JP4376555B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的に自動変速機の制御装置に関し、特に、平坦路走行中に燃料カットの持続時間を長引かせるようにした自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な車両用自動変速機は、トルクコンバータと、このトルクコンバータの出力側に連結された多段変速ギヤ機構と、多段変速ギヤ機構の変速を行わせる電磁式の変速操作手段を備えている。
【0003】
予め設定された変速特性に基づいて、変速操作手段にシフトアップ又はシフトダウンに応じた変速信号を出力することにより、多段変速ギヤ機構の変速が制御される。
【0004】
また、近年燃費向上のために、エンジン制御として燃料カット制御を一般的に行っている。燃料カット制御は、エンジン回転数Neが所定値以上、アクセルペダル開度(AP開度)が所定値以下、及びスロットル弁下流側の負圧(Pb)が所定値以下の条件が成立することによって実行される。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−79371号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平10−26219号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平11−218217号公報
【0008】
【特許文献4】
特開2002−130457号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃料カット条件では、駆動力を必要としない停止ダウンシフトにおいても、燃料カットが終了してしまい、燃費向上を図れないという問題がある。
【0010】
即ち、図1に示すように5速で燃料カットが成立しており、車両が減速状態にあるとする。車速が減速し、エンジン回転数Neが燃料カット復帰エンジン回転数以下になると、燃料カットが終了する燃料カット復帰となり、燃料の噴射が再開される。
【0011】
従来の一般的な燃料カット条件では、5−4速ダウンシフトが発生する前にエンジン回転数Neが燃料カット復帰エンジン回転数を下回ってしまうため、燃料カット復帰してしまい、燃費向上が図れない。
【0012】
5−4速ダウンシフトが発生すると、エンジン回転数は上昇するが、燃料カット成立エンジン回転数まで上昇することはなく、車速の減少に応じてエンジン回転数も徐々に低下する。よって、一旦燃料カット復帰状態になれば、再び燃料カット成立状態になることはなく、十分な燃費向上を図れない。
【0013】
このため、シフトダウン線を従来より高車速側に設定し、燃料カット復帰前にダウンシフトさせることが考えられる。しかし、シフトアップ線が変更されずに保持されているとすると、シフトビジーが発生する可能性があり、ドライバビリティが損なわれる。
【0014】
よって、本発明の目的は、燃費向上とドライバビリティを両立可能な自動変速機の制御装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明によると、自動変速機の制御装置であって、自動変速機の変速段を検出する変速段検出手段と、減速時にロックアップクラッチをスリップ制御する第1の条件を検出する減速ロックアップ検出手段と、燃料カットする第2の条件を検出する燃料カット検出手段と、前記変速段検出手段で1速以外と判定され、前記減速ロックアップ検出手段で減速ロックアップ制御中と判定され、且つ前記燃料カット検出手段で燃料カット中と判定されたとき、車速に応じて予め定められたダウンシフト線及びアップシフト線をそれぞれ高車速ダウンシフト線及び高車速アップシフト線に変更するシフト線変更手段と、ダウンシフト線を高車速側に変更し、実際にダウンシフトの実行を開始してからの経過時間を計測するタイマとを具備し、前記タイマでの計測時間が所定時間内の時には、前記シフト線変更手段によるダウンシフト線の高車速側への変更を禁止することを特徴とする自動変速機の制御装置が提供される。
【0016】
請求項1の自動変速機の制御装置によると、所定の条件が満足されると、シフト線変更手段によりダウンシフト線及びアップシフト線とも高車速側に変更するようにしたので、駆動力を必要としない停止ダウンシフト変速において燃料カットを長時間継続することができ、燃費の向上を図ることができる。
【0017】
請求項1記載の発明によると、自動変速機の制御装置は、ダウンシフト線を高車速側に変更し、実際にダウンシフトを実行した前回の高車速ダウンシフト制御を開始してからの経過時間を計測するタイマを含んでいる。タイマでの計測時間が所定時間内の時には、次回の前記シフト線変更手段によるダウンシフト線の高車速側への変更を禁止する。
