JP3227675B2 - スルホニルシアニド類の回収方法 - Google Patents

スルホニルシアニド類の回収方法

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JP3227675B2
JP3227675B2 JP21629292A JP21629292A JP3227675B2 JP 3227675 B2 JP3227675 B2 JP 3227675B2 JP 21629292 A JP21629292 A JP 21629292A JP 21629292 A JP21629292 A JP 21629292A JP 3227675 B2 JP3227675 B2 JP 3227675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、抗ウイルス活性を有
するカルボサイクリックヌクレオシド類を合成するため
の中間体として有用な2−アザビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−3−オンを、スルホニルシアニド類
とシクロペンタジエンとから製造する場合に、副生する
スルフィニルスルホン類からスルホニルシアニド類を回
収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボサイクリックヌクレオシド類は、
ヌクレオシドのフラノース環を構成する酸素原子をメチ
レン基で置換した構造を有し、その構造が天然のヌクレ
オシド類と類似しているために生体内の各種の酵素の作
用を受ける基質として、また、酵素の阻害剤として機能
する場合が多い。
【0003】また、カルボサイクリックヌクレオシド類
は、グルコシド結合を持たないためヌクレオシドホスホ
リラーゼやヒドラーゼ等の一部の酵素の作用を受けず、
更に代謝経路も天然のヌクレオシドとは異なるために予
期しない多彩な生理活性を示す場合もある。例えば、菌
代謝物であるカルボサイクリックアデノシンはアリステ
ロマイシン(Aristeromycin)として知ら
れており、強い細胞毒性を示すことで注目されている。
また、最近では、カルボサイクリック−2,3−ジデオ
キシ−2,3−ジデオキシ−2,3−ジヒドログアノシ
ンが抗HIV剤として注目されている[R.Vince
等、B.B.R.C.156,1046(198
8)]。
【0004】ところで、このようなカルボサイクリック
ヌクレオシド類を合成する場合、そのカルボサイクリッ
ク部分である2a,3a−ジヒドロキシ−4β−アミノ
シクロペンタン1β−メタノール或いはシス−4−アミ
ノスクロペント−2−エン−1β−メタノール等を合成
するための中間体として2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−3−オン(以下、ABHと略す
る)が一般的に用いられている[R.Vince等,
J.Org.Chem.,43,2311(197
8);B.L.Kamm等,J.Org.Chem.,
46,3268(1981);W.C.Faith等,
J.Org.Chem.,50,1983(198
5);R.C.Cermak等,Teterahedo
ron Letters 1981,2331;R.V
ince,J.Med.Chem.,33,17(19
90);R.Vince等,Teterahedoro
n Letters 1976,3005;M.D.E
nnis,Nucleosides &Nucleot
ides,9,875(1990)]。
【0005】従来、このABHは式(1)
【0006】
【化3】 (式中、R1及びR2は独立的に水素、アルキル基、ハロ
ゲン基、アルコキシ基又はニトロ基である) のスルホニルシアニド類とシクロペンタジエンとをDi
els−Alder反応させることにより製造されてい
る。例えば、大過剰のシクロペンタジエンを非水溶媒と
して用いて、p−トルエンスルホニルシアニドとシクロ
ペンタジエンとを環化付加させて3−トシル−2−アザ
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエンとし、
これを単離した後、酢酸を用いてその3位のトシル基を
除去することによりABHを得ることが提案されている
[J.C.Jagt等,J.Org.Chem.,3
9,567(1974);R.Vince等,J.Or
g.Chem.,43,2311(1978);;B.
L.Kamm等,J.Org.Chem.,46,32
68(1981)]。また、別法として、p−トルエン
スルホニルシアニドとシクロペンタジエンとを、有機溶
媒中で環化付加させ、生成する3−トシル−2−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエンを単離す
ることなく反応系内に水を加えることにより加水分解し
てABHを得る方法や、水もしくは水−炭化水素系混合
溶媒中で環化付加と加水分解とを一挙に行ってABHを
得る方法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなABHの製造方法においては、いずれにしても中間
体の3−トシル−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2,5−ジエンを加水分解した際に、生成するAB
H1モルに対し0.5モルの式(2)
【0008】
【化4】 (式中、R1及びR2は独立的に水素、アルキル基、ハロ
ゲン基、アルコキシ基又はニトロ基である) のスルフィニルスルホン類が化学量論的に副生し、この
スルフィニルスルホン類を廃棄しており、従って経済的
にABHを製造できないという問題があった。
【0009】このため、従来よりスルフィニルスルホン
類からスルホニルシアニド類を経済的に回収し、更にそ
れを再度出発原料として用いてABHを経済的かつ工業
的に製造できるようにすることが強く要望されていた。
この場合、スルフィニルスルホン類をまず対応するスル
フィン酸に加水分解し、得られるスルフィン酸をM.
