JP4049859B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は患者の体腔内に挿入して病変部の観察や処置を行う内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内視鏡装置として例えば特開平6−189893号公報に示されているように内視鏡本体と、この内視鏡本体に外装されるシースとを備えた構成のものが知られている。
【0003】
ここで、内視鏡本体には体内に挿入される細長い挿入部の基端側に手元側端部が設けられている。さらに、内視鏡本体の挿入部の先端部には照明光の出射部および観察用の窓部が配設されている。
【0004】
また、シースは内視鏡本体の挿入部を覆う状態で内視鏡本体に外装されている。そして、内視鏡本体の挿入部の外周面とシースの内周面との間には内視鏡本体の手元側端部から挿入部の先端部まで延設された流路が形成されている。
【0005】
この流路の基端部には観察用の窓部を洗浄する洗浄液の供給部が連結されている。また、シースの先端部には観察用の窓部に洗浄液を吹き付けるノズルが形成されている。そして、手元側端部から供給される洗浄液を挿入部の外周面とシースの内周面との間の流路を通して挿入部の先端部まで送水し、シースの先端部のノズルから噴出される観察用の窓部に吹き付けることにより、観察用の窓部のカバーガラスの汚れなどを洗い流して洗浄するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成のものにあっては観察用の窓部を洗浄する際に、冷たい洗浄液をシース先端のノズルから観察用の窓部のカバーガラスに吹き付けた場合にはカバーガラスが冷えて曇り、良好な内視鏡像が得られない問題がある。
【0007】
これに対し、温水をカバーガラスに吹き付けることがカバーガラスの曇りの解決手段の1つとなるが、送水源に加温装置を取り付けて洗浄液を温める構成にした場合には送水源と内視鏡との間をつなぐ細長いチューブや、挿入部の外周面とシースの内周面との間の流路を通して挿入部の先端部まで送水されたのち、シースの先端部のノズルから噴出された洗浄液がカバーガラスに到達するまでに洗浄液が冷えてしまい、カバーガラスの曇りを確実には防止することができない問題がある。
【0008】
また、送水源と内視鏡との間をつなぐ細長いチューブに加温装置を取り付けた場合にはチューブが重く、太くなるので、内視鏡の操作がやりにくくなる問題が生じる。
【0009】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、内視鏡の観察用の窓部のカバーガラスに洗浄液を噴出し、吸引して汚れなどを洗い流す洗浄作業中にカバーガラスが曇らずに常にクリアな内視鏡像が得られる内視鏡装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、体内に挿入される細長い挿入部の基端側に手元側端部が設けられ、前記挿入部の先端部に照明光の出射部および観察用の窓部が配設された内視鏡本体と、前記挿入部を覆う状態で前記内視鏡本体に外装されるシースとを備え、前記挿入部の外周面と前記シースの内周面との間に前記手元側端部から前記挿入部の先端部まで延設され、前記観察用の窓部の洗浄用の流体を供給する流路が形成された内視鏡装置において、光を透過する透過性の材料によって形成され、前記照明光の出射部全体を覆うカバー部と、前記観察用の窓部を外部に露出させる開口部とを有するカバー部材を前記シースの先端部に設けるとともに、前記照明光によって前記流路の洗浄用流体を加熱する流体加熱部を前記カバー部に設けたことを特徴とする内視鏡装置である。
そして、本請求項1の発明では、内視鏡の観察用の窓部のカバーガラスに洗浄液を噴出し、吸引して汚れなどを洗い流す洗浄作業中、照明光出射部から出射される照明光によって流路の洗浄用流体を加熱する。これにより、温められた洗浄用流体で観察用窓部のカバーガラスを洗えるようにして、体腔内の観察を行うときに発生しがちな観察用窓部の曇りを防ぐようにしたものである。
請求項2の発明は、前記カバー部材は、前記カバー部の内側に前記流路の洗浄用流体を前記観察用窓部へと噴出させるノズル部を形成するリブを有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置である。
請求項3の発明は、前記観察用の窓部の観察方向は、挿入部の中心軸方向から外れた斜め方向、または側視方向のいずれか一方に向けられるように配置され、前記カバー部材は、前記照明光の出射部から真っ直ぐ前向きに出射された照明光の向きを前記観察用の窓部の観察方向に合わせて屈曲させるプリズム部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図3を参照して説明する。図1は本実施の形態の内視鏡装置1全体の概略構成を示すものである。この内視鏡装置1はスコープ(内視鏡本体)2と、このスコープ2に外装されるシース3とで構成されている。
【0012】
また、スコープ2には体内に挿入される細長い挿入部4と、この挿入部4の基端側に連結された手元側端部5とが設けられている。ここで、手元側端部5の前端部外周面にはリング状のシース取付け溝5aが形成されている。さらに、挿入部4の先端部6には図2(A),(B)に示すように照明光の出射部7および観察用の窓部8がそれぞれ先端面6aに露出された状態で配設されている。
【0013】
また、スコープ2の中には、照明光学系9と、観察光学系10とが設けられている。ここで、照明光学系9にはライトガイドファイバー11が設けられている。このライトガイドファイバー11の基端部はスコープ2の手元側端部5側に延設されている。さらに、ライトガイドファイバー11の先端部はスコープ2の挿入部4の先端部6に延設され、このライトガイドファイバー11の先端面によって照明光の出射部7が形成されている。そして、図示しない光源装置で発生した照明光がライトガイドファイバー11を通してスコープ2の手元側から先端部6側に導かれ、先端部6の先端面6aの照明光の出射部7より術野に照射されるようになっている。
