JP3489689B2 - 1−アリールピラゾリジン−3−チオン誘導体の製造方法 - Google Patents
1−アリールピラゾリジン−3−チオン誘導体の製造方法Info
- Publication number
- JP3489689B2 JP3489689B2 JP30379493A JP30379493A JP3489689B2 JP 3489689 B2 JP3489689 B2 JP 3489689B2 JP 30379493 A JP30379493 A JP 30379493A JP 30379493 A JP30379493 A JP 30379493A JP 3489689 B2 JP3489689 B2 JP 3489689B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- derivative
- phenyl
- benzene
- nch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な1−アリールピラ
ゾリジン−3−チオン誘導体の製造方法に関するもので
あり、これらは還元剤として有用であり、銀塩写真感光
材料における還元剤、電子伝達剤として用いられる。
【0002】 【従来の技術】1−アリールピラゾリジン−3−オン誘
導体は、酸化還元反応におけるその興味ある性質から、
還元剤、電子伝達剤として有用である。T.H.Jam
es編のThe Teory of The Poto
graphic Process(The Macmi
llann Publishing Co.Inc.)
第4版の第322ペ−ジには、1−フェニルピラゾリジ
ン−3−オン誘導体がモノクロ銀塩写真感光材料の現像
に超加成性を与えるために重要である事が記載されてい
る。さらに、この化合物は米国特許第4,310,61
2号、米国特許第4,463,081号等には銀塩写真
感光材料の経時保存安定性のために、米国特許第4,4
09,324号、米国特許第4,456,682号等に
は銀塩写真感光材料の現像促進剤として感材中に添加さ
れる事が報告されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1−ア
リールピラゾリジン−3−オン誘導体を単独で還元剤と
して用いた場合、銀イオンの還元力が弱く、ハイドロキ
ノンと併用したPQ現像液として用いられるのが普通で
ある。本発明の第一の目的は、単独でも優秀な現像主薬
となる、アリールピラゾリジン誘導体を提供する事であ
る。また、1−フェニルピラゾリジン−3−オン誘導体
のチオアナログに当たる、1−フェニルピラゾリジン−
3−チオン誘導体は、オキソ誘導体と同様の性質を期待
できるにも拘らず、合成が困難なためか、未知であっ
た。本発明の第二の目的は、1−フェニルピラゾリジン
−3−チオン誘導体を新規に合成する方法を提供する事
である。 【0004】 【課題を達成するための手段】有機化合物中のカルボニ
ル基をチオカルボニル基に変換する試薬としては、硫化
水素、五硫化リン等があるが、一般に収率は低い。本発
明者らは、これらの試薬を使って1−アリールピラゾリ
ジン−3−オン誘導体をそのチオアナログに転換する事
を試みたが、低収率のため単離には至らなかった。しか
しながら、この反応に2,4−ビス(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ジチア−2,4−ジフォスフェタン−
2,4−ジスルフィド:(所謂、ローソン試薬)を用い
る事により、下記の化2で示される4,4−ジ置換−1
−アリールピラゾリジン−3−チオン誘導体を収率良く
合成できる事を見い出した。また、本発明者等は、鋭意
研究を重ねた結果、1−フェニルピラゾリジン−3−チ
オン誘導体が本発明の目的を効果的に達成する事を見出
だした。 【0005】 【化2】 【0006】(式中、Arはアリール基であり、R1 と
R2 は、アルキル基、アラルキル基であり、また、R1
とR2 とは連結して環を形成しても良い。) 【0007】下記の化3で示される、1−アリールピラ
ゾリジン−3−オン誘導体をベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族化合物を溶媒としてロ−ソン試薬と反応
