JP2015183124A - 水性エマルション接着剤組成物 - Google Patents

水性エマルション接着剤組成物 Download PDF

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達也 野杁
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英樹 多和田
崇之 市原
Takayuki Ichihara
崇之 市原
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亮 奥田
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Abstract

【課題】非極性ポリマーフィルムに対する接着力を向上させるとともに、塗工機の洗浄性の向上、接着剤表面のゴミの付着や再接着の防止、および保存安定性の向上が可能な水性エマルション接着剤組成物を提供する。【解決手段】本発明の水性エマルション接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂エマルション、ゴム系樹脂エマルション、酢酸ビニル系樹脂エマルションおよびエチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルションからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂エマルションと、疎水化変性デンプンとを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、水性エマルション接着剤組成物、さらに詳しくは、主に、紙を基材に用いる包装袋の製造に用いる水性エマルション接着剤組成物に関する。
紙を基材に用いる包装袋は、水、水蒸気や酸素等を遮断して内容物を保護する目的で、通常、基材にポリエチレンフィルム等の非極性ポリマーのフィルムを接着剤で接着して積層し、その積層体を製袋加工して製造されている。
その接着剤としては、例えば特許文献1には、アクリル系感圧接着剤組成物が開示されている。特許文献1の組成物は、2層からなる水分散性のアクリル系共重合体分散粒子と水分散性粘着付与樹脂を含むことで、非極性ポリマーフィルムに対する接着力の向上を図っている。また、特許文献2には、アクリル系エマルションとゴム系エマルションを含む包装袋用接着剤が開示されている。また、特許文献3には、ジカルボン酸エステルデンプンを板紙の層間接着剤に用いることが開示されている。
特開2002−256244号公報 特開2012−31259号公報 特開平8−120235号公報
しかしながら、特許文献1に記載の組成物では、非極性ポリマーフィルムに対する接着力が未だ不十分であることや、粘着質の接着剤皮膜が塗工機に付着して塗工機の洗浄に時間を要すること、塗工時にはみ出しや飛び散りなどで接着剤皮膜が露出した際には、乾燥後であっても他の基材や裁断時の周辺機器を汚染したり、再接着で非接着部を接着して基材破壊を生じたりして生産性が低下するといった欠点を有する。また、特許文献2に記載の組成物では、水溶性の成分が殆どないことから、塗工機洗浄性が未だ十分ではなく、接着剤の乾燥皮膜のべたつきによる周辺機器の汚染や再接着による生産性の低下は免れない。更に特許文献3に記載の組成物では、非極性フィルムへの接着性が不十分であり、また組成物は経時的に粘度上昇やゲル化を起こし保存安定性が不十分であるという問題がある。
そこで、本発明は、上記の課題を解決して、非極性ポリマーフィルムに対する接着力を向上させるとともに、接着剤表面のゴミの付着や再接着の防止、塗工機等の塗布設備の洗浄性の向上、および保存安定性の向上が可能な水性エマルション接着剤組成物を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意検討した結果、組成物中に疎水化変性デンプンを含有させると、非極性ポリマーフィルムに対する接着力が向上し、接着剤表面のゴミの付着や再接着の防止、塗工機の洗浄が容易になることを見出して本発明を完成させたものである。すなわち、本発明の水性エマルション接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂エマルション、ゴム系樹脂エマルション、酢酸ビニル系樹脂エマルションおよびエチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルションからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂エマルションと、疎水化変性デンプンとを含むことを特徴とする。
また、本発明の塗工製品は、本発明の水性エマルション接着剤組成物を塗工してなることを特徴とするものである。
本発明によれば、紙を基材に用いる包装袋の製造において、非極性ポリマーフィルムに対する接着力を向上させるとともに、接着剤の乾燥皮膜のべたつきを低減化することでゴミ等の付着や再接着を防止でき、更には塗工機等の塗布設備の洗浄性の向上、および保存安定性の向上が可能な水性エマルション接着剤組成物を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の水性エマルション接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂エマルション、ゴム系樹脂エマルション、酢酸ビニル系樹脂エマルションおよびエチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルションからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂エマルションと、疎水化変性デンプンとを含むことを特徴とするものである。
