JP3489511B2 - 車載電話システム及び当該システムに用いる車両側装置 - Google Patents

車載電話システム及び当該システムに用いる車両側装置

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JP3489511B2
JP3489511B2 JP32270599A JP32270599A JP3489511B2 JP 3489511 B2 JP3489511 B2 JP 3489511B2 JP 32270599 A JP32270599 A JP 32270599A JP 32270599 A JP32270599 A JP 32270599A JP 3489511 B2 JP3489511 B2 JP 3489511B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯型電話機など
を車両側装置と接続して構成される車載電話装置に関
し、特に相手方から掛かってきた電話への応答手法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、携帯電話やPHS(パーソナル・ハンディフォン・
システム)などと呼ばれ、携帯が可能であり無線通信に
よって通話が可能な携帯型電話機が知られている。これ
らの携帯型電話機は、携帯が可能であることにより基本
的にはいつでもどこでも使用できるという利点から急速
に需要が拡大している。
【0003】但し、自動車の運転中に携帯型電話機を利
用することが事故につながる点を鑑み、日本において
は、道路交通法の一部改正によって、平成11年11月
1日より走行中の使用が禁止されている。そのため、携
帯型電話機ではドライブモードなどと称されるモードが
準備されている。このドライブモードは、運転中の安全
性を重視した自動応答サービスを行うモードであり、例
えば「ただいま運転中のため電話に出られません」と
か、「ただいま運転中のため留守番電話サービスセンタ
に接続します」といったガイダンスを相手方に流すもの
である。
【0004】しかしながら、一度ドライブモードに設定
してしまうと、例えば車両が停止しており安全に相手方
からの電話に応じられる状況であっても上記自動応答が
なされてしまう。これを避けるためには、車両が停止す
る毎にドライブモードを解除し、車両が発進する前に再
度ドライブモードに設定する、といった非常に面倒な操
作をユーザに要求してしまうこととなる。
【0005】一方、携帯型電話機とは別体の、いわゆる
ハンズフリー用のマイクロフォンとスピーカを備えたキ
ットが知られている。携帯型電話機をこのハンズフリー
キットと接続すれば、携帯型電話機を手で持たずに通話
(ハンズフリー通話)ができる。そのため、上述の、携
帯型電話機を手で持って通話しながら運転する場合より
は危険性が少ないことに鑑み、携帯型電話機単体の場合
のような規制対象とはなっていない。
【0006】しかしながら、ハンズフリー通話とはい
え、相手方との通話ができるようになるには、着信時に
生じる着信音を認識し、着呼させるための動作(以下、
「着呼動作」と称す。)をしなくてはならない。着呼動
作とは、例えば着呼スイッチを押す動作や、音声認識を
採用している場合には予め規定された言葉(例えば「ハ
ーイ」など)を発することである。そのため、運転に対
する集中が弱まることとなり、高い集中が必要な走行状
況が発生している際には、不適切である。例えば(相対
的に)高速で走行している場合や(相対的に)急カーブ
の道路を走行している場合などには、運転に集中すべき
と考えられる。また、着呼のための動作だけでなく、通
話すること自体も、やはり上述した高い集中が必要な状
況では避けるべきものであると考えられる。
【0007】また、着信があった場合に、着呼動作を何
ら行うことなく自動的に着呼するようにすることも考え
られる。しかし、通話すること自体が運転に対する集中
を弱める原因であるため、やはり状況に応じては通話自
体を制限する必要があると考えられる。
【0008】なお、以上の説明では携帯型電話機につい
て述べたが、いわゆる自動車電話機であっても基本的に
は同様の問題が生じる。そこで本発明は、携帯型電話機
などを車内で使用する場合に、使用中の状況を加味した
適切な応答を行い、安全性の向上を図ることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上述した
課題を解決するためになされた請求項1に記載の車載電
話システムは、携帯型電話機あるいは自動車電話機(以
下、単に「電話機」と称す。)と、車両側装置とが接続
されて構成されており、さらにハンズフリー通話が可能
である。なお、携帯型電話機とは、いわゆる携帯電話だ
けでなくPHSでもよいし、ハンディータイプの無線装
置であってもよい。また、ハンズフリー通話とは、利用
者が電話機を手で持たずに通話できる機能である。さら
に、着信とは、外線から通話回線の接続要求がなされる
ことを言い、着呼とは、着信があった外線と通話回線を
接続することを言う。
【0010】このように、本発明の車載電話システムに
おいては、電話機を使用したハンズフリー通話が可能で
あるが、上述したように、ハンズフリー通話とはいえ、
相手方との通話ができるようになるには、着信時に生じ
る着信音を認識し、例えば着呼スイッチを押す動作や、
音声認識を採用している場合には予め規定された言葉を
発したりして「着呼動作」をしなくてはならない。その
ため、運転に対する集中が弱まることとなり、高い集中
が必要な走行状況が発生している際には、不適切であ
る。また、着呼動作を何ら行うことなく自動的に着呼す
る構成であったとしても、通話すること自体が運転に対
する集中を弱める原因であるため、やはり状況に応じて
は通話自体を制限する必要があると考えられる。
【0011】そこで本発明のシステムでは、車両側装置
が次のような動作を行う。つまり、情報取得手段が取得
した車両走行関連情報に基づき、応答可否判定手段が応
答制限の必要性の有無を判定する。携帯型電話機あるい
は自動車電話機に着信があった場合、応答可否判定手段
にて応答制限の必要性有りと判定されると、応答制御手
段は、応答制限がなされている旨を発信者側へ通知す
