
m2が動作中には判断がYESになるので、ステップS
49に進み、ニュートラル制御を禁止する。即ち、ここ
ではN制御禁止フラグを立てる。このN制御禁止フラグ
は、図4のニュートラル制御実行のサブルーチン(ステ
ップS32)内でチェックされ、同フラグがONの場合
は、ニュートラル状態への移行を禁止する。禁止の時間
は第2のタイマtm2で設定した時間であり、この時間
を過ぎると、N制御禁止フラグはリセットされる。
【0038】次に、図5のルーチンの処理内容を、図6
のタイムチャートを用いて具体的に説明する。このタイ
ムチャートは、ある走行状態での各要素(第1、第2の
タイマtm1、tm2、カウンタ、禁止フラグ)の反応
を示している。
【0039】ニュートラル状態への移行条件が成立した
場合、第1のタイマtm1が計測を開始する(図中
イ)。第1のタイマtm1が計測中に、次の移行条件の
成立があると、第1のタイマtm1は再度計測を開始し
直す(図中ロ)。それと同時に、カウンタがカウントを
始める(図中ハ)。第1のタイマtm1が動作を終えて
から、次の移行条件の成立があると、第1のタイマtm
1の計測開始と共に、カウンタがゼロにリセットされる
(図中ニ)。
【0040】移行条件成立が第1のタイマtm1の計測
中に引き続いて連続して起こると、カウンタの値が1つ
ずつ増えていく(図中ホ)。そして、カウンタ値が設定
値(この場合は3)に達すると、第2のタイマtm2が
計測を開始し(図中ヘ)、同時にニュートラル状態への
移行禁止が実行される(図中ト)。従って、第2のタイ
マtm2の計測中は、ニュートラル状態への移行条件が
成立しても、ニュートラル状態への移行が禁止される
(図中チ)。そして、第2のタイマtm2が計測を終了
したら、再びニュートラル状態への移行が可能となる。
【0041】この場合、第1のタイマtm1の設定時間
に対して、第2のタイマtm2の設定時間は相当大きい
ものとする。そうすることにより、例えば渋滞中はニュ
ートラル制御を回避することができ、渋滞を脱した段階
でニュートラル制御を実行することができるようにな
る。
【0042】従って、高速道路の渋滞時などのように微
速前進と停止を繰り返す運転をしてしているときの運転
上の違和感を無くすことができる。
【0043】なお、上記の制御に代えて、単に所定時間
内のアクセルペダルの踏み込み回数あるいはフットブレ
ーキの操作回数をカウントし、カウント値が設定値以上
のときに、ニュートラル状態への移行を禁止するように
してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ニュートラル状態への移行条件の成立後、第1
の所定時間内に移行条件が不成立となり且つ移行条件が
再成立したことに基づいてカウント値をカウントし、第
1の所定時間内に移行条件が再成立しないときはカウン
ト値をリセットするカウント手段と、該カウント手段の
カウント値が予め定める所定値以上のときニュートラル
状態への移行を禁止するニュートラル制御禁止手段とを
備えたので、高速道路の渋滞時などのように微速前進と
停止を繰り返す(ノロノロ運転)をしているときには、
ニュートラル状態へ移行しないようにすることができ、
運転上の違和感を無くすことができる。よって、ニュー
トラル制御を行う車両であっても、渋滞時などのドライ
バビリティの悪化を解消することができる。さらに、ニ
ュートラル状態への移行条件の成立を判断する手段とし
て、(a)アクセル開度が所定値以下であることを判断
する手段と、(b)ブレーキが踏み込まれていることを
判断する手段と、(c)車速が所定値以下であることを
判断する手段とを備えると共に、これら全ての判断手段
が条件の成立を判断したときに、自動変速機をニュート
ラル状態に移行させるニュートラル制御手段を備えたの
で、上記(a)、(b)、(c)の判断に基づいて、ニ
ュートラル状態への移行及び移行禁止を制御することが
できる。例えば、所定時間内のアクセル踏み込み回数が
多いとき、あるいは、ブレーキ操作回数が多いときに
は、渋滞走行していると判断して、ニュートラル状態へ
の移行を禁止し、それによりドライバビリティの悪化を
防止することができる。さらに、ニュートラル状態への
移行条件において、車速が、スロットル開度またはアク
セルペダル開度と車速とによって予め定められたシフト
マップにおけるシフトダウン側の最低速段へのシフトラ
インに対応した車速以下となるときに所定値以下である
と判断されることにより、車速が必ずしもゼロでないと
きにもニュートラル制御が行われ、運転者に与える僅か
なショックも緩和することができる。
【0045】 請求項2の発明によれば、ニュートラル
状態への移行条件の成立を判断する手段として、(d)
