JP2006223714A - 内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】 処置範囲でジェット噴射口から噴出させた液体を処置具挿通チャンネルの延長線方向に確実に向ける。
【解決手段】 挿入部2の先端硬質部2aに設けたジェット噴射口14に通じる送液通路40からなるジェット噴射通路と、処置具導出口13に通じる処置具通路30及び処置具挿通チューブ31からなる処置具挿通チャンネルとは、近接した位置に配設されており、ジェット噴射通路42の先端側を傾斜通路部42aとなし、この傾斜通路部42aを処置具挿通路30側に向けて傾斜させており、傾斜通路部42aの延長線Fは、最短距離と最長距離との間で交差させる。
【選択図】 図5
【解決手段】 挿入部2の先端硬質部2aに設けたジェット噴射口14に通じる送液通路40からなるジェット噴射通路と、処置具導出口13に通じる処置具通路30及び処置具挿通チューブ31からなる処置具挿通チャンネルとは、近接した位置に配設されており、ジェット噴射通路42の先端側を傾斜通路部42aとなし、この傾斜通路部42aを処置具挿通路30側に向けて傾斜させており、傾斜通路部42aの延長線Fは、最短距離と最長距離との間で交差させる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、主に医療用として用いられる内視鏡に関するものであり、特に挿入部の前方に向けて液体を噴射させるジェット噴射口を設けた内視鏡に関するものである。
内視鏡には、その挿入部の先端から液体を供給する手段を備えている。この液体供給手段の代表的なものとして観察窓洗浄手段がある。この観察窓洗浄手段は挿入部の先端に設けた観察窓に体液等が付着して汚損されたときに、この汚損物を除去するためのものである。観察窓の洗浄のためには、洗浄液を観察窓の表面に沿って流れるようにするのが望ましい。このために、観察窓洗浄手段は、挿入部の先端面に、洗浄液をこの先端面とほぼ平行な方向にガイドするために、洗浄ノズルが装着される。
観察窓洗浄手段の他にも、例えば体腔内壁に薬液を散布したり、汚損されている体腔内壁を洗浄したりするための液体供給手段を設けたものもある。これは、ジェット噴射手段(ウォータジェット)と呼ばれるものであり、このジェット噴射手段は、観察窓が設けられている挿入部の先端の延長方向に向けて液体を噴射させるものである。ここで、ジェット噴射手段はあくまで補助的な液体供給手段であり、また体腔壁の汚損物を除去するために、高い噴射圧が要求される。このために、ジェット噴射手段の噴射口の開口径が小さくなっており、その噴射口から噴射される液体は指向性が高いものとなる。
ジェット噴射手段の主な用途としては、まず観察領域における体腔内壁の洗浄であり、また薬液や色素剤の散布にも用いられる。つまり、洗浄や薬液散布は内視鏡の観察手段で観察している領域に対して行われるものであり、従ってジェット噴射口からの液体の噴射方向は観察窓における光軸に近接した位置であって、しかもこの光軸と平行な方向に向けて噴射させるように構成するのが一般的である。ただし、内視鏡の構造から、ジェット噴射口から真っ直ぐ前方に液体を噴射させたのでは、観察窓の前方の部位を液体で洗浄できなくなってしまうことがある。このために、ジェット噴射手段において、ジェット噴射口に通じるジェット噴射通路を挿入部の軸線に対して所定角度斜めに形成する構成としたものも従来から知られている。
その一例としては、特許文献1にあるように、内視鏡の挿入部を太径化することなく、ジェット噴射を可能にするために、挿入部の先端にフードを着脱可能に装着して、このフードにジェット噴射口を形成する構成としている。従って、挿入部自体にはジェット噴射手段を設けない細径のものとなし、ジェット噴射を必要とする場合に限って、フードを装着させて体腔内に挿入するようになし、このジェット噴射が必要でない場合には、フードを装着しない状態で挿入部を体腔内に挿入する。フードは挿入部を囲繞するように装着されることから、ジェット噴射手段から真っ直ぐ前方に液体を噴射させたのでは、観察窓から離れた位置に液体が供給されることになる。従って、ジェット噴射手段による液体の噴射方向を観察窓の延長方向に向くように傾斜させるようにしている。
ジェット噴射手段の噴射方向に角度を持たせるように構成した他の例として、特許文献2がある。この特許文献2では、処置具挿通チャンネルを介して体内にレーザプローブを導いて体腔内壁の切開を行うようになっており、レーザプローブの先端が汚損されると、洗浄液をジェット噴射させてレーザプローブの先端面を洗浄する。従って、ジェット噴射手段の通路は処置具挿通チャンネルの方向の前方を向くように傾斜している。
