JPH10219221A - 水性感圧性粘着剤組成物 - Google Patents

水性感圧性粘着剤組成物

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JPH10219221A
JPH10219221A JP9023967A JP2396797A JPH10219221A JP H10219221 A JPH10219221 A JP H10219221A JP 9023967 A JP9023967 A JP 9023967A JP 2396797 A JP2396797 A JP 2396797A JP H10219221 A JPH10219221 A JP H10219221A
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JP
Japan
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weight
sensitive adhesive
adhesive composition
pressure
acrylic
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Application number
JP9023967A
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Inventor
Hideyuki Goto
秀行 後藤
Toshihide Orimi
敏英 折見
Takao Hattori
隆生 服部
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Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィンのような非極性ポリマーのフ
ィルムまたは成形品に対し、優れたタック、接着力、曲
面接着力に優れ、しかも断裁および打ち抜き等の二次加
工性に優れた水性感圧性粘着剤組成物を提供する。 【解決手段】 (A)(a)カルボキシル基含有不飽和
単量体(b)アクリル酸のアルキルエステル(c)これ
らの不飽和単量体と共重合可能な他の不飽和単量体から
成る単量体混合物を用いて乳化重合して得られた、Tg
が−63〜−30℃かつ、ゲル分率が70%〜90%で
あるアクリル系水性分散体、および、(B)85℃〜1
40℃の軟化点を有する粘着性樹脂を主成分とするエマ
ルジョン型粘着付与剤を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性感圧性粘着剤組
成物に関するものである。さらに詳しくはポリオレフィ
ンのような非極性ポリマーのフィルムまたは成形品に対
し、優れたタック、接着力、曲面接着力に優れ、しかも
断裁および打ち抜き等の二次加工性に優れた水性感圧性
粘着剤組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感圧接着剤の用途は、テープ、ラ
ベル、シール、壁紙等の多方面にわたっており、被着体
の材質もプラスチック、金属、ガラス、陶磁器、紙、
布、木材、生鮮食料品等と広範囲にわたっている。これ
らの感圧接着剤としては、天然ゴムや合成ゴム、アクリ
ル系重合体を主原料とし、これを有機溶剤分散型や水性
分散型として使用するのが一般である。中でも水性分散
型は有機溶剤を使用しないので、作業環境を悪化させ
ず、また火災等の心配がないことから広く使用されてい
る。しかしながら水性感圧性アクリル系粘着剤は、溶剤
型アクリル系粘着剤に比較して、接着力、特にポリオレ
フィンのような非極性ポリマーのフィルムや成形品に対
する接着力が不足しがちであるという問題点があった。
かかる問題を解決するため、例えば、従来のアクリル系
エマルジョンを軟化したり分子量を小さくする方法、あ
るいは可塑剤等をブレンドする方法がある。また、特開
昭58−79068号公報においては、エチレン・酢酸
ビニル・アクリレート共重合体を配合することによっ
て、非極性ポリマーへの接着性を向上することを試みて
いる。また特開平7−233357号公報においては、
特定のガラス転移点およびゲル含量を有するアクリル系
共重合体に特定のガラス転移点を有するα−オレフィン
・飽和脂肪酸ビニルエステル共重合体を配合して曲面接
着性や低温接着性を改良しようとする試みがなされてい
る。しかしながら、いずれの方法においても、いまだ各
種ラベルの貼付等において要求される非極性ポリマーや
ガラスへの、曲面接着力が不充分であったり、さらに断
裁および打ち抜き等の二次加工性、例えば裁断刃への粘
着樹脂の付着等の問題点が残っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に伴う問題を解決しようとするものであっ
て、タック、接着力および凝集力とのバランスに優れ、
曲面接着力に優れ、しかも断裁および打ち抜き等の二次
加工性に優れた水性感圧性粘着剤組成物を提供すること
を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々研究を重ねた結果、以下の構成を
とることにより、目的を達成することができた。すなわ
ち、本発明は、(A)(a)カルボキシル基含有不飽和
単量体0.1〜5重量%、(b)アクリル酸の炭素数4
〜18の範囲にあるアルキルエステル60〜99.8重