る。なお、車両関連情報とは、車両の走行状態や車両が
走行している環境に関する情報であり、詳しくは後述す
るが、例えば車速や旋回角度、道路幅などである。
【0012】 このようにすることで、高速走行してい
る場合や急カーブを走行している場合あるいは道幅が狭
く道路を走行している場合などのように、応答制限をし
て運転に集中させるべき状況では、着呼動作や通話自体
を利用者にさせないようにすることができる。そして、
そのような事態が生じていることは相手側にも通知され
るので利用者が応答しない原因が判って好ましい。以上
の説明は、着信があった際の着呼動作やその後の通話を
制限するための工夫であった。しかし、着信時には応答
制限する必要はなかったが、その後の通話中にその通話
を続行することが好ましくない状況が発生することも考
えられる。そこで、本発明の車載電話システムでは、情
報取得手段によって取得した車両走行関連情報に基づ
き、利用者が通話を続行することを制限する必要性の有
無を判定する通話可否判定手段を備え、その判定結果に
基づいて次のような制御を行う。すなわち、通話制御手
段が、通話中に通話制限の必要性有りと判定されると、
通話制限のため回線切断する旨を利用者及び通話相手へ
通知した後、回線切断を行うのである。このように通知
をすれば、利用者はもちろん通話相手にとっても回線が
切断された理由が判り、不信感を抱かずに済む。そして
さらに本発明の車載電話システムでは、取得した車両走
行関連情報に基づいて、近い将来における通話制限の必
要性の有無を判定し、その必要性があれば、近い将来に
通話制限のため回線切断する可能性がある旨を利用者へ
通知する。回線切断する直前にその旨を通知する場合に
は発信者側及び利用者の両方に通知することが好ましい
が、近い将来における通話制限の必要性の有無を判定す
る場合には、回線切断までに時間の余裕があるため、利
用者のみに通知すれば十分である。つまり、この通知を
受けた利用者が、その後も継続して通話をしたいのであ
れば、例えば車両を停止させるなどの対処をすればよ
い。また、利用者自らが通話相手に回線を切断すること
を伝えて自ら回線切断操作をしてもよい。
【0013】一方、応答の制限の必要性がなければ、利
用者自身が着呼動作をするか、あるいは自動的に着呼す
ることで、ハンズフリー通話ができる。つまり、電話機
の使用中の状況を加味した適切な応答がなされ、安全性
の向上を図ることができるのである。
【0014】なお、いわゆる留守番電話機能がある場合
には請求項2に示すようにすればよい。すなわち、応答
制限がなされている旨を発信者側へ通知すると共に、留
守番電話機能を利用可能であることを発信者側へ通知す
るのである。留守番電話機能を実行する際には、車両側
装置に伝言内容を記録することが考えられる。もちろ
ん、電話機自体に伝言内容を記録しておくことも考えら
れるし、外部の留守番電話サービスセンタなどに伝言内
容を記録しておくことも可能である。
【0015】そして、このように留守番電話機能まで有
する場合には、請求項3に示すようにすることが考えら
れる。すなわち、発信者側への通知モードとして、応答
制限がなされている旨のみを通知する第1の通知モード
と、さらに留守番電話機能を利用可能であることまでを
通知する第2の通知モードとがあり、それらの通知モー
ドを利用者が切替設定できるようにしておく。そして、
応答制御手段が、設定されている通知モードに応じて発
信者側への通知を行うのである。
【0016】ところで、例えば車速などの車両関連情報
に基づき応答制限する必要がないと判定された場合に
は、一般的には、着信音などで着信があったことを利用
者に報知し、利用者が着呼動作をすれば発信者側との通
話が可能となる。その際、システム側では応答制限する
必要がないと判断した場合でも、何らかの原因で利用者
が着呼動作をできない(あるいはしない方がよい)と判
断することも考えられる。そういった場合までも考慮す
るのであれば、請求項4に示すようにするとよい。すな
わち、携帯型電話機あるいは自動車電話機に着信があ
り、応答制限の必要性無しと判定された場合であって
も、所定時間以内に利用者による着呼動作がなければ、
応答制限がなされている旨を発信者側に通知するのであ
る。このようにすれば、システム側での判定結果に基づ
いて自動応答しない場合であっても、利用者の着呼動作
がないことに基づいても自動応答がなされることとな
る。
【0017】 請求項1に係る発明は、着信があった際
の着呼動作やその後の通話を制限するための工夫、及び
着信時には応答制限する必要はなかったが、その後の通
話中にその通話を続行することが好ましくない状況が発
生した場合の対処に関するものであった。
【0018】 しかし、このように通話制限する必要性
は、着信があった場合だけでなく、利用者側から電話を
掛けた後の通話中にも発生する。したがって、通話状態
になるまでの経緯は関係なく、請求項5に示すように、
通話中に通話制限の必要性有りと判定されると、通話制
限のため回線切断する旨を利用者及び通話相手へ通知し
た後、回線切断を行うようにすればよい。
【0019】 そして、取得した車両走行関連情報に基
づいて、近い将来における通話制限の必要性の有無を判
定し、その必要性があれば、近い将来に通話制限のため
回線切断する可能性がある旨を利用者へ通知する。回線
切断する直前にその旨を通知する場合には発信者側及び
利用者の両方に通知することが好ましいが、本発明の場
合には、回線切断までに時間の余裕があるため、利用者
のみに通知すれば十分である。つまり、この通知を受け
た利用者が、その後も継続して通話をしたいのであれ
ば、例えば車両を停止させるなどの対処をすればよい。
また、利用者自らが通話相手に回線を切断することを伝
えて自ら回線切断操作をしてもよい。
【0020】なお、発信者側や利用者、あるいは通話相
手に通知するためのメッセージについては、車両側装置
が記憶していてもよいし、電話機が記憶していてもよ
い。以上説明したように、応答可否判定手段又は通話可
否判定手段は、車両関連情報に基づいてそれぞれ可否判
定を行うのであるが、次に車両関連情報に関して説明す
る。
【0021】基本的には、車両停止中(車速=0)は危
険度が小さい(あるいは「危険がない」とも考えられ
る。)ため利用者が自ら着呼動作や通話をしても問題な