S.A.Vrijlandの方法[Organic S
ynthesis 5788]により対応するスルホニ
ルシアニド類に変換することが望まれるが、スルフィニ
ルスルホン類の加水分解としては、0.001〜O.4
Mの過塩素酸を含む60%ジオキサン中で加水分解した
り[John L.Kice等、J.Am.Chem.
Soc.,88,5236(1966)]、或いは酢酸
水溶液で加水分解する[John L.Kice等、
J.Am.Chem.Soc.,89,4113(19
67)]という工業的に不向きな方法が提案されている
にすぎない。
【0010】この発明は、このような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、スルホニルシアニド類と
シクロペンタジエンとを反応させてABHを製造する際
に、副生するスルフィニルスルホン類から経済的かつ工
業的にスルホニルシアニド類を回収できるようにし、結
果としてABHを経済的かつ工業的に製造できるように
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明者は、ABH製
造時の反応混合物からスルフィニルスルホン類を分離
し、これを水と接触させるか必要に応じて水中で加熱す
ることにより容易に対応するスルフィン酸類を得ること
ができることを見出し、この発明を完成するに至った。
【0012】即ち、この発明は、式(1)
【0013】
【化5】 (式中、R1及びR2は独立的に水素、アルキル基、ハロ
ゲン基、アルコキシ基又はニトロ基である) のスルホニルシアニド類とシクロペンタジエンとを反応
させてABHを製造する際に副生する式(2)
【0014】
【化6】 (式中、R1及びR2は独立的に水素、アルキル基、ハロ
ゲン基、アルコキシ基又はニトロ基である) のスルフィニルスルホン類を加水分解し、次いで中和
し、更にハロゲン化シアンと反応させることにより式
(1)のスルホニルシアニド類を回収する方法を提供す
る。
【0015】以下、この発明を詳細に説明する。
【0016】まず、この発明において、式(1)のスル
ホニルシアニド類の置換基R1及びR2としては、前述し
たようにそれぞれ独立的に水素、メチル基、エチル基等
のアルキル基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、
ニトロ基、又はメトキシなどのアルコキシ基であるが、
1及びR2のベンゼン環に結合する位置に特に限定はな
い。また、アルキル基又はアルコキシ基には、Diel
s−Alder反応を阻害せず、また式(1)のスルホ
ニルシアニド類の回収する工程を阻害しない限り種々の
置換基が存在してもよい。このようなR1及びR2として
特に好ましい組み合わせを有する式(1)のスルホニル
シアニド類としては、R1がベンゼン環のパラ位に結合
するメチル基であり、R2が水素であるp−トルエンス
ルホニルシアニド又はR1及びR2が水素であるベンゼン
スルホニルシアニドである。
【0017】また、この発明において、式(2)のスル
フィニルスルホン類を副生する式(1)のスルホニルシ
アニド類とシクロペンタジエンとのDiels−Ald
er反応の条件ついては、式(2)のスルフィニルスル
ホン類を副生する限り特に限定されない。例えば、従来
技術の欄で述べたような種々の方法を採用することがで
きる。即ち、式(1)のスルホニルシアニドとしてp−
トルエンスルホニルシアニドを用いそれと大過剰のシク
ロペンタジエンとを非水系で反応させて3−トシル−2
−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン
3とし、残余のシクロペンタジエンを除去した後に酢酸
水溶液で分解してABHを得るとともにp−トルエンの
スルフィニルスルホン類を副生する方法[J.C.Ja
gt等,J.Org.Chem.,39,567(19
74);R.Vince等,J.Org.Chem.,
43,2311(1978);;B.L.Kamm等,
J.Org.Chem.,46,3268(198
1)]を採用することができるが、工業的にはp−トル
エンスルホニルシアニドとシクロペンタジエンとを、有
機溶媒中で環化付加させ、生成する3−トシル−2−ア
ザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエンを単
離することなく反応系内に水を加えることにより加水分
解してABHを得る方法か、又は水もしくは水−炭化水
素系混合溶媒中で環化付加と加水分解とを一挙に行って
ABHを得る方法を採用することが好ましい。これは、