量%、(c)これらの不飽和単量体と共重合可能な他の
不飽和単量体0.1〜39.9重量%から成る単量体混合
物100重量部を用いて乳化重合して得られた、Tgが
−63〜−30℃かつ、ゲル分率が70%〜90%であ
るアクリル系水性分散体に、(B)85℃〜140℃の
軟化点を有する粘着性樹脂を主成分とするエマルジョン
型粘着付与剤を配合した水性感圧性粘着剤組成物、を提
供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の組成物に使用される成分
(A)であるアクリル系水性分散体の樹脂を調製するの
に用いられる単量体(a)として、カルボキシル基含有
不飽和単量体とは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸などのほかイタコン酸モノメチ
ル、マレイン酸モノブチルなどの不飽和多価カルボン酸
のモノアルキルエステルなどが挙げられる。該カルボキ
シル基含有不飽和単量体の含有量は(A)のアクリル系
水性分散体を作る単量体混合物中、0.1〜5重量%が
好ましい。0.1重量%未満では接着力向上の効果が薄
く、5重量%を越えると粘着剤組成物の耐水性が低下す
る傾向がある。また単量体(b)のアクリル酸の炭素数
4〜18の範囲にあるアルキルエステルとは、例えばn
−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−
ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレー
ト、イソノニルアクリレート等であり、これらは重合体
のTgを−30℃以下にするためには必須の成分であ
り、単一成分であっても、または2種以上を組み合わた
ものであってもよい。該アクリル酸の炭素数4〜18の
範囲にあるアルキルエステルの含有量は単量体混合物
中、60〜99.8%が好ましい。上記の不飽和単量体
と共重合可能な他の不飽和単量体(c)とは、例えば酢
酸ビニル、メタクリル酸メチルなどのカルボン酸ビニル
エステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシ
エチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレ
ートなどの水酸基を有する不飽和単量体;N−フェニル
マレイミド、N−(メチル)フェニルマレイミド、N−
(ヒドロキシ)フェニルマレイミドなどが挙げられる。
該不飽和単量体の含有量は0.1〜39.9重量%が好ま
しい。
【0006】本発明の組成物に用いられるアクリル系水
性分散体(A)は、上記(a)〜(c)を共重合してな
るものであり、そのガラス転移温度(Tg)は−63〜
−30℃であることが必要である。該Tgが−30℃よ
り高い場合は、得られる感圧接着剤層のタックが不足し
がちとなり、また、充分な曲面接着力が得られない。ま
た、該Tgが−63℃より低い場合は、充分な断裁およ
び打ち抜き等の二次加工性が得られない。
【0007】本発明のアクリル系水性分散体のゲル分率
とは、これを塗布して得られる感圧性粘着剤組成物のフ
ィルムの厚さが20〜30μmになるように120℃に
て2分間乾燥させ、得られた乾燥フィルム1〜2gを精
秤し(W1)、200mlのビーカーに入れ、さらに1
00mlのTHFを加えて、一昼夜放置し、その後、予
め重量を測定してある200メッシュの金網で濾過した
後、残ったTHF不溶解物を140℃で1時間乾燥し
て、室温にて冷却後残差の重量を測定(W2)して得ら
れるW1、W2から、次の式で計算される値である。 ゲル分率=W2/W1×100(%)
【0008】本発明において用いられるアクリル系水性
分散体中のゲル分率は70%〜90%であることが必要
である。ゲル分率が70%以下では、充分な断裁および
打ち抜き等の二次加工性が得られないし、また90%以
上では充分な曲面接着力が得られない。
【0009】本発明に用いられるアクリル系水性分散体
を製造するには、通常のエマルジョン重合法によること
ができる。好適な方法としては、例えば前記の単量体
を、適当な界面活性剤を重合用乳化剤として用いて、水
性媒体中で乳化共重合する態様を挙げることができる。
【0010】本発明において使用し得る上記の界面活性
剤としては、乳化重合に用いられる通常の各界面活性剤
を使用することができる。また、分子内にラジカル重合
可能な不飽和基を有する反応性乳化剤を使用すれば、得
られる感圧性粘着剤の耐水性が向上して好ましい。
【0011】このような反応性乳化剤としては、従来公
知のものを使用することができる。例えば、「エレミノ
ールJS−2」、「エレミノールRS−30」[以上、
三洋化成工業(株)製]、「アクアロンHS−10
N」、「アクアロンHS−20N」[以上、第一工業製
薬(株)製]、「アデカリアソープSE−10N」[旭
電化工業(株)製]、「ラテムルS−120」、「ラテ
ムルS−120A」、「ラテムルS−180」、「ラテ
ムルS−180A」[以上、花王(株)製]等のアニオ
ン系反応性乳化剤;例えば、「アクアロンRN−2
0」、「アクアロンRN−30」、「アクアロンRN−
50」[以上、第一工業製薬(株)製]、「アデカリア
ソープNE−10」、「アデカリアソープNE−2
0」、「アデカリアソープNE−30」[旭電化工業
(株)製]、「RMA−564」、「RMA−56
8」、「RMA−1114」[以上、日本乳化剤(株)