本発明の水性エマルション接着剤組成物は1種または2種以上の樹脂エマルションを含有するが、樹脂エマルションを構成する樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ゴム系樹脂、酢酸ビニル系樹脂またはエチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂である。本発明の樹脂エマルションは、これらの樹脂が水性媒体に分散されたものをいう。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルを用いることができる。具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸メトキメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸プロポキシメチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。また、(メタ)アクリル酸や、イタコン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有のモノマーも用いる事ができる。これらのモノマーから選択される1種のモノマーから得られる単独重合体、あるいは複数種のモノマーを用いて得られる共重合体をエマルションに用いることができる。好ましくは、共重合により生成するポリマーのガラス転移温度Tgが−60〜20℃の範囲となるようなモノマーの組み合わせである。例えば、アクリル酸ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル=80/20、アクリル酸ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸メチル=80/15/5である。市販品としては、例えば、高圧ガス工業社製のアクリル酸エステル系共重合樹脂エマルションである、ペガールKS−11、ペガールKS−14、ペガール862、ペガールLJ−7002B、ペガールLJ−7004B(いずれも商品名)を挙げることができる。ここでTgは各モノマーの単独重合体(ホモポリマー)のTgおよび各モノマーの質量分率(共重合割合)に基づいてフォックス(FOX)の式から求められる値をいう。ホモポリマーのTgとしては、日本エマルジョン工業会規格「合成樹脂エマルジョンの皮膜硬さ表示方法 107−1996」に記載されている値を示す。
また、ゴム系樹脂としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、およびそれらの変性物を挙げることができる。好ましくは、スチレン−ブタジエン共重合体またはその変性物である。ここで、変性物には、(カルボキシル基含有モノマーや(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、ビニルエステル系モノマーによる変性物)が含まれる。市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ社製の変性スチレンブタジエン共重合樹脂エマルションである、旭化成ラテックスL−2301、旭化成ラテックスA−7689、旭化成ラテックスL−7850(いずれも商品名)を挙げることができる。
また、酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニル系モノマーを主成分とする重合体である。但し、エチレン酢酸ビニル系共重合体は含まない。酢酸ビニル系モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミスチリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、アジピン酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル、バーサテック酸ビニル等のビニルエステル系モノマーを挙げることができる。好ましくは、酢酸ビニルの単独重合体、または酢酸ビニルと前述の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとの共重合体、または酢酸ビニルと上記のビニルエステル系モノマーとの共重合体である。市販品としては、例えば、高圧ガス工業社製の酢酸ビニル系樹脂エマルションである、ペガールKV15(商品名)を挙げることができる。
また、エチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂は、酢酸ビニル系モノマーとエチレンモノマーとの共重合体である。酢酸ビニル系モノマーには、上記のモノマーを用いることができる。エチレン含有率は5〜60重量%、好ましくは15〜50重量%である。市販品としては、例えば、住友化学社製のエチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルションである、スミカフレックス355HQ、スミカフレックス520HQ、スミカフレックス408HQE、スミカフレックス950HQ(いずれも商品名)を挙げることができる。
