JP2002517481A - 新規製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
法に関する。
を形成させる反応はよく知られている反応である。
ジウム触媒もしくは白金触媒、アンモニア、および後者の触媒の場合には無機ア
ルカリの存在下での1,4-ジシアノベンゼンの水素化を開示している。
ンゼンの水素化が、米国特許第3,050,544号および“Catalytic Hydrogenation o
ver Platinum Metals, Rylander, P., アカデミックプレス, ニューヨーク(1967
), p.218”にも開示されている。
することが記載されていない。 さらに、上記の従来技術文献の全てにおいて、4-CBAを遊離塩基の形態で単離
している。いずれも、4-CBAをその形成後の塩の形態で単離することを開示又は
説明していない。
、Mckayらによる“J. Am. Chem. Soc. (1959) 81, 4328”、Shortらによる“J.
Med. Chem. (1967) 10, 833”、およびGoldbergらによる“J. Chem. Soc. (1947
) 1369”を参照〕。しかしながら、これまでアルカンスルホン酸塩の形態で単離
されたCBAはない。
且つ高収率で容易に単離できることを発明者らは見出した。
CBAの低級アルカンスルホン酸塩を以後“本発明の塩”と呼ぶ。 有用であることが明らかになっている低級アルカンスルホン酸塩としては、直
鎖状、枝分かれ鎖状、または環状のC1-6アルカンスルホン酸塩があり、好ましい
のはC1-3アルカンスルホン酸塩であり、そして特に好ましいのはエタンスルホン
酸塩とメタンスルホン酸塩である。トルエンスルホン酸塩も挙げることができる
。
とアミノ基との間に存在するメチレン基上の2つの利用できる水素原子(availabl
e hydrogen atom)の一方または両方が、および/またはベンゼン環上の4つの利用
できる水素原子のうちの1つ以上が置換基で置換されているCBAがある。挙げるこ
とのできる置換基としては、ハロ(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨ
ード); 1つ以上のハロ基で置換されていてもよい低級(例えば、直鎖状または枝
分かれ鎖状のC1-4)アルキル; ヒドロキシ; 低級(例えば、直鎖状または枝分かれ
鎖状のC1-4)アルコキシ; -O(CH2)pC(O)N(Ra)(Rb)〔式中、pは0、1、2、3、また
は4であり、RaとRbは独立的に、H、低級(例えば、直鎖状または枝分かれ鎖状のC 1-6 )アルキル、または低級(例えばC3-7)シクロアルキルを示す〕; N(Rc)Rd〔式
中、RcとRdは独立的に、H、低級(例えば、直鎖状または枝分かれ鎖状のC1-4)ア
ルキル、またはC(O)Re(式中、ReはHまたは低級(例えば、直鎖状または枝分かれ
鎖状のC1-4) アルキルを示す)を示す〕; またはSRf〔式中、RfはHまたは低級(
例えば、直鎖状または枝分かれ鎖状のC1-4)アルキルを示す〕; などがある。こ
のような置換CBAは当業界においてよく知られており、公知の方法を使用して製
造することができる。
の4-CBA)がある。 本発明の塩は、低級アルカンスルホン酸によるCBAの選択的結晶化によって容
易に且つ有利に製造することができる。
に結晶化する工程を含む本発明の塩の製造法が提供される。 選択的結晶化において使用できる適切な溶媒としては、低級アルコール類(例
えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、およびブ
タノール等のC1-6アルキルアルコール)およびこれらの混合物がある。
和状態にすることによって(例えば、過飽和温度にまで冷却することによって、
および/または溶媒を蒸発除去することによって)達成することができる。最終的
な結晶化温度は、溶液中の塩の濃度および使用する溶媒系に依存するが、上記溶
媒系の場合、温度は通常−20℃〜30℃(例えば0℃〜25℃)の範囲である。
あるいは形成させなくても果たすことができる。 塩結晶は、当業者によく知られている方法(例えば、デカンテーション、濾過
、または遠心分離)を使用して単離することができる。
90%以上(例えば95%以上、特に96%以上)の化学的純度(塩の純度は、最初の段階に
