JPH11166615A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JPH11166615A
JPH11166615A JP9335925A JP33592597A JPH11166615A JP H11166615 A JPH11166615 A JP H11166615A JP 9335925 A JP9335925 A JP 9335925A JP 33592597 A JP33592597 A JP 33592597A JP H11166615 A JPH11166615 A JP H11166615A
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Ryuji Murakawa
隆二 村川
Tetsuji Ozaki
哲司 小崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第4速への禁止状態を解除するに、所定の条
件が整ってから一定時間経過した後に行うものでは、予
期せぬ時に第4速へのシフトアップが行われ、違和感を
覚えるので、これを防止する。 【解決手段】 登坂路の走行時、アクセルペダルを戻す
と、第4速へのシフトアップが禁止される。この禁止
は、例えば登坂路から平坦路に移ったとき、アクセルペ
ダルを戻すと解除され、第4速への変速が許可される。
平坦路に移ってからアクセルペダルを戻す場合は、定速
走行を希望する場合で、第4速への変速を予期している
から同変速が行われても違和感を覚えることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の運転状態を
推定し、その推定結果に応じて変速段の制御等を行う自
動変速機の制御装置に係り、予期しない変速を防止でき
るようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の自動変速機の制御装置では、一
般に、変速マップを予め用意しておき、走行時に、運転
パラメータから変速マップを検索し、変速段を決定する
ようにしている。例えば、特開平8−74986号に示
されたものでは、運転パラメータとしてスロットル開度
と車速とを用い、それらスロットル開度と車速とから変
速マップを検索し、変速段を決定するようにしている。
そして、車速、スロットル開度、変速段に基づいて基準
の車両加速度を予め記憶しておき、これと実際の車両加
速度とを比較することによって登坂路の判断を行い、登
坂路である場合には、所定の条件の下に最高変速段への
シフトアップを禁止し、この最高変速段へのシフトアッ
プの禁止解除は、条件が整えば即座に、或いは所定の遅
延時間の経過後に行うことが記載されている。
【0003】このものが登坂路で最高変速段への切り換
えを禁止する理由は次の通りである。登坂路を第3速で
走行中、例えばカーブに差し掛かった場合、そのカーブ
の手前でアクセルペダルを戻すようなことがある。この
アクセルペダルの戻しにより、スロットル開度が小さく
なって、運転状態が変速マップ上の第3速から第4速へ
のシフトアップ線を越えると、第3速から第4速への変
速が行われる。このため、次にカーブから速やかに脱出
するために、アクセルペダルを徐々に踏み込んでも、変
速段は第4速であるから、駆動トルク不足となってなか
なか車速が上がらず、運転のし難さを感じるという問題
を生ずる。このような不具合の発生を防止するために、
登坂路では最高変速段への変速を禁止するようにしてい
るのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の技術では、
最高変速段へのシフトアップの禁止解除は、条件が整え
ば即座に、或いは所定の遅延時間の経過後に行うように
している。このため、登坂路を第3速で上り切り、そし
て平坦路に移ると、所定の遅延時間の経過後に第4速へ
のシフトアップの禁止解除が行われ、このとき第3速か
ら第4速へのシフトアップが行われる。しかしながら、
車両の運転者としてみれば、登坂路から平坦路に移った
時点で第4速へのシフトアップが行われると思っていた
ところ、それが実際には行われれず、或る時間の経過後
に急に第4速にシフトアップがなされるので、予期せぬ
時点で不意に変速が発生したこととなり、違和感を覚え
る。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、所定の運転状態のとき所定の変速段へ
の変速を禁止するものにおいて、その禁止が予期せぬ時
に解除されて所定の変速段にシフトされてしまうことを
防止できる自動変速機の制御装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、エンジンの出力軸に連結されたトルクコ
ンバータと、このトルクコンバータの出力側に連結され
た歯車変速機構と、この歯車変速機構の変速段を切り換
えるための複数の摩擦係合要素と、これら摩擦係合要素
のアクチュエータへの作動油の供給を制御する油路制御
要素と、車両の運転状態を推測して変速段を決定し、前
記歯車変速機構を前記決定した変速段に切り換えるべく
前記油路制御要素を制御する制御手段とを具備し、前記
制御手段は、前記車両の運転状態が第1の運転状態とな
った時、所定の変速段への切り換えを禁止し、第2の運
転状態になったとき、前記所定の変速段への切り換えの
禁止を解除するように構成されているものである(請求
項1)。
【0007】この構成によれば、所定の変速段への切り
換えの禁止は、所定の第2の運転状態になったとき解除
される。この第2の運転状態を、その所定の変速段への
切り換えが予測される運転状態とすることにより、所定
の変速段への切り換えが予期せぬ時期に行われることを
防止できる。
【0008】この場合、エンジンの出力回転数と、トル
クコンバータの出力回転数と、車速とから車両の走行負
荷を推定し、その推定した走行負荷が所定値以上のと
き、第1の運転状態と判断するように構成することがで
