JP3623270B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、医療用,工業用として用いられ、処置具挿通路を有し、観察を行うと共に、処置具を用いて体腔内の処置や配管内での異物回収などを行う、カバーを被覆することなく使用する内視鏡またはカバーを被覆して使用するカバー式の内視鏡の少なくとも一方を備える内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、医療分野あるいは工業分野で内視鏡が広く利用されている。
例えば、本出願人は、特願平6−103088号に患者の苦痛を軽減するため、内視鏡の挿入部を覆う内視鏡カバーに備えられ、内視鏡の挿入部に沿って配置される処置具挿通路の内視鏡挿入部の太径部に隣接する部分を、半径方向に変形可能な材質で形成し、太径部に隣接する部分のみが膨大する部分となるようにしたカバー方式の内視鏡装置を提案している。
【0003】
また、実公平4−15204号公報には先端硬質部における部位を湾曲管部とすることによって、この先端硬質部に配設されたる処置具挿通チャンネルを、前記先端硬質部に装着される他の内蔵物に干渉することなく周り込ませるように配設することができ、先端硬質部における内蔵物の配置及びレイアウトの自由度を確保することによって、コンパクトに収納することができるようになり、先端硬質部の外径を小さくすることを可能にする内視鏡の処置具挿通用チャンネルが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特願平6−103088号のカバー方式の内視鏡装置では、カバー先端部の挿入部長手方向の長さが長いため、処置具挿通路である吸引チャンネルとカバー先端部との接続部から、カバー用内視鏡の太径部までの距離が非常に短いため、この間で吸引チャンネル位置を径方向に急激に変位させる構成になるため、処置具挿通路へ処置具をスムーズに挿通させることが難しかった。また、カバー先端部の挿入部長手方向の長さを短くした構成ではカバー先端部と、挿入部カバー外皮や送気チャンネルあるいは送水チャンネルとの接合長が短くなってしまうので、前記接合部の接続強度を確保することが難しくなるばかりでなくさらに、カバー用内視鏡の先端硬質部との嵌合長が短くなって、先端硬質部がカバー先端部に対してガタついてしまったり、嵌合が不十分で所望の観察性能を得られなくなるおそれがある。
【0005】
一方、前記実公平4−15204号公報に示される内視鏡の処置具挿通用チャンネルでは、本体部の挿入部長手方向の長さが長いため、処置具挿通路である処置具挿通チャンネルの湾曲管部と本体部との接続部から、制御回路基板など内蔵物の密度が高い部分までの距離が非常に短くなって、処置具挿通チャンネルの位置を短い距離の間で径方向に急激に変位させる構成になっていた。このため、処置具挿通チャンネルへの処置具の挿通が困難であった。また、本体部の挿入部長手方向の長さを短くした構成では本体部と連結金具や一般的にアングル部に外装されるエラストマーなどからなる比較的柔軟な弾性部材や送気管路あるいは送水管路や本体部に外装される樹脂などからなる比較的硬質の絶縁部材などとの接合長が短くなり、これら接合部の接続強度が確保できなくなったり、光学系を収納できなくなるという不具合が発生する。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡の機能を損なうことなく、処置具の処置具挿通路への挿通が容易で、且つ内視鏡挿入部を細径にした内視鏡を備えた内視鏡装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の内視鏡装置は、内視鏡の挿入部の先端側に配置された先端構成部に設けた処置具突出口と、前記内視鏡の挿入部の基端側に配置された操作部の近傍に設けた処置具挿入口とを連通する少なくとも1本の処置具挿通路を前記挿入部内に挿通する内視鏡を備えた内視鏡装置であって、前記処置具挿通路が設けられる先端構成部の処置具挿通路の周囲に、長手軸方向に平行で前記先端構成部の基端側から先端側に、外周面側に開口を有する切欠き部を設け、前記処置具挿通路をこの切欠き部が設けられる部位において先端構成部の処置具挿通路の固定部より径方向外側に変位可能に配置し、前記挿入部の基端側に挿通したことを特徴とし、前記処置具挿通路は、内視鏡の挿入部の径方向内側に変位させて処置具突出口に挿通されることを特徴とする
この構成によれば、先端構成部の長手軸方向に平行で、外周面側に開口を有する先端構成部の基端側から先端側に細長な切欠き部を形成した空間部に、処置具挿通路が自由度を有して配設される。
【0008】
請求項2に係る発明の内視鏡装置は、 カバー用内視鏡と、このカバー用内視鏡に着脱自在に外装される処置具突出口を設けた先端カバー部材及び処置具挿入口と少なくとも1本の処置具挿通路とを有する内視鏡カバーから構成されるカバー式内視鏡を備えた内視鏡装置において、前記処置具挿通路が設けられる先端カバー部材の処置具挿通路の周囲に、長手軸方向に平行で、この先端カバー部材の基端側から先端側に、外周面側に開口を有する切欠き部を設け、前記処置具挿通路をこの切欠き部が設けられる部位において先端カバー部材の処置具挿通路の固定部より径方向外側に変位可能に配置し、内視鏡挿入部の基端側に挿通したことを特徴とし、また、前記カバー式内視鏡の先端部における先端構成部の基端部には他の部分よりも太径な太径部が形成され、前記処置具挿通路がこの太径部と隣合って配設される位置に対し、前記先端カバー部材と処置具挿通路との接続部の位置を内視鏡装置の挿入部の径方向内側に変位させて処置具挿通路を処置具突出口に挿通したことを特徴とする。
【0009】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1ないし図11は本発明の第1実施例に係る内視鏡であり、図1はカバー式内視鏡の概略構成を示す斜視図、図2はカバー式内視鏡の先端部の構成を示す断面図、図3は先端カバー部材の基端面側を示す説明図、図4は先端構成部の先端面を示す説明図、図5は遮光部と遮光溝との関係を説明する断面図、図6は先端構成部への対物レンズ枠の取付けを説明する断面図、図7は照明レンズカバーと先端カバー部材との関係を説明する断面図、図8は先端カバー部材に照明レンズカバーを配設した状態を示す断面図、図9は先端カバー部材に形成した照明レンズカバー受け部を示す説明図、図10は先端カバー部材と先端構成部との係止部及び処置具挿通路である鉗子挿通チャンネルの配置構成を説明する断面図、図11は図10のI―I断面図である。尚、内視鏡を、まずカバー式内視鏡で説明する。
【0010】
図1に示すように本実施例のカバー式内視鏡1は、内視鏡カバー(以下カバーと略記)2と、このカバー2に装着される内視鏡カバー用内視鏡(以下カバー用内視鏡と略記)3との組み合わせからなっている。
【0011】
このカバー式内視鏡1を用いて内視鏡検査を行う際は、滅菌処理済みの清潔なカバー2によってカバー用内視鏡3の挿入部などを覆い、検査終了後にはカバー用内視鏡3の挿入部などを覆っていたカバー2を廃棄する一方、前記カバー用内視鏡3を新しい滅菌処理済みの清潔なカバー2で再び覆い、繰り返し使用されることが特徴となる。このことにより、検査後における内視鏡側の洗浄、消毒を不要とするものである。
【0012】
前記カバー用内視鏡3は、細長の挿入部4の基端側に把持部を兼ねた操作部5を連設している。また、前記挿入部4の先端側には先端構成部6が設けられている。
【0013】
一方、前記カバー2は、前記カバー用内視鏡3の挿入部4を覆い被す軟性の外皮7を有しており、この外皮7の基端側には処置具挿通路となる鉗子挿入口8aを有する口体部8が設けられている。この口体部8は、前記操作部5の先端側外周を包み覆うように接続される。前記外皮7の先端側には前記カバー用内視鏡3の先端構成部6の外周面に着脱自在に係合固定可能で、この先端構成部6を被覆する先端カバー部材9が設けられている。
【0014】
なお、前記カバー用内視鏡3の先端構成部6の基端側には湾曲部10が連接している。また、操作部5の側面部からは図示しない光源装置に向かってユニバーサルコード11が延出している。符号14は送水用管路を形成する送水チューブであり、符号12は送気用管路を形成する送気チューブであり、符号13は吸引管路を形成する吸引チューブである。
【0015】
図2に示すように前記カバー用内視鏡3の先端構成部6には観察対象物を撮像するため、対物レンズ枠15に保持された対物レンズ系16とこの対物レンズ系16の結像位置に配置されて観察視野像を電気信号に変換する固体撮像素子17及び撮像回路部18とが設けられている。この撮像回路部18の基端側からは画像信号を図示しない画像コントロールユニットへ伝達する信号ケーブル19が延出している。
【0016】
前記カバー2の先端カバー部材9には前記対物レンズ系16の最先端部に設けた先端側レンズ16aに対向する位置に、透明な光学部材からなる対物レンズカバー21が対物レンズカバー枠22に嵌合して接着などにより固定されている。この対物レンズカバー枠22には前記対物レンズカバー21を保持するための対物レンズカバー受け部22aが設けられている。この対物レンズカバー受け部22aは、強度を確保するため厚さ寸法aが少なくとも0.1〜1mmの範囲の厚みとなるように形成されている。
【0017】
前記対物レンズ枠15の先端面と先端側レンズ16aの先端面とは略同一面になるよう位置決め固定されている。また、前記対物レンズ枠15及び先端側レンズ16aは先端構成部6の先端面より、前記対物レンズカバー受け部22aの厚さaと同量だけ突出して先端構成部6に位置決め固定されている。
【0018】