【0014】
また、観察用の窓部8は例えばカバーガラス12によって形成されている。このカバーガラス12の内面側には観察光学系10を構成する図示しない対物レンズや、例えばCCD等の固体撮像素子、或いはイメージガイドファイバー等の像伝達光学系が設けられている。そして、スコープ2の術野の像は観察用の窓部8のカバーガラス12から取り込まれてスコープ2内の図示しない像伝達光学系に伝送されるようになっている。
【0015】
さらに、シース3にはスコープ2の挿入部4を覆う円筒状のシース本体13と、このシース本体13の基端部に連結され、スコープ2の手元側端部5の前面部分を覆う大径な固定機構部14とが設けられている。
【0016】
ここで、シース3のシース本体13の内周面とスコープ2の挿入部4の外周面との間には断面形状がリング状の空間である流路15が形成されている。この流路15はスコープ2の手元側端部5から挿入部4の先端部6まで延設され、この流路15によって観察用の窓部8の洗浄液を供給するようになっている。
【0017】
また、固定機構部14の後端部内周面には弾性材から成るリング状の係合凸部16が内方向に向けて突設されている。この係合凸部16はスコープ2の手元側端部5のシース取付け溝5aに係脱可能に係合されるようになっている。そして、シース3をスコープ2に外装させた状態で固定機構部14の係合凸部16をスコープ2の手元側端部5のシース取付け溝5aに係脱可能に係合させることにより、スコープ2にシース3が着脱自在に取付けられるようになっている。
【0018】
さらに、固定機構部14の内周面には図3に示すようにスコープ2の挿入部4の基端部外周面に圧接されるシール17が設けられている。そして、スコープ2にシース3が取付けられた状態ではこのシール17によってシース本体13の内周面とスコープ2の挿入部4の外周面との間の流路15の手元端の水密及び気密が確保されるようになっている。
【0019】
また、固定機構部14の前端部外周面にはチューブ連結用のポート18が突設されている。このポート18の内端部は流路15の手元端に連通されている。さらに、ポート18の外端部には連結チューブ19の一端部が着脱可能に連結されるようになっている。この連結チューブ19の他端部は切換えバルブ20に連結されている。この切換えバルブ20には送水源21と吸引源22とがそれぞれ連結されている。そして、切換えバルブ20の切換え操作にともない送水源21および吸引源22のうちのいずれか一方が選択的にポート18に連通されるようになっている。
【0020】
また、シース本体13の先端部には光を透過する透光性の材料によって形成されたカバー部材23がスコープ2の挿入部4の先端部6を覆う状態で設けられている。このカバー部材23は過剰に温められても変形しにくい例えばポリスルホン、ポリカーボネート、ポリイミドなどの樹脂材料、あるいはサファイアなどのガラス材料などからできている。
【0021】
さらに、カバー部材23には照明光の出射部7を覆うカバー部24と、観察用の窓部8を外部に露出させる開口部25とが設けられている。ここで、カバー部24は図2(A)に示すようにシース本体13の中心軸方向に対して略垂直に折り曲げられ、ライトガイドファイバー11の先端面の出射部7を覆う位置まで延設されている。
【0022】
また、スコープ2の先端面6aとカバー部材23のカバー部24との間には隙間26が形成されている。この隙間26の外端部はシース本体13の内周面とスコープ2の挿入部4の外周面との間の流路15の先端部に連通されている。さらに、この隙間26の内端部はカバー部材23の開口部25に連通されている。そして、照明光によって加熱されるカバー部24の熱によって流路15の洗浄液を加熱する流体加熱部27が形成されている。
【0023】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では図示しない光源装置で発生した照明光はスコープ2の中のライトガイドファイバー11を通ってスコープ2の先端部6へと導かれる。さらに、ライトガイドファイバー11の先端面の照明光の出射部7から前方へと出射され、カバー部材23のカバー部24を透過して術野を照明する。このとき、照明光の出射部7から出射される照明光によってカバー部材23のカバー部24が加熱される。
【0024】
また、術野の像はシース3のカバー部材23の開口部25から露出している観察用窓部8のカバーガラス12よりスコープ2内に取り込まれる。そして、スコープ2内の図示しない像伝達光学系に伝送され、スコープ2の手元側の図示しない接眼部で観察することができる。
【0025】
さらに、スコープ2による観察中、カバーガラス12が汚れた場合には、切換えバルブ20を送水源21側に開くと送水源21よりポート18と流路15を経て隙間26へ洗浄液が送水される。このとき、カバー部材23のカバー部24は照明光によって加熱されているので、流路15から隙間26に流れる洗浄液がこのカバー部24の熱によって加熱される。そして、ここで加熱された温水の洗浄液がスコープ2の先端面6aに沿って観察用窓部8のカバーガラス12へと噴出され、カバーガラス12上の汚れが洗い流される。
【0026】
また、切換えバルブ20を吸引源22側に開くとポート18、流路15を経て隙間26に陰圧がかかり、隙間26から観察用窓部8のカバーガラス12上の水滴などを吸引除去することができる。
