JP3216913B2 - 2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−オンの製造方法 - Google Patents

2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−オンの製造方法

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JP3216913B2 JP16015992A JP16015992A JP3216913B2 JP 3216913 B2 JP3216913 B2 JP 3216913B2 JP 16015992 A JP16015992 A JP 16015992A JP 16015992 A JP16015992 A JP 16015992A JP 3216913 B2 JP3216913 B2 JP 3216913B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、抗ウイルス剤など医薬と
して有用なカルボサイクリックヌクレオシド類を合成す
るための中間体である2−アザビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−3−オンの製造法に関する。
【0002】
【産業上の利用分野】カルボサイクリックヌクレオシド
はヌクレオシドのフラノース環を構成する酸素原子をメ
チレン基で置換した構造を持ち、その構造が天然のヌク
レオシドと良く似ているため、生体内の各種の酵素の基
質や阻害剤として働き得る。
【0003】さらにグリコシド結合を持たないため、ヌ
クレオシドホスホリラーゼやヒドラーゼ等による開裂を
受けず、代謝経路も天然のヌクレオシドとは異なるため
多彩な生理活性を示し、例えば菌代謝物であるカルボサ
イクリックアデノシンはアリステロマイシン(Aris
teromycin)として知られており、強い細胞毒
性を示すことで注目されている。
【0004】また最近では、カルボサイクリック−2,
3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドログアノシンが抗H
IV剤として開発されつつある[R.Vinceら、
B.B.R.C.156,1046(1988)]。
【0005】2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−
5−エン−3−オンは、これらのカルボサイクリックヌ
クレオシドのカルボサイクリック部分である2α,3α
−ジヒドロキシ−4β−アミノシクロペンタン−1β−
メタノールあるいはシス−4−アミノシクロペント−2
−エン−1β−メタノール等を純化学的に合成するため
の中間体として、最も利用される化合物である[R.V
inceら、J.Org.Chem.,43,2311
(1978);B.L.Kammら、J.Org.Ch
em.,46,3268(1981);W.C.Fai
thら、J.Org.Chem.,50,1983(1
985);R.C.Cermakら、Tetrahed
ron Letters 1981,2331;R.V
ince、J.Med.Chem.,33,17(19
90);R.Vinceら、Tetrahedron
Letters 1976,3005;M.D.Enn
is,Nucleosides & Nucleoti
des 9,875(1990)]。
【0006】
【従来の技術】2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト
−5−エン−3−オンの合成法は2種類知られている。
【0007】第一の方法はシクロペンタジエンとp−ト
ルエンスルホニルシアニドを環化付加し、3−トシル−
2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエ
ンとし、酢酸を用いて3位のトシル基を除去する方法
[J.C.Jagtら、J.Org.Chem.,3
9,564(1974);R.Vinceら、J.Or
g.Chem.,2311(1978);B.L.Ka
mmら、J.Org.Chem.,46,3268(1
981)]であり、第二の方法は、シクロペンタジエン
とクロロスルホニルイソシアナートを環化付加し、亜硫
酸ナトリウムを用いてクロロスルホニル基を除去する方
法(J.R.Malpassら、J.Chem.So
c.,Perkin I,1977,874)である。
【0008】第一の方法は、p−トルエンスルホニルシ
アニドに対し化学量論的には等モルでよいシクロペンタ
ジエンを15〜35倍モルと大過剰に使用しなければな
らないこと、得られた中間体である3−トシル−2−ア
ザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエンを濃
縮して取り出し、粉末に粉砕する工程を必要とするこ
と。得られた中間体の3位のトシル基を除去するため
に、用いたp−トルエンスルホニルシアニドに対して、
酢酸を5〜23倍モルと大過剰に使用し、一気に添加し
なければならないこと、さらに、その際の急激な発熱反
応をコントロールし、所定の温度以下で反応させるため
に特別に除熱効率のよい熱交換器を必要とすること、発