前記先端構成部6の先端面は、図3に示す先端カバー部材9の基端側の突き当て面31に当接して固定されるようになっている。また、前記突き当て面31には凸形状の遮光部32が形成されている。一方、図4に示すように前記付き当て面31に対向する先端構成部6の先端面には前記遮光部32に対向する位置に凹状の遮光溝41が形成してある。
【0019】
すなわち、前記先端構成部6の先端面が先端カバー部材9の基端側の突き当て面31に当接して固定されるとき、前記遮光部32が遮光溝41に嵌合する。このため、図示しない光源装置からライトガイド24を介して伝達されて照明レンズ24a及び先端カバー部材9に配設した照明レンズカバー23を介して体腔内に向かって照明光を照射するとき、先端カバー部材9や照明レンズカバー23の内面に反射して反射光が発生しても、この反射光は遮光部32によって光路を妨げられて先端側レンズ16aへ入射しない。
【0020】
なお、図5に示すように、前記遮光部32の突出量bと、前記遮光溝41の深さcとの間にはb≦cの関係が成り立ている。このため、遮光部32が遮光溝41の底面に突き当たらないので、先端構成部6の先端面と先端カバー部材9の突き当て面31とが確実に突き当たる。このことから、先端側レンズ16aと対物レンズカバー21との間隙及び照明レンズ24aと照明レンズカバー23との間隙を確実に微少にすることができる。また、前記遮光部32及び遮光溝41の配置位置関係は、前記先端構成部6に設けられた先端側レンズ16aと照明レンズ24aとの干渉を避けるため、先端構成部6の先端側レンズ16aと照明レンズ24aとの間に遮光溝41を設ける一方、前記先端カバー部材9に設けられた対物レンズカバー21と照明レンズカバー23との干渉を避けるため、先端カバー部材9の対物レンズカバー受け部22aと照明レンズカバー受け部33aとの間に遮光部32が位置するように設けられている。
【0021】
図6に示すように対物レンズ枠15を先端構成部6へ位置決め固定する際、すなわち、対物レンズ枠15を先端構成部6へ組み付けるとき面出し治具50を用いる。
図6(A)に示すように組みつけ時まず、先端構成部6の先端面6aを面出し治具50の先端構成部突き当て面51に突き当てた状態で、予め先端側レンズ16aが固定されている対物レンズ枠15を先端構成部6に挿入していく。
【0022】
次に、図6(b)に示すように対物レンズ枠15及び先端側レンズ16aの先端面16bを面出し治具50の先端構成部突き当て面51からa寸法だけ凹んで形成されている対物レンズ突き当て面52に当接させる。そして、この状態で固定ネジ53を先端構成部6に設けたネジ部42に螺合させて、この固定ネジ53で対物レンズ枠15を先端構成部6に押し付けて一体的に組みつける。
【0023】
上述のように対物レンズ枠15を先端構成部6に固定ネジ53で一体的に組み付けることによって、対物レンズカバー21と先端側レンズ16aとの間隙を、対物レンズカバー受け部22aの厚み寸法の製品ごとのバラツキ及び先端側レンズ16aの先端構成部6からの突出量の製品ごとのバラツキを考慮しても0〜0.1mmの範囲に構成することが可能なので、先端側レンズ16aと対物レンズカバー21とが離れすぎてしまうことによって観察視野内に対物レンズカバー受け部22a入ることのない良好な観察視野を確保することができる。
【0024】
また、前記対物レンズ枠15及び先端側レンズ16aの先端面を同一面に形成し、前記対物レンズ枠15ごと先端構成部6より所定寸法だけ突出させる構成であるため、先端側レンズ16aを装着時に破損させることがない。
【0025】
さらに、面出し治具50を使用して組みつけることによって、製造時の製品ごとのバラツキを相殺して対物レンズカバー21と先端側レンズ16aとの間隙を微少にできるので、どのようなカバー用内視鏡3とカバー2との組み合わせにおいても良好な観察視野を確保することが可能になる。
【0026】
又、前記照明レンズ24aは、照明レンズ24aの先端面と先端構成部6の先端面とが略同一面となるよう先端構成部6に位置決め固定される。すなわち、図7に示すように先端カバー部材9には、照明レンズカバー23を保持するための照明レンズカバー受け部33aと照明レンズカバー枠部33bとが形成されている。この照明レンズカバー受け部33aは、強度を確保するため厚さ寸法dが少なくとも0.1〜1mmの範囲の厚みで形成されている。
【0027】
一方、前記照明レンズカバー23は、前記照明レンズカバー枠部33bに嵌合してこの照明レンズカバー枠部33bに接着などによって固定される大径部23aと前記照明レンズカバー受け部33aの内周部に緩く嵌合される小径部23bとで形成される。そして、前記小径部23bの厚みを、前記照明レンズカバー受け部33aの厚みdと略同一に形成することにより、図8に示すように照明レンズ24aと照明レンズカバー23との間隙を微少にして、照明レンズ24aから出射された照明光の大部分を、照明レンズカバー23に導光することができるようになっている。このため、照明レンズカバー23から体腔内に出射される光量が多く、小径部23bに遮られることがないため配光が良く、照明レンズカバー23の面積を比較的小さくすることできる。
【0028】
このことにより、前記先端カバー部材9の外径を細くすることが可能になる。また、照明レンズ24aが先端構成部6より突出しない構成であるため、前記照明レンズ24aを装着時に破損させることがない。
【0029】
図9に示すように前記先端カバー部材9の対物レンズカバー枠部22は略四角形の形状を有し、4隅が半径r1 のR形状に形成されている。また、前記対物レンズカバー受け部22aの内周側は、この対物レンズカバー受け部22aの4つの辺を各々の長さe、例えば0.1〜0.5mm程度内側に突出させて、その4隅にr1 −e(<r2 )なる寸法である半径r2 のR形状で形成されている。
【0030】
すなわち、対物レンズカバー21は、対物レンズカバー枠部22に嵌合するため、対物レンズカバー21の外側寸法を対物レンズカバー枠部22の内側寸法よりも小さくする必要がある。このため、4隅においては対物レンズカバー受け部22aで受ける面積が小さくなる。しかし、上述の構成であれば、対物レンズカバー受け部22aの4隅の内側への突出量を大きくしているため、対物レンズカバー受け部22aで受ける面積を大きくすることができ、確実に対物レンズカバー21を保持することができる。また、対物レンズカバー受け部22aを、対物レンズカバー21との接合面とする場合には接合代を大きくとることができるため、十分な接合強度が得られ、対物レンズカバー21が対物レンズカバー枠部22から脱落することがなくなり安全性が向上する。さらに、照明レンズカバー受け部33aと照明レンズカバー枠部33bとの間も上述と同様の関係で形成されているため照明レンズ23が十分な接合強度で接合される。
【0031】
なお、前記カバー2を装着しない状態でのカバー用内視鏡3の対物レンズ系16の単体での視野角を、例えば0°〜90°とし、カバー2を装着した状態のとき、視野角を例えば120°〜180°となるように対物レンズカバー21に視野角を拡大する光学レンズを用いるようにすることにより、先端側レンズ16aと対物レンズカバー21との間隙がある程度離れても、対物レンズカバー受け部22aが視野内に入ることがなく、且つ、大きな視野角を確保することができる。
【0032】
図10及び図11を参照して先端カバー部材9と先端構成部6との係止部及び処置具挿通路である鉗子挿通チャンネル61の配置構成を説明する。
図10に示すように鉗子挿通チャンネル61は、カバー2の外皮7の内部をカバー用内視鏡3の挿入部4に沿って並行に配設されている。前記鉗子挿通チャンネル61の先端部は、前記先端カバー部材9に設けられた処置具突出口62の近傍のチャンネル接続部63に接着などの手段によって、前記処置具突出口62に連通するように固定されている。
【0033】
一方、鉗子挿通チャンネル61の基端部は、前記口体部8の鉗子挿入口8aに連通しており、この鉗子挿入口8aより挿入された鉗子などの処置具が処置具突出口62にガイドされ、この処置具突出口62より体腔内に突出して病変部の切除などの処置を行うことができるようになっている。また、鉗子挿通チャンネル61は図示しない流体制御装置に接続されている吸引管路を形成する吸引チューブ13に連通している。この吸引チューブ13は口体部8より内視鏡外部に延出してユニバーサルコード11に沿って流体制御装置まで延出されている。
【0034】
前記鉗子挿通チャンネル61は、PTFE,PFAなどの柔軟な材質よりなる管状部材で形成される。また、前記鉗子挿通チャンネル61は、カバー用内視鏡3の湾曲部近傍で、湾曲部湾曲時に座屈することなく、滑らかに湾曲するように蛇腹部61aが設けてある。この蛇腹部61aは、他の部分と同様の内径を確保しつつ、湾曲し易いように挿入部の長手方向の断面形状を波状に形成しているため、他の部分よりも外径が太径になる構成となっている。
【0035】
前記カバー2の先端カバー部材9とカバー用内視鏡3の先端構成部6とを一体的に接続するため、先端カバー部材9に形成した嵌合穴部33に嵌合したカバー用内視鏡3の先端構成部6に係止爪65を係合させて係止部を形成して一体的に固定している。そして、前記先端カバー部材9の外周に外挿されている円筒状部材66を、前記係止部を形成する係止爪65に外嵌させて係止爪65を長手方向の中心軸側に押圧している。
【0036】
前記先端構成部6の基端部6bは、複数の関節駒を連接した湾曲部10の最先端に位置する第一関節駒10a及びこの第一関節駒10aを含む関節駒の外周部を被覆する細径の金属線材で編まれた管状の金網部67及びこの金網部67の外周を被覆するエラストマーなど軟性の弾性部材からなる管状の弾性外皮部68を接続するための接続部70となっている。
【0037】
このため、この先端構成部6の基端部6bは、第一関節駒10a,金網部67及び弾性外皮部68のそれぞれの厚み分と、これらを固定する接着剤などの接着部71の厚み分だけ、他の部分よりも太径な太径部72を形成している。
