JPH0614865A - 内視鏡の先端部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】弾性変形させることによって挿入部先端に設け
られた先端部本体に対して着脱される先端カバーに流体
噴出ノズルを形成した内視鏡の先端部において、流体噴
出時に先端カバーが先端部本体から浮きあがらないよう
にした内視鏡の先端部を提供することを目的とする。 【構成】先端部本体２と先端カバー２１との係合面の少
なくとも一部を、流体噴出ノズル２７，２４から流体を
噴出させたときに先端部本体２の表面から先端カバー２
１が浮きあがるのを妨げる向きの斜面２２に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、流体噴出ノズルを挿
入部の先端に設けた内視鏡の先端部に関する。

【０００２】

【従来の技術】内視鏡の先端部には、観察窓に向けて空
気や水を噴出するための送気送水ノズルや、観察目標で
ある患部に付着している汚物を洗い流すためのいわゆる
ジェット噴射ノズル等が設けられている。

【０００３】そのようなノズルには各々に流体送通路が
連通しているが、内視鏡使用後には、そのような流体送
通路内をブラッシングして内部に付着した汚物等を完全
に排除することが望まれている。

【０００４】そこで、弾性変形させることによって挿入
部先端に設けられた先端部本体に対して着脱される先端
カバーに流体噴出ノズルを形成した内視鏡の先端部があ
る。そのような内視鏡の先端部では、内視鏡使用後に
は、先端部本体から先端カバーを取り外すことによって
流体送通路内にブラシを挿入して簡単に掃除することが
できる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、送水ノズルや
ジェット噴射ノズルから水を噴出させると、ノズル部に
加わる水圧によって、先端カバーのノズル部付近が弾性
変形をして先端部本体から浮きあがってしまう場合があ
る。

【０００６】すると、水の噴出方向が変わって、観察窓
の表面や汚物の付着した患部等を洗浄することができな
くなり、また、先端カバーが浮きあがることによって発
生する先端部本体との間の隙間から水が観察窓の表面な
どへ漏れ出して、観察視野が妨げられるようになる。

【０００７】そこで本発明は、弾性変形させることによ
って挿入部先端に設けられた先端部本体に対して着脱さ
れる先端カバーに流体噴出ノズルを形成した内視鏡の先
端部において、流体噴出時に先端カバーが先端部本体か
ら浮きあがらないようにした内視鏡の先端部を提供する
ことを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡の先端部は、先端部本体と先端カバ
ーとの係合面の少なくとも一部を、流体噴出ノズルから
流体を噴出させたときに先端部本体の表面から先端カバ
ーが浮きあがるのを妨げる向きの斜面に形成したことを
特徴とする。

【０００９】なお、上記先端カバーの上記斜面に上記先
端部本体との間をシールするための突出部を形成しても
よい。

【００１０】

【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図２は内
視鏡を示しており、可撓管からなる挿入部１の先端に
は、対物光学系などを内蔵した先端部本体２が連結され
ている。

【００１１】挿入部１の基端側に連結された操作部３の
前面上部には、送気送水操作釦４と吸引操作釦５が突設
されている。操作部３の下端部付近には、挿入部１内に
挿通された鉗子チャンネル（図示せず）に処置具類を挿
通するための鉗子口６が、斜め上方に向けて突設されて
いる。

【００１２】またその後部には、挿入部１内に挿通され
た噴射用送液路の入口７が後方に向けて突設されてお
り、洗浄水等が入った注射器８を、接続チューブ９を介
してその入口７に接続することができる。

【００１３】図１は、挿入部１の先端を、主要部が図示
されるように切断面を組み合わせた側面断面図である。
先端部本体２は、挿入部１先端に形成された湾曲部の最
先端の節輪１０に連結される金属製の内側本体２ａと、
その内側本体２ａが表面に露出しないように先側の半部
を占める電気絶縁性プラスチック製の外側本体２ｂとに
より形成されている。

【００１４】１２は対物光学系であり、その観察窓１３
は先端部本体２の先端面に前方に向けて形成されてい
る。１４はイメージガイドファイババンドルである。こ
のような観察光学系によって、先端部本体２の前方（図
１で左方）の物体を観察することができる。

【００１５】１７は、目標部位に対して強く噴射させる
ための洗浄水を通す噴射用送液チューブ。１８は、送気
送水操作釦４に接続された送気送水チューブであり、各
チューブ１７，１８の先端は先端部本体２に固着されて
いる。

【００１６】先端部本体２の外側本体２ｂの先側半部の
外周には凹凸溝２０が形成されていて、弾力性のあるゴ
ム製の先端カバー２１が、外側本体２ｂの先側半部を覆
うように、凹凸溝２０に着脱自在に嵌め込まれている。
この先端カバー２１は、弾性変形させることによって先
端部本体２の先端面側から着脱される。

【００１７】そして、送気送水チューブ１８の出口に続
く送気送水路出口２３に対向して、送気送水路を観察窓
１３の方に向ける観察窓洗浄用の送気送水ノズル２４
が、先端カバー２１に形成されている。

【００１８】また、噴射用送液チューブ１７の出口に続
く噴射用送液路出口２６に真直に連通するように、流体
噴出ノズル（ジェット噴射ノズル）２７が先端カバー２
１に形成されている。

【００１９】なお、図３の正面図に示されるように、送
気送水ノズル２４は、送気用ノズル２４ａと送水用ノズ
ル２４ｂとが別々に独立して設けられている。そして、
それに対応して送気送水チューブ１８と送気送水路出口
２３も、送気用１８ａ，２３ａと送水用１８ｂ，２３ｂ
とが別々に独立して設けられている。