中間体である3−トシル−2−アザビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2,5−ジエンを得るための工程をわざわ
ざ設ける必要がなく、また酢酸などのコストのかかる試
剤が不要なためである。
【0018】このような水の存在下で式(1)のスルホ
ニルシアニド類とシクロペンタジエンとを反応させる方
法を以下に説明する。
【0019】まず、M.S.A.Vrijlandの方
法[Organic Synthesis 5788]
などにより得られる式(1)のスルホニルシアニド類を
その5〜30倍モル、好ましくは10〜20倍モルの水
に懸濁させる。この場合、炭化水素系溶媒を共存させる
ことが好ましい。炭化水素系溶媒を共存させることによ
り、副生する式(2)のスルフィニルスルホン類が反応
壁にこびりついたりすることを防止し、温度制御を容易
にすることができる。このような炭化水素系溶媒として
は、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭素数5
〜10の非環式、環式脂肪族炭化水素、或いはベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族炭化水素を使用することがで
きる。芳香族炭化水素を使用する場合には、式(1)の
スルホニルシアニド類に対して0.5〜20倍モル、好
ましくは1〜3倍モルの量で使用する。
【0020】次に、式(1)のスルホニルシアニド類の
水中懸濁液に、スルホニルシアニド類と当モル量〜2倍
モル量、好ましくは1.25〜1.35倍モル量のシク
ロペンタジエンを、0〜50℃、好ましくは0〜25℃
の温度で、通常10〜60分間に亘って滴下する。な
お、シクロペンタジエンは、ジシクロペンタジエンを解
重合し、受器を冷媒又は寒剤で冷却し留去してくるシク
ロペンタジエンを分留調製したものを直ちに使用するこ
とが好ましい。
【0021】シクロペンタジエン滴下終了後も、同温度
に維持しながら更に0.5〜2時間撹拌を続けると、副
生した式(2)のスルフィニルスルホン類が徐々に折出
する。これはろ別することにより単離することができ
る。なお、ABHはろ液に存在している。
【0022】次に、式(2)のスルフィニルスルホン類
を相当する式(3)
【0023】
【化7】 (式中、R1及びR2は独立的に水素、アルキル基、ハロ
ゲン基、アルコキシ基又はニトロ基である) のスルフィン酸類に加水分解する。この場合、上述した
ように得られた式(2)のスルフィニルスルホン類は含
水した固体であり、置換基の種類により安定度が異な
り、安定度が低い場合には、室温でも徐々に相当する式
(3)のスルフィン酸に分解する。従って、加水分解
は、安定なスルフィニルスルホン類と不安定なスルフィ
ニルスルホン類との場合で異なる操作により行うことが
好ましい。
【0024】即ち、式(2)のスルフィニルスルホン類
が安定な場合には、単離した後に20〜1000倍モル
量、好ましくは100〜300倍モル量の水に懸濁さ
せ、撹拌しながら0〜90℃、好ましくは20〜70℃
の温度で10分〜2時間反応させることにより加水分解
することができる。反応液は加水分解生成物である式
(3)のスルフィン酸類のために酸性を呈するようにな
る。この溶液はこのままで後述する中和工程に適用する
ことができる。
【0025】式(2)のスルフィニルスルホン類が不安
定な場合には、単離した後に含水した状態で5〜20倍
モル量のヘキサン等の炭化水素溶媒や塩化メチレン等の
ハロゲン化炭化水素溶媒に溶解し、例えば−20〜+4
℃の温度に一昼夜以上冷却保持することにより加水分解
された相当する式(3)スルフィン酸類を結晶として得
ることができる。この結晶は、5〜20倍モルの水に溶
解した水溶液とすることにより後述する中和工程に適用
することができる。
【0026】次に前述したように式(3)のスルフィン
酸類を中和して、相当するスルフィン酸塩を製造する。
この場合、中和するためのアルカリ性物質としては、水
酸化ナトリムなどのアルカリ金属水酸化物や、炭酸ナト
リウムなどのアルカリ金属炭酸塩などを好ましく用いる
ことができる。
【0027】このようにして得られたスルフィン酸塩水
溶液に、一般に0〜10℃に冷却し、撹拌しながら等モ
ル量のハロゲン化シアンをガスを15〜60分間かけて
導入し、更に10〜60分間、0〜10℃温度で撹拌し
て熟成反応を行う。この反応終了後、ろ過もしくは抽出
などの常法により式(1)のスルホニルシアニド類を回
収することができる。
