JP3887916B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転状態を推定し、その推定結果に応じて変速段の制御等を行う自動変速機の制御装置に係り、予期しない変速を防止できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の自動変速機の制御装置では、一般に、変速マップを予め用意しておき、走行時に、運転パラメータから変速マップを検索し、変速段を決定するようにしている。
例えば、特開平8−74986号に示されたものでは、運転パラメータとしてスロットル開度と車速とを用い、それらスロットル開度と車速とから変速マップを検索し、変速段を決定するようにしている。そして、車速、スロットル開度、変速段に基づいて基準の車両加速度を予め記憶しておき、これと実際の車両加速度とを比較することによって登坂路の判断を行い、登坂路である場合には、所定の条件の下に最高変速段へのシフトアップを禁止し、この最高変速段へのシフトアップの禁止解除は、条件が整えば即座に、或いは所定の遅延時間の経過後に行うことが記載されている。
【0003】
このものが登坂路で最高変速段への切り換えを禁止する理由は次の通りである。登坂路を第3速で走行中、例えばカーブに差し掛かった場合、そのカーブの手前でアクセルペダルを戻すようなことがある。このアクセルペダルの戻しにより、スロットル開度が小さくなって、運転状態が変速マップ上の第3速から第4速へのシフトアップ線を越えると、第3速から第4速への変速が行われる。このため、次にカーブから速やかに脱出するために、アクセルペダルを徐々に踏み込んでも、変速段は第4速であるから、駆動トルク不足となってなかなか車速が上がらず、運転のし難さを感じるという問題を生ずる。このような不具合の発生を防止するために、登坂路では最高変速段への変速を禁止するようにしているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の技術では、最高変速段へのシフトアップの禁止解除は、条件が整えば即座に、或いは所定の遅延時間の経過後に行うようにしている。このため、登坂路を第3速で上り切り、そして平坦路に移ると、所定の遅延時間の経過後に第4速へのシフトアップの禁止解除が行われ、このとき第3速から第4速へのシフトアップが行われる。しかしながら、車両の運転者としてみれば、登坂路から平坦路に移った時点で第4速へのシフトアップが行われると思っていたところ、それが実際には行われれず、或る時間の経過後に急に第4速にシフトアップがなされるので、予期せぬ時点で不意に変速が発生したこととなり、違和感を覚える。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、所定の運転状態のとき所定の変速段への変速を禁止するものにおいて、その禁止が予期せぬ時に解除されて所定の変速段にシフトされてしまうことを防止できる自動変速機の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、
エンジンの出力軸に連結されたトルクコンバータと、
このトルクコンバータの出力側に連結された歯車変速機構と、
この歯車変速機構の変速段を切り換えるための複数の摩擦係合要素と、
これら摩擦係合要素のアクチュエータへの作動油の供給を制御する油路制御要素と、
車両の運転状態を推測して変速段を決定し、前記歯車変速機構を前記決定した変速段に切り換えるべく前記油路制御要素を制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、前記車両の運転状態が第1の運転状態となった時、所定の変速段への変速を禁止し、第2の運転状態となった時、前記所定の変速段への変速の禁止を解除するように構成され、且つ、スロットル開度と車速とから判断される前記車両の運転状態が、前記スロットル開度と車速とから目標変速段を設定する変速マップにおいて前記所定の変速段へのシフトアップ線よりも低変速段側にあるとき、前記第2の運転状態と判断するように構成されているものである(請求項1)。
この構成によれば、所定の変速段へのシフトアップ線よりも低変速段側にあるときは、通常の低変速段側から当該所定の変速段への切り換えが進む運転状態であるから、その所定の変速段への変速が実施されても、違和感を覚えることはない。
上記請求項1において、上記所定の変速段への切り換え禁止は、前記車両の運転状態が、前記変速マップにおける前記所定の変速段へのシフトアップ線よりも高変速段側で且つスロット開度が小さくなる方向に変化したとき、解除されるように構成しても良い(請求項2)。
通常、加速した後、車速を一定に保つためにアクセルペダルを戻すと、変速段は高変速段側に切り換えられる。このため、アクセルペダルを戻すことにより、スロット開度が小さくなる方向に変化したとき、所定の変速段への変速が実施されても、違和感を覚えることはない。
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、
エンジンの出力軸に連結されたトルクコンバータと、
このトルクコンバータの出力側に連結された歯車変速機構と、
この歯車変速機構の変速段を切り換えるための複数の摩擦係合要素と、
これら摩擦係合要素のアクチュエータへの作動油の供給を制御する油路制御要素と、
車両の運転状態を推測して変速段を決定し、前記歯車変速機構を前記決定した変速段に切り換えるべく前記油路制御要素を制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、前記車両の運転状態が第1の運転状態となった時、所定の変速段への変速を禁止し、前記車両の運転状態が、前記スロットル開度と車速とから目標変速段を設定する変速マップにおいて前記所定の変速段へのシフトアップ線よりも高変速段側で且つスロットル開度が小さくなる方向に変化したとき、前記第2の運転状態と判断し、前記所定の変速段への変速の禁止を解除するように構成されているものである(請求項3)。