きる(請求項2)。また、エンジンの吸気量および出力
回転数と、車速とに基づいて車両の走行負荷を推定し、
その推定した走行負荷が所定値以上のとき、前記第1の
運転状態と判断するように構成することができる(請求
項3)。
【0009】そして、上記所定の変速段への切り換え禁
止は、スロットル開度と車速とから判断される前記車両
の運転状態が、変速マップにおける前記所定の変速段へ
のシフトアップ線よりも低変速段側にあるとき、解除さ
れるように構成することができる(請求項4)。所定の
変速段へのシフトアップ線よりも低変速段側にあるとき
は、通常の低変速段側から当該所定の変速段への切り換
えが進む運転状態であるから、その所定の変速段への変
速が実施されても、違和感を覚えることはない。
【0010】また、上記所定の変速段への切り換え禁止
は、スロットル開度と車速とから判断される車両の運転
状態が、変速マップにおける前記所定の変速段へのシフ
トアップ線よりも高変速段側で且つスロット開度が小さ
くなる方向に変化したとき、解除されるように構成して
も良い(請求項5)。通常、加速した後、車速を一定に
保つためにアクセルペダルを戻すと、変速段は高変速段
側に切り換えられる。このため、アクセルペダルを戻す
ことにより、スロット開度が小さくなる方向に変化した
とき、所定の変速段への変速が実施されても、違和感を
覚えることはない。
【0011】上記所定の変速段への変速の禁止は、スロ
ットル開度の所定値以上の変化が所定の時間内に繰り返
し行われたるとき、行うように構成しても良い(請求項
6)。スロットル開度が繰り返し変化すると、その度に
変速が行われることとなるので、スロットル開度の変化
が繰り返されるとき、所定の変速段への変速を禁止する
ことは、ビジーシフトを防止できることとなる。
【0012】所定の変速段への変速の禁止は、歯車変速
機構の油温が所定温度未満のとき、行うように構成する
ことができる(請求項7)。歯車変速機構に溜められて
いる油は、変速のために、油路制御要素を介して摩擦係
合要素のアクチュエータに供給される作動油にもなる。
上記油の温度が低いと、粘性が高く流通性が低いため、
その時期はできるだけ短時間であることが望まれる。従
って、所定の変速段、例えば最高変速段へのシフトを禁
止して歯車変速機構の歯車の速度を高くすることは、油
温が早く上昇することを意味し、歯車変速機構全体の長
寿命化を図ることができる。
【0013】また、所定の変速段への変速の禁止は、エ
ンジンの冷却水の温度が所定温度未満であるとき、行う
ように構成しても良い(請求項8)。車両のエンジンの
排気ガスは、触媒によって浄化されるようになってい
る。この触媒は、所定の温度以上に加熱されると、触媒
機能を発揮して浄化作用を呈するが、その触媒の加熱は
排気ガスによって行う方式が一般的である。そこで、エ
ンジン始動後、早期に触媒に排気ガスの浄化機能を発揮
させるためには、エンジンの排気ガス温度を高めて早期
に触媒を加熱する必要がある。エンジンの冷却水温度が
低い場合には、エンジンが未だ暖まっておらず、排気ガ
スの温度も低いので、所定の変速段(例えば最高速段)
への変速を禁止することにより、エンジン回転数を高め
て早期に排気ガスが高温となるようにすることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例を図1
〜図9に基づいて説明する。図1に示すように、車両に
搭載されているエンジン1は、自動変速機2とデファレ
ンシャルギヤ3を介して駆動車輪4に接続されている。
上記エンジン1の気筒内に空気を送り込むための吸気管
5には、図示しないエアクリーナ、スロットルバルブ
6、エンジン1の気筒内に送り込まれる空気に燃料を供
給するための燃料供給装置7等が設けられている。
【0015】スロットルバルブ6は、アクセルペダル8
にワイヤ9を介して連結され、アクセルペダル8の踏込
量に応じて開閉する。なお、スロットルバルブ6として
は、アクセルペダル8の踏込量を検出して空気流量を制
御する電子制御スロットルに代えても良い。
【0016】前記エンジン1は、エンジン制御手段とし
ての図示しないエンジン制御用コンピュータにより制御
される。このエンジン制御用コンピュータは、スロット
ルバルブ6の開度を検出するスロットル開度検出手段と
してのスロットル開度センサ10、吸気管5の吸入空気
量を検出する吸気量センサ11、エンジン1の出力軸で
あるクランク軸12の回転数を検出するエンジン回転数
検出手段としてのエンジン回転センサ13、自動変速機
2の出力軸14の回転数を検出する変速機出力回転数検
出手段としての変速機出力回転センサ15からの各種信
号が入力される。なお、この変速機出力軸回転センサ1
5からの各種信号に基づいて車速が検知されるので、同
センサは車速センサとして機能するものである。そし
て、エンジン制御用コンピュータは、それらの入力信号
を基に燃料噴射量を決定して燃料噴射装置7を駆動する
と共に、点火信号を出力して図示しない点火装置を作動
させ、以てエンジン1の回転に合わせて燃料の供給と燃
焼が行われるようにエンジン1を制御する。
【0017】さて、前記自動変速機2は、トルクコンバ
ータ16と歯車変速機構(以下、単に変速機構という)
17から構成されている。トルクコンバータ16は、周
知のように、エンジン1のクランク軸12に連結された
入力側のポンプ羽根車18、出力側のタービン羽根車1
9、それら両羽根車18および19間のステータ羽根車
20とを備えている。そして、トルクコンバータ16の
出力軸であるタービン羽根車20の軸(以下、タービン
軸)21は、変速機構17の入力軸に連結されている。
【0018】また、トルクコンバータ16は、ロックア
ップクラッチ22を備えている。このロックアップクラ
ッチ22は、油路制御要素としてのコントロールバルブ
23からアクチュエータ24に作動油が供給されると、
タービン軸21を入力側であるポンプ羽根車18側に摩
擦係合してエンジン1のクランク軸12とタービン軸2