【0028】なお、このようにして回収された式(1)
のスルホニルシアニド類は、ABHを製造するためにこ
のままの状態でシクロペンタジエンと反応させてもよい
が、必要に応じて、活性炭処理や再結晶処理、或いは蒸
留処理などの通常の精製処理により精製してもよい。
【0029】
【作用】この発明によれば、スルホニルシアニド類とシ
クロペンタジエンとを反応させてABHを製造する際に
副生するスルフィニルスルホン類を、酢酸などの試薬を
用いることなく加水分解し、続いて中和し、更にハロゲ
ン化シアンと反応させるので、経済的かつ工業的にスル
ホニルシアニド類を回収することが可能となる。従っ
て、ABHを経済的かつ工業的にABHを製造すること
が可能となる。
【0030】
【実施例】以下に、実施例に基づきこの発明を具体的に
説明する。
【0031】参考例1 ベンゼンスルホニルシアニドの合成 温度計、コンデンサー、撹拌機及び塩化シアンの導入管
を備えた1000mlのフラスコ反応器に、ベンゼンス
ルフィン酸ナトリウム2水塩268.0g(1.34m
ol)と水470gとを仕込んだ。反応系の温度を10
℃に冷却し、更にその温度に維持しながら、塩化シアン
90.6g(1.41mol)を窒素同伴下で100分
間に亘って反応器内に導入した。塩化シアンの導入終了
後、更に5℃で30分間撹拌した。その後、下層を分液
し、粗ベンゼンスルホニルシアニド212.5g(純度
97.9%)を得た。これを蒸留することにより、精製
ベンゼンスルホニルシアニド198.3g(bp.86
〜88℃/2.5mmHg)を得た。
【0032】参考例2 p−トルエンスルホニルシアニドの合成 温度計、コンデンサー、撹拌機及び塩化シアンの導入管
を備えた300mlのフラスコ反応器に、p−トルエン
スルフィン酸ナトリウム4水塩54.8g(0.215
mol)と水270gとトルエン30mlとを仕込ん
だ。反応系の温度を10℃に冷却し、更にその温度に維
持しながら、塩化シアン12ml(純度95.5%、
0.225mol)と窒素同伴下で60分間に亘って反
応器内に導入した。塩化シアンの導入終了後、更に10
℃で60分間撹拌した。その後、反応液をろ過分液し、
p−トルエンスルホニルシアニドのトルエン溶液56.
1g(p−トルエンスルホニルシアニドの濃度61.5
wt%、収率88.6%)を得た。
【0033】参考例3 シクロペンタジエンの合成 50℃に保温した蒸留塔と−20℃に冷却した受器とを
備えた1000mlの蒸留フラスコに、ジシクロペンタ
ジエン504gを仕込んだ。ジシクロペンタジエンを1
60〜180℃の温度に8時間、加熱することによりシ
クロペンタジエンに熱分解し、同時に40〜50℃の留
分としてシクロペンタジエンを留去させた。この結果、
シクロペンタジエンを307.5g(収率60.9%)
得た。
【0034】実施例1 500mlの四つ口フラスコにp−トルエンスルホニル
シアニド65.5g(0.361mol)、トルエン8
0.0g及び水99.0gを仕込み、更にシクロペンタ
ジエン33.1g(純度95.0%、0.476mo
l)を加えた。この混合物を、10〜12℃の温度で2
時間、撹拌することにより反応させた。反応終了後、反
応混合物の温度を5℃に冷却した後にろ過し、副生した
粗p−トルエンスルフィニルスルホン45.12gを得
た。なお、母液を常法により処理することにより収率5
4.5%でABHを得た。
【0035】粗p−トルエンスルフィニルスルホン3
4.97g(純度61.6%、0.09mol)と水3
50.0gとを、温度計、撹拌機及びコンデンサーを備
えた500ml四つ口フラスコに仕込んだ。この混合物
を60℃で1時間、撹拌することによりp−トルエンス
ルフィン酸に加水分解した。
【0036】続いて、水酸化ナトリウム8.85gを水
27mlに溶解した水溶液23ml(水酸化ナトリウム
0.176モル)を加えてp−トルエンスルフィン酸を
中和し、反応液をろ過して不溶物0.6gを除去するこ
とにより、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム水溶液
411.58gを得た。
【0037】この水溶液を、温度計、撹拌機、コンデン
サー及び塩化シアンガス導入管を備えた500mlの四
つ口フラスコに仕込み、3〜4℃の温度に保持しながら
塩化シアンガス10.8g(0.176mol)を30
分間に亘って導入した。反応系内は塩化シアンガスを導
入し始めて5分以内で白濁した。塩化シアンガスの導入
終了後、更に3〜4℃で45分間、撹拌した。反応溶液
を塩化メチレン(100ml×3回)で抽出し、抽出液