樹脂エマルションを構成する、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ゴム系樹脂、酢酸ビニル系樹脂およびエチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂の少なくとも1種、好ましくはすべての樹脂のガラス転移点は、40℃以下、好ましくは0℃以下である。40℃より高くなると、成膜性と接着性が低下するからである。
また、本発明の接着剤組成物における、好ましい樹脂エマルションの組み合わせは、2種類以下の樹脂の組み合わせであり、好ましくはエチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂とゴム系樹脂との組み合わせ、および(メタ)アクリル酸エステル系樹脂エマルションとゴム系樹脂の組み合わせであり、より好ましくはエチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂とゴム系樹脂の組み合わせである。
また、本発明の水性エマルション接着剤組成物に用いる疎水化変性デンプンとは、疎水化処理されたデンプンであり、コハク酸のアルケニル誘導体を用いてデンプンをエステル化する方法や、疎水性モノマーをデンプンにグラフト化する方法や、デンプンをオルガノシランと反応させる方法等により製造されるものを用いることができる。原料のデンプンには、米デンプン、小麦デンプン、コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ、甘藷デンプン等の天然デンプンを用いることができる。本発明には、コハク酸のアルケニル誘導体を用いてデンプンをエステル化して得られた疎水化変性デンプンを用いることが好ましい。低極性フィルム類への密着性と水溶性のバランスに特に優れているためである。
この方法で得られるアルケニルコハク酸エステル化デンプンとしては、オクテニルコハク酸エステル化デンプン、デセニルコハク酸エステル化デンプン、ドデセニルコハク酸エステル化デンプン、テトラデセニルコハク酸エステル化デンプン、ヘキサデセニルコハク酸エステル化デンプン、オクタデセニルコハク酸エステル化デンプン等を挙げることができる。好ましくは、オクテニルコハク酸エステル化デンプンである。また、エステル化度は、0.005〜0.080が好ましい。疎水化変性デンプンの市販品としては、例えば、日澱化学社製の乳華、乳華W、乳華L、フラッシュゲン(いずれも商品名)や、疎水化変性デキストリンとして日澱化学社製の50%ナチュラルニスクDP(商品名)(固形分50%)を挙げることができる。これらの市販品は、オクテニルコハク酸エステル化デンプンである。また、これらの疎水化変性デンプンは予め水と共に糊化温度以上の温度で十分に加熱され、所定の固形分濃度の水溶液状として使用する事が好ましい。
疎水化変性デンプンは、疎水基を有するが、親水性も維持している。疎水基の存在により、非極性ポリマーに対する接着性を向上させることができ、これらのデンプン自体が極めて硬質の皮膜を形成するため、接着剤表面のゴミの付着や粘着性による再接着を防止する効果も有する。さらに、疎水化変性デンプンは親水性を維持しているため、接着剤の塗膜が塗工機を含む製造設備に付着していても、洗浄時にはその塗膜が水に対して容易に膨潤するため、洗浄が容易である。また、未変性デンプンの場合、その水溶液がデンプン分子鎖間の水素結合により再結晶化し易い性質があるため、未変性デンプンを含有する接着剤組成物は特に低温下での保存時に粘度の急激な上昇やゲル化などの現象を生じ易い。しかし、疎水化変性デンプンを用いることにより、低温下での粘度上昇やゲル化を抑制して、保存安定性を向上させることができる。
本発明の水性エマルション接着剤組成物中における樹脂エマルションの固形分濃度は、20〜80重量%、好ましくは40〜60重量%である。固形分濃度が20重量%よりも少ないと生成するエマルションの粘度が低くなり所望の粘度が得られなくなったり、保存安定性が低下して層分離し易くなったり、乾燥性が低下するからである。また、80重量%より多いとエマルションが増粘しやすくなり、機械的安定性や保存安定性が低下するからである。
また、疎水化変性デンプンの固形分濃度は、接着剤組成物の固形分全体の0.5〜50重量%、好ましくは1〜40重量%である。0.5重量%よりも少ないと、非極性フィルムへの密着性が得られなくなったり、洗浄性が低下するからであり、50重量%よりも多いと、高粘度化したり、乾燥性や耐水性が低下したりするからである。
本発明の水性エマルション接着剤組成物の最低造膜温度(MFT)は、20℃以下、好ましくは2℃以下である。2℃以下であれば可塑剤などの溶剤類を添加する事なく低温下での成膜性が確保できる。一方、20℃より高いと非極性フィルムと十分な接着強度を有する塗膜が得られにくくなったり、室温付近での使用環境下において可塑剤などの溶剤類の添加が必要となり安全性の高いエマルションが得られにくくなるからである。
また、本発明の水性エマルション接着剤組成物の粘度は、23℃で、50〜100000mPa・s、好ましくは200〜30000mPa・sである。50mPa・sより小さいと塗膜の平滑性の確保や厚さの制御が困難となり、所望とする塗布量が確保されなかったり、液垂れや飛散りなどが生じ易くなるからである。100000mPa・sより大きいと製造や移送が困難となり、また塗布量が多くなり過ぎたり、塗膜の平滑性の確保や厚さの制御も困難になるからである。
また、水性媒体としては、蒸留水やイオン交換水等の水だけでなく、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の水溶性の有機溶剤と水との混合溶媒を用いることもできる。
