JP3489874B2 - 2−アザビシクロ[2.2.1] ヘプト−5− エン−3− オンの製造方法 - Google Patents

2−アザビシクロ[2.2.1] ヘプト−5− エン−3− オンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗ウイルス剤など医薬
として有用なカルボサイクリックヌクレオシド類を合成
するための中間体である2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト
-5- エン-3-オンの製造法に関する。
【0002】カルボサイクリックヌクレオシドは、ヌク
レオシドのフラノース環を構成する酸素原子をメチレン
基で置換した構造を持ち、その構造が天然のヌクレオシ
ドと良く似ているため、生体内の各種の酵素の基質や阻
害剤として働き得る。またグリコシド結合を持たないた
め、ヌクレオシドホスホリラーゼやヒドラーゼ等による
開裂を受けず、代謝経路も天然のヌクレオシドとは異な
るため多彩な生理活性を示し、例えば菌代謝物であるカ
ルボサイクリックアデノシンはアリステロマイシン(Ari
steromycin) として知られており、強い細胞毒性を示す
ことで注目されている。
【0003】さらに最近では、カルボサイクリック-2,3
- ジデオキシ-2,3- ジデヒドログアノシンが抗HIV 剤と
して開発されつつある[ R. Vince et al. B. B. R. C.
156,1046(1988)]。
【0004】2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-3
- オンは、これらのカルボサイクリックヌクレオシドの
カルボサイクリック部分である2 α, 3 α- ジヒドロキ
シ-4- β−アミノシクロペンタン-1β- メタノールある
いはシス-4- アミノシクロペント-2- エン-1β- メタノ
ール等を純化学的に合成するための中間体として、最も
利用されてる化合物である[R. Vince et al. J. Org.
Chem., 43, 2311(1978); B. L. Kamm et al. J. Org.
Chem., 46, 3268(1981); W. C. Faith et al.J. Org. C
hem.,50, 1983(1985); R. C. Cermak et al. Tetrahe
dron Letters1981, 2331; R. Vince J. Med. Chem., 3
3, 17(1990); R. Vince et al. Tetrahedron Letters
1976,3005; M. D. Ennis Nucleosides & Nucleotides
9, 875(1990)] 。
【0005】
【従来の技術】従来、2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5
- エン-3- オンの合成ルートは2種類知られている。第
1のルートは、シクロペンタジエンとp-トルエンスルホ
ニルシアニドを環化付加し、3-トシル-2- アザビシクロ
[2.2.1] ヘプタ-2,5- ジエンとし、酢酸を用いて3 位の
トシル基を除去する方法[J. C. Jagt et al. J. Org.C
hem., 39,564 (1974); R. Vince et al. J. Org. Che
m., 2311 (1978); L. Kamm et al. J. Org. Chem., 4
6, 3268 (1981)] であり、第2のルートは、シクロペン
タジエンとクロロスルホニルイソシアナートを環化付加
し、亜硫酸ナトリウムを用いてクロロスルホニル基を除
去する方法( J. R. Malpass et al. J. Chem. Soc., P
erkin I, 1977, 874) である。
【0006】しかしながら、第1のルートでは、p-ト
ルエンスルホニルシアニドに対し化学量論的には等モル
でよいシクロペンタジエンを15〜35倍モルと大過剰
に使用しなければならないこと、得られた中間体であ
る3-トシル-2- アザビシクロ[2.2.1] ヘプタ-2.5- ジエ
ンを濃縮して取り出し、粉末に粉砕する工程を必要とす
ること、得られた中間体の3位のトシル基を除去する
ために、用いたp-トルエンスルホニルシアニドに対し