おいて結晶化されるCBAの純度に依存する)で得ることができるということを本発
明者らは見出した。
きる。例えば、塩の水溶液に塩基を加え、次いで水相と有機相とに分配すること
によって不純物を除去することができる。不純物はさらに、適切な溶媒系〔メタ
ノール、プロパノール(例えばイソプロパノール)、ブタノール、および特にエタ
ノール等の低級(例えばC1-6)アルキルアルコール、あるいはこれら溶媒の組合わ
せ物〕からの再結晶によって、および/または後述するようにして除去すること
もできる。再結晶のための適切な温度は、溶液中の塩の濃度および使用されてい
る溶媒系に依存するが、上記溶媒系の場合、再結晶のための温度は通常−20℃〜
35℃(例えば−5℃〜30℃、好ましくは5℃〜30℃)の範囲である。
性不純物を除去する工程を含んでよい(この“高温”濾過は、選択的結晶化を行
う前にCBAの低純度溶液に対しても行うことができる)。
が、選択的結晶化の後に塩からCBAを遊離させるには、当業者によく知られてい
る方法を使用して塩から低級アルカンスルホン酸をはずすことによって達成する
ことができる。CBAはさらに、二相抽出〔例えば、塩を含んだ二相(有機相/水相)
混合物に塩基(例えば、金属水酸化物、金属アルコキシド、金属炭酸塩、または
金属炭酸水素塩)を加えることによって〕、分離、および標準的な最終処理によ
っても遊離させることができる。CBAはさらに、従来の方法(例えば、適切な溶媒
からの再結晶、蒸留、またはクロマトグラフィー)を使用して、あるいは当業者
によく知られている方法に従って適切な塩(例えば、アルカンスルホン酸塩や水
和物)にすることによって精製することもできる。
せる必要なく次の反応に使用して他の化合物を形成させることができる。 前記の選択的結晶化法を使用して、本発明の塩を種々の化学量論比にて得るこ
とができるけれども、アルカンスルホン酸塩対シアノベンジルアミンの好ましい
比は1.0:0.9〜1.0:1.1(好ましくは1.0:0.95〜1.0:1.05)の範囲である。
することが明らかになった。挙げることのできる利点としては化学的安定性があ
る。発明者らはさらに、本発明の塩を、本発明の塩の高濃度溶液から、他の塩(
例えば塩酸塩)の場合より高収率且つ高純度で結晶化できることを見出した。
級アルコール、アセテート、およびケトン)に対する溶解性が高いこと、ならび
にこうした塩の形成においてガス状HClを使用することに関連したよく知られて
いる不都合が避けられることなどがある。
と比べて、より高い収率で、より高い純度で、より短い時間で、より簡便に、そ
してより低いコストで製造できるという利点を有することがある。
ール(溶媒として)の存在下で水素化反応を行う場合、対応するジシアノベンゼン
(例えば1,4-ジシアノベンゼン)の選択的水素化の後に簡便な仕方にて本発明の塩
を製造できることを見出した。これは有利なことである。
ノールやブタノール、特にイソプロパノール)の存在下で行われるジシアノベン
ゼンの選択的水素化を含むCBAの製造法が提供される。
は、標準的な条件下〔例えば0℃〜70℃(特に20℃〜60℃、特に25℃〜55℃)の温
度、約3気圧〜約7気圧の水素圧力、および標準的な活性炭担持水素化触媒(例え
ばパラジウムや白金)の存在〕で行うことができる。
出発物質(反応混合物中に一部しか溶解していなくてもよい)を再循環できるとい
う利点を有することが見出された。さらに、このようにして形成されるCBAは、
本明細書に記載の選択的結晶化によって引き続き低級アルカンスルホン酸塩に容
易に転化させることができる。したがって、CBAの低級アルカンスルホン酸塩は
さらに、本明細書に記載の選択的水素化によって、次いで本明細書に記載の選択
的結晶化によって(すなわち、結晶化の前にCBAを単離する必要がない)その場で
容易に形成できるという利点を有する。
、また収率を高めるために、反応混合物を室温もしくはそれより高い温度で濾過
することができ、および/または反応溶媒の一部を蒸発によって除去することが
できる。水素化反応の副生物は、低級アルカンスルホン酸を予備的に加え(preli
minary addition)(副生物を除去するために加えなければならない酸の量は、例
えば後述のように決定される)、次いで濾過または遠心分離を行うことによって
除去することもできる。溶液中に残留しているCBAの選択的結晶化は、低級アル
カンスルホン酸を加えることによって本明細書に記載のように行うことができる
