JP3890900B2 - 超音波内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者その他の被験者の体内等に挿入されて、体内の検査や診断を行うと共に、体内組織の状態を超音波検査できるようにした超音波内視鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被験者の体内の検査・診断を行うための装置としては、内視鏡及び超音波検査装置がある。内視鏡は体腔内壁表面の状態を検査するものであり、また超音波検査装置は体内組織の状態を検査するためのものである。さらに、内視鏡による観察機構に超音波検査機構を付加した超音波内視鏡も広く用いられている。超音波内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部の先端部分に、照明窓及び観察窓を形成した内視鏡観察機構と、超音波トランスデューサを装着した超音波検査機構とを設ける構成としたものである。
【0003】
超音波検査機構を構成する超音波トランスデューサは、その走査方式として、メカニカル走査方式の超音波トランスデューサと、電子走査式の超音波トランスデューサとがある。電子走査式の超音波トランスデューサを用いる場合には、超音波振動子が多数配列されるので、メカニカル走査方式のものより広い装着スペースを必要とする。特に、電子走査式の超音波トランスデューサを備えた超音波内視鏡にあっては、先端硬質部に設けられる内視鏡観察手段と超音波検査手段とのうち、超音波検査手段を内視鏡観察手段より先端側に配置するのが一般的である。
【0004】
挿入部は体内に挿入されるものであり、その挿入経路には狭窄部がある等の関係で、その全体、特に先端硬質部は概略円柱状となし、エッジや突出部等が生じない形状とするのが望ましい。内視鏡観察手段より先端側に超音波検査手段を配置する場合には、この内視鏡観察手段による観察視野は挿入部の軸線と直交する方向である側視型、または斜め前方を観察視野とする斜視型のものとなる。従って、挿入部の挿入方向前方を内視鏡観察手段の視野内に取り込むには、斜視型の内視鏡として構成しなければならない。
【0005】
超音波検査手段を内視鏡観察手段より先端側に配置し、かつ内視鏡観察手段の観察視野が斜め前方となった斜視型とする場合には、挿入部の先端硬質部に傾斜面を設けなければならない。先端硬質部の外周面から外方への突出部を設けるのは挿入操作性等から望ましくはないことから、先端硬質部の外周面を斜め下方に切り込むように斜面部を形成し、この斜面部に内視鏡観察手段を設けることになる。内視鏡観察手段を設けた斜面部より前方側の位置に超音波検査手段を構成する超音波トランスデューサが装着される。この超音波トランスデューサが装着される部分は平坦面とすることもできるが、超音波検査範囲、つまり超音波観測視野をできるだけ広くするためには、超音波トランスデューサを構成する所定数の超音波振動子を凸湾曲形状に配列する。このように配置することによりコンベックス電子走査が行われる。
【0006】
従って、先端硬質部は、その外周面から斜め前方に立ち下がる斜面部と、この斜面部の前方位置で一度立ち上がり、頂部から前方に向けて立ち下がるようにした凸湾曲形状となった湾曲面部とを有する形状となる。斜面部に内視鏡観察手段が設けられ、湾曲面部にその頂部を含む前後の位置に超音波トランスデューサが装着される。内視鏡観察手段の構成としては、少なくとも照明窓と、観察窓とを備えたものとなる。照明窓は、体内における観察視野の全体をできるだけ均等に照明するために、観察窓を挟んだ左右両側に設けるのが一般的である。内視鏡観察手段及び超音波検査手段により患部等が発見された時には、鉗子や高周波処置具等といった内視鏡観察手段の観察下で使用される処置具や、穿刺針を有する穿刺処置具といった超音波検査手段の観察下で使用される処置具を用いて治療や組織採取等の処置を施される。このように処置具を挿通するの処置具挿通チャンネルが挿入部内に設けられ、この処置具挿通チャンネルの先端は先端硬質部において処置具導出口として開口させるようにする。処置具導出口から突出する処置具を内視鏡観察手段及び超音波検査手段の視野に入れる必要がある関係から、この処置具導出口は、その全体乃至大半の部分が斜面部に開口させる。
【0007】
観察窓により得られる体内の観察視野は常に良好に保つ必要があり、観察窓の表面に体液その他の汚損物が付着すると、直ちにこの汚損物を洗い流すようにしなければならない。このために、洗浄水及び加圧エアを噴射するノズルを設け、このノズルから観察窓に向けて洗浄水を噴射させて汚損物を除去し、次いで観察窓に残存する水滴等を加圧エアで吹き飛ばすようにする。従って、前述した照明窓,観察窓及び処置具導出口と共にノズルが斜面部に装着される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
