JP3494832B2 - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents
内燃機関の燃焼制御装置Info
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- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Description
御装置に係り、詳しくは、筒内噴射式内燃機関の如く、
成層燃焼及び均質燃焼を行いうる内燃機関の燃焼制御装
置に関するものである。
は、燃料噴射弁から所定量の燃料が吸気ポートに噴射さ
れ、燃焼室には燃料と空気とからなる均質混合気が理論
空燃比となった状態で供給される。かかるエンジンで
は、アクセル操作に連動するスロットルバルブによって
吸気通路が開閉され、この開閉により、エンジンの燃焼
室に供給される吸入空気量(結果的には燃料と空気とが
均質に混合された気体の量)が調整され、もってエンジ
ン出力が制御される。
ンの燃費を向上させるために、燃焼室へ吸入される均質
混合気の空燃比を理論空燃比よりも大きい値にし、その
混合気に渦流を発生させることで「希薄燃焼(リーン燃
焼)」を行なう場合がある。「希薄燃焼」を行なうエン
ジンの燃焼制御装置としては、例えば特開平8−456
8号公報に記載されたものが知られている。
される基本燃料噴射量を補正により増減させて実燃料噴
射量とし、エンジンに供給される混合気の空燃比の値
を、同混合気が安定した燃焼を行ないうる限界(リーン
限界)に近づけるようにしている。「希薄燃焼」では空
燃比が大きいため、上記のように基本燃料噴射量を補正
により増減させて実燃料噴射量とすることにより、エン
ジンのトルク変動(出力変動)が大小する。そして、空
燃比がリーン限界に近づくように実燃料噴射量の値を設
定すると、エンジンのトルク変動が目標値に近づくよう
になっている。
ろうとリーン限界であろうと、上記のいわゆる均質燃焼
による技術では、スロットル弁の絞り動作に伴って大き
な吸気負圧が発生し、ポンピングロスが大きくなって効
率は低くなる。これに対し、スロットル弁の絞りを小と
し、燃焼室に直接燃料を供給することにより、点火プラ
グの近傍に可燃混合気を存在させ、当該部分の空燃比を
高めて、着火性を向上するようにしたいわゆる「成層燃
焼」という技術が知られている。
低負荷時に、燃料噴射弁から気筒内へ噴射される燃料を
点火プラグの周りに向けて偏在供給するとともにスロッ
トルバルブを開き、上記「成層燃焼」を実行する。これ
により、燃費の向上が図られるとともに、ポンピングロ
スの低減が図られるようになっている。また、同エンジ
ンにおいては、その負荷が大きくなると、燃料噴射弁か
ら噴射された燃料を気筒内で均一に拡散させ、「均質リ
ーン燃焼」実行するようになっている。
に燃焼方式を切り換えるエンジンでは、「成層燃焼」の
実行時においても「均質リーン燃焼」の実行時と同様
に、エンジンのトルク変動を目標値に近づけるように制
御することが望ましい。しかし、「成層燃焼」の実行時
には点火プラグの周りに燃料の濃い混合気が常に存在す
るため、「均質リーン燃焼」の実行時のように基本燃料
噴射量を増減させて実燃料噴射量とすることによっては
トルク変動を目標値に近づけにくい。
るための排気ガス再循環(EGR)機構をエンジン設
け、そのEGR機構によって「成層燃焼」実行時におけ
るトルク変動を目標値に近づけるようにしている。この
EGR機構は、エンジンの排気通路と吸気通路とを連通
するEGR通路及び同EGR通路を開閉するためのEG
Rバルブを備えている。そして、例えばエンジンが低負
荷域にあるとき、EGRバルブを開閉制御することによ
り、空気過剰率の低下を図り、もって触媒装置における
窒素酸化物の浄化性能の向上を図るようにしている。
ったときには、EGR量を減量することにより同トルク
変動を目標値以下に抑え、トルク変動が目標値よりも小
さくなったときには、EGR量を増量することにより同
トルク変動を目標値に近づける。こうしてEGR量を増