。
ペプチドをベースとする化合物〔それ自体、種々の用途(例えば薬学的に有用な
物質として)を有してもよい〕を形成するためのペプチドカップリング反応に使
用することができる。さらに、CBAのシアノ基は、当業者によく知られている方
法を使用してアミジノ基(-C(NH)NH2)またはヒドロキシアミジノ基(-C(NOH)NH2)
に転化することができる。こうした転化をペプチドカップリング反応の前または
後で行って、p-アミジノベンジルアミン(-Pab-H)部分またはp-ヒドロキシアミジ
ノベンジルアミン(-Pab-OH)部分を含んだペプチドベースの化合物を得ることが
できる。
限定されることはない。 反応中に消費されるH2ガスの量を調べることによって、および/または標準的
なクロマトグラフィー法によって水素化反応の進行をモニターした。反応混合物
中のCBAの純度はGCまたはLCによって調べた。本発明の塩の純度は、標準的なカ
ラムクロマトグラフィー法(例えばHPLC)によって調べた。
%Pd/1,4-ジシアノベンゼン)を50℃にてイソプロパノール(30ml)中に懸濁した。
水素を6気圧の圧力で連続的に加えた。所望の転化率が得られた(2.5時間)後、水
素を窒素で置き換え、固体物質(Pd/Cと未反応の1,4-ジシアノベンゼン)を濾過し
て除去した。この透明溶液にメタンスルホン酸(1.5g; 15.6ミリモル)を加えた。
生成した結晶を遠心分離し、少量のイソプロパノールで洗浄し、そして乾燥して
、2.77g(79%)の4-シアノベンジルアンモニウムメタンスルホネートを91.2ae%のH
PLC純度にて得た。1 H-NMR(DMSO-d6): δ2.35(3H, s), 4.16(2H, s), 7.67(2H, d), 7.93(2H, d), 8
.29(3H, s)13 C-NMR(DMSO-d6): δ39.20, 42.70, 111.45, 117.70, 127.37, 132.30, 142.20 実施例2 粗製4-シアノベンジルアンモニウムメタンスルホネートの製造(大スケール) 1,4-ジシアノベンゼン(15.0kg; 115モル)と活性炭担持パラジウム(0.8モル%Pd
/1,4-ジシアノベンゼン)を30℃にてイソプロパノール(285リットル)中に懸濁し
た。水素を6気圧の圧力で連続的に加えた。所望の転化率が得られた(2.3時間)後
、水素を窒素で置き換え、温度を20℃に下げ、固体物質(Pd/Cと未反応の1,4-ジ
シアノベンゼン)を濾過して除去した。透明反応混合物の体積を減圧にて1/3に減
少させた。
た。測定量の1,4-ジ(アミノメチル)ベンゼンを考慮して2モル当量のメタンスル
ホン酸を20℃にて加えた。生成した1,4-ジ(アンモニウムメチル)ベンゼンビスメ
タンスルホネートを含むスラリーを濾別した。
分離し、少量のイソプロパノール(29リットル)で洗浄し、そして減圧にて約50℃
で乾燥して、16.0kg(61%)の4-シアノベンジルアンモニウムメタンスルホネート
を96.2ae%のHPLC純度にて得た。
ンスルホネートは、多量のダイマー類縁体を含有していることがわかった。下記
の手順にて精製した。
スルホネートを水(680ml)とトルエン(450ml)中に溶解した。ダイマー類縁体が有
機相中に抽出されるまで、この二相系に水酸化ナトリウム水溶液を加えた。二相
の分離を起こさせ、酢酸エチル(680ml)を加え、次いでpH値が11になるまで水酸
化ナトリウム水溶液を加えた。有機相を採取し、減圧にて溶媒を蒸発除去した。
得られた有機物質を周囲温度にてイソプロパノール(500ml)中に溶解した。次い
でメタンスルホン酸(48.4ml)を加えた。直ちにスラリーが形成され、結晶を濾別
採取し、65℃にて乾燥して107gの4-シアノベンジルアンモニウムメタンスルホネ
ートを得た。これを実施例5に記載のように再結晶して、89g(57%)の4-シアノベ
ンジルアンモニウムメタンスルホネートを96.1ae%のHPLC純度にて得た。
度96.5ae%; 実施例2に記載の手順に従って製造)を加熱還流しつつエタノール(86
リットル)中に溶解した。本溶液を約20℃に徐々に冷却した。生成した結晶を遠
心分離し、少量のエタノール(10リットル)で洗浄し、そして乾燥して20.4kg(85%
)の4-シアノベンジルアンモニウムメタンスルホネートを99.5ae%より高いHPLC純
度にて得た。