この構成によれば、アクセルペダルを戻すことにより、スロット開度が小さくなる方向に変化したとき、所定の変速段への変速が実施されるので、前述の請求項2と同様の効果を得ることができる。
【0008】
この場合、エンジンの出力回転数と、トルクコンバータの出力回転数と、車速とから車両の走行負荷を推定し、その推定した走行負荷が所定値以上のとき、第1の運転状態と判断するように構成することができる(請求項)。また、エンジンの吸気量および出力回転数と、車速とに基づいて車両の走行負荷を推定し、その推定した走行負荷が所定値以上のとき、前記第1の運転状態と判断するように構成することができる(請求項)。
【0011】
上記所定の変速段への変速の禁止は、スロットル開度の所定値以上の変化が所定の時間内に繰り返し行われたるとき、行うように構成しても良い(請求項6)。スロットル開度が繰り返し変化すると、その度に変速が行われることとなるので、スロットル開度の変化が繰り返されるとき、所定の変速段への変速を禁止することは、ビジーシフトを防止できることとなる。
【0012】
所定の変速段への変速の禁止は、歯車変速機構の油温が所定温度未満のとき、行うように構成することができる(請求項7)。
歯車変速機構に溜められている油は、変速のために、油路制御要素を介して摩擦係合要素のアクチュエータに供給される作動油にもなる。上記油の温度が低いと、粘性が高く流通性が低いため、その時期はできるだけ短時間であることが望まれる。従って、所定の変速段、例えば最高変速段へのシフトを禁止して歯車変速機構の歯車の速度を高くすることは、油温が早く上昇することを意味し、歯車変速機構全体の長寿命化を図ることができる。
【0013】
また、所定の変速段への変速の禁止は、エンジンの冷却水の温度が所定温度未満であるとき、行うように構成しても良い(請求項8)。
車両のエンジンの排気ガスは、触媒によって浄化されるようになっている。この触媒は、所定の温度以上に加熱されると、触媒機能を発揮して浄化作用を呈するが、その触媒の加熱は排気ガスによって行う方式が一般的である。そこで、エンジン始動後、早期に触媒に排気ガスの浄化機能を発揮させるためには、エンジンの排気ガス温度を高めて早期に触媒を加熱する必要がある。エンジンの冷却水温度が低い場合には、エンジンが未だ暖まっておらず、排気ガスの温度も低いので、所定の変速段(例えば最高速段)への変速を禁止することにより、エンジン回転数を高めて早期に排気ガスが高温となるようにすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1〜図9に基づいて説明する。
図1に示すように、車両に搭載されているエンジン1は、自動変速機2とデファレンシャルギヤ3を介して駆動車輪4に接続されている。
上記エンジン1の気筒内に空気を送り込むための吸気管5には、図示しないエアクリーナ、スロットルバルブ6、エンジン1の気筒内に送り込まれる空気に燃料を供給するための燃料供給装置7等が設けられている。
【0015】
スロットルバルブ6は、アクセルペダル8にワイヤ9を介して連結され、アクセルペダル8の踏込量に応じて開閉する。なお、スロットルバルブ6としては、アクセルペダル8の踏込量を検出して空気流量を制御する電子制御スロットルに代えても良い。
【0016】
前記エンジン1は、エンジン制御手段としての図示しないエンジン制御用コンピュータにより制御される。このエンジン制御用コンピュータは、スロットルバルブ6の開度を検出するスロットル開度検出手段としてのスロットル開度センサ10、吸気管5の吸入空気量を検出する吸気量センサ11、エンジン1の出力軸であるクランク軸12の回転数を検出するエンジン回転数検出手段としてのエンジン回転センサ13、自動変速機2の出力軸14の回転数を検出する変速機出力回転数検出手段としての変速機出力回転センサ15からの各種信号が入力される。なお、この変速機出力軸回転センサ15からの各種信号に基づいて車速が検知されるので、同センサは車速センサとして機能するものである。そして、エンジン制御用コンピュータは、それらの入力信号を基に燃料噴射量を決定して燃料噴射装置7を駆動すると共に、点火信号を出力して図示しない点火装置を作動させ、以てエンジン1の回転に合わせて燃料の供給と燃焼が行われるようにエンジン1を制御する。
【0017】
さて、前記自動変速機2は、トルクコンバータ16と歯車変速機構(以下、単に変速機構という)17から構成されている。トルクコンバータ16は、周知のように、エンジン1のクランク軸12に連結された入力側のポンプ羽根車18、出力側のタービン羽根車19、それら両羽根車18および19間のステータ羽根車20とを備えている。そして、トルクコンバータ16の出力軸であるタービン羽根車20の軸(以下、タービン軸)21は、変速機構17の入力軸に連結されている。
【0018】
また、トルクコンバータ16は、ロックアップクラッチ22を備えている。このロックアップクラッチ22は、油路制御要素としてのコントロールバルブ23からアクチュエータ24に作動油が供給されると、タービン軸21を入力側であるポンプ羽根車18側に摩擦係合してエンジン1のクランク軸12とタービン軸21とを直結した状態にする。このとき、ロックアップクラッチ22のポンプ羽根車18側に対する摩擦係合強度は、アクチュエータ24に供給する作動油の圧力を変えることにより調節することができるようになっている。
【0019】