て、酢酸を5〜23倍モルと大過剰に使用し一気に添加
しなければならないこと、その際の急激な発熱反応を
コントロールし、所定の温度以下で反応させるために特
別に除熱効率のよい熱交換器を必要とすること、発熱
反応をコントロールできた場合には60〜70%程度の
収率で2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-3- オン
を合成できるが、発熱反応をコントロールできない場合
には、生成物を全く単離できないか、あるいは非常に低
収率でしか得られないこと、そして2-アザビシクロ
[2.2.1] ヘプト-5- エン-3- オンを単離するためには大
過剰に用いた酢酸を中和するため大量のアルカリ性物質
を必要とし、さらにその際の発熱反応をコントロールし
所定の温度以下で反応させる必要もあること等、数多く
の問題があり、経済性および安全上の点からも工業的に
満足しうる製法とはいいがたい。
【0007】一方、第2のルートは本来副生成物である
6-アザビシクロ[3.2.0] ヘプト-3-エン-7- オンの合成
に適した方法であり、2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5
- エン-3- オンを単離するためにはカラムクロマトグラ
フィー等により、繰りかえし精製を必要とし、最高2
7.5%の単離収率で結晶の2-アザビシクロ[2.2.1] ヘ
プト-5- エン-3- オンを合成しうることを報告している
にすぎず、また得られた結晶の品質も不十分であり、工
業的製法としても満足できるものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、このような従来技術であるスルホニルシアニド
とシクロペンタジエンとの縮合反応により、2-アザビシ
クロ[2.2.1] ヘプト-5-エン-3- オンを合成する際に見
られる上記問題点を改善し、シクロペンタジエンを出発
原料として、2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-3
- オンを高純度でしかも高収率で経済的にかつ安全に製
造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば上記目的
は、フェニルスルホニルシアニドとシクロペンタジエン
とを反応させて2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン
-3- オンを製造する方法において、水および水溶性溶媒
の混合溶媒中でフェニルスルホニルシアニドとシクロペ
ンタジエンとを反応系のpHが3〜4となる条件下で反応
させる2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-3- オン
の製造方法により達成される。
【0010】以下、本発明の方法をさらに詳細に説明す
る。
【0011】本発明の方法において使用されるフェニル
スルホニルシアニドは、M.S.A. Vrijland の方法[Organ
ic Synthesis 57巻, 88 頁] を用いて、フェニルスル
フィン酸金属塩を塩化シアンまたは臭化シアンでシアノ
化して合成することができ、合成直後の状態の物を乾燥
して利用することが望ましい。
【0012】また本発明において使用されるシクロペン
タジエンは、ジシクロペンタジエンの解重合により、受
器を冷媒または寒剤で冷却した状態で分留調したもの
をただちに全量使用するのが望ましい。やむをえず貯蔵
したシクロペンタジエンを本発明の方法に利用する場合
には、シクロペンタジエンは常温で速やかに二量化して
ジシクロペンタジエンになるため、調後24時間以内
に、反応直前まで少なくとも-20℃以下に保たせた状態
のものを使用するのが望ましい。
【0013】シクロペンタジエンの使用量は、フェニル
スルホニルシアニドに対して、1倍モル以上、好ましく
は1〜3倍モルである。すなわち、3倍モルを越えて使
用しても差し支えないが、過剰に用いたシクロペンタジ
エンを回収するための設備対応が必要であったり、過剰
に用いることにより発生するシクロペンタジエンの二量
化を始めとする多量化反応により、副生成物の形成が多
くなり、収率及び純度ともに低下する場合がある。
【0014】本発明の方法は、シクロペンタジエンとフ
ェニルスルホニルシアニドとの縮環反応を水および水溶