【0018】
このようにタイマでの計測時間が所定時間内のときには、ダウンシフト線を高車速側に変更することを禁止するようにしたので、シフトビジーを防止しながら燃費向上を図ることができる。
【0019】
請求項2記載の発明によると、自動変速機の制御装置はさらに、自動変速機のシフト位置を検出するシフト位置検出手段と、走行路の勾配を検出する勾配検出手段を含んでおり、シフト位置検出手段でDレンジと判定され、勾配検出手段で平坦路と判定されたとき、前記シフト線変更手段によるダウンシフト線及びアップシフト線の前記変更を実施する。
【0020】
この構成によると、シフト線変更手段によるダウンシフト線及びアップシフト線の高車速側への変更は、Dレンジ及び平坦路の場合に実施される。これは、Dレンジ以外及び平坦路以外でシフト線の高車速側への変更を許容すると、ドライバビリティの悪化に繋がる恐れがあるからである。
【0021】
請求項3記載の発明によると、アクセルペダルの開度が所定値以上、前記タイマが前記所定時間経過してから加速度が第1所定値以上、前記タイマが前記所定時間経過してからアクセルペダル踏み込み変化量が所定値以下且つ加速度が第2所定値以上、車速が前記高車速アップシフト線より大、又は車速が前記ダウンシフト線より小の何れかの場合に、前記シフト線変更手段により前記ダウンシフト線及び前記アップシフト線をそれぞれ前記高車速ダウンシフト線及び高車速アップシフト線に変更しないようにする解除手段を含んでいる。
【0022】
アクセルペダルの開度が所定値以上の場合にシフト線の高車速側への変更を解除するのは、加速意思があり、さらにシフトビジーを感じ難いからである。
【0023】
加速度が第1又は第2所定値以上の場合に、シフト線の高車速側への変更を解除するのは、ドライバビリティが悪化するのを防止し、変速違和感を排除するためである。
【0024】
また、車速が高車速アップシフト線より大又はダウンシフト線より小の場合に、シフト線の高車速側への変更を解除するのは、何れもシフトビジーとなり難い車速域だからである。
【0025】
【発明の実施の形態】
図2を参照すると、本発明実施形態に係る自動変速機の制御装置のブロック図が示されている。エンジン10のクランク軸には自動変速機12が接続されている。
【0026】
自動変速機12は周知の構成であり、エンジン10のクランク軸に連結され、ポンプインピラ及びタービンランナを有するトルクコンバータと、ポンプインピラとタービンランナとを連結するためのロックアップクラッチと、トルクコンバータの出力側に連結される多段変速ギヤ機構を含んでいる。
【0027】
エンジン10及び自動変速機12は車両に搭載された電子制御ユニット(ECU)14により制御される。エンジン10には、吸気管の途中に設けられたスロットル弁の開度を検出するスロットル開度検出手段16が設けられており、その検出信号はECU14に入力される。
【0028】
また、アクセルペダル近傍には、アクセルペダルの踏み込み量(AP開度)を検出するアクセルペダル開度検出手段18が設けられており、その検出信号はECU14に入力される。
【0029】
自動変速機12の出力側には、車速を検出する車速検出手段20が設けられており、その検出信号はECU14に入力される。また、自動変速機12には、多段変速ギヤ機構のシフト位置を検出するシフト位置検出手段22が設けられており、その検出信号はECU14に入力される。
【0030】
ECU14は中央演算処理装置(CPU)、ROM,RAM等の記憶素子及び入出力インタフェースを含んでおり、プログラムされたソフトウエアにより数多くの処理を達成する。
【0031】
勾配検出手段24にはスロットル開度検出手段16からのスロットル開度と、車速検出手段20からの車速が入力され、実加速度を算出する。
【0032】
勾配検出手段24は、例えばAP開度及び車速に応じた加速度を格納したマップを含んでおり、実加速度が格納されている第1設定値よりも小さければ登板路と判断し、実加速度が格納されている第1設定値より大きな第2設定値よりも大きければ降板路と判定し、実加速度が第1及び第2設定値の間ならば平坦路と判定する。
【0033】
変速段検出手段26は自動変速機12の変速段を検出する。例えば、シフトレバーがドライブレンジ(Dレンジ)に入っている場合には、変速段検出手段26は1〜5速、Dレンジの何れかを検出する。
【0034】
減速ロックアップ検出手段28は、減速時にロックアップクラッチをスリップ制御する条件を検出する。例えば、AP開度が設定値以下、車速が設定値以上、且つエンジン回転数が設定値以上のときに、減速ロックアップクラッチの滑り制御がオンとなる。
【0035】