変速機構17は、複数の動力伝達経路として例えば前進4段・後進1段の複数の歯車列を備えいる。そして、トルクコンバータ16から入力軸に与えられた回転は、選択された変速段に応じて増減速されて出力軸14に伝えられ、更に、この出力軸14からデファレンシャルギヤ3を経て駆動車輪4に達して自動車を走行させる。
【0020】
この変速機構17には、図示はしないが、動力伝達経路(変速段)を決定する摩擦係合要素としての摩擦クラッチや摩擦ブレーキ等が設けられている。これら摩擦係合要素は、周知のように、作動油の供給によって駆動されるアクチュエータにより締結・解放するもので、各摩擦係合要素のアクチュエータへの作動油の供給は、油圧制御要素としてのコントロールバルブ25,26によって行われる。このとき、コントロールバルブ25,26の開度を変えることにより、アクチュエータへの作動油の供給量を調節して摩擦係合要素の締結・解放の速度を調節できるようになっている。また、作動油の圧力を変えるために、上記コントロールバルブ25,26とは別のコントロールバルブ27が設けられており、これにより、走行負荷等に応じてアクチュエータに供給する作動油の圧力を変えて摩擦係合要素の締結強さを調節することができるようにしている。
【0021】
ここで、上記の各摩擦係合要素のアクチュエータに供給される作動油は、変速機構17のオイルパンに溜められている潤滑油をフィルタにより漉したものを使用しており、そのフィルタ通過後の作動油は図示しないポンプによってコントロールバルブ23,25〜27に供給される。
【0022】
このような自動変速機2のコントロールバルブ23,25〜27は、制御手段としての変速制御用コンピュータ28により制御される。この変速制御用コンピュータ28は、CPU29が実行するための動作プログラムおよび後述する変速マップ等の各種のマップ、データが記憶されたROM30、演算時等に各種データを一時的に記憶するためのRAM31、入力回路32および出力回路33等から構成されている。
【0023】
この変速制御用コンピュータ28の入力回路32には、前記スロットル開度センサ10、エンジン回転センサ13、変速機出力回転センサ15の他に、トルクコンバータ16の出力軸であるタービン軸21の回転数を検出するトルクコンバータ出力回転数検出手段としてのタービン回転センサ34、変速機構17のオイルパン内の油温を検出する油温センサ35、ブレーキペダル36が踏まれてブレーキが作動したことを検出するブレーキ作動検出手段としてのブレーキセンサ37およびエンジン1の冷却水の温度を検出する冷却水温検出手段としての水温センサ38からの信号が入力される。そして、CPU29は、それら各種の入力信号および動作プログラムに基づいて演算処理を実行し、出力回路33を介してコントロールバルブ23,25〜27を制御して変速段の切換えを行うように構成されている。
【0024】
次に図2〜図7のフローチャートを用いて本制御装置の動作を説明する。
車両のイグニッションキーを操作し、エンジン1を始動すると、変速制御用コンピュータ28のCPU29は動作を開始し、まず、図2に示すメインルーチンのステップS1で変数を初期化する。そして、以後、S2〜S7のステップを所定時間毎に繰り返し実行する。なお、変数とは、ロックアップクラッチ22のアクチュエータ24に供給する油圧を定める変数、変速機構17の変速段を定めるため等の変数であり、このステップS1での変数の初期化により、ロックアップクラッチ22は解放、変速機構17の変速段は第1速が選択される。
【0025】
CPU29は、変数初期化の後、次のステップS2で各種のセンサ10,13,15,34,35,37からの検出信号を入力してこれをRAM31に記憶し、そしてステップS3に移行し、変速判定動作を実行する。この変速判定ルーチンは図3にサブルーチンとして示されており、CPU29は、この変速判定ルーチンに入ると、まず、ステップSA1にて、変速機出力回転センサ15の検出信号から演算して求められる車速と、スロットル開度センサ10の検出信号から求められるスロットル開度とを用いて、現在の運転状態が図8の変速マップ中、どの変速段領域に入るかを判定して目標変速段を決定する。
【0026】
ちなみに、車速は、変速機出力回転センサ15から得られる変速機構17の出力回転数にデファレンシャルギヤ3の変速比と駆動車輪4の直径と円周率を乗算して求めることができる。
なお、図8の変速マップにおいて、第n速から第(n+1)速への変速(シフトアップ)と第m速から第(m−1)速への変速(シフトダウン)において、シフトアップは実線、シフトダウンは破線で示されており、両者の判定線がずれているのは変速点付近でのビジーシフトを避けるためである。
【0027】
次に、CPU29は、ステップSA2の走行負荷の推定を行う。この走行負荷の推定は、次のようにして行われる。すなわち、まず、エンジン回転センサ13の検出信号から求められるエンジン1のクランク軸12の回転数Ne(トルクコンバータ16の入力側回転数と同じ)とタービン回転センサ34の検出信号からトルクコンバータ16の出力側回転数であるタービン軸21の回転数Ntを求め、両者からNt/Neの演算を行って速度比eを算出する。
【0028】
次に、トルクコンバータのトルク容量マップから上記速度比eを用いてトルク容量係数cを求め、この後、トルク比マップから速度比eを用いてトルク比trを求め、更に、トルクコンバータ16から変速機構17側への伝達トルクTtrを次の(1)式を用いて演算する。
Ttr=トルク容量係数c×トルク比tr×(エンジン回転数Ne)……(1)
【0029】
続いて、伝達トルクTtr、変速機構17の現在の変速段の変速比s、デファレンシャルギヤ3の減速比d、駆動車輪4の半径rから駆動力Dを下記(2)式を用いて演算する。
D=Ttr×s×d/r……(2)
次に、走行抵抗マップから車速を用いて走行抵抗Rrを求める。
【0030】
