JP3494093B2 - 非可逆回路素子及び該非可逆回路素子を備えたミリ波用ハイブリッド集積回路基板 - Google Patents

非可逆回路素子及び該非可逆回路素子を備えたミリ波用ハイブリッド集積回路基板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素子
等の能動素子を搭載したミリ波用ハイブリッド集積回路
基板用の非可逆回路素子及びこの非可逆回路素子を備え
たミリ波用ハイブリッド集積回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】ミリ波回路のように波長が非常に短い電
波を伝送する回路に搭載される能動素子は、一般に、
(1)線路長が波長に比べて無視できない長さとなるた
め、この能動素子から発生する反射により線路内に定在
波が発生し、負荷インピーダンスの周波数変動が助長さ
れ易い、(2)能動素子の素子内容量によって逆方向伝
達係数を小さくすることができなため、無視できなくな
るほど信号の逆流が生じて回路が発振及び暴走したり周
波数特性が大きく変動する等の不安定現象が発生し易
い、という問題点を有している。
【0003】このような問題点を回避するには、アイソ
レータのような非可逆回路素子を能動素子間に挿入する
ことにより、回路間干渉を除去することが非常に効果的
である。
【0004】一方、ミリ波における半導体集積回路の将
来像として、一体型ミリ波集積回路(Monolith
ic Millimeter Integrated
Circuit)が求められている。しかしながら、現
状の半導体素子は製造歩留りが小さく、一体型ミリ波集
積回路として量産することがかなり困難である。従っ
て、歩留り問題を解決するには、誘電体基板によるハイ
ブリッド集積回路を構成するのが最も効果的な解決法で
ある。このようなハイブリッド集積回路の安定動作のた
めに、ミリ波アイソレータが非常に重要な回路素子とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ミリ波
アイソレータを動作させるためには、大きな磁界が必要
となる。即ち、マイクロ波帯以上で使用される一般的な
サーキュレータは分布定数型と呼ばれ、磁化されたフェ
ライト磁性体によるTM110共振器で構成されている
が、フェライト磁性体に印加される磁界は周波数と共に
増加して、ミリ波帯では5000Oe以上の大きな磁界
が必要となる。これまでのミリ波アイソレータは、この
大きな磁界を外部磁気回路で得ていたので磁気回路が非
常に大型となり、これをミリ波用ハイブリッド集積回路
へ搭載することはほとんど不可能であった。
【0006】従って本発明の目的は、ミリ波用ハイブリ
ッド集積回路基板に搭載できると共にその搭載処理が非
常に容易行える非可逆回路素子、及びこの非可逆回路素
子を備えたミリ波用ハイブリッド集積回路基板を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)ミリ波
ハイブリッド集積回路基板上にアイソレータ等の非可逆
回路素子を搭載し、その基板内に発生する反射波を除去
して、回路動作の安定化を図る、(2)ミリ波ハイブリ
ッド集積回路基板上に自発磁化したフェライト磁性体を
載置することのみによって非可逆回路素子が構成できる
ようなパターンを形成しておき、通常部品と同様にフェ
ライト磁性体を搭載するのみの工程によって非可逆回路
素子を組み込みできるようにすることを意図している。
【0008】このため、本発明では、裏面に接地導体が
設けられた非磁性誘電体基板上に金属円板及び3回対称
の分岐を設けることで形成されたマイクロストリップ形
TM n10共振器(n:正の整数)上に、自発磁化され
たフェライト磁性体を同軸に載置し、かつそのフェライ
ト磁性体は、電界節の位置が上述した分岐の1つと一致
するように構成されている。
【0009】換言すれば、本発明では、ミリ波ハイブリ
ッド集積回路基板(非磁性誘電体で構成されており、裏
面に接地導体が設けられている)上における集積回路間
をつなぐ線路内に3回対称な分岐を設けてTMn10
振器(n:正の整数)を構成し、その上に磁性体を置い
てサーキュレータを構成している。しかも、この磁性体
として、自発磁化しているフェライト磁性体を使用して
外部磁気回路を除去している。そのフェライト磁性体
は、電界節の位置が分岐の1つ(集積回路に接続されて
いない3番目の端子)と一致するように磁化及び寸法が
調整されている。なお、この3番目の端子を整合抵抗で
終端すれば、アイソレータが形成される。
【0010】以上のような方法により構成されたアイソ
レータにより集積回路間の反射波を吸収すれば、信号送
出側の負荷インピーダンスは信号受け入れ側の入力イン
ピーダンスと無関係に一定となり、回路内の反射波によ
って引き起こされる発振、電力増幅器の暴走等のトラブ
ルを防止できる。特にミリ波帯の増幅器においては、素
子内容量によるトランジスタの逆方向伝達係数増加が無
視できないので、信号に方向性を与えることは回路を安
定に動作させる上で非常に重要である。
【0011】フェライト磁性体が、円板又は円柱形状で
あることが好ましい。
【0012】TMn10共振器がTMm10共振器(m
は2以上の正の整数)であることが好ましい。この場
合、中心軸周辺の金属円板が、又は中心軸周辺の金属円
板及びフェライト磁性体が部分的に除去されていること
が好ましい。これにより、TM 010共振器の共振周波
数であるTM010モードがTMm10共振器の共振周