【0027】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では照明光がライトガイドファイバー11の先端面から前方へと出射され、カバー部材23のカバー部24を通る時に、照明光によってカバー部24が温められる。そのため、スコープ2の先端面6aとカバー部材23のカバー部24との間の隙間26を流れる洗浄液をカバー部24の熱によって温めることができるので、スコープ2のカバーガラス12に温まった洗浄液を噴出させることができる。その結果、スコープ2の観察用の窓部8のカバーガラス12に洗浄液を噴出した際に従来のようにカバーガラス12が冷えて曇ることを防ぐことができるので、体腔内の観察を行うときに発生しがちな観察用窓部8の曇りを防ぐことができる。
【0028】
さらに、本実施の形態ではカバー部材23をポリスルホン、ポリカーボネート、ポリイミドなどの樹脂材料、あるいはサファイアなどのガラス材料などから作るようにしているので、照明光で照らされてカバー部24が温められても容易に熱変形することがなく、安全である。
【0029】
なお、カバー部24の表面、あるいは内部に図示しない金属膜などのコーティング層を形成することにより、カバー部24に不透明部や、着色部を設けることにより、カバー部24が照明光の熱を得て発熱し易い構成にしても良い。
【0030】
さらに、カバー部24の外表面に撥水コーティングを施すことにより、カバー部24の外表面に血液や、汚れが付きにくくして、常により明るく照明できる構成にしても良い。
【0031】
また、図4(A),(B)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3参照)のシース本体13の先端のカバー部材23のカバー部24の内側にスコープ2の先端面6aとカバー部24との間の隙間26内にカバー部材23の外周部位から開口部25に向かって細長く伸びるリブ31を複数、本実施の形態では3つ設けることにより、流路15を経て隙間26へ送水された洗浄液を観察用窓部8のカバーガラス12へと噴出させるノズル部32を形成する構成にしたものである。なお、リブ31の数は1つ、または3つ以外の複数であってもよい。
【0032】
そこで、上記構成の本実施の形態では手元から流路15を通ってスコープ2の先端面6aとカバー部24との間の隙間26内に流れてきた送水をリブ31によってガイドさせた状態でノズル部32から開口部25内に露出しているスコープ2のカバーガラス12に勢い良く吹き付けることができる。そのため、カバーガラス12上の血液、汚れや、曇りを確実に洗い流すことができる。
【0033】
また、本実施の形態では流路15を吸引源22に連通した際に、カバーガラス12の表面に一層大きな陰圧が加わるので、カバーガラス12の表面上の水滴を確実に、きれいに吸引除去することができる。
【0034】
なお、リブ31を図示しない金属や、不透明な樹脂材料、あるいは着色された樹脂材料などで作ることにより、照明光の出射部7から出射される照明光によってカバー部24を温めるのと同時に、リブ31を加熱し、このリブ31からの熱でも洗浄液をさらに効果的に温められる構成にしても良い。
【0035】
また、図5(A),(B)は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態の内視鏡装置41は斜視スコープ42と、この斜視スコープ42に着脱自在に外装されるシース43とで構成されている。
【0036】
本実施の形態の斜視スコープ42には図5(A)に示す細長い挿入部44と、この挿入部44の基端側に連結された図5(B)に示す手元側端部45とが設けられている。ここで、手元側端部45の前端部外周面にはリング状のシース取付け溝45aが形成されている。
【0037】
さらに、挿入部44の先端部46の先端面46aには図5(A)に示すように挿入部44の中心軸方向に対して直交する方向に形成された平面部46a1 と、挿入部44の中心軸方向と直交する方向に対して斜めに傾けた状態で形成された斜面部46a2 とが設けられている。そして、平面部46a1 には照明光の出射部47、斜面部46a2 には観察用の窓部48がそれぞれ先端面46aに露出された状態で配設されている。
【0038】
また、スコープ42の中には第1の実施の形態と同様に図示しない光源装置で発生した照明光を導いて術野に照射するライトガイドファイバー49と術野の像をスコープ42内に取り込むカバーガラス50とが設けられている。ここで、ライトガイドファイバー49は先端まで真っ直ぐ延設されている。そして、このライトガイドファイバー49の先端面は垂直にカットされており、このライトガイドファイバー49の先端面によって照明光の出射部47が形成されている。
【0039】
さらに、観察用の窓部48は例えばカバーガラス50によって形成されている。このカバーガラス50は斜面部46a2 に取付けられ、スコープ42の挿入部44の中心軸方向に対して斜めに傾くように配置されている。これにより、観察用の窓部48のカバーガラス50からの観察方向は図5(A)中に矢印Ob で示すように斜め下向きに向けられるようになっている。
【0040】
また、本実施の形態のシース43にはスコープ42の挿入部44を覆う円筒状のシース本体51と、このシース本体51の基端部に連結され、スコープ42の手元側端部45の前面部分を覆う大径な固定機構部52とが設けられている。
【0041】
ここで、シース43のシース本体51とスコープ42の挿入部44との間には断面形状がリング状の空間である流路53が形成されている。この流路53は手元側でシース43の固定機構部52に設けられたポート54に連通されている。
【0042】
さらに、固定機構部52の後端部内周面には弾性材から成るリング状の係合凸部55が内方向に向けて突設されている。この係合凸部55はスコープ42の手元側端部45のシース取付け溝45aに係脱可能に係合されるようになっている。そして、シース43をスコープ42に外装させた状態で固定機構部52の係合凸部55をスコープ42の手元側端部45のシース取付け溝45aに係脱可能に係合させることにより、スコープ42にシース43が着脱自在に取付けられるようになっている。
【0043】
さらに、固定機構部52の内周面にはスコープ42の挿入部44の基端部外周面に圧接されるシール56が設けられている。そして、スコープ42にシース43が取付けられた状態ではこのシール56によってシース本体51の内周面とスコープ42の挿入部44の外周面との間の流路53の手元端の水密及び気密が確保されるようになっている。
【0044】
また、シース本体51の先端部には過剰に温められても容易に変形しないポリスルホン、ポリカーボネート、ポリイミドなどの樹脂材料、あるいはサファイアなどのガラス材料などからできている透光性のカバー部材57が設けられている。
【0045】
このカバー部材57にはスコープ42の先端面46aの平面部46a1 に露出するライトガイドファイバー49の先端面を覆う位置に配置されたプリズム部(カバー部)58と、観察用の窓部48のカバーガラス50が外部に露出するような位置に配置された開口部59とが設けられている。なお、プリズム部58は図5(A)中で上部側が下部側に比べて板厚が薄くなる略楔形の断面形状になっている。そして、このプリズム部58ではライトガイドファイバー49の先端面の照明光の出射部47から真っ直ぐ前向きに出射されたの照明光の向きを図5(A)中に矢印Lで示すように斜め下方に変え、スコープ42の前方斜め下方の術野を照らし出すようになっている。
【0046】
また、プリズム部58と、スコープ42の先端面46aの平面部46a1 およびライトガイドファイバー49の先端面の照明光の出射部47との間には隙間60が形成されている。この隙間60の外端部はシース本体51の内周面とスコープ42の挿入部44の外周面との間の流路53の先端部に連通されている。さらに、この隙間60の内端部はカバー部材57の開口部59に連通されている。そして、照明光によって加熱されるプリズム部58の熱によって流路53の洗浄液を加熱する流体加熱部61が形成されている。なお、開口部59の周囲全周、あるいは開口部59の周囲の一部には、隙間60の高さ、あるいは幅寸法を小さく絞ったノズル部62が設けられている。
【0047】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では図示しない光源装置で発生した照明光はスコープ42の中のライトガイドファイバー49を通ってスコープ42の先端部46へと導かれる。そして、ライトガイドファイバー49の先端面の照明光の出射部47からスコープ42の挿入部44の中心軸と平行に真っ直ぐ前方に出射され、カバー部材57のプリズム部58に入射する。このプリズム部58で照明光は図5(A)中に矢印Lで示すように斜め下方に向きを変えられ、スコープ42の前方斜め下方の術野を照らし出す。このとき、照明光の出射部47から出射される照明光によってカバー部材57のプリズム部58が加熱される。
【0048】
また、カバー部材57の開口部59から露出され、スコープ42の挿入部44の中心軸方向に対して斜めに傾けた状態で設けられいてる観察用窓部48のカバーガラス50によりスコープ42の斜め前方の術野の像がスコープ42の内部に取り込まれる。そして、この内視鏡像はスコープ42内の図示しない像伝達光学系に伝送され、スコープ42の手元側の図示しない接眼部で観察することができる。
【0049】
さらに、スコープ42による観察中、カバーガラス50が汚れた場合には、第1の実施の形態と同様の手順で切換えバルブ20(図1参照)を送水源21(図1参照)側に開く。これにより、手元の送水源21から洗浄液をポート54へ送り込む。この洗浄液はさらに流路53を経て隙間60へと流れる。このとき、カバー部材57のプリズム部58は照明光によって加熱されているので、流路53から隙間60に流れる洗浄液がこのプリズム部58の熱によって加熱される。そして、ここで加熱された温水の洗浄液が開口部59の周辺に形成されたノズル部62よりカバーガラス50へと噴出され、カバーガラス50上の汚れや曇りを除去する。
【0050】
また、第1の実施の形態と同様に切換えバルブ20を切換え、吸引源22側をポート54に接続すると流路53、隙間60及びノズル部62を経てカバーガラス50上に陰圧がかかり、カバーガラス50上の水滴などを吸引除去することができる。
【0051】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では照明光がライトガイドファイバー49の先端面の照明光の出射部47から前方へと出射され、カバー部材57のプリズム部54に入射されて照明光がプリズム部54を通るときにこのプリズム部54が温められる。これにより、スコープ42の先端面46aとカバー部材57のプリズム部54との間の隙間60を流れる洗浄液をプリズム部54の熱によって温めることができるので、スコープ42のカバーガラス50に温まった洗浄液を噴出させることができる。その結果、スコープ42の観察用の窓部48のカバーガラス50に洗浄液を噴出した際に従来のようにカバーガラス50が冷えて曇ることを防ぐことができるので、体腔内の観察を行うときに発生しがちな観察用窓部48の曇りを防ぐことができる。
【0052】
また、本実施の形態ではスコープ42のライトガイドファイバー49は真っ直ぐ伸ばしたままで、先端を垂直にカットするだけで照明光の出射部47が形成されるので、スコープ42の構造が単純になり、スコープ42の組立も容易になる効果もある。
【0053】
また、図6は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態の内視鏡装置71は側視スコープ72と、この側視スコープ72に着脱自在に外装されるシース73とで構成されている。
【0054】
本実施の形態の側視スコープ72には細長い挿入部74とこのスコープ72に着脱自在に外装されるシース73のシース本体75との間には断面形状がリング状の空間である流路76が形成されている。この流路76は第1の実施の形態と同様に手元側でシース73に設けられたポート18(図1参照)と連通する。
【0055】
さらに、スコープ72の挿入部74の先端部77には第1の実施の形態と同様に図示しない光源装置の照明光を導いて術野に照射するライトガイドファイバー78が先端まで真っ直ぐ伸びた状態で組み込まれている。このライトガイドファイバー78の先端面は垂直にカットされ、照明光の出射部79が形成されている。
【0056】
また、スコープ72の挿入部74における先端部77の外周面には観察用の窓部80が形成されている。さらに、挿入部74の先端部77には直角プリズム81と、複数の光学レンズによって形成される伝達光学系82とからなる観察光学系が組み込まれている。ここで、直角プリズム81はスコープ72の側面の外表面に露出させた状態で観察用窓部80に配設されている。そして、この直角プリズム81によって術野の像を取り込み、内部の伝達光学系82に伝えるようになっている。
【0057】
また、シース73のシース本体75の先端には過剰に温められても容易に変形しにくい透光性のカバー部材83が設けられている。このカバー部材83にはスコープ72の挿入部74の先端面77a全体を覆い、ライトガイドファイバー78の先端面の照明光の出射部79を覆う位置に設けられたプリズム部(カバー部)84と、観察用窓部80の直角プリズム81の側方に配置された開口部85とが設けられている。
【0058】
さらに、プリズム部84にはスコープ72の先端面77aと対向する垂直面86と、その前方に位置する傾斜面87と、スコープ72の中心軸に対して平行に配置され、カバー部材83の開口部85と並ぶ側面88とが設けられている。ここで、傾斜面87には光を透過しない薄い反射膜89が全面に設けられている。また、側面88は平面、あるいはレンズ効果が得られる凸面、あるいは凹面形状になっている。
【0059】
また、カバー部材83の垂直面86とスコープ72の挿入部74の先端面77aとの間には隙間89が形成されている。この隙間89は流路76および開口部85と連通されている。さらに、開口部85の周辺の全周、あるいは一部には、隙間89の開口幅が開口部85に近づくにつれて小さくなるノズル部90が設けられている。
【0060】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では図示しない光源装置で発生した照明光はスコープ72の中のライトガイドファイバー78を通ってスコープ72の先端部77へと導かれ、ライトガイドファイバー78の先端面の照明光の出射部79から前方へと出射される。さらに、スコープ72の前方に照射された照明光はカバー部材83の垂直面86よりプリズム部84へと入射し、傾斜面87の反射膜89で直角に反射されて図6中に矢印Lで示すように進行方向を真横に変えて側面88から外部に射出され、スコープ72の真横の術野を照らし出す。このとき、照明光の出射部79から出射される照明光によってカバー部材83のプリズム部84が加熱される。
【0061】
ここで、プリズム部84の側面88が外に向かって凸面状に湾曲している場合にはより広く広がって広い範囲を照らすことができる。また、側面88が外に向かって凹面状に湾曲している場合にはより狭い範囲を集中的により明るく照らし出すことができる。
【0062】
また、スコープ72の横方向にある術野の像はカバー部材83の開口部85から露出している観察用窓部80の直角プリズム81よりスコープ72内に取り込まれたのち、スコープ72内の伝達光学系82に伝えられ、スコープ72の手元側の図示しない接眼部で観察することができる。
【0063】
さらに、スコープ72による観察中、観察用窓部80の直角プリズム81が汚れた場合には、第1の実施の形態と同様の手順で切換えバルブ20(図1参照)を送水源21(図1参照)側に開く。これにより、手元の送水源21から洗浄液を流路76に流し込む。この洗浄液はさらに隙間89を経て開口部85の周辺に形成されたノズル部90側に流れる。このとき、カバー部材83のプリズム部84は照明光によって加熱されているので、流路76から隙間89に流れる洗浄液がこのプリズム部84の熱によって加熱される。そして、ここで加熱された温水の洗浄液が隙間89を経て開口部85の周辺のノズル部90から観察用窓部80の直角プリズム81へと噴出され、観察用窓部80の直角プリズム81上の汚れや曇りを除去する。
【0064】
また、第1の実施の形態と同様に切換えバルブ20を切換え、吸引源22を流路76に接続すると、隙間89およびノズル部90を経て観察用窓部80の直角プリズム81上に陰圧がかかり、観察用窓部80の直角プリズム81上の水滴などを吸引除去することができる。
【0065】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では照明光がライトガイドファイバー78の先端面の照明光の出射部79から前方へと出射され、カバー部材83のプリズム部84に入射されて照明光がプリズム部84を通るときにこのプリズム部84が温められる。これにより、スコープ72の先端面77aとカバー部材83のプリズム部84との間の隙間89を流れる洗浄液をプリズム部84の熱によって温めることができるので、スコープ72の観察用窓部80の直角プリズム81に温まった洗浄液を噴出させることができる。その結果、スコープ72の観察用の窓部80の直角プリズム81に洗浄液を噴出した際に従来のように観察用の窓部80が冷えて曇ることを防ぐことができるので、体腔内の観察を行うときに発生しがちな観察用窓部80の曇りを防ぐことができる。
【0066】
また、スコープ72のライトガイドファイバー78は真っ直ぐ伸ばしたまま、先端を垂直にカットするだけで照明光の出射部79が形成されるので、スコープ72の構造が単純になり、スコープ72の組立も容易になる。
【0067】
さらに、本実施の形態ではシース73のカバー部材83の側面88の形状を平面、凸面、凹面と変えて選択的に使用することにより、同じスコープ72を用いても組合わせて使用するシース73を変えることで簡便に照明状態を変更することができるので、より術者のニーズに合った観察が可能になる。
【0068】
また、図7(A),(B)は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態の内視鏡装置91はスコープ92と、このスコープ92に着脱自在に外装されるシース93とで構成されている。
【0069】
本実施の形態のシース93の円筒状のシース本体94は、単純な円筒パイプの先端を直角に切り落とした硬い金属材料、あるいは柔軟な樹脂材料などのパイプ95の先端部に、過剰に温められても容易に変形しにくい材料からなる透光性のカバー部材96を取り付けた構造になっている。
【0070】
このカバー部材96の先端側にはスコープ92の前方に長く伸びてスコープ92の挿入部97における先端部98の先端面98aを取り囲むフード部(カバー部)99が設けられている。さらに、フード部99の先端には大きく開いた開口部100が設けられている。
【0071】
また、カバー部材96の内部にはスコープ92の先端部98の先端面98aの一部に対向する段差面101が一部、あるいは全周にわたって設けられている。そして、この段差面101とスコープ92の先端部98の先端面98aとの間で隙間102が形成されている。
【0072】
また、スコープ92の挿入部97とシース93のシース本体94との間には断面形状がリング状の空間である流路103が設けられている。そして、カバー部材96の段差面101とスコープ92の先端部98の先端面98aとの間の隙間102は流路103及びフード部99の内周面104の内部空間と連通されている。
【0073】
さらに、カバー部材96の段差面101には1つ、または複数の細長い凸部105が後方向に向けて突設されている。この凸部105はシース本体94の周辺から内周面104に向かって隙間102の開口幅が徐々に小さくなるように内方向に向かって膨らむ状態で形成されている。そして、この凸部105によって隙間102からスコープ92の先端部98の先端面98aに向けて洗浄液を噴出するノズル部106が形成されている。
【0074】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態ではカバー部材96の先端の開口部100を通して、スコープ92の先端部98の先端面98aから照明と観察を行う。ここで、照明光の一部は、透明なフード部99を通して術野を照らし出す。このとき、フード部99を通る照明光によってカバー部材96のフード部99が加熱される。
【0075】
また、手元からスコープ92の挿入部97とシース93のシース本体94との間の流路103を流れてきた洗浄液はカバー部材96の内部に設けられた段差面101とスコープ92の先端部98の先端面98aとの間の隙間102に流れ込む。このとき、カバー部材96のフード部99は照明光によって加熱されているので、流路103から隙間102に流れる洗浄液がこのフード部99の熱によって加熱される。そして、ここで加熱された温水の洗浄液がノズル部106で勢いを増してスコープ92の先端部98の先端面98aに吹き付けられ、スコープ92の先端部98の先端面98a上の汚れや、曇りを洗い流す。
【0076】
また、スコープ92の挿入部97とシース93のシース本体94との間の流路103に陰圧をかけると、ノズル部106からスコープ92の先端部98の先端面98a上の水滴などを吸引除去することができる。
【0077】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではシース93の先端のフード部99を透光性のカバー部材96で作ったので、透明なフード部99を通して術野を照明できる。これにより、照明光が無駄にならず、明るい観察像が得られる。
【0078】
また、シース93の先端部を単純な円筒パイプの先端を直角に切り落としたパイプ95の先端部に、内側に段差面101およびノズル部106を形成するための凸部105を一体的に形成したカバー部材96を取り付けた構造にしたので、シース93をより安価に作れる効果がある。
【0079】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 本体部と挿入部を有するスコープとスコープの挿入部を覆うように外装されるシースとからなる内視鏡装置において、スコープ挿入部とシース挿入部の間に手元から先端まで伸びる流路を設け、流路の手元にスコープの先端面を洗う送水を供給する送水手段および/または吸引手段を接続するとともに、シース先端に少なくともスコープ先端の照明光出射端を覆って照明光を透過するカバー部と少なくともスコープ先端の対物レンズを外部に露出させる開口部を有する透明部材を設け、スコープ先端面と透明部材の間の隙間を上記流路に連通させたことを特徴とする内視鏡装置。
【0080】
(付記項2) 付記項1において、透明部材の内側に送水をスコープの対物レンズに向けるためのノズル部を設け、ノズル部と流路とを連通させたことを特徴とする内視鏡装置。
【0081】
(付記項3) 付記項1において、透明部材をポリスルホン、ポリカーボネート、ポリイミドなどの熱変形温度が高い透明な樹脂あるいはサファイアなどのガラスで作ったことを特徴とする内視鏡装置。
【0082】
(付記項4) 付記項1において、カバー部の少なくとも一部に光を吸収して熱に変換する物質を設けたことを特徴とする内視鏡装置。
(付記項1〜4の従来技術) 付記項1から4に対しては特開平6−189893があった。
【0083】
(付記項1〜4が解決しようとする課題) この技術ではシース先端のノズルから冷えた水をスコープのカバーガラスに吹き付けるとカバーガラスが冷えて曇り、良好な内視鏡像が得られないという問題点があった。これに対し、温めた送水をカバーガラスに吹き付けることが解決手段の1つとなるが、送水源に加温装置を取り付けても送水源とスコープの間をつなぐ細長いチューブを通ってカバーガラスに到達するまでに送水が冷えてしまい、解決手段にはならない。また、細長いチューブに加温装置を取り付けるとチューブが重く、太くなり、スコープの操作がきわめてやりにくくなるという問題が生じる。
【0084】
(付記項1〜4の目的) 付記項1から4に対しては、送水をスコープのカバーガラスに噴出/吸引して汚れなどを洗い流してもカバーガラスが曇らず常にクリアな内視鏡像が得られる改良された内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0085】
(付記項1〜4の作用) 付記項1から4の構成により、シース先端に設けられたカバー部がスコープ先端から出射される照明光により温められ、更に、カバー部の内側を流れる送水を温める。これにより温められた送水でスコープのカバーガラスを洗えるようになるので、カバーガラスが曇らず、常にクリアな内視鏡像が得られる。
【0086】
(付記項1〜4の効果) 付記項1から4の構成により、温められた送水をスコープのカバーガラスに噴出/吸引して汚れなどを洗い流せるようになり、カバーガラスが曇らず常にクリアな内視鏡像が得られるようになった。
【0087】
(付記項5) 本体部と挿入部を有するスコープとスコープの挿入部を覆うように外装されるシースとからなる内視鏡装置において、スコープ挿入部とシース挿入部の間に手元から先端まで伸びる流路を設け、流路の手元にスコープの先端面を洗う送水を供給する送水手段および/または吸引手段を接続するとともに、シース先端に少なくともスコープ先端の照明光出射端を覆って照明光の向きおよび/または広がりを変えるカバー部と、少なくともスコープ先端の対物レンズを外部に露出させる開口部を有する透明部材を設け、スコープ先端面と透明部材の間の隙間を上記流路に連通させたことを特徴とする内視鏡装置。
【0088】
(付記項6) 付記項5において、カバー部の一部に照明光を反射するための反射面を設けたことを特徴とする内視鏡装置。
(付記項7) 付記項5において、カバー部の内側に送水をスコープの対物レンズに向けるためのノズル部を設け、ノズル部と流路とを連通させたことを特徴とする内視鏡装置。
【0089】
(付記項8) 付記項5において、透明部材をポリスルホン、ポリカーボネート、ポリイミドなどの熱変形温度が高い透明な樹脂あるいはサファイアなどのガラスで作ったことを特徴とする内視鏡装置。
【0090】
(付記項9) 付記項5において、カバー部の少なくとも一部に光を吸収して熱に変換する物質を設けたことを特徴とする内視鏡装置。
(付記項5〜9の従来技術) 付記項5から9に対しては、(1)特公平3−4885号公報や(2)特開平7−13087号公報があった。(1)では、斜視スコープにおいてスコープの先端で照明用のライトガイドファイバーを湾曲させてスコープの斜め前方を照明するための構造が開示されている。また、(2)ではスコープの挿入部にディスポーザブルなシースを装着し、シースの先端に設けたレンズやプリズムなどによって観察方向および照明方向を変えたり、観察像の拡縮やピントあわせを行う技術が開示されている。
【0091】
(付記項5〜9が解決しようとする課題) しかし、(1)はスコープの生産においてライトガイドファイバーを湾曲させる時にライトガイドファイバーが折れたりライトガイドファイバーの繊維全ての先端の傾きが一様に揃わないなどのために組立作業が複雑で難しく、極めて高度な組立技術が求められる。また、(2)は、使用中、シース先端のレンズやプレズムの外表面が汚れたり曇ったりするときれいな観察像が得られないという問題があった。
【0092】
(付記項5〜9の目的) 付記項5から9に対しては、斜視スコープの照明用ライトガイドファイバーの先端を真っ直ぐにすることで斜視スコープ先端の構造を簡素化して組立を容易にすること、及び、上記と同様に送水をスコープのカバーガラスに噴出/吸引して汚れなどを洗い流してもカバーガラスが曇らず常にクリアな内視鏡像が得られる改良された内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0093】
(付記項5〜9の作用) 付記項5から9の構成により、斜視スコープの照明用ライトガイドファイバーの先端を真っ直ぐにすることで斜視スコープ先端の構造が単純になり、かつ、スコープの組立作業も容易になる。また、スコープに外装するシースの先端に設けたレンズあるいはプリズムはスコープ先端から出射される照明光の向きや広がりを変えるとともに、上記のように、レンズあるいはプリズムが照明光によって温められ、更にレンズやプリズムの内側を流れる送水も温める。これにより、上記と同様に温かい送水でスコープのカバーガラスを洗えるようになるので、カバーガラスが曇らず、常にクリアな内視鏡像が得られる。
【0094】
(付記項5〜9の効果) 付記項5から9の構成により、斜視スコープの照明用ライトガイドファイバーの先端を真っ直ぐにすることで斜視スコープ先端の構造が簡単になり組立が容易になった。また、上記と同様に温められた送水をスコープのカバーガラスに噴出/吸引して汚れなどを洗い流せるようになり、カバーガラスが曇らず常にクリアな内視鏡像が得られるようになった。
【0095】