い。したがって、応答あるいは通話制限する必要がな
い。一方、走行中(車速>0)は、「状況」に応じて危
険度が高くなるため、危険度が高い状況においては通話
あるいは通話制限する必要がある。その「危険度が高い
状況」を推定するために車両関連情報を取得する。
【0022】 そこで、具体的には、請求項に示すよ
うに、車速、車両加速度、車両旋回角度、フットブレー
キの利用者による操作有無、自車が走行中の道路の法定
速度、自車が走行中の道路の幅、自車が走行中の道路に
存在する交差点間隔の内の1つ以上に基づいて、車速に
基づく判定を行う際の閾値を設定することが考えられ
る。なお、請求項に示すように、車両側装置が、地図
データに基づいて設定された経路に基づく走行案内が可
能なナビゲーション装置として構成されている場合に
は、法定速度、道路幅、交差点間隔を地図データから得
ることが考えられる。
【0023】ここで、これら車両関連情報を考慮する目
的を簡単に説明しておく。大きく分けて基本因子と危険
助長因子が存在する。上述したように車速>0であるこ
とが「走行中における危険度合いの判定」を議論する上
での前提となるため、車速は基本因子である。一方、危
険助長因子は車速>0という前提において初めて危険を
助長する作用がある。つまり、車速>0であれば何らか
の危険は発生し得るが、その危険度合いを大きくする
(助長する)因子が危険助長因子である。それでは、上
述した危険助長因子について順番に説明する。
【0024】車速…上述した基本因子としての車速
は、車速が0が否かという観点でのみ考慮しているため
基本因子である。しかし、車速の大きさ自体を考慮する
場合には、危険助長因子であると考えられる。つまり、
車速が大きいほど危険度合いが高いと考えられる。
【0025】車両加速度…加速中あるいは減速中は、
定速で走行している状況に比べて集中度合いをより高く
持つ必要がある。例えば先行車への追突防止の観点など
から。加減速度が大きければ危険度合いが高いと判定す
る。なお、この車両加速度の場合には、車速関連物理量
(車速の微分値)であるため、実際には、車速>0であ
るという条件を満たさなくても、単に車両加速度のみに
基づいて応答又は通話制限の必要性を判定することも可
能である。
【0026】旋回角度…カーブ度合いが大きくなれ
ば、前方の状況が確認し難くなるので、直進走行してい
る状況に比べて集中度合いをより高く持つ必要がある。 フットブレーキの操作有無…走行中にフットブレーキ
を踏んだ場合には、何らかの事情で減速する必要がある
ため、上述した減速度の場合と同じように、より高い集
中が必要と考えられる。
【0027】法定速度…法定速度は、道路環境(道幅
など)を考慮して、その速度以上走行すると危険である
として法定されているものである。したがって、例えば
車速と法定速度のみに基づいて判定する場合には、法定
速度以上の車速であれば応答制限あるいは通話制限の必
要性があると判定することも考えられる。
【0028】道幅…上述の法定速度とよく似た観点で
あるが、道幅が狭いと当該道路への飛び出しなどをより
注意する必要があるので、それを考慮した。 交差点間隔…交差点間隔が短いと、停止・発進を繰り
返す可能性が高くなるので、より高い集中が要求され
る。実際に交差点における事故が多いことを鑑みれば、
このような状況を考慮することは有効である。
【0029】なお、車両関連情報について具体例を挙げ
て説明したが、上述した具体例を考慮する目的と同様の
目的を達成できるような情報であれば、やはりそれも車
両関連情報として採用可能であり、本発明の技術思想に
含まれる。例えば、将来、電話機を車中で使用する場合
の安全基準のようなものが当局によって定められた場合
には、その安全基準に基づくことが必要である。したが
って、上述例では法定速度を挙げたが、その安全基準か
ら定まる上限車速が法定速度よりも低い場合には、当
然、そちらの上限車速の方を優先すべきであると考えら
れる。
【0030】ところで、車速が基本因子であり、車速>
0であることが「走行中における危険度合いの判定」を
議論する上での前提であると説明した。但し、この場合
には車速を検出する必要がある。なお、加速度を直接検
出するものであってもよいが、いずれにしても、そのた
めのセンサが必要となる。
【0031】 これに対して、簡略的に判定をするので
あれば、請求項に示すように、パーキングブレーキが
機能発揮状態でない場合(つまりOFF)には応答ある
いは通話制限の必要性有りと判断するようにしてもよ
い。これは、パーキングブレーキが機能発揮状態(O
N)である場合には、停車中であることが非常に高い確
率で推定できることに鑑みたものである。パーキングブ
レーキがOFFの場合は走行中、あるいは現在停車中で
も近い将来に走行することが予想されるので、それらの
状況を考慮し、応答あるいは通話制限の必要性が有ると
判断したのである。
【0032】 以上説明したのは車載電話システムであ
ったが、本システムは携帯型電話機あるいは自動車電話
機と、車両側装置とが接続されて構成されるものである
ため、請求項に示すように、請求項1〜のいずれか
において車両側装置に関して記載した構成を備える車両
側装置として実現することができる。この際、電話機と
接続するための構成を備えていてもよいし、備えない構
成であってもよい。車両側が備えない場合には、電話機
側が備えていればよいし、電話機側が備えない場合に
は、さらに別体の接続装置(部材)を用いればよい。
【0033】なお、車両側装置としては、例えばナビゲ
ーション装置が挙げられる。上述した地図データから車
両関連情報を取得したい場合にはナビゲーション装置が
適切であるが、必ずしもナビゲーション装置を用いなく
てはならないわけではない。つまり、情報取得手段とし
ては、応答あるいは通話制限の必要性を判定するのに必
要な車両関連情報を取得できる構成であればよく、車速
だけを用いるのであれば、例えば車速センサのみでもよ
い。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例
について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の