波数帯域内に現れる量が減少する。
【0013】この場合の変更態様として、中心軸周辺が
部分的に除去されて形成されたフェライト磁性体の空孔
内壁がメタライズされていることが好ましい。これによ
り、TM010モードの抑制が一層効果的になる。
【0014】フェライト磁性体の少なくとも上面及び下
面がメタライズされていることも好ましい。これによ
り、フェライト磁性体内部に発生する磁束が増加する。
【0015】TMn10共振器がTM110共振器であ
り、フェライト磁性体として、空間に接する側の端面が
メタライズされかつ伝播長が1波長であるフェライト円
柱によるファラデー回転子を用いたことも好ましい。
【0016】この場合の変更態様として、フェライト円
柱に非磁性誘電体が接合されていることも好ましい。
【0017】非磁性誘電体の特性インピーダンスとフェ
ライト円柱の特性インピーダンスとが一致するように、
この非磁性誘電体の誘電率が選択されていることが好ま
しい。これにより、フェライト円柱と非磁性誘電体との
接合面における反射が抑制される。
【0018】各分岐に1/4波長インピーダンス整合素
子が接続されていることも好ましい。これにより、動作
周波数帯域の広域化を図ることができる。
【0019】1つの端子が整合抵抗に接続されており、
他の2つの端子が入出力端子として構成されていること
も好ましい。
【0020】誘電体基板が、ミリ波用ハイブリッド集積
回路基板であることが好ましい。
【0021】本発明によれば、上述の非可逆回路素子を
少なくとも1つ備えたミリ波用ハイブリッド集積回路基
板が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】分布定数型サーキュレータは、磁
化されたフェライト上の電波伝播速度が高周波磁界の回
転方向に依存することを利用した素子であり、図1は従
来の一般的な構成の分布定数型サーキュレータの一部破
断斜視図である。
【0023】同図において、10は誘電体基板、11は
誘電体基板の裏面に形成された接地導体、12は誘電体
基板10の一部をくり貫いて挿設されたフェライト円
板、13は誘電体基板10の表面側でフェライト円板1
2上に設けられた金属円板、14a、14b及び14c
は金属円板13から3回対称構造で放射方向に延伸する
端子、15は金属円板13上に設けられた励磁用永久磁
石をそれぞれ示している。
【0024】このように、従来の一般的な分布定数型サ
ーキュレータでは、フェライト円板12を接地電極11
及び金属円板13間に設け、この金属円板13に3回対
称形の端子14a、14b及び14cを設けてTM
110共振器を構成している。
【0025】これに対して、本発明では、誘電体TM
n10モード共振器を用いている。以下、本発明の実施
形態を説明する。
【0026】図2は本発明の一実施形態における誘電体
TM110モード共振器の電界分布を示す図、図3はジ
ャイロ透磁率の磁界−周波数特性図、図4は本発明の一
実施形態として誘電体TM110モード共振器を用いた
サーキュレータの構成を概略的に示す斜視図及び電界分
布図である。
【0027】これらの図において、20はミリ波用ハイ
ブリッド集積回路基板からなる誘電体基板、21は誘電
体基板の裏面に形成された接地導体、23は誘電体基板
20の表面上に設けられた金属円板、24a、24b及
び24cは誘電体基板20の表面上に設けられており金
属円板23から3回対称構造で放射方向に延伸する端
子、25は金属円板23上に設けられたフェライト円板
をそれぞれ示している。
【0028】図2に示す誘電体TM110モード共振器
の金属円板23の半径は次式(1)で与えられる。
【0029】 J(ka)−(J(ka)/ka)=0 k=2πF√ε/c (1) ただし、J:n次のベッセル関数、k:波数、ε:基
板の誘電率、F:周波数(Hz)、c:光速(mm/s
ec)、a:TMn10モード共振器の半径(mm)で
ある。
【0030】誘電率がε=2の基板を使用するとして、
その上にF=60GHzで動作する誘電体TM110
ード共振器における金属円板の半径は、a=1.20m
mと計算できる。
【0031】この共振器の端子24aに上記の条件を満
足する周波数の信号を与えると、金属円板23上を伝播
する信号の速度は左回り右回りとも等しいので、金属円
板23上の電界26及び磁界27は図2に示すように分
布する。共振器上にある電界の節28は、端子24aに
直交しているので、残りの端子24b及び24cからは
等しい振幅の信号が出力される。このように等方的な出
力特性は金属円板23上を左回りに伝播した信号と右回
りに伝播した信号の実効伝送路長が半波長の整数倍に等
しくなっているため得られる。端子24b又は24cか
ら信号を与えた場合でも他の2端子24a及び24c又
は2端子24a及び24bから等方的な出力が得られる
ことは自明である。
【0032】次いで、図3に示したように、この共振器
の金属円板23上にその金属円板23の中心軸と一致す
る方向に磁化されたフェライト円板25を設けてサーキ
ュレータを構成する。金属円板23上の高周波磁界は、
図2から分かるように、フェライト円板22の磁化と直
交している。このように、高周波磁界と直流磁界が直交
しているときには、磁性体は図3のようなジャイロ透磁
率を示し、左回りの信号と右回りの信号では高周波磁界
の回転方向に依存する透磁率(μ及びμ)の差によ
って実効伝送線路長に差が現れる。いま、端子24aか
ら右回りにたどった端子24bまでの線路長と、左回り
にたどった線路長の差が半波長となるように調整できた