【００２０】また、先端カバー２１は、各ノズル２４，
２７が形成された部分だけが内側に出張っていて、それ
によって、先端部本体２に対する嵌め込みの位置決めが
行われている。

【００２１】ノズル２４，２７の近傍において、図１に
示されるように、先端部本体２の外側本体２ｂとその前
端面を覆う先端カバー２１との係合面が、斜面２２に形
成されている。この斜面２２が形成された範囲は、図３
に破線で示されるように、各ノズル２４，２７の周辺の
部分である。

【００２２】この斜面２２は、いずれも先側へ向かうに
したがって外方に拡がる方向に向けて形成されている。
したがって、先端カバー２１が先端部本体２に取り付け
られた状態では、各ノズル２４，２７の周囲において、
この斜面２２によって、先端カバー２１が先端部本体２
の表面から前方へ浮きあがらないように機械的に押さえ
られている。

【００２３】したがって、噴射用送液チューブ１７又は
送水チューブ１８ｂを通じて、流体噴出ノズル２７又は
送水ノズル２４ｂから水を強く噴出させても、先端カバ
ー２１はノズル２４，２７の周囲で斜面２２によって浮
きあがりが妨げられているので、先端部本体２の外側本
体２ｂ表面に密着した状態を維持する。

【００２４】その結果、噴射用送液チューブ１７又は送
水チューブ１８ｂを通って送り出される水は、各ノズル
２４，２７ｂに達する前に漏れることなく、全量が所定
の正しい方向に噴出される。

【００２５】なお、図１に示されるように、ジェット噴
射ノズル２７の先端は、噴射用送液チューブ１７及び噴
射用送液路出口２６の流路断面積に比べて非常に細く絞
られている。

【００２６】したがって、図２に示される操作部３側の
噴射用送液路の入口７に注射器８を接続して、そこから
洗浄水を注入することによって、その洗浄水が噴射用送
液チューブ１７を通って、ジェット噴射ノズル２７から
前方の観察視野の方向に向けて噴射され、被観察部に付
着した汚物等が洗い流される。

【００２７】このように構成された実施例の内視鏡の先
端部においては、検査終了後には、先端カバー２１を弾
性変形させて先端部本体２から自由に取り外しすること
ができる。

【００２８】したがって、先端カバー２１に形成された
ジェット噴射ノズル２７と観察窓洗浄用の送気送水ノズ
ル２４とをよく洗浄することができると共に、図４に示
されるように、細い管路洗浄用ブラシ３０を噴射用送液
路出口２６及び送気送水路出口２３から噴射用送液チュ
ーブ１７及び送気送水チューブ１８内に挿入して、各管
路内をブラッシングにより完全に掃除することができ
る。

【００２９】図５は本発明の第２の実施例を示してお
り、第１の実施例に示された先端カバー２１の斜面２２
に、先端部本体２との間をシールするための小さな突出
部２５を、図６に示されるように、斜面２２の全幅にわ
たって形成したものである。

【００３０】このように構成すると、図７に示されるよ
うに、先端カバー２１に形成された突出部２５が斜面２
２において先端部本体２に強く密着するので、斜面２２
部分のシール性が増し、先端カバー２１と先端部本体２
との間の隙間への水の漏れ出しをより確実に防止するこ
とができる。

【００３１】なお、上記各実施例の先端カバーは使い捨
てのいわゆるディスポーザブルとして使用してもよい。

【００３２】

【発明の効果】本発明の内視鏡の先端部によれば、先端
部本体に対して着脱自在な先端カバーに流体噴出ノズル
を設けたので、内視鏡使用後には先端カバーを取り外し
て、流体噴出ノズルに連通する流体送通路内にノズル側
から掃除ブラシを挿入し、ブラッシングにより流体噴出
ノズル内側の流体送通路内を確実に掃除することができ
る。

【００３３】しかも、内視鏡使用中には、先端カバーに
形成された流体噴出ノズルから流体を噴出させたとき、
その圧力によって先端部本体から浮きあがろうとする先
端カバーの浮きあがりが、先端部本体と先端カバーとの
係合面に形成された斜面によって妨げられるので、ノズ
ルから所定の正しい方向に流体が噴出されて確実な洗浄
等を行うことができ、且つノズルの手前で水等が観察窓
の表面等へ漏れ出さず、きれいな観察視野を維持するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の側面断面図である。

【図２】本発明の第１の実施例の内視鏡の外観図であ
る。

【図３】本発明の第１の実施例の正面図である。

【図４】本発明の第１の実施例の掃除状態の側面断面図
である。

【図５】本発明の第２の実施例の先端カバーの側面断面
図である。

【図６】本発明の第２の実施例の先端カバーの正面図で
ある。

【図７】本発明の第２の実施例の側面断面図である。

【符号の説明】

２ 先端部本体 ２ｂ 外側本体 ２１ 先端カバー ２２ 斜面 ２４ 送気送水ノズル ２７ ジェット噴射ノズル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】弾性変形させることによって挿入部先端に
   設けられた先端部本体に対して着脱される先端カバーに
   流体噴出ノズルを形成した内視鏡の先端部において、 上記先端部本体と上記先端カバーとの係合面の少なくと
   も一部を、上記流体噴出ノズルから流体を噴出させたと
   きに上記先端部本体の表面から上記先端カバーが浮きあ
   がるのを妨げる向きの斜面に形成したことを特徴とする
   内視鏡の先端部。
2. 【請求項２】上記先端カバーの上記斜面に上記先端部本
   体との間をシールするための突出部が形成されている請
   求項１記載の内視鏡の先端部。