1とを直結した状態にする。このとき、ロックアップク
ラッチ22のポンプ羽根車18側に対する摩擦係合強度
は、アクチュエータ24に供給する作動油の圧力を変え
ることにより調節することができるようになっている。
【0019】変速機構17は、複数の動力伝達経路とし
て例えば前進4段・後進1段の複数の歯車列を備えい
る。そして、トルクコンバータ16から入力軸に与えら
れた回転は、選択された変速段に応じて増減速されて出
力軸14に伝えられ、更に、この出力軸14からデファ
レンシャルギヤ3を経て駆動車輪4に達して自動車を走
行させる。
【0020】この変速機構17には、図示はしないが、
動力伝達経路(変速段)を決定する摩擦係合要素として
の摩擦クラッチや摩擦ブレーキ等が設けられている。こ
れら摩擦係合要素は、周知のように、作動油の供給によ
って駆動されるアクチュエータにより締結・解放するも
ので、各摩擦係合要素のアクチュエータへの作動油の供
給は、油圧制御要素としてのコントロールバルブ25,
26によって行われる。このとき、コントロールバルブ
25,26の開度を変えることにより、アクチュエータ
への作動油の供給量を調節して摩擦係合要素の締結・解
放の速度を調節できるようになっている。また、作動油
の圧力を変えるために、上記コントロールバルブ25,
26とは別のコントロールバルブ27が設けられてお
り、これにより、走行負荷等に応じてアクチュエータに
供給する作動油の圧力を変えて摩擦係合要素の締結強さ
を調節することができるようにしている。
【0021】ここで、上記の各摩擦係合要素のアクチュ
エータに供給される作動油は、変速機構17のオイルパ
ンに溜められている潤滑油をフィルタにより漉したもの
を使用しており、そのフィルタ通過後の作動油は図示し
ないポンプによってコントロールバルブ23,25〜2
7に供給される。
【0022】このような自動変速機2のコントロールバ
ルブ23,25〜27は、制御手段としての変速制御用
コンピュータ28により制御される。この変速制御用コ
ンピュータ28は、CPU29が実行するための動作プ
ログラムおよび後述する変速マップ等の各種のマップ、
データが記憶されたROM30、演算時等に各種データ
を一時的に記憶するためのRAM31、入力回路32お
よび出力回路33等から構成されている。
【0023】この変速制御用コンピュータ28の入力回
路32には、前記スロットル開度センサ10、エンジン
回転センサ13、変速機出力回転センサ15の他に、ト
ルクコンバータ16の出力軸であるタービン軸21の回
転数を検出するトルクコンバータ出力回転数検出手段と
してのタービン回転センサ34、変速機構17のオイル
パン内の油温を検出する油温センサ35、ブレーキペダ
ル36が踏まれてブレーキが作動したことを検出するブ
レーキ作動検出手段としてのブレーキセンサ37および
エンジン1の冷却水の温度を検出する冷却水温検出手段
としての水温センサ38からの信号が入力される。そし
て、CPU29は、それら各種の入力信号および動作プ
ログラムに基づいて演算処理を実行し、出力回路33を
介してコントロールバルブ23,25〜27を制御して
変速段の切換えを行うように構成されている。
【0024】次に図2〜図7のフローチャートを用いて
本制御装置の動作を説明する。車両のイグニッションキ
ーを操作し、エンジン1を始動すると、変速制御用コン
ピュータ28のCPU29は動作を開始し、まず、図2
に示すメインルーチンのステップS1で変数を初期化す
る。そして、以後、S2〜S7のステップを所定時間毎
に繰り返し実行する。なお、変数とは、ロックアップク
ラッチ22のアクチュエータ24に供給する油圧を定め
る変数、変速機構17の変速段を定めるため等の変数で
あり、このステップS1での変数の初期化により、ロッ
クアップクラッチ22は解放、変速機構17の変速段は
第1速が選択される。
【0025】CPU29は、変数初期化の後、次のステ
ップS2で各種のセンサ10,13,15,34,3
5,37からの検出信号を入力してこれをRAM31に
記憶し、そしてステップS3に移行し、変速判定動作を
実行する。この変速判定ルーチンは図3にサブルーチン
として示されており、CPU29は、この変速判定ルー
チンに入ると、まず、ステップSA1にて、変速機出力
回転センサ15の検出信号から演算して求められる車速
と、スロットル開度センサ10の検出信号から求められ
るスロットル開度とを用いて、現在の運転状態が図8の
変速マップ中、どの変速段領域に入るかを判定して目標
変速段を決定する。
【0026】ちなみに、車速は、変速機出力回転センサ
15から得られる変速機構17の出力回転数にデファレ
ンシャルギヤ3の変速比と駆動車輪4の直径と円周率を
乗算して求めることができる。なお、図8の変速マップ
において、第n速から第(n+1)速への変速(シフト
アップ)と第m速から第(m−1)速への変速(シフト
ダウン)において、シフトアップは実線、シフトダウン
は破線で示されており、両者の判定線がずれているのは
変速点付近でのビジーシフトを避けるためである。
【0027】次に、CPU29は、ステップSA2の走
行負荷の推定を行う。この走行負荷の推定は、次のよう
にして行われる。すなわち、まず、エンジン回転センサ
13の検出信号から求められるエンジン1のクランク軸
12の回転数Ne(トルクコンバータ16の入力側回転
数と同じ)とタービン回転センサ34の検出信号からト
ルクコンバータ16の出力側回転数であるタービン軸2
1の回転数Ntを求め、両者からNt/Neの演算を行
って速度比eを算出する。
【0028】次に、トルクコンバータのトルク容量マッ
プから上記速度比eを用いてトルク容量係数cを求め、
この後、トルク比マップから速度比eを用いてトルク比
trを求め、更に、トルクコンバータ16から変速機構
17側への伝達トルクTtrを次の(1)式を用いて演
算する。 Ttr=トルク容量係数c×トルク比tr×(エンジン回転数Ne)… …(1)