燃料カット検出手段30は燃料カットする条件を検出する。例えば、エンジン回転数が設定値以上、AP開度が設定値以下、且つスロットル弁下流側の負圧が設定値以下のときに、燃料カット条件が成立し、燃料カットを実行する。
【0036】
シフトマップ検出手段32は、アクセルペダル開度検出手段18からのAP開度及び車速検出手段20からの車速に応じたシフトマップを検出し、後述する高車速ダウンシフト制御許可判定手段34及び同一段間アップシフト制御許可判定手段40に検出したシフトマップを供給する。
【0037】
高車速ダウンシフト制御許可判定手段34は、図3のフローチャートに示した高車速ダウンシフト判定プログラムから構成される。また、同一段間アップシフト制御許可判定手段40は、図7のフローチャートに示した高車速アップシフト判定プログラムから構成される。
【0038】
高車速ダウンシフト制御許可判定手段34により高車速のダウンシフトが許可されると、ダウンシフト制御手段36は高車速での自動変速機12のダウンシフトを実行する。
【0039】
高車速でのダウンシフトが開始されると、高車速ダウンシフト開始タイマ38がオンとなり、タイマの計測時間は高車速ダウンシフト制御許可判定手段34及び同一段間アップシフト制御許可判定手段40に入力される。
【0040】
加減速検出手段42の検出信号及びアクセルペダル踏み込み変化量検出手段44の検出信号は同一段間アップシフト制御許可判定手段40に入力される。同一段間アップシフト制御許可判定手段40によりアップシフトが許可されると、車速が通常のアップシフト線又は高車速アップシフト線を越えた場合、アップシフト制御手段46が自動変速機12のアップシフトを実行する。
【0041】
以下、図2に示されたブロック図で簡単に説明した高車速ダウンシフト制御許可判定手段34及び同一段間アップシフト制御許可判定手段40の処理動作を図3乃至図8を参照して詳細に説明する。
【0042】
まず図3を参照して、図2に示した高車速ダウンシフト制御許可判定手段34を構成する高車速ダウンシフト判定フローについて説明する。まず、ステップ10(図面ではS10で示す)において、自動変速機12がDレンジに入っているか否かを判断する。これはシフト位置検出手段22により検出される。
【0043】
Dレンジに入っていると判断された場合には、ステップ11へ進んで走行路が平坦路か否かを判断する。これは、AP開度及び車速に基づいて勾配検出手段24が検出した実加速度を予め格納されている加速度と比較することにより判断される。
【0044】
ステップ11で平坦路と判断された場合には、ステップ12に進み制御可能な変速段か否かを判断する。本実施形態では、1速以外を制御可能な変速段としている。
【0045】
よって、ステップ12で現在の変速段が1速以外と判断された場合には、ステップ13へ進み前回の高車速ダウンシフト実行から所定時間経過したか否か判断する。この所定時間は例えば2〜3秒に設定することができる。ステップ13の判断が肯定の場合には、ステップ14へ進み減速ロックアップクラッチの滑り制御が作動中か否かを判断する。
【0046】
このステップ14のサブルーチンは図4のフローチャートに示されている。図4において、まずステップ30でアクセルペダルの開度が設定値以下か否かを判断する。4−3変速の場合には、設定値は例えば1.3%に設定される。
【0047】
AP開度が設定値以下の場合には、ステップ31へ進み車速が設定値以上か否かが判断される。この設定値は例えば4−3変速で23km/hに設定される。車速が設定値以上と判断された場合には、ステップ32へ進みエンジン回転数Neが設定値以上か否かが判断される。
【0048】
この設定値は例えば1050rpmに設定される。エンジン回転数Neが設定値以上と判断された場合には、ステップ33へ進み減速ロックアップクラッチの滑り制御を実行する。
【0049】
一方、ステップ30、ステップ31及びステップ32の判断が否定判断の場合は、ステップ34へ進み減速ロックアップクラッチの滑り制御をオフにする。
【0050】
再び図3を参照すると、ステップ14で減速ロックアップクラッチの滑り制御が作動中と判断された場合には、ステップ15へ進み燃料カット中か否かを判断する。ステップ15のサブルーチンが図5に示されている。
【0051】
図5において、まずステップ40でエンジン回転数Neが設定値以上か否かを判断する。この設定値は例えば1000rpmに設定される。エンジン回転数Neが設定値以上の場合には、ステップ41へ進みAP開度が設定値以下か否かを判断する。この設定値は例えば1.3%に設定される。
【0052】
AP開度が設定値以下の場合には、ステップ42へ進みスロットル弁下流側の負圧Pbが設定値以下か否かを判断する。この負圧Pbは例えば130mmHgに設定される。負圧Pbが設定値以下と判断された場合には、ステップ43へ進み燃料カットを実行する。