性溶媒の混合溶媒中で行うことを特徴としており、その
際の水溶性有機溶媒としては、アセトン、アセトニトリ
ルが好ましく用いられる。
【0015】シクロペンタジエンとフェニルスルホニル
シアニドの縮合反応を行う時の水の使用量は、フェニル
スルホニルシアニドに対し1〜10倍重量部、好ましく
は1.2〜3倍重量部の範囲であることが望ましく、ま
た水溶性溶媒の使用量は、フェニルスルホニルシアニド
に対し0.3〜6倍重量部、好ましくは0.4〜2倍重
量部の範囲であることが望ましい。
【0016】縮合反応は、水-水溶性溶媒中にシクロペ
ンタジエンを入れ、撹拌下に、フェニルスルホニルシア
ニドと反応系のpH調用の無機アルカリ性物質、特にア
ルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸の水溶液
を各々別々に滴下し、反応系のpHを3〜4の範囲に調整
しながら混合することにより進行させることが必要であ
る。通常滴下時の温度は、0〜50℃、好ましくは10
〜25℃であり、滴下時間は、10〜60分間かけて行
うことが望ましい。反応系のpHを3〜4の範囲にコント
ロールできない場合には、反応が暴走したり沈殿物が析
出したりして、目的生成物を得ることができない。
【0017】滴下終了後、反応系の温度は0〜50℃程
度、好ましくは10〜25℃であるが、0.5〜2時間
撹拌し、分液することにより、2-アザビシクロ[2.2.1]
ヘプト-5- エン-3- オンを含有する水溶液を得ることが
できる。
【0018】得られた水溶液は、副生する微量のスルフ
ィン酸のため酸性を示すため、長時間酸性状態におく
と、生成物の分解反応を引き起こしやすく、収率及び純
度ともに低下するため、水溶液のpHを7〜8に調する
ことが望ましい。pH調には無機アルカリ性物質、特に
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸が好まし
い。
【0019】分液した有機溶液中には、多少生成物が溶
解しているため、必要に応じて、水で生成物を抽出し、
上記と同様に水溶液のpHを7〜8に調した後、分液後
のpH調した水溶液と混合することが望ましい。pH調
した水溶液は必要に応じて、塩化ナトリウムを加えて塩
析し、塩化ナトリウムの飽和溶液とした後、塩素系炭化
水素溶媒、好ましくは、塩化メチレン、ジクロロエタン
で抽出する。
【0020】このようにして得られた抽出液を濃縮する
ことにより生成物を単離できる。本発明の方法で得られ
る生成物を濃縮したものは、次工程の抗ウイルス剤中間
体の合成に十分利用可能な純度を持つものであるが、必
要に応じて、蒸留、活性炭処理、再結晶、昇華等の通常
の有機化学的手法により、さらに精製することができ
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものでは
ない。 参考例1(ベンゼンスルホニルシアニドの合成) 温度計、コンデンサー、撹拌器および塩化シアンの導入
管を備えた1000mlのフラスコに、ベンゼンスルフィン酸
ナトリウム2 水塩268.0g(1.34mol) 、水470gを入れた。
反応系の温度を10℃に保って、塩化シアン 90.6g( 純度
95.5% 1.41mol)を窒素同伴下に100 分間かけてフラスコ
内に導入した。塩化シアンの導入終了後、さらに5 ℃で
30分撹拌した。下層を分液し、粗ベンゼンスルホニルシ
アニド212.5g( 純度97.9%)を得た。これを蒸留し、86〜
88℃/2.5mmHgの留分として、ベンゼンスルホニルシアニ
ド198.3gを得た。 参考例2(シクロペンタジエンの合成) 50℃に保温された蒸留塔、-20 ℃に冷却された受器を備
えた1000mlの蒸留フラスコにジシクロペンタジエン504.
7gを入れ 160〜 180℃に加熱して、8 時間ジシクロペン
タジエンを熱分解し、40〜50℃の留分としてシクロペン
タジエン307.5gを得た。ジシクロペンタジエンからの収
率は60.9% であった。 実施例1 PH 計、温度計、冷却器、撹拌機、滴下ロート2 本を備
えた500ml の反応器に水110gとアセトン38g を仕込み15
℃に冷却した。滴下ロートにベンゼンスルホニルシアニ
ド85g(0.488mol) 、もう一方の滴下ロートに25%NaOH 水
溶液85g を入れた。反応器にシクロペンタジエン43g(0.