【0029】続いて、伝達トルクTtr、変速機構17
の現在の変速段の変速比s、デファレンシャルギヤ3の
減速比d、駆動車輪4の半径rから駆動力Dを下記
(2)式を用いて演算する。 D=Ttr×s×d/r……(2) 次に、走行抵抗マップから車速を用いて走行抵抗Rrを
求める。
【0030】この後、車両重量W、車両の加速度αを求
め、そして車両重量Wと加速度αとから加速抵抗Rαを
次の(3)式を用いて演算する。 Rα=W×α……(3) なお、車両の加速度は、前回のステップS2の実行時に
入力した変速機出力回転センサ15の検出信号と今回の
ステップS2で入力した同センサの検出信号とから、車
速の単位時間当りの変化量を演算することにより求めら
れる。
【0031】続いて、以上のようにして求めた駆動力
D、走行抵抗Rr、加速抵抗Rαを用いて次の(4)式
により走行負荷Rを演算する。 R=D−Rr−Rα……(4) 以上のようにして走行負荷Rを求めた後、CPU29
は、ステップSA3の走行負荷フラグ変更ルーチンを実
行する。この走行負荷フラグ変更ルーチンは、図4に示
されており、同ルーチンが開始されると、CPU29
は、ステップSC1で走行負荷フラグがオフしているか
否かを判断する。
【0032】走行負荷フラグがオフしている場合には、
ステップSC1では「YES」と判断し、走行負荷推定
ルーチンで求めた推定走行負荷がβを越えているか否か
を判断するステップSC2に移行する。大きい勾配の登
坂路を走行中であるときには、走行負荷は大きく、βを
越えるので、ステップSC2では「YES」となって次
のステップSC3で走行負荷フラグをオンし、リターン
となる。また、推定走行負荷がβ以下のときには、ステ
ップSC2で「NO」と判断し、走行負荷フラグをオフ
の状態にしたままリターンとなる。
【0033】一方、走行負荷フラグがオンしている場合
には、CPU29は、ステップSC1で「NO」と判断
し、走行負荷推定ルーチンで求めた推定走行負荷がγ未
満であるか否かを判断するステップSC4に移行する。
平坦路を走行中であるときには、走行負荷は小さく、γ
未満であるので、ステップSC4では「YES」となっ
て次のステップSC5で走行負荷フラグをオフし、リタ
ーンとなる。また、推定走行負荷がγ以上のときには、
ステップSc4で「NO」と判断し、走行負荷フラグを
オンの状態にしたままリターンとなる。
【0034】このような走行負荷推定ルーチンを終了す
ると、CPU29は、次のステップSA4のスロットル
戻しフラグ変更ルーチンを実行する。このスロットル戻
しフラグ変更ルーチンは図5に示されており、まず、ス
テップSD1でスロットル変化速度が「0」未満、すな
わちスロットル開度が減少(閉じ)方向に変化している
か否かを判断する。なお、このスロットル開度の変化
は、前回のステップS2の実行時に入力したスロットル
開度と今回のステップS2で入力したスロットル開度と
の差を演算することによって求めることができる。
【0035】アクセルペダル8を戻す等してスロットル
が閉じられつつある場合には、CPU29は、ステップ
SD1では「YES」と判断し、次のステップSD2で
スロットル戻しフラグをオンしてリターンとなる。ま
た、スロットル開度が変化せず、或いはスロットルが開
かれつつある場合には、ステップSD1で「NO」と判
断し、ステップSD3でスロットル戻しフラグをオフし
てリターンとなる。
【0036】スロットル戻しフラグ変更ルーチンを終了
すると、CPU29は、次にステップSA5の制御モー
ド判定ルーチンを実行する。この制御モードの判定は、
図9に示す制御モードマップにより行われる。この制御
モードマップにおいて、最高速段禁止フラグは、前回の
図3の目標変速段判定サブルーチンの実行時にステップ
SA7の最高変速段禁止フラグ変更ルーチンで設定され
たフラグ状態が用いられる。そして、前回の最高変速段
禁止フラグルーチンで設定されたオンオフ状態は、今回
の目標変速段判定サブルーチンにおけるステップSA7
の実行時に変更される。
【0037】ここで、制御モードマップにおいて、目標
変速段とは、現状変速段とステップSA1で変速マップ
から決定された目標変速段とが異なる場合の変速段を言
う。この制御モード判定において、例えば、現在の変速
段が第3速、スロットル開度と車速とから求められる目
標変速段が第4速、走行負荷フラグがオン(例えば登坂
路を走行中)、最高速段禁止フラグがオンであった場合
には、スロットル戻しフラグがオンおよびオフのいずれ
であっても、制御モードは、「2」となる。また、現在
の変速段が第3速、スロットル開度と車速とから求めら
れる目標変速段が第4速、走行負荷フラグがオフ(例え
ば平坦路を走行中)、最高変速段禁止フラグがオン、ス
ロットル戻しフラグがオンであった場合には、制御モー
ドは、「3」となる。
【0038】制御モードの判定を終了すると、CPU2
9は、ステップSA6の所定変速段禁止フラグ変更ルー
チンを実行する。なお、この実施例において、所定変速
段とは最高変速段である第4速を言う。この所定変速段
禁止フラグ変更ルーチンは、図6に示されており、同ル
ーチンに入ると、CPU29は、まず、ステップSE1
においてステップSA5で判定した制御モードが「1」
であるか否かを判断する。制御モードが「1」以外であ
れば、ステップSE1で「NO」となって次のステップ
SE2で更に制御モードが「0」、「3」および「4」
のいずれかであるか否かを判断する。
【0039】そして、制御モードが「0」、「3」およ
び「4」のいずれかであれば、ステップSE2で「YE
S」となり、ステップSE3で最高変速段禁止フラグを
オフし、「0」、「3」および「4」以外であれば、ス
テップSE2で「NO」となって最高変速段禁止フラグ
を現状のままにしてリターンとなる。また、制御モード
が「1」であった場合には、ステップSE1で「YE
S」となり、次のステップSE4で最高変速段禁止フラ
グをオンしてリターンとなる。
【0040】最高変速段禁止フラグ変更ルーチンを終了