熱反応をコントロールできた場合、60〜70%程度の
収率で2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エ
ン−3−オンを合成できるが、発熱反応をコントロール
できない場合、生成物を全く単離できないか、あるい
は、非常に低収率でしか得られないこと。また、2−ア
ザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−オン
を単離するためには大過剰に用いた酢酸を中和するため
大量のアルカリ性物質を必要とし、その際の発熱反応を
コントロールし所定の温度以下で反応させる必要もある
こと、さらに、得られた結晶の品質も不十分である等数
多くの問題があり、経済的にかつ安全上も、工業的に満
足しうる製法とはいえない。
【0009】第二の方法は本来副生成物である6−アザ
ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−エン−7−オンの
合成に適した方法であり、2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−3−オンを単離するためにはカ
ラムクロマトグラフィー等により、繰りかえし精製を必
要とし、最高27.5%の単離収率で結晶の2−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−オンを合
成しうることを報告しているにすぎず、また、得られた
結晶の品質も不十分であり、工業的製法としてとても満
足できるものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような従来技術の一つであるスルホニルシアニドとシク
ロペンタジエンとの反応により、2−アザビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−オンを合成する
際に見られる欠点を改善し、シクロペンタジエンを出発
原料として、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−
5−エン−3−オンを、高純度でしかも高収率で経済的
にかつ安全に製造する方法を提供せんとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的は、下記一般式
(1)で表される置換スルホニルシアニドとシクロペン
タジエンとを水または水−炭化水素系混合溶媒中で反応
させることを特徴とする2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−3−オンの製造方法により達成
される。
【0012】
【化2】 (ただし、R1 ,R2 は水素原子、アルキル基、ハロゲ
ン原子である)以下、本発明の方法をさらに詳細に説明
する。
【0013】本発明において使用される下記一般式
(1)で表される置換スルホニルシアニドとしては、好
ましくは、フェニル、p−メチルフェニル(p−トリ
ル、p−トルエン)、m−メチルフェニル、o−メチル
フェニル、3,4−ジメチルフェニル、m−クロロフェ
ニル、p−クロロフェニル誘導体、3,4−ジクロロフ
ェニル、特に好ましくは、フェニル、p−メチルフェニ
ル、p−クロロフェニル誘導体の場合である。
【0014】
【化3】 (ただし、R1 ,R2 は水素原子、アルキル基、ハロゲ
ン原子である)本発明において使用される置換スルホニ
ルシアニドは、M.S.A.Vrijlandの方法
[Organic Syntheses 57,88]
を用いて、相当する置換スルフィン酸金属塩を塩化シア
ンまたは臭化シアンでシアノ化して合成することがで
き、合成直後の状態の物を乾燥して液体もしくは結晶と
して単離するか、本発明の方法に利用する炭化水素系溶
媒の溶液またはスラリー液として、利用することが望ま
しい。
【0015】本発明において使用されるシクロペンタジ
エンは、ジシクロペンタジエンの解重合により、受器を
冷媒または寒剤で冷却した状態で分留調整したものをた
だちに全量使用するのが望ましい。
【0016】やむをえず貯蔵したシクロペンタジエンを
本発明の方法に利用する場合には、シクロペンタジエン
は常温で速やかに二量化してジシクロペンタジエンにな
るため、調整後24時間以内に、反応直前まで少なくと
も−20℃以下に保たせた状態のものを使用するのが望
ましい。
【0017】シクロペンタジエンの使用量は、置換スル
ホニルシアニドに対して、1倍モル以上、好ましくは1
〜2倍モルである。すなわち、2倍モルを越えて反応さ
せても差し支えないが、過剰に用いたシクロペンタジエ
を回収するための設備対応が必要であったり、過剰に
用いることにより発生するシクロペンタジエンの二量化
を始めとする多量化反応により、副生成物の形成が多く
なり、収率及び純度ともに低下する。
【0018】本発明は置換スルホニルシアニドの加水分
解反応を容易に促進させ得る溶媒である水中で反応させ
ることを最大の特徴としている。
【0019】シクロペンタジエンと置換スルホニルシア
ニドの環化付加反応が、置換スルホニルシアニドの加水
分解反応速度よりも速度的に早いこと、環化付加反応生