この後、車両重量W、車両の加速度αを求め、そして車両重量Wと加速度αとから加速抵抗Rαを次の(3)式を用いて演算する。
Rα=W×α……(3)
なお、車両の加速度は、前回のステップS2の実行時に入力した変速機出力回転センサ15の検出信号と今回のステップS2で入力した同センサの検出信号とから、車速の単位時間当りの変化量を演算することにより求められる。
【0031】
続いて、以上のようにして求めた駆動力D、走行抵抗Rr、加速抵抗Rαを用いて次の(4)式により走行負荷Rを演算する。
R=D−Rr−Rα……(4)
以上のようにして走行負荷Rを求めた後、CPU29は、ステップSA3の走行
負荷フラグ変更ルーチンを実行する。この走行負荷フラグ変更ルーチンは、図4に示されており、同ルーチンが開始されると、CPU29は、ステップSC1で走行負荷フラグがオフしているか否かを判断する。
【0032】
走行負荷フラグがオフしている場合には、ステップSC1では「YES」と判断し、走行負荷推定ルーチンで求めた推定走行負荷がβを越えているか否かを判断するステップSC2に移行する。大きい勾配の登坂路を走行中であるときには、走行負荷は大きく、βを越えるので、ステップSC2では「YES」となって次のステップSC3で走行負荷フラグをオンし、リターンとなる。また、推定走行負荷がβ以下のときには、ステップSC2で「NO」と判断し、走行負荷フラグをオフの状態にしたままリターンとなる。
【0033】
一方、走行負荷フラグがオンしている場合には、CPU29は、ステップSC1で「NO」と判断し、走行負荷推定ルーチンで求めた推定走行負荷がγ未満であるか否かを判断するステップSC4に移行する。平坦路を走行中であるときには、走行負荷は小さく、γ未満であるので、ステップSC4では「YES」となって次のステップSC5で走行負荷フラグをオフし、リターンとなる。また、推定走行負荷がγ以上のときには、ステップSc4で「NO」と判断し、走行負荷フラグをオンの状態にしたままリターンとなる。
【0034】
このような走行負荷推定ルーチンを終了すると、CPU29は、次のステップSA4のスロットル戻しフラグ変更ルーチンを実行する。このスロットル戻しフラグ変更ルーチンは図5に示されており、まず、ステップSD1でスロットル変化速度が「0」未満、すなわちスロットル開度が減少(閉じ)方向に変化しているか否かを判断する。なお、このスロットル開度の変化は、前回のステップS2の実行時に入力したスロットル開度と今回のステップS2で入力したスロットル開度との差を演算することによって求めることができる。
【0035】
アクセルペダル8を戻す等してスロットルが閉じられつつある場合には、CPU29は、ステップSD1では「YES」と判断し、次のステップSD2でスロットル戻しフラグをオンしてリターンとなる。また、スロットル開度が変化せず、或いはスロットルが開かれつつある場合には、ステップSD1で「NO」と判断し、ステップSD3でスロットル戻しフラグをオフしてリターンとなる。
【0036】
スロットル戻しフラグ変更ルーチンを終了すると、CPU29は、次にステップSA5の制御モード判定ルーチンを実行する。この制御モードの判定は、図9に示す制御モードマップにより行われる。この制御モードマップにおいて、最高速段禁止フラグは、前回の図3の目標変速段判定サブルーチンの実行時にステップSA7の最高変速段禁止フラグ変更ルーチンで設定されたフラグ状態が用いられる。そして、前回の最高変速段禁止フラグルーチンで設定されたオンオフ状態は、今回の目標変速段判定サブルーチンにおけるステップSA7の実行時に変更される。
【0037】
ここで、制御モードマップにおいて、目標変速段とは、現状変速段とステップSA1で変速マップから決定された目標変速段とが異なる場合の変速段を言う。この制御モード判定において、例えば、現在の変速段が第3速、スロットル開度と車速とから求められる目標変速段が第4速、走行負荷フラグがオン(例えば登坂路を走行中)、最高速段禁止フラグがオンであった場合には、スロットル戻しフラグがオンおよびオフのいずれであっても、制御モードは、「2」となる。また、現在の変速段が第3速、スロットル開度と車速とから求められる目標変速段が第4速、走行負荷フラグがオフ(例えば平坦路を走行中)、最高変速段禁止フラグがオン、スロットル戻しフラグがオンであった場合には、制御モードは、「3」となる。
【0038】
制御モードの判定を終了すると、CPU29は、ステップSA6の所定変速段禁止フラグ変更ルーチンを実行する。なお、この実施例において、所定変速段とは最高変速段である第4速を言う。この所定変速段禁止フラグ変更ルーチンは、図6に示されており、同ルーチンに入ると、CPU29は、まず、ステップSE1においてステップSA5で判定した制御モードが「1」であるか否かを判断する。制御モードが「1」以外であれば、ステップSE1で「NO」となって次のステップSE2で更に制御モードが「0」、「3」および「4」のいずれかであるか否かを判断する。
【0039】
そして、制御モードが「0」、「3」および「4」のいずれかであれば、ステップSE2で「YES」となり、ステップSE3で最高変速段禁止フラグをオフし、「0」、「3」および「4」以外であれば、ステップSE2で「NO」となって最高変速段禁止フラグを現状のままにしてリターンとなる。また、制御モードが「1」であった場合には、ステップSE1で「YES」となり、次のステップSE4で最高変速段禁止フラグをオンしてリターンとなる。
【0040】