製]等のノニオン性乳化剤;などを挙げることができ
る。
【0012】前記反応性乳化剤の使用量は、前記単量体
(a)、(b)および(c)の合計量100重量部に対
して、例えば、0.05〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部程度の量を例示することができる。該使用量
が0.05重量部より少なければ、得られる水分散型ア
クリル系感圧接着剤組成物の機械的安定性が不充分であ
り、また10重量部より多ければ、形成される感圧接着
剤層の凝集力および耐水性が劣る。
【0013】また前記の乳化共重合に際しては、前記反
応性乳化剤に加えて、従来公知のノニオン系界面活性剤
類やアニオン系界面活性剤類など各種界面活性剤を重合
用乳化剤として併用することができる。
【0014】上記ノニオン系界面活性剤類として、例え
ば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンア
ルキルエーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオクチ
ルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェ
ノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェノ
ールエーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、
ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエー
ト等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;
【0015】例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂
肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウ
レート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリ
オキシエチレン高級脂肪酸エステル類;例えば、オレイ
ン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド
等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオ
キシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリ
マー;等を例示することができる。
【0016】また前記アニオン系界面活性剤類として
は、例えば、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩
類;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルアリールスルホン酸塩類;例えば、ラウリル
硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;例え
ば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩類;
【0017】例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノ
ールエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハ
ク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩
およびその誘導体類;等を例示することができる。
【0018】これらの界面活性剤を重合用乳化剤として
用いる場合には、これらを適宜組み合わせて使用するの
が好ましく、その使用量としては、一般に前記単量体の
合計100重量部に対して0〜10重量部程度の量を例
示できる。
【0019】またこれらの界面活性剤は、得られる感圧
接着剤水性組成物の機械安定性の向上や離型材への塗工
性の改良等を目的として、前記水性乳化共重合後に後添
加することもできる。例えば、転写法(該感圧接着剤組
成物を離型材上に塗布して乾燥させ感圧接着剤層を形成
させた後、転写を受けるべき基材上にこの感圧接着剤層
を重ねて加圧し、ついで離型材を剥離して感圧接着剤層
を転写する方法)が採用される場合には、前記アニオン
系界面活性剤中に例示したアルキルスルホコハク酸エス
テル塩用いられることができる。
【0020】またアクリル系水性分散体を調製する場合
には、重合開始剤、分子量制御のための連鎖移動剤を用
いてもさしつかえない。用いられる重合開始剤として
は、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸
アンモニウム、過酸化水素水などの無機過酸化物が好ま
しいが、その他アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
バレロニトリルなどのアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオ
キシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキ
シドなどの有機過酸化物系開始剤も使用できる。また、