形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発
明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうること
は言うまでもない。
【0035】図1は、携帯型電話機を利用した車載電話
システムの概略構成図である。図1に示すように、本実
施例の車載電話システム1は、「携帯型電話機」として
の携帯電話10と、「車両側装置」としてのナビゲーシ
ョン装置20とが接続されて構成されている。
【0036】携帯電話10は、基地局との間で電波を送
受信するためのアンテナ、マイク、スピーカ、操作スイ
ッチ群(いずれも図示せず)などを備える一般的な構成
であり、単体で使用する場合には、上述のマイクとスピ
ーカを用いて通話を行う。また、着信があった場合に
は、利用者による着呼動作に応じて着呼を行う。着呼動
作とは、例えば操作スイッチ群中の所定のスイッチ(着
呼スイッチ)を操作したり、音声認識を採用している場
合には予め規定された言葉(例えば「ハーイ」など)を
発することである。
【0037】一方、ナビゲーション装置20は、位置検
出器21、リモートコントロール端末(以下、リモコン
と称す。)28からの信号を入力するためのリモコンセ
ンサ22、携帯電話接続装置23、外部記憶装置24、
通知モード切替スイッチ25、表示装置26、音声入出
力制御部31及びこれらに接続された制御回路27を備
えている。なお、制御回路27は通常のコンピュータと
して構成されており、内部には周知のCPU、ROM、
RAM、I/O、複数のタイマー及びこれらを接続する
バスラインが備えられている。
【0038】位置検出器21は、GPS(Global Posit
ioning System) 用の人工衛星からの送信電波をGPS
アンテナを介して受信し、車両の位置,方位,速度等を
検出するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転
運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車
速センサや車輪センサ等からなり車両の走行距離を検出
するための距離センサ21cと、地磁気に基づいて絶対
方位を検出する地磁気センサ21dとを備えている。そ
して、これら各センサ等21a〜21dは、各々が性質
の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使
用するように構成されている。なお、精度によっては、
上述したセンサ等21a〜21dの中の一部のみを用い
て構成してもよく、また、左右操舵輪の回転差などから
得られる車両のステアリング角を累積して方向を求める
センサ等を用いてもよい。
【0039】音声入出力制御部31は、音声出力制御部
32と音声入力制御部34を備えており、音声出力制御
部32にはスピーカ33が、音声入力制御部34にはマ
イク35がそれぞれ接続されている。携帯電話接続装置
23は、携帯電話10をナビゲーション装置20側と接
続するための装置であり、このように接続すれば、携帯
電話29を、携帯電話接続装置23を介して制御回路2
7によって制御することができる。つまり、携帯電話1
0が備えているスピーカ及びマイク(図示せず)を用い
ずに、ナビゲーション装置20が備えるスピーカ33及
びマイク35を用いた通話が可能となる。
【0040】そして、このナビゲーション装置20が備
えるマイク35は、車両運転中の利用者の発する音声を
確実に収音可能な場所に設置され、一方スピーカ33
は、車両運転中の利用者がこのスピーカ33から出力さ
れる音声を確実に聴くことが可能な場所に設置される。
したがって、携帯電話10をナビゲーション装置20と
接続することで、利用者が携帯電話10を手で持たずに
通話する「ハンズフリー通話」が可能となる。
【0041】外部記憶装置24は、位置検出の精度向上
のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接
続を表した道路データを含む各種データをなどの情報を
記憶している。この道路データのフォーマットには、リ
ンク情報とノード情報、及びリンク間接続情報がある。
リンク情報としては、リンクを特定するための固有の番
号である「リンクID」や、例えば高速道路、有料道
路、一般道などを識別するための「リンククラス」や、
リンクの「始端座標」および「終端座標」や、リンクの
長さを示す「リンク長」、リンクの幅員(道幅)などの
リンク自体に関する情報がある。さらに、法定速度につ
いても記憶されている。一方、ノード情報としては、リ
ンクを結ぶノード固有の番号である「ノードID」や、
交差点での右左折禁止や、信号機有無などの情報があ
る。
【0042】通知モード切替スイッチ25は、携帯電話
10に外部から電話を掛けてきた相手である発信者側に
通知するメッセージ内容を切り替えるためのスイッチで
ある。具体的には、「現在車両走行中のための電話に出
られない」旨のメッセージのみを通知する第1の通知モ
ードと、さらに「伝言があれば残して欲しい」旨のメッ
セージも併せて通知する第2の通知モードとを切り替え
ることができる。
【0043】なお、本実施例では、この通知用のメッセ
ージは外部記憶装置24に記憶されており、また、伝言
内容を記憶しておくのもこの外部記憶装置24である。
表示装置26はカラー表示装置であり、表示装置26の
画面には位置検出器21から入力された情報に基づいて
公知の方法で求めた現在位置を示す現在位置マーク、外
部記憶装置24より入力される地図データ、設定された
目的地を示す目的地マーク、通信により入手した他車情
報、目的地までの案内経路、その他の文字情報、画像情
報等のデータを重ねて表示することができる。なお、上
述のスピーカ33から各種ガイド音声等を出力すること
もできる。
【0044】そして、制御回路27は、CPU,RO
M,RAMからなる周知のマイクロコンピュータを中心
に構成されており、装置全体の制御を司る。具体的に
は、ナビゲーション関連の制御と、携帯電話10を介し
た応答・通話に関する制御を行う。ナビゲーション関連
の制御は周知であるので、ここでは詳しい説明はせず、
携帯電話10を介した応答・通話に関する制御に関して
説明する。