させ、1−アリールピラゾリジン−3−チオン誘導体を
容易に合成できる。原料となる1−アリールピラゾリジ
ン−3−オン誘導体は、たとえば米国特許第1,15
7,617号、米国特許第4,471,046号等の方
法で合成できる。 【0008】 【化3】 【0009】(式中、Arはアリール基であり、R1 と
R2 は、アルキル基、アラルキル基であり、また、R1
とR2 とは連結して環を形成しても良い。) 【0010】この反応において、R1 とR2 が両方とも
水素原子、あるいはR1 とR2 のうち一方が水素原子の
場合には、原因は不明であるがチオン化合物は単離でき
なかった。R1 とR2 は、それぞれがメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロヘキシル
基の様なアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル基等
のアラルキル基であり、R1 とR2 とで連結してスピロ
構造をとっても良い。Arはアリール基であるが、具体
的にはフェニル基、アルキル基あるいはアルコキシ基を
置換基として有するフェニル基である。なかでも特に、
無置換のフェニル基、メチル基あるいはメトキシ基を置
換基として有するフェニル基が水に対する溶解性が高い
点から好ましい。反応に用いるロ−ソン試薬の量は、原
料のピラゾリジンー3−オン誘導体に対してモル比で
0.5:1〜10:1が好ましいが、反応収率の上か
ら、モル比で0.5:1〜3:1が特に好ましい。又、
反応温度は室温から使用する溶媒の沸点までである。以
下に本発明の化合物の合成の具体例を示す。 【0011】 【化4】 【0012】 【化5】 【0013】 【化6】 【0014】 【化7】 【0015】 【化8】 【0016】 【化9】 【0017】 【化10】 【0018】 【化11】 【0019】 【化12】 【0020】 【化13】 【0021】 【化14】 【0022】 【化15】 【0023】 【化16】 【0024】 【化17】 【0025】 【実施例】以下に実施例を用いて、詳細な反応条件を記
載する。 【0026】実施例1 1−フェニル−4,4−ジメチルピラゾリジン−3−チ
オン(化4)の合成 1−フェニル−4,4−ジメチルピラゾリジン−3−オ
ン20gとローソン試薬21gをベンゼン600ml中で
30分間加熱還流した。ベンゼンを減圧留去し、残渣を
ベンゼンを展開溶剤としてシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで分離精製する。ベンゼンを減圧留去し、残っ
た固体を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒から再結
晶する。淡黄色の析出結晶を、n−ヘキサンで洗浄して
乾燥する。収量 6.2g (収率 29%) 【0027】1H−NMR(CDClxC):δ(ppm )
7.3(2H,m,Ph) 7.0(3H,m,Ph)3.67(2H,s,NCH
2 ) 1.29(6H,s,CH3 ) 【0028】13C−NMR(CDCl):δ(ppm ),
193.2(C=S) 148.4(Ph),129.4(Ph),122.2
(Ph) 115.3(Ph),65.9(NCH2 ),50.5
(四級−C) 25.7(CH3 ) 【0029】実施例2 1−フェニル−4−エチル−4−メチルピラゾリジン−
3−オンの合成 1−フェニル−4−メチルピラゾリジンー3−オン15
gをトルエン270mlとTHF10mlの混合溶媒に懸濁
し、更に、t−ブチル−ジメチルシリルクロリド13
g、トリエチルアミン12ml、ジメチルアミノピリジン
0.05g、DBU0.05mlを加えて3時間加熱還流
した。反応液を室温に冷却し、不溶物を濾別し、濾液を
減圧留去して粗製の1−フェニル−3−(t−ブチルジ
メチルシリルオキシ)−4−メチルピラゾリン24.5
gを淡黄色オイルとして得た。1−フェニル−3−(t
−ブチルジメチルシリルオキシ)−メチルピラゾリン2
0gを乾燥THF200mlに溶解し、ドライアイス/ア
セトンで反応液を−78℃に冷却する。n−ブチルリチ
ウムの15%ヘキサン溶液45mlを加えて5分間撹拌
