JP4399914B2 - 水性接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主溶剤として水を用いた水性接着剤に関するものであり、更に詳細には光による変色が発生し難く、更に接着力、特に初期接着力に優れた水性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水性接着剤はポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、澱粉、加工澱粉などの接着性を有する水溶性高分子と水とを主成分とし、更に、凍結防止及び使用時の耐乾燥性向上などのためにグリセリン、グリコール類を用いている。
【0003】
水性接着剤は経時的に黴が発生したり、腐敗菌が繁殖したりするという欠点を有しているので抗菌性物質即ち防黴剤、防腐剤の使用が不可欠である。
防黴剤、防腐剤としては、従来多くの種類の物質が知られている。水性接着剤専用として用いられているわけではないが、例えば、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(商品名プロクセルGXL、英国ICI社製)や有機ヨウ素系化合物(商品名デルトップ、武田薬品工業(株)製)、無機銀系化合物(商品名JMAC、大日本インキ化学工業(株)製)、フェノールやホルマリンといったものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記防黴剤、防腐剤を水性接着剤に用いた場合、以下のような問題があった。
即ち、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(商品名プロクセルGXL、英国ICI社製)や有機ヨウ素系化合物(商品名デルトップ、武田薬品工業(株)製)、無機銀系化合物(商品名JMAC、大日本インキ化学工業(株)製)を用いた場合、水性接着剤が変色する。
更に、無機銀系化合物では、水性接着剤が変色するだけでなく、防黴剤、防腐剤が沈降してしまう。
また、防黴剤、防腐剤としてフェノールやホルマリンを用いた場合、熱や経時により効果が無くなる。
そこで、従来水性接着剤用防黴剤、防腐剤としては、光や熱により劣化しない安息香酸ナトリウムを用いていた。
しかしながら、安息香酸ナトリウムは防黴性、防腐性が低いため、十分な防黴性、防腐性を保証するために大きな使用量が必要であった。
ところが、このような水性接着剤を用いて塗布した場合、乾燥してくると表面に粉が現れ接着力を低下させるという問題があった。
本発明は、防黴性、防腐性が充分であり、光によるによる変色がし難く、接着力、特に初期接着力に優れた水性接着剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はポリビニルアルコールの平均重合度が2000以上のものと平均重合度が500以下のものとを併用する水溶性接着基材と2−n―オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンと水とを少なくとも含む水性接着剤を要旨とする。
【0006】
以下、本発明について説明する
本発明に使用する水溶性接着基材は、ポリビニルアルコール、カボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、澱粉、加工澱粉などの従来使用されている水溶性高分子であれば特に限定無く使用できる。これらの水溶性接着基材は、単独でも2種類以上適宜混合しても使用できる。
中でもポリビニルアルコールは結晶性ポリマーなので乾燥すると耐水性を持つことにより接着物の保持に優れている点から使用に適している。また、紙などを接着する場合、鹸化度に係わらず用いることができるが、特に被接着体表面がコーティング等によって若干の疎水化しているようなものも含めて接着できるようにするには、鹸化度85〜95%の部分鹸化物を使用することが好ましい。
更にポリビニルアルコールは平均重合度2000以上のものと、平均重合度500以下のものとを併用することで十分な接着力を有し、且つ、良好な流動性を示すようになる。
その使用量は水性接着剤全量に対して10〜20重量%が好ましい。
【0007】
水は本水性接着剤の主溶剤であり、水性接着剤を液状となすために使用する。その使用量は水性接着剤全量に対して70〜90重量%が好ましい。
【0008】
2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンは上記水溶性接着基剤とゲル化などの反応しないものであり、充分な防黴性、防腐性を示すものである。その具体例としてはSkaneM−8(米国ロームアンドハース社製)やバイオカットTR120(大日本インキ化学(株)製)が上げられる。その使用量は、水性接着剤全量に対して0.005〜0.1重量%が好ましい。
【0009】