体内への挿入操作性などの観点から、挿入部はできるだけ細径化する必要があり、斜面部の面積は限られたものとなる。内視鏡による観察視野は挿入部のできるだけ中央位置にある方が望ましく、このためには観察窓は斜面部の中央に配置する。観察視野の全体にわたって照明むらが発生しないよにするために、照明窓は観察窓の左右両側に配置する。処置具導出口は観察窓のほぼ真下の位置に配置するのが処置具の操作性等の点で望ましい。ノズルは観察窓に向けて洗浄用流体を噴射するものであるから、その配設位置は観察窓と密接な関係がある。
【0009】
以上のことから、従来技術においては、ノズルも斜面部に配置するようにしている。ただし、このノズルの配設位置は極めて限定されたものとなり、具体的には、観察窓の上部乃至斜め上部位置にしかノズルを配置できないことになる。しかも、ノズルは内視鏡観察手段による観察視野に入り込まないようにするには、斜面部からの突出高さが制約される。このために、ノズルの噴射口からの洗浄液及び加圧エアの流れ方向は斜面部の表面に沿ったものとなり、かつノズル自体も小型化しなければならない。このために、噴射口の開口幅が制約され、観察窓の全面を効率的に洗浄できなくなる可能性があり、多量の洗浄水を噴射させなければならなくなる。また、噴射口から噴射される洗浄液や加圧エアは斜面部の表面に沿って上方または斜め上方から下降する方向に流れるようになる。この方向に洗浄水を流すと、斜面部と、この斜面部の下端部から立ち上がる湾曲面部との間に洗浄水が溜る可能性があり、このように滞留した洗浄水により内視鏡観察手段による観察に支障を来すおそれがある。また、観察窓とほぼ平行に洗浄用流体を流すと、特に加圧エアを観察窓とほぼ平行な方向に向けて噴射すると、この観察窓に付着している水滴等に対して十分な圧力を作用させることができず、水滴等の除去が困難になるという問題点もある。
【0010】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、内視鏡観察視野を制限することがないようにノズルを装着し、かつこのノズルから少量の洗浄用流体を噴射させるだけで、内視鏡観察手段を構成する観察窓の全体を迅速かつ確実に洗浄できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、挿入部の先端硬質部に、その軸線に対して前方側に立ち下がるように傾斜した第1の装着部と、この第1の装着部の下端部の前方から立ち上がり、頂部から前方に向けて下方に傾斜するように凸湾曲形状とした第2の装着部を形成し、前記第1の装着部には少なくとも照明窓と観察窓とを有する内視鏡観察手段を設け、また前記第2の装着部には超音波トランスデューサを装着した超音波内視鏡であって、前記観察窓を洗浄するための洗浄用流体を噴射するノズルが前記第2の装着部を含む位置に装着されており、このノズルには前記観察窓表面に対して斜め前方から洗浄用流体を噴射する噴射口が形成され、しかも前記ノズルは前記第2の装着部の表面から突出しており、この突出高さ位置は、前記観察窓による観察視野内であって、前記先端硬質部が映し出される映像領域内に収まる範囲内とする構成としたことをその特徴とするものである。
【0012】
超音波トランスデューサは先端硬質部の第2の装着部に装着されるが、この超音波トランスデューサの装着領域は第2の装着部の全体に及ぶのではなく、この第2の装着部において、第1の装着部への移行部分には超音波トランスデューサが配置されていない領域がある。この移行部分は湾曲していても良いが、斜め上方に立ち上がる傾斜平面として構成することもできる。いずれにしろ、ノズルはこの移行領域を含む位置に装着されるから、第1の装着部に設けるより広い領域を使用することができる。従って、観察窓全体を有効に洗浄できる大きさのノズルを装着できる。また、ノズルは第2の装着部から突出しているので、観察窓の表面と平行な方向ではなく、この観察窓表面に対して斜め前方から洗浄水及び加圧エアを噴射することができる。その結果、少量の洗浄用流体をもって観察窓をより迅速かつ確実に洗浄することができる。また、洗浄水を噴射した時に、第1の装着部と第2の装着部との間に洗浄水が溜ったとしても、加圧エアをノズルから噴射させることによって、溜った洗浄水が円滑に除去される。
【0013】