減させることにより、「成層燃焼」の実行時において
も、エンジンのトルク変動が目標値に近づけられること
となる。なお、「成層燃焼」の実行時には、基本燃料噴
射量に対する補正は行われず、アクセル開度に基づいて
求められた基本燃料噴射量がそのまま実燃料噴射量とな
る。
に示すように、エンジンの負荷(例えば基本燃料噴射量
Qf0により表される)が「成層燃焼」領域にある場合、
実際に噴射される実燃料噴射量Qf はアクセル開度に基
づいて求められる基本燃料噴射量Qf0と同じ値になり、
実線L1で示す態様でアクセル開度の変化に伴い推移す
る。また、エンジンの負荷が「均質リーン燃焼」領域に
ある場合、実燃料噴射量Qf は基本燃料噴射量Qf0を増
量補正又は減量補正した値となり、実線L1から変位し
た二点鎖線L2又はL3で示す態様でアクセル開度の変
化に伴い推移することとなる。従って、燃焼方式が切り
換えられるときには実燃料噴射量Qf の値が不連続とな
り、この不連続な実燃料噴射量Qf に起因してエンジン
にトルク段差が発生し、ドライバビリティが低下するこ
ととなる。
れたものであって、その目的は、燃焼方式の切換時に実
燃料噴射量が不連続になることに起因するトルク段差が
発生するのを防止し、ドライバビリティ低下を抑制する
ことのできる内燃機関の燃焼制御装置を提供することに
ある。
め、請求項1記載の発明では、図1に示しように、内燃
機関M1の気筒内に供給される燃料を噴射するための燃
料噴射手段M2と、前記内燃機関M1の運転状態を検出
する運転状態検出手段M3と、前記運転状態検出手段M
3の検出結果に基づき、前記内燃機関M1の燃焼状態を
成層燃焼とするか均質燃焼とするかを判別し、その判別
結果に応じて少なくとも前記燃料噴射手段M2を制御し
て成層燃焼或いは均質燃焼を実行する燃焼制御手段M4
と、前記燃焼制御手段M4にて判別された燃焼状態が均
質燃焼の場合には、前記内燃機関M1の出力変動が目標
値に近づくように均質燃焼時の燃料噴射量を設定し、当
該燃料噴射量に基づいて燃料噴射制御を実行する均質用
噴射制御手段M5と、前記燃焼制御手段M4にて判別さ
れた燃焼状態が成層燃焼の場合には、均質燃焼実行時に
前記均質用噴射制御手段M5によって設定された燃料噴
射量に基づいて成層燃焼実行時の燃料噴射量を設定し、
当該燃料噴射量に基づいて燃料噴射制御を実行する成層
用噴射制御手段M6とを備えた。
って、内燃機関M1の気筒内に供給される燃料が噴射さ
れ、気筒内の燃料が燃焼することにより、内燃機関M1
は駆動力を得る。さらに、運転状態検出手段M3によっ
て検出された内燃機関M1の運転状態に基づき、燃焼制
御手段M4は、内燃機関M1の燃焼状態が均質燃焼か或
いは成層燃焼となるように燃料噴射手段M2を制御す
る。均質燃焼時において均質用噴射制御手段M5は、内
燃機関M1の出力変動が目標値に近づくように燃料噴射
量を設定する。また、成層燃焼時において成層用噴射制
御手段M6は、均質燃焼実行時に均質用噴射制御手段M
5によって設定された燃料噴射量に基づいて成層燃焼実
行時の燃料噴射量を設定する。そのため、同構成によれ
ば、均質燃焼時の燃料噴射量と成層燃焼時の燃料噴射量
とが燃焼方式の切換時に連続的になるように、成層燃焼
時の燃料噴射量を設定することにより、燃焼方式の切換
時に燃料噴射量が不連続になることに起因するトルク段
差等が発生するのを防止することができるようになる。
め定められた基本燃料噴射量を増量補正又は減量補正し
て実燃料噴射量を設定し、当該実燃料噴射量に基づいて
燃料噴射制御を実行するものであり、前記成層用噴射制
御手段M6は、前記均質燃焼時の実燃料噴射量が前記基
本噴射量を増量補正して設定された場合には、予め定め
られた基本燃料噴射量を同じく増量補正して成層燃焼時
の実燃料噴射量を設定し、当該実燃料噴射量に基づいて
燃料噴射制御を実行するとともに、前記均質燃焼時の実
燃料噴射量が前記基本噴射量を減量補正して設定された
場合には、予め定められた基本燃料噴射量を同じく増量
補正して成層燃焼時の実燃料噴射量を設定し、当該実燃
料噴射量に基づいて燃料噴射制御を実行するものとし