すると、CPU29は、ステップSA7の最終目標変速
段決定ルーチンを実行する。この最終目標変速段決定ル
ーチンは、図7に示されており、同ルーチンの実行に入
ると、CPU29は、まず、ステップSF1でステップ
SA6で判定した制御モードが「1」または「2」で、
且つステップSA1で判定した最終目標変速段が最高変
速段であるか否かを判断する。制御モードが「1」また
は「2」で最終目標変速段が第4速であった場合には、
CPU29は、ステップSF1で「YES」と判断し、
次のステップSF2で最終目標変速段を最高段から1を
差し引いた変速段、すなわち第3速に決定し、リターン
となる。また、制御モードが「1」および「2」以外、
或いは最終目標変速段が第4速以外であった場合には、
CPU29は、ステップSF1で「NO」と判断し、次
のステップSF3に移行し、ステップSA1で決定した
目標変速段を最終目標変速段に決定し、リターンとな
る。なお、現状変速段と目標変速段とが一致している場
合には、制御モードは決定できないので、この場合に
は、最終目標変速段は現状変速段に決定される。
【0041】以上のようにして、最終目標変速段が決定
されると、CPU29は、図2のメインルーチンに戻
り、変速段を上記決定済みの最終目標変速段に切り換え
るための油路、換言すれば、コントロールバルブ25,
26のオンオフ状態を決定する(ステップS4)。次
に、CPU29は、コントロールバルブ25,26を通
じて切換油路に流す作動油圧を決定し(ステップS
5)、次いでロックアップ制御量を決定し(ステップS
6)、そして、最後にステップS4で決定した通りにコ
ントロールバルブ25,26をオンオフし、切換油路に
供給する作動油の圧力をステップS5で決定した圧力と
なるようにコントロールバルブ27を制御すると共に、
コントロールバルブ23の開度を制御してステップS6
で決定された制御量に応じた圧力の作動油がロックアッ
プクラッチ22のアクチュエータ24に供給されるよう
にする(ステップS7)。
【0042】これにより、変速機構17が最終目標変速
段に切り換えられると共に、ロックアップクラッチ22
が制御される。この後、CPU29は、図2のメインル
ーチンのステップS2に戻り、以後、以上のような動作
を所定の短時間毎に繰り返し実行する。
【0043】以上のように、スロットル開度と車速とか
ら、目標変速段が決定され、次に、トルクコンバータの
特性等を用いて走行負荷が推定され、この走行負荷に基
づいて走行負荷フラグのオンオフ状態が決定され、次い
でスロットル開度の減少方向への変化速度から急スロッ
トル戻しフラグのオンオフの決定が行われ、それらから
制御モードが決定され、その制御モードから次回の制御
モードの決定に用いるための最高変速段禁止フラグのオ
ンオフの決定が行われ、そして制御モードと目標変速段
とから最終目標変速段が決定され、最後にその最終目標
変速段への切り換えが行われるのである。
【0044】このような変速段の決定方式において、
今、第3速で登坂路を走行中で、アクセルペダル8の踏
み込み量を一定(スロットル開度一定)に保持している
ものとする。この状態で、車速が一定速度であれば、ス
テップSA1での目標変速段は第3速のままとなるの
で、走行負荷フラグ、最高変速段禁止フラグ、スロット
ル戻しフラグのオンオフ状態とは無関係に最終目標変速
段は第3速のままとされ、その第3速のまま登坂路を上
り切る。
【0045】また、第3速で登坂路を走行中で、アクセ
ルペダル8の踏み込み量をほぼ一定(スロットル開度一
定)に保持した状態、或いは多少踏み込んで行く状態で
車速が上昇し、変速マップの第3速から第4速へのシフ
トアップ線を通過したとする。すると、現状変速段は第
3速、目標変速段は第4速、走行負荷フラグはオン(登
坂路走行中)、最高変速段禁止フラグはオフ、スロット
ル戻しフラグはオフであるから、ステップSA5の制御
モード判定ルーチンで制御モードは「0」と判定され
る。
【0046】このため、次のステップSA6の最高変速
段禁止フラグ変更ルーチンで最高変速段禁止フラグがオ
フに設定されたままとなり、続くステップSA8の最終
目標変速段決定ルーチンで最終目標変速段が第4速に設
定される。この結果、第3速で登坂路を走行中に車速が
上昇するような場合には、登坂路走行中に第3速から第
4速への変速が行われる。この場合、第3速でアクセル
ペダル8をほぼ一定の状態に保ったままで車両がスピー
ドアップしていくのであるから、途中で第3速から第4
速への変速があっても、これは通常の平坦路を走行して
いるのと同じであって、運転者としてはその変速は予測
しているので、違和感を感じることはない。
【0047】一方、第3速で登坂路を走行中に、例えば
カーブに差し掛かったとき、アクセルペダル8を戻した
とし、そして、このアクセルペダル8の戻しにより、ス
ロットル開度が第3速から第4速へのシフトアップ線を
越えたとする(図8のP1→P2参照)。すると、現状
変速段は第3速で、目標変速段は第4速、スロットル戻
しフラグはオンに設定され、また、走行負荷フラグはオ
ン、最高速段禁止フラグは未だオフの条件から、ステッ
プSA5で制御モードは「1」と判定される(以上、第
1の運転状態)。そして、次のステップSA6で最高速
段禁止フラグはオンに変更され(ステップSE1で「Y
ES」、ステップSE4)、最終目標変速段は第3速の
ままに保持される(ステップSF1で「YES」、ステ
ップSF2)。
【0048】その後は、目標変速段が第4速である限
り、スロットル戻しフラグのオンオフ状態とは無関係
に、制御モードは「2」と判定され、最高段禁止フラグ
はオンのまま保持される。従って、制御モードが「1」
になると、後は、目標変速段が第4速で走行負荷フラグ
がオン(登坂路を走行)している間は、アクセルペダル
8を戻しても、踏み込んでも、第3速のまま保持される
こととなり、例えばカーブ直前での減速、カーブ脱出の
ための第3速での速やかな増速は意のままに行うことが
できる。