後、エチルブロミド5.2mlを加えて30分間撹拌した
後、反応液を室温に戻して30分間撹拌した。2M塩酸
20mlを加え、THFを減圧留去後、残渣に水50mlを
加えて酢酸エチル50mlで3回抽出する。抽出液を無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、酢酸エチルを減圧留去する。
得られた固体を酢酸エチル/n−ヘキサン=250ml/
250mlより再結晶して1−フェニル−4−エチル−4
−メチルピラゾリジン−3−オン10.3gを白色結晶
として得た。収率73% 融点:148〜149℃(分
解) 【0030】1H−NMR(DMSO−d6 ):δ(ppm
) 10.2(1H,br.s,NH),7.26(2H,
m,Ph) 6.9(3H,m,Ph),3.74(1H,ABq,
J=11Hz,NCH2 ) 3.59(1H,ABq,J=11Hz,NCH2 ) 1.39(2H,q,J=7.5Hz,CH2 (E
t)) 1.00(3H,s,CH3 ) 0.79(3H,t,J=7.5Hz,CH3 (E
t)) 【0031】13C−NMR(DMSO−d6 ):δ(pp
m ),177.0(C=O) 151.7(Ph),128.8(Ph),120.3
(Ph) 114.5(Ph),63.0(NCH2 ),43.9
(四級−C) 28.4(CH2 (Et)),20.6(CH3 ) 8.4(CH3 (Et)) 【0032】1−フェニル−4−エチル−4−メチルピ
ラゾリジン−3−チオン(化7)の合成 1−フェニル−4−エチル−4−メチルピラゾリジン−
3−オン20gとローソン試薬19.8gをベンゼン3
00ml中で30分間加熱還流した。ベンゼンを減圧留去
し、残渣をベンゼンを展開溶剤としてシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで分離精製する。ベンゼンを減圧留
去し、残った固体を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶
媒から再結晶する。淡黄色の析出結晶を、n−ヘキサン
で洗浄後、シクロヘキサンより再結晶する。 収量
7.0g(収率 33%) 【0033】1H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm )
7.30(2H,m,Ph) 6.99(3H,m,Ph) 3.75(1H,d,J=9.9Hz,NCH2 ) 3.57(1H,d,J=9.9Hz,NCH2 ) 1.63(2H,q,J=7.4Hz CH2 ) 1.28(3H,s,CH3 ) 0.92(3H,t,J=7.4Hz,CH3 ) 【0034】13C−NMR(CDCl):δ(ppm ),
182(C=S) 148.1(Ph),129.3(Ph),121.6
(Ph) 114.8(Ph),62.3(NCH2 ),54.3
(四級−C) 31.0(CH2 ),24.0(CH3 ),8.8(C
H3 ) 【0035】実施例3 1−フェニル−4,4−テトラメチレンピラゾリジン−
3−オンの合成 1−フェニル−3−(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−ピラゾリン21gを乾燥THF200mlに溶解
し、ドライアイス/アセトンで反応液を−78℃に冷却
する。n−ブチルリチウムの15%ヘキサン溶液92ml
を加えて5分間撹拌後、1−ブロム−4−クロロブタン
9mlを加えて20分間撹拌した後、反応液を室温に戻し
て30分間撹拌する。2M塩酸40mlを加えた後、TH
Fを減圧留去し、残渣に水50mlを加えてジクロメタン
タン50mlで3回抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去する。得られた
固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル/ベンゼン=1/3で展開)で分離精製する。さら
に、アセトニトリル100mlより再結晶して1−フェ
ニル−4,4−テトラメチレンピラゾリジン−3−オン
7.1gを白色結晶として得た。収率43% 融点:1