最高変速段禁止フラグ変更ルーチンを終了すると、CPU29は、ステップSA7の最終目標変速段決定ルーチンを実行する。この最終目標変速段決定ルーチンは、図7に示されており、同ルーチンの実行に入ると、CPU29は、まず、ステップSF1でステップSA6で判定した制御モードが「1」または「2」で、且つステップSA1で判定した最終目標変速段が最高変速段であるか否かを判断する。制御モードが「1」または「2」で最終目標変速段が第4速であった場合には、CPU29は、ステップSF1で「YES」と判断し、次のステップSF2で最終目標変速段を最高段から1を差し引いた変速段、すなわち第3速に決定し、リターンとなる。また、制御モードが「1」および「2」以外、或いは最終目標変速段が第4速以外であった場合には、CPU29は、ステップSF1で「NO」と判断し、次のステップSF3に移行し、ステップSA1で決定した目標変速段を最終目標変速段に決定し、リターンとなる。
なお、現状変速段と目標変速段とが一致している場合には、制御モードは決定できないので、この場合には、最終目標変速段は現状変速段に決定される。
【0041】
以上のようにして、最終目標変速段が決定されると、CPU29は、図2のメインルーチンに戻り、変速段を上記決定済みの最終目標変速段に切り換えるための油路、換言すれば、コントロールバルブ25,26のオンオフ状態を決定する(ステップS4)。次に、CPU29は、コントロールバルブ25,26を通じて切換油路に流す作動油圧を決定し(ステップS5)、次いでロックアップ制御量を決定し(ステップS6)、そして、最後にステップS4で決定した通りにコントロールバルブ25,26をオンオフし、切換油路に供給する作動油の圧力をステップS5で決定した圧力となるようにコントロールバルブ27を制御すると共に、コントロールバルブ23の開度を制御してステップS6で決定された制御量に応じた圧力の作動油がロックアップクラッチ22のアクチュエータ24に供給されるようにする(ステップS7)。
【0042】
これにより、変速機構17が最終目標変速段に切り換えられると共に、ロックアップクラッチ22が制御される。この後、CPU29は、図2のメインルーチンのステップS2に戻り、以後、以上のような動作を所定の短時間毎に繰り返し実行する。
【0043】
以上のように、スロットル開度と車速とから、目標変速段が決定され、次に、トルクコンバータの特性等を用いて走行負荷が推定され、この走行負荷に基づいて走行負荷フラグのオンオフ状態が決定され、次いでスロットル開度の減少方向への変化速度から急スロットル戻しフラグのオンオフの決定が行われ、それらから制御モードが決定され、その制御モードから次回の制御モードの決定に用いるための最高変速段禁止フラグのオンオフの決定が行われ、そして制御モードと目標変速段とから最終目標変速段が決定され、最後にその最終目標変速段への切り換えが行われるのである。
【0044】
このような変速段の決定方式において、今、第3速で登坂路を走行中で、アクセルペダル8の踏み込み量を一定(スロットル開度一定)に保持しているものとする。この状態で、車速が一定速度であれば、ステップSA1での目標変速段は第3速のままとなるので、走行負荷フラグ、最高変速段禁止フラグ、スロットル戻しフラグのオンオフ状態とは無関係に最終目標変速段は第3速のままとされ、その第3速のまま登坂路を上り切る。
【0045】
また、第3速で登坂路を走行中で、アクセルペダル8の踏み込み量をほぼ一定(スロットル開度一定)に保持した状態、或いは多少踏み込んで行く状態で車速が上昇し、変速マップの第3速から第4速へのシフトアップ線を通過したとする。すると、現状変速段は第3速、目標変速段は第4速、走行負荷フラグはオン(登坂路走行中)、最高変速段禁止フラグはオフ、スロットル戻しフラグはオフであるから、ステップSA5の制御モード判定ルーチンで制御モードは「0」と判定される。
【0046】
このため、次のステップSA6の最高変速段禁止フラグ変更ルーチンで最高変速段禁止フラグがオフに設定されたままとなり、続くステップSA8の最終目標変速段決定ルーチンで最終目標変速段が第4速に設定される。この結果、第3速で登坂路を走行中に車速が上昇するような場合には、登坂路走行中に第3速から第4速への変速が行われる。この場合、第3速でアクセルペダル8をほぼ一定の状態に保ったままで車両がスピードアップしていくのであるから、途中で第3速から第4速への変速があっても、これは通常の平坦路を走行しているのと同じであって、運転者としてはその変速は予測しているので、違和感を感じることはない。
【0047】
一方、第3速で登坂路を走行中に、例えばカーブに差し掛かったとき、アクセルペダル8を戻したとし、そして、このアクセルペダル8の戻しにより、スロットル開度が第3速から第4速へのシフトアップ線を越えたとする(図8のP1→P2参照)。すると、現状変速段は第3速で、目標変速段は第4速、スロットル戻しフラグはオンに設定され、また、走行負荷フラグはオン、最高速段禁止フラグは未だオフの条件から、ステップSA5で制御モードは「1」と判定される(以上、第1の運転状態)。そして、次のステップSA6で最高速段禁止フラグはオンに変更され(ステップSE1で「YES」、ステップSE4)、最終目標変速段は第3速のままに保持される(ステップSF1で「YES」、ステップSF2)。
【0048】
その後は、目標変速段が第4速である限り、スロットル戻しフラグのオンオフ状態とは無関係に、制御モードは「2」と判定され、最高段禁止フラグはオンのまま保持される。従って、制御モードが「1」になると、後は、目標変速段が第4速で走行負荷フラグがオン(登坂路を走行)している間は、アクセルペダル8を戻しても、踏み込んでも、第3速のまま保持されることとなり、例えばカーブ直前での減速、カーブ脱出のための第3速での速やかな増速は意のままに行うことができる。
【0049】