【0049】さて、上記の制御モードが「1」になって
登坂路での第4速へのシフトアップが禁止された状態に
なった後、車速が減少し、或いはスロットル開度を大き
くする等により、現在の運転状態が変速マップの第3速
から第4速へのシフトアップ線を低変速段側に越える場
合がある(図8のP3→P4参照)。すると、目標変速
段は第4速から第3,2,1速のいずれかとなるため
(図8のP3→P4では第3速)、制御モードは「0」
となり、最高変速段禁止フラグがオフされると共に(ス
テップSE1で「NO」、ステップSE3)、最終目標
変速段が第3,2,1速のいずれかに設定される(ステ
ップSF1で「NO」、ステップSF3)。従って、そ
の後、アクセルペダル8を踏み込んで行けば、途中でア
クセルペダル8を緩めない限り(スロットル戻しフラグ
がオンに設定されない限り)、第4速まで変速されて行
くようになる。
【0050】このように現在の運転状態が第4速へのシ
フトアップ線よりも低変速段側に移ると(第2の運転状
態になると)、第4速へのシフトアップの禁止が解除さ
れ、第4速への変速が可能な状態となる。この場合に
は、その後、アクセルペダル8の踏み込みを一定、或い
は踏み込むことにより車速が上昇し、実際に第4速への
変速が行われても、これは運転者にとって予測している
状況だから違和感を感じることはない。
【0051】さて、上記の制御モードが「1」になって
登坂路での第4速へのシフトアップが禁止された状態の
まま、登坂路を上り終えて平坦路の走行に移ったとす
る。このとき、現状変速段が第1〜3速のいずれか、目
標変速段が第4速の状態であったとする。そして、平坦
路に移ってから車速を上げるために、アクセルペダル8
を踏み込んだとする。
【0052】すると、走行負荷フラグはオフに変更さ
れ、最高変速段禁止フラグは未だオン、スロットル戻し
フラグはオフであるから、制御モードは「2」となる。
従って、この場合には、最高変速段禁止フラグはオンの
ままとなり、最終目標変速段は第3速に決定され、第3
速のままで速やかに増速することができる。そして、所
望の車速に上昇したところでアクセルペダル8を戻すと
(図8のP5→P6)、スロットル戻しフラグがオンに
変更されるので、制御モードは「3」に変更される。す
ると、最終変速段禁止フラグがオフに変更され、最終目
標変速段は第4速に設定され、第4速での走行に切り換
えられる。
【0053】また、登坂路を上り終えて平坦路の走行に
移ったとき(現状変速段が第1〜3速のいずれか、目標
変速段が第4速)、そのときの車速を維持するために、
直ぐにアクセルペダル8を戻したとする。すると、上記
の図8のP5→P6の場合と同様に、第3速から第4速
に変速される。
【0054】このように、所定の変速段への変速を禁止
している状態にあるとき、現在の運転領域がその所定変
速段へのシフトアップ線よりも高変速側にあり、そして
スロットル開度が小さくなったことを条件にその禁止を
解除するので、これを具体的に表現すると、現在の運転
領域が第3速から第4速へのシフトアップ線よりも第4
速側の領域にあり、且つアクセルペダル8が戻されたこ
とを条件に(第2の運転状態)、第4速への変速禁止を
解除するので、運転者が第4速への変速を予測し得る運
転状態のとき、実際に第4速への変速が行われる。
【0055】すなわち、この種の変速方式では、通常、
或る程度の車速のとき、スロットルペダル8を戻すと、
第4速への変速が行われるようになっており、そのこと
は平坦路の運転で、定速走行を希望する場合にアクセル
ペダルを戻すことで、良く経験していることである。従
って、上記のように、スロットルペダル8を戻すことに
より、第4速への変速禁止が解除されて、実際に第4速
への変速が行われることは、違和感を覚えることはな
い。
【0056】図10は本発明の第2実施例を示すもの
で、上記の第1実施例との相違は、歯車変速機構17の
潤滑油が所定温度以下のとき、所定変速段(第4速)へ
の変速を禁止しようとするものである。この実施例で
は、第1実施例におけるステップSA3の走行負荷フラ
グ変更ルーチンを図10に示す低油温フラグ変更ルーチ
ンに変えたものに相当する。すなわち、CPU29は、
まずステップSG1で低油温フラグがオフしているか否
かを判断する。低油温フラグがオフしていれば、ステッ
プSG1で「YES」となり、次のステップSG2で、
油温センサ35の検出信号から変速機構17のオイルパ
ンの油温を検知してその油温が所定温度Td未満である
か否かを判断する。油温が所定温度Td未満であれば、
ステップSG2で「YES」となり、次のステップSG
3で低油温フラグをオンし、油温が所定温度Td以上で
あれば、ステップSG2で「NO」となって低油温フラ
グをオフに保持したままリターンとなる。
【0057】一方、ステップSG1での判断時、低油温
フラグがオンしているならば、同ステップSG1で「N
O」となり、次のステップS4でオイルパンの油温が所
定温度Tuを越えているか否かを判断する。油温が所定
温度Tuを越えていれば、ステップSG4で「YES」
となり、次のステップSG5で低油温フラグをオフし、
油温が所定温度Tu以下であれば、ステップSG4で
「NO」となって低油温フラグをオンに保持したままリ
ターンとなる。
【0058】そして、本実施例の場合には、低油温フラ
グがオンしている間は、第4速への変速が禁止され、同
フラグがオフすると、第4速への変速の禁止が解除され
るように構成されている。変速機構17のオイルパンの
油は、変速機構17の摩擦係合要素のアクチュエータに
供給される作動油となる。この作動油は、温度が低い
(例えば20℃以下)と、粘性が高く、流通性が低い。
そこで、本実施例のように構成することにより、油温が
低い場合には、第4速への変速が禁止され、第3速まで
の変速段で車両が走行するので、変速機構17の入力回
転数が高い状態にされ、油温が早く上昇し、作動油とし
て正規の性能を早く発揮するようにすることができる。
【0059】図11は本発明の第3実施例を示すもの