成物である3−トシル−2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−2,5−ジエンの3位置換基の分解反応が
速やかに生じることにより、水中での反応が進み得ると
考えられる。
【0020】シクロペンタジエンと置換スルホニルシア
ニドの反応を行う時の水の使用量は、置換スルホニルシ
アニドに対し5〜30倍モル、好ましくは10〜20倍
モルの範囲で使用することが望ましい。
【0021】本発明においては、炭化水素系溶媒を共存
させることも可能である。その際の適切な炭化水素系溶
媒としては、炭素数5〜10の非環式、環式脂肪族炭化
水素及び/または芳香族炭化水素であり、好ましくはヘ
キサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンである。
【0022】炭化水素系溶媒の利用は、原料中間体およ
び生成物、副生成物の相互の分離に好都合な溶解性を示
すためと、さらに、加水分解後に析出する副生成物であ
るスルフィニルスルホン化合物を反応器の器壁に付着さ
せにくくする働きを示すため、使用する置換スルホニル
シアニドの種類によっては、好都合な場合がある。
【0023】炭化水素系溶媒を共存させる場合は、置換
スルホニルシアニドに対し0.5〜20倍モル、好まし
くは1〜3倍モルの範囲で使用することが望ましい。
【0024】反応は、水中で置換スルホニルシアニドと
シクロペンタジエンとを混合することにより進行する
が、始めに置換スルホニルシアニドを水、または、水−
炭化水素系溶媒中に加え、撹拌下にシクロペンタジエン
を滴下する方法が好ましい。
【0025】シクロペンタジエン滴下時の温度は、0〜
50℃、好ましくは0〜25℃である。
【0026】シクロペンタジエン滴下時間は、10〜6
0分間かけて行うことが望ましい。
【0027】シクロペンタジエン滴下後、反応系の温度
は0〜50℃、好ましくは0〜25℃である。0.5〜
2時間撹拌し、副生成物であるスルフィニルスルフォン
化合物をろ過、分液等の通常の有機化学的手法により分
離する。
【0028】反応系を長時間放置すると副生成物である
スルフィニルスルフォン化合物の分解反応により、生成
物が分解反応を引き起こす恐れがあるため、24時間以
内に副生成物を分離することが望ましい。
【0029】2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−
5−エン−3−オンの単離には、水−炭化水素系溶媒で
実施した場合、ろ過した反応液は2相系であるため、ま
ず水溶液を分液する。水中で実施した場合は、そのまま
以下の操作を行う。
【0030】得られた水溶液は、副生する微量のスルフ
ィン酸のため酸性を示すため、長時間酸性状態におく
と、生成物の分解反応を引き起こしやすく、収率及び純
度ともに低下するため、水溶液のpHを7〜8に調製す
ることが望ましい。pH調製には無機アルカリ性物質、
特にアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸化物が好
ましい。
【0031】水−炭化水素系溶媒で実施した場合、分液
した有機溶液には、用いる炭化水素系溶媒が芳香族系で
ある場合、多少生成物が溶解しているため、必要に応じ
て、水で生成物を抽出し、上記と同様に水溶液のpHを
7〜8に調製した後、分液後のpH調製した水溶液と混
合することが望ましい。pH調製した水溶液は必要に応
じて、塩化ナトリウムを加えて塩析し、塩化ナトリウム
の飽和溶液とした後、塩素系炭化水素溶媒、好ましく
は、塩化メチレン、ジクロロエタンで抽出する。
【0032】このようにして得られた抽出液を濃縮する
ことにより生成物を単離できる。
【0033】本発明の方法で得られる濃縮後の生成物
は、次工程の抗ウイルス剤中間体の合成に十分利用可能
な純度を持つものであるが、必要に応じて、蒸留、活性
炭処理、再結晶、昇華等の通常の有機化学的手法によ
り、さらに精製することができる。
【0034】
【実施例】
合成例1 ベンゼンスルホニルシアニドの合成 温度計、コンデンサー、撹拌器および塩化シアンの導入
管を備えた1000mlのフラスコに、ベンゼンスルフ
ィン酸ナトリウム2水塩268.0g(1.34mo
l)、水470gを入れた。反応系の温度を10℃に保
って、塩化シアン90.6g(純度95.5%,1.4
1mol)を窒素同伴下に100分間かけてフラスコ内
に導入した。塩化シアンの導入終了後、さらに5℃で3
0分撹拌した。下層を分液し、粗ベンゼンスルホニルシ
アニド212.5g(純度97.9%)を得た。これを
蒸留し、86〜88℃/2.5mmHgの留分として、
ベンゼンスルホニルシアニド198.3gを得た。 合成例2 p−トルエンスルホニルシアニドの合成 温度計、コンデンサー、撹拌器および塩化シアンの導入
管を備えた300mlのフラスコに、p−トルエンスル
フィン酸ナトリウム4水塩54.8g(0.215mo
l)、水200gおよびトルエン30mlを仕込んだ。
水浴で反応溶液を10℃に調整してから、塩化シアン1
2ml(純度95.5%,0.225mol)を窒素同
伴下に60分間かけて反応器に導入した。塩化シアンの
導入後さらに10℃で60分間撹拌した。ろ過分液後、
p−トルエンスルホニルシアニドのトルエン溶液56.