33〜134℃(分解) 【0036】1H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm )
7.8(1H,br.s,NH) 7.3(2H,m,Ph),7.0(3H,m,Ph) 3.81(2H,s,NCH2 ),1.96(2H,
m,CH2 ) 1.73(2H,m,CH2 ),1.5(4H,m,C
H2 ) 【0037】13C−NMR(CDCl):δ(ppm ),
180.2(C=O) 152.0(Ph),129.2(Ph),122.0
(Ph) 115.8(Ph),68.4(NCH2 ),50.5
(四級−C) 35.7(CH2 ),25.8(CH2 ) 【0038】1−フェニル−4,4−テトラメチレンピ
ラゾリジン−3−チオン(化13)の合成 1−フェニル−4,4−テトラメチレンピラゾリジン−
3−オン13gとロ−ソン試薬12.2gをベンゼン2
00ml中で30分間加熱還流した。ベンゼンを減圧留去
し、残渣をベンゼンを展開溶剤としてシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで分離精製する。ベンゼンを減圧留
去し、残った赤色のガム状固体にn−ヘキサンを加えて
結晶化させる。この結晶を、シクロヘキサンと、n−ヘ
キサンの混合溶媒から再結晶して目的化合物を淡黄色結
晶として得た。収量 4.1g (収率 30%) 【0039】1H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm )
7.3(3H,m,Ph) 7.0(2H,m,Ph)3.71(2H,s,NCH
2 ) 2.1(2H,m,CH2 )1.8(2H,m,C
H2 ) 1.6(4H,m,CH2 ) 【0040】13C−NMR(CDCl):δ(ppm ),
192.7(C=S) 149.0(Ph),129.4(Ph),122.6
(Ph) 115.9(Ph),66.9(NCH2 ),66.7
(四級−C)、38.2(CH2 ),25.7(C
H2 ) 【0041】実施例4 1−フェニル−4−メチル−4−フェニルメチルピラゾ
リジン−3−チオン(化11)の合成 1−フェニル−4−メチル−4−フェニルメチルピラゾ
リジン−3−オン9.6gとローソン試薬7.2gをベ
ンゼン150ml中で30分間加熱還流した。ベンゼンを
減圧留去し、残渣をベンゼンを展開溶剤としてシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで分離精製する。ベンゼン
を減圧留去し、残った固体をシクロヘキサンから再結晶
する。淡黄色の析出結晶を、シクロヘキサンで洗浄して
乾燥する。 収量 1.7g
(収率 17%) 【0042】1H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm )
7.3(5H,m,Ph) 7.1(2H,m,Ph)7.0(3H,m,Ph) 3.89(1H,d,J=10Hz,NCH2 ) 3.41(1H,d,J=10Hz,NCH2 ) 2.91(2H,s,CH2 −Ph)1.28(3H,
s,CH3 ) 【0043】13C−NMR(CDCl):δ(ppm ),
189.8(C=S) 148.2(Ph),136.1(Ph),130.3
(Ph) 129.4(Ph),128.3(Ph),126.9
(Ph) 122.2(Ph),115.3(Ph),62.5
(NCH2 ) 54.9(四級−C),43.5(CH2 −Ph),2
3.7(CH3 ) 【0044】表1に本発明の誘導体の収率と融点を示
す。 【0045】 【表1】 【0046】 【発明の効果】本発明のアリールピラゾリジン−3−チ
オン誘導体は容易に合成でき、新規で且つ有用な銀塩写
真感光材料用化合物である。
ゾリジン−3−チオン誘導体の製造方法に関するもので
あり、これらは還元剤として有用であり、銀塩写真感光
材料における還元剤、電子伝達剤として用いられる。
【0002】 【従来の技術】1−アリールピラゾリジン−3−オン誘
導体は、酸化還元反応におけるその興味ある性質から、
還元剤、電子伝達剤として有用である。T.H.Jam
es編のThe Teory of The Poto
graphic Process(The Macmi
llann Publishing Co.Inc.)