た。
量が増量補正により設定された場合には成層燃焼時の実
燃料噴射量も増量補正により設定され、成層燃焼時の実
燃料噴射量が減量補正により設定された場合には成層燃
焼時の実燃料噴射量も減量補正により設定される。その
ため、燃焼方式の切換時において、均質燃焼時の実燃料
噴射量と成層燃焼時の実燃料噴射量とが同一の傾向をも
って補正されることとなり、トルク段差の発生も好適に
抑制されるようになる。
制御手段M6は、前記均質用噴射制御手段M5が均質燃
焼時の実燃料噴射量を設定するのに用いた補正係数に基
づいて、予め定められた基本燃料噴射量を増量又は減量
補正することにより成層燃焼時の実燃料噴射量を設定す
るものとした。
成層燃焼時の実燃料噴射量を設定することにより、燃焼
方式の切換時における均質燃焼時の燃料噴射量と成層燃
焼時の燃料噴射量との上記同一傾向での補正を容易且つ
的確なものとすることができるようになる。
燃焼制御装置を、車載用エンジンに適用した一実施形態
を図面に基づいて詳細に説明する。
された筒内噴射式エンジンの燃焼制御装置を示す概略構
成図である。内燃機関としてのエンジン1は、例えば4
つの気筒#1〜#4を具備し、これら各気筒#1〜#4
の燃焼室構造が図3に示されている。これらの図に示す
ように、エンジン1はシリンダブロック2内にピストン
を備えており、当該ピストンはシリンダブロック2内で
往復運動する。シリンダブロック2の上部にはシリンダ
ヘッド4が設けられ、前記ピストンとシリンダヘッド4
間には燃焼室5が形成されている。また、本実施の形態
では気筒#1〜#4の一つ一つに、4つの弁がそれぞれ
配置されており、図中において、符号6aとして第1吸
気弁、6bとして第2吸気弁、7aとして第1吸気ポー
ト、7bとして第2吸気ポート、8として一対の排気
弁、9として一対の排気ポートがそれぞれ示されてい
る。
はヘリカル型吸気ポートからなり、第2の吸気ポート7
bはほぼ真っ直ぐに延びるストレートポートからなる。
また、シリンダヘッド4の内壁面の中央部には、点火プ
ラグ10が配設されている。この点火プラグ10には、
図示しないディストリビュータを介してイグナイタ12
からの高電圧が印加されるようになっている。そして、
この点火プラグ10の点火タイミングは、イグナイタ1
2からの高電圧の出力タイミングにより決定される。さ
らに、第1吸気弁6a及び第2吸気弁6b近傍のシリン
ダヘッド4内壁面周辺部には燃料噴射弁11が配置され
ている。すなわち、本実施の形態においては、燃料噴射
弁11からの燃料は、直接的に気筒#1〜#4内に噴射
されるようになっている。
1吸気ポート7a及び第2吸気ポート7bは、それぞれ
各吸気マニホルド15内に形成された第1吸気路15a
及び第2吸気路15bを介してサージタンク16内に連
結されている。各第2吸気通路15b内にはそれぞれス
ワールコントロールバルブ17が配置されている。これ
らのスワールコントロールバルブ17は共通のシャフト
18を介して例えばステップモータ19に連結されてい
る。このステップモータ19は、後述する電子制御装置
(以下単に「ECU」という)30からの出力信号に基
づいて制御される。なお、当該ステップモータ19の代
わりに、エンジン1の吸気ポート7a,7bの負圧に応
じて制御されるものを用いてもよい。
を介してエアクリーナ21に連結され、吸気ダクト20
内には、ステップモータ22によって開閉されるスロッ
トルバルブ23が配設されている。つまり、本実施の形
態のスロットルバルブ23は、いわゆる電子制御式のも
のであり、基本的には、ステップモータ22が前記EC
U30からの出力信号に基づいて駆動されることによ
り、スロットルバルブ23が開閉制御される。そして、
このスロットルバルブ23の開閉により、吸気ダクト2
0を通過して燃焼室5内に導入される吸入空気量が調節
されるようになっている。
その開度(スロットル開度)を検出するためのスロット
ルセンサ25が設けられている。なお、前記各気筒#1
〜#4の排気ポート9には排気マニホルド14が接続さ