特開2003−220018号公報
特開平1−204637号公報
特許文献2にあるような特殊な要請に基づいてジェット噴射手段の通路を傾ける場合はともかくとして、体腔内壁の洗浄という観点から、ジェット噴射手段を液体の噴射方向を観察視野の方向に向けるのが一般的であり、このために挿入部の先端面において、ジェット噴射口は観察窓に近接した位置に配置することになる。ここで、特許文献1にあるように、ジェット噴射口が挿入部の外周より外側に位置しているという極端な場合には、通路を傾斜させることが必須となるが、内視鏡の観察手段を構成する対物レンズは、広い範囲を視野に入れることから広角レンズが用いられ、挿入部の前方を観察する場合、挿入部の先端と体腔内壁との間をある程度距離をおいた位置に配置されることから、ジェット噴射口が観察窓から多少離れていても、液体を観察窓の光軸と平行な方向に噴射させることにより洗浄位置の確認は可能である。そして、挿入部の先端を動かしながら、例えば挿入部の先端硬質部にアングル部を連設したものにあっては、アングル部を湾曲操作することにより挿入部を動かしてジェット噴射口から洗浄液を噴射させれば、たとえ洗浄液の噴射時の指向性が高くても、観察窓から得られる視野範囲の広い範囲にわたって洗浄することができる。体腔内の観察や処置を行う前の段階で行う洗浄の場合には、最低限、ジェット噴射口から噴射される液体が観察視野に入っておれば良く、観察中心位置に近い方が望ましいとはいえ、観察中心から多少外れていても、体腔内を洗浄する上で格別支障を来たさない。
ところで、前述のようにして洗浄することによって、清浄になった体腔内壁を観察した結果、患部が発見されると、患部の切除等といった所要の処置が施される。この場合、高周波ナイフ等の処置具を処置具挿通チャンネル内に挿入して体腔内に導いて、この高周波処置具を操作して患部を切除する処置が行なわれる。この処置を行っている間に出血が生じると、患部等の観察に支障を来すおそれがある。従って、血液を除去するように操作するが、この操作はジェット噴射口から洗浄液を噴射させることにより行われる。ジェット噴射口からの洗浄液が観察窓の光軸中心と平行な方向に指向させるように構成されていると、挿入部の位置を調整しなければ、出血部を直接洗浄できない。このために、挿入部の位置を調整してジェット噴射液で出血部を洗浄するが、洗浄後に処置を続行する場合には、挿入部を元の位置に復帰させる必要があり、この操作が面倒であり、また時間的に無駄が多くなり、処置の長時間化という問題点が生じる。
特許文献2においては、ジェット噴射口から噴射される液体は、処置具挿通チャンネルの方向に向けられており、従って処置具による処置を行っている部位が出血する等、洗浄液を適用する必要がある場合には、挿入部を移動させなくても、洗浄液を出血部に供給することができる可能性はある。ただし、特許文献2の構成においては、あくまでレーザプローブの先端面を洗浄するための構成であるから、この先端面の洗浄効率性を確保するために、ジェット噴射通路の傾斜角を大きくしている。そうすると、挿入部の先端面と体腔内壁との間がある一定の間隔となっているときに、処置具による処置位置とジェット噴射口からの洗浄液の適用位置が一致するものの、挿入部と体腔内壁との間隔によっては、むしろ処置位置から洗浄液の適用位置が大きくずれてしまうという問題点がある。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、処置範囲でジェット噴射口から噴出させた液体を処置導出部の延長線方向に確実に向けるようにする。
前述した目的を達成するために、本発明は、挿入部の先端面に、照明光を出射する照明窓と、この照明窓からの照明光の照射下で観察するための観察窓と、処置具通路とが設けられ、さらに挿入部の先端面から前方に向けて液体を噴射するジェット噴射口を形成した内視鏡であって、前記ジェット噴射口の開口位置は前記処置具挿通部に最も接近しており、前記ジェット噴射口からの液体の噴射方向が前記処置具導出通路の延長線と交差する方向にガイドするように、前記挿入部の軸線に対して所定の角度傾斜させたジェット噴射通路とする構成としたことをその特徴とするものである。