【0053】
一方、ステップ40、ステップ41、又はステップ42の判断が否定の場合には、ステップ44へ進み燃料カットは実施されないことになる。即ち、現在燃料カット実行中の場合には、ステップ40〜42の何れかの否定判断で燃料カットが中止され、燃料カット復帰となる。
【0054】
再び図3を参照すると、ステップ15で燃料カット中と判断された場合には、ステップ16に進み高車速ダウンシフト制御可能車速領域フラグが1か否か、即ちフラグが立っているか否かが判断される。このフラグは、4−3変速の場合、例えば車速が33km/hよりも大きい場合には1となる。
【0055】
ステップ16でフラグが立っていると判断された場合には、ステップ17へ進み車速が設定値以下か否かが判断される。この設定値は例えば33km/hである。ステップ17で車速が設定値以下と判断された場合には、ステップ18へ進み高車速ダウンシフト変速制御を実行する。即ち4速から3速へのダウンシフトを実行する。
【0056】
ステップ18で高車速ダウンシフト変速制御を実行したなら、高車速ダウンシフト制御開始フラグに1を代入し、即ちフラグを立て(ステップ19)、高車速ダウンシフト制御開始タイマをセットする(ステップ20)。
【0057】
一方、ステップ10でDレンジ以外と判定された場合及びステップ11で平坦路以外と判定された場合には、ステップ21へ進み高車速ダウンシフト制御開始フラグに0を代入する。即ちフラグを倒す。
【0058】
さらに、ステップ22へ進んで高車速ダウンシフト制御可能車速領域フラグに0を代入する。ステップ12〜ステップ15の判断が否定判断の場合にも、ステップ22へ進み高車速ダウンシフト制御可能車速領域フラグに0を代入する。
【0059】
ステップ16の判断が否定判断の場合には、ステップ23へ進み車速が設定値以下か否かが判断される。この設定値も例えば33km/hに設定される。車速が設定値より大きい場合には、ステップ24へ進み高車速ダウンシフト制御可能車両領域フラグに1を代入する。
【0060】
車速が設定値以下の場合には、本処理を終了する。ステップ17で車速が設定値より大きいと判断された場合にも、本処理を終了する。
【0061】
次に、図6を参照して図3のフローチャートを用いて説明した通常のダウンシフト線を高車速側に変更した本発明の効果について説明する。図6で破線50は5速から4速への通常のダウンシフト線であり、破線52は高車速側に変更された5速から4速へのダウンシフト線である。
【0062】
また、破線54は4速から3速への通常のダウンシフト線であり、破線56は高車速側に変更された4速から3速へのダウンシフト線を示している。実線58はエンジン回転数Neを示している。
【0063】
本発明によると、5速で燃料カットが成立していて減速していく場合、燃料カット復帰Neを下回らないように高車速側に5−4ダウンシフト線52を設定する。
【0064】
これにより、燃料カットを実行しながら5−4ダウンシフトさせることができ、燃料カットを継続させることができる。さらに、4−3ダウンシフト線56を高車速側に設定することにより、燃料カット時間を長くすることができる。
【0065】
次に、図2に示した同一段間アップシフト制御許可判定手段40を構成する高車速アップシフト判定プログラムを図7のフローチャートを参照して説明する。
【0066】
まず、ステップ50において、高車速ダウンシフト制御開始タイマが所定時間経過したか否かを判断する。この所定時間は例えば2〜3秒に設定される。所定時間経過していないと判断された場合には、ステップ51へ進んで高車速アップシフト変速フラグに1を代入する。即ち、通常のアップシフト設定値を高車速側に変更する。
【0067】
次いで、ステップ52へ進み車速が第1設定値以下か否かを判断する。この第1設定値はアップシフト線を高車速側に変更する設定値であり、3−4変速の場合、例えば48km/hに設定される。
【0068】
ステップ52で車速が第1設定値以下と判断された場合にはステップ53へ進み車速が第2設定値以上か否かを判断する。この第2設定値は高車速側に変更しない通常のアップシフト線の設定値であり、例えば29km/hに設定される。
【0069】
ステップ53で車速が第2設定値以上と判断された場合には、ステップ54へ進みAP開度が設定値以下か否かが判断される。この設定値は例えば1.4/8である。
【0070】
ステップ54でAP開度が設定値以下と判断された場合には、ステップ55へ進み高車速ダウンシフト制御開始フラグが立っているか否かを判断し、肯定の場合にはアップシフトさせないで現在の速度段を維持する。
【0071】