【0038】
なお、送気管路を形成する送気チューブ12及び送水管路を形成する送水チューブ14は、カバー2の外皮7の内部を鉗子挿通チャンネル61同様、カバー用内視鏡3の挿入部4に沿って並行に配設されている。そして、図12に示す前記送気チューブ12及び送水チューブ14の先端部を、先端カバー部材9に形成されている管路接続部63aにそれぞれ接着などの手段によって接続固定して、先端カバー部材9の先端面に設けられる送気ノズル35及び送水ノズル36にそれぞれ連通している。
【0039】
一方、送気チューブ12及び送水チューブ14の基端部は前記口体部8より外部へ延出し、前記吸引チューブ13と同様にユニバーサルコード11に沿って図示しない流体制御装置に延出されている。そして、前記送気ノズルから送気チューブ12を介して空気やCO2 ガスなどの気体が対物レンズカバー21に向かって噴出される一方、送水ノズルからは送水チューブ14を介して生理食塩水などの液体が対物レンズカバー21に向かって噴出されるようになっている。
【0040】
一般的に、前記送気チューブ12及び送水チューブ14は、鉗子挿通チャンネル61に比較して細径であり、挿入部4の長手方向の同じ長さに対する外表面の面積は鉗子挿通チャンネル61に比較して非常に小さくなっている。このため、先端カバー部材9との接続部分では管路接続部63aに嵌合する部分の外表面が接続代となるため、鉗子挿通チャンネル61と同等の接続強度を得ようとすると鉗子挿通チャンネル61に比較して接続部分の嵌合長を長くする必要があり、可能な限り接続代を長くして大きくすることが望ましい。
【0041】
また、前記嵌合部33の挿入部長手方向の長さは、この嵌合部33に嵌合される先端構成部6のガタつきを少なくするため及び先端構成部6を先端カバー部材9に一体的に固定する係止爪65などの固定手段を配設するスペースを確保するため、可能な範囲で長くすることが望ましいが、先端部分を細径化することを考慮すると、前記太径部72が嵌合部33に嵌合されないようにすることが望ましい。
【0042】
このため、前記先端カバー部材9の基端を、前記先端構成部6の太径部72より先端側に位置するように構成している。このため、前記チャンネル接続部63は先端部分を細径化するため、可能な限り嵌合部側に近付けて形成する。また、先端カバー部材9への接着強度を高めるため先端側を可能な限り処置具突出口62に近付けるように設けている。さらに、長手軸方向に並行で、この先端カバー部材9の基端側からチャンネル接続部63の基端側に至る、細長で外周面側に開口76aを有する切欠部76を形成して、この切欠部76に挿通される鉗子挿通チャンネル61の外周と先端カバー部材9との間に空間部77を設けている。
【0043】
このため、鉗子挿通チャンネル61は、前記カバー用内視鏡3の太径部72に隣合って並設される位置では、チャンネル接続部63の位置に対して径外側方向に位置する。また、湾曲部10に並設される位置では外径の太い蛇腹部61aの部分において前記太径部72同様、チャンネル接続部63の位置に対して径外側方向に位置する。
【0044】
一方、前記鉗子挿通チャンネル61は、先端カバー部材9に形成した切欠部76に配設されているので、先端カバー部材9に接続固定されているチャンネル接続部63の基端から太径部72近傍までの間で、径外側方向に緩やかに変位して、太径部72に並設すると共に、蛇腹部61aが湾曲部10に並設するように変位する。
【0045】
また、カバー用内視鏡3とカバー2とを装着する際、先端構成部6を嵌合部33に嵌合させた後、円筒状部材66を先端側に移動させて係止爪65に外嵌するとき、円筒状部材66の切欠部76の外側に位置する部分を手指などで容易に先端側へ移動させることができるようになっている。
【0046】
このように、先端カバー部材に切欠部を形成し、この切欠部に鉗子挿通チャンネルを配設したことにより、先端カバー部材のチャンネル接続部に接続固定された鉗子挿通チャンネルを、切り欠き部内で緩やかに径外側方向に変位させて太径部に並設するように配設することができる。このことにより、鉗子挿通チャンネルの座屈が無くなると共に、この鉗子挿通チャンネル内に比較的大きな処置具を挿通した場合でも処置具がチャンネルに引っ掛かること無くスムーズに挿通されて、処置具挿脱の際の力量を軽減することができる。
【0047】
また、先端カバー部材に切欠部を形成することによって鉗子挿通チャンネルを緩やかに変位させることができることから、カバー用内視鏡の太径部を比較的太径に構成することが可能となる。このことにより、太径部に断面積の大きい撮像回路部あるいは太径のライトガイドを内蔵して、高性能・高機能の撮像回路部や明るい照明光を供給して観察性能が向上した内視鏡を提供することができる。
【0048】
さらに、先端カバー部材に切欠部を形成したことにより、カバー用内視鏡とカバーとを装着した際、切り欠き部分に位置する円筒状部材を押すことによって、容易に先端側へ移動させることができるので、カバー用内視鏡とカバーとの装着性が大幅に向上する。
【0049】
ところで近年、観察部位を内視鏡に配設した固体撮像素子で撮像し、モニタで観察するようにした内視鏡装置が利用されている。前記内視鏡装置では一般に内視鏡の先端面に観察窓と照明窓とが設けられている。また、前記内視鏡の先端面には前記観察窓に向けて送水及び送気を行って観察窓表面の洗浄を行えるようにしたノズルが設けられている。
【0050】
前記ノズルを観察窓に近付けることにより、コンパクト化が可能になって内視鏡挿入部の外径を小さくするばかりでなく、ノズルから観察窓に向かって送水される力が大きくなって洗浄力が向上すると共に、ノズルから観察窓に向かって送気される力が大きくなって水切り性が向上する。
【0051】
しかし、観察窓にノズルを近付けすぎてしまうと、このノズルが観察視野内に入ってしまい、観察に悪影響を及ぼすので、観察窓とノズルとの距離を近づけることが難しかった。
【0052】
この不具合を解決するため、例えば特願平6−42857号及び特開平6−38926号公報には内視鏡挿入部の先端部に対物レンズと固体撮像素子とを設け、この固体撮像素子からの電気信号に基づいて観察視野像をモニタに表示すると共に、前記対物レンズの観察窓に向けて1つの送気・送水ノズルを設けた内視鏡において、前記固体撮像素子の受光エリアまたは表示視野範囲の形状が角形であり、その角形の辺に対向する対応位置に前記ノズルを設置し、視野内にノズルが入ることなく、ノズルを観察窓に極力近付けるようにした内視鏡が提案されている。また、送気ノズルと送水ノズルとの2つのノズルを有する内視鏡については特願平6−42857号に、送気ノズルを固体撮像素子の受光エリアの対辺側に配置して観察窓に近付け、送水ノズルを受光エリアの対角側に設けたものが示されている。さらに、特開平6−38926号公報には送気ノズルと送水ノズルとを光学的有効領域の対辺側に2つ並べて配置したものが示されている。
【0053】
しかしながら、前記特願平6−42857号に示された内視鏡では、送水ノズルに連結した液体を移送するための送水管路が細い場合、あるいは長くなる場合、送水能力が低下し、送水ノズルを対角側に設けて観察窓との距離が遠い構成の場合には著しく送水能力が低下して対物レンズ面の洗浄を十分に行えず、観察が困難になる場合がある。また、特開平6−38926号公報に示された内視鏡では、光学有効領域の対辺側にノズルを2つ並べて配置しているため、各ノズルの開口部幅が小さくなり、このノズルから噴出される液体の流れ幅が小さく規制されて、光学有効領域の広範囲に送気、送水することが困難になるはかりでなく、送気・送水の能力が低下して対物レンズ面の洗浄及び水滴の除去を十分に行えず、観察が困難になる場合がある。
【0054】
このため、観察窓の洗浄能力と水滴の除去能力が良く、且つ、先端部の外径が細径で患者に苦痛を与えない安価な内視鏡が望まれていた。
【0055】
図13に示すようにカバー式内視鏡1に組み合わされて使用される、送気,送水,吸引などの制御を司る流体制御装置100は、フロントパネル101に吸引制御弁102,吸引リーク弁103,送気制御弁104,送気リーク弁105,及び送水制御弁106などを設けている。これら弁体には前記送気管路,吸引管路や送水管路などを構成する軟性のチューブが挟持されるようになっており、この軟性なチューブを弁体で潰したり、開放したりすることによって流路が開閉操作されて流体が流れるようになっている。すなわち、前記弁体は、いわゆるピンチバルブ方式の電磁弁で構成されている。なお、これら弁体は装置外部に露出するため、弁駆動部に水などの液体が侵入しないように防水性を持たせている。
【0056】
送気チューブ12は、送気制御弁104に着脱自在に装着され、この送気制御弁104よりも送気ポンプ107側に設けられている送水タンクコネクタ108の内部で、一端部が開口した送気リーク管路109を分岐している。この送気リーク管路109は、送水タンクコネクタ108より延出し、送気リーク弁105に着脱自在に装着されている。なお、前記送気チューブ12は、送水タンクコネクタ108の内部で開口端を、送水タンク110に接続した図示しない送水用加圧管路を分岐させた後、基端側を流体制御装置100に内蔵されている送気ポンプ107に接続している。
【0057】
送水チューブ14は、前記送水制御弁106に着脱自在に装着され、前記送水タンクコネクタ108から送水タンク連絡用チューブ110aを介して送水タンク110に接続されている。
【0058】
吸引チューブ13は、前記吸引制御弁102に着脱自在に装着された後、吸引源である図示しない吸引ポンプなどに接続されている。なお、この吸引チューブ13の吸引制御弁102よりも吸引源側で、吸引リーク管路111を分岐させて前記吸引リーク弁103に着脱自在に装着されている。
【0059】