れている。そして、燃焼後の排気ガスは当該排気マニホ
ルド14を介して排気ダクト14aへ排出されるように
なっている。
ス再循環(EGR)機構51が設けられている。このE
GR機構51は、排気ガス再循環通路としてのEGR通
路52と、同通路52の途中に設けられたEGRバルブ
53とを含んでいる。EGR通路52は、スロットルバ
ルブ23の下流側の吸気ダクト20と、排気ダクト14
aとの間を連通するよう設けられている。また、EGR
バルブ53は、弁座、弁体及びステップモータ(いずれ
も図示せず)を内蔵している。EGRバルブ53の開度
は、ステップモータが弁体を弁座に対して断続的に変位
させることにより調節される。そして、EGRバルブ5
3が開くことにより、排気ダクト14aへ排出された排
気ガスの一部がEGR通路52へと流れる。その排気ガ
スは、EGRバルブ53を介して吸気ダクト20へ流れ
る。すなわち、排気ガスの一部がEGR機構51によっ
て吸入混合気中に再循環する。このとき、EGRバルブ
53の開度が調節されることにより、排気ガスの再循環
量(EGR量)が調整されるようになっている。
ンピュータからなっており、バス31を介して相互に接
続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)32、RO
M(リードオンリメモリ)33、マイクロプロセッサか
らなるCPU(中央処理装置)34、入力ポート35及
び出力ポート36を具備している。
クセルペダル24には、当該アクセルペダル24の踏込
み量に比例した出力電圧を発生するアクセルセンサ26
Aが接続され、該アクセルセンサ26Aによりアクセル
開度ACCPが検出される。当該アクセルセンサ26A
の出力電圧は、AD変換器37を介して入力ポート35
に入力される。また、同じくアクセルペダル24には、
アクセルペダル24の踏込み量が「0」であることを検
出するための全閉スイッチ26Bが設けられている。す
なわち、この全閉スイッチ26Bは、アクセルペダル2
4の踏込み量が「0」である場合に全閉信号として
「1」の信号を、そうでない場合には「0」の信号を発
生する。そして、該全閉スイッチ26Bの出力電圧も入
力ポート35に入力されるようになっている。
#1が吸気上死点に達したときに出力パルスを発生し、
この出力パルスが入力ポート35に入力される。クラン
ク角センサ28は例えばクランクシャフトが30°CA
回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入
力ポートに入力される。CPU34では上死点センサ2
7の出力パルスとクランク角センサ28の出力パルスか
らエンジン回転数NEが算出される(読み込まれる)。
ワールコントロールバルブセンサ29により検出され、
これによりスワールコントロールバルブ17の開度が測
定される。そして、スワールコントロールバルブセンサ
29の出力はA/D変換器37を介して入力ポート35
に入力される。
り、スロットル開度が検出される。このスロットルセン
サ25の出力はA/D変換器37を介して入力ポート3
5に入力される。
16内の圧力(吸気圧PM)を検出する吸気圧センサ6
1が設けられている。さらに、エンジン1の冷却水の温
度(冷却水温)を検出する水温センサ62が設けられて
いる。そして、これら両センサ61,62の出力もA/
D変換器37を介して入力ポート35に入力されるよう
になっている。
路38を介して各燃料噴射弁11、各ステップモータ1
9,22、イグナイタ12及びEGRバルブ53(ステ
ップモータ)に接続されている。そして、ECU30は
各センサ等25〜29,61,62からの信号に基づ
き、ROM33内に格納された制御プログラムに従い、
燃料噴射弁11、ステップモータ19,22、イグナイ
タ12(点火プラグ10)及びEGRバルブ53等の動
作を制御する。
御態様を、図4〜図6のフローチャートを参照して説明
する。図4は燃焼方式を決定するための処理ルーチンを
示したものであって、ECU30を通じて所定クランク
角毎の角度割り込みにて実行される。この処理ルーチン