含有していることがわかっている粗製4-シアノベンジルアンモニウムメタンスル
ホネート(29.35g; 129ミリモル; 実施例1に記載の手順に従って製造)を加熱還流
しつつエタノール(150ml)中に溶解した。得られたスラリーを還流温度で濾過し
て、1,4-ジ(アンモニウムメチル)ベンゼンビスメタンスルホネートを除去した。
母液を約20℃に徐々に冷却した。生成した結晶を濾過し、少量のエタノールで洗
浄し、そして乾燥して26.1g(89%)の4-シアノベンジルアンモニウムメタンスルホ
ネートを96.0ae%の純度にて得た。
純物を含有している粗製4-シアノベンジルアンモニウムメタンスルホネート(5.0
g; 22ミリモル)を加熱還流しつつイソプロパノール(225ml)中に溶解した。得ら
れたスラリーを還流温度で濾過して1,4-ジ(アンモニウムメチル)ベンゼンビスメ
タンスルホネート不純物を除去し、母液を約20℃に徐々に冷却した。生成した結
晶を濾過し、少量のイソプロパノールで洗浄し、そして乾燥して3.26g(65%)の4-
シアノベンジルアンモニウムメタンスルホネートを96.3ae%の純度にて得た。
Claims (16)
- 【請求項1】 シアノベンジルアミンの低級アルカンスルホン酸塩。
- 【請求項2】 前記アルカンスルホン酸塩がC1-6アルカンスルホン酸塩であ
る、請求項1記載の塩。 - 【請求項3】 前記アルカンスルホン酸塩がC1-3アルカンスルホン酸塩であ
る、請求項2記載の塩。 - 【請求項4】 前記アルカンスルホン酸塩がエタンスルホン酸塩またはメタ
ンスルホン酸塩である、請求項3記載の塩。 - 【請求項5】 前記シアノベンジルアミンが、ハロ、1つ以上のハロ基で置
換されていてもよい低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、-O(CH2)pC(O)
N(Ra)(Rb)(式中、pは0、1、2、3、または4であり、RaとRbは独立的に、H、低級
アルキル、または低級シクロアルキルを示す)、N(Rc)Rd〔式中、RcとRdは独立的
に、H、低級アルキル、またはC(O)Re(式中、ReはHまたは低級アルキルを示す)を
示す〕、またはSRf(式中、RfはHまたは低級アルキルを示す)から選ばれる1つ以
上の置換基で置換されていてもよい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塩。 - 【請求項6】 前記シアノベンジルアミンが4-シアノベンジルアミンである
、請求項1〜5のいずれか一項に記載の塩。 - 【請求項7】 前記4-シアノベンジルアミンが非置換の4-シアノベンジルア
ミンである、請求項6記載の塩。 - 【請求項8】 アルカンスルホン酸塩対シアノベンジルアミンの化学量論比
が1.0:0.9〜1.0:1.1である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の塩。 - 【請求項9】 前記化学量論比が1.0:0.95〜1.0:1.05である、請求項8記載
の塩。 - 【請求項10】 シアノベンジルアミンを低級アルカンスルホン酸で選択的
に結晶化する工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の塩の製造法。 - 【請求項11】 塩の結晶化がなされる際の溶媒が低級アルキルアルコール
である、請求項10記載の製造法。 - 【請求項12】 前記溶媒がイソプロパノールである、請求項11記載の製造
法。 - 【請求項13】 C3-5アルキルアルコールの存在下でジシアノベンゼンを選
択的に水素化する工程を含むCBAの製造法。 - 【請求項14】 前記アルコールがイソプロパノールである、請求項13記載
の製造法。 - 【請求項15】 請求項13または14に従って水素化する工程、次いで請求項
10〜12のいずれか一項に従って結晶化する工程を含む、請求項1〜9のいずれか一
項に記載の塩の製造法。 - 【請求項16】 水素化工程後で結晶化工程の前に、(i)反応混合物を濾過
する; (ii)反応溶媒の一部を蒸発除去する; および/または(iii)低級アルカンス
ルホン酸を予備的に加え、次いで濾過もしくは遠心分離する; というさらなる工
程を行うことを含む、請求項15記載の製造法。
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