前記送気チューブ12,送水チューブ14及び吸引チューブ13は、流体制御装置100のフロントパネル101に対してチューブの長手方向を垂直にして配設されるようになっている。すなわち、送気チューブ12,送水チューブ14及び吸引チューブ13は、垂直方向の上方側へ向かって延出している。本流体制御装置100においては各管路及び弁体などを上述のように構成、配置することによって、流体制御装置100の横幅を小さくして検査室における配置スペースが小さくなるように工夫されている。
【0060】
また、前記内視鏡3の操作部5から延出するユニバーサルコード11に沿って配設された送気チューブ12,送水チューブ14及び吸引チューブ13とユニバーサルコード11との図示しない分岐部は流体制御装置100よりも上方に位置する。このように、分岐部の位置を流体制御装置100よりも上方に構成することによって、送気チューブ12,送水チューブ14及び吸引チューブ13は必然的に上方側に位置する分岐部に向かって延出されて、送気チューブ12,送水チューブ14及び吸引チューブ13の座屈を防止することができ、且つ管路の長さを短くして管路内の流体抵抗を減少させて、送気,送水,吸引の性能を向上させている。
【0061】
図14に示すように送水タンクコネクタ108を流体制御装置100に接続固定するため、前記送水タンクコネクタ108にはフック112を設け、流体制御装置100のフロントパネル101にはフック受け部113を設けている。このことにより、送水タンクコネクタ108に設けたフック112をフロントパネル101に設けたフック受け部113に取り付けることによって流体制御装置100に着脱自在に接続することができる。
【0062】
また、送水タンクコネクタ108に設けられた口金受け114は、カバー式内視鏡のみならず、一般的な内視鏡でも使用される送水タンクの送水タンク口金115が接続可能な構成になっており、送水タンク110を一般的な内視鏡と共用して使用することができる。
【0063】
なお、図13に示すように送水タンク110には送水タンクフック116が設けられており、この送水タンクフック116を流体制御装置100に設けた送水タンクフック受け部117に取り付けることによって、送水タンク110を流体制御装置100に着脱自在に接続することができるようになっている。このため、検査時前記図1に示す操作部5に設けた送気、送水スイッチ5aや吸引スイッチ5bを操作することによって、前記流体制御装置100の各制御弁を制御し、前記送気チューブ12を介して送気ノズルから送気、送水チューブ14を介して送水ノズルから送水、吸引チューブ13を介して処置具突出口62より吸引をそれぞれ行うことができるようになっている。
【0064】
また、検査室の各装置のレイアウトによっては、図示しない光源装置やビデオプロセッサなどの装置と共に、流体制御装置100を積み重ねて配置することが考えられる。この場合、前記流体制御装置100は横幅寸法よりも高さ寸法が小さいことが望ましい。このため、前記流体制御装置100を積み重ねて配置する場合には図15に示すように各チューブの長手方向を水平方向に向けて流体制御装置100に配置することができる構成となる。
【0065】
すなわち、図13に示すように送水タンク受け部117を流体制御装置100の側面と底面の2ヶ所に設けると共に、流体制御装置本体を支持する足118を前記送水タンク受け部117同様に、側面及び底面に設けている。
【0066】
また、吸引リーク弁103は、吸引リーク管路111の開口が常時垂直方向上向きになるように、図13の状態で吸引リーク管路111の開口が上向きに吸引リーク管路111を装着することができる吸引リーク弁103と、図15の状態で開口が上向きに吸引リーク管路111を装着することができる吸引リーク弁103とを設けている。このため、流体制御装置100の設置方向によって、吸引リーク管路111を選択的に2つの吸引リーク弁103のいづれか一方に装着して開口を常時垂直方向上向きにすることができる。
【0067】
なお、吸引リーク弁103は、吸引リーク管路111の開口が吸引チューブ13の最も低い位置よりも高いところに位置するよう設けてあるので、吸引リーク管路111の開口から汚物などが吐出することがない。しかし、検査中汚物などによって吸引源に接続されている吸引チューブ13が万一詰まってしまった場合、重力の影響で吸引チューブ内の汚物は、この吸引チューブ13の開口である処置具突出口62または吸引リーク管路111の何れか低い方から吐出することになる。このため、吸引リーク管路111の開口からの汚物などの吐出を防止するため、吸引管路111の開口位置を常時検査時の処置具突出口62の位置よりも高くなるように流体制御装置100を設置しておくことが望ましい。
【0068】
このように、流体制御装置を縦置き及び横置きの構成にすることによって検査室での他の装置のレイアウトに対応させて流体制御装置の設置向きを自在に変更して、検査室のスペースを有効に活用することができる。
【0069】
図16に示す管路固定部材120は、送気チューブ12,送水チューブ14及び吸引チューブ13をユニバーサルコード11に沿わせて配設するためのものであり、送気チューブ12,送水チューブ14及び吸引チューブ13を固定する管路固定部121とユニバーサルコード固定部122とが形成されている。
【0070】
前記管路固定部材120は、ポリプロピレンなどの樹脂やエラストマー、金属など、弾性を備えた材料によって形成されており、図16(B)に示すようにユニバーサルコード固定部122の開口部123が弾性変形可能で、ユニバーサルコード固定部122はユニバーサルコード11に対して着脱自在になっている。
【0071】
このため、検査中、術者が内視鏡を体腔内へ挿入するために挿入部4と共に操作部5を数回、挿入部4の長手軸方向に回転させることがある。この動作を術者が2回程行なうと、ユニバーサルコード11はねじれ形状になってしまう。このとき、このユニバーサルコード11に沿って配設されている送気チューブ12,送水チューブ14及び吸引チューブ13も同様にねじれ形状になって座屈し、送気,送水,吸引が行えなくなることが考えられる。
【0072】
そこで、図17に示すように術者は、ユニバーサルコード11をねじれ形状になってしまったとき、速やかにユニバーサルコード11からユニバーサルコード固定部122を外して、送気チューブ12,送水チューブ14及び吸引チューブ13をユニバーサルコード11から離脱させて、送気チューブ12,送水チューブ14及び吸引チューブ13を容易に元の直線状態に戻すことによってチューブの座屈を未然に防止して、送気、送水、吸引などの作業が確実に行える。
【0073】
ここで、送気ノズル及び送水ノズルについて説明する。
【0074】
図18に示すように本実施例のカバー2の先端カバー部材9の先端面には観察窓である対物レンズカバー21及び照明レンズカバー23や処置具突出口62などが設けられている。また、対物レンズカバー21の表面に開口を向けた送気ノズル35、送水ノズル36が設けられている。
【0075】
前記送気ノズル35及び送水ノズル36は、検査中、対物レンズカバー21に付着した体液や血液などを除去するためのものであり、まず、前記送水ノズル36から送水をおこなって、対物レンズカバー21の表面に付着した汚物を洗い流す。続いて、前記送気ノズル35から送気をおこなって、対物レンズカバー21の表面についた水滴を吹き飛ばし除去する。
【0076】
前記図2に示したようにカバー用内視鏡3とカバー2とを装着した際、対物レンズカバー21の内側に位置するカバー用内視鏡3の対物レンズ系16の内側に位置する撮像回路部18には前記対物レンズ系16の基端側のレンズの結像位置に固体撮像素子17が設けられている。この固体撮像素子17は、対物レンズ系16の観察視野像を電気信号に変換するものである。
【0077】
図19及び図20に示すように光学的有効領域と送気ノズル35、送水ノズル36との位置関係は、前記固体撮像素子17の受光エリアが角形でモニタでの表示形状が角形の場合、図18に示した対物レンズカバー表面での光学的有効領域125が角形となる。また、前記対物レンズカバー21の先端側の対物レンズカバー表面と平行な平面においても光学的有効領域は角形となり、対物レンズカバー21の表面から距離hでの同一平面における、対辺方向が対角方向よりも狭くなる。
【0078】
前記先端カバー部材9に設ける送気ノズル35及び送水ノズル36の開口を、対物レンズカバー21に近付けて送気力及び送水力を大きくしようとすると、近付けすぎることによって送気ノズル35あるいは送水ノズル36が観察視野内に入ってしまうおそれがある。
【0079】
そこで、本実施例においては前記送水ノズル36を、角形の光学的有効領域125の対辺方向、つまり角形の光学的有効領域125の辺に対向する位置に配置させることにより、光学的有効領域125に入ることなく、且つ対物レンズカバー21に対してできるだけ近い位置に開口が位置するように、斜面部37を長く設けている。
【0080】
一方、前記送気ノズル35を、角形の受光エリアの角に対向する位置に配置させることにより、光学的有効領域125に入ることなく、且つ対物レンズカバー21に対してできるだけ近い位置に開口が位置するように、斜面部37の長さを短く設定している。
【0081】
このことにより、前記送水ノズル36は、送気ノズル35と処置具突出口62の間に位置する。このとき、送水ノズル36の開口が対物レンズカバー21に対向しているため、この送水ノズル36の開口から噴出した水は照明レンズカバー23などに当たることなく、直接、対物レンズカバー21に噴出されるため、噴出する水の勢いに損失がない。
【0082】
また、図19に示すように送気ノズル35の噴出部上面部38は、噴出される空気の流れを先端方向に発散させることなく、対物レンズカバー21の表面に向かうようにするため斜面になっている。これに反し、噴出部下面部39は全ての空気の流れを開口近傍で先端カバー部材9の先端表面に当たって勢いが弱まらないように平面形状にして、先端カバー部材9の先端表面に沿って空気が押し流される構成となっている。