【0045】図2は、携帯電話10に着信があった場合
に、ナビゲーション装置20の制御回路27にて実行さ
れる着信時処理を示すフローチャートである。本着信時
処理が開始すると、まず車両関連情報を取得し(S1
0)、その車両関連情報に基づいて応答可否判定を行う
(S20)。そして、この応答可否判定結果に基づいて
利用者が自ら応答できる状況か否かを判断する(S3
0)。
【0046】基本的には、車両が停止している場合(車
速=0)は危険度が小さいため、利用者が自ら着呼動作
や通話をしても問題ない。したがって、応答あるいは通
話制限する必要がない。一方、車両が走行している場合
(車速>0)は、状況に応じて危険度が高くなるため、
危険度が高い状況においては通話あるいは通話制限する
必要がある。その「危険度が高い状況」を推定するため
にS10で車両関連情報を取得する。
【0047】具体的には、次のような情報を取得する。
まず、位置検出器21からのデータに基づいて車速や車
両加速度、車両旋回角度を取得する。車両旋回角度は車
両位置の方位変化量により求められる。なお、ステアリ
ングセンサを備えていれば、そのセンサ出力から求めて
も良い。
【0048】また、自車が走行中の道路の法定速度、自
車が走行中の道路の幅、自車が走行中の道路に存在する
交差点間隔を、外部記憶装置24内に記憶された地図デ
ータなどに基づいて取得する。そして、S20での応答
可否判定は、具体的には、例えば車両関連情報として取
得した現車速が所定の閾値よりも大きいか否かで判定す
ることが考えられる。あるいは、車両加速度や減速度が
それぞれに応じて設定された閾値よりも大きいか否かで
判定することが考えられる。加速中あるいは減速中は、
例えば先行車への追突防止の観点などから、定速で走行
している状況に比べて集中度合いをより高く持つ必要が
あるからである。
【0049】なお、車両加速度は車速関連物理量(車速
の微分値)であるため、車速>0であるという条件を考
慮しなくても、車両加速度単独で応答可否判定をするこ
とが可能である。一方、上述した車両関連情報の内、車
速、車両加速度以外については、車速>0という前提条
件が必要なので、例えば車速判定用の閾値自体を、これ
らの情報に基づいて変更設定することが考えられる。こ
れら車両関連情報を考慮する目的などを説明する。
【0050】旋回角度…カーブ度合いが大きくなれ
ば、前方の状況が確認し難くなるので、直進走行してい
る状況に比べて集中度合いをより高く持つ必要がある。 フットブレーキの操作有無…走行中にフットブレーキ
を踏んだ場合には、何らかの事情で減速する必要がある
ため、上述した減速度の場合と同じように、より高い集
中が必要と考えられる。
【0051】法定速度…法定速度は、道路環境(道幅
など)を考慮して、その速度以上走行すると危険である
として法定されているものである。したがって、例えば
車速と法定速度のみに基づいて判定する場合には、法定
速度以上の車速であれば応答制限あるいは通話制限の必
要性があると判定することも考えられる。
【0052】道幅…上述の法定速度とよく似た観点で
あるが、道幅が狭いと当該道路への飛び出しなどをより
注意する必要があるので、それを考慮した。 交差点間隔…交差点間隔が短いと、停止・発進を繰り
返す可能性が高くなるので、より高い集中が要求され
る。実際に交差点における事故が多いことを鑑みれば、
このような状況を考慮することは有効である。
【0053】なお、これら複数挙げた車両関連情報につ
いては、少なくとも1つに基づけば応答可否判定は可能
である。但し、より多くの情報に基づく方が適切な判定
ができることとなる。図2の説明に戻り、利用者が自ら
応答できる状況か否かを判断した結果(S30)、利用
者の応答が可能であると判断された場合には(S30:
YES)、S40へ移行し、自動的に着呼させる。つま
り、制御回路27は、携帯電話接続装置23を介して携
帯電話10を制御し、着信があった外線と通話回線を接
続する着呼処理を行われる。これによって、利用者が全
く何もしなくても着呼し、発信してきた相手と通話可能
な状態となる。
【0054】そして、S50へ移行して通話時処理を実
行する。この通話時処理について図3のフローチャート
を参照して説明する。本通話時処理が開始されると、ま
ず車両関連情報を取得し(S501)、その車両関連情
報に基づいて将来の通話可否判定を行う(S502)。
そして、この通話可否判定結果に基づいて、想定してい
る将来の時点で、通話できる状況か否かを判断する(S
503)。
【0055】これらS501〜S503の処理は、基本
的には上述した図2の10〜S30の処理と同様であ
る。S502にて「将来の通話可否判定」を行っている
点が異なるが、応答可否の判定も通話可否の判定も同じ
で構わない。そして、「将来」の状況を予想する理由は
次の通りである。例えば法定速度によって車速判定用の
閾値が変わる場合を考える。現時点では法定速度に基づ
いて設定された閾値を現車速が下回っていたとしても、
このまま走行していると、進行先の道路の法定速度が低
くなり、その法定速度に基づいて設定される閾値も低く
なる。その場合、現在の速度のままであれば閾値を上回
ってしまうため、通話制限が必要であると判定する。車
両旋回角度については、例えば地図データから自車の進
行先に急カーブがある場合には、やはり通話制限が必要
であると判定する。このように、将来生じるであろう状
況を予測して、その状況における通話可否の判定を行う
のである。
【0056】そして、通話ができないと判断された場合
には(S503:NO)、S504へ移行し、近い将来
に通話制限されることを通知する。なお、このS504
の通知は利用者のみに行う。この通知後はS505へ移
行する。また、通話ができると判断された場合には(S
503:YES)、そのままS505へ移行する。
【0057】S505では、車両関連情報を取得し、続
くS506では、その車両関連情報に基づき、今度は
「現在」の通話可否判定を行う。そして、この現在の通
話可否判定結果に基づいて、通話できる状況か否かを判
断する(S507)。そして、通話ができると判断され
た場合には(S507:YES)、回線が接続状態か否
かを判断し(S508)、接続状態であれば(S50
8:YES)、S501へ戻り、切断状態であれば(S