また、本発明の水性エマルション接着剤組成物には、必要に応じて従来公知の添加剤を添加してもよい。例えば、pH調整剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、濡れ剤、充填剤、沈殿防止剤等を挙げることができる。また、必要に応じて安全性に留意しながら可塑剤を添加してもよい。
本発明の水性エマルション接着剤組成物は、上記の樹脂エマルションと疎水化変性デンプン、および必要に応じて上記の添加剤を混合して製造することができる。混合方法は、従来から接着剤組成物の製造に使用されている方法であれば特に限定されない。なお、必要に応じて、水性媒体で希釈することにより、固形分濃度や粘度を調整することもできる。
製造された水性エマルション接着剤組成物は、スプレーコート、ロールコート等の公知の方法を用いて非極性フィルム上に塗布しても良く、もう一方の貼り合わせ基材の上に塗布しても良い。
また、本発明の塗工製品は、本発明の水性エマルション接着剤組成物を塗工してなるものである。被塗工体としては、上述のように紙製基材や非極性ポリマーフィルムを挙げることができるが、基材は、紙製基材に限定されず、紙製基材と同様に吸湿性のある他の基材を用いても、紙製基材を用いた場合と同様の効果を有する。他の基材としては、木材繊維から製造される各種繊維板やパーティクルボード、集成材等の木質基材、また水を吸収して発散させる機能を有するプラスチックフォーム類や多孔質の無機板等を挙げることができる。また、非極性ポリマーフィルムもフィルムに限定されず、様々な非極性材料を用いることができる。具体例を挙げると、各種のプラスチック成型品やゴムシートなどのゴム系製品、塗装が施された各種材料の塗装表面などを挙げることができる。
また、塗工製品とは、本発明の水性エマルション接着剤組成物を塗工して貼り合せたものであり、接着製品が含まれる。接着製品としては、例えば、包装袋、ショッピングバッグ用のフィルムラミネーション複合紙自体の製造や製本用のフィルムラミネーション、ブロッキング防止用を含む各種保護フィルム、木質基材に対する防湿フィルムや防湿紙等を挙げることができる。包装袋の場合、紙を基材に用いる包装袋を製造するために用いられる積層体の接着に用いる。具体的には、クラフト紙、和紙、上質紙等の紙や加工紙等の紙製基材と、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等の樹脂フィルム基材との積層体を接着させるために用いる。得られた積層体に対して、用途に応じた製袋加工を行うことにより包装袋を製造する。包装袋としては、例えば、水透過性等を防止するためにポリエチレンフィルムを内装したクラフト紙製袋や、ティッシュボックスの取出し窓や封筒の窓口などの接着用途を挙げることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の原料成分を用い、以下の実施例1の方法に基づき、表1〜表8に示す配合組成となるように原料成分を混合して、実施例1〜48、比較例1〜45の接着剤組成物を製造した。なお、表中、特に断りのない限り、配合量は各原料の固形分の「重量部」を表す。また、固形分は実施例で示した測定で求めた数値を表す。
1.(メタ)アクリル酸エステル系樹脂エマルション
高圧ガス工業社製アクリル酸エステル系共重合樹脂エマルション
・ペガールKS−11(固形分50%、Tg 10℃)
・ペガールKS−14(固形分57%、Tg −20℃)
・ペガール862(固形分50%、Tg −12℃)
・ペガールLJ−7002B(固形分66%、Tg −48℃)
・ペガールLJ−7004B(固形分55%、Tg −51℃)
2.ゴム系樹脂エマルション
旭化成ケミカルズ社製変性スチレンブタジエン共重合樹脂エマルション
・旭化成ラテックスL−2301(固形分50%、Tg 24℃)
・旭化成ラテックスA−7689(固形分50%、Tg −8℃)
・旭化成ラテックスL−7850(固形分48%、Tg −27℃)
3.酢酸ビニル系樹脂エマルション
高圧ガス工業社製酢酸ビニル系樹脂エマルション
・ペガールKV15(固形分40%、Tg 30℃)
4.エチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルション
住友化学社製エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルション
・スミカフレックス355HQ(固形分55%、Tg 10℃)
・スミカフレックス520HQ(固形分55%、Tg −5℃)
・スミカフレックス408HQE(固形分50%、Tg −30℃)
・スミカフレックス950HQ(固形分53%、Tg −30℃)
5.疎水化デンプン
(1)日澱化学社製疎水化変性デンプン
・50%ナチュラルニスクDP(疎水化変性デキストリン溶液、固形分50%)
・乳華(固形分12%)
・乳華W(固形分12%)
・乳華L(固形分20%)
・フラッシュゲン(固形分12%)
6.その他
・可塑剤
ベンゾフレックス9−88(商品名)(安息香酸エステル系可塑剤、ジェノビック・スペシャルティーズ・ホールディングス・コーポレーション製)
・粘着付与剤
スーパーエステルE−865NT(商品名)(ロジン系タッキファイヤー樹脂エマルション、荒川化学工業社製、固形分50%、軟化点160℃)
・未変性デンプン
タピオカスターチ(日澱化学社製)(固形分12%)
コーンスターチ(日本コーンスターチ社製)(固形分12%)
実施例1.