第4版の第322ペ−ジには、1−フェニルピラゾリジ
ン−3−オン誘導体がモノクロ銀塩写真感光材料の現像
に超加成性を与えるために重要である事が記載されてい
る。さらに、この化合物は米国特許第4,310,61
2号、米国特許第4,463,081号等には銀塩写真
感光材料の経時保存安定性のために、米国特許第4,4
09,324号、米国特許第4,456,682号等に
は銀塩写真感光材料の現像促進剤として感材中に添加さ
れる事が報告されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1−ア
リールピラゾリジン−3−オン誘導体を単独で還元剤と
して用いた場合、銀イオンの還元力が弱く、ハイドロキ
ノンと併用したPQ現像液として用いられるのが普通で
ある。本発明の第一の目的は、単独でも優秀な現像主薬
となる、アリールピラゾリジン誘導体を提供する事であ
る。また、1−フェニルピラゾリジン−3−オン誘導体
のチオアナログに当たる、1−フェニルピラゾリジン−
3−チオン誘導体は、オキソ誘導体と同様の性質を期待
できるにも拘らず、合成が困難なためか、未知であっ
た。本発明の第二の目的は、1−フェニルピラゾリジン
−3−チオン誘導体を新規に合成する方法を提供する事
である。 【0004】 【課題を達成するための手段】有機化合物中のカルボニ
ル基をチオカルボニル基に変換する試薬としては、硫化
水素、五硫化リン等があるが、一般に収率は低い。本発
明者らは、これらの試薬を使って1−アリールピラゾリ
ジン−3−オン誘導体をそのチオアナログに転換する事
を試みたが、低収率のため単離には至らなかった。しか
しながら、この反応に2,4−ビス(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ジチア−2,4−ジフォスフェタン−
2,4−ジスルフィド:(所謂、ローソン試薬)を用い
る事により、下記の化2で示される4,4−ジ置換−1
−アリールピラゾリジン−3−チオン誘導体を収率良く
合成できる事を見い出した。また、本発明者等は、鋭意
研究を重ねた結果、1−フェニルピラゾリジン−3−チ
オン誘導体が本発明の目的を効果的に達成する事を見出
だした。 【0005】 【化2】 【0006】(式中、Arはアリール基であり、R1 と
R2 は、アルキル基、アラルキル基であり、また、R1
とR2 とは連結して環を形成しても良い。) 【0007】下記の化3で示される、1−アリールピラ
ゾリジン−3−オン誘導体をベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族化合物を溶媒としてロ−ソン試薬と反応
させ、1−アリールピラゾリジン−3−チオン誘導体を
容易に合成できる。原料となる1−アリールピラゾリジ
ン−3−オン誘導体は、たとえば米国特許第1,15
7,617号、米国特許第4,471,046号等の方
法で合成できる。 【0008】 【化3】 【0009】(式中、Arはアリール基であり、R1 と
R2 は、アルキル基、アラルキル基であり、また、R1
とR2 とは連結して環を形成しても良い。) 【0010】この反応において、R1 とR2 が両方とも
水素原子、あるいはR1 とR2 のうち一方が水素原子の
場合には、原因は不明であるがチオン化合物は単離でき
なかった。R1 とR2 は、それぞれがメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロヘキシル
基の様なアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル基等
のアラルキル基であり、R1 とR2 とで連結してスピロ
構造をとっても良い。Arはアリール基であるが、具体
的にはフェニル基、アルキル基あるいはアルコキシ基を
置換基として有するフェニル基である。なかでも特に、
無置換のフェニル基、メチル基あるいはメトキシ基を置
換基として有するフェニル基が水に対する溶解性が高い
点から好ましい。反応に用いるロ−ソン試薬の量は、原
料のピラゾリジンー3−オン誘導体に対してモル比で
0.5:1〜10:1が好ましいが、反応収率の上か
ら、モル比で0.5:1〜3:1が特に好ましい。又、
反応温度は室温から使用する溶媒の沸点までである。以
下に本発明の化合物の合成の具体例を示す。 【0011】 【化4】 【0012】 【化5】 【0013】 【化6】 【0014】 【化7】 【0015】 【化8】 【0016】 【化9】 【0017】 【化10】 【0018】 【化11】 【0019】 【化12】 【0020】 【化13】 【0021】 【化14】 【0022】 【化15】 【0023】 【化16】 【0024】 【化17】 【0025】 【実施例】以下に実施例を用いて、詳細な反応条件を記
載する。 【0026】実施例1 1−フェニル−4,4−ジメチルピラゾリジン−3−チ
オン(化4)の合成 1−フェニル−4,4−ジメチルピラゾリジン−3−オ
ン20gとローソン試薬21gをベンゼン600ml中で
30分間加熱還流した。ベンゼンを減圧留去し、残渣を
ベンゼンを展開溶剤としてシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで分離精製する。ベンゼンを減圧留去し、残っ