さて、上記の制御モードが「1」になって登坂路での第4速へのシフトアップが禁止された状態になった後、車速が減少し、或いはスロットル開度を大きくする等により、現在の運転状態が変速マップの第3速から第4速へのシフトアップ線を低変速段側に越える場合がある(図8のP3→P4参照)。すると、目標変速段は第4速から第3,2,1速のいずれかとなるため(図8のP3→P4では第3速)、制御モードは「0」となり、最高変速段禁止フラグがオフされると共に(ステップSE1で「NO」、ステップSE3)、最終目標変速段が第3,2,1速のいずれかに設定される(ステップSF1で「NO」、ステップSF3)。従って、その後、アクセルペダル8を踏み込んで行けば、途中でアクセルペダル8を緩めない限り(スロットル戻しフラグがオンに設定されない限り)、第4速まで変速されて行くようになる。
【0050】
このように現在の運転状態が第4速へのシフトアップ線よりも低変速段側に移ると(第2の運転状態になると)、第4速へのシフトアップの禁止が解除され、第4速への変速が可能な状態となる。この場合には、その後、アクセルペダル8の踏み込みを一定、或いは踏み込むことにより車速が上昇し、実際に第4速への変速が行われても、これは運転者にとって予測している状況だから違和感を感じることはない。
【0051】
さて、上記の制御モードが「1」になって登坂路での第4速へのシフトアップが禁止された状態のまま、登坂路を上り終えて平坦路の走行に移ったとする。このとき、現状変速段が第1〜3速のいずれか、目標変速段が第4速の状態であったとする。そして、平坦路に移ってから車速を上げるために、アクセルペダル8を踏み込んだとする。
【0052】
すると、走行負荷フラグはオフに変更され、最高変速段禁止フラグは未だオン、スロットル戻しフラグはオフであるから、制御モードは「2」となる。従って、この場合には、最高変速段禁止フラグはオンのままとなり、最終目標変速段は第3速に決定され、第3速のままで速やかに増速することができる。そして、所望の車速に上昇したところでアクセルペダル8を戻すと(図8のP5→P6)、スロットル戻しフラグがオンに変更されるので、制御モードは「3」に変更される。すると、最終変速段禁止フラグがオフに変更され、最終目標変速段は第4速に設定され、第4速での走行に切り換えられる。
【0053】
また、登坂路を上り終えて平坦路の走行に移ったとき(現状変速段が第1〜3速のいずれか、目標変速段が第4速)、そのときの車速を維持するために、直ぐにアクセルペダル8を戻したとする。すると、上記の図8のP5→P6の場合と同様に、第3速から第4速に変速される。
【0054】
このように、所定の変速段への変速を禁止している状態にあるとき、現在の運転領域がその所定変速段へのシフトアップ線よりも高変速側にあり、そしてスロットル開度が小さくなったことを条件にその禁止を解除するので、これを具体的に表現すると、現在の運転領域が第3速から第4速へのシフトアップ線よりも第4速側の領域にあり、且つアクセルペダル8が戻されたことを条件に(第2の運転状態)、第4速への変速禁止を解除するので、運転者が第4速への変速を予測し得る運転状態のとき、実際に第4速への変速が行われる。
【0055】
すなわち、この種の変速方式では、通常、或る程度の車速のとき、スロットルペダル8を戻すと、第4速への変速が行われるようになっており、そのことは平坦路の運転で、定速走行を希望する場合にアクセルペダルを戻すことで、良く経験していることである。従って、上記のように、スロットルペダル8を戻すことにより、第4速への変速禁止が解除されて、実際に第4速への変速が行われることは、違和感を覚えることはない。
【0056】
図10は本発明の第2実施例を示すもので、上記の第1実施例との相違は、歯車変速機構17の潤滑油が所定温度以下のとき、所定変速段(第4速)への変速を禁止しようとするものである。
この実施例では、第1実施例におけるステップSA3の走行負荷フラグ変更ルーチンを図10に示す低油温フラグ変更ルーチンに変えたものに相当する。すなわち、CPU29は、まずステップSG1で低油温フラグがオフしているか否かを判断する。低油温フラグがオフしていれば、ステップSG1で「YES」となり、次のステップSG2で、油温センサ35の検出信号から変速機構17のオイルパンの油温を検知してその油温が所定温度Td未満であるか否かを判断する。油温が所定温度Td未満であれば、ステップSG2で「YES」となり、次のステップSG3で低油温フラグをオンし、油温が所定温度Td以上であれば、ステップSG2で「NO」となって低油温フラグをオフに保持したままリターンとなる。
【0057】
一方、ステップSG1での判断時、低油温フラグがオンしているならば、同ステップSG1で「NO」となり、次のステップS4でオイルパンの油温が所定温度Tuを越えているか否かを判断する。油温が所定温度Tuを越えていれば、ステップSG4で「YES」となり、次のステップSG5で低油温フラグをオフし、油温が所定温度Tu以下であれば、ステップSG4で「NO」となって低油温フラグをオンに保持したままリターンとなる。
【0058】
そして、本実施例の場合には、低油温フラグがオンしている間は、第4速への変速が禁止され、同フラグがオフすると、第4速への変速の禁止が解除されるように構成されている。
変速機構17のオイルパンの油は、変速機構17の摩擦係合要素のアクチュエータに供給される作動油となる。この作動油は、温度が低い(例えば20℃以下)と、粘性が高く、流通性が低い。そこで、本実施例のように構成することにより、油温が低い場合には、第4速への変速が禁止され、第3速までの変速段で車両が走行するので、変速機構17の入力回転数が高い状態にされ、油温が早く上昇し、作動油として正規の性能を早く発揮するようにすることができる。
【0059】
図11は本発明の第3実施例を示すもので、上記の第1実施例との相違は、スロットルバルブ6が繰り返し開閉されるような状態になったとき、所定変速段(第4速)への変速を禁止しようとするものである。