室温下で500ml容のガラスフラスコにスミカフレックス520HQを182g仕込み、ステンレス製の攪拌翼で攪拌を開始した。そこに予め50%の固形分に調製されたナチュラルニスクDP20gを徐々に添加した。そのまま室温下で攪拌を1時間継続して接着剤を調製した。
(評価方法)
固形分の測定
製造した水性エマルション接着剤組成物(以下、組成物という)の1±0.3gをアルミ皿に取り、組成物重量を秤量した。これを105℃の熱風循環式乾燥機中で1時間乾燥させ、組成物の乾燥重量を秤量した。これらの値から次式により組成物の固形分を算出した。
固形分(%)=(組成物の乾燥重量g/採取時の組成物重量g)×100
2.粘度の測定
BH型回転粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、23℃下10rpmでの粘度(mPa・s)を測定した。
3.pHの測定
カスタニーLAB pHメータF−21(株式会社堀場製作所製)を用いて、23℃でpHを測定した。
4.MFTの測定
MFT測定装置(テスター産業株式会社製)を用いて、組成物のMFT(最低造膜温度)を測定した。尚、測定は各サンプルが成膜した透明な連続皮膜の下限の温度をMFTとした。
5.常態接着性の評価
紙基材A4上質紙(王子製紙株式会社製)と表面コロナ処理済OPPフィルム:厚さ40μm、表面エネルギー33〜35mJ/m(フタムラ化学株式会社製)とを以下の条件で貼り合わせて試験片とした。尚、試験片のサイズは、幅15cm、長さ20cmとし、各組成物について3枚ずつ作製した。
塗布:バーコーター#22を用いて紙基材上に塗布
オープンタイム:3秒以下 クローズドタイム:3秒以下
圧締:ハンドロールで1回 養生:23℃、56%RHの恒温恒湿室内で3日間放置
作製した試験片をそのまま23℃、56%RHの恒温恒湿室内で強制的に手でゆっくりと剥離し、紙破の発生状態を観察した。この時の紙破の発生率を紙破率として目視で判断し、3枚の試験片の紙破率の平均値について以下の基準によって判定を行った。
○:紙破率80〜100%。
△:紙破率40〜80%。
×:紙破率0〜40%。
6.低温接着性の評価
常態接着性の評価と同様の条件にて作製した養生後の試験片を、更に5±2℃の恒温室内に1時間放置し、恒温室内で強制的に手で剥離した時の紙破の発生状態を観察した。常態接着性の評価と同様に紙破率の判定基準に従って判定を行った。
7.高温接着性の評価
常態接着性の評価と同様の条件にて作製した養生後の試験片を、更に60±3℃の恒温乾燥器内に1時間放置し、恒温乾燥器内で強制的に手で剥離した時の紙破の発生状態を観察した。常態接着性の評価と同様に紙破率の判定基準に従って判定を行った。
8.洗浄性の評価
アプリケーターを用いて125μmの厚みで幅5cmとなるようにガラス板上に各組成物を塗工した。これを室温(23℃、56%RH)の恒温恒湿室内で3日間乾燥させ、皮膜を作製した。これを20℃の水槽に3分間浸せきし、直後に指で軽く擦った時の皮膜の剥がれ易さを以下の基準によって目視判定した。
◎:再乳化し軽く流れる。
○:軽く剥がれる。
△:何度か擦って剥がれる。
×:剥がれにくい。
9.保存安定性の評価
組成物250gを密閉できるガラス瓶に取り、50±3℃および5±3℃の熱風循環式乾燥機中に2週間放置した。この処理前後の粘度とpHを測定し、以下の式により粘度変化率およびpH変化率を算出した。この時、両方の温度条件下において、粘度変化率が0.7〜1.3の範囲にあり、尚且つpH変化率が0.8〜1.2の範囲になったものを保存安定性の良好なエマルションとして○とした。同様に、粘度変化率が0.5〜1.5の範囲にあり、尚且つpH変化率が0.8〜1.2の範囲になったものを保存安定性が最低限度良好なエマルションとして△とした。両方の温度条件下において、粘度変化率とpH変化率のいずれか一つでも△の場合は評価を△、またいずれか一つでも上記の範囲に入らなかったものを保存安定性不良のエマルションとして×とした。なお、粘度測定は液温23℃下、BH型回転粘度計による10rpmで行い、pHは液温23℃下でpHメータを用いて測定を行った。