508:NO)、本ルーチンを終了して図2に戻る。
【0058】一方、通話ができないと判断された場合に
は(S507:NO)、S509へ移行し、通話制限さ
れることを通知する。なお、このS509の通知は、利
用者及び通話相手の両者に行う。この通知の後はS51
0へ移行し、回線を切断してから本ルーチンを終了す
る。
【0059】ところで、S504及びS509にて通知
するのは、通知をせずに切断すると、利用者あるいは通
話相手にとって回線が切断された理由が判らずに不信感
を抱いてしまう可能性があるため、そのような事態を防
止するためである。そして、S504では利用者のみに
通知し、S509では利用者及び通話相手に通知してい
るのは次の理由からである。まず、S509における通
知は、実際に回線を切断する直前であるので発信者側及
び利用者の両方に通知することが好ましい。それに対し
て、S504における通知は、その通知がされたとして
も実際に回線が切断されるまでには時間の余裕があるた
め、利用者のみに通知すれば十分であると考えられるか
らである。つまり、この通知を受けた利用者が、その後
も継続して通話をしたいのであれば、例えば車両を停止
させるなどの対処をすればよい。また、利用者自らが通
話相手に回線を切断することを伝えて自ら回線切断操作
をしてもよい。
【0060】以上説明した図3の通話時処理は、利用者
の応答が可能であると判断された場合(図2のS30:
YES)に、S40を経て実行されるS50の処理であ
ったので、続いて、図2のS60の説明に移る。S60
は、利用者が自ら応答できる状況でないと判断された場
合(S30:NO)に実行される処理であり、通知モー
ドが第1モードか第2モードかを判断する。
【0061】上述したように、通知モード切替スイッチ
25を利用者が操作すれば第1の通知モードと第2の通
知モードとを切り替えることができる。したがって、こ
のS60では、現在のモードの設定状態を判断してい
る。そして、第1の通知モードに設定されている場合に
は、外部記憶装置24に記憶されている第1の通知モー
ド用のメッセージを、携帯電話10に外部から電話を掛
けてきた相手である発信者側に通知する(S70)。こ
のS70にて通知するメッセージ内容は、例えば「現在
車両走行中のための電話に出られない」旨のメッセージ
のみである。このメッセージ通知後は、回線を切断し
(S80)、本着信時処理を終了する。
【0062】一方、第2の通知モードに設定されている
場合には、外部記憶装置24に記憶されている第2の通
知モード用のメッセージを、携帯電話10に外部から電
話を掛けてきた相手である発信者側に通知する(S9
0)。このS90にて通知するメッセージ内容は、上述
したS70でのメッセージ内容である「現在車両走行中
のための電話に出られない」旨の内容に加えて、さらに
「伝言があれば残して欲しい」旨の内容である。このメ
ッセージ通知後は、伝言の記録を行う(S100)。こ
の伝言は外部記憶装置24に記録される。S100の処
理後はS80へ移行する。
【0063】なお、本実施例ではナビゲーション装置2
0自体がいわゆる留守番電話機能を有しているため、ナ
ビゲーション装置20の外部記憶装置24に記憶されて
いるメッセージを通知し、伝言も外部記憶装置24に記
憶するようにした。しかし、携帯電話10自体が留守番
電話機能を有している場合には、それを利用してもよ
い。
【0064】本実施例においては、位置検出器21、外
部記憶装置24及び制御回路27が「情報取得手段」に
相当し、制御回路27が「応答可否判定手段」、「応答
制御手段」、「通話可否判定手段」及び「通話制御手
段」に相当する。また、通知モード切替スイッチ25が
「モード設定手段」に相当する。
【0065】以上説明したシステム構成を持ち、処理を
実行する本車載電話システム1が発揮する効果を説明す
る。携帯電話10を使用したハンズフリー通話が可能で
あるが、ハンズフリー通話とはいえ、通話していること
自体が運転に対する集中を弱めることとなり、高い集中
が必要な走行状況が発生している際には、不適切であ
る。そこで、着信があった場合には、車両関連情報を取
得し(S10)、その車両関連情報に基づいて応答可否
判定を行い(S20)、利用者が自ら応答できる状況で
ない場合には(S30:NO)、利用者に何ら動作をさ
せないようにした応答処理を行う(S60〜S10
0)。
【0066】このようにすることで、例えば高速走行し
ている場合や急カーブを走行している場合あるいは道幅
が狭く道路を走行している場合などのように、応答制限
をして運転に集中させるべき状況では、着呼動作や通話
自体を利用者にさせないようにすることができる。そし
て、そういう事態が生じていることは相手側にも通知さ
れるので利用者が応答しない原因が判って好ましい。一
方、応答制限の必要性がなければ(S30:YES)、
自動的に着呼し(S40)、ハンズフリー通話ができる
(S50)。
【0067】つまり、携帯電話10の使用中の状況(車
載電話システムの一部として構成され、車中で使用して
いる状況)を加味した適切な応答がなされ、安全性の向
上を図ることができる。また、着信時には応答制限する
必要はなかったが、その後の通話中にその通話を続行す
ることが好ましくない状況が発生することも考えられる
ため、図3に示すような処理を行う。つまり、車両関連
情報を取得し(S505)、その車両関連情報に基づい
て通話可否判定を行い(S506)、通話制限すべき状
況である場合には(S507:NO)、利用者及び通話
相手に通話制限の通知を行い(S509)、強制的に回
線を切断するのである(S510)。
【0068】なお、本実施例の場合には、図3のS50
1〜S504に示すように、将来の通話可否判定を行
い、近い将来に通話制限されることを予告できるように
したので、より効果的である。なお、図3に示す通話時
処理は、図2のS50、つまり着信時処理の中で実行さ
れるものであるが、例えば利用者側から電話を掛けた後
の通話中においても、同様にその通話を続行することが
好ましくない状況が発生する。したがって、図3に示す
ような通話時処理を行えばよい。
【0069】[別実施例]上記実施例においては、図2
に示すように、応答制限の必要性がなければ(S30:
YES)、自動的に着呼するようにした(S40)。し
かし、システム側では応答制限する必要がないと判断し
た場合でも、何らかの原因で利用者が着呼動作や通話で
きない(あるいはしない方がよい)と判断することも考
えられる。本別実施例では、そういった場合にまでも考
慮したものである。まず、前提として、着信があった場
合には自動的に着呼するのではなく、利用者が所定の着
呼操作をすることで着呼がなされるように構成されてい
る。この着呼操作は、例えば携帯電話10が備えている
着呼スイッチを押すことでなされる。着呼した後でハン
ズフリー通話ができることは上記実施例と同様である。
【0070】このような前提で、制御回路27は図4に
示すような処理を行う。すなわち、図2のS10〜S3
0と同様に、車両関連情報を取得し(S210)、その
車両関連情報に基づいて応答可否判定を行い(S22
0)、利用者が自ら応答できる状況であるか否かを判断
する(S230)。そして、応答できる場合(S23
0:NO)であっても、上記実施例のように自動的に着
呼するのではなく、利用者による着呼操作があるか否か
を判断する(S240)。そして、所定時間以内に着呼
操作があれば(S240:YES)、S310へ移行し
て通話時処理を行う。このS310での通話時処理は図
3の内容と同じで構わない。
【0071】一方、着呼操作がないまま所定時間が過ぎ
てタイムアウトとなった場合には(S250:YE
S)、S260へ移行する。なお、S230にて否定判
断、つまり利用者の応答不可の場合には、直接S260
へ移行する。S260〜S300の処理は、図2のS6
0〜S100の処理と同じなので説明は繰り返さない。
【0072】このようにすれば、システム側での判定結
果に基づいて自動応答しない場合であっても、利用者の
着呼操作がないことに基づいても自動応答がなされるこ
ととなる。なお、ここでは携帯電話10の着呼スイッチ
を操作して利用者の着呼操作としたが、ナビゲーション
装置20側に設けられたスイッチなどを操作するように
してもよい。また、着呼スイッチのような機械的なスイ
ッチを操作するのではなく、音声認識を採用し、予め規
定された言葉(例えば「ハーイ」など)を発することで
着呼ができるようにしてもよい。
【0073】[その他] (1)上記実施例では、車速>0であることが「走行中
における危険度合いの判定」を議論する上での前提であ
ると説明した。但し、この場合には車速を検出する必要
がある。なお、加速度を直接検出するものであってもよ
いが、いずれにしても、そのためのセンサが必要とな
る。
【0074】これに対して、簡略的に判定をするのであ
れば、パーキングブレーキが機能発揮状態でない場合
(つまりOFF)には応答あるいは通話制限の必要性有
りと判断するようにしてもよい。これは、パーキングブ
レーキが機能発揮状態(ON)である場合には、停車中
であることが非常に高い確率で推定できることに鑑みた
ものである。パーキングブレーキがOFFの場合は走行
中、あるいは現在停車中でも近い将来に走行することが
予想されるので、それらの状況を考慮し、応答あるいは
通話制限の必要性が有ると判断する。
【0075】(2)応答あるいは通話の可否判定をする
際に考慮する車両関連情報としては、上述した具体例を
考慮する目的と同様の目的を達成できるような情報であ
れば、同様に車両関連情報として採用可能である。例え
ば、フットブレーキの操作有無もこの車両関連情報とし
て採用できる。つまり、走行中にフットブレーキを踏ん
だ場合には、何らかの事情で減速する必要があるため、
上述した減速度の場合と同じように、より高い集中が必
要と考えられるからである。
【0076】また、例えば、将来、電話機を車中で使用
する場合の安全基準のようなものが当局によって定めら
れた場合には、その安全基準も当該情報として採用でき
る。 (3)上記実施例では、車両側装置としてナビゲーショ
ン装置20を採用した。車両関連情報としての法定速度
や道路幅、あるいは交差点間隔などは地図データから取
得するので、このようなナビゲーション装置20が適切
である。しかし、必ずしもナビゲーション装置20でな
くてもよく、応答あるいは通話制限の必要性を判定する
のに必要な車両関連情報を取得できる構成であればよ
い。例えば、車速だけを用いるのであれば、車速センサ
のみを情報取得手段として備える構成でも実現可能であ
る。
【0077】(4)上記実施例では、「携帯型電話機」
の一例として携帯電話10を採用したが、当然ながらP
HSでもよい。さらに、自動車電話機であっても基本的
には同様の問題が生じるため、図1における携帯電話1
0に代えて自動車電話機を採用した車載電話システムと
して実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車載電話システムの構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 実施例の制御回路にて実行される着信時処理
を示すフローチャートである。
【図3】 図2の着信時処理中で実行される通話時処理
を示すフローチャートである。
【図4】 着信時処理の別実施例を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1…車載電話システム 10…携帯電話 20…ナビゲーション装置 21…位置検出器 21a…GPS受信機 21b…ジャイロ
スコープ 21c…距離センサ 21d…地磁気セ
ンサ 22…リモコンセンサ 23…携帯電話接
続装置 24…外部記憶装置 25…通知モード
切替スイッチ 26…表示装置 27…制御回路 29…携帯電話 31…音声入出力
制御部 32…音声出力制御部 33…スピーカ 34…音声入力制御部 35…マイク
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−313358(JP,A) 特開 平10−243465(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04M 1/64 - 1/658 H04M 11/00 - 11/10

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】携帯型電話機あるいは自動車電話機と、車