で、上記の第1実施例との相違は、スロットルバルブ6
が繰り返し開閉されるような状態になったとき、所定変
速段(第4速)への変速を禁止しようとするものであ
る。この実施例では、第1実施例におけるステップSA
3の走行負荷フラグ変更ルーチンを図11に示すスロッ
トル変化繰り返しフラグ変更ルーチンに変えたものに相
当する。すなわち、CPU29は、まず、ステップSH
1でスロットル変化繰り返しフラグがオフであるか否か
を判断する。スロットル変化繰り返しフラグがオフして
いれば、ステップSH1で「YES」となり、次のステ
ップSH2で、スロットル開度センサ10の検出信号か
らスロットルバルブ6の開閉の繰り返し回数を検知し、
その回数が所定回数を越えているか否かを判断する。
【0060】開閉の繰り返し回数が所定回数Mdを越え
ていた場合には、ステップSH2で「YES」となり、
次のステップSH3でスロットル変化繰り返しフラグを
オンし、所定回数Md以下であれば、ステップSH2で
「NO」となってスロットル変化繰り返しフラグをオフ
に保持したままリターンとなる。
【0061】一方、ステップSH1での判断時、スロッ
トル変化繰り返しフラグがオンしているならば、同ステ
ップSH1で「NO」となり、次のステップSH4でス
ロットルバルブ6の開閉の繰り返し回数が所定回数Mu
未満であるか否かを判断する。繰り返し回数が所定回数
Mu未満であれば、ステップSH4で「YES」とな
り、次のステップSH5でスロットル変化繰り返しフラ
グをオフし、開閉回数が所定回数Mu以上であれば、ス
テップSH4で「NO」となってスロットル変化繰り返
しフラグをオンに保持したままリターンとなる。
【0062】そして、本実施例の場合には、スロットル
変化繰り返しフラグがオンしている間は、第4速への変
速が禁止され、同フラグがオフすると、第4速への変速
の禁止が解除されるように構成されている。スロットル
開度が繰り返し変化すると、その度に第4速と第3速と
の間でシフトアップ、シフトダウンが繰り返されるよう
になるが、本実施例では、その頻繁な変速を防止できる
ので、変速機構17の長寿命化を図ることができる。
【0063】図12は本発明の第4実施例を示すもの
で、上記の第1実施例との相違は、水温センサ38によ
って検出されるエンジン1の冷却水の温度が所定温度未
満のとき、所定変速段(例えば最高速段である第4速)
への変速を禁止するように構成したものである。この実
施例では、第1実施例におけるステップSA3の走行負
荷フラグ変更ルーチンを図12に示す低水温フラグ変更
ルーチンに変えたものに相当する。すなわち、CPU2
9は、まず、ステップSI1で低水温フラグがオフであ
るか否かを判断する。低水温フラグがオフしていれば、
ステップSI1で「YES」となり、次のステップSI
2で、水温センサ38の検出信号からエンジン1の冷却
水の温度を検知し、その温度が所定温度Twd未満であ
るか否かを判断する。
【0064】冷却水温が所定温度Twd未満であった場
合には、ステップSI2で「YES」となり、次のステ
ップSI3で低水温フラグをオンし、所定温度Twd以
上であれば、ステップSI2で「NO」となって低水温
フラグをオフに保持したままリターンとなる。
【0065】一方、ステップSI1での判断時、低水温
フラグがオンしているならば、同ステップSI1で「N
O」となり、次のステップSI4で冷却水温が所定温度
Twuを越えているか否かを判断する。冷却水温が所定
温度Twuを越えていれば、ステップSI4で「YE
S」となり、次のステップSI5で低水温フラグをオフ
し、冷却水温が所定温度Twu以下であれば、ステップ
SI4で「NO」となって低水温フラグをオンに保持し
たままリターンとなる。
【0066】そして、本実施例の場合には、低水温フラ
グがオンしている間は、所定の変速段である第4速への
変速が禁止され、同フラグがオフすると、第4速への変
速の禁止が解除されるように構成されている。これによ
れば、エンジン1の始動後、直ぐに走行するような場合
(冷却水温が所定温度Twd未満)、運転条件が本来な
らば第4速への変速がなされる場合であっても、第4速
への変速が禁止されていることにより、実際には第3速
で走行することとなる。このため、エンジン1の回転数
が高くなるので、エンジン1が早期に暖まり、排気ガス
温度が早く高くなる。この結果、排気ガスより加熱され
る触媒が、早期に温度上昇して十分なる浄化機能を発揮
するようになり、排気ガスの浄化率向上に効果がある。
【0067】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施
例に限定されるものではなく、以下のような拡張或いは
変更が可能である。走行負荷は、エンジンの吸気量およ
び出力回転数と、車速とに基づいて推定するようにして
も良い。すなわち、エンジン1の吸気管5の圧力(負
圧)からエンジン1の吸気量を演算し、または流量セン
サによりエンジン1の吸気量を直接検出し、これとエン
ジン1の出力回転数を用いてマップからエンジン1の出
力トルクを求め、この出力トルクからオルタネータやコ
ンプレッサの負荷トルクを差し引いてトルクコンバータ
16の入力トルクを求め、そして、トルクコンバータ1
6の特性マップを用いてトルクコンバータ16の出力ト
ルク(変速機17への伝達トルク)を求め、続いて上記
したと同様に、変速機17の現状変速段の変速比とデフ
ァレンシャルギヤ3の変速比、駆動車輪4の径とから駆
動力を求め、車速から走行抵抗を求めると共に、車両重
量と加速度とから加速抵抗を求め、そして、上記駆動力
から走行抵抗と加速抵抗を差し引いて走行負荷を推定す
るように構成しても良い。
【0068】車速センサとしては、変速機出力軸回転セ
ンサ15に限られず、駆動車輪4の車軸の回転数を検出
するセンサ等であっても良い。第1の運転状態のとき、
変速を禁止される変速段は、第4速以外であっても良
く、必要に応じて定めれば良いものである。変速機構1