ここで、第1の装着部には、内視鏡観察手段を構成する照明窓及び観察窓に加えて、穿刺処置具を導出させる処置具導出用開口を形成する構成としたものがある。この場合には、ノズルは処置具導出用開口の延長部を避けた位置に配置することになる。ノズルは観察窓が装着されている部位と超音波トランスデューサが設けられている部位との間に配置され、具体的には第2の装着部の立ち上がり部分、また第1の装着部から第2の装着部への移行部が傾斜したまたは平坦な平面になっていると、この平面部に装着することができる。また、この位置から第1の装着部寄りで、一部分が第1の装着部にかけた位置に配置させても良い。そして、噴射口はノズルを装着した面から突出するように装着される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の一形態について説明する。まず、図1は超音波内視鏡の全体構成を示す。図中において、1は超音波内視鏡を示し、この超音波内視鏡1は、術者等が手で把持して操作するための本体操作部2に体腔内への挿入部3を連設したものであり、挿入部3は、その本体操作部2への連設側から大半の長さ部分が挿入経路に沿って任意の方向に曲がる軟性部3aであって、この軟性部3aにはアングル部3bが、さらにアングル部3bの先端には先端硬質部3cが連設されている。さらに、本体操作部2の挿入部3の延在方向とは反対方向に接眼部4が設けられている。そして、本体操作部2からはユニバーサルコード5が引き出されており、このユニバーサルコード5は、図示は省略するが、少なくとも光源装置及び超音波観測装置に着脱可能に接続される。
【0015】
図2に挿入部3の平面を、また図3にその断面をそれぞれ示す。これらの図から明らかなように、先端硬質部3cには、その外周面の途中位置から前方に向けて斜め下方に立ち下がる斜面部からなる第1の装着部Sが形成されており、この第1の装着部Sの前方には凸湾曲状となった第2の装着部Cが形成されている。ここで、第2の装着部Cは、第1の装着部Sの下端部から直接立ち上がるようにしても良いが、本実施の形態では、その間の移行部として、斜め上方に立ち上がる傾斜平面の部分を有するものとしている。
【0016】
先端硬質部3cにおける第1の装着部Sには内視鏡観察手段10が設けられ、第2の装着部Cの位置には、その頂部を含む前後の位置に超音波検査手段11が形成される。第1の装着部Sに装着した内視鏡観察手段10は、観察窓12と、この観察窓12の左右両側に設けた照明窓13,13とから構成される。図3に示したように、観察窓12からの観察視野の中心線A1 は、挿入部3の中心軸線A2 に対して所定角度だけ傾いた斜視型となる。また、この観察窓12による観察視野範囲はWという広角のものであり、挿入部3の軸線の延長線方向も視野に入れることができるようになる。
【0017】
観察窓12には、対物レンズ14が設けられるが、この対物レンズ14の結像位置には光ファイバ束からなるイメージガイド15の入射端が配置される。イメージガイド15は、挿入部3から本体操作部2を経て接眼部4にまで延在されている。なお、挿入部内の対物レンズ14の配設位置近傍にスペース的な余裕があれば、このイメージガイドに代えて、対物レンズの結像位置に固体撮像素子を配置した、所謂電子内視鏡として構成することもできる。
【0018】
また、照明窓13には、照明用レンズが設けられ、この照明用レンズには光ファイバ束からなるライトガイド(図示せず)の出射端が臨み、このライトガイドの他端は本体操作部2を経てユニバーサルコード5内に挿通されている。このユニバーサルコード5を光源装置に接続すると、光源装置からの照明光がライトガイドにより照明窓13にまで伝送されて、この照明窓13から体内に向けて照明光が照射されることになる。
【0019】
超音波検査手段11は、先端硬質部3cに形成した第2の装着部Cに装着されており、この第2の装着部Cは内視鏡観察手段10を装着した第1の装着部Sより先端側に位置している。超音波検査手段11は超音波トランスデューサ16を有するものである。超音波トランスデューサ16は多数の超音波振動子17を挿入部3の軸線方向に向けて多数並べる構成としたものである。そして、超音波トランスデューサ16は、第2の装着部Cにおいて、その頂部を含む前後に配置されており、超音波走査範囲は扇形となった、所謂電子コンベックス走査が行われる。
【0020】
先端硬質部3cには、内視鏡観察手段10と超音波検査手段11との間の位置に処置具を導出させるための処置具導出口18が開口している。この処置具導出口18は、その大半が第1の装着部Sに開口しており、この処置具導出口18の前方位置には、処置具を所定の角度状態にして導出させるための処置具案内溝19が形成されている。このために、処置具案内溝19は、内視鏡観察手段10を設けた部位と超音波検査手段11を設けた部位との間の移行部をに設けられている。先端硬質部3cにおけるこの部分を傾斜平面としたのは、電子コンベックス走査を行うために超音波振動子17を凸湾曲形状に配列しなければならない超音波トランスデューサ16が装着されておらず、必ずしも湾曲させる必要がないからである。ただし、この移行部分には、必ずしも平面部を設ける必要はなく、第1の装着部Sから直接凸湾曲形状に立ち上がらせても良い。