とする。このときの電磁界分布は図4(A)に示したよ
うになって電界節28が端子24bに一致するので、こ
の端子24bからは出力が得られず、全ての信号は端子
24cに現れる。このような3端子サーキュレータにお
いて、端子24aが入力端子、端子24cが出力端子、
端子24bがアイソレーション端子と呼ばれている。
【0033】端子24bに信号を与えると伝送線路差の
関係は左に120度回転するので、端子24bが入力端
子、端子24cが出力端子、端子24aがアイソレーシ
ョン端子となる。このように入力端子を変更したとき出
力端子との関係が循環的に変わるので、この素子はサー
キュレータと呼ばれ、このような伝送路差を与える条件
がサーキュレータ条件と呼ばれる。
【0034】以上の説明から明らかなように、このよう
にTM110モード共振器を用いて構成したサーキュレ
ータは、図4(B)に示すように、磁性体のジャイロ透
磁率により電界節が30度回転した非可逆回路素子とい
える。
【0035】また、このような共振器型サーキュレータ
はTM110共振器に限定されるものではなく、TM
n10共振器(n:正の整数)の電界節が端子の1つと
一致するように構成された共振器であれば分布定数型サ
ーキュレータを構成できる。
【0036】ジャイロ透磁率は強磁性共鳴によって発生
するものであるから、図3で示したように、周波数が増
加すると高周波磁界の回転方向による透磁率が何れも1
に漸近して差が小さくなり、サーキュレータ条件を満た
さなくなる。このため、ミリ波のような周波数帯域にお
いては強い直流磁界によって共鳴周波数を増加させ、回
転方向による透磁率の差を拡大することが必要になる。
【0037】ミリ波回路用サーキュレータを通常の外部
印加型磁気回路によって構成すると、磁気回路の寸法が
大きくなって基板内に収まらない。このような問題を解
決するため、マイクロ波帯で一部実用化されているよう
に(W.W.Sienkanowicz et al,
G−MTT Sym.Digest,p.79,May
1967参照)、自発磁化したフェライト(バリウム
フェライト等)を使用して磁気回路の大型化を避けるこ
とが考えられる。しかし、フェライトによる共振器を用
いると、図1で示すようにフェライト円板12を金属円
板13と接地導体11との間に挟まねばならず、基板上
へのサーキュレータ搭載が不便になる。
【0038】そこで本実施形態では、裏面が接地導体で
覆われた誘電体基板であるミリ波用ハイブリッド集積回
路基板の表面に金属円板及び3回対称の端子を設けて構
成したTM110共振器を用いて、その金属円板の上部
にのみフェライト磁性体を乗せてサーキュレータを構成
している。
【0039】このように本実施形態では、ミリ波用ハイ
ブリッド集積回路基板上に自発磁化したフェライト磁性
体を載置することのみでサーキュレータが構成できるの
で、その搭載処理を非常に容易行うことが可能となる。
【0040】図5は本発明の他の実施形態として高次モ
ード共振器によるサーキュレータの構成を概略的に示す
斜視図、図6はこのサーキュレータの構成をその電磁界
分布をも含めて示す斜視図及び電界分布図、図7はTM
010モード共振器の電界分布図である。
【0041】図2及び図4に示した実施形態のように、
誘電体TM110共振器上にジャイロ磁性体を設けるこ
とによって電界節を回転させるサーキュレータでは、こ
の誘電体TM110共振器部分は、非磁性誘電体で構成
されているゆえに電界節の回転が無い。従って、上部ジ
ャイロ磁性体による電界節の回転は、通常のサーキュレ
ータに要求される電界節回転角の約2倍必要である。電
界節の回転角はフェライトの飽和磁化に比例するが、バ
リウムフェライトは飽和磁化が小さく、フェライト磁性
体を含めて構成されたTM110共振器を採用したので
はサーキュレータを構成するのに十分な回転角を与えら
れない場合がある。そこで本実施形態では、通常のTM
110共振器型サーキュレータに代わる構造として、例
えばTM 210等の高次モード共振器でサーキュレータ
を構成している。
【0042】図5及び図6において、50はミリ波用ハ
イブリッド集積回路基板からなる誘電体基板、51は誘
電体基板の裏面に形成された接地導体、53は誘電体基
板50の表面上に設けられており、中央部に貫通穴53
aが形成されている金属円板、54a、54b及び54
cは誘電体基板50の表面上に設けられており金属円板
53から3回対称構造で放射方向に延伸する端子、55
は金属円板53の中心軸と一致する方向に磁化されてこ
の金属円板53上に設けられており、中央部に貫通穴5
5aが形成されているフェライト円板、56は電界、5
7は磁界、58は電界節、59は直流磁化をそれぞれ示
している。
【0043】このように、本実施形態においては、裏面
が接地導体で覆われた誘電体基板であるミリ波用ハイブ
リッド集積回路基板の表面に金属円板及び3回対称の端
子を設けて構成したTM210共振器を用いて、その金
属円板の上部にのみフェライト磁性体を乗せてサーキュ
レータを構成している。
【0044】前述したように、TMn10共振器におい
ても電界節がアイソレーション端子に一致すればサーキ
ュレータを構成することができる。いま、TM210
ード共振器でサーキュレータを構成すれば、電界節の回
転角が15度でサーキュレータとなる。そこで、本実施
形態では、バリウムフェライトのように磁界回転方向に
よる透磁率差が小さい磁性体を用いた場合にも、高次の
TMn10モード共振器を用いることにより電界節の回
転角が小さくてもサーキュレータを構成できるようにし
ている。高次モード共振器は基底モード共振器より大型
になるが、ミリ波のように短波長の信号であれば、回路
素子と充分整合性のある大きさでサーキュレータを構成
することができる。
【0045】多くの高次モード共振器では、該当するモ
ードの共振周波数より低い周波数にTM010モードの
共振周波数が存在し、TM010モードも高次モードと
共存することがある。TM010共振モードでは、図7
に示すように電界節が存在しないので、サーキュレータ
は構成できず、逆にこのように中央部分に集中する電界
76が共存しているとサーキュレータ動作が阻害され
る。
【0046】そこで本実施形態においては、金属円板5
3の中央部分を除去すべく貫通穴53aを形成し、中心
軸上の電界発生を防ぎ、サーキュレータ動作からTM
010モードの共振周波数をTMn10モード共振周波
数より高域側に移動させるようにしている。
【0047】本実施形態のサーキュレータを設計する場
合、非可逆伝送特性を示すフェライトを両面に配置して
ある通常のサーキュレータと違って、フェライト磁性体
が共振器の上半分にしか配置されていないため、サーキ
ュレータ条件を解析的に求めることは困難である。この
ため、逐次近似的な設計法を採用する。
【0048】まず、誘電体基板のTM210モード共振
器の円板直径を計算より求め、その上に磁化されたフェ
ライト円板を乗せ、フェライト円板が生み出す伝送路差
はフェライトの厚さにおおよそ比例して変わることに着
目して、このフェライト円板の寸法を求めることにより
サーキュレータを構成する。
【0049】誘電率ε=2の誘電体基板上に半導体素子
を複数搭載して構成されるミリ波用ハイブリッド集積回
路基板へのサーキュレータ搭載を考える。TM210
ードの共振する円板の半径a(mm)は式(2)で与え
られ、 J(ka)−(2J(ka)/ka)=0 k=2πF√ε/c (2) この式を満たす最小のkaは3.05となる。従って、
誘電率ε=2の基板上に60GHzで動作するTM
210モードの共振器における金属円板の半径はa=
1.98mmとなる。
【0050】この金属円板53上に、円板と等しい直径
でサーキュレータ条件を満足させるような厚さのバリウ
ムフェライトによるフェライト円板55を乗せる。図6
から明らかのように、TM210モードでは中心部に高
周波磁界57がほとんど存在しないので金属円板53と
同様にフェライト円板55にも中央部に貫通穴55aを
形成し、TM010モードの発生を防いでいる。
【0051】なお、本実施形態においては、フェライト
円板55の上面55b及び下面が金属を蒸着又はメッキ
することによりメタライズされている。これは、内部に
発生する磁束を増加させるためのものであり、必ずしも
本実施形態のサーキュレータを構成するための必要条件
ではない。
【0052】ジャイロ磁性は、図3から明らかなよう
に、共鳴磁界より低い部分と高い部分で観測されるが、
ミリ波サーキュレータのように高直流磁界を必要とする
サーキュレータでは、共鳴磁界より低い領域で発生する
ジャイロ磁性を利用する。バリウムフェライトの飽和磁
化3500G、内部磁場5000Oeよりジャイロ透磁
率を概算すると、60GHzで動作するサーキュレータ
におけるフェライト円板55の厚さは0.5mmとな
る。
【0053】本実施形態のその他の構成、作用効果及び
変更態様等は、図2の実施形態の場合と同様である。
【0054】図8は本発明のさらに他の実施形態として
高次モード共振器によるサーキュレータの構成を概略的
に示す斜視図である。
【0055】同図において、80はミリ波用ハイブリッ
ド集積回路基板からなる誘電体基板、81は誘電体基板
の裏面に形成された接地導体、83は誘電体基板80の
表面上に設けられており、中央部に貫通穴83aが形成
されている金属円板、84a、84b及び84cは誘電
体基板80の表面上に設けられており金属円板83から
3回対称構造で放射方向に延伸する端子、85は金属円
板83の中心軸と一致する方向に磁化されてこの金属円
板83上に設けられており、中央部に貫通穴85aが形
成されているフェライト円板をそれぞれ示している。
【0056】本実施形態においても、図5の実施形態の
場合と同様に、裏面が接地導体で覆われた誘電体基板で
あるミリ波用ハイブリッド集積回路基板の表面に金属円
板及び3回対称の端子を設けて構成したTM210共振
器を用いて、その金属円板の上部にのみフェライト磁性
体を乗せてサーキュレータを構成している。図5の実施
形態では、フェライト円板の上面及び下面のみがメタラ
イズされているが、本実施形態では、フェライト円板8
5の貫通穴85aの内壁にも金属を蒸着又はメッキする
ことによりメタライズしている。これにより、TM
010モードをより一層効果的に抑制することができ
る。
【0057】本実施形態のその他の構成、作用効果及び
変更態様等は、図5の実施形態の場合と同様である。
【0058】図9は本発明のまたさらに他の実施形態と
して高次モード共振器によるサーキュレータの構成を概
略的に示す斜視図である。
【0059】同図において、90はミリ波用ハイブリッ
ド集積回路基板からなる誘電体基板、91は誘電体基板
の裏面に形成された接地導体、93は誘電体基板90の
表面上に設けられており、中央部に貫通穴93aが形成
されている金属円板、94a、94b及び94cは誘電
体基板90の表面上に設けられており金属円板93から
3回対称構造で放射方向に延伸する端子、95は金属円
板93の中心軸と一致する方向に磁化されてこの金属円
板93上に設けられており、中央部に貫通穴95aが形
成されているフェライト円板をそれぞれ示している。
【0060】本実施形態においても、図5の実施形態の
場合と同様に、裏面が接地導体で覆われた誘電体基板で
あるミリ波用ハイブリッド集積回路基板の表面に金属円
板及び3回対称の端子を設けて構成したTM210共振
器を用いて、その金属円板の上部にのみフェライト磁性
体を乗せてサーキュレータを構成している。
【0061】さらに本実施形態においては、端子(分
岐)94a、94b及び94c部分に1/4波長インピ
ーダンス変換器92a、92b及び92cをそれぞれ挿
入してサーキュレータの動作周波数帯域を拡大してい
る。これは、高次モードによるサーキュレータでは電界
節移動の周波数依存性が大きいので、動作周波数帯域幅
が狭いという問題点を解決するためのものである。
【0062】本実施形態においても、図5の実施形態の
ように、フェライト円板の上面及び下面をメタライズし
てもよいし、さらに図8の実施形態のように、フェライ
ト円板の貫通穴の内壁もメタライズしてもよい。
【0063】本実施形態のその他の構成、作用効果及び
変更態様等は、図5及び図8の実施形態の場合と同様で
ある。なお、モード数mは2に限定されるものではな
く、m≧3のいわゆるウィスパリング・ギャラリーモー
ドでもサーキュレータ条件(電界節が端子の1つと一致
すること)を満たせば、本実施形態と等価なサーキュレ
ータになることは自明である。
【0064】図10は本発明のさらに他の実施形態とし
てファラデー回転子を用いたサーキュレータの構成をそ
の電磁界分布をも含めて示す斜視図である。
【0065】同図において、100はミリ波用ハイブリ
ッド集積回路基板からなる誘電体基板、101は誘電体
基板の裏面に形成された接地導体、103は誘電体基板
100の表面上に設けられた金属円板、104a、10
4b及び104cは誘電体基板100の表面上に設けら
れており金属円板103から3回対称構造で放射方向に
延伸する端子、105は金属円板103の中心軸と一致
する方向に磁化されてこの金属円板103上に設けられ
たフェライト円柱、107はフェライト円柱105の上
端面に形成された金属板からなる短絡板、108aは誘
電体共振器の電界節、108bはファラデー共振器の電
界節、108は両者を合成した合成電界節、109は直
流磁化をそれぞれ示している。
【0066】このように、本実施形態においては、裏面
が接地導体で覆われた誘電体基板であるミリ波用ハイブ
リッド集積回路基板の表面に金属円板及び3回対称の端
子を設けて構成したTMn10共振器を用いて、その金
属円板の上部にファラデー回転子を乗せてサーキュレー
タを構成している。
【0067】誘電体基板の上下に形成された共振器の伝
送特性を合成して構成されるサーキュレータは、フェラ
イトによるTMn10モード共振器だけでなく、本実施
形態のように、誘電体TMn10モード共振器上にサー
キュレータ条件を満足するような電界節回転を示すファ
ラデー回転子を搭載しても実現できる。以下、ファラデ
ー回転子を応用したサーキュレータの動作原理につい
て、ファラデー効果に基づいて説明する。
【0068】中心軸方向に直流磁化された円柱フェライ
トに磁界が直流磁化軸に直交するような高周波信号を伝
播させたとすると、高周波磁界の伝播が回転方向によっ
て異なるため、高周波電磁界の向き(偏波面)が信号の
伝播と共に回転する。このような偏波面の回転がファラ
デー効果と呼ばれている。印加磁界が共鳴磁界より低い
場合、偏波面は伝播方向に対して負の向き(時計回り)
に回転する。
【0069】図10に示すように、本実施形態では、一
端を金属板107で短絡したフェライト円柱105を誘
電体共振器の上に乗せた構造としている。フェライト円
柱105がその中心軸方向に自発磁化されている場合、
誘電体共振器からフェライト円柱105に注入された電
磁波はファラデー効果によって伝播しながら偏波面回転
を起こし、電界節も同様に回転する。そのときの偏波面
(電界節)回転角をθとする。フェライト円柱105の
上端面に到達した電磁波は金属板107で反射され伝播
方向を反転させる。この反射波はファラデー効果によっ
てさらに電界節を回転させ、誘電体共振器面に到達した
とき電界節の回転角は2θとなっている。共振器上の電
界節の位置は、基板部分で構成される誘電体共振器の電
界節108aとフェライト円柱105内で回転した電界
節108bとの合成なので、合成された電界節108が
入力端子以外の端子のいずれかと一致すれば、この共振
器は、その端子をアイソレーション端子とするサーキュ
レータになる。
【0070】このような構造のサーキュレータでは、フ
ェライト円柱105の長さで電界節の回転角が決められ
る。従って、基板部分の共振器がTMn10モードであ
っても必要な電界節回転が得られ、サーキュレータの小
型化に寄与できる。
【0071】誘電率ε=2の基板上に60GHzで動作
するTM110モードファラデー回転形サーキュレータ
を構成する場合について考える。TM110モード共振
器の金属円板の直径は式(1)よりD=2.40mmと
なる。バリウムフェライト円柱の直径は金属円板と同一
として、内部の線路長を1波長とさせる。本実施形態で
は内部直流磁界が共鳴磁界より低いので、平均比透磁率
(正負の回転磁界に対するジャイロ比透磁率の平均値)
は0.8となった。円柱内の伝播波長は誘電率と平均比
透磁率との幾何平均値に短縮される。バリウムフェライ
トの誘電率εをε=16とすれば波長短縮比は1/3.
51となって、フェライト円柱の長さは1.40mmと
なる。
【0072】本実施形態のその他の構成、作用効果及び
変更態様等は、図5、図8及び図9の実施形態の場合と
同様である。
【0073】図11は本発明のまたさらに他の実施形態
としてファラデー回転子を用いたサーキュレータの構成
をその電磁界分布をも含めて示す斜視図である。
【0074】同図において、110はミリ波用ハイブリ
ッド集積回路基板からなる誘電体基板、111は誘電体
基板の裏面に形成された接地導体、113は誘電体基板
110の表面上に設けられた金属円板、114a、11
4b及び114cは誘電体基板110の表面上に設けら
れており金属円板113から3回対称構造で放射方向に
延伸する端子、115は金属円板113の中心軸と一致
する方向に磁化されてこの金属円板113上に設けられ
たフェライト円柱、116はフェライト円柱115の上
部に接合された誘電体円柱、117は誘電体円柱116
の上端面に形成された金属板からなる短絡板、118a
は誘電体共振器の電界節、118bはファラデー共振器
の電界節、118は両者を合成した合成電界節をそれぞ
れ示している。
【0075】本実施形態においては、裏面が接地導体で
覆われた誘電体基板であるミリ波用ハイブリッド集積回
路基板の表面に金属円板及び3回対称の端子を設けて構
成したTMn10共振器を用いて、その金属円板の上部
にファラデー回転子を乗せてサーキュレータを構成して
いる。特に本実施形態においては、一端を金属板117
で短絡した誘電体円柱116をフェライト円柱115の
上に接合した構造としている。
【0076】非磁性誘電体基板の部分で誘電体共振器を
構成している場合には、フェライト円柱115も独立し
た共振器になっており、基板部分の誘電体共振器と同位
相で共振しなければならない。そのためには、フェライ
ト円柱115の内部の線路長が波長に等しくなる必要が
ある。しかし、電界節の回転角の要求と線路長の要求と
の双方を同時に満たすことは困難な場合が多い。この問
題を解決するため本実施形態では、フェライト円柱11
5に誘電体円柱116を接続して、電界節回転と無関係
に位相量だけを調整する機能を付与させているのであ
る。
【0077】位相調整のために付加する誘電体円柱11
6の誘電率は、磁性体との接合面における反射を除くた
め、フェライト円柱115及び誘電体円柱116の特性
インピーダンスが一致するような値とすることが望まし
い。誘電体円柱116の比誘電率εを式(3)で与え
られる値にすれば、接合面での整合が得られる。
【0078】 √(1/ε)= √(μ/ε) (3) ただし、ε:位相調整用の誘電体円柱の比誘電率、μ
:フェライト円柱の平均比透磁率、ε:フェライト
円柱の比誘電率である。
【0079】誘電体円柱116の厚さは、サーキュレー
タを構成するのに必要な誘電体の厚さが正負のジャイロ
透磁率によって異なるので一意的には決定できないが、
通常0.1〜0.2波長程度とし、相調整素子の範囲を
超えないようにする。
【0080】このような構造のサーキュレータでは、フ
ェライト円柱115の長さで電界節の回転角が決められ
る。従って、基板部分の共振器がTMn10モードであ
っても必要な電界節回転が得られ、サーキュレータの小
型化に寄与できる。
【0081】本実施形態のその他の構成、作用効果及び
変更態様等は、図5、図8、図9及び図10の実施形態
の場合と同様である。
【0082】図12は本発明のさらに他の実施形態とし
てファラデー回転子を用いたサーキュレータの構成を概
略的に示す斜視図である。
【0083】同図において、120はミリ波用ハイブリ
ッド集積回路基板からなる誘電体基板、121は誘電体
基板の裏面に形成された接地導体、123は誘電体基板
120の表面上に設けられた金属円板、124a、12
4b及び124cは誘電体基板120の表面上に設けら
れており金属円板123から3回対称構造で放射方向に
延伸する端子、125は金属円板123の中心軸と一致
する方向に磁化されてこの金属円板123上に設けられ
たフェライト円柱、126はフェライト円柱125の上
部に接合された誘電体円柱、127は誘電体円柱126
の上端面に形成された金属板からなる短絡板をそれぞれ
示している。
【0084】本実施形態においても、図11の実施形態
の場合と同様に、裏面が接地導体で覆われた誘電体基板
であるミリ波用ハイブリッド集積回路基板の表面に金属
円板及び3回対称の端子を設けて構成したTMn10
振器を用いて、その金属円板の上部にファラデー回転子
を乗せてサーキュレータを構成している。そして、一端
を金属板127で短絡した誘電体円柱126をフェライ
ト円柱125の上に接合した構造としている。
【0085】さらに本実施形態においては、端子(分
岐)124a、124b及び124c部分に1/4波長
インピーダンス変換器122a、122b及び122c
をそれぞれ挿入してサーキュレータの動作周波数帯域を
拡大している。これは、高次モードによるサーキュレー
タでは電界節移動の周波数依存性が大きいので、動作周
波数帯域幅が狭いという問題点を解決するためのもので
ある。
【0086】本実施形態のその他の構成、作用効果及び
変更態様等は、図5、図8、図9、図10及び図11の
実施形態の場合と同様である。
【0087】図13は本発明の非可逆回路素子を搭載し
たミリ波用ハイブリッド集積回路基板の構成を概略的に
示す斜視図である。
【0088】同図において、130はパッケージ131
内に設けられたミリ波用ハイブリッド集積回路基板であ
る誘電体基板、132及び133は誘電体基板130上
に搭載されている半導体集積回路等の能動素子、134
及び135は誘電体基板130上に形成されている前述
した実施形態のごとき構成のサーキュレータ/アイソレ
ータ、136及び137は整合抵抗をそれぞれ示してい
る。なお、同図には示されていないが、誘電体基板13
0の裏面には接地導体が全面に形成されている。
【0089】このように、誘電体基板130上に複数の
能動素子132及び133を搭載して構成されるハイブ
リッド形集積回路において、2つの回路間をつなぐ線路
に3回対称形の分岐を設ける共にその対称中心に金属円
板を設けることによって、誘電体円形TMn10共振器
(n:正の整数)を形成しておく。その金属円板上に自
発磁化されたフェライト円板又はフェライト円柱若しく
はこれに位相調整用誘電体円柱を接続した円柱を置い
て、サーキュレータを構成する。そして、誘電体基板1
30上の回路に接続されていない分岐を整合抵抗136
及び137で終端して、回路間干渉を除くアイソレータ
を構成する。
【0090】誘電体基板130の形成工程で上述した分
岐、整合抵抗及び金属円板まで形成しておけば、能動素
子132及び133の実装と同様の工程において、TM
n1 共振器(n:正の整数)用パターン上に自発磁化
したバリウムフェライトを実装するのみでミリ波集積回
路を安定に動作させるキーパーツであるアイソレータを
ミリ波用ハイブリッド集積回路基板上に容易に形成でき
ることとなる。従って、従来のサーキュレータのように
コネクタで接続したり基板内に素子を落とし込む等の必
要がなく、通常の部品搭載工程として生産ラインに組み
込むことが可能になって、ミリ波集積回路の安定化と量
産化に大きく寄与できる。
【0091】以上述べた実施形態は全て本発明を例示的
に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明
は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することがで
きる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均
等範囲によってのみ規定されるものである。
【0092】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、裏面に接地導体が設けられた非磁性誘電体基板上に
金属円板及び金属円板から突出する3回対称構造を有す
る分岐を設けて構成されたマイクロストリップ形TM
n10共振器(n:正の整数)と、自発磁化されてお
り、マイクロストリップ形TMn10共振器上に同軸に
載置されたフェライト磁性体とを備えており、このフェ
ライト磁性体は、電界節の位置が上述の分岐の1つと一
致するように構成されているので、ミリ波用ハイブリッ
ド集積回路基板に搭載できると共にその搭載処理が非常
に容易行える。
【0093】このような非可逆回路素子により集積回路
間の反射波を吸収すれば、信号送出側の負荷インピーダ
ンスは信号受け入れ側の入力インピーダンスと無関係に
一定となり、回路内の反射波によって引き起こされる発
振、電力増幅器の暴走等のトラブルを防止できる。特に
ミリ波帯の増幅器においては、素子内容量によるトラン
ジスタの逆方向伝達係数増加が無視できないので、信号
に方向性を与えることは回路を安定に動作させる上で非
常に重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一般的な構成の分布定数型サーキュレー
タの一部破断斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における誘電体TM110
モード共振器の電界分布図である。
【図3】ジャイロ透磁率の磁界−周波数特性図である。
【図4】本発明の一実施形態として誘電体TM110
ード共振器を用いたサーキュレータの構成を概略的に示
す斜視図及び電界分布図である。
【図5】本発明の他の実施形態として高次モード共振器
によるサーキュレータの構成を概略的に示す斜視図であ
る。
【図6】図5のサーキュレータの構造をその電磁界分布
をも含めて示す斜視図及び電界分布図である。
【図7】TM010モード共振器の電界分布図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態として高次モード
共振器によるサーキュレータの構成を概略的に示す斜視
図である。
【図9】本発明のまたさらに他の実施形態として高次モ
ード共振器によるサーキュレータの構成を概略的に示す
斜視図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態としてファラデ
ー回転子を用いたサーキュレータの構成をその電磁界分
布をも含めて示す斜視図である。
【図11】本発明のまたさらに他の実施形態としてファ
ラデー回転子を用いたサーキュレータの構成をその電磁
界分布をも含めて示す斜視図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態としてファラデ
ー回転子を用いたサーキュレータの構成を概略的に示す
斜視図である。
【図13】本発明の非可逆回路素子を搭載したミリ波用
ハイブリッド集積回路基板の構成を概略的に示す斜視図
である。
【符号の説明】
20、50、80、90、100、110、120、1
30 誘電体基板 21、51、81、91、101、111、121 接
地導体 23、53、83、93、103、113、123 金
属円板 24a、24b、24c、54a、54b、54c、8
4a、84b、84c、94a、94b、94c、10
4a、104b、104c、114a、114b、11
4c、124a、124b、124c 端子 25、55、85、95 フェライト円板 26、56 電界 27、57 磁界 28、58、108、108a、108b、118、1
18a、118b 電界節 53a、55a、83a、85a、93a、95a 貫
通穴 59、109 直流磁化 92a、92b、92c、122a、122b、122
c 1/4波長インピーダンス変換器 105、115、125 フェライト円柱 107、117、127 短絡板 131 パッケージ 132、133 能動素子 134、135 サーキュレータ/アイソレータ 136、137 整合抵抗
フロントページの続き (72)発明者 大波多 秀典 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 辺見 栄 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 鈴木 和明 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティ ーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−190315(JP,A) 特公 昭61−17402(JP,B1) 特公 昭46−12227(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/36 H01P 1/375 H01P 1/387 H01P 1/393 JICSTファイル(JOIS)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面に接地導体が設けられた非磁性誘電
    体基板上に金属円板及び該金属円板から突出する3回対
    称構造を有する分岐を設けて構成されたマイクロストリ
    ップ形TMn10共振器(n:正の整数)と、自発磁化
    されており、前記マイクロストリップ形TMn10共振
    器上に同軸に載置されたフェライト磁性体とを備えてお
    り、該フェライト磁性体は、電界節の位置が前記分岐の
    1つと一致するように構成されていることを特徴とする
    非可逆回路素子。
  2. 【請求項2】 前記フェライト磁性体が、円板又は円柱
    形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の素
    子。
  3. 【請求項3】 前記TMn10共振器がTMm10共振
    器(mは2以上の正の整数)であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の素子。
  4. 【請求項4】 前記TMm10共振器の中心軸周辺の前
    記金属円板が部分的に除去されていることを特徴とする
    請求項3に記載の素子。
  5. 【請求項5】 前記TMm10共振器の中心軸周辺の前
    記フェライト磁性体が部分的に除去されていることを特
    徴とする請求項4に記載の素子。
  6. 【請求項6】 中心軸周辺が部分的に除去されて形成さ
    れた前記フェライト磁性体の空孔内壁がメタライズされ
    ていることを特徴とする請求項5に記載の素子。
  7. 【請求項7】 前記フェライト磁性体の少なくとも上面
    及び下面がメタライズされていることを特徴とする請求
    項1から6のいずれか1項に記載の素子。
  8. 【請求項8】 前記TMn10共振器がTM110共振
    器であり、前記フェライト磁性体として、空間に接する
    側の端面がメタライズされかつ伝播長が1波長であるフ
    ェライト円柱によるファラデー回転子を用いたことを特
    徴とする請求項1又は2に記載の素子。
  9. 【請求項9】 前記フェライト円柱に非磁性誘電体が接
    合されていることを特徴とする請求項8に記載の素子。
  10. 【請求項10】 前記非磁性誘電体の特性インピーダン
    スと前記フェライト円柱の特性インピーダンスとが一致
    するように前記非磁性誘電体の誘電率が選択されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の素子。
  11. 【請求項11】 前記各分岐に1/4波長インピーダン
    ス整合素子が接続されていることを特徴とする請求項1
    から10のいずれか1項に記載の素子。
  12. 【請求項12】 1つの端子が整合抵抗に接続されてお
    り、他の2つの端子が入出力端子として構成されている
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記
    載の素子。
  13. 【請求項13】 前記誘電体基板が、ミリ波用ハイブリ
    ッド集積回路基板であることを特徴とする請求項1から
    12のいずれか1項に記載の素子。
  14. 【請求項14】 請求項1から13のいずれか1項に記
    載の非可逆回路素子を少なくとも1つ備えたことを特徴
    とするミリ波用ハイブリッド集積回路基板。
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