これらの開始剤に、酒石酸、クエン酸、L−アスコルビ
ン酸、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メタ重
亜硫酸ナトリウム、金属塩などの還元剤を併用してレド
ックス開始剤として用いても良い。また、常法に従って
各構成単量体混合物を重合させる際に、分子量調節剤と
して有機ハロゲン化物やアルキルメルカプタン類といっ
た連鎖移動剤を用いることも可能である。
【0021】以上のようにして得られるアクリル系水性
分散体(A)の固形分濃度は、とくに限定されるもので
はないが、通常、60〜65重量%である。
【0022】次に、以上の乳化重合によって得られたア
クリル系水性分散体(A)に、85℃〜140℃の軟化
点を有する粘着性樹脂を主成分とするエマルジョン型粘
着付与剤(B)を配合すれば、本発明の感圧性粘着剤組
成物が得られる。85℃〜140℃の軟化点を有する粘
着性樹脂としては、ロジン系、テルペン系、石油樹脂系
粘着性樹脂があげられ、ロジン系粘着性樹脂が好まし
い。ロジン系粘着性樹脂としては、ロジンまたはその誘
導体が挙げられ、部分不均化または不均化ロジン、水添
ロジン、マレイン酸ロジン、重合ロジン、ホルムアルデ
ヒド変性ロジンなどのほか、これらの金属塩やその他ジ
エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトー
ルなどとのエステル類が好ましく用いられる。これらの
粘着性樹脂の軟化点は、85℃〜140℃で、より好ま
しくは、100℃〜120℃である。軟化点が85℃以
下では充分な断裁および打ち抜き等の二次加工性が得ら
れない。また、凝集力、曲面接着力も劣る。また、14
0℃以上では充分なタック、曲面接着性が得られない。
これらのエマルジョン型粘着付与剤の固形分濃度は、特
に限定されるものではないが、通常50〜55重量%で
ある。これらのエマルジョン型粘着付与剤は単独に用い
ても、また、2種類以上併用して用いても差し支えない
が、エマルジョン型粘着付与剤の固形分合計量が、アク
リル系水性分散体の固形分100重量部に対して5〜4
0重量部になるようにするのがよい。エマルジョン型粘
着付与剤の合計量が5重量部以下では、充分な接着性が
得られない。また40重量部以上では、充分なタックが
得られない。
【0023】この発明の感圧性粘着剤組成物は、以上の
共重合水性分散体と85℃〜140℃の軟化点を有する
粘着付与剤樹脂を主成分とする粘着付与剤とを必須成分
として含むほか、凝集力向上のため通常架橋剤を含ませ
ることができる。この架橋剤としては、従来公知のも
の、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
キシリレンジイソシアネート(XDI)等のイソシアネ
ート系架橋剤、ビスフェノールA型、ビスフェノールF
型のエポキシ樹脂等のエマルジョン、エポキシ化ポリブ
タジエン、エポキシ化ポリイソプレン等のエポキシ化ジ
エン重合体類のエマルジョン等のエポキシ系架橋剤、な
どが挙げられる。また、この発明の感圧性粘着剤組成物
には、必要に応じて従来公知の各種添加剤、例えば可塑
剤、粘性調整剤、増粘剤、充填剤、顔料、消泡剤などを
含ませるようにしてもよい。これらの添加剤は、この種
の粘着剤組成物に適用される通常の使用量でよい。
【0024】以下に、本発明の詳細をより具体的に説明
する。なお、試験片の作成、並びにタック、常態接着
力、凝集力、曲面接着性、耐湿熱劣化性の諸試験は、以
下の方法に従った。 (1)試験片の作成 剥離紙上に乾燥後の感圧接着剤層が25±1g/m2
るように感圧性粘着剤組成物のサンプルを塗布し、12
0℃、2分間熱風循環式乾燥機にて乾燥後、キャストコ
ート紙(坪量:85±1g/m2)に転写して感圧接着
シートを作成する。
【0025】(2)常態接着力試験 JIS R−6253に規定する#280の耐水研磨紙
でみがいたSUS304のステンレス鋼板およびポリエ
チレン板に(1)で作成した試験片を貼り付け、重さ2
kgのローラーを1往復して圧着し、2時間後20℃−
65%RHの雰囲気下で放置後、剥離速度300mm/
分の条件下でその剥離強度(g/25mm)を測定す
る。
【0026】(3)タック試験(ボールタック) J.Dow法に準じ、傾斜角30度の斜面に長さ100
mmの試験片を貼り付け、斜面上方100mmの位置よ
り直径x/32インチの大きさのスチールボールをころ
がし、試験上で停止する最大径のボールの大きさxで表
示する。
【0027】(4)凝集力試験 #280の耐水研磨紙で磨いたSUS304のステンレ
ス鋼板に、試験片の貼着面積が25×25mmになるよ
うに貼り付け、2kgローラーを1往復して圧着した。
これを40℃−65%RHの雰囲気下で1kgの荷重を
試料にかけ荷重が落下するまでの時間(分)を測定す
る。
【0028】(5)曲面接着性試験 10mm×20mmの試験片を、直径12mmのポリエ
チレン製の棒および直径12mmのガラス棒にサンテッ
クフィルムをまきつけた棒、直径27mmの棒に100
メッシュのナイロン網をまきつけた棒に貼り付け、室温
の条件下で24時間放置した後の、試験片の棒からの浮
きの様子を観察する。 〇:浮きなし △:少し浮きあり ×:完全に浮きあり
【0029】(6)耐湿熱劣化性試験 50℃−95%RHの雰囲気下に7日間、塗工試験片を
放置後(2)と同様にして接着力を測定する。