(付記項10) 本体部と挿入部を有するスコープとスコープの挿入部を覆うように外装されるシースとからなる内視鏡装置において、スコープ挿入部とシース挿入部の間に手元から先端まで伸び、手元にスコープの先端面を洗う送水を供給する送水手段および/または吸引手段が接続される流路を設けるとともに、シース先端に少なくともスコープ先端の一部を覆い、前方に伸び、先端が開口している透明なフードを設け、透明フードの内側に送水をスコープの対物レンズに向けるためのノズル部を設けて、ノズル部と上記流路を連通させたことを特徴とする内視鏡装置。
【0096】
(付記項10の従来技術) 付記項10に対しては(1)実公昭48−5269号公報と(2)特開平6−189893号公報があった。
(付記項10が解決しようとする課題) (1)はスコープ先端に取り付けたフード状のフランジによって照明光の一部が遮られて照明できる範囲が限られたり、観察像の一部がフランジによって遮られるという問題点が生じる上に、スコープ先端の対物レンズが汚れたり、曇ったりしたら、スコープを患者の体腔から抜去して、拭き取る必要があった。また、(2)はシース先端のノズルから送水をスコープのカバーガラスに吹き付けるためにシース挿入部の細長いパイプの先端を内側に折曲げる加工が難しくコストがかかった。
【0097】
(付記項10の目的) 付記項10に対しては、スコープ先端面を覆うフードで照明光の一部が遮られて照明できる範囲が限られるのを対策し、同時に、スコープ先端の対物レンズを送水で洗うノズルをより簡単かつ安価に作ることを目的とする。
【0098】
(付記項10の作用) 付記項10の構成により、シース先端のフードを透明部材で作ったので、透明なフード部を通して術野を照明できるようになり、これにより、照明光が無駄にならず、明るい観察像が得られるようになった。シース先端部を単純な円筒パイプの先端を直角に切り落としたパイプの先に、内側に段差面およびノズル部を形成するための凸部を一体的に形成した透明部材を取り付けた構造にしたので、シースをより安価に作れるようになった。
【0099】
(付記項10の効果) 付記項10の構成により、スコープの先端面に組織や血液などが付着するのを防ぐためのフードにスコープのカバーガラスの汚れや曇りを洗い流すためのノズルを一体的に設けたことにより、シースをより安価に作ることができるようになった。
【0100】
【発明の効果】
本発明によれば、照明光によって加熱されるカバー部の熱によって温められた洗浄用流体を観察用の窓部のカバーガラスに噴出、吸引して汚れなどを洗い流せるようになり、観察用の窓部のカバーガラスが曇らず常にクリアな内視鏡像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の内視鏡装置全体の概略構成図。
【図2】 (A)は第1の実施の形態の内視鏡装置における挿入部の先端部分の要部構成を示す縦断面図、(B)は内視鏡装置における挿入部の先端面を示す平面図。
【図3】 第1の実施の形態の内視鏡装置の手元側端部の要部構成を示す縦断面図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態を示すもので、(A)は内視鏡装置における挿入部の先端面を示す平面図、(B)は内視鏡装置における挿入部の先端部分の要部構成を示す縦断面図。
【図5】 本発明の第3の実施の形態を示すもので、(A)は内視鏡装置における挿入部の先端部分の要部構成を示す縦断面図、(B)は内視鏡装置の手元側端部の要部構成を示す縦断面図。
【図6】 本発明の第4の実施の形態の内視鏡装置における挿入部の先端部分の要部構成を示す縦断面図。
【図7】 本発明の第5の実施の形態を示すもので、(A)は内視鏡本体へのシースの取付け状態を示す縦断面図、(B)は挿入部の先端部分のノズル部を示す要部の縦断面図。
【符号の説明】
2、42、72、91 スコープ(内視鏡本体)
3、43、73、73 シース
4、44、74、97 挿入部
5、45 手元側端部
6、46、98 先端部
7、47、79 照明光出射部
8、48、80 観察用窓部
15、53、76、103 流路
23、57、83、96 カバー部材
24 カバー部
25、59、85、100 開口部
27、61 流体加熱部
58、84 プリズム部(カバー部)
99 フード部(カバー部)

Claims (3)

  1. 体内に挿入される細長い挿入部の基端側に手元側端部が設けられ、前記挿入部の先端部に照明光の出射部および観察用の窓部が配設された内視鏡本体と、前記挿入部を覆う状態で前記内視鏡本体に外装されるシースとを備え、前記挿入部の外周面と前記シースの内周面との間に前記手元側端部から前記挿入部の先端部まで延設され、前記観察用の窓部の洗浄用の流体を供給する流路が形成された内視鏡装置において、
    光を透過する透過性の材料によって形成され、前記照明光の出射部全体を覆うカバー部と、前記観察用の窓部を外部に露出させる開口部とを有するカバー部材を前記シースの先端部に設けるとともに、
    前記照明光によって前記流路の洗浄用流体を加熱する流体加熱部を前記カバー部に設けたことを特徴とする内視鏡装置。
  2. 前記カバー部材は、前記カバー部の内側に前記流路の洗浄用流体を前記観察用窓部へと噴出させるノズル部を形成するリブを有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  3. 前記観察用の窓部の観察方向は、挿入部の中心軸方向から外れた斜め方向、または側視方向のいずれか一方に向けられるように配置され、
    前記カバー部材は、前記照明光の出射部から真っ直ぐ前向きに出射された照明光の向きを前記観察用の窓部の観察方向に合わせて屈曲させるプリズム部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
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