【0021】
そして、処置具導出口18には処置具挿通パイプ20,可撓性のあるチューブ材からなる処置具挿通チャンネル21が順次接続されており、処置具は処置具挿通チャンネル21から処置具挿通パイプ20を経て処置具導出口18から突出することになる。処置具案内溝19は、処置具を第2の装着部Cの立ち上がり角度より大きな角度で、つまり超音波トランスデューサ16の斜め上方に向けて突出させるように案内するためのものである。
【0022】
処置具導出口18から突出される処置具としては、鉗子や高周波処置具等のように、体腔内で作動し、内視鏡観察手段10による観察下で操作されるものがあるが、穿刺処置具のように、体内に刺し込まれる関係から、超音波検査手段11による観察下で操作されるものもある。従って、処置具は、処置具導出口18から内視鏡観察手段10による観察視野の前方位置に向けて突出するものであり、しかも処置具導出口18から所定長さ突出すると、超音波検査手段11による観測視野内に入ることになる。
【0023】
内視鏡観察手段10における観察窓12は常に清浄な状態となし、体液等の汚損物が付着した時には、挿入部3を体外に取り出すことなく、汚損物等を洗い落とすようにする必要がある。このために、観察窓12に向けてノズル22が装着されており、このノズル22には挿入部3内に設けた洗浄用流体供給路(図示せず)が接続されている。観察窓12を洗浄する洗浄用流体としては、通常、洗浄水と加圧エアとが用いられる。洗浄水は観察窓12に付着した汚損物を洗い流すためのものであり、加圧エアは汚損物を洗い流した後に、この観察窓12に付着している水滴等を吹き飛ばすようにして除去するためのものである。従って、観察窓12が汚れた時には、まず洗浄水がノズル22の噴射口22a(図4参照)から噴射され、次いで加圧エアが噴射される。
【0024】
ノズル22は、内視鏡観察手段10を構成する観察窓12等が設けられる第1の装着部Sと、超音波観測機構部11を構成する超音波トランスデューサ16が装着されている第2の装着部Cにおける基端側の傾斜平面部Pの位置に装着されている。ここで、傾斜平面部Pには、処置具導出口18からの処置具案内溝19が設けられており、処置具導出口18は、観察窓12の直下位置に開口している。従って、ノズル22は処置具案内溝19の左右いずれかの位置に配置され、図2に示したように、観察窓12に対しては斜め横方向から洗浄用流体が噴射されることになる。しかも、図4に示したように、ノズル22の噴射口22aは観察窓12に対して斜め下方に位置しており、この噴射口22aからは観察窓12に対して角度α方向から洗浄用流体が噴射されることになる。
【0025】
このように、ノズル22は内視鏡観察手段10が設けられる第1の装着部S及び第2の装着部Cのうちの超音波検査手段11の装着部ではなく、処置具を案内するために、第2の装着部Cの傾斜平面部Pに設けられており、この傾斜平面部Pにはその概略中央部に処置具案内溝19が設けられるだけで、その左右両側部には格別の部材が装着されていない。従って、このデッドスペースをノズル22の装着部として利用していることから、ノズル22は他の部材と干渉することがなく、観察窓12を効率的に洗浄できる大きさとなし、また噴射口22aの開口幅を広く取ることができる。しかも、ノズル22の噴射口22aは観察窓12の表面に対して概略平行な方向ではなく、斜め前方から噴射されるので、その噴射圧を観察窓12に有効に作用させることができ、洗浄水の噴射による汚損物の除去及び加圧エアの噴射による洗浄水の水滴等を吹き飛ばす作業を効率的に行えることになる。従って、少量の洗浄用流体を噴射させるだけで、容易に、しかも迅速かつ確実に観察窓12の洗浄を行うことができる。
【0026】
以上のように、ノズル22を傾斜平面部Pから突出させると、特に観察窓12に洗浄用流体を有効に作用させることができる程度にまで突出させると、観察窓12から得られる前方視野を妨げることになる。しかしながら、観察窓12は先端硬質部3cの外周面から切り込まれた第1の装着部Sに配置されており、その前方位置の超音波トランスデューサ16を設けた部分は凸湾曲形状に突出した第2の装着部Cとなっているので、元々観察視野はこの第2の装着部Cにより制約される。傾斜平面部Pは観察窓12の装着部より低い位置から立ち上がっているから、ノズル22を第2の装着部Cの頂部より低い位置に配置することは可能である。従って、図5に示したように、観察窓12からの観察視野に第2の装着部Cが位置する部分、つまり観察窓12からの視野中に先端硬質部3cが映し出される範囲内にノズル22の像が映し出される高さだけ突出させており、その結果、ノズル22が観察窓12における観察視野を制約することはない。
