JP3493526B2 - 固形接着剤組成物 - Google Patents

固形接着剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された固形接着剤に
関する。詳しくは接着性成分がビニルピロリドンとアク
リル酸の重合体であることを特徴とする固形接着剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】固形接着剤は一般に、水と有機溶剤に接
着性樹脂を溶解しゲル化剤によって硬化することにより
一定の形態と硬度を付与したものであるが、接着力およ
び粘着力があること、均一に塗布できること、適度の機
械的強度があること経時形態安定性があることなどの固
形接着剤に要求される性能を満足する必要がある。
【0003】従来、ゲル化剤としては5〜6価の糖アル
コールのジベンザル化物たとえばジベンジリデンキシリ
トール、ジベンジリデンソルビトールが使用されてい
る。また、上記ゲル化剤と組み合せて使用できる接着性
成分としては、ポリビニルアルコール(部分ケン化物、
完全ケン化物)、ポリビニルアセタール(アセトアセタ
ール、ブチラール等)ポリ酢酸ビニル、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、アルギン酸ソーダ、トラガントゴム、アラビアゴ
ム、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリルアミ
ド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレ
ンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ゼラチン、デン
プン、デキストリン、コーンスターチ等の天然樹脂の単
独または混合物等が知られている。これらと有機溶剤を
組み合せることにより固形になり接着剤となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、均一な
塗布性、厚紙・コート紙などへの接着力については、い
まだ十分とは言えない。本発明者は、固形接着剤の形崩
れしない均一な塗布性と厚紙・コート紙などへの接着性
を改良すべく研究し、特定の重合体を接着性成分として
使用することにより均一な塗布性と厚紙・コート紙など
にも接着できる良好な接着性を有する固形接着剤が得ら
れることを知見し、本発明を完成したものであり、さら
に5〜6価の糖アルコールジベンザル化物のゲル化剤と
しての能力を顕著に高めた接着剤の提供を目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、水
と有機溶剤と接着性成分とゲル化剤とからなる固形接着
剤において、接着性成分がビニルピロリドンとアクリル
酸の重合体であることを特徴とする固形接着剤組成物で
ある。次に、本発明について詳細に説明する。
【0006】本発明では、接着性成分としてビニルピロ
リドンとアクリル酸の重合体を使用するものであってビ
ニルピロリドン/アクリル酸(以下VP/AA)の組成
重量比は、VP(25〜75)/AA(75〜25)の
範囲である。VP/AAが75以上/25以下では、接
着性能の向上も見られず従来のものと変わらなかった。
また、VP/AAが25以下/75以上の時は均一な塗
布性が得られず賦形性も不十分であった。重合体の分子
量は、40,000〜250,000のものが好まし
く、分子量が、40,000以下であると固形接着剤の
強度が不足し、分子量250,000以上であると均一
な塗布性が得られなかった。また、この重合体により均
一な塗布性と良好な接着性を得るためには、1〜10重
量%の範囲で使用することが必要である。
【0007】本発明に用いるゲル化剤としては、ジベン
ジリデンキシリトール、ジベンジリデンソルビトールな
どの5〜6価の糖アルコールジベンザル化物を使用する
ことができる。
【0008】本発明に用いる有機溶剤としては、エタノ
ール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、ペトリオール等の水と混和する有機溶剤を使用する
ことができ、もちろん混合使用することもできる。
【0009】
【実施例】以下、実施例に従って、更に本発明を詳細に
述べる。 実施例1 撹拌機を備えた三ツ口フラスコに水30部、エチレング
リコールモノエチルエーテル40部、ジベンジリデンソ
ルビトール3部、ポリビニルピロリドン15部、ポリビ
ニルアルコール7部、ビニルピロリドンとアクリル酸の
重合体の組成重量比が25:75で分子量が250,0
00の重合体5部を還流下に80〜90℃で撹拌溶解し
た。撹拌すると系全体が流動性のある透明性の良いゾル
となり、この透明の液体を放冷することによって品質の
優れた固形接着剤が得られた。 比較例1 実施例1のビニルピロリドンとアクリル酸の重合体5部
を水に置き換え、固形接着剤を得た。 比較例2 実施例1のビニルピロリドンとアクリル酸の重合体5部
をアクリル酸樹脂に置き換え、固形接着剤を得た。 実施例2 水30部、エチレングリコールモノエチルエーテル40
部、ジベンジリデンソルビトール3部、ポリビニルピロ