【0083】
このように、送気ノズル及び送水ノズルを光学的領域を考慮して配設することにより、送気ノズル及び送水ノズルが観察視野に入ることなく、送水ノズル開口を対物レンズカバーに対して十分近い位置に配置させて、送水ノズル開口から勢いを損なうことなく液体を噴出させることができる。また、送水ノズルの開口幅を広くとることができるため、噴出する液体の流れ幅を広くして、面積の広い対物レンズカバーの表面を広く洗浄することができる。一方、送気ノズルは、送水ノズルに比べて対物レンズカバーから離れているが、送気ノズルより噴出される気体の勢いの損失傾向が比較的弱いことと、開口幅を十分広くとることができることから、対物レンズカバーの表面に広く送気することができる。
【0084】
このことから、洗浄能力が向上すると共に、表面に付着した水滴の除去能力を低下させることなく、観察性能の良く、且つ、送気・送水操作性の良い内視鏡を提供することができる。また、ノズルを対物レンズカバーに対して近づけて配置させることによって先端カバー部材の細径化が図れ、このことにより患者の苦痛を和らげることができる。
【0085】
なお、対物レンズカバー表面上の水滴の除去は、吸引操作によって処置具突出口より水滴を吸引することでも容易に行うことができるため、対物レンズカバーから送気ノズルが送水ノズルに比べて離れていても不具合は生じない。
【0086】
図21を参照して光学的有効領域125と送気ノズル35及び送水ノズル36との別の位置関係を説明する。
本実施例では前記図18に示した先端カバー部材9に設けた送気ノズル35及び送水ノズル36の形状と先端カバー部材9への配置位置が異なる。その他の構成は図18に示したものと同様である。
【0087】
図21に示すように本実施例の送気ノズル35と送水ノズル36とはノズルの斜面部37の長さも同一の形状に形成されている。
【0088】
前記送水ノズル36は、角形の光学的有効領域125の対辺方向の光学的有効領域125に入らない位置で、且つ、できるだけ対物レンズカバー21に開口を近づけて配置されている。
【0089】
一方、前記送気ノズル35は、角形の受光エリアの対角方向の受光エリアに入らない位置で、且つ、できるだけ対物レンズカバー21に近づけて配置されている。このため、送水ノズル36の位置が送気ノズル35に比較して対物レンズカバー側に近付いている。
【0090】
この構成にしたことにより、組み立て時に送気ノズル35と送水ノズル36を取り違えて逆に組みつけることがなくなる。また、送水ノズル36の取り付け位置が先端カバー部材9の中心側に寄ることにより先端カバー部材9の外径の細径化が図れる。その他の作用は図18のノズルと同様である。
【0091】
このように、送気ノズルと送水ノズルとを共通化することによって、送気ノズルと送水ノズルとの誤組みつけを防止することができるばかりでなく、送気ノズル及び送水ノズルを安価に構成・設置することができるので安価な内視鏡を提供することができる。その他の効果は図18の内視鏡と同様である。
【0092】
尚、本発明においては、前記実施例に限定されず、カバー方式の内視鏡以外の一般的な内視鏡で、ノズルと対物光学系の先端レンズとの位置関係を上述と同様に実施しても良い。また、外科分野などで用いられる送気ノズル、送水ノズルを有する挿入部が硬性な硬性内視鏡に用いても良い。さらに、固体撮像素子の受光エリアとモニタの表示範囲形状は、略正方形でなくとも、略長方形、略三角形、半円形、円形の一部が切り欠いた形状などでも良く、観察窓及び受光エリアないし表示範囲の外周との距離が一部分において他の部分よりも短い部分があれば、この短い部分に送水ノズルを設け、それ以外の部分に送気ノズルを設ける配置であれば良い。又、送気ノズル、送水ノズルは先端カバー部材と別体の部品として構成しても、組み立てを省くため射出成形などによって樹脂で先端カバー部材に一体に形成しても良い。
【0093】
ところで、特開平3−193023号公報に示されるように、カバー用内視鏡とカバーとを先端側端部で固定してカバー式内視鏡を構成する際、カバー用内視鏡の先端構成部に溝などの係合部分を形成する一方、前記溝に係合する係止手段をカバーの先端カバー部材に一体的に設け、両者を係合させる構成が知られている。
【0094】
しかしながら、前記先端構成部に形成した溝に係合する係止手段を、カバー部材に一体的に形成した場合、部品寸法のばらつきなどにより、先端構成部の係合部分に対する係止手段の位置がばらつくことがある。このとき、係合している部分に狭間が生じると、この狭間によって先端構成部が先端カバー部材に対し、その狭間分、長手軸方向に移動してレンズカバー内面と観察窓先端面との距離が変動する。このときの変動幅の大きさによっては、ゴースト、フレア、視野けられなどの光学的不具合が生じる。
【0095】
このため、係止手段を先端カバー部材に対して別体に構成し、部品寸法のばらつきによるレンズカバーと観察窓との位置関係が変動することを防止し、先端構成部と先端カバー部材とを確実に係止手段で位置決め固定することができると共に、この係止手段を接着固定した場合において、万一係止手段の接着固定部分が剥がれてしまった場合でも観察が不都合な事態を回避する内視鏡が望まれていた。
【0096】
そこで、先端構成部と先端カバー部材とを一体的に係止する係止手段である係止部材を先端カバー部材とは別体に形成し、この係止部材を先端カバー部材に接着などの手段によって接着固定する。そして、万一接着固定部が剥がれた場合でも係止部材が先端カバー部材から脱落することがないように脱落防止手段を設けて内視鏡を構成する。すなわち、脱落防止手段により、たとえ接着固定部が剥がれた場合でも、係止部材が脱落することなく、観察不能が生じるほどの先端構成部の先端カバー部材からの移動を防止するものである。
【0097】
図22に示すように先端カバー部材9の内部には、カバー用内視鏡3の先端構成部6を嵌合するための嵌合部33が設けられている。前記先端構成部6の外周と先端カバー部材9の外周とは同心円で構成されており、前記先端カバー部材9には係止爪131を有する係止部材132が前記嵌合部33の内周面に沿うよう配設されるようになっている。なお、符号135は前記係止部材に外嵌する円筒状部材である。
【0098】
図23に示すように前記係止部材132は、略T字形状をしており、挿入部長手方向に細長な先端に係止爪131を有する係止爪部133と、この係止部材132が挿入部長手方向に脱落するのを防止する脱落手段となる周方向に細長で円弧状の抜け止め部134とで構成されている。なお、前記係止爪131の先端側及び基端側ともに傾斜面131aを有して形成されている。
【0099】
図22に示すように前記係止部材132は、嵌合部33の内周に周方向に切り欠いて形成した周方向凹部141と、長手軸方向に切り欠いて形成した軸方向凹部142とで略T字状に形成した凹部143に配設されるようになっている。すなわち、前記周方向凹部141に前記抜け止め部134が嵌合し、前記軸方向凹部142に前記係止爪部133が嵌合している。なお、前記周方向凹部141と前記抜け止め部134とは略同径で、前記抜け止め部134の軸方向の幅寸法は周方向凹部141の軸方向の幅寸法に比較して小さく形成して長手軸方向に対して移動自在な構成となっている。
【0100】
図24ないし図26に示すように前記カバー用内視鏡3の先端構成部6の外周の少なくとも一部には前記係止爪131と係合される係止凸部151が設けてある。この係止凸部151の基端側は、前記係止爪131の傾斜面131aと係合するように同様な傾斜面が形成されている。また、前記係止凸部151の先端側も先端側に向かって細径となるよう傾斜面152が形成してある。そして、前記係止部材132に外嵌して、この係止部材132を外周側から中心方向に押圧する円筒状部材135が係止部材132の近傍に設けられている。
【0101】
前記先端構成部6の内部には先端側から順に先端側レンズ16a、対物レンズ系17及び撮像回路部18が配置されると共に、図示しない照明光学系が配置されている。前記撮像回路部18には画像信号を図示しない画像コントロールユニットへ伝達する信号ケーブル19が接続されている。
【0102】
前記先端カバー部材9の先端面には前記先端側レンズ16a及び前記照明光学系を覆うように対物レンズカバー21,照明レンズカバー23(不図示)が設けられている。
【0103】
また、内視鏡カバー2には先端カバー部材9の先端に設けられた処置具突出口62に連通する鉗子挿通チャンネル61及び図示しない送気・送水管路を有している。なお、前記送気・送水管路の先端に図示しないノズルが設けられている。
【0104】
上述のように構成したカバー式内視鏡の作用を説明する。
前記カバー2とカバー用内視鏡3とを装着する場合、カバー用内視鏡3の挿入部をカバー2に挿入を挿入していくと、先端構成部6が先端カバー部材9の嵌合部33に嵌合されていく。このとき、図27に示すように前記先端構成部6の傾斜面152が、前記係止部材132の係止爪131及び係止爪部133を先端カバー部材側に押し上げる。そして、先端構成部6をさらに先端側へ挿入させて挿入完了した段階で、係止爪131の傾斜面131aが係止凸部151の基端側斜面に係合して、内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3とを係止する。
【0105】
ここで、内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3との係合を確実にするため、図28に示すように係止部材132の外周に円筒状部材135を外嵌させ、係止部材132を中心方向に押圧して外周方向への変形を規制して装着作業が終了する。なお、係止部材132と先端カバー部材9とは、凹部143と抜け止め部134との間で接着あるいは溶着などの固定手段で固定されている。