【0027】
また、このノズル22は第1の装着部Sの上端部と、第2の装着部Cの頂部とを結ぶ面の内側に配置されており、しかも噴射口22aは観察窓12方向を向いている。従って、挿入部3を体内に挿入する際に、ノズル22が体腔内壁に引っかかるおそれはない。特に、ノズル22の挿入部3の挿入方向における先端側に向く面を曲面形状とすることによって、たとえ体腔内壁にノズル22が当接したとしても、この体腔内壁を損傷させる等のおそれはない。
【0028】
前述した実施の形態では、ノズルは傾斜平面部において、処置具案内溝を避けるように、観察窓に対して斜め方向から洗浄用流体を噴射させるようにしたものとしたが、処置具導出口が設けられていない場合、または観察窓の直下位置に処置具導出口が設けられていない場合には、ノズルは観察窓の直下位置に配置することができる。さらに、図6に示したように、ノズル122を第1の装着部S及びその内側を含み、観察窓112の下部位置から第2の装着部Cにおける傾斜平面部Pへの移行部において、この傾斜平面部Pから突出するように設けても良い。そして、ノズル122内の通路は洗浄用流体を挿入部103の軸線方向から方向転換して、観察窓112の表面に対して斜め前方から洗浄用流体を噴射させるように構成することもできる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上のように、内視鏡観察手段を設けた斜面部からなる第1の装着部の前方に位置する第2の装着部を含む位置に設ける構成としたので、内視鏡観察視野を制限することがないようにノズルを装着し、かつこのノズルから少量の洗浄用流体を噴射させるだけで、内視鏡観察手段を構成する観察窓の全体を迅速かつ確実に洗浄できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す超音波内視鏡の全体構成図である。
【図2】挿入部の先端部分の平面図である。
【図3】挿入部の先端部分の縦断面図である。
【図4】ノズルの装着部を示す構成説明図である。
【図5】内視鏡観察手段を構成する観察窓の視野を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示すノズルの装着部の構成説明図である。
【符号の説明】
1 超音波内視鏡 3,103 挿入部
3c 先端硬質部 10 内視鏡観察手段
11 超音波検査手段 12,112 観察窓
13 照明窓 16 超音波トランスデューサ
18 処置具導出口 22,122 ノズル
22a,122a 噴射口
S 第1の装着部 C 第2の装着部
P 傾斜平面部
Claims (4)
- 挿入部の先端硬質部に、その軸線に対して前方側に立ち下がるように傾斜した斜面部からなる第1の装着部と、この第1の装着部の下端部の前方から立ち上がり、頂部から前方に向けて下方に傾斜するように凸湾曲形状とした湾曲面を含む第2の装着部とを形成し、前記第1の装着部には少なくとも照明窓と観察窓とを有する内視鏡観察手段を設け、また前記第2の装着部には超音波トランスデューサを装着した超音波内視鏡において、
前記観察窓を洗浄するための洗浄用流体を噴射するノズルが前記第2の装着部を含む位置に装着されており、
このノズルには前記観察窓表面に対して斜め前方から洗浄用流体を噴射する噴射口が形成され、
しかも前記ノズルは前記第2の装着部の表面から突出しており、この突出高さ位置は、前記観察窓による観察視野内であって、前記先端硬質部が映し出される映像領域内に収まる範囲内とする
構成としたことを特徴とする超音波内視鏡。 - 前記第1の装着部には穿刺処置具を導出させる処置具導出用開口が形成されており、前記ノズルはこの処置具導出用開口の延長部を避けた位置に配置する構成としたことを特徴とする請求項1記載の超音波内視鏡。
- 前記ノズルは前記第2の装着部に、その表面から突出する状態に装着する構成としたことを特徴とする請求項1記載の超音波内視鏡。
- 前記ノズルは前記第1の装着部と前記第2の装着部との移行部を含む位置に配置され、第2の装着部の表面から突出させて設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載の超音波内視鏡。
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