この実施例では、第1実施例におけるステップSA3の走行負荷フラグ変更ルーチンを図11に示すスロットル変化繰り返しフラグ変更ルーチンに変えたものに相当する。すなわち、CPU29は、まず、ステップSH1でスロットル変化繰り返しフラグがオフであるか否かを判断する。スロットル変化繰り返しフラグがオフしていれば、ステップSH1で「YES」となり、次のステップSH2で、スロットル開度センサ10の検出信号からスロットルバルブ6の開閉の繰り返し回数を検知し、その回数が所定回数を越えているか否かを判断する。
【0060】
開閉の繰り返し回数が所定回数Mdを越えていた場合には、ステップSH2で「YES」となり、次のステップSH3でスロットル変化繰り返しフラグをオンし、所定回数Md以下であれば、ステップSH2で「NO」となってスロットル変化繰り返しフラグをオフに保持したままリターンとなる。
【0061】
一方、ステップSH1での判断時、スロットル変化繰り返しフラグがオンしているならば、同ステップSH1で「NO」となり、次のステップSH4でスロットルバルブ6の開閉の繰り返し回数が所定回数Mu未満であるか否かを判断する。繰り返し回数が所定回数Mu未満であれば、ステップSH4で「YES」となり、次のステップSH5でスロットル変化繰り返しフラグをオフし、開閉回数が所定回数Mu以上であれば、ステップSH4で「NO」となってスロットル変化繰り返しフラグをオンに保持したままリターンとなる。
【0062】
そして、本実施例の場合には、スロットル変化繰り返しフラグがオンしている間は、第4速への変速が禁止され、同フラグがオフすると、第4速への変速の禁止が解除されるように構成されている。
スロットル開度が繰り返し変化すると、その度に第4速と第3速との間でシフトアップ、シフトダウンが繰り返されるようになるが、本実施例では、その頻繁な変速を防止できるので、変速機構17の長寿命化を図ることができる。
【0063】
図12は本発明の第4実施例を示すもので、上記の第1実施例との相違は、水温センサ38によって検出されるエンジン1の冷却水の温度が所定温度未満のとき、所定変速段(例えば最高速段である第4速)への変速を禁止するように構成したものである。
この実施例では、第1実施例におけるステップSA3の走行負荷フラグ変更ルーチンを図12に示す低水温フラグ変更ルーチンに変えたものに相当する。すなわち、CPU29は、まず、ステップSI1で低水温フラグがオフであるか否かを判断する。低水温フラグがオフしていれば、ステップSI1で「YES」となり、次のステップSI2で、水温センサ38の検出信号からエンジン1の冷却水の温度を検知し、その温度が所定温度Twd未満であるか否かを判断する。
【0064】
冷却水温が所定温度Twd未満であった場合には、ステップSI2で「YES」となり、次のステップSI3で低水温フラグをオンし、所定温度Twd以上であれば、ステップSI2で「NO」となって低水温フラグをオフに保持したままリターンとなる。
【0065】
一方、ステップSI1での判断時、低水温フラグがオンしているならば、同ステップSI1で「NO」となり、次のステップSI4で冷却水温が所定温度Twuを越えているか否かを判断する。冷却水温が所定温度Twuを越えていれば、ステップSI4で「YES」となり、次のステップSI5で低水温フラグをオフし、冷却水温が所定温度Twu以下であれば、ステップSI4で「NO」となって低水温フラグをオンに保持したままリターンとなる。
【0066】
そして、本実施例の場合には、低水温フラグがオンしている間は、所定の変速段である第4速への変速が禁止され、同フラグがオフすると、第4速への変速の禁止が解除されるように構成されている。
これによれば、エンジン1の始動後、直ぐに走行するような場合(冷却水温が所定温度Twd未満)、運転条件が本来ならば第4速への変速がなされる場合であっても、第4速への変速が禁止されていることにより、実際には第3速で走行することとなる。このため、エンジン1の回転数が高くなるので、エンジン1が早期に暖まり、排気ガス温度が早く高くなる。この結果、排気ガスより加熱される触媒が、早期に温度上昇して十分なる浄化機能を発揮するようになり、排気ガスの浄化率向上に効果がある。
【0067】
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、以下のような拡張或いは変更が可能である。
走行負荷は、エンジンの吸気量および出力回転数と、車速とに基づいて推定するようにしても良い。すなわち、エンジン1の吸気管5の圧力(負圧)からエンジン1の吸気量を演算し、または流量センサによりエンジン1の吸気量を直接検出し、これとエンジン1の出力回転数を用いてマップからエンジン1の出力トルクを求め、この出力トルクからオルタネータやコンプレッサの負荷トルクを差し引いてトルクコンバータ16の入力トルクを求め、そして、トルクコンバータ16の特性マップを用いてトルクコンバータ16の出力トルク(変速機17への伝達トルク)を求め、続いて上記したと同様に、変速機17の現状変速段の変速比とデファレンシャルギヤ3の変速比、駆動車輪4の径とから駆動力を求め、車速から走行抵抗を求めると共に、車両重量と加速度とから加速抵抗を求め、そして、上記駆動力から走行抵抗と加速抵抗を差し引いて走行負荷を推定するように構成しても良い。
【0068】
車速センサとしては、変速機出力軸回転センサ15に限られず、駆動車輪4の車軸の回転数を検出するセンサ等であっても良い。
第1の運転状態のとき、変速を禁止される変速段は、第4速以外であっても良く、必要に応じて定めれば良いものである。
変速機構17の油温が所定温度未満であるとき、スロットル開度が繰り返し変化するとき、所定の変速段への変速を禁止することと、第1の運転状態になったとき、所定の変速段への変速を禁止することとは、併せて行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す車両用自動変速機の制御装置の全体構成図