631mol) を仕込んだ後、反応温度15℃を維持しながらベ
ンゼンスルホニルシアニドを1時間で滴下した。ベンゼ
ンスルホニルシアニドの滴下とともに反応液のPHは7か
ら徐々に低下してきたのでPH 3.5〜 4の範囲に調整しな
がら25%NaOH 水溶液を同時に滴下した。滴下終了後、10
℃まで冷却し30分間熟成した。さらに25%NaOH 水溶液を
滴下しPHを8 に調整した。反応液を分液ロートに移し30
分間静置してから分液し下層の水溶液335.7gを得た。2-
アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-3- オンの濃度は
10.5% 、収率は66%であった。 実施例2 実施例1と同じ 500mlの反応器に水110gとアセトニトリ
ル 38gを仕込み15℃に冷却した。滴下ロートにベンゼン
スルホニルシアニド85g(0.488mol) 、もう一方の滴下ロ
ートに25%NaOH 水溶液85g を入れた。反応器にシクロペ
ンタジエン43g(0.631mol) を仕込んだ後、反応温度15℃
を維持しながらベンゼンスルホニルシアニドを1時間で
滴下した。ベンゼンスルホニルシアニドの滴下とともに
反応液のPHは7から徐々に低下してきたのでPH3〜4の
範囲に調整しながら 25%NaOH水溶液を同時に滴下した。
滴下終了後、10℃まで冷却し30分間熟成した。さらに 2
5%NaOH水溶液を滴下しPHを8に調整した。反応液を分液
ロートに移し30分間静置してから分液し下層の水溶液33
0.4gを得た。2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-3
- オンの濃度は10.3% 、収率は64% であった。 実施例3 実施例1と同じ500ml の反応器に水110gとアセトニトリ
ル 38gを仕込み15℃に冷却した。滴下ロートにベンゼン
スルホニルシアニド85g(0.488mol) 、もう一方の滴下ロ
ートに25%NaOH 水溶液85g を入れた。反応器にシクロペ
ンタジエン66.5g(0.976mol) を仕込んだ後、反応温度15
℃を維持しながらベンゼンスルホニルシアニドを1時間
で滴下した。ベンゼンスルホニルシアニドの滴下ととも
に反応液のPHは7から徐々に低下してきたのでPH3〜4
の範囲に調整しながら 25%NaOH水溶液を同時に滴下し
た。滴下終了後、10℃まで冷却し30分間熟成した。さら
に 25%NaOH水溶液を滴下しPHを8に調整した。反応液を
分液ロートに移し30分間静置してから分液し下層の水溶
液330.5gを得た。2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5-エ
ン-3- オンの濃度は10.9% 、収率は68% であった。 比較例1 実施例1と同じ500ml の反応器に水、110gとアセトニト
リル 38gを仕込み 8℃に冷却した。滴下ロートにベンゼ
ンスルホニルシアニド85g(0.488mol) 、もう一方の滴下
ロートに 25%NaOH水溶液 85gを入れた。反応器にシクロ
ペンタジエン43g(0.631mol) を仕込んだ後、反応温度8
℃を維持しながらベンゼンスルホニルシアニドを1時間
で滴下した。ベンゼンスルホニルシアニドの滴下ととも
に反応液のPHを調整しながら 25%NaOH水溶液を同時に滴
下したが、PHを3〜4の範囲にコントロールできず、反
応開始40分後に多量の沈殿物が析出し、目的生成物を得
ることはできなかった。 比較例2 実施例1と同じ500ml の反応器に水、110gとアセトニト
リル38g を仕込み15℃に冷却した。滴下ロートにベンゼ
ンスルホニルシアニド85g(0.488mol) 、もう一方の滴下
ロートに 25%NaOH水溶液85g を入れた。反応器にシクロ
ペンタジエン43g(0.631mol) を仕込んだ後、反応温度15
℃を維持しながらベンゼンスルホニルシアニドを1時間
で滴下した。ベンゼンスルホニルシアニドの滴下ととも
に反応液のPHを6〜7に調整しながら 25%NaOH水溶液を
同時に滴下したが、反応系の温度が急激に上昇し、反応
が暴走し、目的生成物を得ることはできなかった。 比較例3 実施例1と同じ500ml の反応器に水110gと塩化メチレン
40gを仕込み15℃に冷却した。滴下ロートにベンゼンス
ルホニルシアニド85g(0.488mol) 、もう一方の滴下ロー
トに 25%NaOH水溶液 85gを入れた。反応器にシクロペン