た固体を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒から再結
晶する。淡黄色の析出結晶を、n−ヘキサンで洗浄して
乾燥する。収量 6.2g (収率 29%) 【0027】1H−NMR(CDClxC):δ(ppm )
7.3(2H,m,Ph) 7.0(3H,m,Ph)3.67(2H,s,NCH
2 ) 1.29(6H,s,CH3 ) 【0028】13C−NMR(CDCl):δ(ppm ),
193.2(C=S) 148.4(Ph),129.4(Ph),122.2
(Ph) 115.3(Ph),65.9(NCH2 ),50.5
(四級−C) 25.7(CH3 ) 【0029】実施例2 1−フェニル−4−エチル−4−メチルピラゾリジン−
3−オンの合成 1−フェニル−4−メチルピラゾリジンー3−オン15
gをトルエン270mlとTHF10mlの混合溶媒に懸濁
し、更に、t−ブチル−ジメチルシリルクロリド13
g、トリエチルアミン12ml、ジメチルアミノピリジン
0.05g、DBU0.05mlを加えて3時間加熱還流
した。反応液を室温に冷却し、不溶物を濾別し、濾液を
減圧留去して粗製の1−フェニル−3−(t−ブチルジ
メチルシリルオキシ)−4−メチルピラゾリン24.5
gを淡黄色オイルとして得た。1−フェニル−3−(t
−ブチルジメチルシリルオキシ)−メチルピラゾリン2
0gを乾燥THF200mlに溶解し、ドライアイス/ア
セトンで反応液を−78℃に冷却する。n−ブチルリチ
ウムの15%ヘキサン溶液45mlを加えて5分間撹拌
後、エチルブロミド5.2mlを加えて30分間撹拌した
後、反応液を室温に戻して30分間撹拌した。2M塩酸
20mlを加え、THFを減圧留去後、残渣に水50mlを
加えて酢酸エチル50mlで3回抽出する。抽出液を無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、酢酸エチルを減圧留去する。
得られた固体を酢酸エチル/n−ヘキサン=250ml/
250mlより再結晶して1−フェニル−4−エチル−4
−メチルピラゾリジン−3−オン10.3gを白色結晶
として得た。収率73% 融点:148〜149℃(分
解) 【0030】1H−NMR(DMSO−d6 ):δ(ppm
) 10.2(1H,br.s,NH),7.26(2H,
m,Ph) 6.9(3H,m,Ph),3.74(1H,ABq,
J=11Hz,NCH2 ) 3.59(1H,ABq,J=11Hz,NCH2 ) 1.39(2H,q,J=7.5Hz,CH2 (E
t)) 1.00(3H,s,CH3 ) 0.79(3H,t,J=7.5Hz,CH3 (E
t)) 【0031】13C−NMR(DMSO−d6 ):δ(pp
m ),177.0(C=O) 151.7(Ph),128.8(Ph),120.3
(Ph) 114.5(Ph),63.0(NCH2 ),43.9
(四級−C) 28.4(CH2 (Et)),20.6(CH3 ) 8.4(CH3 (Et)) 【0032】1−フェニル−4−エチル−4−メチルピ
ラゾリジン−3−チオン(化7)の合成 1−フェニル−4−エチル−4−メチルピラゾリジン−
3−オン20gとローソン試薬19.8gをベンゼン3
00ml中で30分間加熱還流した。ベンゼンを減圧留去
し、残渣をベンゼンを展開溶剤としてシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで分離精製する。ベンゼンを減圧留
去し、残った固体を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶
媒から再結晶する。淡黄色の析出結晶を、n−ヘキサン
で洗浄後、シクロヘキサンより再結晶する。 収量
7.0g(収率 33%) 【0033】1H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm )
7.30(2H,m,Ph) 6.99(3H,m,Ph) 3.75(1H,d,J=9.9Hz,NCH2 ) 3.57(1H,d,J=9.9Hz,NCH2 ) 1.63(2H,q,J=7.4Hz CH2 ) 1.28(3H,s,CH3 ) 0.92(3H,t,J=7.4Hz,CH3 ) 【0034】13C−NMR(CDCl):δ(ppm ),
182(C=S) 148.1(Ph),129.3(Ph),121.6
(Ph) 114.8(Ph),62.3(NCH2 ),54.3
(四級−C) 31.0(CH2 ),24.0(CH3 ),8.8(C
H3 ) 【0035】実施例3 1−フェニル−4,4−テトラメチレンピラゾリジン−
3−オンの合成 1−フェニル−3−(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−ピラゾリン21gを乾燥THF200mlに溶解
し、ドライアイス/アセトンで反応液を−78℃に冷却
する。n−ブチルリチウムの15%ヘキサン溶液92ml
を加えて5分間撹拌後、1−ブロム−4−クロロブタン
9mlを加えて20分間撹拌した後、反応液を室温に戻し
て30分間撹拌する。2M塩酸40mlを加えた後、TH
Fを減圧留去し、残渣に水50mlを加えてジクロメタン