【図2】制御手段の制御内容を示すメインフローチャート
【図3】図2のフローチャートで用いる変速段決定ルーチンを示すフローチャート
【図4】図3のフローチャートで用いる走行負荷推定ルーチンを示すフローチャート
【図5】図3のフローチャートで用いるスロットル戻し変更ルーチンを示すフローチャート
【図6】図3のフローチャートで用いる所定変速段禁止フラグ変更ルーチンを示すフローチャート
【図7】図3のフローチャートで用いる最終目標変速段決定ルーチンを示すフローチャート
【図8】図3のフローチャートで用いる変速マップ
【図9】図3のフローチャートで用いる制御モード判定マップ
【図10】本発明の第2実施例を示す低油温フラグ変更ルーチンのフローチャート
【図11】本発明の第3実施例を示すスロットル変化繰り返しフラグ変更ルーチンのフローチャート
【図12】本発明の第4実施例を示す低水温フラグ変更ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
図中、1はエンジン、2は自動変速機、3はデファレンシャルギヤ、4は駆動車輪、6はスロットルバルブ、8はアクセルペダル、10はスロットル開度センサ、12はクランク軸(エンジン出力軸)、13はエンジン回転センサ、14は出力軸、15は変速機構出力回転センサ、16はトルクコンバータ、17は歯車変速機構、18はポンプ羽根車、19はタービン羽根車、21はタービン軸、23,25〜27はコントロールバルブ(油路制御要素)、28は変速制御用コンピュータ(制御手段)、34はタービン回転センサ、38は水温センサである。

Claims (8)

  1. エンジンの出力軸に連結されたトルクコンバータと、
    このトルクコンバータの出力側に連結された歯車変速機構と、
    この歯車変速機構の変速段を切り換えるための複数の摩擦係合要素と、
    これら摩擦係合要素のアクチュエータへの作動油の供給を制御する油路制御要素と、
    車両の運転状態を推測して変速段を決定し、前記歯車変速機構を前記決定した変速段に切り換えるべく前記油路制御要素を制御する制御手段とを具備し、
    前記制御手段は、前記車両の運転状態が第1の運転状態となった時、所定の変速段への変速を禁止し、第2の運転状態となった時、前記所定の変速段への変速の禁止を解除するように構成され、且つ、スロットル開度と車速とから判断される前記車両の運転状態が、前記スロットル開度と車速とから目標変速段を設定する変速マップにおいて前記所定の変速段へのシフトアップ線よりも低変速段側にあるとき、前記第2の運転状態と判断するように構成されていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記車両の運転状態が、前記スロットル開度と車速とから目標変速段を設定する変速マップにおいて前記所定の変速段へのシフトアップ線よりも高変速段側で且つスロットル開度が小さくなる方向に変化したとき、前記第2の運転状態と判断し、前記所定の変速段への変速の禁止を解除するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. エンジンの出力軸に連結されたトルクコンバータと、
    このトルクコンバータの出力側に連結された歯車変速機構と、
    この歯車変速機構の変速段を切り換えるための複数の摩擦係合要素と、
    これら摩擦係合要素のアクチュエータへの作動油の供給を制御する油路制御要素と、
    車両の運転状態を推測して変速段を決定し、前記歯車変速機構を前記決定した変速段に切り換えるべく前記油路制御要素を制御する制御手段とを具備し、
    前記制御手段は、前記車両の運転状態が第1の運転状態となった時、所定の変速段への変速を禁止し、前記車両の運転状態が、前記スロットル開度と車速とから目標変速段を設定する変速マップにおいて前記所定の変速段へのシフトアップ線よりも高変速段側で且つスロットル開度が小さくなる方向に変化したとき、前記第2の運転状態と判断し、前記所定の変速段への変速の禁止を解除するように構成されていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記エンジンの出力回転数と、前記トルクコンバータの出力回転数と、車速とに基づいて車両の走行負荷を推定し、その推定した走行負荷が所定値以上のとき、前記第1の運転状態と判断することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記エンジンの吸気量および出力回転数と、車速とに基づいて車両の走行負荷を推定し、その推定した走行負荷が所定値以上のとき、前記第1の運転状態と判断することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記スロットル開度の所定値以上の変化が所定の時間内に繰り返し行われたとき、前記制御手段は前記第1の運転状態であると判断するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記歯車変速機構の油温が所定温度未満であるとき、前記第1の運転状態であると判断するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記エンジンの冷却水の温度が所定温度未満であるとき、前記第1の運転状態であると判断するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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