においてECU30は、ステップS101の処理とし
て、各種センサ等25〜29,61,62よりアクセル
開度ACCP、エンジン回転数NE等の各種信号を読み
込む。その後、ステップ102へ進み、ECU30は、
今回読み込んだアクセル開度ACCP及びエンジン回転
数NEから、エンジン1の負荷を求める。さらに、求め
られたエンジン1の負荷に基づき、現時点において「成
層燃焼」、「均質リーン燃焼」及び「均質ストイキ燃
焼」の内の何れの燃焼方式を実行すべきか判定し、その
判定結果に基づいて燃焼モードFMODEを決定する。
「均質ストイキ燃焼」を行なうべきと判定され、燃焼モ
ードFMODEは「0」に設定される。また、エンジン
1が低負荷状態のときには「成層燃焼」を行なうべきと
判定され、燃焼モードFMODEは「1」に設定され
る。さらに、エンジン1の負荷状態が高負荷と低負荷と
の中間にある場合には「均質リーン燃焼」を行なうべき
と判定され、燃焼モードFMODEは「2」に設定され
る。ECU30は、行なうべきと判定した燃焼方式を実
行すべく、燃料噴射弁11やスワールコントロールバル
ブ17等を制御する。
ル開度ACCP及びエンジン回転数NEから求められる
基本燃料噴射量Qf0によって表される。そして、燃焼方
式が「成層燃焼」から「均質リーン燃焼」へ、或いは
「均質リーン燃焼」から「成層燃焼」へ切り換えられる
際の基本燃料噴射量Qf0は、図10に示すように基本燃
料噴射量Q0 とされる。燃料噴射弁11から実際に噴射
される燃料量である実燃料噴射量Qf は通常、基本燃料
噴射量Qf0であるため、上記のように燃焼方式が切り換
えられる際の実燃料噴射量Q0cは基本燃料噴射量Q0 と
なる。
射量算出ルーチンについて、図5及び図6に示すフロー
チャートを参照して説明する。この燃料噴射量算出ルー
チンも、ECU30を通じて所定クランク角毎の角度割
り込みにて実行される。
U30は、ステップS201の処理として、図示しない
基本燃料噴射量マップを参照することにより、回転数N
Eとアクセル開度ACCPとから基本燃料噴射量Qf0を
求める。
30は燃焼モードFMODEが「0」に設定されている
か否かを判断する。そして、「FMODE≠0」でない
場合、即ち「均質ストイキ燃焼」が実行されている場合
にはステップS203へ進む。ステップS203におい
てECU30は、図示しない均質ストイキ燃焼用マップ
を参照することにより、回転数NEと吸気圧PMとから
実燃料噴射量Qf を求める。
ODE≠0」であると判断した場合には、ステップS2
04へ進み、さらに燃焼モードFMODEが「1」に設
定されているか否かの判断を行なう。そして、「FMO
DE=1」でない場合、即ち「均質リーン燃焼」が実行
されている場合にはステップS205(図6)進み、
「FMODE=1」である場合、即ち「成層燃焼」が実
行されている場合にはステップS211へ進む。なお、
ステップS205以降は「均質リーン燃焼」時の燃料噴
射量を算出するための処理ルーチンであり、ステップS
211以降は「成層燃焼」時の燃料噴射量を算出するた
めの処理ルーチンである。
して、上死点センサ27及びクランク角センサ28から
の出力パルスに基づいて、エンジン1全体におけるトル
ク変動dlnを計算する。このトルク変動dlnは、各
気筒#1〜#4にて発生するそれぞれのトルク変動dl
n1〜dln4の平均値であり、下記に示す式(1)に
よって算出される。
毎にそれぞれ発生するトルクTは、下記の式(2)に示
す関係がある。
ンクシャフトが上死点を含む所定のクランク角度分θ1
(図7参照)を通過するのに要した時間である。また、
tbは、クランクシャフトが上死点から90°進角して
位置する所定のクランク角度分θ2を通過するのに要し
た時間である。なお、クランク角度分θ1とクランク角
度分θ2とは同じ値となっており、例えばそれぞれ30
°とされる。
ln1は、下記の式(3)に示すように、気筒#1にお
いて燃焼毎に発生するトルクTの差によって算出され
る。
ク変動dln2〜dln4も、上記気筒#1におけるト