これにより、タイマが所定時間経過しない場合には、ダウンシフト線及びアップシフト線とも高車速側に変更して維持することが可能となり、シフトビジーを起こすことなく燃料カット継続による燃費向上を図ることができる。
【0072】
一方、ステップ52で車速が第1設定値より大きいと判断された場合には、ステップ56に進んで高車速ダウンシフト制御開始タイマをクリアする。さらに、高車速ダウンシフト制御開始フラグに0を代入し(ステップ57)、高車速アップシフトフラグに0を代入して(ステップ58)、ステップ59でアップシフト変速制御を実行する。
【0073】
ステップ53で車速が第2設定値よりも小さいと判断された場合には、ステップ60に進んで高車速ダウンシフト制御開始タイマをクリアする。さらに、高車速ダウンシフト制御開始フラグに0を代入し(ステップ61)、高車速アップシフトフラグに0を代入する(ステップ62)。
【0074】
ステップ54でAP開度が設定値よりも大きいと判断された場合には、ステップ57へ進んで高車速ダウンシフト制御開始フラグに0を代入する。さらに、高車速アップシフトフラグに0を代入して(ステップ58)、ステップ59でアップシフト変速制御を実行する。
【0075】
ステップ55で高車速ダウンシフト制御開始フラグは立っていないと判断された場合には、ステップ58へ進んで高車速アップシフフラグに0を代入し、ステップ59でアップシフト変速制御を実行する。
【0076】
ステップ50でタイマが所定時間経過していると判断された場合には、ステップ63へ進んで高車速アップシフト変速フラグが1か否か、即ちフラグが立っているか否かを判断する。
【0077】
フラグが立っていると判断された場合には、ステップ64に進み加速度が第1設定値以上か否かを判断する。加速度が第1設定値よりも小さい場合には、ステップ65に進みアクセルペダルの踏み込み変化量が第1設定値以下か否かを判断する。アクセルペダルの踏み込み量が第1設定値よりも大きいと判断された場合には、ステップ52に進み車速が第1設定値以下か否かを判断する。
【0078】
ステップ63で高車速アップシフト変速フラグが立っていないと判断された場合及びステップ64で加速度が第1設定値以上と判断された場合には、ステップ57へ進んで高車速ダウンシフト制御開始フラグに0を代入する。
【0079】
ステップ65でアクセルペダルの踏み込み変化量が第1設定値以下と判断された場合には、ステップ66に進んでアクセルペダルの踏み込み変化量が第2設定値以下か否かを判断する。第2設定値は第1設定値よりも小さい値に設定される。
【0080】
ステップ66でアクセルペダルの踏み込み変化量が第2設定値以下と判断された場合には、ステップ67へ進んで加速度が第2設定値以上か否かが判断される。この加速度の第2設定値はステップ64の第1設定値よりも小さい値に設定される。
【0081】
ステップ67で加速度が第2設定値以上と判断された場合には、ステップ57へ進む。また、ステップ66でアクセルペダルの踏み込み変化量が第2設定値よりも大きいと判断された場合及びステップ67で加速度が第2設定値よりも小さいと判断された場合には、ステップ52へ進んで車速が第1設定値以下か否かを判断する。
【0082】
以上の処理をまとめると、ダウンシフト線及びアップシフト線をそれぞれ高車速側に変更する制御の解除条件は、以下の通りとなる。
【0083】
(a)セレクトレバーがDレンジ以外
(b)走行路が平坦路以外
(c)アクセルペダルの開度が設定値以上
(d)タイマが所定時間経過してから加速度が第1設定値以上
(e)タイマが所定時間経過してからアクセルペダルの踏み込み変化量が第2設定値以下で、且つ加速度が第2設定値以上
(f)車速が高車速アップシフト線を越えた場合
(g)車速が通常のダウンシフト線を下回った場合
図8はダウンシフト線及びアップシフト線を高車速側に変更する本発明の制御の解除条件を模式的に示した図である。図8で通常のダウンシフト線60は、4−3変速の場合、例えば29km/hに設定され、高車速ダウンシフト線62は例えば33km/hに設定されている。
【0084】
また、AP開度が非常に小さい場合の通常のアップシフト線64は例えば42km/hに設定され、高車速アップシフト線66は例えば48km/hに設定されている。また、制御解除するときのAP開度設定値70は例えば1.4/8に設定されている。
【0085】
図8でラインc1〜ラインc4は上述した解除条件の(c)に対応し、加速意思のある場合は制御を解除する。ラインd/eは上述した解除条件の(d)及び(e)に対応し、高車速ダウンシフト制御開始タイマが所定時間経過した場合、運転者の意思と制御の違和感がないように、APの増加量と加減速判定によりアップシフトを行う。これにより、ドライバビリティを向上することができ、変速違和感を排除することができる。
【0086】