【0030】(7)2次加工性 上記の(1)で作成した塗工紙を横25mm、縦100
mmの大きさに切りだす。切り出した試験片を60枚重
ね、断裁機で6回断裁した後、断裁機の刃についた粘着
剤の量を測定する。(下図参照) ◎:刃に付着した粘着剤の重量が20mg以下 〇:刃に付着した粘着剤の重量が20mg〜25mg △:刃に付着した粘着剤の重量が25mg〜30mg ×:刃に付着した粘着剤の重量が30mg以上
【0031】次に、本発明を製造例、実施例をあげて詳
細に説明する。例中の部および%は特に記載のない限り
重量部および重量%である。 製造例 1 〔アクリル系水性分散体(A)の製造〕 温度調節器、撹拌機、還流冷却器、供給容器、および窒
素導入管の付いた反応器に水25部および過硫酸ナトリ
ウム0.1部を装入した。別に供給物(1)として下記
のものを用意した。 供給物(1) アクリル酸2エチルヘキシル 71.6部 アクリル酸ブチル 10.0部 メタクリル酸メチル 10.6部 酢酸ビニル 7.0部 イタコン酸 0.8部 水 22部 ノニルフェノールエチレンオキシド−20モル付加物の
硫酸エステルナトリウム塩の30%水溶液
6.6部 また別に、供給物(2)として、水10部に過硫酸ナト
リウム0.9部を溶解した開始剤溶液を調節した。上記
の予め開始剤溶液を装入した反応器内を窒素ガス置換し
た後、同反応器内に上記供給物(1)の10%を加え、
その混合物を90℃に加熱した。次いで、供給物(2)
の10%を同反応器内に投入してから、供給物(1)と
供給物(2)の残りを3〜3.5時間かけて均一に同反
応器内に供給した。その供給終了後なお1.5時間90
℃に保持して乳化重合させ、アクリル系水性分散体
(A)を得た。この共重合水性エマルジョンについての
ガラス転移温度(計算値)、THF不溶解分(ゲル分
率)、固形分濃度を表1に示した。
【0032】製造例 2〜6 製造例1と同一装置を用い、単量体組成を表1に示すよ
うにそれぞれ変更したほかは、製造例1にしたがってア
クリル系水性分散体を得た。これらのついてのガラス転
移温度(計算値)、THF不溶解分(ゲル分率)、固形
分濃度も表1に示した。
【0033】製造例 7 製造例1と同一装置を用い、表1に示した単量体組成
で、重合温度を86℃にした他は製造例1にしたがって
アクリル系水性分散体を得た。これについてのガラス転
移温度(計算値)、THF不溶解分(ゲル分率)、固形
分濃度も表1に示すとおりである。
【0034】実施例 1〜5および比較例 1〜6 上記製造例で製造したアクリル系水性分散体(A)と各
種粘着性樹脂を主成分とするエマルジョン型粘着付与剤
(B)を表2に記載した割合で混合し、さらに、増粘
剤、アルカリ溶液、顔料、消泡剤等を添加後撹拌して感
圧性粘着剤組成物を調製した。これらの各組成物につい
て粘着性能の評価を行い、結果を表2に示す。
【0035】なお、本実施例および比較例において使用
したエマルジョン型粘着付与剤は以下のとおりである。 DS−70L :ロジン系粘着付与剤 (軟化点 70〜80℃) DS−90 :ロジン系粘着付与剤 (軟化点 85〜90℃) SK−130D :重合ロジン系粘着付与剤(軟化点128〜138℃) SK−1150N:重合ロジン系粘着付与剤(軟化点110〜120℃) 以上 播磨化成(株)製造 スーパーエステルSE−E−710(表2ではE−710と記す。) ロジン系粘着付与剤 (軟化点 75℃) スーパーエステルE−625(表2中ではE−625と記す。) 重合ロジン系粘着付与剤 (軟化点 125℃) スーパーエステルE−650(表2中ではE−650と記す。) 重合ロジン系粘着付与剤 (軟化点 160℃) 以上 荒川化学(株)製造
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表1および表2から明らかなように、本発
明の実施例による組成物は、比較例の組成物に比し、各
種接着性に優れ、2次加工性にも優れていることが判
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)カルボキシル基含有不飽和
    単量体0.1〜5重量%、(b)アクリル酸の炭素数4
    〜18の範囲にあるアルキルエステル60〜99.8重
    量%、(c)これらの不飽和単量体と共重合可能な他の
    不飽和単量体0.1〜39.9重量%から成る単量体混合
    物100重量部を用いて乳化重合して得られた、Tgが
    −63〜−30℃かつ、ゲル分率が70%〜90%であ
    るアクリル系水性分散体、および (B)85℃〜140℃の軟化点を有する粘着性樹脂を
    主成分とするエマルジョン型粘着付与剤を配合すること
    を特徴とする水性感圧性粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 粘着性樹脂がロジンまたはその誘導体の
    中から選ばれたものである請求項1に記載の水性感圧性
    粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 固形分ベースで、請求項1(A)の水性
    分散体100重量部に対して(B)のエマルジョン型粘
    着付与剤が5〜40重量部の範囲にある請求項2に記載
    の水性感圧性粘着剤組成物。
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