タジエン43g(0.631mol) を仕込んだ後、反応温度15℃を
維持しながらベンゼンスルホニルシアニドを1時間で滴
下した。ベンゼンスルホニルシアニドの滴下とともに反
応液のPHを調整しながら 25%NaOH水溶液を同時に滴下し
たが、PHを3〜4の範囲にコントロールできず、反応開
始20分後に多量の沈殿物が析出し、目的生成物を得るこ
とはできなかった。 比較例4 実施例1と同じ 500mlの反応器に水110gとアセトン 20g
を仕込み15℃に冷却した。滴下ロートにベンゼンスルホ
ニルシアニド85g(0.488mol) 、もう一方の滴下ロートに
25%NaOH水溶液 85gを入れた。反応器にシクロペンタジ
エン43g(0.631mol) を仕込んだ後、反応温度15℃を維持
しながらベンゼンスルホニルシアニドを1時間で滴下し
た。反応液のPHは7から徐々に低下してきたがPHを3〜
4の範囲にコントロールできず、反応開始30分後に多量
の沈殿物が析出し、目的生成物を得ることはできなかっ
た。
【0022】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の方法
は、フェニルスルホニルシアニドとシクロペンタジエン
とを反応させて2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン
-3- オンを製造する方法において、水および水溶性溶媒
の混合溶媒中でフェニルスルホニルシアニドとシクロペ
ンタジエンとを反応系のpHが3〜4となる条件下で反応
させる2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-3- オン
の製造方法であり、本発明の方法によれば、シクロペン
タジエンを大過剰に使うことがなく、従来法で生成した
副生成物である不安定な結晶性のフェニルスルフィニル
スルホン化合物を反応系中に析出させることなく、2-ア
ザビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-3- オンの生産性を
大幅に向上でき、高純度、高収率で、しかも工業的に極
めて簡単な方法で得ることができるという利点がある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−331140(JP,A) J.Org.Chem.,(1974), 39(4),p.564−6 Tetrahedron Let t.,(1969),(39),p.3351−2 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 209/52 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェニルスルホニルシアニドとシクロペ
    ンタジエンとを反応させて2-アザビシクロ[2.2.1] ヘプ
    ト-5- エン-3- オンを製造する方法において、水および
    水溶性溶媒の混合溶媒中でフェニルスルホニルシアニド
    とシクロペンタジエンとを反応系のpHが3〜4となる条
    件下で反応させることを特徴とする2-アザビシクロ[2.
    2.1] ヘプト-5- エン-3- オンの製造方法。
  2. 【請求項2】 水溶性溶媒が、アセトニトリルまたはア
    セトンであることを特徴とする請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 反応時の温度を10〜25℃の範囲で行
    うことを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】反応系のpH調用にアルカリ金属水酸化物
    またはアルカリ金属炭酸の水溶液を用いることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 シクロペンタジエンとフェニルスルホニ
    ルシアニドの縮合反応を行う時の水の使用量がフェニル
    スルホニルシアニドに対し1〜10倍重量部の範囲で、
    かつ水溶性溶媒の使用量がフェニルスルホニルシアニド
    に対し0.3〜6倍重量部の範囲であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
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