ジェット噴射口から噴射される液体は体腔内壁に向けて進行するが、この体腔内壁への狙撃位置を処置位置乃至それに近接する位置とする。処置具による処置が行われる位置は観察窓の観察中心に近い位置であり、観察条件が良好な位置である。ジェット噴射口から真っ直ぐ前方に液体を噴射させるのではなく、液体の噴射方向を傾けることによって、処置具挿通チャンネルの延長線と交差させることはできる。ただし、交差位置の前後は液体の噴射位置と処置具挿通チャンネルの延長線位置とがずれることになる。そして、液体の噴射方向の傾き角が大きくなればなるほど、交差位置の前後におけるずれ量が大きくなってしまう。ジェット噴射口を処置具導出通路に近接させることによって、特に他の部材より最も近い位置とすることによって、ジェット噴射口に至るジェット噴射通路の角度を小さくすることができる。その結果、処置具導出通路の延長線における所定の長さ分はジェット噴射通路を処置位置にオーバーラップさせることができる。
ここで、処置具導出通路から処置具を導出させたときに、この処置具により処置を円滑に行うことができる範囲がある。即ち、処置具の操作は観察窓による観察下で行うことになり、観察窓の視野や焦点距離及び観察窓と処置具導出通路との相対位置関係等により観察窓を介して処置具の動きを正確に把握できる最接近距離が定まる。一方、処置具を用いて処置を行うに当っては、処置具導出通路から処置具を導出させるが、処置具は曲げ方向に可撓性を有していなければならないので、処置具の突出量が長くなれば、その分だけ曲がり易くなり、処置具に十分な操作トルクを作用させることができなくなるため、必要な処置を施すには処置具をあまり長く突出させることはできない。以上の点から、挿入部の先端面から処置具による処置を施すことができる最小距離と最大距離とは概略定まっている。従って、ジェット噴射口の噴射通路と処置具導出通路との交差位置をこの範囲内とする。具体的には、挿入部の先端面から4mm〜10mmの範囲が一般的である。
挿入部の先端面において、観察窓,処置具通路及びジェット噴射口との好ましい位置関係はある。これらの観察窓,処置具通路及びジェット噴射口の各々の中心を結ぶと三角形を構成するように設定する。そして、ジェット噴射口から観察窓の中心までの距離と、処置具通路の中心とを結ぶ線がほぼ等しい概略二等辺三角形を構成し、最も好ましいのは正三角形を構成する。しかも、この三角形の面積を最小限とする。このために、この三角形の領域の内部には、他の部材が入り込まない領域とするのが望ましい。
本発明は以上のように構成したので、ジェット噴射口から噴出させた液体は処置具挿通チャンネルの概略延長線方向に確実に向くようになり、処置具により処置を施すことにより汚損した部位を確実に、しかも効率的に洗浄できる等の効果を奏する。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1に内視鏡の全体構成を示す。図中において、1は本体操作部、2は体腔内への挿入部をそれぞれ示し、挿入部2は、先端側から、先端硬質部2a,アングル部2b及び軟性部2cから構成されている。
図2に挿入部2の先端硬質部2aにおける先端面を示す。同図から明らかなように、先端硬質部2aの先端には、左右一対の照明窓10,10が設けられており、これら両照明窓10,10間の位置に観察窓11が設けられている。従って、これら照明窓10及び観察窓11により内視鏡観察手段が構成される。先端硬質部2aには、また観察窓11が汚損されたときに、その洗浄を行うための洗浄ノズル12が装着され、さらに内視鏡観察手段により患部が発見されたとき等に、鉗子や高周波処置具を用いて所定の治療,止血,細胞採取等といった処置を施すために、処置具導出口13が開口している。さらにまた、先端硬質部2aには後述するように、ジェット噴射口14を開口させている。
図3に先端硬質部2aの縦断面を示し、また図4には図3のX−X断面を示す。これらの図から明らかなように、先端硬質部2aは、金属で形成され、複数の透孔を穿設した先端部本体3と、この先端部本体3の先端面を覆うように装着され、先端部本体3と同じ位置に複数の透孔を穿設した電気絶縁材としての硬質プラスチック等からなる先端キャップ4とから構成されている。そして、図示は省略するが、先端キャップ4の端面位置までアングル部2bの外皮チューブが延在される。
図示は省略するが、照明窓10は先端キャップ4の透孔に装着した照明レンズと、この照明レンズに臨むように配設したライトガイドとから構成される。ライトガイドは細い光ファイバを多数束ねたものから構成される。