ルク変動dln1と同様にして算出される。こうして算
出された各気筒#1〜#4のトルク変動dln1〜dl
n4に基づき、エンジン1全体のトルク変動dlnが上
記式(1)によって算出される。
30は、算出したトルク変動dlnが、目標値dlnl
vlに所定値Clを加算したもの(「dlnlvl+C
l」)より大きいか否かを判断する。そして、「dln
>dlnlvl+Cl」である場合、即ちトルク変動d
lnが図8に示す領域A内にある場合にはステップS2
07へ進む。ECU30は、ステップS207の処理と
して、前回の燃料噴射量補正時における均質リーン用燃
料量補正係数FLMTに所定値Cfを加算したもの
(「FLMT+Cf」)を、新たな均質リーン用燃料量
補正係数FLMTとして設定する。そして、新たな均質
リーン用燃料量補正係数FLMTを設定した後、ステッ
プS210へ進む。
>dlnlvl+Cl」でないと判断した場合には、ス
テップS208へ進む。このステップS208の処理と
して、ECU30は、トルク変動dlnが目標値dln
lvlから所定値Clを減算したもの(「dlnlvl
−Cl」)より小さいか否かを判断する。そして、「d
ln<dlnlvl−Cl」である場合、即ちトルク変
動dlnが図8に示す領域C内にある場合には、ステッ
プS209へ進む。ステップS209において、ECU
30は、前回の燃料噴射量補正時における均質リーン用
燃料量補正係数KLMTから所定値Cfを減算したもの
(「KLMT−Cf」)を新たな均質リーン用燃料量補
正係数KLMTとして設定する。そして、新たな均質リ
ーン用燃料量補正係数KLMTを設定した後、ステップ
S210へ進む。
ln<dlnlvl−Cl」でないと判断した場合、即
ちトルク変動dlnが図8に示す領域B内にある場合、
ECU30は均質リーン用燃料量補正係数を新たに設定
することなく直接ステップS210へ進む。
の処理として、成層用燃料量補正係数KQfを「1」に
設定する。その後、ステップS212に進み、ECU3
0は、実際に燃料噴射弁11から噴射される燃料噴射量
である実燃料噴射量Qf を下記の式(4)により計算す
る。
図8に示す領域A内にある場合、ステップS207の処
理により均質リーン用燃料量補正係数KLMTが増加さ
れ、「KIMT>0」とされるために実燃料噴射量Qf
は基本燃料噴射量Qf0よりも大きい値となる。その結
果、実燃料噴射量Qf は、図10の実線L1で示す状態
から二点鎖線L2で示す状態へと移行し、基本燃料噴射
量Qf0の変化に対して同二点鎖線L2に示す態様で推移
することとなる。「均質リーン燃焼」時には混合気の空
燃比が理論空燃比よりも大きいため、こうして実燃料噴
射量Qf が基本燃料噴射量Qf0よりも大きくされること
により、トルク変動dlnが小さくなって目標値dln
lvlに近づけられる。
8に示す領域C内にある場合、ステップS209の処理
により均質リーン用燃料量補正係数KLMTが減少さ
れ、「KIMT<0」とされるために実燃料噴射量Qf
は基本燃料噴射量Qf0よりも小さい値となる。その結
果、実燃料噴射量Qf は、図10の実線L1で示す状態
から二点鎖線L3で示す状態へと移行し、基本燃料噴射
量Qf0の変化に対して同二点鎖線L3に示す態様で推移
することとなる。「均質リーン燃焼」時には混合気の空
燃比が理論空燃比よりも大きいため、こうして実燃料噴
射量Qf が基本燃料噴射量Qf0よりも小さくされること
により、トルク変動dlnが大きくなって目標値dln
lvlに近づけられる。
ODE=1」である場合、即ち「成層燃焼」が実行され
ている場合にはステップS211へ進む。このステップ
S211以降は、「成層燃焼」時の燃料噴射量を算出す
るための処理ルーチンである。ECU30は、ステップ
S211の処理として、図9に示す成層用燃料量補正係
数マップを参照することにより、基本燃料噴射量Qf0か
ら成層用燃料量補正係数KQf を求める。
30は、実際に燃料噴射弁11から噴射される燃料噴射
量である実燃料噴射量Qf を上記の式(4)により計算
する。ここで、均質リーン用燃料量補正係数KLMT