を無水硫酸マグネシウム5.0gで乾燥した。無水硫酸
ナトリウムをろ別し、ろ液を減圧濃縮することによりp
−トルエンスルホニルシアニド24.16g(0.13
3mol、収率69.3%(粗p−トルエンスルフィニ
ルスルホン基準))を得た。
【0038】実施例2 500mlの四つ口フラスコにベンゼンスルホニルシア
ニド89.6g(0.536mol)、トルエン111
g及び水150gを仕込み、9〜11℃の温度に保持し
ながら、シクロペンタジエン46.9g(0.702m
ol)を12分間に亘って滴下した。滴下終了後、更に
1.5時間撹拌した後にろ過し、トルエン30mlでろ
過物を洗浄して副生した粗ベンゼンスルフィニルスルホ
ン63.0gを得た。なお、母液を常法により処理する
ことにより収率66%でABHを得た。
【0039】粗ベンゼンスルフィニルスルホン5.0g
(0.0188mol)と塩化メチレン10mlとを、
25mlナス型フラスコに仕込み、マグネティックスタ
ーラーで、25℃、30分間撹拌した。その後、二日
間、20℃の温度に溶液を放置することにより、ベンゼ
ンスルフィン酸への分解とその結晶化を行った。その結
果、3.52gのベンゼンスルフィン酸を得た。
【0040】得られたベンンスルフィン酸の結晶1.
8g(0.013g)と水2mlとを、温度計、塩化シ
アンガス導入管を備えた25mlナス型フラスコに仕込
み、マグネティックスターラーで撹拌した。この混合物
に、水酸化ナトリウム4gを水4mlに溶解した水溶液
を加えてベンゼンスルフィン酸を中和した。
【0041】この反応液を3〜4℃の温度に保持しなが
ら塩化シアンガス0.8g(0.013mol)を5分
間に亘って導入した。反応系内は塩化シアンガスを導入
中に白濁した。塩化シアンガスの導入終了後、更に3〜
4℃で50分間、撹拌した。反応溶液に塩化メチレン
5.5mlを加えて撹拌した後に分液し、得られた有機
層を無水硫酸マグネシウム0.5gで乾燥した。無水硫
酸マグネシウムをろ別し、ろ液を減圧濃縮することによ
りベンゼンスルホニルシアニドの白色結晶1.87g
(0.012mol、収率62.0%(粗ベンンスル
フィニルスルホン基準))を得た。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、スルホニルシアニド
類とシクロペンタジエンとの反応によるABHの製造の
際に副生するスルフィニルスルホン類から経済的かつ工
業的にスルホニルシアニド類を回収することができ、従
ってABHを経済的かつ工業的に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 晶 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2−28 株 式会社クラレ内 (56)参考文献 特公 昭46−43217(JP,B1) J.Am.Chem.Soc.,88, 5236−41(1966) J.Am.Chem.Soc.,89, 4113−21(1967) J.Org.Chem.,39,564− 6(1974) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 317/44 C07D 209/52 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は独立的に水素、アルキル基、ハロ
    ゲン基、アルコキシ基又はニトロ基である) のスルホニルシアニド類とシクロペンタジエンとを反応
    させて2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エ
    ン−3−オンを製造する際に副生する式(2) 【化2】 (式中、R1及びR2は独立的に水素、アルキル基、ハロ
    ゲン基、アルコキシ基又はニトロ基である) のスルフィニルスルホン類を加水分解し、中和し、更に
    ハロゲン化シアンと反応させることにより式(1)のス
    ルホニルシアニド類を回収する方法。
  2. 【請求項2】 スルホニルシアニド類とシクロペンタジ
    エンとを水の存在下で反応する請求項1記載のスルホニ
    ルシアニド類の回収方法。
  3. 【請求項3】 Rがベンゼン環のパラ位に結合するメ
    チルであり、Rが水素である請求項1記載のスルホニ
    ルシアニド類の回収方法。
  4. 【請求項4】 R及びRが水素である請求項1記載
    のスルホニルシアニド類の回収方法。
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