観察窓11は図3から明らかなように、対物光学系と撮像手段とから構成され、先端部本体3から先端キャップ4にかけて穿設した透孔に対物光学系を構成する対物レンズ20の鏡胴21が挿嵌されるようになっており、先端にはレンズ機能を有するカバーガラス22が装着されている。対物レンズ20の光軸はプリズム23により90°曲折されて、その結像位置には撮像手段を構成する固体撮像素子24が配置されている。固体撮像素子24は基板25に搭載されており、この基板25には配線26が接続されている。
先端硬質部2aの先端面に開口する処置具導出口13は、先端部本体3から先端キャップ4にかけて穿設した処置具通路30の先端開口部である。処置具通路30には処置具挿通チューブ31が連結されている。処置具挿通チューブ31は曲げ方向に可撓性を有するチューブからなり、強度及び耐座屈性等の見地から、厚肉となっている。そして、この処置具挿通チューブ31を接続するために、先端部本体3に穿設した処置具通路30には接続パイプ32が挿嵌されており、この接続パイプ32は先端部本体3から後方に向けて突出しており、この突出部には処置具挿通チューブ31の先端部が嵌合され、また処置具挿通チューブ31の外周部には、抜け止めリング33が装着されている。この処置具挿通チューブ31の基端部は本体操作部1に設けた処置具導入部5に接続されている。従って、処置具挿通チューブ31及び処置具通路30によって、処置具挿通チャンネルが構成される。
さらに、洗浄ノズル12に接続される洗浄液供給路は、送液通路34aと送気通路34bとからなり、これら送液通路34a及び送気通路34bは洗浄ノズル12の手前位置で合流している。
この内視鏡にはジェット噴射手段を備えている。このジェット噴射手段は、挿入部2の先端硬質部2aに設けたジェット噴射口14を有するものであり、このジェット噴射口14から液体を噴射させるために、挿入部2から本体操作部1に至る間は可撓性チューブからなる送液通路40を備えており、このジェット送液通路40の基端部は本体操作部1に設けた注液部41に接続されている。この注液部41はシリンジや送液タンクからの供給チューブ等からなる液体供給手段が着脱可能に接続されるようになっており、従って連続的若しくは間欠的に液体をジェット噴射口14に供給できるようになっており、また供給液圧も制御できるようになっている。図5に示したように、送液通路40の先端部は先端部本体3に穿設した透孔からなるジェット噴射通路42に接続される。このために、接続パイプ43が用いられ、この接続パイプ43は送液通路40の先端が接続されている。そして接続パイプ43は途中で曲げられて、処置具挿通チャンネルから離間させた上で送液通路40に連結されている。また、ジェット噴射通路42は、先端部本体3の基端側は挿入部2の軸線と平行な方向に穿設されており、先端側では挿入部2の軸線に対して所定角度傾いた傾斜通路部42aとなっている。さらに、先端キャップ4の位置では、傾きは同一であるが、その孔径が縮径されており、ジェット噴射口14は細い絞り通路42bとなっている。
ジェット噴射手段は挿入部2の前方に向けて、所定の噴射圧で液体を噴射させるものであり、噴射される液体は洗浄液や薬液、色素剤等である。ここで、体腔内でジェット噴射を行う場合としては、挿入部2が対面している体腔内壁全体に液体を供給する場合と、所要の位置に集中して液体を噴射させる場合とがある。前者の場合の例としては、例えば体腔内壁において、観察しようとしている領域全体を清浄な状態とするために、汚損されている部位から汚損物を除去したり、また広い範囲で色素剤や薬液等を供給したりする場合である。一方、後者の例としては、体腔内に対して所定の処置を施している際に、出血が発生する等により観察窓11を介しての観察に支障を来たす程度に汚れたときに、この汚れを洗い流すためである。
処置を施している間に洗浄が必要なことが生じたときに、洗浄液を汚損箇所に供給するに当って、処置具を処置具導出口13内に引き込んで、汚損箇所を開放するように操作して、ジェット噴射口14から洗浄液をこの汚損箇所に向けて噴射させる。しかしながら、処置の正確性及び効率等を考慮すれば、挿入部2そのものの位置を移動させるのは好ましくはない。汚損箇所を洗浄した後に、再び処置具による処置を行おうとしても、処置すべき位置に挿入部2の先端を調整するのは困難であり、また煩雑でもある。従って、処置を施している位置に確実に洗浄液が及ぶように構成する必要がある。