【0106】
上述のように内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3とを係止することによって、万一、係止部材132に過度の力が加わって接着固定部が剥がれてしまっても、円筒状部材135が係止部材132の外周に外挿されているので、先端カバー部材9の先端構成部6が挿入された空間に位置する限り、抜け止め部134の基端側端部と周方向凹部141の基端側端部とが当接することで係止部材132の軸方向の脱落を完全に防止することができる。
【0107】
すなわち、図29に示すように長手軸方向には抜け止め部134の基端側端部と周方向凹部141の基端側端部とが当接することで係止部材132の軸方向基端側への移動が規制され、且つ、脱落を防ぐ作用がある。また、前記係止部材132を凹部143に固定する際、抜け止め部134と周方向凹部141との間には長手軸方向にクリアランスが設けられているので、抜け止め部134は長手軸方向に周方向凹部141内で移動可能なので、治具を用いて先端構成部6の係止凸部151の基端側斜面に対して係止爪131の傾斜面131aをより確実に係合する位置に位置決めを行って接着あるいは溶着などの固定手段により固定することができる。
【0108】
このように、係止爪に設けた傾斜面と先端構成部の係止凸部の基端側斜面とが密接状態で係合するよう係止部材を調整して接着固定することができるので、レンズカバーと先端側レンズとの間にガタツキが生じず光学的不具合がない。
【0109】
また、脱落防止手段として係止部材に抜け止め部を、また先端カバー部材に抜け止め部に当接する凹部を設けたことで、万一固定部材が外れてしまった場合でも、係止部材が途中で止まり観察不能になるほど先端構成部が長手軸方向に移動することを防止することができる。このことにより、検査が中断されることなく継続して行なわれる。
【0110】
さらに、先端構成部と先端カバー部材との外周面が同心円で形成されているため、先端カバー部材の外周の肉厚が均一にでき、先端カバー部材の細径化が可能になる。
【0111】
なお、本実施例において前記凹部143を先端カバー部材9の外周面に設け係止部材132をこの外周面に沿うよう接着固定した場合でも同様の作用効果を得ることができる。また、前記凹部143を形成する代わりに抜け止め部134の基端側端面に当接する凸部を設けるようにしても良い。
【0112】
図30ないし図33を参照して脱落防止手段の別の構成を説明する。
図30に示すように先端カバー部材9はその一端に係止爪131を有する係止部材132が嵌合部33の内周面に沿うよう設けられている。
【0113】
図31に示すように脱落防止手段として前記係止部材132には嵌合部33の内周に設けた径方向に貫通する貫通穴136に嵌合する凸部137が、係止部材132の反係止爪側に設けられている。この係止部材132は、長手軸方向に移動自在なように凸部137の長手軸方向長さを、貫通穴136の長手軸方向の長さよりも短く形成しており、係止部材132、凸部137並びに貫通穴136において当接部分が接着固定されるようになっている。
【0114】
また、図32に示すように鉗子挿通チャンネル61には湾曲部湾曲時に滑らかに湾曲するよう蛇腹部61aが設けてある。前記蛇腹部61aは、先端構成部6の端部から湾曲部10を構成する第1関節駒と第2関節駒との間から基端側方向へ鉗子挿通チャンネル61が湾曲操作時に湾曲する部分に設けられている。
【0115】
その他の構成は上述の実施例と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0116】
上述のように構成することによって、図33(A)及び図33(B)に示すように内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3とを装着した状態のとき、係止爪131の傾斜面131aが係止凸部151の基端側斜面に係合して、内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3とが係止される。なお、係止部材132の外周に円筒状部材135を外嵌させ、係止部材132を中心方向に押圧して外周方向への変形が規制されている。
【0117】
このため、前記先端構成部6に過度の長手軸方向基端側への力が加わったり、先端カバー部材9に過度の長手軸方向先端側への力が加わることによって係止部材132と先端カバー部材9との接着面が剥がれてしまった場合でも、図34に示すように凸部137の基端側端部と貫通穴136の基端側端部との面同士が当接することにより係止部材の長手軸方向への移動が規制される。
【0118】
また、貫通穴136に対して凸部137は、長手軸方向において空間的な余裕があるため、治具などを用いて先端構成部6の係止凸部151の基端側斜面と係止爪131の先端側斜面との位置決めを行い確実に密接した状態で係合するよう接着固定される。
【0119】
このように、係止爪の先端側斜面と先端構成部の係止凸部の基端側斜面とが密接状態で係合するよう係止部材を調整して接着することができるため、レンズカバーと先端側レンズとの間のガタツキが生じず光学的不具合がない。
【0120】
また、係止部材に凸部を設け、この凸部を先端カバー部材に形成した貫通穴に係合させたことによって、万一接着固定部が外れてしまった場合でも、凸部が貫通穴に当接することにより脱落することが無いので、観察不能になるほど先端構成部が長手軸方向に移動することを防止することができるので、検査を継続して行うことができる。
【0121】
さらに、鉗子挿通チャンネル自体で最も太径である蛇腹部を挿入部自体で最も太径となる先端構成部の端部以降に設けたことにより、カバー式内視鏡自体としては細径化できるという効果がある。
【0122】
なお、本実施例において、係止部材132を先端カバー部材9の外周面に沿うよう配置し、係止部材132の内周側面に凸部137を設けても同様の作用、効果を得ることができる。また、貫通穴136と凸部137とをそれぞれ逆に、嵌合部側に凸部を形成し、係止部材側に貫通穴を設ける構成にしても良い。さらに、貫通穴の代わりに凹部を形成し、凸部の径方向長さを凹部の深さよりも短く形成することによっても同様の効果を得られる。
【0123】
図35及び図36を参照して脱落防止手段の別の構成を説明する。
図35に示すように先端カバー部材9の外周面に沿うように係止部材132を接着固定すると共に、脱落防止手段として係止部材132に貫通穴138を形成する一方、先端カバー部材9の前記貫通穴138に対応する位置に雌ねじ部161を設け、外周方向からからビス162を貫通穴138に挿通して雌ねじ部161に螺合して係止部材132を先端カバー部材9にビス止めする構成としている。なお、前記貫通穴138は、周方向にはビスの頭部の径よりも小さく長手軸方向にはビスに対してクリアランスを有する長手軸方向に縦長の長孔となっている。
【0124】
上述のように脱落防止手段を構成することによって、図36に示すように内視鏡カバー2において貫通穴138は長手軸方向に空間的余裕があるため、係止部材132を長手軸方向に移動させて係止爪131の先端側の傾斜面131aと係止凸部151の基端側の斜面とを治具などを用いて密接した状態に係合させた後、接着固定してビス止めを行えることにより、確実に係止部材を位置決めして、先端カバー部材9に先端構成部6を挿入して装着が完了される。
【0125】
このため、係止部材132に過度の力が加わり、接着固定面が剥がれるほどの剪断力が接着面に働いたとしてもビスで固定していることにより、前記剪断力に抗して、最悪の場合でもビス162が貫通穴138に当接することで係止部材132の移動が規制される。
【0126】
このように、係止爪の先端側斜面と先端構成部の係止凸部の基端側斜面とが密接状態で係合するよう係止部材を調整して接着固定することができるため、レンズカバーと先端側レンズとの間にガタツキが生じず光学的不具合がない。
【0127】
また、係止部材と先端カバー部材とを、ビス止めして保持することにより、より強度な力量が係止部材に加わった場合でも、係止部材が脱落しにくくなり、最悪ビス止め部分でずれが生じても、貫通穴の先端側にビスが当接して係止部材の脱落が防止でき、観察不能になるほどレンズカバーと先端側レンズとの間の距離が離れないため、検査を継続して行うことができる。
【0128】
図37ないし図39を参照して脱落防止手段のまた別の構成を説明する。
図37に示すように先端カバー部材9の外周面に沿うよう係止部材132を接着固定するのに加え、脱落防止手段として係止部材132の外周面に周方向溝部139を形成し、前記先端カバー部材9の外周面には、係止爪131が係止凸部151に係合するように係止部材132を接着固定した際、係止部材132の溝部の延長線上に溝部139と同様の切り欠き部171を設けている。そして、前記溝部139と切り欠き部171とに嵌合するように、別体で内径が切り欠き部と同径で長手軸方向長さが溝部139及び切り欠き部171より短い円弧状部材172を外部から配置して接着固定している。
【0129】
図38及び図39に示すように溝部139と円弧状部材172との長手軸方向には空間的余裕があるため、係止爪131の先端側斜面と係止凸部151の基端側斜面とを治具などを用いて密接した状態で係合する位置に位置決めした後、係止部材132と先端カバー部材9とを接着固定すると共に、前記係止部材132の溝部139と切り欠き部171とに係合するように円弧状部材172を取り付けて当接する面で接着固定して内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3とが装着される。
【0130】
このため、係止部材132に過度の力が加わり、接着固定面が剥がれてしまった場合でも溝部139と先端側の面と円弧状部材172と切り欠き部171の基端側の面とが当接することで、係止部材132の長手軸方向の移動量は規制される。
【0131】
このように、係止爪の先端側斜面と先端構成部の係止凸部の基端側斜面とが密接状態で係合するよう係止部材を調整して接着することができるため、レンズカバーと先端側レンズとの間にガタツキが生じず、光学的不具合がない。
【0132】
また、接着固定部分を剥がすような強固な力が係止爪にかかっても円弧状部材が溝部と切り欠き部とに当接することにより係止部材の脱落を防止でき、観察不能になるほどレンズカバーと先端側レンズとに距離が生じないため検査を継続して行うことができる。
【0133】
なお、本実施例において、図40に示すように切り欠き部171、溝部139にそれぞれ係合するようCリング173などを外挿しても同等の作用効果が得られる。また、溝部139、切り欠き部171の代わりに円弧状部材172の基端側と係合するように凸状にしても良い。
【0134】
図41及び図42を参照して脱落防止手段の又別の構成を説明する。
図41に示すように先端カバー部材9の内面の嵌合部33に沿うよう係止部材132を接着固定し、脱落防止手段として前記係止部材132の接着面以外の外周面に突起137aを設け、その突起137aの基端側と係合するように外皮7の内面に凸状の止め部7aを設けている。
【0135】
上述のように構成することにより、図42に示すカバー用内視鏡3が内視鏡カバー2に装着した状態のとき、係止部材132に過度の力が加わり接着固定面が剥がれた場合でも突起137aと止め部7aとが係合していることより、係止部材132の長手軸方向の移動は規制される。
【0136】
このように、突起と止め部とが係合することにより、係止部材の脱落が防止でき、観察不能になることなく、最低限の光学機能を保持して検査を続けることができる。
【0137】
上述の実施例はカバー方式の内視鏡について説明したものであるが、本発明はカバー方式の内視鏡に限定されるものではなく、図43及び図44に示すようなカバー式以外の一般的な内視鏡であってもよい。
図43及び図44は本発明の第2実施例に係り、図43は内視鏡の先端部の構成を説明する断面図、図44は図43のV―V断面図である。
図43及び図44に示すように内視鏡200の挿入部4の先端にはステンレス鋼など金属部材で形成された硬質の先端構成部201が設けられている。この先端構成部201には前記第1実施例と同様に対物レンズ枠15に保持された対物レンズ系16,固体撮像素子17,撮像回路部18及び図示しない照明レンズ及びライトガイドなどが配設されている。
【0138】
また、前記挿入部202の内部を挿通する鉗子挿通チャンネル61の先端は、先端構成部201の最先端に設けられた処置具突出口62の近傍に設けられたチャンネル接続部63に接着などの手段によって固定されて処置具突出口62に連通している。一方、前記鉗子挿通チャンネル61の基端は図示しない操作部に設けられている鉗子挿入口に連通している。
【0139】
前記鉗子挿通チャンネル61は、PTFE,PFAなどの材質よりなる管状部材より形成されている。そして、前記湾曲部10の内部に配置される部位においては湾曲部湾曲時に座屈せずに滑らかに曲がるようにコイル巻き部203が設けられている。このコイル巻き部203では外表面の円周方向に溝203aが設けられており、この溝203aに金属の線材などからなるコイル部材203bを埋め込んで螺旋状に巻き付けている。このため、このコイル巻き部203は、その他の部分よりも外径が太径になっている。
【0140】
送気チューブ12及び送水チューブ14は、挿入部202の内部を鉗子挿通チャンネル61と同様に配設され、先端を先端構成部201に形成した管路接続部に接着などの手段によって接続固定して、先端構成部201の先端面に設けられている図示しない送気・送水ノズルに連通している。
【0141】
前記チャンネル接続部63の基端側には第1実施例の先端カバー部材9と同様に、先端構成部201の基端側の鉗子挿通チャンネル61近傍部分の外側を切り欠いた切欠部76が形成されており、この空間部分77に鉗子挿通チャンネル61が設けられるようになっている。
【0142】
前記先端構成部201に連結された第一関節駒10aの内部においては撮像回路部18が最もスペースを多く占有しており、この部分では鉗子挿通チャンネル61は撮像回路部18との干渉を避けるようにチャンネル接続部63での位置に対して径外側方向に位置している。また、コイル巻き部203は、鉗子挿通チャンネル61の他の部分に比較して太径であるため、撮像回路部18,信号ケーブル19,送気チューブ12及び送水チューブ14などとの干渉を避けるようにチャンネル接続部63での位置に対して径外側方向に位置している。
【0143】
上述のように、切欠部76を形成したことにより、鉗子挿通チャンネル61は、先端構成部201に固定されたチャンネル接続部63の基端からこの切欠部76を介して基端側に向かうとき、径外側方向にゆるやかに変位して撮像回路部18との干渉を避けて径外側方向に位置を移行させていく。
【0144】
このように、鉗子挿通チャンネルを、切欠部で形成した空間部に配設し、ゆるやかにチャンネル接続部から外側に変位させるため、先端構成部の基端部分において座屈をすることがない。また、比較的大きな処置具を挿通した場合でも引っ掛かりなどがなく、スムーズに挿通でき処置具の挿脱の際の力量が軽く、術者に負担を与えることがない。さらに、挿入部を太径とせずに比較的大きく高性能、高機構な撮像回路部を設けられるため、観察性能が良い内視鏡を提供できる。その他の効果は前記第1実施例と同様である。
【0145】
尚、本発明においては上述の実施例に限定されず、送気管路や送水管路を有することなく、工業分野で使用されてエンジンや工業用配管内などにおいて異物回収を行う回収具などの作業具を挿通するための処置具挿通チャンネルを有する工業用内視鏡にて実施しても良い。
【0146】
また、外科分野などで用いられる挿入部の内部に処置具挿通チャンネルを有する挿入部が硬性の硬性内視鏡や、挿入部の先端側に湾曲部が設けられた湾曲部付き硬性内視鏡、さらには前記第1実施例と同様な構成を有する内視鏡カバーを組み合わせて使用されるカバー式の湾曲部付き硬性内視鏡において実施しても良い。この場合、処置具突出口を有し、処置具挿通チャンネルが接続固定される挿入部の先端に設けられた先端構成部において処置具挿通チャンネルが接続固定される部分において処置具挿通チャンネルがゆるやかに変位可能なように先端構成部の基端側に切り欠き部を設け、この切り欠き部よりも先端側にて先端構成部に処置具挿通路を固定し、切り欠き部においては処置具挿通路の外周と先端構成部との間に隙間を有するように構成すれば良い。
【0147】
[付記]
1.内視鏡の挿入部の先端側に配置された先端構成部に設けた処置具突出口と、前記内視鏡の挿入部の基端側に配置された操作部の近傍に設けた処置具挿入口とを連通する少なくとも1本の処置具挿通路を挿通する内視鏡を備えた内視鏡装置において、前記処置具挿通路が設けられる先端構成部の処置具挿通路の周囲に、長手軸方向に並行で、前記先端構成部の基端側から先端側に、外周面側に開口を有する切り欠き部を設けた内視鏡装置。
【0148】
2.カバー用内視鏡と、このカバー用内視鏡に着脱自在に外装される処置具突出口を設けた先端カバー部材及び処置具挿入口を設けた口体部を有する内視鏡カバーから構成されるカバー式内視鏡を備えた内視鏡装置において、前記処置具挿通路が設けられる先端カバー部材の処置具挿通路の周囲に、長手軸方向に並行で、この先端カバー部材の基端側から先端側に、外周面側に開口を有する切り欠き部を設けた内視鏡装置。
【0149】
3.前記処置具挿通路が前記切り欠き部よりも先端側で処置具突出口に連通する付記1及び付記2記載の内視鏡装置。
このように、先端構成部に切り欠き部を設け、この切り欠き部よりも先端側で処置具挿通路を処置具挿入口に固定することによって、前記処置具挿通路は切り欠き部内に自由度を持って配置される。
【0150】
4.前記内視鏡が異物回収などを行うための作業具を挿通する処置具挿通路を有する工業用内視鏡である付記1記載の内視鏡装置。
【0151】
5.前記内視鏡及びカバー式内視鏡の挿入部の先端側に湾曲部を有する付記1及び付記2記載の内視鏡装置。
【0152】
6.前記挿入部の湾曲部以外の部分が軟性である付記5記載の内視鏡装置。
【0153】
7.前記挿入部の湾曲部以外の部分が硬性である付記5記載の内視鏡装置。
【0154】
8.前記挿入部が硬性である付記1及び付記2記載の内視鏡装置。
【0155】
9.カバー先端構成部にカバー用内視鏡の先端構成部を係止する係止部材と、この係止部材に外嵌して係止部材の外側方向への変形を規制する円筒部材とを設けた付記2記載の内視鏡装置。
【0156】
10.前記先端構成部よりも基端側の先端構成部近傍において、先端構成部内よりも内蔵物断面積が大きいことを特徴とする付記1及び付記2記載の内視鏡装置。
【0157】
11.前記カバー先端構成部よりも基端側にカバー用内視鏡の太径部を配置したことを特徴とする付記2記載の内視鏡装置。
【0158】
12.前記内蔵物は固体撮像素子と固体撮像素子からの画像信号を制御する制御基板とを有する撮像回路部であることを特徴とする付記10記載の内視鏡装置。
【0159】
13.前記太径部は湾曲部である付記11記載の内視鏡装置。
【0160】
14.前記太径部は内視鏡先端構成部と湾曲部との接続部分である付記11記載の内視鏡装置。
【0161】
15.前記処置具挿通路が先端構成部の基端側近傍においてその他の部分よりも外径が太い挿通路太径部を有することを特徴とする付記1ないし付記14記載の内視鏡装置。
【0162】
16.前記挿通路太径部は湾曲可能な挿通路湾曲部である付記15記載の内視鏡装置。
【0163】