また、ラインfは上述した解除条件の(f)に対応し、ラインg1及びラインg2は上述した解除条件の(g)に対応する。これらの車速域はシフトビジーとなり難い車速域であり、本発明のシフト線変更制御を解除する。
【0087】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、所定の条件が満足された場合、シフト線変更手段によりダウンシフト線及びアップシフト線とも高車速側に変更するように制御したので、駆動力を必要としない停止ダウンシフト変速において燃料カットを長時間継続することができ、燃費の向上を図ることができる。
【0088】
請求項2の発明によると、タイマでの計測時間が所定時間内の場合には、ダウンシフト線及びアップシフト線をそれぞれ高車速側に変更することを禁止するようにしたので、シフトビジーを防止しながら燃費向上を図ることができる。
【0089】
請求項3の発明によると、Dレンジ及び平坦路と判定されたとき、シフト線変更手段によるダウンシフト線及びアップシフト線の高車速側への変更を許容するので、Dレンジ以外及び平坦路以外でシフト線を高車速側へ変更したときに遭遇するドライバビリティの悪化を防止することができる。
【0090】
請求項4の発明によると、ダウンシフト線及びアップシフト線の変更を解除する解除手段を含んでいるので、変更制御の継続によるドライバビリティが悪化するのを防止することができ、変速違和感等を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のダウンシフト線と燃料カットの関係を模式的に示す図である。
【図2】本発明実施形態に係る自動変速機の制御装置のブロック図である。
【図3】高車速ダウンシフト判定プログラムのフローチャートである。
【図4】減速ロックアップクラッチの滑り制御のフローチャートである。
【図5】燃料カット制御のフローチャートである。
【図6】本発明による高車速ダウンシフト線と燃料カットの関係を模式的に示す図である。
【図7】高車速アップシフト判定プログラムのフローチャートである。
【図8】本発明のシフト線変更制御の解除条件を説明する模式図である。
【符号の説明】
10 エンジン
12 自動変速機
14 ECU
16 スロットル開度検出手段
18 アクセルペダル開度検出手段
20 車速検出手段
22 シフト位置検出手段
24 勾配検出手段
26 変速段検出手段
28 減速ロックアップ検出手段
30 燃料カット検出手段
34 高車速ダウンシフト制御許可判定手段
40 同一段間アップシフト制御許可判定手段
42 加減速検出手段
44 アクセルペダル踏み込み変化量検出手段
Claims (3)
- 自動変速機の制御装置であって、
自動変速機の変速段を検出する変速段検出手段と、
減速時にロックアップクラッチをスリップ制御する第1の条件を検出する減速ロックアップ検出手段と、
燃料カットする第2の条件を検出する燃料カット検出手段と、
前記変速段検出手段で1速以外と判定され、前記減速ロックアップ検出手段で減速ロックアップ制御中と判定され、且つ前記燃料カット検出手段で燃料カット中と判定されたとき、車速に応じて予め定められたダウンシフト線及びアップシフト線をそれぞれ高車速ダウンシフト線及び高車速アップシフト線に変更するシフト線変更手段と、
ダウンシフト線を高車速側に変更し、実際にダウンシフトの実行を開始してからの経過時間を計測するタイマとを具備し、
前記タイマでの計測時間が所定時間内の時には、前記シフト線変更手段によるダウンシフト線の高車速側への変更を禁止することを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 自動変速機のシフト位置を検出するシフト位置検出手段と、
走行路の勾配を検出する勾配検出手段とをさらに具備し、
前記シフト位置検出手段でDレンジと判定され、前記勾配検出手段で平坦路と判定されたとき、前記シフト線変更手段によるダウンシフト線及びアップシフト線の前記変更を実施することを特徴とする請求項1記載の変速機の制御装置。 - アクセルペダルの開度が所定値以上、前記タイマが前記所定時間経過してから加速度が第1所定値以上、前記タイマが前記所定時間経過してからアクセルペダル踏み込み変化量が所定値以下且つ加速度が第2所定値以上、車速が前記高車速アップシフト線より大、又は車速が前記ダウンシフト線より小の何れかの場合に、前記シフト線変更手段により前記ダウンシフト線及び前記アップシフト線をそれぞれ前記高車速ダウンシフト線及び高車速アップシフト線に変更しないようにする解除手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
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