    両側装置とが接続されて構成され、ハンズフリー通話が
    可能な車載電話システムであって、 前記車両側装置は、 車両の走行状態や車両が走行している環境に関する情報
    である車両走行関連情報を取得する情報取得手段と、 該情報取得手段によって取得した車両走行関連情報に基
    づき、利用者が電話に応答することを制限する必要性の
    有無を判定する応答可否判定手段と、 前記携帯型電話機あるいは自動車電話機に着信があった
    場合、前記応答可否判定手段にて前記応答制限の必要性
    有りと判定されると、応答制限がなされている旨を発信
    者側へ通知する応答制御手段と、前記情報取得手段によって取得した車両走行関連情報に
    基づき、利用者が通話を続行することを制限する必要性
    の有無を判定する通話可否判定手段と、 通話中に前記通話可否判定手段にて前記通話制限の必要
    性有りと判定されると、通話制限のため回線切断する旨
    を利用者及び通話相手へ通知した後、回線切断を行う通
    話制御手段とを備え、 前記通話可否判定手段は、前記情報取得手段によって取
    得した車両走行関連情報に基づいて、近い将来における
    通話制限の必要性の有無を判定し、 該通話可否判定手段にて前記近い将来における通話制限
    の必要性有りと判定されると、近い将来に通話制限のた
    め回線切断する可能性がある旨を利用者へ通知する こと
    を特徴とする車載電話システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車載電話システムにおい
    て、 前記応答制御手段は、前記応答制限がなされている旨を
    発信者側へ通知すると共に、留守番電話機能を利用可能
    であることを発信者側へ通知することを特徴とする車載
    電話システム。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の車載電話システムにおい
    て、 前記発信者側への通知モードとして、前記応答制限がな
    されている旨のみを通知する第1の通知モードと、さら
    に留守番電話機能を利用可能であることまでを通知する
    第2の通知モードとがあり、さらに、それらの通知モー
    ドを利用者が切替設定するためのモード設定手段を備え
    ていると共に、 前記応答制御手段は、前記モード設定手段によって設定
    されている通知モードに応じて、前記発信者側への通知
    を行うことを特徴とする車載電話システム。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の車載電話
    システムにおいて、 前記応答制御手段は、前記携帯型電話機あるいは自動車
    電話機に着信があり、前記応答可否判定手段にて前記応
    答制限の必要性無しと判定された場合であっても、所定
    時間以内に前記利用者による着呼動作がなければ、前記
    応答制限がなされている旨を発信者側に通知することを
    特徴とする車載電話システム。
  5. 【請求項5】携帯型電話機あるいは自動車電話機と、車
    両側装置とが接続されて構成され、ハンズフリー通話が
    可能な車載電話システムであって、 前記車両側装置は、 車両の走行状態や車両が走行している環境に関する情報
    である車両走行関連情報を取得する情報取得手段と、 該情報取得手段によって取得した車両走行関連情報に基
    づき、利用者が通話を続行する ことを制限する必要性の
    有無を判定する通話可否判定手段と、 通話中に前記通話可否判定手段にて前記通話制限の必要
    性有りと判定されると、通話制限のため回線切断する旨
    を利用者及び通話相手へ通知した後、回線切断を行う通
    話制御手段とを備え、 前記通話可否判定手段は、前記情報取得手段によって取
    得した車両走行関連情報に基づいて、近い将来における
    通話制限の必要性の有無を判定し、 該通話可否判定手段にて前記近い将来における通話制限
    の必要性有りと判定されると、近い将来に通話制限のた
    め回線切断する可能性がある旨を利用者 へ通知すること
    を特徴とする車載電話システム。
  6. 【請求項6】請求項1〜のいずれかに記載の車載電話
    システムにおいて、 前記情報取得手段は、前記車両関連情報として、車速、
    車両加速度、車両旋回角度、フットブレーキの利用者に
    よる操作有無、自車が走行中の道路の法定速度、自車が
    走行中の道路の幅、自車が走行中の道路に存在する交差
    点間隔の内の1つ以上を取得し、 前記応答可否判定手段又は通話可否判定手段は、前記情
    報取得手段にて取得した車速、車両加速度、車両旋回角
    度、フットブレーキの操作有無、法定速度、道路幅、交
    差点間隔の1つ以上に基づいて、応答制限又は通話制限
    の必要性を判定することを特徴とする車載電話システ
    ム。
  7. 【請求項7】請求項に記載の車載電話システムにおい
    て、 前記車両側装置は、地図データに基づいて設定された経
    路に基づく走行案内が可能なナビゲーション装置として
    構成されており、 前記情報取得手段が取得する前記法定速度、道路幅、交
    差点間隔は、前記地図データから得ることを特徴とする
    車載電話システム。
  8. 【請求項8】請求項1〜のいずれかに記載の車載電話
    システムにおいて、 前記情報取得手段が取得する車両の走行状態がパーキン
    グブレーキの状態であり、 前記応答可否判定手段又は通話可否判定手段は、前記パ
    ーキングブレーキが機能発揮状態でない場合には応答制
    限又は通話制限の必要性有りと判断することを特徴とす
    る車載電話システム。
  9. 【請求項9】請求項1〜のいずれかに記載の車載電話
    システムに用いる車両側装置であって、請求項1〜
    いずれかにおいて車両側装置に関して記載した構成を備
    えることを特徴とする車両側装置。
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