タン50mlで3回抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去する。得られた
固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル/ベンゼン=1/3で展開)で分離精製する。さら
に、アセトニトリル100mlより再結晶して1−フェ
ニル−4,4−テトラメチレンピラゾリジン−3−オン
7.1gを白色結晶として得た。収率43% 融点:1
33〜134℃(分解) 【0036】1H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm )
7.8(1H,br.s,NH) 7.3(2H,m,Ph),7.0(3H,m,Ph) 3.81(2H,s,NCH2 ),1.96(2H,
m,CH2 ) 1.73(2H,m,CH2 ),1.5(4H,m,C
H2 ) 【0037】13C−NMR(CDCl):δ(ppm ),
180.2(C=O) 152.0(Ph),129.2(Ph),122.0
(Ph) 115.8(Ph),68.4(NCH2 ),50.5
(四級−C) 35.7(CH2 ),25.8(CH2 ) 【0038】1−フェニル−4,4−テトラメチレンピ
ラゾリジン−3−チオン(化13)の合成 1−フェニル−4,4−テトラメチレンピラゾリジン−
3−オン13gとロ−ソン試薬12.2gをベンゼン2
00ml中で30分間加熱還流した。ベンゼンを減圧留去
し、残渣をベンゼンを展開溶剤としてシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで分離精製する。ベンゼンを減圧留
去し、残った赤色のガム状固体にn−ヘキサンを加えて
結晶化させる。この結晶を、シクロヘキサンと、n−ヘ
キサンの混合溶媒から再結晶して目的化合物を淡黄色結
晶として得た。収量 4.1g (収率 30%) 【0039】1H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm )
7.3(3H,m,Ph) 7.0(2H,m,Ph)3.71(2H,s,NCH
2 ) 2.1(2H,m,CH2 )1.8(2H,m,C
H2 ) 1.6(4H,m,CH2 ) 【0040】13C−NMR(CDCl):δ(ppm ),
192.7(C=S) 149.0(Ph),129.4(Ph),122.6
(Ph) 115.9(Ph),66.9(NCH2 ),66.7
(四級−C)、38.2(CH2 ),25.7(C
H2 ) 【0041】実施例4 1−フェニル−4−メチル−4−フェニルメチルピラゾ
リジン−3−チオン(化11)の合成 1−フェニル−4−メチル−4−フェニルメチルピラゾ
リジン−3−オン9.6gとローソン試薬7.2gをベ
ンゼン150ml中で30分間加熱還流した。ベンゼンを
減圧留去し、残渣をベンゼンを展開溶剤としてシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで分離精製する。ベンゼン
を減圧留去し、残った固体をシクロヘキサンから再結晶
する。淡黄色の析出結晶を、シクロヘキサンで洗浄して
乾燥する。 収量 1.7g
(収率 17%) 【0042】1H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm )
7.3(5H,m,Ph) 7.1(2H,m,Ph)7.0(3H,m,Ph) 3.89(1H,d,J=10Hz,NCH2 ) 3.41(1H,d,J=10Hz,NCH2 ) 2.91(2H,s,CH2 −Ph)1.28(3H,
s,CH3 ) 【0043】13C−NMR(CDCl):δ(ppm ),
189.8(C=S) 148.2(Ph),136.1(Ph),130.3
(Ph) 129.4(Ph),128.3(Ph),126.9
(Ph) 122.2(Ph),115.3(Ph),62.5
(NCH2 ) 54.9(四級−C),43.5(CH2 −Ph),2
3.7(CH3 ) 【0044】表1に本発明の誘導体の収率と融点を示
す。 【0045】 【表1】 【0046】 【発明の効果】本発明のアリールピラゾリジン−3−チ
オン誘導体は容易に合成でき、新規で且つ有用な銀塩写
真感光材料用化合物である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 1−アリールピラゾリジン−3−オン誘
導体とローソン試薬とを反応させることを特徴とする下
記の化1で表される化合物の製造方法。 【化1】 (式中、Arはアリール基であり、R1とR2は、アルキ
ル基、アラルキル基であり、また、R1とR2は連結して
環を形成しても良い。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30379493A JP3489689B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 1−アリールピラゾリジン−3−チオン誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30379493A JP3489689B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 1−アリールピラゾリジン−3−チオン誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07157471A JPH07157471A (ja) | 1995-06-20 |