1gを得た。p−トルエンスルホニルシアニドの濃度は
61.5%で収率は88.6%であった。 合成例3 シクロペンタジエンの合成 50℃に保温された蒸留塔、−20℃に冷却された受器
を備えた1000mlの蒸留フラスコにジシクロペンタ
ジエン504.7gを入れ、160〜180℃に加熱し
て、8時間ジシクロペンタジエンを熱分解し、40〜5
0℃の留分としてシクロペンタジエン307.5gを得
た。ジシクロペンタジエンからの収率は60.9%であ
った。 実施例1 500ml四ツ口フラスコにベンゼンスルホニルシアニ
ド89.6g(0.536mol)、トルエン111
g、水150gを仕込み、シクロペンタジエン46.9
g(0.702mol)を反応温度9〜11℃に保ちな
がら12分間かけて滴下した。滴下後1.5時間反応さ
せた後、反応液をろ過し、ろ過物をトルエン30mlで
洗浄した。ろ液をトルエン層と水層に分液し、水層を1
5℃以下の条件でpH=8.2まで25%水酸化ナトリ
ウム水溶液で中和した。トルエン層を水75gで抽出
し、この水層も25%水酸化ナトリウム水溶液でpH=
8.2まで中和した。2つの水層を混合し、食塩で飽和
した後、塩化メチレン250gで3回抽出してから減圧
蒸留し、融点55〜57℃を示す2−アザビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−オン38.7g
(収率66%)を得た。 実施例2 ベンゼンスルホニルシアニド20.1g(0.120m
ol)、水50mlを100ml四ツ口フラスコに入
れ、15℃に調整してからシクロペンタジエン10.2
g(0.155mol)を19分間かけて滴下した。1
5℃で20分間反応させてから3℃に冷却した。反応液
をろ過し、ろ別した沈殿物を水10gで洗浄した。ろ液
に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH=7.9ま
で中和してから食塩を加えて飽和させ、塩化メチレン6
5gで2回抽出した。塩化メチレン溶液を減圧蒸留し
て、融点55〜57℃を示す2−アザビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−3−オン9.3g(収率7
1%)を得た。 実施例3 500ml四ツ口フラスコに、ベンゼンスルホニルシア
ニド110.6g(0.66mol)と水150gを入
れ撹拌下に、シクロペンタジエン53.3g(0.80
7mol)を加えた。5〜15℃で45分間反応させた
後、反応液を5℃に冷却しながらろ過し、副生成物であ
るスルフィニルスルフォン化合物を除去した。水層を水
酸化ナトリウム水溶液でpH8まで中和した。中和液に
粉末活性炭10gを加えてろ過し、ろ液を塩化メチレン
220gで3回抽出した。抽出液を減圧濃縮し、融点5
5.0〜57.0℃を示す2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−3−オン60.3g(収率84
%)を得た。 実施例4 100ml四ツ口フラスコにp−トルエンスルホニルシ
アニドのトルエン溶液55.3g(濃度61.5%,
0.188mol)、トルエン6.35g、および水5
2.3gを入れ、シクロペンタジエン17.9g(0.
27mol)を加えた。10〜20℃で45分間反応さ
せた後、反応液を5℃に冷却し、この反応液をろ過し副
生成物であるスルフィニルスルフォン化合物を除去し、
ろ液をトルエン層と水層に分液した。水層を15℃以下
の条件でpH=8まで25%水酸化ナトリウム水溶液で
中和した。トルエン層を水75gで抽出し、この水層も
25%水酸化ナトリウム水溶液でpH=8まで中和し
た。2つの水層を混合し、食塩で飽和した後、中和液に
粉末活性炭5gを加えてろ過し、ろ液を塩化メチレン9
0gで3回抽出した。塩化メチレン抽出液を減圧濃縮し
融点55.0〜57.0℃の2−アザビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−3−オン17.5g(収率
85%)を得た。 実施例5 500ml四ツ口フラスコにp−トルエンスルホニルシ
アニド108.4g(0.538mol)、水150g
を入れ、シクロペンタジエン46.7g(0.70mo
l)を加えて10〜15℃で45分間反応させた。反応
液をろ過し副生成物であるスルフィニルスルフォン化合
物を除去し、ろ液を水酸化ナトリウム水溶液でpH=
7.9まで中和した。中和液を食塩で飽和し、塩化メチ
レン230gで3回抽出してから粉末活性炭6gを加え
てろ過し、ろ液を減圧濃縮して、融点55.0〜57.
0℃の2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エ
ン−3−オン41.3g(収率70%)を得た。 実施例6 500ml四ツ口フラスコにm−メチルフェニルスルホ
ニルシアニド120g(0.66mol)、水150g
を入れ、シクロベンタジエン46.70g(0.70m
ol)を加えて10〜25℃で30分間撹拌した。反応
液をろ過し、ろ過物を水30mlで洗浄した。ろ液と洗
浄液をあわせ、15℃以下に保ちながら、水酸化ナトリ
ウム水溶液でpH=8まで中和した。中和液を食塩で飽
和した後、塩化メチレン300gで3回抽出し粉末活性
炭8gを加えてろ過し、ろ液を減圧濃縮し、融点55.