17.内視鏡挿入部の先端に設けられた先端構成部に対物レンズと固体撮像素子を有し、この固体撮像素子の受光範囲またはモニタの表示範囲が非円形で、前記観察窓に対向する送気ノズル、送水ノズルを設けた内視鏡装置において、観察窓に平行な平面内の前記受光範囲もしくは表示範囲が、観察窓から近い位置に送水ノズルを設け、遠い位置に送気ノズルを設けた内視鏡装置。
【0164】
18.内視鏡挿入部の先端に設けられた先端構成部に対物レンズと固体撮像素子を有し、この対物レンズの先端側レンズに向けて送気ノズル、送水ノズルを設けた、前記固体撮像素子からの電気信号に基づいて観察視野像をモニタに表示する内視鏡装置において、前記撮像素子の受光範囲またはモニタへの表示視野が角形で、送水ノズルを前記角形の辺方向に設け、送気ノズルをその角形の対角方向に設けた付記17記載の内視鏡装置。
【0165】
19.カバー用内視鏡と、カバー用内視鏡に着脱自在に外装される内視鏡カバーから構成され、前記カバー用内視鏡の挿入部の先端に設けられた内視鏡先端構成部に対物レンズと固体撮像素子を設け、この固体撮像素子からの電気信号に基づいて観察視野像をモニタに表示すると共に、前記撮像素子の受光範囲またはモニタへの表示視野が角形で、内視鏡カバーの先端部に送気ノズルと送水ノズルとを設けた内視鏡装置において、前記送水ノズルをその角形の辺方向に設け、送気ノズルをその角形の対角方向に設けた付記17及び付記18記載の内視鏡装置。
【0166】
20.前記表示視野が略4角形である付記18及び付記19記載の内視鏡装置。
【0167】
21.前記略4角形が略正方形である付記20記載の内視鏡装置。
【0168】
22.前記略4角形が略長方形である付記20記載の内視鏡装置。
【0169】
23.前記表示視野が3角形である付記18及び付記19記載の内視鏡装置。
【0170】
24.前記受光範囲もしくは表示範囲が半円形である付記17記載の内視鏡装置。
【0171】
25.前記送水ノズルの開口を送気ノズルの開口よりも観察窓に近付けたことを特徴とする付記17ないし付記24記載の内視鏡装置。
【0172】
26.前記先端構成部への前記送水ノズルの取り付け位置を送気ノズルの取り付け位置よりも観察窓に近付けたことを特徴とする付記17ないし付記24記載の内視鏡装置。
【0173】
27.送水ノズルと送気ノズルとを共通の部品形状としたことを特徴とする付記26記載の内視鏡装置。
【0174】
28.先端構成部と先端カバー部材とを係止部材を介して一体的に係止するカバー式内視鏡において、前記係止部材に先端カバー部材からの脱落を防止する脱落防止手段を設けたカバー式内視鏡。
【0175】
29.前記脱落防止手段が係止部材に設けた抜け止め部と先端カバー部材に形成した周方向凹部とで構成される付記28記載のカバー式内視鏡。
【0176】
30.前記脱落防止手段が係止部材に設けた凸部と先端カバー部材に設けた凹部または穴部とで構成される付記28記載のカバー式内視鏡。
【0177】
31.前記脱落防止手段が係止部材に設けた凹部ないしは穴部と先端カバー部材に設けた凸部とで構成される付記28記載のカバー式内視鏡。
【0178】
32.前記脱落防止手段が係止部材に設けた凹部には位置される別部材である付記28記載のカバー式内視鏡。
【0179】
33.前記脱落防止手段が外皮に形成した凸部と係止部材に形成した凸部とで構成される付記28記載のカバー式内視鏡。
【0180】
34.前記係止部材が先端側が幅の広い段差形状を有し、段差部分と先端カバー部材に設けた溝部との係合により脱落防止手段となる付記29記載のカバー式内視鏡。
【0181】
35.前記脱落防止手段が先端カバー部材外周と係止部材に外装される円弧状部材である付記28記載のカバー式内視鏡。
【0182】
36.前記脱落防止手段が係止部材に形成した貫通穴と、先端カバー部材に形成したネジ部と、前記貫通穴に挿通してネジ部に螺合するビスとで構成される付記28記載のカバー式内視鏡。
【0183】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、内視鏡の機能を損なうことなく、処置具の処置具挿通路への挿通が容易で、且つ内視鏡挿入部を細径にした内視鏡を備えた内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図11は本発明の第1実施例に係り、図1はカバー式内視鏡の概略構成を示す斜視図
【図2】カバー式内視鏡の先端部の構成を示す断面図
【図3】先端カバー部材の基端面側を示す説明図
【図4】先端構成部の先端面を示す説明図
【図5】遮光部と遮光溝との関係を説明する断面図
【図6】先端構成部への対物レンズ枠の取付けを説明する断面図
【図7】照明レンズカバーと先端カバー部材との関係を説明する断面図
【図8】先端カバー部材に照明レンズカバーを配設した状態を示す断面図
【図9】先端カバー部材に形成した照明レンズカバー受け部を示す説明図
【図10】先端カバー部材と先端構成部との係止部及び処置具挿通路である鉗子挿通チャンネルの配置構成を説明する断面図
【図11】図10のI―I断面図
【図12】送気・送水チューブの管路接続部の概略構成を示す断面図
【図13】流体制御装置を示す説明図
【図14】送水タンクと流体制御装置との接続関係を示す説明図
【図15】図13の流体制御装置を横置きにした図
【図16】管路固定部材を示す説明図
【図17】管路こいて部材の作用を示す説明図
【図18】送気ノズル・送水ノズルの配置位置関係と光学的領域とを示す説明図
【図19】対角方向に配設した送気ノズルを示す図
【図20】対辺方向に配設した送水ノズルを示す図
【図21】送気ノズル・送水ノズルの別の配置位置関係を示す説明図
【図22】図22ないし図29は脱落防止手段の構成に係り、図22はカバー式内視鏡の先端部及び脱落防止手段を説明する断面図
【図23】係止部材の構成を示す斜視図
【図24】カバー式内視鏡の係止状態を示す説明断面図
【図25】図24のII―II断面図
【図26】図24のIII―III断面図
【図27】カバー用内視鏡を内視鏡カバーに装着する状態を示す説明図
【図28】カバー用内視鏡を内視鏡カバーに装着完了した状態を示す説明図
【図29】脱落防止手段の作用を説明する断面図
【図30】図30ないし図33は脱落防止手段の別の構成に係り、図30はカバー式内視鏡の先端部及び脱落防止手段を説明する断面図
【図31】係止部材の別の構成を示す斜視図
【図32】カバー用内視鏡を内視鏡カバーに装着した状態を示す説明図
【図33】カバー式内視鏡の係止状態を示す説明断面図
【図34】脱落防止手段の作用を説明する断面図
【図35】図35及び図36は脱落防止手段の他の構成に係り、図35はカバー式内視鏡の先端部及び脱落防止手段を説明する断面図
【図36】カバー式内視鏡の係止状態を示す説明断面図
【図37】図37ないし図39は脱落防止手段のまた別の構成に係り、図37はカバー式内視鏡の先端部及び脱落防止手段を説明する断面図
【図38】カバー式内視鏡の係止状態を示す説明断面図
【図39】図38の断面図
【図40】脱落防止手段にCリング状部材を用いたカバー式内視鏡の断面図
【図41】図41及び図42は脱落防止手段の又別の構成に係り、図41はカバー式内視鏡の先端部及び脱落防止手段を説明する断面図
【図42】カバー式内視鏡の係止状態を示す説明断面図
【図43】図43及び図44は本発明の第2実施例に係り、図43は内視鏡の先端部の構成を説明する断面図
【図44】図43のV―V断面図
【符号の説明】
6…先端構成部
9…先端カバー部材
61…鉗子挿通チャンネル
76…切欠部
77…空間部

Claims (5)

  1. 内視鏡の挿入部の先端側に配置された先端構成部に設けた処置具突出口と、前記内視鏡の挿入部の基端側に配置された操作部の近傍に設けた処置具挿入口とを連通する少なくとも1本の処置具挿通路を前記挿入部内に挿通する内視鏡を備えた内視鏡装置において、
    前記処置具挿通路が設けられる先端構成部の処置具挿通路の周囲に、長手軸方向に平行で前記先端構成部の基端側から先端側に、外周面側に開口を有する切欠き部を設け、前記処置具挿通路をこの切欠き部が設けられる部位において先端構成部の処置具挿通路の固定部より径方向外側に変位可能に配置し、前記挿入部の基端側に挿通したことを特徴とする内視鏡装置。
  2. カバー用内視鏡と、このカバー用内視鏡に着脱自在に外装される処置具突出口を設けた先端カバー部材及び処置具挿入口と少なくとも1本の処置具挿通路とを有する内視鏡カバーから構成されるカバー式内視鏡を備えた内視鏡装置において、
    前記処置具挿通路が設けられる先端カバー部材の処置具挿通路の周囲に、長手軸方向に平行で、この先端カバー部材の基端側から先端側に、外周面側に開口を有する切欠き部を設け、前記処置具挿通路をこの切欠き部が設けられる部位において先端カバー部材の処置具挿通路の固定部より径方向外側に変位可能に配置し、内視鏡挿入部の基端側に挿通したことを特徴とする内視鏡装置。
  3. 前記処置具挿通路は、内視鏡の挿入部の径方向内側に変位させて処置具突出口に挿通されることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡装置。
  4. 前記カバー式内視鏡の先端部における先端構成部の基端部には他の部分よりも太径な太径部が形成され、前記処置具挿通路がこの太径部と隣合って配設される位置に対し、前記先端カバー部材と処置具挿通路との接続部の位置を内視鏡装置の挿入部の径方向内側に変位させて処置具挿通路を処置具突出口に挿通したことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置
  5. 前記処置具挿通路は、前記切欠き部よりも先端側で処置具突出口に挿通されることを特徴とする請求項1ないし4に記載の内視鏡装置
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