JP3489689B2 true JP3489689B2 (ja) | 2004-01-26 |
Family
ID=17925381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30379493A Expired - Fee Related JP3489689B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 1−アリールピラゾリジン−3−チオン誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3489689B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CZ298498B6 (cs) * | 2005-05-26 | 2007-10-17 | Universita Karlova v Praze, Farmaceutická fakultav Hradci Králové | Zpusob prípravy thiosalicylamidu, zejména thiosalicylanilidu |
JP4962174B2 (ja) | 2007-07-03 | 2012-06-27 | 富士ゼロックス株式会社 | 不可視情報用トナー、不可視情報用現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
-
1993
- 1993-12-03 JP JP30379493A patent/JP3489689B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07157471A (ja) | 1995-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005187478A (ja) | 複素環式化合物のスルフィニル化方法 | |
JPH089610B2 (ja) | 置換イソフラボン誘導体の改良された製造方法 | |
FI72719B (fi) | Syntesfoerfarande foer piroxikam samt mellanprodukt. | |
JP2000501413A (ja) | 2―クロロチアゾール化合物の製法 | |
JP3489689B2 (ja) | 1−アリールピラゾリジン−3−チオン誘導体の製造方法 | |
RU2032679C1 (ru) | Производные бензатиазинов | |
KR910008666B1 (ko) | O-아릴 n-아릴-n-치환메틸 카르바메이트 유도체 | |
EP0593332A1 (fr) | Dérivés de l'acide benzéneborinique leur préparation et leur utilisation comme intermédiaires de synthèse | |
JPS6241510B2 (ja) | ||
KR950013468B1 (ko) | p-알콕시-β-페닐아크릴산의 제조방법 | |
JPS63166867A (ja) | チオエーテル化合物類の製造方法 | |
SU253685A1 (ru) | Способ получения замещенных карбоксамидотиазолов | |
JPS63280084A (ja) | 1−アルキル−3−カルボキシ−4−シンノロン類の製造方法 | |
JP2784920B2 (ja) | 1,3−シクロヘキサンジオン誘導体 | |
JPH0459315B2 (ja) | ||
EP0094691B1 (en) | Method for preparing 8-acylthio-1,2,3,4,5,6-hexahydro-2,6-methano-3,6(e),11(a)-trimethyl-3-benzazocines | |
KR100382715B1 (ko) | 4-히드록시티오쿠마린 및 그의 질소 유사체의 제조방법 | |
JPH0314824B2 (ja) | ||
JP2003146974A (ja) | 4,5−ジ置換−1,2,3−トリアゾール及びその製造法 | |
Mortensen et al. | A Convenient Synthesis of | |
JPH0331712B2 (ja) | ||
JPH0552824B2 (ja) | ||
JP2002193968A (ja) | ピラゾロ[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール化合物、1,2,4−トリアゾロ[3,4−b]チアジアジン化合物、及びその合成法 | |
JPH0561264B2 (ja) | ||
JPH07278104A (ja) | 5−アセトキシメチルピロール−2−カルボン酸誘導体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |