JP3493998B2 - 内視鏡の流体噴射ノズル - Google Patents

内視鏡の流体噴射ノズル

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JP3493998B2
JP3493998B2 JP06601498A JP6601498A JP3493998B2 JP 3493998 B2 JP3493998 B2 JP 3493998B2 JP 06601498 A JP06601498 A JP 06601498A JP 6601498 A JP6601498 A JP 6601498A JP 3493998 B2 JP3493998 B2 JP 3493998B2
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修二 小見
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富士写真光機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用等に用いら
れる内視鏡において、その挿入部の先端に設けた観察窓
が汚損された時に、この観察窓に向けて流体を噴射させ
る流体噴射ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用等として用いられる内視鏡は、図
8に示したように、術者等が手で把持して操作を行うた
めの本体操作部1に体腔内等に挿入される挿入部2を連
設すると共に、本体操作部1から光源装置等に着脱可能
に接続されるユニバーサルコード3を延在させることに
より大略構成される。挿入部2は、本体操作部1への連
設側から大半の長さ部分は挿入経路に沿って任意の方向
に曲がる軟性部2aで形成され、この軟性部2aの先端
には、本体操作部1に設けたアングルノブ4により湾曲
操作されるアングル部2bが連設され、さらにアングル
部2bの先端には先端構成部2cが連設されている。
【0003】先端構成部2cには、照明窓及び観察窓が
設けられており、また処置具挿通チャンネルが開口して
いる。従って、照明窓から体腔内等の暗所に照明を行う
ことにより、観察窓を介して体腔内の像を観察できるよ
うになっている。また、体腔内の観察を行っている間に
患部等が発見された時には、処置具挿通チャンネルを介
して鉗子その他の処置具を挿通させることによって、患
部の摘出、その他の処置を施したり、細胞等の採取を行
ったりすることができる。従って、アングル部2bは先
端構成部2cを所望の方向に向けるためのものである。
ここで、観察窓による観察視野の方向としては、挿入部
2の軸線方向において、前方を観察視野とする直視型内
視鏡、この軸線と直交する方向を観察視野とする側視型
内視鏡、斜め前方を観察視野とする斜視型内視鏡とがあ
る。
【0004】体腔内には体液その他の汚損物が存在して
おり、この汚損物が観察窓に付着すると良好な観察視野
が得られないことから、体腔内に挿入した状態でも観察
窓の洗浄を行えるようになっている。観察窓の洗浄は、
まず洗浄水を観察窓に向けて噴射させることにより汚損
物を除去する。そして、汚損物を除去したとしても、そ
の直後は水滴が観察窓に付着しているから、この水滴を
除去する必要がある。このために、観察窓に対してはさ
らに加圧エアを供給して水滴を除去する。
【0005】観察窓を洗浄するために流体噴射ノズルを
設けて、この流体噴射ノズルから洗浄水または加圧エア
を観察窓に向けて選択的に供給できるようになってい
る。この洗浄水及び加圧エアからなる流体の供給制御を
行うために、本体操作部1に送気・送水ボタン5が装着
されている。加圧エアの供給源としてエアポンプを備え
るが、このエアポンプは光源装置に内蔵するのが一般的
であり、また洗浄水は適宜の箇所に設置した洗浄水タン
クから供給される。そして、エアポンプ及び洗浄水タン
クからの配管はユニバーサルコード3から本体操作部1
を経て挿入部2内に延在されており、挿入部2における
アングル部2bの手前位置で洗浄水の供給経路と加圧エ
アの供給経路とが合流されて1本の流体通路となし、こ
の流体通路が流体噴射ノズルに接続される。
【0006】そこで、図9に従来技術による観察窓の洗
浄機構の構成を示す。なお、図9には斜視型内視鏡を示
すが、直視型及び側視型の内視鏡も観察窓の洗浄機構の
構成に関しては格別の差異はない。同図に示した先端構
成部2cは先端部本体10と先端カバー11とから構成
される。即ち、高い強度と加工の容易性が必要な先端部
本体10を金属で形成して、電気メス等の使用時のため
に、金属が患者の体内に直接触れないようにするため
に、この先端部本体10を覆う先端カバー11を電気絶
縁部材で形成している。ただし、先端部本体を電気絶縁
部材で構成されている場合等においては、先端カバーは
必ずしも設ける必要はない。
【0007】以上のように、先端部本体10と先端カバ
ー11とから構成される先端構成部2cには、挿入部2
の軸線に対して所定角度傾斜した面に照明部等と共に観
察部が設けられており、この観察部は対物レンズユニッ
ト12とこの対物レンズユニット12の結像位置に配置
した固体撮像装置13とから構成される。対物レンズユ
ニット12は先端部本体10内に設けた挿通孔に挿通さ
れ、その先端は先端カバー11を貫通しており、この先
端カバー11の表面に臨むように平凸のレンズ12aが
配置されている。従って、このレンズ12aが観察窓を
構成するものである。なお、観察窓を構成する部材はレ
ンズ以外にも、例えば平行平面板で構成することもでき
る。また、固体撮像装置13は、高い強度を有する先端
部本体10の内部に設けられている。
【0008】対物レンズユニット12を構成するレンズ
12aは外部に露出しており、このレンズ12aに汚損
物が付着した時に、洗浄用流体を供給して洗浄される。
このために、挿入部2内には送気・送水チューブ14が
挿通されており、この送気・送水チューブ14は先端部
本体10に穿設した流体通路15に接続されている。そ
して、流体通路15の先端部は拡径されたノズル挿嵌部
15aとなっており、ノズルユニット16はこのノズル
挿嵌部15aにその基端部が挿入されるように装着され
ている。
【0009】そこで、ノズルユニット16の構成を図1
0に示す。ノズルユニット16は、絶縁リング17と、
連結リング18と、ノズル本体19とから構成される。
絶縁リング17及び連結リング18は円筒形の部材から
構成されて、その内部に洗浄用流体を流通させる流通路
20が形成される。またノズル本体19は、略L字状の
部材からなり、流通路20から供給される洗浄用流体を
ほぼ90°方向転換させて、観察窓を構成するレンズ1
2aに向けるための噴射通路21を形成している。そし
て、ノズル本体19の内面と先端カバー11の外面とに
よって、レンズ12aの直径とほぼ同じ程度の幅を有す
る細いスリット状の噴射口22が形成されている。
【0010】ここで、ノズルユニット16を絶縁リング
17,連結リング18,ノズル本体19の3つの部材で
構成しているのは、強度上の問題と、電気絶縁性の観点
とからであり、これらが一体となったノズル本体を用い
る場合もある。而して、絶縁リング17は電気絶縁部材
で形成されており、また連結リング18及びノズル本体
19はステンレス等の金属で形成されている。既に説明
したように、先端部本体10は金属で形成されており、
同様に金属で形成したノズル本体19は外部に露出して
いる。従って、ノズル本体19と先端部本体10との間
を電気的に絶縁するために、その間に絶縁リング17を
介在させている。そして、ノズル本体19と絶縁リング
17との間を確実に連結し、かつ絶縁リング17を補強
するために、絶縁リング17の内部からノズル本体19
の内部に臨む長さの金属製の連結リング18が装着され
ている。そして、これらノズルユニット16を構成する
3つの部材は相互に接着されており、また先端部本体1
0に螺挿した止めねじ23を絶縁リング17の外周側に
押し付けるようにして、このノズルユニット16全体を
固定的に保持している。
【0011】以上のように構成することによって、観察
窓を構成するレンズ12aが体液等の汚損物で汚損され
た時には、送気・送水ボタン5を操作することによっ
て、送気・送水チューブ14から流通路20に洗浄水を
供給する。この洗浄水はノズルユニット16における噴
射通路21で90°方向転換されて、噴射口22からレ
ンズ12aに向けて噴射されて、この洗浄水の噴射圧力
によりレンズ12aの表面に付着した汚損物が洗い流さ
れる。次いで、ノズルユニット16から加圧エアを噴射
させることによって、レンズ12aに付着した水滴を除
去することができるようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来技術によるノズルユニット16は、噴射通路21から
噴射口22に至る通路はレンズ12aの表面とほぼ平行
になっており、また幅方向の全体に均等なスリット状の
開口となっている。以上のことから、噴射口22から噴
射する洗浄水等の流体は、レンズ12aの表面に沿った
流れとなり、例えばレンズ12aに粘性のある膜状の汚
損物が付着している場合には、洗浄水等は膜状の汚損物
の表面上を流れるだけで有効に除去できなくなる等、レ
ンズ12aに付着している汚損物の状態によっては、必
ずしも確実に除去できない等といった問題点があった。
また、噴射口22が均等なスリット状の開口としている
ことから、レンズ12aの周辺部と中央部分とで実質的
に同じ流量の流体が供給されるが、レンズ12aは円形
のものであるから、レンズ12aの中央部分では流体の
供給量が不足し、周辺部では流体供給量が余剰になると
いうように、円形の観察窓全体に、無駄なく均等に流体
を供給することができないという問題点もあった。
【0013】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、観察窓に付着する汚
損物をより効率的に除去できるように流体を供給できる
ようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、内視鏡の挿入部の先端構成部に設け
た観察窓に向けて流体を噴射させる流体噴射ノズルであ
って、前記先端構成部に形成した流体通路に挿嵌され、
内部に流通路を形成した通路接続部と、この流通路から
の流体を方向転換させて噴射口から前記観察窓の表面に
噴射する噴射通路を形成する噴射部とからなるノズル本
体を有し、前記噴射通路は、その噴射口に向けて通路断
面積が連続的に減少し、かつ前記観察窓の表面に対して
は斜め上方から所定の角度で噴射する傾斜円弧面を含ん
だ通路となし、さらに前記噴射口の幅方向の寸法を前記
観察窓の直径とほぼ同じにするために、前記噴射部の内
面の円弧面の両端に拡幅部を形成する構成としたことを
その特徴とするものである。
【0015】 ここで、ノズル本体を構成する通路接続
部と噴射部とは別部材で形成しても良いが、これらを一
体的に形成することもできる。また、この噴射部の内面
は傾斜したほぼ平面形状としても良いが、噴射口から流
通路への連結部側に向けて連続的に円弧の長さが大きく
なる円弧面形状となし、この内面と先端構成部との間に
流通路からの流体を方向転換させる噴射通路とするの
が、観察窓に向けて無駄なく効率的に流体を供給できる
のでより好ましい。円弧形状のまま噴射口として開口さ
せるが、観察窓の直径等との関係で、円弧形状のままで
は観察窓の両側部に流体を供給できないことになる。そ
こで、噴射部の内面の円弧面の両端に拡幅部を形成す
る。また、噴射口は観察窓にできるだけ近づけるように
するが、噴射部の外面が先端構成部から大きく突出して
いると、観察窓による視野が噴射部の壁面によりけられ
るおそれがある。これを避けるには、噴射部の外面を略
平面形状で、この外面を前記観察窓に向けて斜め下方に
傾斜させる構成とすれば良い。また、ノズル本体を先端
構成部に固定するために止めねじを用いる場合には、通
路接続部に円筒形状の部位を設けて、先端構成部に止め
ねじを螺挿して、この止めねじの先端で通路接続部の円
筒形状の部位を流体通路を構成する先端構成部の内面に
圧接させることにより固定できる。ノズル本体を構成す
る通路接続部と噴射部とを一体的に形成するには、ノズ
ル本体を電気絶縁部材で形成するのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。なお、以下の説明において
は、斜視型内視鏡として構成したものを示すが、本発明
の流体噴射ノズルは直視型内視鏡及び側視型内視鏡にも
適用できるのはいうまでもない。また、流体噴射ノズル
以外の構成については、前述した従来技術のものと格別
の差異はないので、図9及び図10と同一または均等な
構成については、それらと同一の符号を付して、その説
明は省略するものとする。
【0017】まず、図1に流体噴射ノズルを設けた挿入
部の先端構成部2cの断面を示し、図2に流体噴射ノズ
ルを拡大して示す。これらの図から明らかなように、流
体噴射ノズルを構成するノズル本体30は単一の部材か
ら構成されている。従って、ノズル本体30は例えばポ
リスルフォンその他、高い強度を有し、耐薬品性,耐熱
性等の性質を備えた硬質プラスチック等からなる電気絶
縁部材から構成される。このノズル本体30は、送気・
送水チューブ14が接続されている流体通路15の先端
の拡径したノズル挿嵌部15aに挿嵌される通路接続部
31と、先端カバー11から外部に突出する噴射部32
とを一体的に形成したものである。
【0018】即ち、ノズル本体30の外径形状として
は、図3の(a)に示したようになっている。同図から
明らかなように、通路接続部31は略円筒形状の部位で
ある。一方、噴射部32は、通路接続部31の先端側か
ら側方に向けて突出するように連設されており、その幅
方向の寸法は通路接続部31の直径とほぼ同じか、また
はそれより僅かに狭くなっている。そして、噴射部32
を構成する上下の各面のうち、下面側は凹湾曲形状とな
っており、その両側部は通路接続部31の軸線とほぼ直
交する方向に延在されている。これに対して、上面側は
ほぼ平面形状であり、かつ先端側に向かうに応じて下向
きに傾斜する傾斜平面部32aとなっている。また、こ
の噴射部32の上面側における両側部及び先端部と、通
路接続部31への連設部とは、エッジが生じないように
するために曲面形状としている。
【0019】以上の外径を有するノズル本体30は、先
端構成部2cに装着した時に、流体の通路が形成され
る。即ち、通路接続部31側には流体通路15と連通す
る流通路33が、また噴射部32側には、先端カバー1
1の表面との間に、この流通路33と連通する噴射通路
34が形成され、噴射通路34の先端は開口して噴射口
35となっている。ここで、噴射通路34は、円弧面形
状の通路であり、しかもこの円弧面は先端側に向かうに
応じて斜め下方に向けて傾斜した傾斜円弧面形状となっ
ている。この円弧面の中心軸線は、噴射部32の幅方向
の中間位置を含み、通路接続部31の軸線方向における
平面内に位置し、かつ噴射部32の傾斜平面部32aと
ほぼ平行となっている。これにより、図3の(b)に示
したように、噴射部32の内面は流通路33への連通側
から先端の噴射口35側に向けて連続的に円弧角が小さ
くなり、換言すると連続的に通路断面積が小さくなる傾
斜円弧面部32bが形成されている。従って、図4に示
したように、この傾斜円弧面部32bの両側において、
通路接続部31の軸線と直交する方向に延在した端面部
32c,32cは先端側から奥側に向かうに応じて幅が
狭くなっている。
【0020】この傾斜円弧面部32bは、例えば円形の
切削用の加工治具を用い、この加工治具の軸線を前述し
たように、噴射部32の下面側において、噴射部32の
傾斜平面部32aとほぼ平行な方向に向けて、通路接続
部31に形成した流通路33内に入り込むまで切削加工
することにより形成ができる。また、この加工により通
路接続部31の周胴部にも開口36が形成されが、通路
接続部31には開口36が形成される部位より下方に完
全な円筒形を保った部分が確保されている。
【0021】以上の構成を有するノズル本体30は、挿
入部2における先端構成部2cの先端部本体10に穿設
した流体通路15のノズル挿嵌部15a内に通路接続部
31を挿嵌させて、噴射部32を先端カバー11から突
出させ、この噴射部32の噴射口35を観察窓を構成す
る対物レンズユニット12のレンズ12aに向けるよう
にして組み付けられる。そして、止めねじ23を用いて
このノズル本体30が先端構成部2cに固定される。止
めねじ23は通路接続部31における周胴部をノズル挿
嵌部15aを形成する壁面に押し付けるようにして固定
するが、通路接続部31には開口36が形成されている
ものの、この開口36の形成部より下方の部位は円筒形
を保っている。従って、この円筒形の部位に止めねじ2
3を当接させて、強力に締め付けるようにする。これに
よって、ノズル本体30が変形したり、損傷する等のお
それがないので、ノズル本体30を強固に固定できる。
【0022】ここで、ノズル本体30の装着状態では、
その噴射部32における端面部32c,32cを先端カ
バー11の表面に当接させて、その間に隙間が生じない
ようにする。また、好ましくは、噴射部32の先端カバ
ー11への当接部の外周部に接着剤またはシール材を注
入することによりこの部位をシールする。これによっ
て、噴射部32の傾斜円弧面部32bと先端カバー11
の表面との間に円弧形状で、連続的に通路断面積が変化
する噴射通路34が形成され、この噴射通路34の先端
における通路断面積が最も小さくなった部位が噴射口3
5として開口している。
【0023】以上のように構成することによって、観察
窓を構成するレンズ12aに体液等の汚損物が付着する
と、ノズル本体30から洗浄水を噴射させて、レンズ1
2aに付着した汚損物を洗い流し、次いで加圧エアを噴
射させることによって、レンズ12aに付着した水滴を
除去することができる。この結果、観察窓を構成するレ
ンズ12aを常に透明な状態に保つことができるので、
体腔内等の観察する際における観察視野が良好な状態に
保持できるようになる。しかも、前述した構成を有する
ノズル本体30からなる流体噴射ノズルを用いることに
よって、洗浄水や加圧エアという流体を噴射させて行う
レンズ12aの洗浄効果は著しく向上して、頑固な汚れ
も迅速かつ確実に、しかも完全に除去できるようにな
る。
【0024】まず、図5に示したように、噴射通路34
を構成する傾斜円弧面32bはレンズ12aに対して比
較的浅い角度角度αをもって流体が噴射することにな
る。この結果、レンズ12aに流体が接触する際にナイ
フエッジの状態となり、たとえレンズ12aに汚損物が
粘性薄膜状に付着していたとしても、この汚損物は斜め
上方から噴射された洗浄水によりレンズ12aの表面か
ら削ぎ落とされるようにして、有効に剥離することがで
きるようになる。しかも、噴射通路34は噴射口35に
向かうに応じて通路断面積が小さくなり、流路が連続的
に絞られることから、その間で圧力が上昇することか
ら、噴射口35からの噴射圧力がたかくなって、レンズ
12aからの汚損物の剥離がさらに促進される。また、
洗浄水の噴射後にレンズ12aに付着する水滴を除去す
るために加圧エアを噴射させた時にも、同様の効果を発
揮して、レンズ12aに付着している水膜もより迅速か
つ確実に除去できる。従って、このナイフエッジの効果
をよりレンズ12aの全体に及ぼさせるには、傾斜円弧
面32bの延長線Lはレンズ12aの中心位置とその端
部位置との間の位置で接触するのが洗浄効率の点から好
ましい。
【0025】また、レンズ12aは円形のものであり、
噴射口35はこのレンズ12aに並ぶように配置されて
いるので、レンズ12aに対しては、その中央部分が最
も面積が広く周辺部に向かうに応じて面積が減少するよ
うになっている。従って、噴射口35から噴射する流体
の流量は中央部分で最大流量を流し、周辺部に向かうに
応じて流量を少なくする方が、より効率的な洗浄が可能
になる。噴射通路34は円弧形状となっているので、図
6に領域Qで示したように、噴射口35から噴射する流
体の流量は、その中央部分が最も大きく、周辺部に向か
うに応じて徐々に流量が少なくなるという流量分布を持
たせることができる。また、噴射通路34自体が噴射口
35に向かうに応じて断面積が連続的に小さくなること
から、噴射方向はほぼ中央に向かうように収束する傾向
にある。この結果、円形のレンズ12aに対して、その
全面にほぼ均一な流量の流体を噴射させることができ、
無駄なく効率的にレンズ12aの洗浄を行うことができ
るようになる。
【0026】以上のように、噴射通路34を傾斜円弧面
形状とすることによって、噴射部32の高さは、噴射通
路34の傾斜角に応じた分だけ先端構成部2cから突出
させなければならない。しかも、レンズ12aをより効
率的に洗浄するには、噴射口34をできるだけレンズ1
2aに近づける必要がある。ここで、対物レンズ12と
しては、視野を広く取る関係から、広角レンズが用いら
れ、図1に角度θというように広い視野角を持たせるよ
うにしている。従って、ノズル本体30により視野がけ
られないようにしなければならないが、噴射部32の外
側表面は傾斜平面部32aとなり、噴射口35が形成さ
れている部位は最も低くしているから、この噴射部32
が対物レンズ12の視野に入ることはなくなる。
【0027】 ただし、図6に示したように、噴射通路
34の円弧状となっている領域Qはレンズ12aの直径
とほぼ同じ幅を有するものでなければならない。一方
噴射口35を形成した噴射部32における外側表面の先
端カバー11からの突出高さを低く抑制しなければなら
ず、また噴射通路34を傾斜円弧面形状とするが、前述
した流体の噴射流量に所定の分布を持たせる必要がある
ことから、円弧の曲率半径はできるだけ小さくする必要
がある。そうすると、噴射口35の幅方向の寸法がレン
ズ12aの直径より狭くなってしまう場合がある。そこ
、図7に示したように、噴射部32′に形成した噴射
口35′の左右の両側部に拡幅部35a′を形成するよ
うに構成する。これによって、拡幅部35a′の幅方向
の寸法は噴射口35′全体の幅がレンズ12aの直径と
ほぼ同じか、それより僅かに広くなるように設定する。
また高さ方向の寸法は特に制限はないが、流量分布を持
たせるという観点からは、ある程度小さくする方が好ま
しい。ただし、図7に一点鎖線で示したように、ほぼ均
一な高さのスリット状に開口させたとしても、この拡幅
部の奥行きを狭いものとすれば、レンズ12aに対する
流体の角度及び流量分布に格別の影響を与えない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ノズル
本体の噴射部に形成される噴射通路を観察窓の表面に向
けて斜め上方から所定の角度で噴射する傾斜円弧面形状
の通路としたので、観察窓に付着する汚損物をより効果
的に除去できるように流体を供給され、しかも噴射口に
拡幅部を形成しているので、観察窓の全面にわたって必
要な流量分布となるように流体を供給することができる
等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す流体噴射ノズルを
装着した挿入部の先端部分の断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】ノズル本体の半断面図及び、噴射部の内面形状
を示す図である。
【図4】ノズル本体の底面図である。
【図5】流体噴射ノズルによる流体の噴射方向を示す作
用説明図である。
【図6】流体噴射ノズルによる観察窓に噴射される流体
の流量分布を示す作用説明図である。
【図7】噴射部の他の例を示すノズル本体の要部外観図
である。
【図8】内視鏡の外観図である。
【図9】従来技術の流体噴射ノズルを装着した挿入部の
先端部分の断面図である。
【図10】図9の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 本体操作部 2 挿入部 2c 先端構成部 10 先端
部本体 11 先端カバー 12 対物
レンズユニット 12a カバーガラス 15 流体
通路 15a ノズル挿嵌部 23 止め
ねじ 30 ノズル本体 31 通路
接続部 32,32′ 噴射部 32a 傾
斜平面部 32b 傾斜円弧面部 32c 端
面部 33 液通路 34 噴射
通路 35,35′ 噴射口 35a′
拡幅部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 1/00 - 1/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡の挿入部の先端構成部に設けた観
    察窓に向けて流体を噴射させる流体噴射ノズルにおい
    て、 前記先端構成部に形成した流体通路に挿嵌され、内部に
    流通路を形成した通路接続部と、この流通路からの流体
    を方向転換させて噴射口から前記観察窓の表面に噴射す
    る噴射通路を形成する噴射部とからなるノズル本体を有
    し、 前記噴射通路は、その噴射口に向けて通路断面積が連続
    的に減少し、かつ前記観察窓の表面に対しては斜め上方
    から所定の角度で噴射する傾斜円弧面を含んだ通路とな
    し、 さらに前記噴射口の幅方向の寸法を前記観察窓の直径と
    ほぼ同じにするために、前記噴射部の内面の円弧面の両
    端に拡幅部を形成する 構成としたことを特徴とする内視
    鏡の流体噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 前記通路接続部と噴射部とを一体的に形
    成し、この噴射部の前記傾斜円弧面を前記噴射口から前
    記流通路への連結部側に向けて連続的に円弧角を大きく
    なるようになし、この内面と前記先端構成部の表面との
    間に前記噴射通路を形成する構成としたことを特徴とす
    る請求項1記載の内視鏡の流体噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 前記噴射部の外面は略平面形状となし、
    かつこの外面を前記観察窓に向けて斜め下方に傾斜させ
    る構成としたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡の
    流体噴射ノズル。
  4. 【請求項4】 前記通路接続部は円筒形状の部位を有す
    るものであり、前記先端構成部に止めねじを螺挿して、
    この止めねじで前記通路接続部の円筒形状の部位を固定
    する構成としたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡
    の流体噴射ノズル。
  5. 【請求項5】 前記ノズル本体は電気絶縁部材で形成し
    たことを特徴とする請求項1記載の内視鏡の流体噴射ノ
    ズル。
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