内視鏡を用いて行う処置として、体腔内に存在する病変部を切除して除去する手技がある。例えば、処置具挿通チャンネルを介して高周波針状ナイフを挿入して、所定の範囲の粘膜を切断して患部を除去する処置は、被験者の負担が少なく、処置に要する時間も少なくて良い等という利点があることから、近年においては、広く実用化されている。このような処置を行うに当っては、安全性、確実性を確保するために、挿入部2の先端硬質部2aにフードを装着し、このフードの先端を体腔内壁に当接させることによって、挿入部2の安定性を確保するのが一般的である。従って、この場合には挿入部2の先端硬質部2aにおける先端面と体腔内壁との距離は常に一定の状態に保持される。また、患部を切開することから、切開箇所が出血することになる。従って、処置を円滑かつ安全に行い、患部の取り残し等がないようにするには、処置を施している部位について鮮明な画像を取得しなければならない。従って、出血が生じていると、頻繁に洗浄しなければならない。
而して、前述した目的に用いられるフードには、その長さ寸法の点において一定の制約がある。図6において、(a)に示したフード6は最短のフードである。フードの最短長さは観察窓11を介して処置具を確認できるか否かが基準となる。即ち、処置具を用いて処置を施すに当っては、その処置位置は必ず観察窓11による観察が行われることが必須である。対物レンズ20として広角レンズを使用したにしろ、観察窓11と処置具導出口13との位置の違いにより処置具が処置具導出口13からある程度導出されたときに、その先端が内視鏡観察手段の視野内に捉えることができる。そして、処置具の作動部、例えば高周波針状ナイフであればその刃部、鉗子であれば爪の全体等が内視鏡観察手段の視野内に確実に入る距離だけ挿入部2の先端を体腔内壁から離さなければならない。従って、最短長さのフード6の寸法が設定される。対物レンズ20の視野角や、観察窓11と処置具導出口13との間隔等にもよるが、一般的には挿入部2の先端面と体腔内壁との間の距離が3〜5mmの範囲、好ましくは4mm程度となる。
図6(b)に示したフード7は最長のフードである。挿入部2の先端面と体腔内壁との最大の間隔は処置具の操作に依存する。処置具は、一般に、曲げ方向に可撓性を有するコードの先端に爪やナイフ等の作動部を連結したものから構成され、処置具導入部5の外部から操作されることから、処置具が処置具導出口13からの突出量が長くなると、コードの先端に設けた作動部に必要な操作トルクを作用させるのが困難になり、この処置具の操作が実質的に不能になる。従って、処置具の操作が可能な突出長さが規制されることになる。図6(b)のフード7は最長のフードを示したものである。そして、ここに例示したフード7は、その内面には処置具を所定の方向に案内すると共に、ある程度の安定性を確保するための凹状のガイド部材7aが設けられており、かつ先細とするために、フード7の全体構成は裁頭円錐形状となっている。この場合、フード7の長さとしては、使用される処置具にもよるが、一般的には、10mm前後が限度であるとされている。
以上のことから、ジェット噴射口14から噴射される洗浄液は、前述した最短のフード6を用いる際にも、また最長のフード7を用いる場合にも、さらにその中間の長さのフードを用いる場合、さらにまたフードそのものを用いない場合であっても、挿入部2と対面している体腔内壁のうち、処置具が作用する部位、つまり処置具の作用により出血した部位に集中的かつ効率的に適用しなければならない。ただし、最短の距離以下及び最長の距離以上については、液体の噴射位置がずれても格別問題とはならない。
そこで、ジェット噴射口14に通じる送液通路40からなるジェット噴射通路と、処置具通路30及び処置具挿通チューブ31からなる処置具挿通チャンネルとを次のように設定している。まず、ジェット噴射口14から噴射される液体の方向は、観察窓10の光軸に近接させるのではなく、処置具導出口13の中心軸線Cに近接させる。ジェット噴射口14には送液通路40が接続されるが、この接続のために接続パイプ43が装着される。また、処置具挿通チャンネルの場合も同様であり、接続パイプ32が設けられている。さらに、通路そのものは先端部本体3に穿設されるが、この先端部本体3の強度を保持させる必要がある。従って、図5から明らかなように、処置具挿通路30及びジェット噴射通路42は、基端側の位置ではそれぞれ接続パイプが設けられているので、これらの全体の厚み分を考慮すれば、ジェット噴射通路42と処置具挿通路30との間には所定の間隔が生じる。そこで、この間隔を最小限に抑制し、もって処置具挿通路30とジェット噴射通路42とを最大限近接させる。
前述したように、それぞれ接続パイプ32,43を備えているにしても、これら接続パイプ32,43はジェット噴射通路42及び処置具挿通路30における先端部分にまで及んでいない。そこで、ジェット噴射通路42の先端側を傾斜通路部42aとなし、この傾斜通路部42aを処置具挿通路30側に向けて傾斜させている。そして、この傾斜通路部42aの延長線Fは最短距離と最長距離との間で中心軸線Cと近接した位置となる。