粘度変化率=保存安定性処理後の組成物粘度(mPa・s)/保存安定性処理前の組成物粘度(mPa・s)
pH変化率=保存安定性処理後の組成物pH/保存安定性処理前の組成物pH
○:全てが○。
△:いづれか一つでも△が含むもの。
×:いづれか一つでも×が含むもの。
10.指触タックの評価
各組成物をガラス板上に125μm厚みとなるようにアプリケーターを用いて幅5cmで塗布した。これを23℃、56%RHの恒温恒湿室内で3日間放置して乾燥させた後、皮膜の表面を指で押さえた時の粘着性について、以下の基準により判定した。
◎:粘着性全くなし。
◎:わずかに粘着性あり。
△:やや粘着性あり。
×:粘着性あり。
(結果)
表1〜8に示すように、実施例は、常態接着性、低温接着性、高温接着性、洗浄性、および保存安定性のいずれにも優れ、粘着性も低いものであった。これに対し、疎水化変性デンプンを含まない比較例では、接着性が悪かったり、洗浄性が悪かったり、保存安定性が悪かったり、すべての特性を満たすものは得られなかった。また、疎水化変性デンプンに代えて未変性のデンプンを用いた場合(比較例4)、接着性が低下し、また保存安定性も低下した。また、疎水化変性デンプンに代えて可塑剤を用いた場合(比較例41)、接着性が低下した。また、疎水化変性デンプンに代えて粘着付与剤を用いた場合(比較例42〜44)、接着性が低下し、洗浄性も低下した。
Figure 2015183124
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本発明の水性エマルション接着剤組成物は、紙を基材に用いる包装袋の製造において、非極性ポリマーフィルムに対する接着力を向上させるとともに、接着剤表面のゴミの付着や再接着の防止、塗工機等の塗布設備の洗浄性の向上、および保存安定性の向上を可能とする。これにより、包装袋の生産性を向上させることができるとともに、接着性に優れた包装袋を提供できる。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル酸エステル系樹脂エマルション、ゴム系樹脂エマルション、酢酸ビニル系樹脂エマルションおよびエチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルションからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂エマルションと、疎水化変性デンプンとを含む水性エマルション接着剤組成物。
  2. 前記の樹脂エマルションを構成する、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ゴム系樹脂、酢酸ビニル系樹脂およびエチレン酢酸ビニル系共重合体樹脂の少なくとも1種のガラス転移温度が0℃以下である請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 前記疎水化変性デンプンがアルケニルコハク酸エステル化デンプンである請求項1または2に記載の接着剤組成物。
  4. 請求項1〜3記載のいずれか1項に記載の水性エマルション接着剤組成物が塗工されてなる塗工製品。
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