は、「均質リーン燃焼」から「成層燃焼」へ移行したと
きの値となっているため、「KLMT>0」または「K
LMT<0」となっている場合がある。
合、実燃料噴射量Qf において「成層燃焼」から「均質
リーン燃料」へと切り換わる付近の値が、基本燃料噴射
量Qf0よりも大きい値となる。その結果、実燃料噴射量
Qf において「成層燃焼」から「均質リーン燃料」へと
切り換わる付近の値は、図10の実線L1で示す状態か
ら二点鎖線L4で示す状態へと移行し、基本燃料噴射量
Qf0の変化に対して同二点鎖線L4に示す態様で推移す
ることとなる。こうして実燃料噴射量Qf が二点鎖線L
4で示す状態へと移行すると、二点鎖線L4,L2が連
続的になる。そのため、燃焼方式が「成層燃焼」と「均
質リーン燃焼」とで切り換えられるとき、エンジン1の
出力トルクに段差が発生するのを防止することができる
ようになる。
Qf0の変化に対して二点鎖線L4,L2で示す態様で推
移するようになった場合、燃焼方式の切り換えが行われ
る基本燃料噴射量Qf0は、基本燃料噴射量Q0 よりも若
干小さい値である基本燃料噴射量Q01とされる。これは
燃焼方式の切り換えが行われる実燃料噴射量Qf を実燃
料噴射量Q0cに保持し、実燃料噴射量Qf にみあった適
正な燃焼方式を確実に実行するためである。
合、実燃料噴射量Qf において「成層燃焼」から「均質
リーン燃料」へと切り換わる付近の値が、基本燃料噴射
量Qf0よりも小さい値となる。その結果、実燃料噴射量
Qf において「成層燃焼」から「均質リーン燃料」へと
切り換わる付近の値は、図10の実線L1で示す状態か
ら二点鎖線L5で示す状態へと移行し、基本燃料噴射量
Qf0の変化に対して同二点鎖線L5に示す態様で推移す
ることとなる。こうして実燃料噴射量Qf が二点鎖線L
5で示す状態へと移行すると、二点鎖線L5,L3が連
続的になる。そのため、この場合においても、燃焼方式
が「成層燃焼」と「均質リーン燃焼」とで切り換えられ
るとき、エンジン1の出力トルクに段差が発生するのを
防止できるようになる。
Qf0の変化に対して二点鎖線L5,L3で示す態様で推
移するようになった場合、燃焼方式の切り換えが行われ
る基本燃料噴射量Qf0は、基本燃料噴射量Q0 よりも若
干大きい値である基本燃料噴射量Q02とされる。これも
燃焼方式の切り換えが行われる実燃料噴射量Qf を実燃
料噴射量Q0cに保持し、実燃料噴射量Qf にみあった適
正な燃焼方式を確実に実行するためである。
ば、下記(a)及び(b)に示す効果が得られるように
なる。 (a)「均質リーン燃焼」時に基本燃料噴射量Qfoを増
量補正することにより実燃料噴射量Qf が図10の二点
鎖線L2で示す状態へ移行すると、「成層燃焼」時の実
燃料噴射量Qf は基本燃料噴射量Qfoを増量補正するこ
とにより二点鎖線L4 で示す状態へと移行する。また、
「均質リーン燃焼」時に基本燃料噴射量Qfoを減量補正
することにより実燃料噴射量Qf が図10の二点鎖線L
3で示す状態へ移行すると、「成層燃焼」時の実燃料噴
射量Qf は基本燃料噴射量Qfoを減量補正することによ
り二点鎖線L5で示す状態へと移行する。即ち、燃焼方
式の切換時において、「均質リーン燃焼」時の燃料噴射
量と「成層燃焼」時の燃料噴射量とが同一の傾向をもっ
て補正されることとなる。そのため、「均質リーン燃
焼」と「成層燃焼」との切換時において、実燃料噴射量
Qf を容易に連続的にすることができる。そして、上記
燃焼方式の切換時に、実燃料噴射量Qf が不連続になる
ことに起因してエンジン1 の出力トルクに段差が発生す
るのを防止し、ドライバビリティの低下を抑制すること
ができる。
射量Qfoを補正して実燃料噴射量Qf を設定するのに用
いた均質リーン用燃料量補正係数KLMTに基づいて、
「成層燃焼」時に基本燃料噴射量Qfoを補正して実燃料
噴射量Qf を設定した。そのため、上述した燃焼方式の
切換時における「均質リーン燃焼」時の燃料噴射量と
「成層燃焼」時の燃料噴射量との同一傾向での補正を容