0〜57.0℃の2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5−エン−3−オン54.6g(収率76%)を得
た。 実施例7 500ml四ツ口フラスコにベンゼンスルホニルシアニ
ド75.0g(0.449mol)、ヘキサン50g、
水200gを入れ、シクロベンタジエン45.6g
(0.690mol)を加えて15〜25℃で45分間
反応させた。反応液を5℃に冷却し、ろ過し副生成物で
あるスルフィニルスルフォン化合物を除去し、水層とヘ
キサン層に分液した。水層を水酸化ナトリウム水溶液で
pH=8まで中和し、水層に食塩を80g加え、塩化メ
チレン131gで6回抽出した。この塩化メチレン抽出
液に粉末活性炭5gを加えてろ過し、ろ液を減圧濃縮後
融点55.0〜57.0℃の2−アザビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−3−オン40.2g(収率
82%)を得た。 比較例1 500m四ツ口フラスコに、粉砕したp−トルエンスル
ホニルシアニド60g(0.33mol)を入れ、−1
8℃のシクロペンタジエン336g(5.1mol)を
加えた。9〜24℃で40分間撹拌してから、反応液を
20℃以下で加熱せずに減圧して濃縮した。濃縮した中
間体を粉砕し、冷却しておいた氷酢酸105ml(1.
77mol)をすばやく入れて撹拌した。この間反応系
の温度を20℃以下になるように冷却した。この反応液
を430mlの氷水に注ぎ、撹拌後セライトを加えてろ
過した。ろ過物を水50mlで洗浄し、ろ過液と洗浄液
を20℃以下に冷却し、撹拌下に水酸化ナトリウム水溶
液を加えpH8に中和した。この溶液に食塩を飽和さ
せ、塩化メチレン450mlで3回抽出した。硫酸マグ
ネシウムで乾燥後濃縮し、褐色の油状物28gを得た。
蒸留後、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−
エン−3−オン18.8g(収率52%)を得た。単離
物の融点は50〜52℃を示した。 比較例2 p−トルエンスルホニルシアニド12g(0.066m
ol)を200ml四ツ口フラスコにいれ、氷冷下フラ
スコ内の温度が6℃になってから、−20℃のシクロペ
ンタジエン70.8g(1.063mol)を加え、5
0分間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、淡黄色固体1
7.48gを得た。この固体を粉砕し、氷冷下13℃の
氷酢酸21.89g(0.365mol)を加えて、1
時間撹拌した。反応液を氷水86g中に注ぎ、30分撹
拌してからデカンテーションして上澄み液110.3g
を得た。20℃に冷やし撹拌しながら12規定水酸化ナ
トリウム水溶液をpH=7.4になるまで加えた。水層
に食塩21.2gを加えて飽和させ、塩化メチレン90
mlで3回抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮後、茶褐色油状物2.91gを得た。放置後析
出物をろ過し、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト
−5−エン−3−オン1.25g(収率17%)を得
た。単離物の融点は48〜51℃を示した。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、シクロペンタジエンを
大過剰に使うことがなく、3−置換スルホニル−2−ア
ザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエンの
反応とスルホニル基の除去反応を同時に行なうことが
でき、従来法に比較して、2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−3−オンの生産性を大幅に向上
でき、高純度、高収率で、しかも工業的に極めて簡単な
方法で得ることができるという利点がある。
フロントページの続き (72)発明者 中村 晶 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株式会社クラレ内 審査官 冨永 保 (56)参考文献 Chem.Ber.,(1983),116 (3),p.1081−96 Chemical Abstract s,vol.118,abstract no.80198(& Rev.−Acad. Galega Cienc., (1991),10,p.60−7 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 209/52 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される置換スルホ
    ニルシアニドとシクロペンタジエンとを、水または水−
    炭化水素系混合溶媒中で反応させることを特徴とする2
    −アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−
    オンの製造方法。 【化1】 (ただし、R1 ,R2 は水素原子、アルキル基、ハロゲ
    ン原子である)
  2. 【請求項2】 置換スルホニルシアニドがベンゼンスル
    ホニルシアニド、p−トルエンスルホニルシアニド、p
    −クロロフェニルスルホニルシアニドである請求項1記
    載の2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
    −3−オンの製造方法。
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