リドン15部、ポリビニルアルコール7部、ビニルピロ
リドンとアクリル酸の重合体の組成重量比が50:50
で分子量が250,000の重合体5部を配合して固形
接着剤を得た。 比較例3 実施例2のビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組
成重量比が50:50で分子量が250,000の重合
体5部をビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組成
重量比が50:50で分子量が300,000の重合体
に置き換え、固形接着剤を得た。 比較例4 実施例2のビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組
成重量比が50:50で分子量が250,000の重合
体5部をビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組成
重量比が50:50で分子量が20,000の重合体に
置き換え、固形接着剤を得た。 実施例3 水30部、エチレングリコールモノエチルエーテル40
部、ジベンジリデンソルビトール3部、ポリビニルピロ
リドン15部、ポリビニルアルコール7部、ビニルピロ
リドンとアクリル酸の重合体の組成重量比が75:25
で分子量が250,000の重合体5部を配合して固形
接着剤を得た。 比較例5 実施例3のビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組
成重量比が75:25で分子量が250,000の重合
体5部をビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組成
重量比が80:20で分子量が250,000の重合体
に置き換え、固形接着剤を得た。 比較例6 実施例3のビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組
成重量比が75:25で分子量が250,000の重合
体5部をビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組成
重量比が20:80で分子量が250,000の重合体
に置き換え、固形接着剤を得た。 実施例4 水30部、エチレングリコールモノエチルエーテル40
部、ジベンジリデンソルビトール3部、ポリビニルピロ
リドン15部、ポリビニルアルコール7部、ビニルピロ
リドンとアクリル酸の重合体の組成重量比が25:75
で分子量が80,000の重合体5部を配合して固形接
着剤を得た。 比較例7 実施例4のビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組
成重量比が25:75で分子量が80,000の重合体
5部と水10部をビニルピロリドンとアクリル酸の重合
体の組成重量比が25:75で分子量が80,000の
重合体15部に置き換え、固形接着剤を得た。 比較例8 実施例4のビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組
成重量比が25:75で分子量が80,000の重合体
5部を水4.5部とビニルピロリドンとアクリル酸の重
合体の組成重量比が25:75で分子量が80,000
の重合体0.5部に置き換え、固形接着剤を得た。上記
実施例1〜4および比較例1〜8で得られた接着剤の性
能測定結果をまとめて表1に示す。この表より明らかな
ように、ビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組成
重量比が25〜75:75〜25の範囲で分子量が4
0,000〜250,000範囲であり、この重合体を
1〜10%使用した時に良好な固形接着剤が得られた。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では接着性成
分として、ビニルピロリドンとアクリル酸の重合体の組
成重量比が25〜75:75〜25、分子量が40,0
00〜250,000の重合体を1〜10%使用するこ
とにより、均一な塗布性と厚紙・コート紙などにも接着
できる良好な接着性を有する固形接着剤が得られる等の
効果を奏するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 4/00 - 201/10 C08F 220/00 - 226/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と有機溶剤と接着性成分とゲル化剤と
    からなる固形接着剤において、接着性成分が下記一般式
    (1)で示されるビニルピロリドンとアクリル酸
    重合体で濃度1〜10重量%になるように均一に含有さ
    れていることを特徴とする固形接着剤組成物。 【化1】 式中、X:Yが25〜75:75〜25なる組成重量
    、分子量は40,000〜250,000の範囲であ
  2. 【請求項2】 ゲル化剤は、5〜6価の糖アルコールジ
    ベンザル化物である請求項1記載の固形接着剤組成物。
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