易且つ確実なものとし、実燃料噴射量Qf を確実に連続
的にすることができる。
更することもできる。 (1)上記各実施形態では、エンジン1の出力変動とし
てトルク変動dlnを検出したが、例えばエンジン1の
出力変動に対応した値となる空燃比を上記トルク変動d
lnの代わりに検出してもよい。
筒内圧センサを設け、トルク変動dlnを検出する代わ
りに、エンジン1の出力変動に対応して変化する筒内圧
力最大時期を筒内圧センサによって検出してもよい。
力変動に対応して変化する燃焼圧を、トルク変動dln
の代わりとして検出してもよい。 (4)トルク変動dlnを検出する代わりに、エンジン
1の出力変動に対応して変化するクランクシャフトの回
転速度を検出してもよい。
時の燃料噴射量と成層燃焼時の燃料噴射量とが燃焼方式
の切換時に連続的になるように、均質燃焼時の燃料噴射
量に基づいて成層燃焼時の燃料噴射量が設定される。こ
のため、燃焼方式の切換時に燃料噴射量が不連続になる
ことに起因するトルク段差等が発生するのを防止するこ
とができ、ドライバビリティ低下を抑制することができ
る。
正又は減量補正により設定されると、それに合わせて成
層燃焼時の実燃料噴射量も増量補正又は減量補正により
設定される。そのため、燃焼方式の切換時において、均
質燃焼時の実燃料噴射量と成層燃焼時の実燃料噴射量と
が同一の傾向を持って補正されることとなり、トルク段
差の発生も好適に抑制されるようになる。
の実燃料噴射量を設定するために用いられた補正係数に
基づいて、成層燃焼時の実燃料噴射量を設定するように
したため、燃焼方式の切換時における均質燃焼時の燃料
噴射量と成層燃焼時の燃料噴射量との上記同一傾向での
補正を容易且つ的確になものとすることができる。
示す概略ブロック図。
フローチャート。
ローチャート。
ローチャート。
図。
を示すグラフ。
すグラフ。
と実燃料噴射量との関係を示すグラフ。
ンサ、26A…アクセルセンサ、26B…全閉スイッ
チ、27…上死点センサ、28…クランク角センサ、2
9…スワールコントロールバルブセンサ、30…電子制
御装置(ECU)、61…吸気圧センサ、62…水温セ
ンサ、#1〜#4…気筒。
Claims (2)
- 【請求項1】内燃機関の気筒内に供給される燃料を噴射
するための燃料噴射手段と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記内燃機
関の燃焼状態を成層燃焼とするか均質燃焼とするかを判
別し、その判別結果に応じて少なくとも前記燃料噴射手
段を制御して成層燃焼或いは均質燃焼を実行する燃焼制
御手段と、 前記燃焼制御手段にて判別された燃焼状態が均質燃焼の
場合には、前記内燃機関の出力変動を検出し、検出され
る出力変動が目標値に近づくように、予め定められた基
本燃料噴射量を増量補正又は減量補正して均質燃焼時の
実燃料噴射量を設定し、当該燃料噴射量に基づいて燃料
噴射制御を実行する均質用噴射制御手段と、 前記燃焼制御手段にて判別された燃焼状態が成層燃焼の
場合には、前記均質燃焼時の実燃料噴射量が前記基本噴
射量を増量補正して設定された場合、予め定められた基
本燃料噴射量を同じく増量補正して成層燃焼時の実燃料
噴射量を設定し、当該燃料噴射量に基づいて燃料噴射制
御を実行するとともに、前記均質燃焼時の実燃料噴射量
が前記基本噴射量を減量補正して設定された場合、予め
定められた基本燃料噴射量を同じく減量補正して成層燃
焼時の実燃料噴射量を設定し、当該燃料噴射量に基づい
て燃料噴射制御を実行する成層用噴射制御手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。 - 【請求項2】前記成層用噴射制御手段は、前記均質用噴
射制御装置が均質燃焼時の実燃料噴射量を設定するのに
用いた補正係数に基づいて、予め定められた基本燃料噴
射量を増量又は減量補正することにより成層燃焼時の実
燃料噴射量を設定するものである請求項1記載の内燃機
関の燃焼制御装置。
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