シフトダウンが行われるタイミングであることを判断す
る手段を備えると共に、上記(a)、(b)、(c)、
(d)の判断に基づいて、ニュートラル状態への移行及
び移行禁止を制御することができる。これにより、車速
が必ずしもゼロでないときにも、ニュートラル制御がシ
フトダウンのタイミングで行われ、ダウンシフト指令に
より、今まで係合していたクラッチが係合を解除される
タイミングに合わせてニュートラル状態に移行するか
ら、運転者に与える僅かなショックも緩和することがで
き、運転者に違和感を与えることがなくなる。
【0046】請求項3の発明によれば、ニュートラル制
御禁止手段が、カウント値が設定値を超えたときから第
2の所定時間の間ニュートラル状態への移行を禁止する
ようにしたので、運転モードの違いに対応しながら、ド
ライバビリティの悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1のニュートラル制御手段2の処理内容を
示すフローチャートである。
【図3】 図2のフローチャートの中のステップS2の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】 図2のフローの後で実行されるルーチンを示
すフローチャートである。
【図5】 図1のニュートラル制御手段2で実行される
別のルーチン(ニュートラル制御禁止ルーチン)を示す
フローチャートである。
【図6】 図5のフローチャートの内容の説明に用いる
タイムチャートである。
【符号の説明】
1 自動変速機 2 ニュートラル制御手段 2A 条件成立判断手段 2B ニュートラル制御実行手段 2C カウント手段 2D ニュートラル制御禁止手段 3 レンジ検出手段 4 アクセル開度検出手段 5 ブレーキ操作検出手段 6 シフトダウン検出手段 7 車速検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−147312(JP,A) 特開 平5−223167(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機のシフトレンジが走行レンジ
    とされているときであっても、移行条件が成立したとき
    に自動変速機をニュートラル状態にする自動変速機のニ
    ュートラル制御装置において、 前記ニュートラル状態への移行条件の成立後、第1の所
    定時間内に前記移行条件が再成立したことに基づいてカ
    ウント値をカウントし、第1の所定時間内に前記移行条
    件が再成立しないときはカウント値をリセットするカウ
    ント手段と、 該カウント手段のカウント値が予め定める設定値以上の
    ときニュートラル状態への移行を禁止するニュートラル
    制御禁止手段とを備え、 前記ニュートラル状態への移行条件の成立を判断する手
    段として、 (a)アクセル開度が所定値以下であることを判断する
    手段と (b)ブレーキが踏み込まれていることを判断する手段
    (c)車速が所定値以下であることを判断する手段とを
    備えると共に、 これら全ての判断手段が条件の成立を判断したときに、
    自動変速機をニュートラル状態に移行させるニュートラ
    ル制御手段を備え、 前記車速が所定値以下であると判断されるのは、前記車
    速が、スロットル開度またはアクセルペダル開度と車速
    とによって予め定められたシフトマップにおけるシフト
    ダウン側の最低速段へのシフトラインに対応した車速以
    下となるときである ことを特徴とする自動変速機のニュ
    ートラル制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ニュートラル状態への移行条件の成
    立を判断する手段として、 (d)シフトダウンが行われるタイミングであることを
    判断する手段を備え、 前記ニュートラル制御手段は、前記(a)および前記
    (b)および前記(c)および前記(d)の全ての判断
    手段が条件の成立を判断したときに、自動変速機をニュ
    ートラル状態に移行させる ことを特徴とする請求項1記
    載の自動変速機のニュートラル制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ニュートラル制御禁止手段は、前記
    カウント値が前記設定値を超えたときから第2の所定時
    間の間ニュートラル状態への移行を禁止することを特徴
    とする請求項1または2記載の自動変速機のニュートラ
    ル制御装置。
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