7の油温が所定温度未満であるとき、スロットル開度が
繰り返し変化するとき、所定の変速段への変速を禁止す
ることと、第1の運転状態になったとき、所定の変速段
への変速を禁止することとは、併せて行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す車両用自動変速機の制
御装置の全体構成図
【図2】制御手段の制御内容を示すメインフローチャー
【図3】図2のフローチャートで用いる変速段決定ルー
チンを示すフローチャート
【図4】図3のフローチャートで用いる走行負荷推定ル
ーチンを示すフローチャート
【図5】図3のフローチャートで用いるスロットル戻し
変更ルーチンを示すフローチャート
【図6】図3のフローチャートで用いる所定変速段禁止
フラグ変更ルーチンを示すフローチャート
【図7】図3のフローチャートで用いる最終目標変速段
決定ルーチンを示すフローチャート
【図8】図3のフローチャートで用いる変速マップ
【図9】図3のフローチャートで用いる制御モード判定
マップ
【図10】本発明の第2実施例を示す低油温フラグ変更
ルーチンのフローチャート
【図11】本発明の第3実施例を示すスロットル変化繰
り返しフラグ変更ルーチンのフローチャート
【図12】本発明の第4実施例を示す低水温フラグ変更
ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
図中、1はエンジン、2は自動変速機、3はデファレン
シャルギヤ、4は駆動車輪、6はスロットルバルブ、8
はアクセルペダル、10はスロットル開度センサ、12
はクランク軸(エンジン出力軸)、13はエンジン回転
センサ、14は出力軸、15は変速機構出力回転セン
サ、16はトルクコンバータ、17は歯車変速機構、1
8はポンプ羽根車、19はタービン羽根車、21はター
ビン軸、23,25〜27はコントロールバルブ(油路
制御要素)、28は変速制御用コンピュータ(制御手
段)、34はタービン回転センサ、38は水温センサで
ある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力軸に連結されたトルクコ
    ンバータと、 このトルクコンバータの出力側に連結された歯車変速機
    構と、 この歯車変速機構の変速段を切り換えるための複数の摩
    擦係合要素と、 これら摩擦係合要素のアクチュエータへの作動油の供給
    を制御する油路制御要素と、 車両の運転状態を推測して変速段を決定し、前記歯車変
    速機構を前記決定した変速段に切り換えるべく前記油路
    制御要素を制御する制御手段とを具備し、 前記制御手段は、前記車両の運転状態が第1の運転状態
    となった時、所定の変速段への変速を禁止し、第2の運
    転状態になったとき、前記所定の変速段への変速の禁止
    を解除するように構成されていることを特徴とする自動
    変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記エンジンの出力回
    転数と、前記トルクコンバータの出力回転数と、車速と
    に基づいて車両の走行負荷を推定し、その推定した走行
    負荷が所定値以上のとき、前記第1の運転状態と判断す
    ることを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記エンジンの吸気量
    および出力回転数と、車速とに基づいて車両の走行負荷
    を推定し、その推定した走行負荷が所定値以上のとき、
    前記第1の運転状態と判断することを特徴とする請求項
    1記載の自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 スロットル開度と車速とから目標変速段
    を設定する変速マップを備え、前記スロットル開度と車
    速とから判断される前記車両の運転状態が、前記変速マ
    ップにおける前記所定の変速段へのシフトアップ線より
    も低変速段側にあるとき、制御手段は、前記第2の運転
    状態と判断し、前記所定の変速段への変速の禁止を解除
    するように構成されていることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 スロットル開度と車速とから目標変速段
    を設定する変速マップを備え、前記スロットル開度と車
    速とから判断される前記車両の運転状態が、前記変速マ
    ップにおける前記所定の変速段へのシフトアップ線より
    も高変速段側で且つスロットル開度が小さくなる方向に
    変化したとき、前記制御手段は、前記第2の運転状態と
    判断し、前記所定の変速段への変速の禁止を解除するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記スロットル開度の
    所定値以上の変化が所定の時間内に繰り返し行われたと
    き、前記制御手段は前記第1の運転状態であると判断す
    るように構成されていることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記歯車変速機構の油
    温が所定温度未満であるとき、前記第1の運転状態であ
    ると判断するように構成されていることを特徴とする請
    求項1ないし6のいずれかに記載の自動変速機の制御装
    置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記エンジンの冷却水
    の温度が所定温度未満であるとき、前記第1の運転状態
    であると判断するように構成されていることを特徴とす
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の自動変速機の制
    御装置。
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