尚、上記した成分の他に、従来、水性接着剤に使用されている各種添加剤を用いることもできる。例えば、水溶性染料は接着剤の残量確認を容易にし、更に、外観を美しくして商品価値を高める為に用いる。又、凍結安定性のためグリコール類、グリコールエーテル類、多価アルコール類を併用しても良い。更に、香料や低級アルコール、消泡剤などを適宜選択して使用しても良い。
【0010】
本発明の水性接着剤は上記各成分を撹拌混合して得ることが出来る。撹拌混合時には必要に応じて加熱(60℃〜90℃)しても良い。
【0011】
【作用】
本発明の水性接着剤において水溶性接着基材と2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとを併用した場合、水溶性の高分子である接着基材とオクチル基とが絡み合い、接着力を向上させる。また、同様に絡み合うことで防黴剤、防腐剤の沈降を防止することから、良好な防黴性、防腐性を示すと推測される。
【0012】
【実施例】
実施例1
クラレポバールPVA−228(ポリビニルアルコール、平均重合度2800
、(株)クラレ製) 14.0重量部
プロピレングリコール 5.0重量部
SkaneM−8(防黴剤、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、米国ロームアンドハース社製) 0.1重量部
水 80.9重量部
上記各成分を混合撹拌して粘度10000mPa・sの水性接着剤を得た。
【0013】
実施例2
上記各成分を混合撹拌して粘度2200mPa・sの水性接着剤を得た。
【0014】
実施例3
ゴーセノールGH−23(ポリビニルアルコール、平均重合度2300、日本
合成化学工業(株)製) 8.0重量部
ゴーセノールGL−05(ポリビニルアルコール、平均重合度500、日本合
成化学工業(株)製) 5.0重量部
グリセリン 5.0重量部
バイオカットTR120(防黴剤、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−
3−オン、大日本インキ化学(株)製) 0.2重量部
水 81.8重量部
上記各成分を混合撹拌して粘度2300mPa・sの水性接着剤を得た。
【0015】
実施例4
上記各成分を混合撹拌して粘度6700mPa・sの水性接着剤を得た。
【0016】
実施例5
上記各成分を混合撹拌して粘度6700mPa・sの水性接着剤を得た。
【0017】
実施例6
上記各成分を混合撹拌して粘度6700mPa・sの水性接着剤を得た。
【0018】
比較例1
実施例1のSkaneM8をプロクセルGXLに代えた以外は実施例1と同様になして粘度9800mPa・sの水性接着剤を得た。
【0019】
比較例2
実施例2のSkaneM8をホルマリンに代えた以外は実施例2と同様になして粘度2500mPa・sの水性接着剤を得た。
【0020】
比較例3
実施例3のバイオカットTR120をフェノールに代えた以外は実施例3と同様になして粘度2100mPa・sの水性接着剤を得た。
【0021】
比較例4
実施例3のバイオカットTR120をデルトップに代えた以外は実施例3と同様になして粘度2100mPa・sの水性接着剤を得た。
【0022】
以上、実施例1〜6、比較例1〜4で得られた水性接着剤について、初期接着力、黴抵抗性、経時外観性について試験を行なった。
結果を表1に示す。
【0023】
・初期接着力:JIS P 3101に規定する紙に10×10mmの部分に0.2gの水性接着剤を薄く均一に塗布し、はり合わせて1分後レオメーター(不動工業(株)製)にて引っ張り試験を実施する。
【0024】
・黴抵抗性試験:日本工業規格(JIS)Z2911に記載された方法に従って試験を行った。
【0025】
・経時外観試験:水性接着剤をプラスティック容器に入れ、密閉状態でフェードテスター内に10時間放置し、外観の変化を観察した。
【0026】
・経時後初期接着力:上記、実施例1〜6及び比較例1〜4で得た水性接着剤を栓付き瓶に充填し、50℃に1ヶ月放置した後、上記初期接着力試験と同様になして接着力を測定した。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の水性接着剤は光で変色し難く、しかも接着力、初期接着力に優れ、更に、防黴性、防腐性に優れたものである。
Claims (1)
- ポリビニルアルコールの平均重合度が2000以上のものと平均重合度が500以下のものとを併用する水溶性接着基材と2−n―オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンと水とを少なくとも含む水性接着剤。
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1999
- 1999-08-30 JP JP24250499A patent/JP4399914B2/ja not_active Expired - Lifetime
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