このように構成することによって、処置具導出口13から高周波ナイフ等の処置具を導出させて、体腔内に対して処置を施している間に、出血等によって処置を施している部位の状態を観察窓11により確認できない場合には、高周波の印加を一時中断したり、処置具を引き戻して体腔内壁から離間させた後に、ジェット噴射口14から洗浄液を噴射させることによって、体腔内壁から汚損物を洗い流すことができて、患部等の状況を正確に把握できる状態となる。そして、このように汚損物を洗い流した後には、再び処置具を前進させることによって、処置を継続することができるようになる。
ここで、ジェット噴射通路42と処置具挿通路30との間隔Dは最小限になっていることから、ジェット噴射通路42における傾斜通路部42aの角度が、例えば10°程度というように、浅いものであっても、最短距離から最長距離までのほぼ全長にわたって、処置具が作用している位置に向けて大量の洗浄液を供給できる。しかも、傾斜通路部42aの先端は絞り通路42bとなっているので、噴射圧を高くできると共に、噴射される液体にある程度の広がりを持たせることができるので、挿入部2と体腔内壁との距離如何に拘らず、効率的な液噴射を行うことができるようになる。
前述したようにジェット噴射口14から噴射される液体の方向は処置具導出口13から導出される処置具と密接な関係にあるが、処置具の操作及び液体のジェット噴射の状況を確認するために、観察窓11の視野に入るようにする必要がある。しかも、それらはできるだけ視野の中心近傍とすることで処置領域を視野の中心に位置させることができ、処置を行う上で望ましい。そこで、図2に示したように、処置具導出口13の中心と、ジェット噴射口14の中心と、観察窓11の中心とを結ぶ線が三角形状となるように設定するようになし、またジェット噴射口14を頂点とする二等辺三角形に近い形状となるのが望ましく、正三角形になるのが最も望ましい。そして、図2に斜線で示したように、この三角形の内部には他の部材が入り込まない領域として、これら各点をできるだけ近い位置とするのが最も好ましい。
2 挿入部 2a 先端硬質部
3 先端部本体 4 先端キャップ
6,7 フード 10 照明窓
11 観察窓 13 処置具導出口
14 ジェット噴射口 30 処置具通路
31 処置具挿通チューブ 40 送液通路
41 注液部 42 ジェット噴射通路
42a傾斜通路 42b 絞り通路
3 先端部本体 4 先端キャップ
6,7 フード 10 照明窓
11 観察窓 13 処置具導出口
14 ジェット噴射口 30 処置具通路
31 処置具挿通チューブ 40 送液通路
41 注液部 42 ジェット噴射通路
42a傾斜通路 42b 絞り通路
Claims (3)
- 挿入部の先端面に、照明光を出射する照明窓と、この照明窓からの照明光の照射下で観察するための観察窓と、処置具通路とが設けられ、さらに挿入部の先端面から前方に向けて液体を噴射するジェット噴射口を形成した内視鏡において、
前記ジェット噴射口の開口位置は前記処置具挿通部に最も接近しており、
前記ジェット噴射口からの液体の噴射方向が前記処置具導出通路の延長線と交差する方向にガイドするように、前記挿入部の軸線に対して所定の角度傾斜させたジェット噴射通路とする
構成としたことを特徴とする内視鏡。 - 前記ジェット噴射通路と前記処置具挿通部との交差位置は、前記挿入部の先端面から4mm〜10mmの範囲内であることを特徴とする請求項1記載の内視鏡。
- 前記挿入部の先端面において、前記観察窓の中心と前記処置具導出部の中心と、前記ジェット噴射口の中心とを結ぶ線は三角形を構成し、この三角形は前記ジェット噴射口から前記観察窓の中心までの距離と、前記前記処置具通路の中心とを結ぶ線が概略等しい二等辺三角形を構成し、かつこの三角形の領域の内部には、他の部材が入り込まない領域とする構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の内視鏡。
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2005
- 2005-02-21 JP JP2005043653A patent/JP2006223714A/ja active Pending
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